JPH07292345A - 吸湿硬化型感圧性接着剤および吸湿硬化型感圧性接着テープ - Google Patents

吸湿硬化型感圧性接着剤および吸湿硬化型感圧性接着テープ

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JPH07292345A
JPH07292345A JP8878894A JP8878894A JPH07292345A JP H07292345 A JPH07292345 A JP H07292345A JP 8878894 A JP8878894 A JP 8878894A JP 8878894 A JP8878894 A JP 8878894A JP H07292345 A JPH07292345 A JP H07292345A
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weight
pressure
moisture
adhesive
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Application number
JP8878894A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yamamoto
浩史 山本
Naoki Matsuoka
直樹 松岡
Junji Yokoyama
純二 横山
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 分子中にカルボキシル基および水酸基を有す
る高分子ポリマーと、金属酸化物あるいはそれらの混和
物とを含有し、該高分子ポリマーは分子中にカルボキシ
ル基が0.5〜10重量%、水酸基が0.01〜5重量
%含有するものであり、高分子ポリマー100重量部に
対し金属酸化物あるいはそれらの混和物を1〜200重
量部混合してなる。テープは、基材の少なくとも片面に
上記構成の吸湿硬化型感圧性接着剤の被覆層を形成して
なるものである。 【効果】 建築部材のような粗面の接着面を有する被着
体を、機械的接合方法なしに半永久的に保持・固定する
ことができる。被着体の外観を劣化させず応力集中を避
けて接合させることができる。建築部材等の接着作業工
数の短縮化が可能となり、接着作業が大幅に簡素化でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接着当初においては粘
着性かつ感圧接着性を示し、湿気、水分等の吸湿現象に
伴い硬化する吸湿硬化型感圧性接着剤(以下、感圧性接
着剤と称することがある)および基材上に該接着剤層を
形成してなるテープ、シート、ラベル等(以下、吸湿硬
化型感圧性接着テープと称する)に関する。詳しくは硬
化前の低温度においても流動性に優れ、被着体の接着面
に追従可能で、しかも強固な接着が得られる吸湿硬化型
感圧性接着剤およびその接着剤層を有する吸湿硬化型感
圧性接着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加熱操作を施すことが困難もしく
は望ましくない接着剤の用途、例えば粘着タイル、壁紙
等の建築材料の接着に吸湿硬化型の感圧性接着剤が広く
用いられている。上記感圧性接着剤としては、特公昭4
7−38532号公報に開示されているカルボキシル基
を有する高分子ポリマーと周期律表第IIa族金属の酸化
物あるいはそれらの混和物とを含有するものが知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記感圧性
接着剤は、高分子ポリマー中のカルボキシル基の数によ
ってその硬化速度や硬化度がコントロールされるので、
カルボキシル基の数が多くなると、接着剤全体のTgが
上昇して低温での接着性が乏しくなる。逆にカルボキシ
ル基の数が少なくなると、低温での接着性は良好になる
が、硬化速度が遅くまた硬化度合いも低くなる傾向があ
る。そこで、感圧性接着剤としての粘着力と凝集力のバ
ランスを維持するために高分子ポリマー中のカルボキシ
ル基が分子中に0.5〜15重量%存在することが望ま
しいとされている。そこで、該感圧性接着剤は、通常、
カルボキシル基の数を分子中に5〜10重量%程度とさ
れて使用されているが、この接着剤は接着後の凝集力を
重視する構成であるので、使用当初における流動性に乏
しく、例えば表面粗さが50〜1000μm、特に20
0〜500μm程度の粗面を有する被着体の接着面に対
して、十分に追従できずなじみ難い。このように、上記
従来の感圧性接着剤は、粗面の接着面を有する被着体、
例えば建築材料を強固に接着させることができず、建築
現場において本接着の接着剤として未だ採用されていな
い。
【0004】本発明の第1の目的は、上記課題を解決
し、使用当初における流動性に優れ、被着体の接着面に
なじみ易く、被着体を強固に接着できる吸湿硬化型感圧
性接着剤を提供することである。本発明の第2の目的
は、粗面の接着面を有する被着体と強固に接着しうる接
着テープを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、感圧性
接着剤の高分子ポリマーとして、分子中にカルボキシル
基と水酸基とを有するポリマーを用いると、カルボキシ
ル基にかわる水酸基でも十分な架橋効果(凝集力)を奏
すること、また、上記水酸基を導入することによってカ
ルボキシル基の量を減少できるようになり、低温度での
接着剤の流動性が損なわれず、被着体の粗面に対しても
追従性に優れること、さらに吸湿硬化後は十分な凝集力
が得られる知見を得た。
【0006】本発明は上記知見に基づき完成したもので
あって、即ち、本発明の吸湿硬化型感圧性接着剤は、以
下の特徴を有するものである。 (1)分子中にカルボキシル基および水酸基を有する高
分子ポリマーと、金属酸化物あるいはそれらの混和物と
を含有するものである。 (2)上記(1)は、高分子ポリマー100重量部に対
し金属酸化物あるいはそれらの混和物が1〜200重量
部含有されてなるものである。 (3)上記(1)または(2)の高分子ポリマーは、分
子中にカルボキシル基が0.5〜10重量%、水酸基が
0.01〜5重量%含有されたものである。 (4)上記(1)または(2)の金属酸化物は、IIa族
金属の酸化物である。 (5)上記(1)の吸湿硬化型感圧性接着剤100重量
部に対して不活性ガスを内包する中空体を5〜100重
量部混合したものである。 また、本発明の吸湿硬化型感圧性接着テープは、次の特
徴を有する。 (6)基材の少なくとも片面に、上記(1)〜(5)の
いずれかに記載の吸湿硬化型感圧性接着剤の被覆層を形
成してなるものである。
【0007】本発明において、吸湿硬化型感圧性接着剤
に用いる分子鎖中にカルボキシル基と水酸基とを有する
ポリマーとしては、分子中にカルボキシル基と水酸基と
を有する高分子樹脂またはゴムのいずれも使用できる。
上記カルボキシル基および水酸基の数は、金属酸化物に
よる硬化速度、また、感圧性接着剤の高分子基材として
の硬さ(流動性)、さらにTg等を考慮して選択するこ
とが必要である。感圧性接着剤の硬化速度は、上記カル
ボキシル基および水酸基の数が多いほど大となる。ま
た、感圧性接着剤の高分子基材としての硬さは、カルボ
キシル基の数が多くなるほど増加する。
【0008】したがって、本発明では感圧性接着剤とし
ての粘着力と凝集力のバランスを維持するためには、ポ
リマー中にカルボキシル基が、分子中に0.5〜10重
量%、好ましくは2〜5重量%、水酸基が、分子中に
0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%導入
されていることが適当である。上記ポリマー中にカルボ
キシル基が、0.5重量%未満であれば、硬化速度が遅
く、硬化後の凝集力も低いものとなり、また、接着力も
低下する傾向がある。一方、10重量%を越えると、接
着剤全体のTgが上昇し、低温での粘着力が低下する傾
向がある。また、水酸基が、0.01重量%未満であれ
ば、上記カルボキシル基の含有量を減少させることがで
きず、一方、5重量%を越えると、逆にカルボキシル基
の含有量が低下し過ぎて、感圧性接着剤としての粘着力
と凝集力のバランスを維持できない。
【0009】本発明では、上記したように、高分子ポリ
マーにカルボキシル基および水酸基を導入しているが、
水酸基はカルボキシル基にかわって十分に架橋効果(凝
集力)を奏する。また、この水酸基を導入することによ
って、カルボキシル基の量を減少できるので、接着剤全
体のTgの上昇を抑えることができ、低温での粘着力に
優れ感圧接着性が良好になる。また、接着剤使用当初に
おける流動性が良好になり、接着面が粗面であっても十
分に追従できるようになる。
【0010】上記分子中にカルボキシル基と水酸基とを
有する高分子ポリマーとしては、下記に示すカルボキシ
ル基含有モノマーおよび水酸基含有モノマーを必須成分
とし、必要に応じてその他の共重合可能なモノマーとを
共重合させてなる二元共重合体または三元共重合体が好
適に使用できる。
【0011】上記カルボキシル基含有モノマーとして
は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、クロトン酸等が挙げられる。
【0012】また、水酸基含有モノマーとしては、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジ
ルメタクリレート等が挙げられる。
【0013】その他の共重合可能なモノマーとしては、
上記アクリル酸やメタクリル酸のアルキルエステルがあ
り、具体的には、アルキル基の炭素数が2〜12程度を
有するエチルアクリレート、エチルメタクリレート、プ
ロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチル
アクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノ
ニルアクリレート等が挙げられる。さらに、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン等
を共重合させることもできる。
【0014】また、分子中にカルボキシル基と水酸基と
を有する高分子ポリマーとしては、異性化反応や付加反
応を用いてゴムの分子中にカルボキシル基と水酸基とを
導入してなるゴム誘導体も使用できる。
【0015】本発明の吸湿硬化型感圧性接着剤の一方の
成分である金属酸化物としては、周期律表第IIa族金属
の酸化物が好適に使用でき、例えばカルシウム、ストロ
ンチウム、バリウムから選ばれる金属の酸化物が挙げら
れる。この金属酸化物は、前記高分子ポリマーに対し乾
燥状態では常温もしくは加熱下においても硬化しない
が、吸湿によって初めて架橋剤としての機能を発揮す
る。上記金属酸化物は、単体またはそれらの2種以上の
混合物さらには単体を含む混和物、例えば酸化カルシウ
ムを含むアルミナセメント、ポルトランドセメント、天
然セメントのような混和物であってもよい。
【0016】本発明の吸湿硬化型感圧性接着剤において
は、上記金属酸化物の添加量は、分子中にカルボキシル
基と水酸基とを有する高分子ポリマーの種類により変動
するが、目的とする感圧性接着剤の硬化速度や流動性、
また、粘着性および凝集力とのバランス等により決定す
ることが好ましい。通常、分子鎖中にカルボキシル基と
水酸基とを有する高分子ポリマー100重量部に対し1
〜200重量部、好ましくは5〜50重量部程度が適当
である。上記金属酸化物が、1重量部未満であると、硬
化速度が遅く、また十分に硬化がなされても十分な凝集
力がえられ難い傾向があり、一方、200重量部を越え
ると、硬化が速すぎるため保存性や取扱いにおいて不具
合が生じる傾向がある。
【0017】本発明では、吸湿硬化型感圧性接着剤に、
不活性ガスを内包する中空体を混合したものであっても
よい。この中空体を混合した吸湿硬化型感圧性接着剤
を、被着材の接着面の少なくとも一部に介在させ、これ
を70℃以上に加熱すると、該中空体が膨張するのにと
もない、接着剤と被着体との隙間に容易に充填されるよ
うになる。したがって、接着剤は被着体の接着面形状に
応じてより容易に追従できるようになり好ましい。上記
中空体としては、塩化ビニリデン−アクリロニトリルの
殻に窒素ガス等の不活性ガスを内包させたマイクロカプ
セルが使用できる。該中空体は、吸湿硬化型感圧性接着
剤100重量部に対し5〜200重量部、好ましくは5
〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部程度混
合することが適当である。上記中空体の混合量が、吸湿
硬化型感圧性接着剤100重量部に対し5重量部未満で
あると、接着剤を被着体表面にくい込ませるアンカー効
果が得られず、一方、200重量部を越えると、接着剤
層の機械的強度が低下する傾向がある。
【0018】また、本発明の吸湿硬化型感圧性接着剤
は、初期接着性および硬化後のクリープ性能の点から、
硬化前のゲル分率は0〜40%、好ましくは0〜10%
程度、硬化後のゲル分率は5〜100%、好ましくは2
0〜80%程度を有するものが適当である。このゲル分
率は、ポリマー中に存在する水酸基によっても調整さ
れ、本発明の吸湿硬化型感圧性接着剤では、カルボキシ
ル基の一部を水酸基に置換しているので、カルボキシル
基の量を最小に抑制でき、低温時における粘着性が低下
せず初期接着性に優れるようになる。
【0019】本発明の吸湿硬化型感圧性接着剤は、例え
ば分子中にカルボキシル基および水酸基を有する高分子
ポリマーとIIa族金属の酸化物とを公知の方法で有機溶
剤に均一に溶解して、通常、固形分を5〜80重量%、
好ましくは15〜50重量%程度に調製される。
【0020】本発明では、接着剤の各成分を、実質上遊
離水を含まない状態になる程度に可及的に脱水して用い
ることが好ましい。この脱水方法としては、遠心分離あ
るいは減圧等のいかなる脱水操作を施してもよいが、各
成分を変質させない点で減圧脱水による方法が効果的で
ある。また、液状の成分は、塩化カルシウム(無水)、
シリカゲル等の乾燥剤で脱水するのが好適である。一般
にポリマーに限らず低分子量の有機溶剤は、遊離水、吸
着水あるいは抱合水のかたちで数%乃至極微量の水分を
含有していることが知られているが、本発明の機能を発
揮させるためには、可及的に遊離水は除去すべきである
が、微量の吸着水あるいは抱合水は、特に除去する必要
はなく、却って感圧性接着剤の接着当初に必要な凝集力
を向上させるための低度の架橋反応を促進するのに有効
である。
【0021】なお、本発明の吸湿硬化型感圧性接着剤に
は、必要に応じて部分的架橋剤、軟化剤、粘着付与剤、
老化防止剤、可塑剤、安定剤、顔料あるいは充填剤など
の公知の成分を添加することができる。上記成分の混合
量は、吸湿硬化型感圧性接着剤の使用目的によって、適
宜選択すればよい。
【0022】本発明の吸湿硬化型感圧性接着テープは、
基材の少なくとも片面に上記吸湿硬化型感圧性接着の被
覆層を形成してなるもので、接着テープ、接着シート、
接着ラベル等の形態を有するものである。上記基材とし
ては、発泡体、プラスチックシートまたはテープ、紙等
の公知の材料が使用できる。上記発泡体としては、25
%圧縮時の圧縮硬さが0.1〜1.5Kg/cm2 、望まし
くは0.6〜1.0Kg/cm2 程度が適当であり、見掛け
密度は、0.05〜0.5g/cm3 のものが粗面への追
従性の点から好ましく、非透湿性のゴム発泡体または樹
脂系発泡体が例示される。また、プラスチックシートま
たはテープとしては、ポリエステルフィルム、ポリスチ
レンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニ
ルフィルム等が例示される。通常、上記感圧性接着テー
プにおいては、厚さ0.005〜10.0mm、好ましく
は0.01〜1.0mmの基材が使用される。上記感圧性
接着テープは、一般的な方法によって製造される。例え
ば、上記基材の片面または両面(好ましくは両面)に、
上記吸湿硬化型感圧性接着剤をロールコーター、リバー
スコーター、バーコーター、ファンテンコーター等の方
法によって塗布した後、有機溶媒を乾燥除去して、通
常、乾燥膜厚が20〜1000μm、好ましくは100
〜300μm程度の被覆層を形成して製造される。
【0023】かかる感圧性接着テープを製造する際の有
機溶剤の乾燥除去条件は、加熱温度を高くしても感圧性
接着剤の硬化反応に全く影響しないが、湿度による影響
は大きく、湿度が30%R.H.以下であれば塗布乾燥
が可能である。これは、本発明の吸湿硬化型感圧性接着
剤が、30%R.H.以下の低湿度のときとそれ以上の
高湿度のときとでは、吸湿硬化の速度が明らかに異なる
と考えられ、湿度30%R.H.以下で短時間、例えば
乾燥時間程度であれば低度の架橋反応が進行することが
あっても、吸湿硬化速度は遅く、実質上の硬化は殆ど進
行しないからである。
【0024】本発明の吸湿硬化型感圧性接着剤および感
圧性接着テープを長期間保存する場合には、湿度15%
R.H.好ましくは10%R.H.以下に保存するよう
にすれば、硬化反応は殆ど進行しないので好ましい。ま
た、本発明の吸湿硬化型感圧性接着剤は、チューブまた
は密封容器中に保存し、使用時にチューブまたは容器か
ら取り出し、被着体の接着面に塗布するようにすること
もできる。
【0025】
【作用】本発明の吸湿硬化型感圧性接着剤によれば、分
子鎖中にカルボキシル基と水酸基とを有する高分子ポリ
マーを用いたので、カルボキシル基にかわる水酸基が十
分な架橋効果(凝集力)を奏し、カルボキシル基の量を
減少できるようになる。高分子ポリマー中のカルボキシ
ル基の量を減少できるので、接着剤全体のTgの上昇が
抑制でき、低温時の感圧性接着剤の接着性が損なわれ
ず、また、接着初期における流動性に優れ、被着体の接
着面の形状にかかわらず追従性を示すようになる。
【0026】また、吸湿硬化型感圧性接着剤が中空体を
含有する場合は、被着体に接着し硬化前に加熱すると、
中空体が膨張して該接着剤が被着体表面にくい込む、所
謂アンカー効果を奏するようになるので、被着体の接着
面が粗面であっても、その面形状に応じてより容易に追
従できるようになる。
【0027】また、本発明の吸湿硬化型感圧性接着テー
プによれば、被着体の粗面に追従でき、かつ、接着当初
は感圧接着性を有するので、仮釘のような機械的接合方
法が不要にできる。また、被着体として、粗面の接着面
を有する建築材料等の被着体に好適に適用できるように
なる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するため実施例を
挙げるが、本発明はこれら実施例によって何ら限定され
るものではない。 実施例1 アクリル酸3重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト0.1重量部および2−エチルヘキシルアクリレート
96.9重量部を共重合させてえられる共重合体100
重量部、400メッシュを通過するポルトランドセメン
ト(商品名ポルトランドセメント 小野田セメント社
製)20重量部およびトルエン400重量部の各成分を
それぞれ脱水乾燥した後、トルエン中に共重合体を溶解
するとともに、ポルトランドセメントを分散させた感圧
性接着剤を調製した。この感圧性接着剤を、SUS板、
ベニヤ板にそれぞれ塗布し、100℃×3分加熱乾燥し
て厚さ200μmの粘着層を形成し、その上にSUS
板、ベニヤ板を載置しそれぞれの表面に5Kgローラー
を1往復させて圧着した。上記各粘着層の初期および3
5℃×80%R.H.の雰囲気に24時間放置後の剪断
接着力と静荷重負荷時の保持力は、表1に示す通りであ
った。また、表1には、上記各粘着層を酢酸エチル中に
148時間浸漬した後、ゲル分率を測定した値も示し
た。
【0029】実施例2 実施例1で調製した感圧性接着剤100重量部に対し
て、中空体(商品名マイクロスフェアーF−30D 松
本油脂社製)30重量部を分散させた感圧性接着剤を調
製した。この感圧性接着剤を、SUS板、ベニヤ板にそ
れぞれ塗布し、100℃×3分加熱乾燥して厚さ200
μmの粘着層を形成し、その上にSUS板、ベニヤ板を
載置しそれぞれの表面に5Kgローラーを1往復させて
圧着した。上記各粘着層の初期および35℃×80%
R.H.の雰囲気に24時間放置後の剪断接着力と静荷
重負荷時の保持力は、表1に示す通りであった。また、
表1には、上記各粘着層を酢酸エチル中に148時間浸
漬した後、ゲル分率を測定した値も示した。
【0030】実施例3 アクリル酸2重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト0.1重量部および2−エチルヘキシルアクリレート
97.9重量部を共重合させてえられる共重合体100
重量部、ポルトランドセメント(400メッシュパス:
商品名ポルトランドセメント 小野田セメント社製)3
0重量部、中空体(商品名マイクロスフェアーF−30
D 松本油脂社製)30重量部、トリメチロールプロパ
ンおよびトルエンジイソシアネートよりなる部分架橋剤
(商品名コロネートL 日本ポリウレタン社製)および
トルエン400重量部の各成分をそれぞれ脱水乾燥し、
トルエン中に共重合体および部分架橋剤を溶解させると
ともに、ポルトランドセメントおよび中空体を分散させ
た感圧性接着剤を調製した。この感圧性接着剤を、SU
S板に塗布し、100℃×3分加熱乾燥して厚さ150
μmの粘着層を形成した。上記粘着層を、厚さ1.0mm
のポリエチレン発泡体(商品名トーレペフ東レ社製)の
両面に積層し感圧性接着層を形成した。この接着層保護
のために、それぞれの接着層表面に両面シリコーン処理
した離型フィルムを積層して感圧性接着テープを作製し
た。この感圧性接着テープをSUS板およびベニヤ板に
それぞれ貼付け、実施例1と同様にして各粘着層の初期
および35℃×80%RHの雰囲気に24時間放置後
(硬化後)の剪断接着力と静荷重負荷時の保持力を測定
し、表1に示した。また、ゲル分率を測定し表1に示し
た。
【0031】実施例4 アクリル酸3重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト0.1重量部および2−エチルヘキシルアクリレート
96.9重量部を共重合させてえられる共重合体100
重量部、ポルトランドセメント(400メッシュパス:
商品名ポルトランドセメント 小野田セメント社製)3
0重量部、中空体(商品名マイクロスフェアーF−30
D 松本油脂社製)30重量部、トリメチロールプロパ
ンおよびトルエンジイソシアネートよりなる部分架橋剤
(商品名コロネートL 日本ポリウレタン社製)および
トルエン400重量部の各成分をそれぞれ脱水乾燥し、
トルエン中に共重合体および部分架橋剤を溶解させると
ともに、ポルトランドセメントおよび中空体を分散させ
た感圧性接着剤を調製した。この感圧性接着剤を、SU
S板およびベニヤ板にそれぞれ塗布し、100℃×3分
加熱乾燥して厚さ150μmの粘着層を形成した。この
粘着層を形成したSUS板およびベニヤ板を、実施例1
と同様にして、剪断接着力と静荷重負荷時の保持力を測
定した。また、粘着層のゲル分率を測定し表1に示し
た。
【0032】実施例5 厚さ0.2mmのポリエチレンフォーム製基材の両面に、
実施例2で調製した感圧性接着剤を転写方法にて被覆し
て、厚さ50μmの吸湿硬化型感圧性の両面接着テープ
を作製した。この両面接着テープを、SUS板およびベ
ニヤ板にそれぞれ貼付け、実施例1と同様にして各粘着
層の初期および35℃×80%RHの雰囲気に24時間
放置後(硬化後)の剪断接着力と静荷重負荷時の保持力
を測定し、表1に示した。また、粘着層のゲル分率を測
定し表1に示した。
【0033】比較例1 アクリル酸5重量部およびブチルアクリレート95重量
部を共重合させてえられる共重合体100重量部、ポル
トランドセメント(400メッシュパス:商品名ポルト
ランドセメント 小野田セメント社製)30重量部、ク
マロンインデン樹脂(商品名クマロンVM1/2 富士
製鐡社製)50重量部、トリメチロールプロパンおよび
トルエンジイソシアネートよりなる部分架橋剤(商品名
コロネートL 日本ポリウレタン社製)3重量部および
トルエン400重量部の各成分をそれぞれ脱水乾燥し、
トルエン中に各成分を均一に溶解させて感圧性接着剤を
調製した。この感圧性接着剤を、SUS板およびベニヤ
板にそれぞれ塗布し、100℃×3分加熱乾燥して厚さ
80μmの粘着層を形成した。この粘着層を形成したS
US板およびベニヤ板を、実施例1と同様にして、剪断
接着力と静荷重負荷時の保持力を測定した。また、粘着
層のゲル分率を測定し表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の吸湿硬
化型感圧性接着剤は、接着当初は流動性に優れ、さら
に、中空体を配合した接着剤は、加熱することによって
接着剤がアンカー効果によって被着体表面にくい込むの
で、被着体の接着面がいかなる形状、粗面であってもそ
の面形状に応じて優れた追従性を示す。また、接着当初
は低温時での粘着性が損なわれず優れた感圧接着性を示
すので、機械的接合方法が不要である。また、機械的接
合方法が不要であるので、被着体の外観を劣化させず応
力集中を避けて接合させることが可能になる。さらに経
時的に空気中の湿気、水分等の吸湿現象により自然に硬
化するので、強固な接着力が得られ、被着体を、半永久
的に保持・固定することができる。したがって、例えば
造作材の接着、コンクリート面に対する磁性あるいは合
成樹脂製タイルの接着、防水シートの接着、紙等の基材
よりなる壁装材の接着等の建築部材の接着に好適に使用
できる。吸水し易い木材のような被着体に適用すれば、
上記接着剤の硬化がより促進されるようになる。さら
に、建築部材の接着においては、大幅な作業工数の短縮
化が可能である。また、本発明の接着テープは、基材の
少なくとも片面に上記吸湿硬化型感圧性接着剤の被覆層
を形成しているので、粗面を有する被着体の接着、特に
建築部材の接着に好適に使用できる。この接着テープを
使用することによって、建築現場における建築部材の接
着作業が大幅に簡素化される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中にカルボキシル基および水酸基を
    有する高分子ポリマーと、金属酸化物あるいはそれらの
    混和物とを含有する吸湿硬化型感圧性接着剤。
  2. 【請求項2】 高分子ポリマー100重量部に対し金属
    酸化物あるいはそれらの混和物を1〜200重量部含有
    する請求項1記載の吸湿硬化型感圧性接着剤。
  3. 【請求項3】 高分子ポリマーの分子中にカルボキシル
    基が0.5〜10重量%、水酸基が分子中に0.01〜
    5重量%含有されたものである請求項1または2記載の
    吸湿硬化型感圧性接着剤。
  4. 【請求項4】 金属酸化物がIIa族金属の酸化物である
    請求項1または2記載の吸湿硬化型感圧性接着剤。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の吸湿硬化型感圧性接着
    剤100重量部に対し中空体を5〜200重量部混合し
    てなる請求項1記載の吸湿硬化型感圧性接着剤。
  6. 【請求項6】 基材の少なくとも片面に、請求項1〜5
    のいずれかに記載の吸湿硬化型感圧性接着剤の被覆層を
    形成してなる吸湿硬化型感圧性接着テープ。
JP8878894A 1994-04-26 1994-04-26 吸湿硬化型感圧性接着剤および吸湿硬化型感圧性接着テープ Pending JPH07292345A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005225904A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Ricoh Co Ltd 被接着物と接着物の接合方法、接合構造および接合装置
JP2006219606A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Fujicopian Co Ltd 転写式感圧接着テープ
JP2017071749A (ja) * 2015-10-07 2017-04-13 大日本印刷株式会社 物品の製造方法および接着シート

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