JPH07289021A - 種子の発芽開始時期の均一化方法およびその利用 - Google Patents

種子の発芽開始時期の均一化方法およびその利用

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JPH07289021A
JPH07289021A JP9231594A JP9231594A JPH07289021A JP H07289021 A JPH07289021 A JP H07289021A JP 9231594 A JP9231594 A JP 9231594A JP 9231594 A JP9231594 A JP 9231594A JP H07289021 A JPH07289021 A JP H07289021A
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Akira Hasegawa
亮 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【構成】種子の含水率が30%乾重量以上になるように
種子に水を含浸し、得られた種子を相対湿度50%以上
の気相環境下で発芽直前まで保持することを特徴とする
種子の発芽開始時期の均一化方法および該方法により調
製された種子、さらにコート処理前に種子を該方法によ
り調製し、調製された種子をコートすることによって得
られるコート種子およびその製造方法 【効果】本発明により、種子の発芽開始時期の均一化を
容易に行なうことができるようになった。そして発芽性
能を向上・安定化させた高性能なコート種子を製造する
ことが可能にになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種子の発芽開始時期の
均一化方法およびその利用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】種子の発芽率や発芽速度は、登熟環境、
採取時の気象、採取技術等の種々の条件により、きわめ
て変動を生じやすい。しかしながら、これらの発芽性能
を向上・安定化させた高性能な種子を従来の育種技術の
みから得ることは難しい。そのため、種子の発芽性能を
改良する種々の技術が試みられ、そのいくつかは実用場
面で実施されてきた。たとえば、連続通気された高浸透
圧水溶液に種子を入れる方法(以下、液相法と記す。)
や高い水分保持能力を有する固体資材と種子を混合させ
る方法(以下、固相法と記す。)等が知られている。さ
らに最近では、回転するドラム内において種子に水溶液
を直接的に噴霧供給する方法(以下、半気相法と記
す。)が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
液相法では、種子量に対して大容量の水溶液が必要とな
ることや大容量の水溶液からの種子の分離操作および分
離後の乾燥操作が煩雑になる等の課題が発生している。
また、上記の固相法では、種子量と同程度の固体資材が
必要となることや該固体資材からの種子の分離操作が工
業的にはきわめて難しいこと等の課題を伴っている。さ
らに上記の半気相法では、一度に大量の種子を処理する
ことに不向きであることやドラム回転による処理時間が
比較的長いためにランニング・コストが高くなること等
の課題があり、いずれの方法においても多くの解決すべ
き課題が存在しているのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の状
況を鑑み、よりすぐれた種子の発芽性能を改良する技術
を見い出すべく、鋭意検討を重ねた結果、(1) 種子の含
水率がある一定の値以上になるように種子を調製するこ
と、(2) 調製された種子をある一定の値以上の相対湿度
である気相環境下で発芽直前まで保持すること、により
調製された種子の発芽開始時期が均一化されることを見
い出し、そしてコート処理前に種子を該方法により調製
し、調製された種子をコートすることによりコート種子
の発芽開始時期の均一化にも成功し、本発明を完成し
た。すなわち、本発明は、種子の含水率が30%乾重量
以上になるように種子に水を含浸し、得られた種子を相
対湿度50%以上の気相環境下で発芽直前まで保持する
ことを特徴とするコート種子の発芽開始時期の均一化方
法および該方法により調製された種子、さらにコート処
理前に種子を該方法により調製し、調製された種子をコ
ートすることによって得られるコート種子およびその製
造方法を提供するものである。
【0005】本発明において用いられる種子としては、
例えば、レタス等のキク科作物、ネギ、タマネギ等のユ
リ科作物、カンラン等のブラシカ科作物、ホウレンソウ
等のアカザ科作物、ミツバ、セロリ、パセリ等のセリ科
作物、ゴボウ等のキク科作物、ナス、トマト等のナス科
作物、ダイコン、ハクサイ等のアブラナ科作物等の野菜
種子、パンジー、ユーストマ、ベゴニア等の花種子、ギ
ニアグラス、ローズグラス等の牧草種子、デントコー
ン、イネ、オオムギ等のイネ科作物等の穀物種子、ユー
カリ等の樹木種子、ソラマメ、ダイズ、エンドウ等のマ
メ科作物、ヒマワリ等のキク科作物、ソバ等のタデ科作
物、食用ヒエ等のイネ科作物の食用及び工芸作物等をあ
げることができる。
【0006】本発明において「種子の含水率が30%乾
重量以上になるように種子に水を含浸する」際に用いら
れる水とは、例えば、蒸留水、イオン交換水、水道水等
の水を意味する。これらの水は、種子の含水率を調製で
きるような水溶液の形でも用いることができる。例え
ば、硝酸塩、燐酸塩、塩化物等の無機塩類、マニトー
ル、ソルビトール、トレハロース等の糖類、ポリエチレ
ングリコール等のポリエーテル類、ジベレリン、サイト
カイニン、アブサイシン酸、フシコクシン、ブラシノラ
イド等の植物ホルモン類、アミノ酸類、チオ尿素等の含
硫化合物類、希塩酸、水酸化カルシウム等の酸・アルカ
リ類、過酸化水素水、過酸化カルシウム等の過酸化物
類、シアン化カリウム、ソジウムアジド等のチトクロム
系呼吸阻害剤あるいはSHAM(ヒドロキザム酸類)、
プロピルガレート等のシアン耐性呼吸系阻害剤等の水溶
液、またはそれらを混合したものをあげることができ
る。必要に応じて、それら水溶液または水にアセトン、
エタノール等の有機溶媒を添加した水溶液も用いること
ができる。なお、種子の含水率は、そのままの自然な状
態での種子の重量(生重量)に対する、105℃、16
hrの条件で乾燥された種子の重量(乾重量)の割合を
百分率(%)で表した値で、通常の方法により測定・算
出することができる。種子の含水率が30%乾重量以上
になるように種子に水を含浸するには、一定時間毎に含
浸処理中である種子を一部サンプリングし、該サンプル
の含水率を調べることにより目的の含水率に達している
か否かを判定し、目的の含水率以上になるまで種子に水
を含浸する方法を用いることができる。またあらかじめ
予備試験等を行うことにより、目的の含水率に達するま
での含浸時間を決定し、該時間以上の含浸処理を行う方
法もより適したものとしてあげることができる。種子の
含水率としては、30%乾重量以上になればいかなるも
のであってもかまわないが、好ましくは、約40%乾重
量以上から約100%乾重量以下の範囲をあげることが
できる。
【0007】つぎに、本発明において「得られた種子を
相対湿度50%以上の気相環境下で発芽直前まで保持す
る」際に用いられる相対湿度50%以上の気相環境は、
湿度および/または温度が制御できる方法・装置等を用
いることにより容易に作り出すことができる。例えば、
湿度を制御する方法としては、気液接触操作による方法
あるいは高湿ガス噴霧操作による方法等をあげることが
でき、また装置としては、蒸気加湿器、液体噴霧加湿器
あるいは蒸発皿等があげられる。温度を制御する方法と
しては、ヒーターおよび/または冷却器のON/OFFによる
方法等をあげることができ、また装置としては、恒温
庫、恒温ルーム等があげられる。気相温度としては、気
相の相対湿度が50%以上になればいかなるものであっ
てもかまわないが、通常、約0℃以上から約40℃以上
の温度範囲をあげることができる。好ましくは約10℃
以上から約30℃以下の温度範囲がよい。気相の相対湿
度としては、50%以上であればいかなるものであって
もかまわないが、好ましくは約60%以上の相対湿度範
囲をあげることができる。さらに具体的な例として、気
相温度が約10℃程度、約20℃程度、約30℃程度ま
たは約40℃程度の場合、適する気相の相対湿度として
は、約70%程度以上、約80%程度以上、約90%程
度以上または約95%程度以上の相対湿度範囲をあげる
ことができる。さらに、必要に応じて気相のガス成分を
変化させることもできる。通常は酸素濃度21%の空気
成分でよいが、対象となる種子の種類、品種、ロットに
よっては21%以上の酸素濃度である空気成分を用いる
ことも有効である。さらにエチレンおよび/または二酸
化炭素を適当な成分比率で混合させることも有効であ
る。例えば、レタス等のキク科作物、オナモミ等のキク
科植物では約0.1ppm から約100ppm のエチレン濃度
および約1%から約20%の二酸化炭素濃度になるよう
にエチレンおよび二酸化炭素を空気成分に添加すること
がよい。また、場合によっては窒素、一酸化炭素等の嫌
気条件も利用できる。例えば、イネ、オオムギ、タイヌ
ビエ等のイネ科作物では約0%から約21%の窒素濃度
および/または一酸化炭素濃度を有するように酸素の代
わりとして空気成分に添加することがあげられる。また
本発明において「得られた種子を相対湿度50%以上の
気相環境下で発芽直前まで保持する」際には、通常、暗
条件が用いられるが、必要に応じて光質、光量を適当に
変化させることもできる。そして上記のような方法・条
件により作り出された気相環境下において種子の発芽直
前まで保持する(以下、気相処理と記す。)。なお、発
芽直前まで保持するには、あらかじめ予備試験等を行う
ことにより、発芽するまでの保持時間を決定し、該時間
直前までの気相処理を行う方法等をあげることができ
る。
【0008】このようにして調製された種子は、未調製
の種子に比較して格段すぐれた発芽開始時期の均一性を
有する。
【0009】つぎに、調製された種子をコート(ペレッ
ト型被覆方法および/またはフィルム型被覆方法により
種子の表面を被覆資材を用いて被覆加工することを意味
する。)して得られるコート種子を製造するには、通
常、調製された種子を乾燥させた後、該種子をコートす
ることによって得られる。なお調製された種子をすぐに
利用する場合には、特に乾燥することなく、直ちに該種
子をコートすることによってコート種子を製造すること
もできる。調製された種子の乾燥は、発芽性能を喪失ま
たは低下させることのない方法で行えばいかなるもので
もよい。通常、種子温度(種子−気相境界面における温
度)が約70℃以下、好ましくは約50℃以下、より好
ましくは約35℃以下に維持され、かつ調製された種子
の水分を速やかに除去する方法が適している。さらに調
製された種子が均一に乾燥されることが好ましいことは
言うまでもない。このために、熱風受熱型もしくは伝導
受熱型の乾燥方法が好適であり、乾燥機のタイプとして
は、例えば、トンネルバンド乾燥機、溝型攪拌乾燥機、
流動層乾燥機、ドラム乾燥機、真空バンド乾燥機等をあ
げることができる。具体的な例としてドラム乾燥機を用
いる場合、供給空気の温度は約50℃から約100℃の
範囲で、かつ絶対湿度は約0.06kg/kg 以下の範囲で、
好ましくは約0.03kg/kg以下の範囲に設定する。乾燥
の程度は、製造されたコート種子が利用されるまでに保
存される期間に応じて適当に選択することができるが、
通常、約1年から約2年の保存期間の場合には種子の含
水率が約15%乾重量以下、好ましくは約10%乾重量
以下になるようにすることが望ましい。調製された種子
をコートする方法は、例えば特開昭58-18748号公報、特
開昭61-500101 号公報等に記載される通常の方法を用い
ることができる。
【0010】以下、実施例についてさらに詳しく説明す
るが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるもの
ではない。
【0011】実施例1 ホウレンソウ (Spinacia oleracea L.)種子に、あらか
じめ室温で30分間蒸留水を含浸させ、種子の含水率が
70%乾重量になるように調製された種子を得た。つぎ
に得られた種子を、温度15℃で相対湿度95%に設定
された植物育成装置(ナガノ科学機械製)内に3日間静
置した。このときの他の条件としては、気相のガス成分
が酸素濃度21%の空気成分で、暗条件であった。気相
法による上記の処理後、調製された種子をドラム式通風
乾燥機(田中化学機械製)を用いて温度60℃で絶対湿
度0.05kg/kg の乾燥空気を30分間供給することによ
り乾燥させた。このようにして乾燥された種子、すなわ
ち発芽性能が改良された種子(含水率;8%乾重量)
を、殺菌剤であるベンレートT(水和剤20、デュポン
・ジャパンリミテッド製)を0.5重量%の割合で含有す
る被覆資材(カルボキシメチルセルロースの1%(w/v)
水溶液)でフィルムコート加工することにより、コート
種子を製造した。
【0012】実施例2 ニンジン(Daucus carota L.)種子に、あらかじめ室温
で1時間蒸留水を含浸させ、種子の含水率が80%乾重
量になるように調製された種子を得た。つぎに得られた
種子を、温度25℃で相対湿度95%に設定された植物
育成装置(ナガノ科学機械製)内に2日間静置した。こ
のときの他の条件としては、気相のガス成分が酸素濃度
21%の空気成分で、暗条件であった。気相法による上
記の処理後、調製された種子をドラム式通風乾燥機(田
中化学機械製)を用いて温度60℃で絶対湿度0.05kg
/kg の乾燥空気を30分間供給することにより乾燥させ
た。このようにして乾燥された種子、すなわち発芽性能
が改良された種子(含水率;4%乾重量)を、殺菌剤で
あるベンレートT(水和剤20、デュポン・ジャパンリ
ミテッド製)を0.5重量%の割合で含有する被覆資材
(カルボキシメチルセルロースの1%(w/v) 水溶液)で
フィルムコート加工することにより、コート種子を製造
した。
【0013】試験例1 実施例1によって製造されたコート種子(以下、本発明
コート種子と記す。)と発芽性能が改良された種子(以
下、本発明裸種子と記す。)および対象区である無調製
の種子(以下、無調製種子と記す。)をシャーレ(室内
試験;20℃、30℃)およびビニールハウスでの地床
(野外試験)における種子の発芽試験を行った。 シャーレ(室内試験;20℃、30℃)・・・定性濾紙
2枚を入れた直径9cmのシャーレに、初期水分として
4.5mlの蒸留水を加えた。播種粒数50粒/シャー
レの割合で上記の種子を濾紙上に播種した。このシャー
レを室温20℃、30℃にされた人工気象器(日本医化
製)内に静置した。 ビニールハウスでの地床(野外試験)・・・・昼温約3
5℃/夜温約15℃のビニールハウス内の地床に、播種
間隔6cm、1粒、播種深度1.5cmの条件で1区あ
たり200粒、4反復で野外試験を行った。なお灌水
は、播種後1日1回の割合で土壌が乾燥しないように実
施した。 その結果を表1、表2及び表3に示す。下記の表から明
らかなように、いずれの実験系においても本発明コート
種子および本発明裸種子では良好な発芽率、発芽速度で
あった。またこれらの種子から発芽した植物体には何ら
の異常も認められなかった。一方、無調製種子では発芽
条件が厳しくなればなるほど発芽率、発芽速度とも著し
く低下した。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】比較例1 ホウレンソウ (Spinacia oleracea L.)種子に、あらか
じめ室温で60分間蒸留水を含浸させ、種子の含水率が
100%乾重量になるように調製された種子を得た。つ
ぎに得られた種子を、温度15℃で相対湿度45%にさ
れたデシケーター内に3日間静置した。このときの他の
条件としては、気相のガス成分が酸素濃度21%の空気
成分で、暗条件であった。気相法による上記の処理後、
調製された種子をドラム式通風乾燥機(田中化学機械
製)を用いて温度60℃で絶対湿度0.05kg/kg の乾燥
空気を30分間供給することにより乾燥させた。このよ
うにして乾燥された種子、すなわち発芽性能が改良され
た種子(含水率;8%乾重量)を、殺菌剤であるベンレ
ートT(水和剤20、デュポン・ジャパンリミテッド
製)を0.5重量%の割合で含有する被覆資材(カルボキ
シメチルセルロースの1%(w/v) 水溶液)でフィルムコ
ート加工することにより、コート種子を製造した。上記
のように製造されたコート種子(以下、比較例1:コー
ト種子と記す。)と発芽性能が改良された種子(以下、
比較例1:裸種子と記す。)および対象区である無調製
の種子(以下、無調製種子と記す。)をシャーレ(室内
試験;20℃)における種子の発芽試験を試験例1と同
様な方法で行った。その結果を表4に示す。下記の表か
ら明らかなように、比較例1:コート種子および比較例1:
裸種子では、無調製種子と同等な発芽率、発芽速度であ
り、本発明コート種子および本発明裸種子のような発芽
性能の向上・安定化は認められなかった。
【0018】
【表4】
【0019】試験例2 実施例2によって製造されたコート種子(以下、比較例
2:コート種子と記す。)と発芽性能が改良された種子
(以下、比較例2:裸種子と記す。)および対象区であ
る無調製の種子(以下、無調製種子と記す。)をシャー
レ(室内試験;20℃、30℃)およびビニールハウス
での地床(野外試験)における種子の発芽試験を試験例
1と同様な方法で行った。その結果を表5、表6及び表
7に示す。下記の表から明らかなように、いずれの実験
系においても本発明コート種子および本発明裸種子では
良好な発芽率、発芽速度であった。またこれらの種子か
ら発芽した植物体には何らの異常も認められなかった。
一方、無調製種子では発芽条件が厳しくなればなるほど
発芽率、発芽速度とも著しく低下した。
【0020】
【表5】
【0021】
【表6】
【0022】
【表7】
【0023】比較例2 ニンジン(Daucus carota L.)種子に、あらかじめ室温
で10分間蒸留水を含浸させ、種子の含水率が25%乾
重量になるように調製された種子を得た。つぎに得られ
た種子を、温度25℃で相対湿度100%にされたデシ
ケーター内に2日間静置した。このときの他の条件とし
ては、気相のガス成分が酸素濃度21%の空気成分で、
暗条件であった。気相法による上記の処理後、調製され
た種子をドラム式通風乾燥機(田中化学機械製)を用い
て温度60℃で絶対湿度0.05kg/kg の乾燥空気を30
分間供給することにより乾燥させた。このようにして乾
燥された種子、すなわち発芽性能が改良された種子(含
水率;4%乾重量)を、殺菌剤であるベンレートT(水
和剤20、デュポン・ジャパンリミテッド製)を0.5重
量%の割合で含有する被覆資材(カルボキシメチルセル
ロースの1%(w/v) 水溶液)でフィルムコート加工する
ことにより、コート種子を製造した。上記のように製造
されたコート種子(以下、比較例2:コート種子と記
す。)と発芽性能が改良された種子(以下、比較例2:
裸種子と記す。)および対象区である無調製の種子(以
下、無調製種子と記す。)をシャーレ(室内試験;20
℃)における種子の発芽試験を実施例2と同様な方法で
行った。その結果を表8に示す。下記の表から明らかな
ように、比較例2:コート種子および比較例2:裸種子で
は、無調製種子と同等な発芽率、発芽速度であり、本発
明コート種子および本発明裸種子のような発芽性能の向
上・安定化は認められなかった。
【0024】
【表8】
【0025】
【発明の効果】本発明により、種子の発芽開始時期の均
一化を容易に行なうことができるようになった。そして
発芽性能を向上・安定化させた高性能な種子およびコー
ト種子を製造することが可能になった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】種子の含水率が30%乾重量以上になるよ
    うに種子に水を含浸し、得られた種子を相対湿度50%
    以上の気相環境下で発芽直前まで保持することを特徴と
    する種子の発芽開始時期の均一化方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法により調製された種
    子。
  3. 【請求項3】請求項1記載の方法により調製された種子
    をコートすることによって得られるコート種子。
  4. 【請求項4】コート処理前に種子を請求項1記載の方法
    により調製し、調製された種子をコートすることを特徴
    とするコート種子の製造方法。
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