JPH07291820A - シリコーン系軟質裏装材用コーティング材 - Google Patents

シリコーン系軟質裏装材用コーティング材

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JPH07291820A
JPH07291820A JP6086468A JP8646894A JPH07291820A JP H07291820 A JPH07291820 A JP H07291820A JP 6086468 A JP6086468 A JP 6086468A JP 8646894 A JP8646894 A JP 8646894A JP H07291820 A JPH07291820 A JP H07291820A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、(A)末端不飽和結合をもつ有機
基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキ
サン、(B)分子中にケイ素原子に結合している水素原
子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンを成分(A)中の不飽和結合1個に対して
0.5個以上となる量、(C)塩化白金酸、白金−ビニ
ルシロキサン錯体等の白金触媒を白金原子として成分
(A)と成分(B)の総量に対して0.1〜1000p
pm、及び必要に応じて(D)トルエン、塩化メチレン
等の揮発性溶剤を含有してなり、硬化前の粘度が1〜1
00ポイズであることを特徴とするシリコーン系軟質裏
層材用コーティング材である。 【効果】 本発明のシリコーン系軟質裏装材用コーティ
ング材は、硬化後に充分な接着力、機械的強度、滑沢な
表面を有するゴム弾性コーティング層を形成する。この
結果、舌による触感の改善、食物残渣の付着によるプラ
ークの発生源となる危険性が回避できるようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコーン系軟質裏装材
の表面に滑沢性を付与するためのコーティング材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】義歯、特に総義歯の対象患者は高齢者が
多く、歯槽堤は一般に骨吸収が著しく、その単位面積当
りの負担する咬合力は大きくなる。歯槽堤粘膜も老人性
萎縮により薄くなるので、咬合、咀嚼圧の衝撃は緩和さ
れずに直接歯槽骨に伝えられることになる。また硬いレ
ジン義歯床と硬い歯槽骨との間に挟まれた薄い粘膜は咬
合する度に絞められて傷つき、傷みを発することにな
る。
【0003】この様な難症例では通常用いられるメタク
リル酸メチル樹脂(アクリル系樹脂)だけでレジン義歯
床を製作したのでは義歯の維持、安定及び支持などによ
い結果が得られない。そのためレジン義歯床粘膜面を軟
らかい材料、歯科用軟質裏装材で裏装し、失われた顎堤
粘膜の粘弾性を補い、咬合時の衝撃を緩和するクッショ
ン性を与える必要がある。つまり義歯床の硬質材料が床
下粘膜を圧迫することによって生じる種々の障害を克服
することが、軟質材料で裏装する目的である。
【0004】この軟質裏装材としては、従来からシリカ
粒子を充填補強材としたシリコーンゴム系のものが比較
的優れた裏装材として用いられているが、問題点の一つ
として切削できない、即ち裏装後形態修正ができないと
いう点があった。そこで、本発明者等は切削性を有する
シリコーンゴム系の軟質裏装材の開発を目標として鋭意
研究を行い、充填材としてシリコーン樹脂粉末であるポ
リオルガノシルセスキオキサン粒子を用いることで切削
性を付与できることを見いだし、このポリオルガノシル
セスキオキサン粒子を充填した切削可能なシリコーン系
軟質裏装材を既に提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等が提案した
上記切削性を有するシリコーン系軟質裏装材は良好な切
削性を有するものの、その切削面が滑沢にならないとい
う新たな問題点が見いだされた。シリコーン系軟質裏装
材の切削面が滑沢にならないことに起因する問題点とし
ては、人体の中でも特に鋭敏な感覚を持つ舌による触感
が悪いというだけではなく、食物残渣等が付着しやすく
なり、そのためプラークの発生源となる可能性をも持つ
ことなどが挙げられる。
【0006】
【課題を解決するための手段】ところで、一般にシリコ
ーンゴムは煙霧質シリカ、沈降シリカ等のシリカ系粉末
を補強材として充填して用いられる。これは、シリコー
ンゴム中のポリシロキサンの分子間力は通常非常に弱
く、引裂強度、引張強度等の機械的強度が小さいためで
ある。従って、補強材を含有しない硬化性シリコーンゴ
ム系組成物は、従来特開昭60−190458号に示さ
れるように、剥離材、離型材の用途にその利用は限られ
ていた。
【0007】本発明者らは前記したシリコーン系軟質裏
装材の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、必要に応
じて揮発性溶剤により希釈された特定粘度のハイドロシ
リレーション反応硬化性シリコーン組成物をコーティン
グ材として用いたとき、良好な塗布操作性と硬化後の充
分な機械的強度とを同時に満足できること、そしてシリ
コーン系軟質裏装材の表面に薄くコーティング層を形成
することができ、そのコーティング層はシリコーン系軟
質裏装材に強固に接着し、その耐久性を損なうことなく
粗造化されたシリコーン系軟質裏装材表面に滑沢性を付
与できることを見いだし、本発明を開発するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(A)末端不飽和結合を
もつ有機基を分子中に少なくとも2個有するオルガノポ
リシロキサン100重量部、(B)分子中にケイ素原子
に結合している水素原子を少なくとも3個有するオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンを成分(A)中の不飽
和結合1個に対して該水素原子が0.5個以上となる
量、(C)白金触媒を白金原子換算で成分(A)と成分
(B)の総量に対して0.1〜1000ppm、及び
(D)揮発性溶剤0〜1000重量部を含有してなり、
粘度が1〜100ポイズであることを特徴とするシリコ
ーン系軟質裏装材用コーティング材である。
【0009】本発明中において使用する成分(A)末端
不飽和結合をもつ有機基を分子中に少なくとも2個有す
るオルガノポリシロキサン(以下、不飽和結合含有シリ
コーンと略記する)は、成分(B)オルガノハイドロジ
ェンポリシロキサン(以下、SiHシロキサンと略記す
る)により架橋してゴム弾性コーティング層となる主成
分である。
【0010】成分(A)の不飽和結合含有シリコーン
は、末端不飽和結合をもつ有機基を1分子中に少なくと
も2個有するオルガノポリシロキサンであれば他の有機
基の構造は制限されず、又、直鎖状であっても分枝鎖状
であってもよく、更にこれらの混合物であってもよい。
【0011】この末端不飽和結合をもつ有機基として
は、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基等が例示され
るが、合成のし易さ及びその反応性からケイ素原子に結
合したビニル基が最も有利である。これらの末端不飽和
結合をもつ有機基は、オルガノシロキサンの分子鎖の末
端または中間のいずれに存在しても、あるいはその両方
に存在しても良いが、優れた反応性及び硬化後のゴム弾
性コーティング層の機械的強度等の化学的、物理的性質
を有するためには、少なくとも1個は末端に存在してい
ることが好ましい。
【0012】末端不飽和結合をもつ有機基以外のケイ素
原子に結合した有機基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基、フ
ェニル基のようなアリール基、クロロメチル基、3,
3,3−トリフルオロプロピル基等の置換アルキル基等
が例示されるが、これらのうち合成し易く、かつ硬化後
のゴム弾性コーティング層が充分な機械的強度及び耐着
色性等の良好な化学的、物理的性質を保っているという
点から、メチル基が最も好ましい。
【0013】本発明に使用する不飽和結合含有シリコー
ンの代表的なものを具体的に示せば、
【0014】
【化1】
【0015】(ただし、Phはフェニル基を示す)等が
挙げられる。尚、上記化合物及び後述する実施例、比較
例に用いられる化合物中の各繰り返し構成単位の結合順
序は全く任意であり、構造式中に示される繰り返し構成
単位の数は単に各構成単位の総量の平均値を示すに過ぎ
ない。
【0016】本発明における成分(B)のSiHシロキ
サンは、上記不飽和結合含有シリコーンを架橋させてゴ
ム弾性コーティング層とする働きを持つ成分である。不
飽和結合含有シリコーンと反応して架橋構造となるため
には、ケイ素原子に結合している水素原子が分子中に少
なくとも3個必要である。3個より少ないと架橋構造と
ならずゴム弾性コーティング層が得られない。
【0017】水素原子以外のケイ素原子に結合した有機
基としては、前述の成分(A)中における末端不飽和結
合をもつ有機基及び末端不飽和結合をもたない有機基と
同様のものが例示されるが、合成が容易で、かつ硬化後
に充分な機械的強度及び耐着色性等の良好な化学的、物
理的性質を保っているという点から、メチル基が最も好
ましい。かかるSiHシロキサンは、直鎖状、分枝状ま
たは環状のいずれであっても良くこれらの混合物であっ
ても良い。
【0018】本発明に使用するSiHシロキサンの代表
的なものを具体的に示せば、
【0019】
【化2】
【0020】(ただし、Phはフェニル基を示す)等が
挙げられる。上記及び後述する実施例、比較例に用いら
れるSiHシロキサンにおいても、不飽和結合含有シリ
コーンと同様に分子内の各繰り返し構成単位の結合順序
は全く任意であり、構造式中に示される繰り返し構成単
位の数は単に各構成単位の総量の平均値を示すに過ぎな
い。。
【0021】本発明中の不飽和結合含有シリコーンとS
iHシロキサンの各配合量はその分子量により大きく変
化するが、通常、不飽和結合含有シリコーン中の不飽和
結合1個に対してSiHシロキサン中のケイ素原子に結
合した水素原子が0.5個以上、好ましくは1〜10個
の割合となるように配合すればよい。この割合が少なす
ぎると硬化性が不充分となり、また多すぎると得られる
ゴム弾性コーティング層が脆くなったり過剰のケイ素原
子に結合した水素原子が残存するためにゴム弾性コーテ
ィング層の経時安定性が低下する傾向にある。
【0022】また分子中にケイ素原子に結合している水
素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンによるケイ素原子に結合した水素原子
が、不飽和結合含有シリコーン中の不飽和結合1個に対
して0.5個以上あれば、更に分子中にケイ素原子に結
合している水素原子を2個あるいは1個しか含まないオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンを添加してもよ
い。
【0023】本発明に使用される成分(C)白金触媒
は、通常のハイドロシリレーション反応に用いられるも
のであればいずれも使用することができ、例えば塩化白
金酸、そのアルコール変性物、白金のビニルシロキサン
錯体等を挙げることができる。なお、保存性を高めるた
めには、白金のビニルシロキサン錯体のようなクロル分
の少ないものが好適である。
【0024】この白金触媒の配合量は、白金分として不
飽和結合含有シリコーン及びSiHシロキサンの合計重
量に対して0.1〜1000ppmの範囲とすれば良
い。配合量が0.1ppm未満の場合は、不飽和結合含
有シリコーンとSiHシロキサンの架橋反応が充分に進
行せず、1000ppmより多い場合は、白金黒の析出
によりゴム弾性コーティング層が黄色く、あるいはひど
いときには黒く着色したり、架橋反応の制御が困難にな
る等の問題点が生じる。
【0025】本発明に使用される成分(D)の揮発性溶
剤とは、成分(A)、(B)及び(C)を同時に溶解し
うる揮発性の溶剤であり、硬化前のこれら混合物の粘度
を1〜100ポイズになるように調整するために用いら
れる。この揮発性溶剤として例えば塩化メチレン、トル
エン、テトラヒドロフラン等を挙げることができるが、
これらのうち揮発性の高さから塩化メチレンが最も好ま
しい。この揮発性溶剤の配合量としては、硬化前の本発
明の組成物の粘度が1〜100ポイズとなるように選択
すればよく、実質的に成分(A)及び成分(B)の粘度
によってその配合量は決定される。通常、成分(A)1
00重量部に対して1000重量部以下の量で用いられ
るが、成分(A)、(B)及び(C)を基本成分とする
混合物の粘度が既に1〜100ポイズの範囲にある場合
には、揮発性溶剤を使用する必要はない。
【0026】本発明の組成物の粘度は1〜100ポイズ
となるように調整される必要がある。粘度が1ポイズ未
満の場合、即ち成分(A)不飽和結合含有シリコーンの
粘度、即ち分子鎖が短いため粘度が低く全体として粘度
が1ポイズより小さい場合には硬化後のゴム弾性コーテ
ィング層に充分な機械的強度が得られず、又、成分
(A)不飽和結合含有シリコーンは充分な粘度、即ち分
子鎖長を持つが、成分(D)揮発性溶剤の添加により全
体として粘度が1ポイズより小さい場合には充分なゴム
弾性コーティング層の厚さが確保できず、そのため充分
な表面滑沢性が得られない。又、粘度が100ポイズよ
り大きい場合には、操作性が悪くなる、硬化後のゴム弾
性コーティング層の厚さが厚くなる、充分な機械的強度
が得られなくなるなどの問題が生じる。尚、本発明にお
いて規定する粘度は、前述の通りの必須成分からなる硬
化性組成物の硬化前の粘度を意味する。
【0027】更に本発明のコーティング材は必要に応じ
てその物性を著しく低下させず且つ上記粘度を維持する
範囲で更に他の添加剤を添加してもよい。かかる添加剤
としては、粉砕石英、溶融シリカ、湿式シリカ、乾式シ
リカ等のシリカ系粉末、ポリメチルシルセスキオキサン
粒子等のシリコーン樹脂粉末、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリビニリデンフルオライド等のフルオロカーボ
ン樹脂粉末、カーボンブラック、ガラス繊維、粉砕ポリ
マー、粉末ポリマー、複合フィラー(無機酸化物とポリ
マーの複合体を粉砕したもの)等の充填材、非反応性シ
リコーン、反応抑制剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、
酸化防止剤、抗菌剤等が挙げられる。
【0028】本発明のシリコーン系軟質裏装材用コーテ
ィング材は、通常、不飽和結合含有シリコーン、白金触
媒及び必要に応じて揮発性溶剤やその他添加剤を含む甲
剤、並びに、SiHシロキサン及び必要に応じて不飽和
結合含有シリコーン、揮発性溶剤やその他添加剤を含む
乙剤からなる2包装型として調製され、使用直前に両者
を混合して使用するのが一般的である。
【0029】調製方法は、不飽和結合含有シリコーン、
SiHシロキサン、白金触媒、揮発性溶剤及び添加剤の
中から必要成分を適量計量し、混合容器の中で混合、あ
るいはニーダー、プラネタリー等の一般的な混練機によ
って均一になるまで混練することにより、粘稠な液体あ
るいはペースト状の組成物を得ることができる。この時
揮発性溶剤を含む場合には密閉容器中で混合しなければ
ならない。
【0030】本発明のコーティング材の使用方法は、使
用直前に甲、乙2種類の液体あるいはペーストを適量計
量、混練し、シリコーン系軟質裏装材の被コーティング
部分に塗布し、そのまま充分に硬化するまで保持する。
【0031】本発明のシリコーン系軟質裏装材用コーテ
ィング材において、末端不飽和結合を持つ有機基として
ビニル基を分子中に少なくとも2個有し且つ該有機基以
外の有機基としてメチル基を有する不飽和結合含有シリ
コーン、分子中にケイ素原子に結合している水素原子を
少なくとも3個有し且つケイ素原子に結合した有機基と
してメチル基を有するSiHシロキサンを前記不飽和結
合含有シリコーン中の不飽和結合1個に対して該水素原
子が1〜10個となる量、白金/ビニルシロキサン錯体
を白金原子換算で不飽和結合含有シリコーン及びSiH
シロキサンの総量に対して0.1〜1000ppm、及
び必要に応じて揮発性溶剤を含有してなり、粘度が1〜
100ポイズであるシリコーン系軟質裏装材用コーティ
ング材が、原料入手、合成の容易さ、重合反応性、操作
性、硬化後のゴム弾性コーティング層の機械的硬度、耐
着色性等の化学的、物理的諸性質において特に優れてい
るため好ましい態様である。
【0032】
【発明の効果】本発明により得られたシリコーン系軟質
裏装材用コーティング材は、硬化後にシリコーン系軟質
裏装材と強固な接着力を有し、且つ充分な機械的強度と
滑沢な表面を有する弾性コーティング層を形成すること
ができる。この結果、切削により粗造化されたシリコー
ン系軟質裏装材表面を滑沢にすることができ、舌による
触感の改善、食物残渣の付着によるプラーク発生の危険
性を回避することができるようになった。
【0033】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するため実施例を
示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0034】以下の実施例及び比較例に使用する不飽和
結合含有シリコーンを表1に、SiHシロキサンを表2
に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】なお、実施例、比較例において、コーティ
ング材の評価は下記の方法によって行い、同一試料につ
いて3回測定または評価してその平均値を記録した。
【0038】(1)試験材料 シリコーン系軟質裏装材として以下に示すA、B2種類
のペーストを調製した。これらを同量づつ混練して硬化
させ、シリコーンゴム硬化体とした。この硬化体の表面
を歯科用エンジンを用いてペーパーコーン(晴光社:ペ
ーパーコーン、荒)にて研磨し、面を粗造化させる。こ
の面に甲、乙それぞれの液体あるいはペーストを必要量
取り、混練後塗布し、37℃空気中で10分間放置し、
硬化させる。その際の操作性、硬化前後での光沢度の変
化、コーティング層の強度を以下の方法により測定し
た。
【0039】 Aペースト: 化合物 100重量部 ポリメチルシルセスキオキサン微粒子(粒径2μm) 100重量部 白金/ビニルシロキサン錯体溶液(白金1000ppm) 1重量部 Bペースト: 化合物 97重量部 化合物 3重量部 ポリメチルシルセスキオキサン微粒子(粒径2μm) 100重量部 ここで調製したシリコーンゴム硬化体の引っ張り強度は
約20Kgf/cm2 である。
【0040】(2)操作性 甲、乙それぞれの液体あるいはペーストを必要量取り、
小筆を用いて練和し、粗造化されたシリコーンゴム硬化
体の表面に塗布する。その際の操作性を評価した。評価
点は以下の判定基準に従いA、B、Cの3段階で評価し
た。
【0041】A…良好 B…概ね良好 C…不良(どのように不良か、表中にその状況を記録す
る) (3)光沢度 本発明のシリコーン系軟質裏装材用コーティング材でコ
ーティングする前後のシリコーンゴム硬化体表面の光沢
度を光沢計(東京電色社製:TC−108D、入射角4
5゜)を用いて測定した。尚、コーティング前の粗造化
された表面の光沢度は1.5%であり、ppシートを圧
接して硬化させた滑沢面の光沢度は62.0%であっ
た。
【0042】(4)コーティング層強度 本発明のシリコーン系軟質裏装材用コーティング材でコ
ーティングしたシリコーンゴム硬化体表面をステンレス
製スパチュラで引っかき、その破壊の様子を観察するこ
とで評価した。評価点は以下の判定基準に従いA、B、
Cの3段階で評価した。この場合のコーティング層強度
は、コーティング層自身の機械的強度とシリコーン系軟
質裏装材との接着力とを含めた総合的強度を現す。
【0043】A…破壊せず B…部分的に破壊 C…破壊 実施例1 表1に示す化合物100重量部、白金のビニルシロキ
サン錯体を化合物の総量に対して白金が50ppmと
なるような量をフラスコに入れ、攪拌し、甲剤とした。
【0044】表1に示す化合物100重量部、表2に
示す化合物40重量部をフラスコに入れ、攪拌し、乙
剤とした。
【0045】この甲剤、乙剤を1対1の量で攪拌混合し
てコーティング材とし、前述の評価方法に従って評価し
た。結果を表4に示す。
【0046】実施例2〜11、比較例1〜5 表3に示す各組成の材料を実施例1と同様に、粉体成分
を含まないものはフラスコにて攪拌し、粉体成分を含む
ものはプラネタリーによって混練して、液あるいはペー
スト(甲剤、乙剤)を調製した。尚、白金触媒は実施例
1で用いたものと同じ物を用いた。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】各実施例、比較例の甲剤、乙剤を表3に示
す分量で攪拌混合してコーティング材とし、前記評価方
法に従って試験を行った。結果を表4に示す。
【0050】
【表5】
【0051】表4の結果より、本発明のシリコーン系軟
質裏装材用コティング材(実施例1〜11)では良好な
操作性を有し、光沢のある表面を付与し、且つ充分なコ
ーティング層強度を有していることが判る。それに対し
て比較例では、成分(B)中のケイ素原子に結合してい
る水素原子の数が3個未満(比較例1)では組成物が硬
化せず、硬化前の混合時の粘度が1ポイズ以下(比較例
2、3)では充分な表面光沢、充分なコーティング層強
度が得られず、硬化前の混合時の粘度が100ポイズ以
上(比較例4)では操作性が不良となり、成分(B)中
のケイ素原子に結合している水素原子の数が成分(A)
中の不飽和結合1個に対して0.5個未満の場合(比較
例5)ではペーストが充分に硬化しない。このように比
較例全ての場合に於てシリコーン系軟質裏装材用コーテ
ィング材として良好な性状を示さないことが判る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)末端不飽和結合をもつ有機基を分
    子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン1
    00重量部、(B)分子中にケイ素原子に結合している
    水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェ
    ンポリシロキサンを成分(A)中の不飽和結合1個に対
    して該水素原子が0.5個以上となる量、(C)白金触
    媒を白金原子換算で成分(A)と成分(B)の総量に対
    して0.1〜1000ppm、及び(D)揮発性溶剤0
    〜1000重量部を含有してなり、粘度が1〜100ポ
    イズであることを特徴とするシリコーン系軟質裏装材用
    コーティング材。
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