JPH0728705B2 - 果実,野菜汁の殺菌方法 - Google Patents

果実,野菜汁の殺菌方法

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JPH0728705B2
JPH0728705B2 JP3181890A JP18189091A JPH0728705B2 JP H0728705 B2 JPH0728705 B2 JP H0728705B2 JP 3181890 A JP3181890 A JP 3181890A JP 18189091 A JP18189091 A JP 18189091A JP H0728705 B2 JPH0728705 B2 JP H0728705B2
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靖 伊福
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Yamamoto Suiatsu Kogyosho Co Ltd
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WAKAYAMA NOOKYOO SHOKUHIN KOGYO KK
Yamamoto Suiatsu Kogyosho Co Ltd
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  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は果実,野菜汁、具体的に
はこれらの搾汁液を濾過して得た固形分に対する殺菌方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に果実,野菜類の搾汁液は、一部は
搾汁後直ちに、例えばストレートジュース等として成分
無調整のまま、或いは成分調整加工を施して出荷される
場合と、一旦濃縮した後これを還元して、所謂濃縮還元
ジュース類等として出荷される場合がある。この理由は
ストレートジュース類は保存性に問題があり、時期的に
集中する果実,野菜類の搾汁液の全てをこのようなスト
レートジュース類等として出荷することが困難なことに
よる。このため通常は搾汁液の一部はストレートジュー
ス類等として直ちに製品化されるが、残りの大半は保存
設備の負担を避けるために濃縮して保存し、需要に合わ
せて還元し、所謂濃縮・還元ジュース等として出荷する
のが普通である。
【0003】ところでストレートジュース類等の保存性
を改善するため、近年にあっては果実,野菜類の搾汁液
を限外濾過法等によって濾過液と固形分とに分離し、固
形分についてはこれに加熱殺菌処理を施した後濾過液と
混合し、そのままストレートジュースとして出荷するこ
とが行われている。一方、果実,野菜類の濃縮・還元ジ
ュースは、先ず搾汁液を限外濾過処理法にて濾過液と固
形分(パルプ)とに分離し、濾過液はこれをそのまま減
圧処理等にて濃縮し、また固形分はこれを加熱殺菌処理
を施した後、濃縮濾過液に固形分を戻して冷凍貯蔵して
おき、需要に応じて冷凍濃縮汁液を解凍すると共にこれ
に水を加えて出荷されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこのようなストレートジュース又は濃縮・還元
ジュースの製造工程においてはいずれも加熱殺菌工程を
含むために、糖度,pH, 黴・酵母類の個数等には問題が
ないが、加熱臭の発生が避けられずこれがジュース全体
に広がる結果、製品として新鮮な風味に欠ける原因とな
る等の難点があった。また固形分は殺菌対象全量の均一
加熱が困難であるので、殺菌ムラを避けて十分な殺菌を
行なうために熱源近くが過加熱され、それによる加熱臭
の増大、風味の劣化は不可避のことであった。
【0005】本発明はかかる事情に鑑みなされたもので
あって、その目的とするところは搾汁液を濾過した後の
固形分に対し、従来の加熱殺菌処理に代わって静水圧加
圧殺菌処理を行うことにより加熱臭のない固形分が得ら
れ、ストレートジュース、濃縮・還元ジュース類等とし
て製品化した場合も新鮮な風味を維持し得るようにした
果実,野菜汁の殺菌方法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る果実,野菜
汁の殺菌方法は、果実,野菜を搾汁して得た搾汁液に濾
過処理を施し、得られた固形分に対して静水圧加圧処理
を行うことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明方法にあってはこれによって、黴・細菌
個数の大幅な低減、更には無菌化が可能となり、しかも
加熱臭を生じることがなく、ストレートジュース、濃縮
・還元ジュース類等としても新鮮な風味を維持すること
が出来る。特に殺菌対象全量に対して均一な加圧が可能
であり、均一な殺菌が行える。
【0008】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づき
具体的に説明する。 (実施例1)図1は本発明に係る果実,野菜汁の殺菌方
法をストレートジュース類の製造に適用した場合の主要
製造工程を示すブロック図であり、先ず果実,野菜類を
搾汁工程Aにて搾汁し、得られた搾汁液を濾過工程Bに
送る。濾過工程Bにおいては、例えば分画分子量20,000
〜50,000以上の限外濾過膜を用いた限外濾過法(或いは
セライトを用いたプレコート濾過法),逆浸透膜法によ
り搾汁液を濾過し、濾過液と固形分(パルプ)とに分離
する。得られた濾過液はそのままとし、一方ペクチン,
タンパク質,細菌を含む固形分は殺菌工程Cへ送られ
る。殺菌工程Cにおいては本発明方法に係る静水圧加圧
法により固形分について殺菌処理を行う。次いで混合工
程で濾過液中に殺菌処理を施した固形分を戻して混合
し、ストレート汁液として出荷する。なおセライト濾過
法では0.2 〜0.5 μm以上のものが除去されるが、ペク
チン,タンパク質は通過し、また酵母の如き大きい微生
物は除去可能であるが一部の細菌は濾過液中に混入する
こととなる。
【0009】なお前記固形分は限外濾過法における限外
濾過膜を透過しなかったもの、即ち分画分子量20,000〜
50,000以上の不溶性成分を意味するが、特にこれにのみ
限定するものではなく、セライトを用いたプレコート濾
過法においては透過しなっかった0.2 〜0.5 μmのもの
が固形分となる。また遠心分離法にあっては3000回転で
10分間処理したとき下部に沈澱した不溶性固形物(不透
明な部分を含む)を意味することとなる。
【0010】図2は殺菌工程Cにおいて用いる静水圧殺
菌装置の模式図、図3は静水圧殺菌装置に用いられてい
る殺菌装置本体の正面図である。図2,図3において1
は殺菌装置本体、11は油圧装置、21は増圧機を示してい
る。殺菌装置本体1は耐圧容器2,この耐圧容器2に高
圧を加える加圧フレーム3等にて構成されている。耐圧
容器2は中央部に上方が開口された加圧室2aを備えた厚
肉円筒形に形成され、その周壁にはヒータ2bを内蔵し、
加圧室2aの開口部にはプラグ4が着脱可能に嵌着されて
おり、全体を支持台5上に載架されている。プラグ4は
厚肉の円板型に形成され下面中央に加圧室2a内に嵌入す
る凸部を備えておりこの凸部周面には水密用のシールリ
ングが設けられている。支持台5は所要の間隔を隔てた
一対の水平梁5a,5a の両端に夫々脚部5b,5b を設けて下
向きコ字形に構成され、基台6上に設置されている。
【0011】耐圧容器2における加圧室2a内には固形分
が合成樹脂製の柔軟な袋に収容された状態で1又は複数
個ずつ収容されるようになっている。加圧フレーム3は
2本の縦梁部3a,3b に上, 下方向に所定の間隔を隔てて
横梁部3c及び耐圧容器2の底部と対向する部分に凸部3h
を有する横梁部3dを渡し、これらで囲われる内側に前記
耐圧容器2,支持台5が通過可能な空間3eを備えると共
に、両縦梁部3a,3b の下端に夫々車輪3fを備えた脚部3g
を形成し、この脚部3gを介してレールR上に載架され、
図2に実線で示す如く横梁部3c,3d がプラグ4の上部及
び耐圧容器2の底部と対向する位置と、図2に破線で示
す如く横梁部3c,3d がプラグ4の上部及び耐圧容器2の
底部と対向しない位置とにレールR上を移動せしめられ
るようになっている。この加圧フレーム3の移動は手
動、或いはモータのいずれによって行うこととしてもよ
い。
【0012】耐圧容器2の底部にはその一端は加圧室2a
の底部中央に開口し、また他端部は側壁外面に開口され
た通水孔2cを備えており、側壁外面の開口部には増圧機
21にに連なる水路24d の一端が接続されている。また耐
圧容器2のプラグ4内には一端がプラグ4の下面の中央
部に開口し、他端部がプラグ4の周壁に開口するエア抜
き孔4bが設けられており、プラグ4の周壁に開口する開
口部には中間部にエア抜きバルブ7を介在させたエア抜
き管4cの一端が接続され、その他端はエア抜き時に排出
される水を回収するタンク4dに連結されている。
【0013】油圧装置11はモータMを兼用する低圧用油
圧ポンプPL と高圧用油圧ポンプPH とを備えており、
その吸込口はいずれも油タンク12に接続され、またその
吐出口は夫々途中に逆止弁13b,13c を備えた油路12b,12
c に接続され、両油路12b,12c は逆止弁13a,13b の下流
側で一本の油路12f に合流されて電磁式の切替弁15に接
続されている。油路12b,12c は夫々逆止弁13a,13c の上
流側で夫々分岐され、分岐路12d は途中に低圧用油圧ポ
ンプPL の吐出側の圧力を所定圧力とするための圧力調
整弁14a,逆止弁14c を介在させて、また分岐路12e は途
中に高圧用油圧ポンプPH の吐出側の圧力を所定圧力と
するための圧力調整弁14b を介在させて夫々前記油タン
ク12に連なっている。また油路12f には途中に異常圧力
発生時にモータMの電源を遮断する圧力スイッチ16、低
圧用油圧ポンプPL , 高圧用油圧ポンプPH 夫々の吐出
側圧力をチェックする圧力計17が付設されている。
【0014】電磁式の切替弁15は中立位置Nと増圧機21
における油圧シリンダ22内の室aに油圧を加えるA位置
と、同じく室bに油圧を加えるB位置との3位置に切替
え可能に構成されており、油路12g,12h を介して油圧シ
リンダ22の室a,bに交互的に圧油を付与するようにな
っている。増圧機21は油圧シリンダ22, 一対の水圧シリ
ンダ23,24 を備えており、油圧シリンダ22内にはロッド
25に設けたピストン26が配設され、また両水圧シリンダ
23,24 には前記油圧シリンダ22の両端から突き出した前
記ロッド25の各端部がラムとして抽送されるようになっ
ている。
【0015】各水圧シリンダ23,24 の内奥端には夫々水
路23a,24a の各一端が接続され、その他端は夫々逆止弁
23b,24b を介在させて水路24c により相互に接続される
と共に、これから分岐された水路24d には途中にバルブ
27を介在させて前記耐圧容器2の通水孔2cに接続されて
いる。また水路23a,24a には水タンク28に連なる水路28
a が2分岐されて夫々途中に逆止弁28b,28c を介在させ
て接続されている。29は水路24c に付設した圧力計であ
る。
【0016】次にこのような静水圧殺菌装置の動作につ
いて具体的に説明する。 (殺菌装置本体1の動作)図2,図3に示す状態から、
耐圧容器2内に固形分を入れるときは手動、又は図示し
ないモータにて加圧フレーム3を実線で示す位置から破
線で示す位置に移動させ、プラグ4を耐圧容器2から引
き抜き、合成樹脂製の袋に収容した固形分を袋に収容し
たまま加圧室2a内に入れる。袋の大きさは任意でよく、
また収容する袋の数も大きな袋を1個、或いは小さい袋
を複数個収容してよい。
【0017】固形分の収容が終了するとプラグ4にて加
圧室2aを密閉し、水密状態に閉鎖する。このときエア抜
き弁7は開放しておく。加圧フレーム3を図2に破線で
示す位置から実線で示す位置に移動し、この状態で油圧
装置11を駆動し、増圧機21の水路2cを通じて加圧室2a内
に水を注入する。加圧室2a内への水の注入によって内部
の空気はエア抜き孔4b, エア抜き管4cを通じて外部に排
出されてゆく。エア抜きが終了するとエア抜き弁7を閉
鎖し、後述する油圧装置11, 増圧機21の操作によって加
圧室2a内の圧力を所定値まで高めてゆくが、この過程で
耐圧容器2の周壁に内蔵してあるヒータ2bを作動して加
圧室2a内の水,固形分の温度を所定の範囲(常温から50
℃迄の範囲) 内で調節してもよい。
【0018】加圧室2a内の圧力を1000kg/cm2 以上,望
ましくは4000kg/cm2 以上に高めて、この状態で0.5 〜
10分間程度維持し、静水圧加圧処理を行う。加圧室2a内
の圧力が高められるとプラグ4は加圧フレーム3の横梁
部3cに、また横梁部3dの凸部が加圧室2aの底部に夫々当
接し、加圧室2a内の圧力に抗しうることとなる。所定時
間経過すると油圧装置11の電磁式切替弁15を中立位置N
に設定した後、エア抜き弁7を開いて、加圧室2a内の圧
力を解放し、加圧室2a内を常圧に戻した後、加圧フレー
ム3を図2に実線で示す位置から破線で示す位置に移動
し、プラグ4を抜き取り、加圧室2a内の固形分を袋ごと
取り出し、新たな袋と交換した後、再び前述の過程を反
復する。
【0019】(油圧装置11の動作)例えば低圧用油圧ポ
ンプPL を用いる場合は油圧調整弁14a を、また高圧用
油圧ポンプPH を用いる場合は油圧調整弁14b を夫々所
定の値に設定した後、モータMを駆動し、低圧用油圧ポ
ンプPL 又は高圧用油圧ポンプPHのいずれかを動作せ
しめる。低圧用油圧ポンプPL 又は高圧用油圧ポンプP
H の吐出側の油圧が所定の油圧に達したか否かを圧力計
17にてチェックし、所定油圧に達すると切替弁15を図2
に示す中立位置NからA位置に切り替え、増圧機21を介
して殺菌装置本体1における耐圧容器2内の加圧室2aに
所定の圧力を加えてこの状態を所定時間維持する。
【0020】なおこの間、加圧室2aからの漏水がなけれ
ば切替弁15を中立位置Nに戻しておいてもよい。逆にエ
ア抜き弁7からの漏水,或いはプラグ4周辺からの漏水
のため所定時間経過する前に増圧機21における油圧シリ
ンダ22内のピストン26が左限又は右限に達してしまう
と、切替弁15をB位置またはA位置に切り替えて加圧室
2a内を所定圧力に維持せしめる。加圧室2a内を所定圧力
に所定時間維持した後は切替弁15を中立位置Nに戻し、
殺菌装置本体1における固形分の交換が終了する迄夫々
圧力調整弁14a,又は14bの開度を大きく設定し、圧力調
整弁14a,14b を通して油タンク12へ還流させる。なお低
圧用油圧ポンプPL 又は高圧用油圧ポンプPH の吐出側
圧力が異常な高圧となった場合は圧力スイッチ16が動作
してモータMの電源を遮断せしめ、低圧用油圧ポンプP
L 又は高圧用油圧ポンプPH が停止せしめられる。
【0021】(増圧機21の動作)図2に示す状態におい
て、切替弁15がA位置に設定されると油圧シリンダ22内
の室aは低圧用油圧ポンプPL 又は高圧用油圧ポンプP
H の吐出口側に、また室bは油タンク12側に接続される
結果、ピストン26及びロッド25は右側に移動してゆく。
水圧シリンダ24内には水が充満した状態になっており、
ロッド25の移動に伴って水圧シリンダ24にはピストン26
の断面積とロッド25の断面積比に対応した圧力が水圧シ
リンダ24に加えられ、水圧シリンダ24内の水は水路24a,
逆止弁24b,水路24c を経、更にバルブ27, 水路24d を経
て耐圧容器2内の加圧室2a内に注入され、加圧室2a内を
所定の圧力に高める。加圧室2a内の圧力は圧力計29にて
チェックされる。一方水圧シリンダ23内はロッド25の移
動に伴って負圧となるため、ここに水タンク28内の水が
水路28a,逆止弁28b,水路23a を経て吸引されてゆくこと
となる。
【0022】加圧室2a内が所定圧力に所定時間維持され
た後は、エア抜き弁7を通じて加圧室2a内の圧力を解放
する結果、油圧シリンダ22内のピストン26は右限に迄移
動した状態となる。耐圧容器2内の固形分を交換して再
び加圧殺菌を行う場合は、切替弁15をB位置に設定し、
油圧シリンダ22内の室bを低圧用油圧ポンプPL 又は高
圧用油圧ポンプPH の吐出口側に、また室aを油タンク
側に接続し、室b内に油圧を加えてゆく。これによって
ピストン26及びロッド25は左方に移動し、水圧シリンダ
23内にピストン26とロッド25との断面積比に応じた圧力
が付与される。水圧シリンダ23内の水は水路23a,逆止弁
23b 及び水路24d,バルブ27を経て加圧室2a内に注入さ
れ、同時に負圧となる水圧シリンダ24内には水タンク28
内の水が水路28a,逆止弁28c 及び水路24a を経て注入さ
れてゆくこととなる。
【0023】(実施例2)図4は本発明の他の実施例を
示すブロック図であり、この実施例では濃縮還元ジュー
スの製造工程である殺菌工程Dにおいて、本発明に係る
静水圧加圧殺菌処理を施すこととしている。搾汁工程
A,濾過工程Bは実施例1の場合と実質的に同じであ
る。この実施例においては、濾過液はこれを濃縮工程C
へ、また固形分は殺菌工程Dへ送られる。濃縮工程Cに
おいては濾過液をそのまま、例えば減圧法等により水分
を蒸発除去して濃縮を行う。殺菌工程Dにおいては実施
例における場合と同様に静水圧加圧法による殺菌処理を
施す。
【0024】次に混合工程Eにおいて濃縮した濾過液に
殺菌処理を施した後の固形分を戻して混合して濃縮汁液
とした後、冷凍工程Fに送られて冷凍され、そのまま保
存される。そして需要に応じて還元工程Gに送られ冷凍
濃縮汁液を解凍し、水を加えて還元し、濃縮・還元ジュ
ース類等として出荷される。 (試験例1)インライン搾汁機で温州みかん果実を搾汁
し、その搾汁液を限外濾過膜(分画分子量20,000〜50,0
00)を用いて限外濾過処理を行い、取り出した固形分を
ビニール袋に入れて耐圧容器2の加圧室2a内に入れ、25
℃で5〜10分間1000〜6000kg/cm2 の静水圧加圧処理を
行い、取り出した固形分について、その糖度(Bx),PH,水
分量(%),並びに黴, 酵母の個数(個/cc) を調べた。結
果は表1に示すとおりである。
【0025】
【0026】なお表1中、官能的評価値欄における1〜
6は夫々次の内容を意味している。 1:新鮮で加熱臭がなく搾り立ての風味が感じられる。 2:加熱臭が感じられ、搾り立ての風味は感じられな
い。 3:新鮮で加熱臭がなく搾り立ての風味が感じられる。 4:新鮮で加熱臭がなく搾り立ての風味が感じられる。 5:新鮮で加熱臭がなく搾り立ての風味が感じられる。 6:新鮮で加熱臭がなく搾り立ての風味が感じられる。
【0027】表1から明らかなように1000,3000 kg/cm
2 の低い静水圧処理においても未処理の場合に比較して
黴,酵母の数は大幅に低減され、また4000kg/cm2 の高
圧静水圧処理においては加熱処理の場合と同様に黴, 酵
母数は零となり、しかも官能的評価として加熱臭のない
新鮮な搾り立ての風味が得られている。更に糖度,pH,水
分量は未処理の場合と比較しても有意差が生じていない
ことが解る。
【0028】(試験例2)インライン搾汁機で温州みか
ん果実を搾汁し、その搾汁液を限外濾過膜(分画分子量
20,000〜50,000)を用いて限外濾過処理を行い、取り出
した固形分をビニール袋に入れ、加圧室2a内にて40℃で
0.5 〜1分間1000〜6000kg/cm2 の静水圧加圧処理を行
い、取り出した固形分について同様に糖度(Bx),pH,水分
量(%),黴・酵母の個数(個/cc) を調べた。結果は表2
に示すとおりであった。
【0029】
【0030】なお表2中、官能的評価値欄におけ
る数値1〜6は夫々次の内容を意味している。 1:新鮮で加熱臭がなく搾り立ての風味が感じられる。 2:加熱臭が感じられ、搾り立ての風味は感じられな
い。 3:新鮮で加熱臭がなく搾り立ての風味が感じられる。 4:新鮮で加熱臭がなく搾り立ての風味が感じられる。 5:新鮮で加熱臭がなく搾り立ての風味が感じられる。 6:新鮮で加熱臭がなく搾り立ての風味が感じられる。
【0031】表2から明らかな如く、静水圧処理時の加
圧室内部の温度を40℃に設定すると、1000kg/cm2 の圧
力では未処理の場合よりも若干黴・酵母個数の上昇が認
められたが、3000kg/cm2 程度の低静水圧処理において
は黴・酵母個数は低減傾向が認められることが解る。他
の結果は、試験例1の場合と有意差のない結果が得られ
ている。
【0032】なお上述の実施例及び試験例1,2のいず
れにおいても殺菌処理をバッチ式で行う場合について説
明したが、繰り返し連続的に実施し、また複数の加圧殺
菌装置を設置して同時並行的に実施してもよい。
【0033】
【発明の効果】以上の如く本発明方法にあっては、固形
分を静水圧処理により殺菌することで固形分加熱臭を
生じることがない。そして固形分に対する加熱殺菌では
熱源に近い側が過加熱され、遠い側が加熱不足となるこ
とから、必要な殺菌を行うために熱源に近い側を過加熱
しがちであり、これによる加熱臭の増大が問題であった
が、本発明は静水圧は殺菌対象の固形物全量に均一に加
わるので、全量にムラなく殺菌でき、また当然に加熱臭
発生の要因は皆無である。これにより搾り立ての新鮮な
風味が得られ、しかも糖度,pH, 水分量に実質的な影響
を与えることがなく、優れた風味の濃縮・還元汁液等の
製造が可能となる等本発明は優れた効果を奏するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る殺菌方法をストレート汁液の製品
に適用した場合の主要製造工程を示すブロック図であ
る。
【図2】殺菌工程で用いられる静水圧殺菌装置の模式図
である。
【図3】殺菌装置本体の模式的正面図である。
【図4】本発明に係る殺菌方法を濃縮・還元汁液の製品
に適用した場合の主要製造工程を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 殺菌装置本体 2 耐圧容器 2a 加圧室 3 加圧フレーム 3c,3d 横梁部 4 プラグ 5 支持台 11 油圧装置 21 増圧機 22 油圧シリンダ 23,24 水圧シリンダ 25 ロッド 26 ピストン 27 バルブ 28 水タンク

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 果実,野菜を搾汁して得た搾汁液に濾過
    処理を施し、得られた固形分に対して静水圧加圧処理を
    行うことを特徴とする果実,野菜汁の殺菌方法。
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