JPH07292199A - フッ素系ポリマー組成物およびその架橋方法 - Google Patents
フッ素系ポリマー組成物およびその架橋方法Info
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- JPH07292199A JPH07292199A JP9220794A JP9220794A JPH07292199A JP H07292199 A JPH07292199 A JP H07292199A JP 9220794 A JP9220794 A JP 9220794A JP 9220794 A JP9220794 A JP 9220794A JP H07292199 A JPH07292199 A JP H07292199A
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- fluororubber
- tetrafluoroethylene
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Abstract
(57)【要約】
【構成】テトラフルオロエチレン−エチレン系フッ素樹
脂またはこれとテトラフルオロエチレン−プロピレン系
フッ素ゴムからなり、含フッ素界面活性剤を含有する放
射線架橋可能なフッ素系ポリマー組成物。 【効果】架橋助剤が不要で作業環境の悪化がなく、溶融
押出物が破断することなく連続したペレット化が可能
で、良好な外観を有する架橋成形物が得られる。
脂またはこれとテトラフルオロエチレン−プロピレン系
フッ素ゴムからなり、含フッ素界面活性剤を含有する放
射線架橋可能なフッ素系ポリマー組成物。 【効果】架橋助剤が不要で作業環境の悪化がなく、溶融
押出物が破断することなく連続したペレット化が可能
で、良好な外観を有する架橋成形物が得られる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はフッ素系ポリマー組成物
およびその架橋方法に関し、さらに詳しくは含フッ素界
面活性剤を含有せしめることにより架橋性が改善され、
押出加工性が優れたフッ素系ポリマー組成物およびその
架橋方法に関する。
およびその架橋方法に関し、さらに詳しくは含フッ素界
面活性剤を含有せしめることにより架橋性が改善され、
押出加工性が優れたフッ素系ポリマー組成物およびその
架橋方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】テトラフルオロエチレン−エチレン系フ
ッ素樹脂（以下、ＥＴＦＥフッ素樹脂ともいう）または
テトラフルオロエチレン−プロピレン系フッ素ゴム（以
下、ＦＰフッ素ゴムともいう）とＥＴＦＥフッ素樹脂の
溶融混合物は、電線被覆等の電気絶縁材料として好適に
用いられている。これらのＥＴＦＥフッ素樹脂またはＥ
ＴＦＥフッ素樹脂とＦＰフッ素ゴムの混合物は、成形し
た後に電離性放射線を照射することにより架橋して実用
的な物性を得るために、トリアリルイソシアヌレート等
の架橋助剤が必要であった。
ッ素樹脂（以下、ＥＴＦＥフッ素樹脂ともいう）または
テトラフルオロエチレン−プロピレン系フッ素ゴム（以
下、ＦＰフッ素ゴムともいう）とＥＴＦＥフッ素樹脂の
溶融混合物は、電線被覆等の電気絶縁材料として好適に
用いられている。これらのＥＴＦＥフッ素樹脂またはＥ
ＴＦＥフッ素樹脂とＦＰフッ素ゴムの混合物は、成形し
た後に電離性放射線を照射することにより架橋して実用
的な物性を得るために、トリアリルイソシアヌレート等
の架橋助剤が必要であった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ＥＴＦＥフッ
素樹脂またはＥＴＦＥフッ素樹脂とＦＰフッ素ゴムの混
合物とトリアリルイソシアヌレートとの溶融混合が高温
であるために、成形加工の工程においてトリアリルイソ
シアヌレートの揮散により作業環境が悪化することや、
成形物の表面に揮散したトリアリルイソシアヌレートが
付着して成形物の外観を損なうなどの問題があった。
素樹脂またはＥＴＦＥフッ素樹脂とＦＰフッ素ゴムの混
合物とトリアリルイソシアヌレートとの溶融混合が高温
であるために、成形加工の工程においてトリアリルイソ
シアヌレートの揮散により作業環境が悪化することや、
成形物の表面に揮散したトリアリルイソシアヌレートが
付着して成形物の外観を損なうなどの問題があった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者は、含フッ素界
面活性剤がＥＴＦＥフッ素樹脂またはＥＴＦＥフッ素樹
脂とＦＰフッ素ゴムの混合物の電離性放射線架橋反応性
を著しく向上させる効果を有することを見出し、本発明
に至った。
面活性剤がＥＴＦＥフッ素樹脂またはＥＴＦＥフッ素樹
脂とＦＰフッ素ゴムの混合物の電離性放射線架橋反応性
を著しく向上させる効果を有することを見出し、本発明
に至った。
【０００５】すなわち、本発明は、テトラフルオロエチ
レン−エチレン系フッ素樹脂に含フッ素界面活性剤を含
有せしめてなることを特徴とするフッ素系ポリマー組成
物である。
レン−エチレン系フッ素樹脂に含フッ素界面活性剤を含
有せしめてなることを特徴とするフッ素系ポリマー組成
物である。
【０００６】また、本発明は、テトラフルオロエチレン
−エチレン系フッ素樹脂として、含フッ素界面活性剤を
乳化剤として用いて重合されたものを使用することによ
り、フッ素系ポリマー組成物に含フッ素界面活性剤を含
有せしめてなる上記フッ素系ポリマー組成物である。
−エチレン系フッ素樹脂として、含フッ素界面活性剤を
乳化剤として用いて重合されたものを使用することによ
り、フッ素系ポリマー組成物に含フッ素界面活性剤を含
有せしめてなる上記フッ素系ポリマー組成物である。
【０００７】また、本発明は、テトラフルオロエチレン
−プロピレン系フッ素ゴムをさらに含有せしめてなる上
記フッ素系ポリマー組成物である。
−プロピレン系フッ素ゴムをさらに含有せしめてなる上
記フッ素系ポリマー組成物である。
【０００８】また、本発明は、テトラフルオロエチレン
−プロピレン系フッ素ゴムとして、含フッ素界面活性剤
を乳化剤として用いて重合されたものを使用することに
より、フッ素系ポリマー組成物に含フッ素界面活性剤を
含有せしめてなる上記フッ素系ポリマー組成物である。
−プロピレン系フッ素ゴムとして、含フッ素界面活性剤
を乳化剤として用いて重合されたものを使用することに
より、フッ素系ポリマー組成物に含フッ素界面活性剤を
含有せしめてなる上記フッ素系ポリマー組成物である。
【０００９】また、本発明は、上記フッ素系ポリマー組
成物を電離性放射線の照射により架橋せしめることを特
徴とする架橋方法である。
成物を電離性放射線の照射により架橋せしめることを特
徴とする架橋方法である。
【００１０】本発明の含フッ素界面活性剤を含有するＥ
ＴＦＥフッ素樹脂またはＥＴＦＥフッ素樹脂とＦＰフッ
素ゴムの混合物は、その機構は明らかではないが、架橋
反応性が著しく向上し、トリアリルイソシアヌレート等
の架橋助剤を用いることなく、電離性放射線を照射する
ことにより架橋可能となる。
ＴＦＥフッ素樹脂またはＥＴＦＥフッ素樹脂とＦＰフッ
素ゴムの混合物は、その機構は明らかではないが、架橋
反応性が著しく向上し、トリアリルイソシアヌレート等
の架橋助剤を用いることなく、電離性放射線を照射する
ことにより架橋可能となる。
【００１１】本発明に用いられるＥＴＦＥフッ素樹脂
は、テトラフルオロエチレン／エチレンが７０／３０〜
３０／７０（モル比）の割合で共重合されたものが好ま
しい。また、ＥＴＦＥフッ素樹脂は、さらに１種または
それ以上のフッ素含有のモノマーや炭化水素系のモノマ
ーが共重合されてもよい。
は、テトラフルオロエチレン／エチレンが７０／３０〜
３０／７０（モル比）の割合で共重合されたものが好ま
しい。また、ＥＴＦＥフッ素樹脂は、さらに１種または
それ以上のフッ素含有のモノマーや炭化水素系のモノマ
ーが共重合されてもよい。
【００１２】共重合可能なモノマーとしては、フッ化ビ
ニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、（ペルフルオロ
ブチル）エチレン、（ペルフルオロヘキシル）エチレ
ン、ペルフルオロ（メチルビニルエーテル）、ペルフル
オロ（プロピルビニルエーテル）等のフッ素含有のモノ
マーや、プロピレン、ブテン、メチルビニルエーテル、
エチルビニルエーテル等の炭化水素系のモノマーが挙げ
られる。
ニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、（ペルフルオロ
ブチル）エチレン、（ペルフルオロヘキシル）エチレ
ン、ペルフルオロ（メチルビニルエーテル）、ペルフル
オロ（プロピルビニルエーテル）等のフッ素含有のモノ
マーや、プロピレン、ブテン、メチルビニルエーテル、
エチルビニルエーテル等の炭化水素系のモノマーが挙げ
られる。
【００１３】これらのモノマーを用いる際には、ＥＴＦ
Ｅフッ素樹脂中に５０モル％以内で共重合されているこ
とが好ましい。
Ｅフッ素樹脂中に５０モル％以内で共重合されているこ
とが好ましい。
【００１４】本発明に用いられるＥＴＦＥフッ素樹脂の
製造に際しては、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液
重合等の従来公知の各種重合方法はすべて採用できる。
製造に際しては、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液
重合等の従来公知の各種重合方法はすべて採用できる。
【００１５】ここで、含フッ素界面活性剤を用いた乳化
重合を採用するときは、含フッ素界面活性剤をＥＴＦＥ
フッ素樹脂に残存せしめることができる。他の重合方法
を採用するときは、溶融混練する際に含フッ素界面活性
剤を添加できる。
重合を採用するときは、含フッ素界面活性剤をＥＴＦＥ
フッ素樹脂に残存せしめることができる。他の重合方法
を採用するときは、溶融混練する際に含フッ素界面活性
剤を添加できる。
【００１６】本発明に用いられるＦＰフッ素ゴムは、テ
トラフルオロエチレン／プロピレンが３０／７０〜７０
／３０（モル比）の割合で共重合されたものが好まし
い。また、ＦＰフッ素ゴムは、さらに１種またはそれ以
上のフッ素含有のモノマーや炭化水素系のモノマーが共
重合されてもよい。
トラフルオロエチレン／プロピレンが３０／７０〜７０
／３０（モル比）の割合で共重合されたものが好まし
い。また、ＦＰフッ素ゴムは、さらに１種またはそれ以
上のフッ素含有のモノマーや炭化水素系のモノマーが共
重合されてもよい。
【００１７】共重合可能なモノマーとしては、フッ化ビ
ニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、ペルフルオロ
（メチルビニルエーテル）、ペルフルオロ（プロピルビ
ニルエーテル）等のフッ素含有のモノマーや、エチレ
ン、ブテン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル等の炭化水素系のモノマーが挙げられる。
ニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、ペルフルオロ
（メチルビニルエーテル）、ペルフルオロ（プロピルビ
ニルエーテル）等のフッ素含有のモノマーや、エチレ
ン、ブテン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル等の炭化水素系のモノマーが挙げられる。
【００１８】これらのモノマーは、ＦＰフッ素ゴム中
に、５０モル％以内で共重合されていることが好まし
い。
に、５０モル％以内で共重合されていることが好まし
い。
【００１９】本発明に用いられるＦＰフッ素ゴムの製造
に際しては、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合
等の従来公知の各種重合方法はすべて採用できる。
に際しては、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合
等の従来公知の各種重合方法はすべて採用できる。
【００２０】ここで、含フッ素界面活性剤を用いた乳化
重合を採用するときは、含フッ素界面活性剤をＦＰフッ
素ゴムに残存せしめることができる。他の重合方法を採
用するときは、ＥＴＦＥフッ素樹脂と溶融混練する際に
含フッ素界面活性剤を添加できる。
重合を採用するときは、含フッ素界面活性剤をＦＰフッ
素ゴムに残存せしめることができる。他の重合方法を採
用するときは、ＥＴＦＥフッ素樹脂と溶融混練する際に
含フッ素界面活性剤を添加できる。
【００２１】本発明のフッ素系ポリマー組成物は、前述
のＥＴＦＥフッ素樹脂またはＥＴＦＥフッ素樹脂とＦＰ
フッ素ゴムの混合物と、さらに含フッ素界面活性剤とを
ＥＴＦＥフッ素樹脂の溶融温度以上で混合することによ
り容易に得られる。具体的には、ＥＴＦＥフッ素樹脂の
融点以下、例えば５０〜１５０℃の温度で、ＦＰフッ素
ゴムにＥＴＦＥフッ素樹脂をロールやバンバリーミキサ
ーで混練し、次いでＥＴＦＥフッ素樹脂の融点以上で成
形してもよいし、予めＥＴＦＥフッ素樹脂の融点以上の
温度でロールやバンバリーミキサー、押出機を用い、両
者を混練してもよい。
のＥＴＦＥフッ素樹脂またはＥＴＦＥフッ素樹脂とＦＰ
フッ素ゴムの混合物と、さらに含フッ素界面活性剤とを
ＥＴＦＥフッ素樹脂の溶融温度以上で混合することによ
り容易に得られる。具体的には、ＥＴＦＥフッ素樹脂の
融点以下、例えば５０〜１５０℃の温度で、ＦＰフッ素
ゴムにＥＴＦＥフッ素樹脂をロールやバンバリーミキサ
ーで混練し、次いでＥＴＦＥフッ素樹脂の融点以上で成
形してもよいし、予めＥＴＦＥフッ素樹脂の融点以上の
温度でロールやバンバリーミキサー、押出機を用い、両
者を混練してもよい。
【００２２】本発明において、ＥＴＦＥフッ素樹脂とＦ
Ｐフッ素ゴムの混合物を用いる場合には、両者を任意の
割合で混合することができる。得られる成形体の機械的
強度および可撓性を考慮すると、ＦＰフッ素ゴム／ＥＴ
ＦＥフッ素樹脂の混合比率は８０／２０〜２０／８０
（重量比）の範囲が好ましい。ＥＴＦＥフッ素樹脂の含
有量が少な過ぎると機械的強度の改善効果が少なく、多
過ぎるとＦＰフッ素ゴムの本来の特徴である可撓性が損
なわれることになる。
Ｐフッ素ゴムの混合物を用いる場合には、両者を任意の
割合で混合することができる。得られる成形体の機械的
強度および可撓性を考慮すると、ＦＰフッ素ゴム／ＥＴ
ＦＥフッ素樹脂の混合比率は８０／２０〜２０／８０
（重量比）の範囲が好ましい。ＥＴＦＥフッ素樹脂の含
有量が少な過ぎると機械的強度の改善効果が少なく、多
過ぎるとＦＰフッ素ゴムの本来の特徴である可撓性が損
なわれることになる。
【００２３】含フッ素界面活性剤としては、以下のもの
が好ましく例示できる。なお、以下においてＲf は炭素
数６〜１２のペルフルオロアルキル基である。
が好ましく例示できる。なお、以下においてＲf は炭素
数６〜１２のペルフルオロアルキル基である。
【００２４】ペルフルオロオクタン酸ナトリウム、ペル
フルオロオクタン酸アンモニウム、ペルフルオロノナン
酸アンモニウム、ペルフルオロヘプタンスルホン酸ナト
リウム、ペルフルオロオクタンスルホン酸カリウム、Ｃ
8 Ｆ17ＳＯ2 Ｎ（Ｃ2 Ｈ5 ）ＣＨ2 ＣＯＯＫ、［（ＣＦ
3 ）2 ＣＦ］2 Ｃ＝Ｃ（ＣＦ3 ）ＯＣ6 Ｈ4 ＳＯ3 Ｎａ
等のアニオン系界面活性剤。
フルオロオクタン酸アンモニウム、ペルフルオロノナン
酸アンモニウム、ペルフルオロヘプタンスルホン酸ナト
リウム、ペルフルオロオクタンスルホン酸カリウム、Ｃ
8 Ｆ17ＳＯ2 Ｎ（Ｃ2 Ｈ5 ）ＣＨ2 ＣＯＯＫ、［（ＣＦ
3 ）2 ＣＦ］2 Ｃ＝Ｃ（ＣＦ3 ）ＯＣ6 Ｈ4 ＳＯ3 Ｎａ
等のアニオン系界面活性剤。
【００２５】Ｃ8 Ｆ17ＣＨ2 ＣＨ（ＯＨ）ＣＨ2 Ｎ（Ｃ
2 Ｈ4 ＯＨ）2 （ＣＨ3 ）Ｃｌ、Ｒ f ＣＯＮＨ（ＣＨ
2 ）3 Ｎ（ＣＨ3 ）3 Ｉ等のカチオン系界面活性剤。
2 Ｈ4 ＯＨ）2 （ＣＨ3 ）Ｃｌ、Ｒ f ＣＯＮＨ（ＣＨ
2 ）3 Ｎ（ＣＨ3 ）3 Ｉ等のカチオン系界面活性剤。
【００２６】［（ＣＦ3 ）2 ＣＦ］2 Ｃ＝Ｃ（ＣＦ3 ）
ＯＣ6 Ｈ4 （ＯＣＨ2 ＣＨ2 ）n ＯＣＨ3 （ただし、ｎ
＝５〜３０の整数）、Ｃ6 Ｆ13Ｃ2 Ｈ4 ＳＣ2 Ｈ4 （Ｏ
ＣＨ2 ＣＨ2 ）m ＯＨ（ただし、ｍ＝１〜１５の整
数）、Ｒf ＣＯＮＨ（ＣＨ2 ＣＨ2 Ｏ）21ＣＨ3 、Ｒf
Ｃ2 Ｈ4 ＯＣＨ2 ＣＨ（ＯＨ）ＣＨ2 ＮＨ（ＣＨ2 ）3
Ｎ（ＣＨ3 ）2 、Ｒf Ｃ2 Ｈ4 ＯＣＯＣＨ2 Ｓ（ＣＨ2
Ｃ（ＣＯＮＨ2 ）Ｈ）10Ｈ等のノニオン系界面活性剤。
ＯＣ6 Ｈ4 （ＯＣＨ2 ＣＨ2 ）n ＯＣＨ3 （ただし、ｎ
＝５〜３０の整数）、Ｃ6 Ｆ13Ｃ2 Ｈ4 ＳＣ2 Ｈ4 （Ｏ
ＣＨ2 ＣＨ2 ）m ＯＨ（ただし、ｍ＝１〜１５の整
数）、Ｒf ＣＯＮＨ（ＣＨ2 ＣＨ2 Ｏ）21ＣＨ3 、Ｒf
Ｃ2 Ｈ4 ＯＣＨ2 ＣＨ（ＯＨ）ＣＨ2 ＮＨ（ＣＨ2 ）3
Ｎ（ＣＨ3 ）2 、Ｒf Ｃ2 Ｈ4 ＯＣＯＣＨ2 Ｓ（ＣＨ2
Ｃ（ＣＯＮＨ2 ）Ｈ）10Ｈ等のノニオン系界面活性剤。
【００２７】Ｃ7 Ｆ15Ｃ2 Ｈ4 Ｓ（ＣＨ2 ）3 Ｎ（ＣＨ
2 ＣＯＯ）（ＣＨ3 ）2 、Ｒf ＣＯＮＨ（ＣＨ2 ）3 Ｎ
（ＣＨ2 ＣＯＯ）（ＣＨ3 ）2 等の両性界面活性剤。
2 ＣＯＯ）（ＣＨ3 ）2 、Ｒf ＣＯＮＨ（ＣＨ2 ）3 Ｎ
（ＣＨ2 ＣＯＯ）（ＣＨ3 ）2 等の両性界面活性剤。
【００２８】含フッ素界面活性剤の添加量は、ＥＴＦＥ
フッ素樹脂またはＦＰフッ素ゴムとＥＴＦＥフッ素樹脂
の混合物１００重量部に対し、０．００１〜１重量部が
好ましい。０．００１重量部未満では効果が低く、１重
量部を超えても添加効果は変わらない。より好ましいの
は０．００３〜０．５重量％である。
フッ素樹脂またはＦＰフッ素ゴムとＥＴＦＥフッ素樹脂
の混合物１００重量部に対し、０．００１〜１重量部が
好ましい。０．００１重量部未満では効果が低く、１重
量部を超えても添加効果は変わらない。より好ましいの
は０．００３〜０．５重量％である。
【００２９】本発明において、フッ素系ポリマー組成物
の特性を損なわない範囲において、充填剤、顔料、加工
助剤、安定剤等の任意の添加剤を混合できる。また、従
来より用いられているトリアリルイソシアヌレート等の
架橋助剤も使用できる。
の特性を損なわない範囲において、充填剤、顔料、加工
助剤、安定剤等の任意の添加剤を混合できる。また、従
来より用いられているトリアリルイソシアヌレート等の
架橋助剤も使用できる。
【００３０】本発明のフッ素系ポリマー組成物は、押出
機や金型等で成形した後に、γ線、電子線、Ｘ線などの
電離性放射線を照射することにより架橋される。電離性
放射線の照射量は特には限定されないが、通常は１〜２
０Ｍｒａｄ程度である。
機や金型等で成形した後に、γ線、電子線、Ｘ線などの
電離性放射線を照射することにより架橋される。電離性
放射線の照射量は特には限定されないが、通常は１〜２
０Ｍｒａｄ程度である。
【００３１】
［参考例１］含フッ素界面活性剤のペルフルオロノナン
酸アンモニウムを乳化剤として用い、乳化重合により、
テトラフルオロエチレン重合単位／プロピレン重合単位
＝５５／４５（モル比）の共重合体を分散液から凝集、
乾燥してフッ素ゴム−１を製造した。フッ素ゴム−１の
１００重量部中の含フッ素界面活性剤は０．０２重量部
であった。
酸アンモニウムを乳化剤として用い、乳化重合により、
テトラフルオロエチレン重合単位／プロピレン重合単位
＝５５／４５（モル比）の共重合体を分散液から凝集、
乾燥してフッ素ゴム−１を製造した。フッ素ゴム−１の
１００重量部中の含フッ素界面活性剤は０．０２重量部
であった。
【００３２】［参考例２］界面活性剤のラウリル硫酸ナ
トリウムを乳化剤として用い、乳化重合により、テトラ
フルオロエチレン重合単位／プロピレン重合単位＝５５
／４５（モル比）の共重合体を参考例１と同様にしてフ
ッ素ゴム−２を製造した。
トリウムを乳化剤として用い、乳化重合により、テトラ
フルオロエチレン重合単位／プロピレン重合単位＝５５
／４５（モル比）の共重合体を参考例１と同様にしてフ
ッ素ゴム−２を製造した。
【００３３】［参考例３］界面活性剤を用いずに、溶液
重合により、テトラフルオロエチレン重合単位／エチレ
ン重合単位／（ペルフルオロブチル）エチレン重合単位
＝５３／４７／０．７（モル比）のフッ素樹脂−１を製
造した。
重合により、テトラフルオロエチレン重合単位／エチレ
ン重合単位／（ペルフルオロブチル）エチレン重合単位
＝５３／４７／０．７（モル比）のフッ素樹脂−１を製
造した。
【００３４】［実施例１］フッ素ゴム−１／フッ素樹脂
−１が４０／６０（重量比）の混合物を３００℃で溶融
混合しフッ素系ポリマー組成物を得た。この組成物を３
００℃でプレスした後に冷却して１ｍｍの厚さのシート
を得た。このシートに１０Ｍｒａｄの電子線を照射して
架橋し、２３℃で物性を測定したところ、引張強度３．
９０ｋｇ／ｍｍ2 、引張伸度２３５％であった。また、
この組成物をシリンダ−１を２５０℃、シリンダ−２を
２７０℃、シリンダ−３を２８０℃、ヘッドを２７５
℃、ダイスを２７５℃に設定した３０ｍｍ押出機（Ｌ／
Ｄ＝３０）を用い、外径０．３６ｍｍの導体上に厚み
０．１８ｍｍで押出被覆した。この被覆物に１０Ｍｒａ
ｄの電子線を照射して架橋させた。この被覆物は、押出
被覆直後、架橋後ともに押出外観は良好であった。
−１が４０／６０（重量比）の混合物を３００℃で溶融
混合しフッ素系ポリマー組成物を得た。この組成物を３
００℃でプレスした後に冷却して１ｍｍの厚さのシート
を得た。このシートに１０Ｍｒａｄの電子線を照射して
架橋し、２３℃で物性を測定したところ、引張強度３．
９０ｋｇ／ｍｍ2 、引張伸度２３５％であった。また、
この組成物をシリンダ−１を２５０℃、シリンダ−２を
２７０℃、シリンダ−３を２８０℃、ヘッドを２７５
℃、ダイスを２７５℃に設定した３０ｍｍ押出機（Ｌ／
Ｄ＝３０）を用い、外径０．３６ｍｍの導体上に厚み
０．１８ｍｍで押出被覆した。この被覆物に１０Ｍｒａ
ｄの電子線を照射して架橋させた。この被覆物は、押出
被覆直後、架橋後ともに押出外観は良好であった。
【００３５】［実施例２］フッ素ゴム−１／フッ素樹脂
−１が３０／７０（重量比）の混合物を３００℃で溶融
混合してフッ素系ポリマー組成物を得た。この組成物
を、実施例１と同様にして電子線を照射して架橋したシ
ートを得た。２３℃での物性は引張強度３．１３ｋｇ／
ｍｍ2 、引張伸度２９３％であった。また、この組成物
を実施例１と同様にして、導体上に厚み０．１８ｍｍで
押出被覆し、電子線を照射して架橋させた。この被覆物
は、押出被覆直後、架橋後ともに押出外観は良好であっ
た。
−１が３０／７０（重量比）の混合物を３００℃で溶融
混合してフッ素系ポリマー組成物を得た。この組成物
を、実施例１と同様にして電子線を照射して架橋したシ
ートを得た。２３℃での物性は引張強度３．１３ｋｇ／
ｍｍ2 、引張伸度２９３％であった。また、この組成物
を実施例１と同様にして、導体上に厚み０．１８ｍｍで
押出被覆し、電子線を照射して架橋させた。この被覆物
は、押出被覆直後、架橋後ともに押出外観は良好であっ
た。
【００３６】［実施例３］フッ素ゴム−２／フッ素樹脂
−１／ペルフルオロオクタン酸ナトリウムが３０／７０
／０．０１（重量比）の混合物を３００℃で溶融混合し
てフッ素系ポリマー組成物を得た。この組成物を実施例
１と同様にして電子線を照射して架橋したシートを得
た。２３℃での物性は引張強度３．３０ｋｇ／ｍｍ2 、
引張伸度２４４％であった。また、この組成物を実施例
１と同様にして、導体上に厚み０．１８ｍｍで押出被覆
し、電子線を照射して架橋させた。この被覆物は、押出
被覆直後、架橋後ともに押出外観は良好であった。
−１／ペルフルオロオクタン酸ナトリウムが３０／７０
／０．０１（重量比）の混合物を３００℃で溶融混合し
てフッ素系ポリマー組成物を得た。この組成物を実施例
１と同様にして電子線を照射して架橋したシートを得
た。２３℃での物性は引張強度３．３０ｋｇ／ｍｍ2 、
引張伸度２４４％であった。また、この組成物を実施例
１と同様にして、導体上に厚み０．１８ｍｍで押出被覆
し、電子線を照射して架橋させた。この被覆物は、押出
被覆直後、架橋後ともに押出外観は良好であった。
【００３７】［実施例４］フッ素ゴム−２／フッ素樹脂
−１／ペルフルオロオクタン酸ナトリウムが４０／６０
／０．０１（重量比）の混合物を３００℃で溶融混合し
てフッ素系ポリマー組成物を得た。この組成物を実施例
１と同様にして電子線を照射して架橋したシートを得
た。２３℃での物性は引張強度３．０５ｋｇ／ｍｍ2 、
引張伸度２２８％であった。また、この組成物を実施例
１と同様にして、導体上に厚み０．１８ｍｍで押出被覆
し、電子線を照射して架橋させた。この被覆物は、押出
被覆直後、架橋後ともに押出外観は良好であった。
−１／ペルフルオロオクタン酸ナトリウムが４０／６０
／０．０１（重量比）の混合物を３００℃で溶融混合し
てフッ素系ポリマー組成物を得た。この組成物を実施例
１と同様にして電子線を照射して架橋したシートを得
た。２３℃での物性は引張強度３．０５ｋｇ／ｍｍ2 、
引張伸度２２８％であった。また、この組成物を実施例
１と同様にして、導体上に厚み０．１８ｍｍで押出被覆
し、電子線を照射して架橋させた。この被覆物は、押出
被覆直後、架橋後ともに押出外観は良好であった。
【００３８】［実施例５］フッ素樹脂−１／ペルフルオ
ロオクタン酸ナトリウムが１００／０．０２（重量比）
の混合物を３００℃でプレスした後に冷却して厚さ１ｍ
ｍのシートを得た。このシートに実施例１と同様にして
電子線を照射して架橋し、物性を測定した。このシート
の２３℃での物性は引張強度４．６１ｋｇ／ｍｍ2 、引
張伸度１５０％、２２０℃での物性は引張強度１．０６
ｋｇ／ｍｍ2 、引張伸度１７０％であった。
ロオクタン酸ナトリウムが１００／０．０２（重量比）
の混合物を３００℃でプレスした後に冷却して厚さ１ｍ
ｍのシートを得た。このシートに実施例１と同様にして
電子線を照射して架橋し、物性を測定した。このシート
の２３℃での物性は引張強度４．６１ｋｇ／ｍｍ2 、引
張伸度１５０％、２２０℃での物性は引張強度１．０６
ｋｇ／ｍｍ2 、引張伸度１７０％であった。
【００３９】［比較例１］フッ素ゴム−２／フッ素樹脂
−１が４０／６０（重量比）の混合物を３００℃で溶融
混合してフッ素系ポリマー組成物を得た。この際、溶融
押出物が破断しやすく、連続してペレット化するのが困
難であった。この組成物を実施例１と同様にして電子線
を照射して架橋したシートを得た。２３℃での物性は引
張強度１．６５ｋｇ／ｍｍ2 、引張伸度１２５％であっ
た。
−１が４０／６０（重量比）の混合物を３００℃で溶融
混合してフッ素系ポリマー組成物を得た。この際、溶融
押出物が破断しやすく、連続してペレット化するのが困
難であった。この組成物を実施例１と同様にして電子線
を照射して架橋したシートを得た。２３℃での物性は引
張強度１．６５ｋｇ／ｍｍ2 、引張伸度１２５％であっ
た。
【００４０】［比較例２］フッ素樹脂−１を実施例１と
同様にしてシートを得た。このシートに実施例１と同様
にして電子線を照射して物性を測定した。２３℃では引
張強度５．３４ｋｇ／ｍｍ2 、引張伸度４５０％、２２
０℃では引張強度０．４１ｋｇ／ｍｍ2 、引張伸度７０
０％であった。
同様にしてシートを得た。このシートに実施例１と同様
にして電子線を照射して物性を測定した。２３℃では引
張強度５．３４ｋｇ／ｍｍ2 、引張伸度４５０％、２２
０℃では引張強度０．４１ｋｇ／ｍｍ2 、引張伸度７０
０％であった。
【００４１】［比較例３］フッ素ゴム−２／フッ素樹脂
−１／トリアリルイソシアヌレートが４０／６０／４
（重量比）の混合物を３００℃で溶融混合してフッ素系
ポリマー組成物を得た。この際に、トリアリルイソシア
ヌレートが揮散し、周辺に付着した。この組成物を実施
例１と同様にして電子線を照射し、架橋したシートを得
た。２３℃での物性は引張強度２．７８ｋｇ／ｍｍ2 、
引張伸度１９５％であった。また、この組成物を導体上
に厚み０．１８ｍｍで押出被覆した。電線の表面には、
トリアリルイソシアヌレートによると思われるしみが多
数見られた。
−１／トリアリルイソシアヌレートが４０／６０／４
（重量比）の混合物を３００℃で溶融混合してフッ素系
ポリマー組成物を得た。この際に、トリアリルイソシア
ヌレートが揮散し、周辺に付着した。この組成物を実施
例１と同様にして電子線を照射し、架橋したシートを得
た。２３℃での物性は引張強度２．７８ｋｇ／ｍｍ2 、
引張伸度１９５％であった。また、この組成物を導体上
に厚み０．１８ｍｍで押出被覆した。電線の表面には、
トリアリルイソシアヌレートによると思われるしみが多
数見られた。
【００４２】
【発明の効果】少量の含フッ素界面活性剤を用いること
により、架橋助剤が不要で作業環境の悪化がなく、溶融
押出物が破断することなく連続したペレット化が可能
で、良好な外観を有する架橋成形物が得られる。電線用
途をはじめとして、各種の産業分野で用いることができ
る。
により、架橋助剤が不要で作業環境の悪化がなく、溶融
押出物が破断することなく連続したペレット化が可能
で、良好な外観を有する架橋成形物が得られる。電線用
途をはじめとして、各種の産業分野で用いることができ
る。
Claims (5)
- 【請求項１】テトラフルオロエチレン−エチレン系フッ
素樹脂に含フッ素界面活性剤を含有せしめてなることを
特徴とするフッ素系ポリマー組成物。 - 【請求項２】テトラフルオロエチレン−エチレン系フッ
素樹脂として、含フッ素界面活性剤を乳化剤として用い
て重合されたものを使用することにより、フッ素系ポリ
マー組成物に含フッ素界面活性剤を含有せしめてなる請
求項１のフッ素系ポリマー組成物。 - 【請求項３】テトラフルオロエチレン−プロピレン系フ
ッ素ゴムをさらに含有せしめてなる請求項１または２の
フッ素系ポリマー組成物。 - 【請求項４】テトラフルオロエチレン−プロピレン系フ
ッ素ゴムとして、含フッ素界面活性剤を乳化剤として用
いて重合されたものを使用することにより、フッ素系ポ
リマー組成物に含フッ素界面活性剤を含有せしめてなる
請求項３のフッ素系ポリマー組成物。 - 【請求項５】請求項１〜４のいずれかのフッ素系ポリマ
ー組成物を電離性放射線の照射により架橋せしめること
を特徴とする架橋方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9220794A JPH07292199A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | フッ素系ポリマー組成物およびその架橋方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9220794A JPH07292199A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | フッ素系ポリマー組成物およびその架橋方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07292199A true JPH07292199A (ja) | 1995-11-07 |
Family
ID=14048005
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9220794A Pending JPH07292199A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | フッ素系ポリマー組成物およびその架橋方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07292199A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011042714A (ja) * | 2009-08-19 | 2011-03-03 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | フッ素ゴム組成物及びゴム部材 |
| WO2013114981A1 (ja) * | 2012-01-30 | 2013-08-08 | 旭硝子株式会社 | 光学部材、その製造方法および該光学部材を備えた物品 |
| CN104629159A (zh) * | 2015-02-05 | 2015-05-20 | 中广核三角洲（江苏）塑化有限公司 | 交联乙烯-四氟乙烯共聚物绝缘料 |
| WO2015129762A1 (ja) * | 2014-02-26 | 2015-09-03 | 旭硝子株式会社 | 電線の製造方法、成形品の製造方法、及び改質フッ素樹脂を含む樹脂材料の製造方法 |
| CN109337263A (zh) * | 2018-10-08 | 2019-02-15 | 深圳市沃尔核材股份有限公司 | 可低温加工的辐照交联耐高温电缆附件及生产方法 |
| WO2019231404A1 (en) * | 2018-06-01 | 2019-12-05 | National University Of Singapore | A dielectric material |
-
1994
- 1994-04-28 JP JP9220794A patent/JPH07292199A/ja active Pending
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011042714A (ja) * | 2009-08-19 | 2011-03-03 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | フッ素ゴム組成物及びゴム部材 |
| WO2013114981A1 (ja) * | 2012-01-30 | 2013-08-08 | 旭硝子株式会社 | 光学部材、その製造方法および該光学部材を備えた物品 |
| US9194982B2 (en) | 2012-01-30 | 2015-11-24 | Asahi Glass Company, Limited | Optical member, process for producing same, and article provided with optical member |
| WO2015129762A1 (ja) * | 2014-02-26 | 2015-09-03 | 旭硝子株式会社 | 電線の製造方法、成形品の製造方法、及び改質フッ素樹脂を含む樹脂材料の製造方法 |
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| US10144792B2 (en) | 2014-02-26 | 2018-12-04 | AGC Inc. | Method for producing electric wire, method for producing molded artile, and method for producing resin material containing modified fluororesin |
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| CN112292422A (zh) * | 2018-06-01 | 2021-01-29 | 新加坡国立大学 | 一种介电材料 |
| CN109337263A (zh) * | 2018-10-08 | 2019-02-15 | 深圳市沃尔核材股份有限公司 | 可低温加工的辐照交联耐高温电缆附件及生产方法 |
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