JPH07291363A - 切花類の輸送容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 花茎の中途部及び下部を優しく抱持し、輸送
中における花の損傷を最小限に抑え、輸送効率及び歩留
り効果の図れる輸送容器を提供することにある。 【構成】 容器本体１の少くとも下部及び中途部に、容
器本体１の横断面形状と略同径同大の２枚の保持板９を
重ね合わせ状に、而も、抜き差し可能に係止せしめると
ともに、前記両保持板９に平面形状がＵ字形で逆向きの
抱持切欠き部１０を形成し、この突き合わされる両抱持
切欠き部１０間に構成される円形窓部１０ａによって、
切花茎の下部及び中途部を集束抱持するようにしたこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、切花類の輸送容器の改
善に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、生産者から生花市場へ、又はフラ
ワーショップからお届先への切花類の輸送容器として
は、立方形をした容器本体の前面に形成せる開口部の一
側に横開き構造の扉体を連設し、容器本体の内底部に吸
水部材を収容した耐水性材料よりなる容器を設け、花茎
下端を前記吸水部材に接触させた給水状態で束状切花を
容器本体内に収納し梱包することは知られている。（例
えば、実開平４−７４６７２号公報参照）

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述した従来の切花類
の輸送容器は、切花に水を補給して全体を容器本体にて
囲い、外部よりの衝動，衝撃から花を保護するという特
徴は認められるが、束状切花が容器本体内で姿勢が崩さ
れたり、あるいは、花や葉が容器本体の側板内面に押し
つけられたりして落弁，落葉が生じるなどの損傷がみら
れ輸送歩留りが悪い。特に、高級切花などにあっては損
傷による損失が大きいという課題の解決には至っていな
い。

【０００４】本発明の目的は、花茎の中途部及び下部を
優しく抱持し、輸送中における花の損傷を最小限に抑
え、輸送効率及び歩留り効果の図れる輸送容器を提供す
ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】従来技術の課題を解決す
る本発明の構成は、立方形をした容器本体の前面に形成
せる開口部の一側に横開き構造の扉体を連設し、容器本
体の内底部に吸水部材を収容した耐水性材料よりなる皿
状容器を設け、花茎下端を前記吸水部材に接触させた状
態で束状切花を容器本体内に収納し梱包するようにした
切花類の輸送容器において、前記容器本体の少くとも下
部及び中途部に、容器本体の横断面形状と略同径同大の
２枚の保持板を重ね合わせ状に、而も、抜き差し可能に
係止せしめるとともに、前記両保持板に平面形状がＵ字
形で逆向きの抱持切欠き部を形成し、この突き合わされ
る両抱持切欠き部間に構成される円形窓部によって、切
花茎の下部及び中途部を集束抱持するようにしたこと、
および、前記保持板に設けたＵ字形の抱持切欠き部の半
円形状円弧部の内側に、多数の放射状切込みと半円形折
目を基部に形成せるクッション部を連設したものであ
る。

【０００６】

【作用】吸水部材により輸送の各花茎に適度の水の補給
ができ、生産地から市場に至る間花の活力を保持しうる
ことは勿論のこと、花茎群の中途部及び下部を保持板に
形成した互いに突き合わされる両抱持切欠き部間に構成
される円形窓部によって抱持し、輸送中における切花の
崩れ，転動を防止して花の落弁，落葉などによる損傷を
最小限に抑え、商品価値の低下を防ぐとともに、輸送歩
留りの向上が合理的に図れる。

【０００７】

【実施例】次に、図面について本発明実施例の詳細を説
明する。図１は扉体を開いた束状切花の輸送姿勢を示す
容器本体の一部切欠正面図、図２ａは下側となる保持板
の平面図、図２ｂは上側となる保持板の平面図、図３ａ
は下側となる別実施例の保持板の平面図、図３ｂは上側
となる別実施例の保持板の平面図、図４は容器本体の斜
視図、図５は吸水部材を収容する皿状容器の斜視図であ
る。

【０００８】図１，図４に示す１は、段ボール紙材，厚
板紙又は合成樹脂材料などよりなるタテ方向に長い立方
形の容器本体であって、該容器本体１の前面全域には開
口２が形成されており、この開口２部の一側には上方に
背高の、下方に背低とした２枚の横開き構造の扉体３，
４を連設せしめ、各扉体３，４の他側端縁には夫々閉塞
姿勢を保つための挿し込み舌片３ａ，４ｂが折目を介し
て設けられている。図５に示す５は、内部に水を包含さ
せた吸水部材６を収容する耐水性材料よりなる皿状容器
であって、該皿状容器５の平面形状は、前記容器本体１
の横断面形状と略同形同大であって、而も、前記下方の
扉体４と略同高の形状に構成されるとともに、図１に示
すように、前記容器本体１の低部に収容するようにした
ものである。また、前記皿状容器５の前面を除いた少く
とも２辺、即ち、この前面に隣接する両側壁上端中央部
の外方に係合突片５ａを一体に設け、この各係合突片５
ａを前記容器本体１の左右側壁１ａを設けた係合孔７に
適嵌せしめることによって、皿状容器５の容器本体１に
対する前後方向の移動が拘束されるよう構成する。更
に、前記皿状容器５の後壁上端中央部の外方に仮想線で
示すような係合突片５ｂを一体形成することもある。こ
の係合突片５ｂを設ける場合には、容器本体１の後壁に
前記係合突片５ｂが嵌入する係合孔８を設けるものであ
る。

【０００９】図２に示す９は、段ボール紙材，厚板紙又
は合成樹脂材料などよりなる保持板であって、該保持板
９の平面形状は、前記容器本体１の横断面形状と略同形
同大であって、この保持板９は図１に示すように、容器
本体１を構成する左右側壁１ａの下段と中途部に隙間な
く挿入装着されるものである。下段にとりつけられる保
持板９は前記皿状容器５の上端に乗載されるようにして
ある。前記保持板９には、中央部に半円形状の円弧部が
位置するよう保持板９の一側辺に開口したＵ字形の抱持
切欠き部１０を打ち抜き形成せしめ、この抱持切欠き部
１０を開口した辺と隣接する左右の両辺中央部に、前記
係合孔７及び容器本体１を構成する前記左右側壁１ａの
中途部に設けた係合孔１１に適嵌する係合突片９ａを一
体に形成したものである。また、前記抱持切欠き部１０
の開口部は図で示すようにテーパー状に拡開形成せし
め、束状切花の装入，抱持作用がスムーズに行えるよう
にしたものである。この保持板９は２枚を一組とし、前
記Ｕ字形の抱持切欠き部１０を互いに逆方向に重ね合わ
せて使用することにより、図２ａの仮想線で示すような
略円形の円形窓部１０ａが２枚の保持板９によって構成
され、この円形窓部１０ａに束状切花の茎を抱持するよ
うにしたものである。従って、上下に重ね合わされる保
持板９は全く同形のものを使用することができる。但
し、後述する作用の説明から明らかなように、最初に挿
し込み装着する下側となる保持板９の後辺に、図２ａの
仮想線で示すような係合突片９ｂを形成し、この下側と
なる保持板９の安定性を高めるようにした場合には、図
４の仮想線で示すような係合孔８ａ，８ｂが必要とな
る。しかしながら、この係合突片９ｂは上側となる保持
板９には不要であることから、上下となる保持板９は構
造が異ることから夫々別個に製作することになる。前記
係合孔７と８ａは、皿状容器５の係合突片５ａと重ね合
わされた２枚の保持板９の係合突片９ａが介入する巾と
高さを要し、また、係合孔１１は、重ね合わされた２枚
の保持板９の係合突片９ａが介入する巾と高さを要する
とともに、係合孔８は下側となる保持板９の係合突片９
ｂのみが介入する巾と高さを要することは当然である。

【００１０】図３ａ，ｂに示す保持板９の別実施例を示
し、保持板９に形成したＵ字形の抱持切欠き部１０の半
円形状円弧部の内側に、多数の放射状切込み１２と半円
形折目１３を基部に形成したクッション部１４を形成
し、切花茎を優しく抱持する効果を更に高めるようにし
たものである。その他の構成は図２ａ，ｂに示した実施
例と同様であるので、同一構成部分には同じ符号を付す
ことにより詳細な説明は省略する。

【００１１】

【作用の説明】上記実施例に基づいて切花の梱包を説明
する。水を含ませた吸水部材６を収容した皿状容器５を
容器本体１の底部に挿入装着し、側壁１ａに形成した係
合孔７に係合突片５ａを適嵌し、皿状容器５の前後移動
を拘束する。次いで、容器本体１の中途部と下段に、下
側となる保持板９を抱持切欠き部１０の開口が前方とな
るよう挿入し、この保持板９の係合突片９ａを容器本体
１に形成せる係合孔１１，７に夫々適嵌するとともに、
保持板９の前後移動を拘束せしめる。この状態で束状切
花を上下の保持板９の抱持切欠き部１０にそって挿入
し、束状切花の全ての茎を前記吸水部材６に接触させ
る。このように束状切花を上下の保持板９の抱持切欠き
部１０に仮保定させたのち、前記保持板９の上面に抱持
切欠き部１０を後向きにした上側の保持板９を切花の茎
を集束しながら挿し込み、束状切花の茎を２枚の保持板
９の重ね合わせによって構成される円形窓部１０ａ内に
抱持させるとともに、この保持板９に設けた係合突片９
ａを前記係合孔１１，７に夫々適嵌せしめてこの保持板
９の前後移動を拘束したのち、容器本体１に連着した扉
体３，４によって開口２を閉塞し、これに連着せる挿し
込み舌片３ａ，４ａを容器本体１の側壁１ａと前記各保
持板９，皿状容器５の側部との間に挿入挟持させて梱包
は終る。尚、必要に応じ、扉体３，４の容器本体１の側
壁１ａ間をガムテープなどで固定する。この状態で生産
者から生花市場に輸送するもので、市場においてセリに
かける場合は、大きな扉体３のみを開くことにより内部
の切花を仲買人が視知観察することができるものであ
る。

【００１２】

【発明の効果】上述のように本発明の構成によれば、次
のような効果が得られる。 （ａ）切花類を給水しながらその外周を容器本体で保護
し、生産者から生花市場へ、あるいは、フラワーショッ
プからお届先への安全輸送ができることは勿論のこと、
（ｂ）束状切花の茎群を、上下複数段に配設した２枚構
成の保持板の抱持切欠き部によって構成される円形窓部
によって抱持させたので、束状切花の姿勢を崩すことな
く安全に、而も、損傷することなく輸送することがで
き、落弁などによる商品価値の低下を防ぐとともに、歩
留り効率のよい輸送が簡単な構成によってなしうる。

【図面の簡単な説明】

【図１】扉体を開いた束状切花の輸送姿勢を示す容器本
体の一部切欠正面図である。

【図２】ａは下側となる保持板の平面図である。ｂは上
側となる保持板の平面図である。

【図３】ａは下側となる別実施例の保持板の平面図であ
る。ｂは上側となる別実施例の保持板の平面図である。

【図４】容器本体の斜視図である。

【図５】吸水部材を収容する皿状容器の斜視図である。

【符号の説明】

１ 容器本体 １ａ 左右側壁 ２ 開口 ３ 扉体 ３ａ 挿し込み舌片 ４ 扉体 ４ｂ 挿し込み舌片 ５ 皿状容器 ５ａ 係合突片 ５ｂ 係合突片 ６ 給水部材 ７ 係合孔 ８ 係合孔 ８ａ 係合孔 ８ｂ 係合孔 ９ 保持板 ９ａ 係合突片 ９ｂ 係合突片 １０ 抱持切欠き部 １０ａ 円形窓部 １１ 係合孔 １２ 切込み １３ 折目 １４ クッション部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 立方形をした容器本体の前面に形成せる
   開口部の一側に横開き構造の扉体を連設し、容器本体の
   内底部に吸水部材を収容した耐水性材料よりなる皿状容
   器を設け、花茎下端を前記吸水部材に接触させた状態で
   束状切花を容器本体内に収納し梱包するようにした切花
   類の輸送容器において、前記容器本体の少くとも下部及
   び中途部に、容器本体の横断面形状と略同径同大の２枚
   の保持板を重ね合わせ状に、而も、抜き差し可能に係止
   せしめるとともに、前記両保持板に平面形状がＵ字形で
   逆向きの抱持切欠き部を形成し、この突き合わされる両
   抱持切欠き部間に構成される円形窓部によって、切花茎
   の下部及び中途部を集束抱持するようにしたことを特徴
   とする切花類の輸送容器。
2. 【請求項２】 前記保持板に設けたＵ字形の抱持切欠き
   部の半円形状円弧部の内側に、多数の放射状切込みと半
   円形折目を基部に形成せるクッション部を連設した請求
   項１記載の切花類の輸送容器。