JPH0728524A - 搬送車 - Google Patents

搬送車

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JPH0728524A
JPH0728524A JP5194181A JP19418193A JPH0728524A JP H0728524 A JPH0728524 A JP H0728524A JP 5194181 A JP5194181 A JP 5194181A JP 19418193 A JP19418193 A JP 19418193A JP H0728524 A JPH0728524 A JP H0728524A
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JP
Japan
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speed
angle
vehicle body
control device
route
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Pending
Application number
JP5194181A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Momiji
一喜 椛
Kazuyuki Sasayama
和之 笹山
Michihiko Harada
充彦 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KUMAMOTO TECHNO PORISU ZAIDAN
NIPPON PRECISION KK
Original Assignee
KUMAMOTO TECHNO PORISU ZAIDAN
NIPPON PRECISION KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学表示や磁気表示を必要とせずに、予め記
憶させておいた走行経路に従って正確に目的位置まで自
律走行ができるようにする。 【構成】 2次元慣性航法による搬送車1000は、こ
の搬送車1000のセンサ座標系における加速度と角速
度とを非接触にセンシングして、地上座標系での2次元
平面における搬送車1000の自己位置と進行方向の速
度および角度に変換する2次元慣性航法装置1200
と、搬送車1000の走行コースを予め記憶して走行コ
ースと進行方向および自己位置を比較しつつ走行するよ
うに走行指令を発生する搬送制御装置1300と、その
走行指令の速度および角度に基づいて搬送車の駆動・操
舵装置1500を制御する駆動制御装置1400とを、
車体1100に設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走行経路に沿って目的
位置まで自律走行する搬送車に係り、特に2次元慣性航
法により走行する搬送車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の搬送車としては、一つに
は誘導方式によるものとして走行経路に沿って予め配設
された光学表示あるいは、磁気表示を検知装置で検知し
つつ目的位置まで走行するものが提案されていた。ま
た、推測航法方式によるものとして、走行経路を予め記
憶し、車輪に取り付けたエンコーダ等によって車輪の回
転数やステアリング角度を検出し、地上座標系での進行
方位角および自己位置を推測して目的位置まで走行する
ものが提案されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
誘導方式による搬送車では、走行経路に沿って光学表示
あるいは磁気表示を予め配設する必要があったので、走
行経路を変更しようとすると、多大な作業が伴ない、走
行経路の変更が極めて困難となるという問題があった。
また、光学表示あるいは磁気表示が破損ないし汚染する
と、検知装置で検知できなくなってしまうという問題が
あり、さらには光学表示あるいは磁気表示の保守管理に
負担を伴うという問題があった。
【0004】また、もう一方の推測航法方式による搬送
車では、車輪の影響による誤差を生じて進行方位角およ
び自己位置の正確な推定が困難なために、コース上に配
設したマーク等を外界センサ等により検出して補正をす
る必要があるという問題があった。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、光学表示や磁気表示を必要とせず
に、予め記憶させておいた走行経路に従って正確に目的
位置まで自律走行を行うことのできる搬送車を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
る搬送車は、車体と、この車体の駆動と操舵を行う駆動
操舵装置と、車体のセンサ座標系における加速度と角速
度を検出して、地上座標系での2次元平面における車体
の位置と進行方向の速度および角度を計測する2次元慣
性航法装置と、この2次元慣性航法装置によって計測し
た車体の位置と、予め記憶しておいた走行経路上の位置
とを比較して車体の速度および角度を含む走行指令を発
生する搬送制御装置と、この搬送制御装置が発生する走
行指令と2次元慣性航法装置によって計測した車体の進
行方向の速度および角度に基づいて駆動操舵装置を制御
する駆動制御装置とを備えたものである。
【0007】この搬送車では、2次元慣性航法装置によ
って、車体のセンサ座標系における加速度と角速度が検
出され、地上座標系での2次元平面における車体の位置
と進行方向の速度および角度が計測される。そして、搬
送制御装置によって、2次元慣性航法装置によって計測
された車体の位置と、予め記憶しておいた走行経路上の
位置とが比較され車体の速度および角度を含む走行指令
が発生される。そして、駆動操舵装置によって、搬送制
御装置が発生する走行指令と2次元慣性航法装置によっ
て計測した車体の進行方向の速度および角度とに基づい
て駆動操舵装置が制御されて、車体が走行経路に従って
目的位置まで走行する。
【0008】請求項2記載の発明による搬送車は、請求
項1記載の発明の搬送車において、2次元慣性航法装置
が、車体のセンサ座標系における加速度と角速度とから
車体の運動停止を判断する運動停止判断手段と、この運
動停止判断手段によって運動停止と判断したときに、加
速度と角速度のオフセット量を算出するオフセット量算
出手段と、このオフセット量算出手段によって算出した
オフセット量を用いて車体のセンサ座標系における加速
度と角速度とを補正する補正手段とを有するものであ
る。
【0009】この搬送車では、2次元慣性航法装置にお
いて、運動停止判断手段によって車体のセンサ座標系に
おける加速度と角速度とから車体の運動停止が判断さ
れ、これにより運動停止と判断されると、オフセット量
算出手段によって、加速度と角速度のオフセット量が算
出される。そして、このオフセット量を用いて、補正手
段によって、車体のセンサ座標系における加速度と角速
度が補正される。
【0010】請求項3記載の発明による搬送車は、請求
項1記載の発明の搬送車において、駆動制御装置が、車
体の進行方位角を算出する方位角算出手段を有し、搬送
制御装置は、2次元慣性航法装置によって計測した車体
の位置と方位角算出手段によって算出した車体の進行方
位角とに基づいて車体の現在位置を推測し、この推測し
た位置の軌跡である推測経路を算出する推測経路算出手
段と、予め記憶しておいた走行経路と推測経路算出手段
によって算出した推測経路とに基づいて車体の現在位置
を推定し、この位置の軌跡である推定経路を算出する推
定経路算出手段と、この推定経路算出手段によって算出
した推定経路と予め記憶しておいた走行経路との偏差に
基づいて走行指令を発生する走行指令発生手段とを有す
るものである。
【0011】この搬送車では、搬送制御装置において、
推測経路算出手段によって、2次元慣性航法装置によっ
て計測した車体の位置と方位角算出手段によって算出し
た車体の進行方位角とに基づいて推測経路が算出され、
推定経路算出手段によって、予め記憶しておいた走行経
路と推測経路とに基づいて推定経路が算出され、この推
定経路と予め記憶しておいた走行経路との偏差に基づい
て、走行指令発生手段によって走行指令が発生される。
【0012】請求項4記載の発明による搬送車は、請求
項1記載の発明の搬送車において、駆動制御装置が、車
体の進行方位角を算出する方位角算出手段と、この方位
角算出手段によって算出した方位角の、搬送制御装置か
らの走行指令中の角度に対する偏差および角度変化率を
算出する角度偏差変化率算出手段と、この角度偏差変化
率算出手段によって算出した偏差および角度変化率に基
づいてファジィ推論によって、駆動操舵装置を制御する
ための旋回角速度を決定する角度系ファジィ推論手段
と、車体の速度を算出する速度算出手段と、この速度算
出手段によって算出した速度の、搬送制御装置からの走
行指令中の速度に対する偏差および速度変化率を算出す
る速度偏差変化率算出手段と、この速度偏差変化率算出
手段によって算出した偏差および速度変化率に基づいて
ファジィ推論によって、駆動操舵装置を制御するための
車体速度を決定する速度系ファジィ推論手段とを有する
ものである。
【0013】この搬送車では、駆動制御装置において、
方位角算出手段によって車体の進行方位角が算出され、
角度偏差変化率算出手段によって、方位角算出手段によ
り算出した方位角の、搬送制御装置からの走行指令中の
角度に対する偏差および角度変化率が算出され、この偏
差および角度変化率に基づいて、角度系ファジィ推論手
段によって、駆動操舵装置を制御するための旋回角速度
が決定される。また、速度算出手段によって車体の速度
が算出され、速度偏差変化率算出手段によって、速度算
出手段によって算出した速度の、搬送制御装置からの走
行指令中の速度に対する偏差および速度変化率が算出さ
れ、この偏差および速度変化率に基づいて、速度系ファ
ジィ推論手段によって、駆動操舵装置を制御するための
車体速度が決定される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して詳細に説明する。
【0015】まず、図1ないし図7を参照しつつ、本発
明にかかる2次元慣性航法装置による搬送車の一実施例
について、その構成を詳細に説明する。
【0016】図1ないし図3に示すように、本実施例の
2次元慣性航法による搬送車1000は、車体1100
と、この車体1100に設けられた2次元慣性航法装置
1200、搬送制御装置1300、駆動制御装置140
0および駆動・操舵装置1500を備えている。
【0017】2次元慣性航法装置1200は、図1に示
すようにセンサ座標系における搬送車の移動時の慣性力
のx、y、z方向における加速度とz軸回りの角速度と
をセンシングし、地上座標系における自己位置と進行方
向の速度および方位角を計測するものである。なお、図
1において、P0 は出発点、P1 、P2 は走行経路S上
の途中の点、Pn は目標点を示し、それぞれ、地上座標
系におけるX、Y、Z方向の位置および方位角θ(X、
Y、Z、θ)で示している。
【0018】搬送制御装置1300は、搬送車の走行コ
ースWを予め記憶し、その記憶したデータと搬送車の走
行コース上の自己位置および方位角を比較しつつ走行す
るように走行指令を発生するものである。駆動制御装置
1400は、走行指令を受けて走行コースに沿って移動
するよう駆動用モータに制御信号を発生するものであ
る。駆動・操舵装置1500は、駆動制御装置1400
からの制御信号に基づいて、駆動および操舵用のモータ
を駆動し、モータに装着された車輪を駆動して、目的の
方向に操舵し走行させるものである。
【0019】図2に示すように、この搬送車1000に
おいて、2次元慣性航法装置1200と搬送制御装置1
300とは接続線1600で接続され、2次元慣性航法
装置1200と駆動制御装置1400とは接続線170
0で接続され、搬送制御装置1300と駆動制御装置1
400とは接続線1800で接続され、さらに駆動制御
装置1400と駆動・操舵装置1500とは接続線19
00で接続されている。
【0020】図3に示すように、2次元慣性航法装置1
200は、搬送車1000が移動する前のウォーミング
アップ状態において搬送制御装置1300より初期設定
値1301を受け取って初期化を行う。また、2次元慣
性航法装置1200は、計測した慣性航法データのうち
の自己位置(X、Y)を搬送制御装置1300へ送信す
ると共に、進行方向の速度、角度(Vs 、θs )を駆動
制御装置1400へ送信する。また、搬送制御装置13
00は、駆動制御装置1400より推定ヘディング角Θ
を受信すると共に、走行指令である速度ベクトル指令
(Vx 、Θx )を駆動制御装置1400へ送信する。ま
た、駆動制御装置1400は駆動・操舵装置1500に
電力1401を供給すると共に、駆動・操舵装置150
0よりエンコーダ出力1551を受信する。
【0021】次に、図4を参照して2次元慣性航法装置
1200の構成について説明する。
【0022】2次元慣性航法装置1200は、慣性信号
検出部100と、イナーシャル演算部200とを備えて
いる。
【0023】慣性信号検出部100は、移動体の運動状
態における慣性力x,y,z成分の3軸の加速度を検出
する加速度計102,103、104とz軸回りの角速
度を検出するz軸ジャイロ101の各センサと、z軸ジ
ャイロ101の出力に対して増幅、フィルタ処理および
デジタル変換を行う角速度信号用のインターフェイス回
路105と、各加速度計102、103、104の出力
に対して増幅、フィルタ処理およびデジタル変換を行う
加速度信号用のインターフェイス回路106と、これら
各インターフェイス回路を制御するインターフェイス制
御回路107とを備えている。
【0024】イナーシャル演算部200は、慣性信号検
出部100からの角速度信号と加速度信号を入力とする
補正演算部201を備えている。この補正演算部201
は搬送制御装置1300から受信した初期値をセットす
る初期値記憶部11と、センシング中の各センサのオフ
セットを補正するための補正データを算出保持するオフ
セット算出保持部12と、このオフセット算出保持部1
2で算出保持した補正データで入力データを補正する補
正部13とを有している。補正部13は補正された角速
度信号ωと加速度信号ax、ayとを出力する。
【0025】イナーシャル演算部200は、さらに、補
正演算部201からの角速度信号ωを、後述する経過時
間算出部208で計測した時間で積分し角度(方位角θ
s )に変換する角度演算部202と、この角度演算部2
02の出力から方向余弦を算出する方向余弦演算部20
3と、この方向余弦演算部203の出力と補正演算部2
01からの慣性力x、y成分の加速度信号ax、ayと
を入力して、移動体のセンサ座標系から地上座標系へ座
標変換する座標変換演算部204と、一定時間の時間経
過を算出する経過時間算出部208と、座標変換演算部
204の出力を入力し、経過時間算出部208で算出し
た時間によって1回積分により移動体の速度Vs を算出
し、2回積分で位置(X,Y)を算出する速度・位置演
算部205とを備えている。
【0026】イナーシャル演算部200は、さらに、慣
性信号検出部100からの各慣性力の角速度信号ωo と
x、y、z成分の加速度信号axo 、ayo 、azo を
入力して、移動体が停止状態にあることを判断する運動
停止判断演算部206と、この運動停止判断演算部20
6の出力信号に基づいて補正演算部201の初期値記憶
部11およびオフセット算出保持部12、角度演算部2
02、速度・位置演算部205および経過時間算出部2
08を制御する制御部207と、速度・位置演算部20
5の出力のうちの速度信号Vsと角度演算部202の出
力である方位角信号θs とを出力するための出力装置2
09と、速度・位置演算部205の出力のうち自己位置
信号(X、Y)を出力すると共に外部からの初期値信号
を受信して補正演算部201へ送るための通信装置21
0とを備えている。
【0027】次に、図5を参照して搬送制御装置130
0の構成について説明する。
【0028】搬送制御装置1300は、初期値データを
記憶する初期設定値記憶装置316と、この初期設定値
記憶装置316に記憶された初期値データを読み取る初
期値読出し装置317と、この初期値読出し装置317
で読み取った初期値データを2次元慣性航法装置120
0へ送信すると共に2次元慣性航法装置1200から地
上座標系における搬送車1000の自己位置を受信する
通信装置(a)318と、駆動制御装置1400から搬
送車の進行方向のへディング角信号を受信すると共に種
々の指令信号を駆動制御装置1400に送信する通信装
置(b)319と、通信装置(a)318で受信した地
上座標系における搬送車の自己位置と通信装置(b)3
19で受信した搬送車の進行方向のへディング角を用い
た慣性航法によって走行コースを求める推測経路演算を
行う推測経路演算装置315とを備えている。
【0029】搬送制御装置1300は、さらに、予め地
上座標系における搬送車1000の走行コースを記憶さ
せておく経路情報記憶装置301と、この経路情報記憶
装置301から走行コースデータを読み取る予定経路読
出し装置302と、この予定経路読出し装置302で読
み取ったデータから所定のパラメータを抽出するパラメ
ータ抽出装置303と、このパラメータ抽出装置303
で抽出したパラメータに基づいて走行コースの予定経路
を算出する予定経路演算装置304と、この予定経路演
算装置304で算出された予定経路と推測経路演算装置
315で算出された推測経路から搬送車1000の現在
位置を推定して推定経路を算出する推定経路演算装置3
05とを備えている。
【0030】搬送制御装置1300は、さらに、予定経
路演算装置304で算出された予定経路と推定経路演算
装置305で算出された推定経路を入力し、予定経路に
対する推定経路の偏差量として偏差ベクトルを算出する
判定偏差演算装置306と、この判定偏差演算装置30
6で算出した偏差ベクトルに基づいて経路の比較判定を
行う経路比較判定装置307と、経路比較判定装置30
7の判定結果に基づいて選択スイッチ320により以下
の4つの装置による4通りの処理を選択する選択制御装
置308とを備えている。4つの装置は、予定経路から
大きく外れた場合に新しい走行コースを設定する軌道修
正装置309と、予定経路の最終到達点へ到達した場合
に搬送車の停止を行う停止指令装置310と、予定経路
に沿って走行コースを継続するための予定経路更新装置
311と、予定経路の1セグメント内の基準位置に到達
した場合に次の基準位置を設定して走行するための基準
位置演算装置312である。軌道修正装置309は、推
定経路演算装置305と予定経路演算装置304からの
出力データを入力し、新しく軌道修正を行う。また、予
定経路更新装置311は予定経路更新指令を予定経路読
出し装置302に出力する。また、基準位置演算装置3
12は基準位置を予定経路演算装置304に出力する。
【0031】搬送制御装置1300は、さらに、予定経
路演算装置304からのパラメータに基づいて搬送車を
スタートさせるために必要な速度指令ベクトルを算出す
る経路維持装置313と、軌道修正装置309からの軌
道修正、停止指令装置310からの停止指令、経路維持
装置313からの経路維持指令を、停止指令、軌道修
正、経路維持指令の優先順位で通信装置(b)319を
介して駆動制御装置1400に出力させる指令制御装置
314とを備えている。
【0032】次に、図6を参照して駆動制御装置140
0の構成について説明する。
【0033】駆動制御装置1400は、2次元慣性航法
装置1200から搬送車1000の進行方向の速度信号
Vsおよび方位角信号θsを入力する入力装置401
と、この入力装置401から入力した信号から速度と角
度を抽出する速度・角度抽出装置402と、この速度・
角度抽出装置402で抽出した速度Vsを入力し、最適
化する速度最適化装置415と、角度θsを入力するヘ
ディング角最適化装置403とを備えている。
【0034】駆動制御装置1400は、さらに、搬送制
御装置1300からの速度指令ベクトルを受信すると共
にヘディング角最適化装置403から出力されるヘディ
ング角Θを搬送制御装置1300に送信する通信装置4
10と、この通信装置410で受信した速度指令ベクト
ルから速度と角度を抽出する速度・角度指令抽出装置4
11とを備えている。
【0035】駆動制御装置1400は、さらに、速度・
角度指令抽出装置411で抽出された速度Vxと速度最
適化装置415で最適化された速度Vseとを入力し、速
度の偏差と変化率とを算出する速度偏差・微分演算装置
412と、この速度偏差・微分演算装置412の出力に
基づいて搬送車1000の車体速度を推論する速度系フ
ァジィ推論装置413と、速度・角度指令抽出装置41
1で抽出された角度θxとヘディング角最適化装置40
3からのヘディング角Θを入力し、角度の偏差と変化率
を算出する角度偏差・微分演算装置404と、この角度
偏差・微分演算装置404の出力に基づいて搬送車10
00の旋回角速度を推論する角度系ファジィ推論装置4
05と、各ファジィ推論装置413、405の推論結果
に基づいて指令角速度データを出力する走行制御装置4
06と、この走行制御装置406からの指令角速度デー
タを入力するドライバ制御装置408とを備えている。
【0036】駆動制御装置1400は、さらに、駆動・
操舵装置1500のエンコーダ出力をパルス化してドラ
イバ制御装置408に送ると共に、ドライバ制御装置4
08からの速度指令値に基づいて駆動・操舵装置150
0の各モータを制御して搬送車1000を駆動するモー
タドライバ装置409と、ドライバ制御装置408から
のエンコーダパルスに基づいて搬送車1000の速度V
eを算出し、速度最適化装置に送る車体速度演算装置4
14と、ドライバ制御装置408からのエンコーダパル
スに基づいて搬送車1000の旋回角速度を算出する旋
回角速度演算装置416と、この旋回角速度演算装置4
16で算出された旋回角速度に基づいて搬送車1000
の旋回角度θeを算出し、ヘディング角最適化装置40
3に送る旋回角演算装置417と、ドライバ制御装置4
08からのエンコーダパルスに基づいてモータ角速度Ω
mを算出し、ドライバ制御装置408にフィードバック
するモータ角速度演算装置407とを備えている。
【0037】ドライバ制御装置408は、走行制御装置
406から出力されたモータへの指令角速度Ωとモータ
角速度演算装置407からのフィードバック角速度Ωm
との差分データをモータドライバ装置409に速度指令
値として出力し、この指令値に基づいて、モータドライ
バ装置409によって駆動・操舵装置1500の各モー
タが制御されて搬送車1000が駆動されるようになっ
ている。
【0038】次に、図7ないし図12を参照して駆動・
操舵装置1500の構成について説明する。
【0039】本実施例における駆動・操舵装置1500
は、駆動制御装置1400のモータドライバ装置409
によって制御される車輪の駆動と操舵の方式によって、
以下の3種類に分類される。
【0040】図7および図8に示す第1の種類の駆動・
操舵装置1500は、搬送車1000の車体1100の
左右に装着された2つの駆動輪1501を有し、各駆動
輪1501はそれぞれ歯車列1502を介してモータ1
503のモータ軸に結合されている。また、モータ軸に
はモータおよび車輪の回転数を検知するためのエンコー
ダ1504が結合されている。また、車体安定のための
補助輪1505が車体1100の前後に装着されてい
る。この駆動・操舵装置1500では、駆動制御装置1
400のモータドライバ装置409より出力された信号
で、左右2輪のモータを駆動して、駆動と操舵を同時に
行っている。
【0041】図9および図10に示す第2の種類の駆動
・操舵装置1500は、搬送車1000の車体1100
の前方に配設された駆動・操舵輪1511と、従動輪で
ある後輪1512とを有している。駆動・操舵輪151
1は、歯車列1513を介して車輪を回転させるモータ
1514のモータ軸に結合されている。また、モータ軸
にはモータおよび車輪の回転数を検知するためのエンコ
ーダ1515が結合されている。また、この駆動・操舵
装置1500は、車輪全体をz軸回りに回転させ操舵さ
せるためのモータ1516と、このモータ1516およ
び車輪全体のz軸回りの回転数を検出するためのエンコ
ーダ1517とを有している。
【0042】図11および図12はそれぞれ第3の種類
の駆動・操舵装置1500を示すものである。図11に
示した駆動・操舵装置1500は、3輪形式のもので、
搬送車1000の車体1100の前方に配設された1つ
の操舵輪1521と、後方に配設された2つの駆動輪1
522とを有している。操舵輪1521には、操舵する
ためのモータとそのモータおよび操舵の回転量を検知す
るためのエンコーダが結合されている。駆動輪1522
には差動歯車1523を介して駆動源1524のモータ
出力を伝達するようになっている。また、駆動輪152
2には、駆動源1524のモータおよび車輪の回転数を
検知するためのエンコーダが結合されている。
【0043】図12に示した駆動・操舵装置1500
は、4輪形式のもので、図11における操舵輪1521
の代わりに、2つの操舵輪1525を設け、これを操舵
装置1526によってz軸回りに回転させるようにした
ものである。
【0044】次に、図1〜図4および図13〜図27を
参照して、本実施例の搬送車1000の作用について詳
細に説明する。
【0045】まず、装置間全体の相互作用について説明
する。
【0046】2次元慣性航法による搬送車1000は、
図1に示したような地上座標系における走行コースWを
予め車内に記憶しており、この走行コースWに従って地
上座標系での進行方向の方位角と速度、および自己位置
を計測しつつ目的位置まで走行する2次元慣性航法によ
る自律型の搬送車である。
【0047】図2に示したように、搬送車1000は、
車体1100に装着された4つの装置、すなわち2次元
慣性航法装置1200、搬送制御装置1300、駆動制
御装置1400および駆動・操舵装置1500によって
構成されており、その各装置の全体的な相互作用につい
ては、すでに説明したように図3の矢印の関係にある。
【0048】まず、2次元慣性航法装置1200と搬送
制御装置1300とは、出発点を原点とする地上座標系
において、搬送車1000が駆動し移動する前のウォー
ミングアップ状態においては、搬送制御装置1300よ
り初期設定値をパラメータとして受け取り2次元慣性航
法装置1200の初期化を行う。搬送車1000が移動
を開始すると2次元慣性航法装置1200は、地上座標
系における搬送車の進行方向の方位角と速度および自己
位置とを計測しつつ時々刻々と自己位置を搬送制御装置
1300へ送信し、また一方では、進行方向の速度と方
向を駆動制御装置1400へ出力している。
【0049】搬送制御装置1300では、予め記憶して
おいた走行コースに基づいた予定経路と2次元慣性航法
装置1200より送信される搬送車1000の自己位置
と駆動制御装置1400より送信される推定されたヘデ
ィング角を用いた推測経路から算出される推定経路と、
先の予定経路との比較を行い、走行方法を決定しその走
行指令を駆動制御装置1400へ出力する。
【0050】また、駆動制御装置1400では、搬送車
1000の地上座標系における進行方向の速度と方位角
により搬送車1000が直進あるいは曲線走行状態を一
定に保持するように制御し、搬送制御装置1300から
の走行指令に基づいてスタート、停止、直進、旋回等の
駆動、操舵の制御を行うために、駆動・操舵装置150
0のモータを制御する。このとき駆動・操舵装置150
0の車輪回転数を検知するために駆動・操舵装置150
0のエンコーダ出力を取り込んで搬送車1000の車輪
の現在速度および旋回角速度と旋回角度を計測してい
る。
【0051】次に、2次元慣性航法装置1200の作用
について説明する。
【0052】2次元慣性航法装置1200は、図4に示
したように、2つのモジュール、すなわち、移動体の慣
性力を検知する慣性信号検出部100と、移動体の地上
座標系における自己位置と進行方向の速度および方位角
を計測するイナーシャル演算部200とで構成されてお
り、各々以下の作用をなす。
【0053】まず、慣性信号検出部100は、移動体の
センサ座標系における座標軸x、y、z上に配設された
加速度計102、103、104によって慣性力の加速
度axo 、ayo 、azo を検出し、またz軸上に配設
されたジャイロ101によって、z軸回りの慣性力の角
速度ωo を検出する。これら慣性力は、インターフェイ
ス回路105、106で各々増幅、フィルタ処理および
デジタル変換処理される。角速度については、インター
フェイス回路105に、加速度axo 、ayo、azo
についてはインターフェイス回路106に入力され、イ
ンータフェイス制御回路107で順次制御されイナーシ
ャル演算部200へ出力される。
【0054】イナシャル演算部200へ入力された角速
度ωo とx,y,z成分の加速度axo 、ayo 、az
o は、補正演算部201へ入力される。ここでは、まず
搬送車1000のウォーミングアップ状態では、初期値
記憶部11にオフセット量の初期値が設定される。そし
て移動を開始し、運動停止判断演算部206が移動状態
と判断したときは、移動信号を制御部207に出力し、
制御部207により経過時間算出部208で移動積分時
間Δtの計測を開始させ、また補正演算部201の初期
値記憶部11より補正部13にオフセット量の初期値を
セットし、慣性信号検出部100の角速度ωo および
x,y成分の加速度axo 、ayo 出力値より、各々の
オフセット量の初期値を減算する補正を行い、補正値
を、角速度ωについては角度演算部202へ、加速度a
x、ayについては座標変換部204へ出力する。角度
演算部202では、運動開始後、移動積分時間Δtが入
力されており、Δt時間ごとに角速度ωを時間積分して
角度θS に変換する。この角度θS は方向余弦演算部2
03に入力され、ここで方向余弦が算出され座標変換部
204へ出力される。一方、補正された移動体のセンサ
座標系のx、y成分の加速度ax、ayについては、座
標変換部204に入力され、先の方向余弦演算部203
の出力結果で加速度ax、ayが地上座標系の加速度A
x,Ayに変換される。このときの変換行列式Aは以下
の式を用いる。
【0055】
【数1】
【0056】座標変換演算部204で変換された加速度
は、速度・位置演算部205へ出力される。また、この
速度・位置演算部205では、座標変換された地上座標
系での加速度Ax、Ayが経過時間算出部208で計測
したΔt時間で積分され、1回積分で地上座標系での進
行速度VS の速度成分Vx,Vyに、2回積分で自己位
置(X、Y)に変換される。
【0057】次に、図13(a)〜(d)に示すような
x、y、z成分の各加速度axo 、ayo 、zo および
角速度ωo の計測値が0に近い場合には、運動停止判断
演算部206が搬送車1000が静止状態にあると判断
して制御部207へ停止信号を出力し、制御部207か
ら経過時間算出部208で停止時間Tsの計測を開始さ
せる。そして一方では、補正演算部201のオフセット
算出保持部12に対して時々刻々の角速度およびx、y
成分の加速度の出力値から平均値計算を開始させる。そ
して、停止時間Tsが平均値計算に十分な所定時間以上
になったときに各信号の角速度ωoff およびx、y成分
の加速度axoff 、ayoff のオフセット量の設定を行
う。さらに停止状態になった時から速度・位置演算部2
05および角度演算部202においては、停止前の速度
Vx、Vyおよび位置X、Y並びに方位角度θS のデー
タ更新を行わない。
【0058】また、運動停止判断演算部206で移動を
開始したと判断した時には、移動信号を制御部207に
出力して制御部207より経過時間算出部208へ移動
時間Δtの計測を再開始させ、初期値処理のときと同様
に、そのときの慣性信号検出部100からの角速度およ
びx、y成分の加速度より各々のオフセット量を減算す
る補正を補正部13で行い、補正値の角速度ωおよび加
速度ax、ayを出力する。そして、角度演算部202
および速度・位置演算部205でデータの更新を行う。
更新されたデータは、外部へ出力するために、自己位置
については通信装置210を経て搬送制御装置1300
へ送られ、進行方向の速度と方位角については出力装置
209によって駆動制御装置1400へ送られる。ま
た、通信装置210は、搬送制御装置1300から受信
したウォーミングアップ状態の初期値データを補正演算
部201の初期値記憶部11へ送る。
【0059】ここで、図14に示したフローチャートを
用いて、2次元慣性航法装置1200における、慣性デ
ータを慣性航法データへ変換するための演算処理につい
て説明する。
【0060】この処理では、まずステップS1でウォー
ミングアップ状態となると、搬送制御装置1300から
の指令で初期値を受信し、ステップS2で初期値のデー
タをセットする。次にステップS3で、運動停止判断演
算部206の信号によって搬送車1000の移動開始を
判断し、ステップS4で移動積分時間Δtを計測する。
次に、ステップS5で補正演算部201より補正演算デ
ータを出力し、ステップS6で角度演算部202により
方位角度を演算し、ステップS7で方向余弦演算部20
3により方向余弦を演算し、ステップS8で座標演算部
204によりセンサ座標系データを地上座標系に変換
し、ステップS9で速度・位置演算部205により速度
および位置を演算し、以上のステップS5〜9で搬送車
1000のΔt時間後の地上座標系における進行方向の
速度と方位角および自己位置を計算する。
【0061】次に、ステップS10において運動停止判
断演算部206で搬送車停止を判断すると、ステップS
11で経過時間算出部208により停止時間Tsを計測
し、ステップS12でオフセット算出保持部12により
重力の影響による角速度、加速度のオフセット量の演算
を行い、ステップS13で演算に必要な所定時間が得ら
れたかどうか判定して、得られていなければステップS
10に戻り、得られていればステップS14でオフセッ
ト算出保持部12でオフセット量の更新データを保持し
て補正部13に出力する。そして、ステップS10で運
動停止判断演算部206が搬送車1000が移動してい
ると判断すると、ステップS4へ戻り進行方向の速度と
方位角および自己位置の航法計算を進める。
【0062】次に、搬送制御装置1300の作用につい
て説明する。
【0063】搬送制御装置1300は、まず最初に搬送
車1000のウォーミングアップ状態において、初期設
定値記憶装置316より初期値読出し装置317によっ
て初期値を読み出し、通信装置(a)318を経由して
2次元慣性航法装置1200を初期化する。そして次
に、図16(a)に示すような経路情報記憶フォ−マッ
トで、予め図5における経路情報記憶装置301に走行
コースデータとして記憶させておき、予定経路読出し装
置302で、図16(b)に示すようなフォーマットの
セグメント毎に読み出し、パラメータ抽出装置303に
出力する。なお、図15は走行経路の例を示し、図16
(c)は図15の走行経路に対応する走行コースデータ
中のセグメント2の例を示すものである。ここで、各セ
グメント毎に記憶されている走行コースデータは、予定
経路のセグメント番号と予定経路の目標位置のスタート
点と終点の座標位置とその予定経路を走行する走行速度
および予定経路の最終目標位置を含むコースかどうかを
示すフラグから構成されており、パラメータ抽出装置3
03はこれらの内容をパラメータとして抽出し、速度、
座標値、および予定経路終了フラグを予定経路演算装置
304に出力する。
【0064】予定経路演算装置304では、図17図に
示すように、予定経路1311の目標位置のスタート点
と終点間を結ぶ経路上にTk時間後の第1基準位置を算
出して予定経路を決定する。なお、この図において、P
mは経路情報記憶装置301に記憶されたm番目の目標
位置、Cmnは予定経路Pm〜Pm+1 上のn番目の基準
位置、Rmnは推測経路1312上の推測位置すなわち
2次元慣性航法装置1200からの自己位置と駆動制御
装置1400からのヘディング角より求めた現在位置、
Emnは推定経路1313上の推定位置すなわち基準位
置と推測位置から推定して求めた現在位置である。ま
た、図18はこれらの位置を表す位置ベクトルを示すも
のである。
【0065】セグメント0を読み出して求めた座標値と
速度のパラメータは、予定経路演算装置304から経路
維持装置313に出力される。経路維持装置313は、
搬送車1000をスタートさせるために必要な速度指令
ベクトル(Vx、θx)を求めるために座標値から搬送
車1000の進行方位角θxを算出して、指令制御装置
314に出力する。さらに進行方位角θxは指令制御装
置314から通信装置(b)319を経由して駆動制御
装置1400に送られ、これにより搬送車1000が動
き始める。
【0066】搬送車1000が動き始めると、2次元慣
性航法置1200から通信装置(a)318を経て入力
された地上座標系の自己位置と駆動制御装置1400か
ら通信装置(b)319を経由して入力される搬送車1
000の進行方位角のヘディング角Θが推測経路演算装
置315に入力され、ここで推測位置を算出して推測経
路を決定する。決定された推測経路は、先の予定経路と
共に次の推定経路演算装置305に入力される。ここで
は、先の推測位置には、2次元慣性航法装置1200の
慣性センサである加速度計、角速度計および駆動・操舵
装置1500のエンコーダによるセンサ誤差等を含んで
いるので、推測経路の推測位置と予定経路の基準位置に
より、図18に示す位置ベクトルによりCmnベクトル
とRmnベクトルを推測位置に含まれるセンサ誤差の寄
与を表す係数によって線形結合した線形予測フィルタに
よる推定位置Emnベクトルを推定して推定経路を求め
る。それで決定した推定経路と先の予定経路に基づい
て、以下の式に示すように、予定経路に対する推定経路
の偏差量として、基準位置に対する推定位置の偏差Dm
nベクトルを算出すると共に、推定位置に対する目標位
置からの偏差Lmnベクトルを算出する。
【0067】
【数2】
【0068】
【数3】
【0069】この演算を判定偏差演算装置306におい
て行い次の経路比較判定装置307に送る。
【0070】次に、この経路比較判定装置307で行う
判定原理について図19を用いて説明する。なお、この
図において、Ncは基準位置を中心とした半径(基準位
置許容差)Lcの許容差円、Npは目標位置を中心とし
た半径(目標位置許容差)Lpの許容差円をそれぞれ示
している。
【0071】まず、予定経路の基準位置を中心とする許
容差円Nc内に推定位置がある場合には、現在の進行速
度と方位角を維持して搬送車1000を駆動して次の基
準位置を算出するために基準位置の更新を行う。すなわ
ち、セグメントmの予定経路1321において、以下の
式の条件を満たす場合、基準位置演算装置312によ
り、基準位置をCmnからCmn+1に更新する。
【0072】
【数4】
【0073】また、予定経路の目標位置の終点を中心と
する許容差円Np内に推定位置がある場合は、次のセグ
メントの予定経路にコースを更新するために、予定経路
更新指令を予定経路読出し装置302に出力する。すな
わち、セグメントmの予定経路1321において、以下
の式の条件を満たす場合、予定経路更新装置311より
予定経路更新指令を予定経路読出し装置302に出力
し、経路情報記憶装置301より次のセグメント番号m
+1の予定経路1322(Pm〜Pm+1 )を読み出す。
【0074】
【数5】
【0075】また、以下の式に示すように、推定経路1
323上の推定位置が基準位置を中心とする許容差円N
c外にあって、目標位置の終点を中心とする許容差円N
p外にある場合は、軌道修正装置309により、図19
において符号1324で示すように、走行コースの軌道
を推定位置から目標位置の終点に向けてLmnベクトル
の軌道修正を行う。
【0076】
【数6】
【0077】また、最終経路の目標点におけるLp内に
Lmnベクトルが入り、経路比較判定装置307でセグ
メントフォーマットの予定経路終了フラグを検出する
と、走行コースの最終目標点に到達したと判断して、停
止指令装置310より停止指令を出力する。
【0078】上述の判定結果で出力された各指令は、指
令制御装置314において停止指令、軌道修正、経路維
持指令の優先順位で通信装置(b)319を経由して駆
動制御装置1400に出力される。
【0079】図20は搬送制御装置1300における走
行経路の制御動作を説明するための制御フローを示すも
のである。すなわち、搬送制御装置1300では、まず
経路情報記憶装置301に記憶されているセグメント0
の初期経路データを予定経路読出し装置302により読
み出し、パラメータ抽出装置303によりパラメータを
抽出する。予定経路演算装置304は、パラメータ抽出
装置303で抽出したパラメータまたは基準位置演算装
置312で演算された基準位置に基づいて(304
a)、予定経路演算を行う(304b)が、ここでは、
パラメータ抽出装置303で抽出したパラメータに基づ
いて予定経路を演算する。この予定経路演算装置304
より出力される座標値および速度データにより経路維持
装置313が走行指令データを指令制御装置314に出
力すると、ここで走行指令演算(314a)が行われ、
ここから駆動制御装置1400に速度指令が送られ動き
始める。
【0080】次に、読み出したセグメントの座標値より
基準位置を演算し、予定経路演算装置304で予定経路
演算(304b)を行う。また、推測経路演算装置31
5で、2次元慣性航法装置1200からの搬送車の自己
位置(X、Y)と駆動制御装置1400からの進行方位
角のヘディング角Θとを用いて(315a)、推測経路
を演算する(315b)。そして、推定経路演算装置3
05で、推測経路と予定経路とに基づいて(305
a)、推定経路を演算する(305b)。次に、判定偏
差演算装置306で、予定経路と推定経路の判定偏差を
求め(306a)、経路比較判定装置307で判定偏差
の比較演算を行い(307a)、選択制御装置308に
よって、軌道修正(309a)、停止指令(310
a)、予定経路更新(311a)、基準位置演算(31
2a)の選択を行う。
【0081】基準位置演算(312a)の場合は、基準
位置を更新して予定経路演算(304b)を行う。この
ように、駆動制御装置1400からのヘディング角Θを
用いて推測経路を演算する角度ループTwと、2次元慣
性航法装置1200からの搬送車の自己位置(X、Y)
を用いて推測経路を演算する位置ループTxと、基準位
置に基づいて予定経路を演算する推定経路ループTkと
によって駆動状態が判断され、次の予定経路の基準位置
に向けてTk時間毎に基準位置が更新される。
【0082】軌道修正(309a)の場合は、判定比較
演算307aの結果の他に予定経路と推定経路を用い
(309a)、軌道を修正する。予定経路更新(311
a)の場合は、予定経路読出し装置302で経路情報記
憶装置301より次のセグメント番号を読み出す。この
ようして予定経路を順々に更新するマップループTMAP
が構成されている。
【0083】ここで、各ループの時間の関係は、Tk≒
Tw<Tx<TMAP となっている。
【0084】最後に、搬送制御装置1300での処理の
流れを、図21に示したフローチャートを用いて説明す
る。搬送車1000がウォーミングアップ状態での2次
元慣性航法装置1200の初期化の場合では、ステップ
S101において初期設定値記憶装置316のデータを
初期値読出し装置317で読み取り、通信装置(a)3
18から2次元慣性航法装置1200に送信して初期化
を行う。そしてステップS102で搬送車1000の走
行コースを予め記憶しておいた経路情報記憶装置301
から走行コースを読み出し、ステップS103で走行指
令に必要なパラメータを抽出して、このパラメータから
初期経路によるスタートかどうかをステップS104で
判断する。初期経路によるスタートの場合には、ステッ
プS105で初期経路走行指令を発生し、ステップS1
06で走行指令を出力して、初期経路の走行を開始させ
る。
【0085】次に、ステップS107で、読み出したセ
グメントの座標値より基準位置を算出し予定経路を予定
経路演算装置304で決定し、ステップS108で搬送
車1000の現状状態を検出している2次元慣性航法装
置1200からの搬送車1000の自己位置を通信装置
(a)318より受信し、ステップS109で駆動制御
装置1400からの進行方位角のヘディング角を通信装
置(b)319より受信する。次に、ステップS110
で推測経路を求め、ステップS111で推定経路を求
め、次に予定経路と推定経路を比較判定するためにステ
ップS112で判定偏差を求め、ステップS113で経
路比較判定して選択制御装置308によってステップS
114〜116の選択を行う。ステップS114では最
終経路目標終点か否かを判断し、終点の場合は処理を終
了する。終点でなければ、ステップS115で軌道修正
か否かを判断する。軌道修正の場合は、ステップS11
9で軌道修正指令を発生し、ステップS120で走行指
令を出力し、ステップS107へ戻る。軌道修正でなけ
れば、ステップS116で基準位置更新か否かを判断す
る。基準位置更新の場合は、ステップS117で基準位
置を更新してステップS107に戻り推定経路を維持し
て走行させる。基準位置更新でなければ、セグメントで
示す一定区間の予定経路に沿って走行が終了したため、
ステップS118で、次の予定経路を走行するために予
定経路更新を行うため、経路情報記憶装置301より次
のセグメント番号を読み出し更新してステップS102
へ戻り、同じ処理を繰り返し最終到達点に向けて搬送車
1000の走行を継続させる。
【0086】次に、駆動制御装置1400の作用につい
て説明する。
【0087】駆動制御装置1400は、2次元慣性航法
装置1200からの進行方向の速度ベクトルを入力装置
401より入力し、速度・角度抽出装置402で速度V
s と角度θs を抽出し、速度Vs については速度最適化
装置415に出力させる一方で、方位角θs については
ヘディング角最適化装置403に出力させる。そして、
駆動・操舵装置1500のエンコーダ出力によってモー
タ角速度および車輪角速度を求め、さらに旋回角速度に
変換し積分することで搬送車1000の旋回角θe を算
出してヘディング角最適化装置403に入力する。ここ
で搬送車1000の進行方向の姿勢角を推定し、その角
度をヘディング角Θとして角度偏差・微分演算装置40
4に出力し角度偏差と角度変化率を算出し、角度系ファ
ジィ推論装置405に入力する。ここでのファジィ推論
では、図22に示すメンバシップ関数および図23に示
すファジィルールによる2入力値(角度偏差、角度変化
率)1出力値(角度系旋回角速度)のファジィ推論を行
い、角度系旋回角速度Ωθを走行制御装置406に出力
する。
【0088】一方、搬送制御装置1300からの搬送車
の進行方向の速度ベクトル指令による指令データは、通
信装置410を経て速度・角度指令抽出装置411に入
力され、ここで速度ベクトルから、搬送車1000の進
行方向の速度Vx と方位角θx が抽出され、方位角θx
は角度偏差・微分演算装置404に出力され、速度Vx
は速度偏差・微分演算装置412に出力される。そし
て、速度については、駆動・操舵装置1500のエンコ
ーダからの出力に対してモータドライバ装置409で正
・逆パルス化を行い、その出力パルスデータをドライバ
制御装置408で正・逆回転数に変換してモータ角速度
演算装置407に入力すると共に、車体速度演算装置4
14に入力して車体速度Ve に変換する。その車体速度
Ve と速度・角度抽出装置402からの速度Vs が速度
最適化装置415で最適化される。その最適化された速
度Vseが速度偏差・微分演算装置412に入力される。
この速度偏差・微分演算装置412では、速度の偏差お
よび変化率を算出して速度系ファジィ推論装置413に
入力する。ここでのファジィ推論は、図22に示すメン
バシップ関数および図23に示すファジィルールによる
2入力値(速度偏差・速度変化率)1出力値(速度系車
体速度)のファジィ推論を行い、速度系車体速度Vv
を、走行制御装置406に出力する。
【0089】この走行制御装置406では、角度系と速
度系によるファジィ推論結果を用いて駆動・操舵装置1
500の目標モータ角速度Ωが決定され、ドライバ制御
装置408に出力される。ドライバ制御装置408で
は、駆動・操舵装置1500のモータ用ドライバとなる
モータドライバ装置409に対して、先の目標モータ角
速度Ωと現在のモータ角速度Ωm との差からモータの速
度指令および、回転の正・逆指令を出力している。一
方、現在のモータ角速度Ωm は、モータドライバ装置4
09でエンコーダからの出力を正・逆パルス信号に変換
して、ドライバ制御装置408に入力し、ここでモータ
の回転数と回転方向の正・逆信号を検出することによっ
て得ている。また、ドライバ制御装置408とモータ角
速度演算装置407においては、ドライバ制御装置40
8で検出したモータの回転数と正・逆信号をモータ角速
度演算装置407に出力して、モータ角速度に変換し現
在のモータ角速度Ωm データとして、ドライバ制御装置
408にフィードバックしてモータ角速度ループを構成
している。
【0090】また、一方では、ドライバ制御装置408
からのモータ回転数と回転の正・逆信号は、旋回角速度
演算装置416で搬送車の車体旋回角速度に変換され、
その出力データは、旋回角演算装置417で車体の車輪
駆動による搬送車の現在の進行方向の方位姿勢角θe に
変換され、ヘディング角最適化装置403に出力され
る。このヘディング角最適化装置403では、搬送車1
000の現在の進行方向の方位姿勢角θe と先の2次元
慣性航法装置1200によって計測された搬送車100
0の進行方向の方位角θs とにより、現在の搬送車進行
方向の方位角を推定して、最適ヘディング角Θとして通
信装置410に出力し搬送制御装置1300に送信す
る。
【0091】図24は、駆動制御装置1400による駆
動・操舵装置1500のモータ制御の動作を示す説明図
である。図24の外部制御情報のうち、搬送制御装置1
300からは、搬送車の目標速度指令Vxと目標方位角
指令θxが送信され、2次元慣性航法装置1200から
は、搬送車車体1100の現在の慣性航法データである
進行速度Vsおよび進行方位角θsが入力されている。
さらに一方では、この駆動制御装置1400において、
駆動・操舵装置1500のエンコーダ502のパルスデ
ータから、車体速度演算装置414で搬送車の車体速度
Veを演算する(414a)と共に、旋回角速度演算装
置416で車体の旋回角速度を演算し(416a)さら
に旋回角演算装置417でその角速度を積分することに
よって旋回角度θe(方位姿勢角)を演算している(4
17a)。
【0092】速度最適化装置415で最適化(415
a)された速度Vseと目標速度指令Vxとを用いて(4
12a)、速度偏差・微分演算装置412で速度の偏差
および変化率が算出され、速度系ファジィ推論装置41
3で、速度系ファジィ推論(413a)によって速度系
車体速度Vv が求められる。
【0093】また、ヘディング角最適化装置403で最
適化(403a)されたヘディング角Θと目標方位角指
令θxとを用いて(404a)、角度偏差・微分演算装
置404で角度の偏差および変化率が算出され、角度系
ファジィ推論装置405で、角度系ファジィ推論(40
5a)によって角度系旋回角速度Ωθが求められる。
【0094】そして、走行制御装置406で、角度系と
速度系によるファジィ推論結果を用いてモータ角速度指
令演算が行われ(406a)、駆動・操舵装置1500
の目標モータ角速度Ωが決定される。さらにドライバ制
御装置408で、目標モータ角速度Ωと、駆動・操舵装
置1500のエンコーダ502のパルスデータから演算
した(407a)現在のモータ角速度Ωm との差に基づ
いて(408a)、モータの速度指令および回転の正・
逆指令がモータドライバ装置409に出力され、駆動・
操舵装置1500のモータ501が駆動される。
【0095】ここで、駆動・操舵装置1500のエンコ
ーダ502の出力よりモータ角速度Ωm を演算し(40
7a)、ドライバ制御装置408にフィードバックして
モータ角速度ループTmが構成されている。この角速度
ループTmと、速度系ファジィ推論(413a)を含む
速度系ループTvおよび角度系ファジィ推論(405
a)を含む角度系ループTwによってモータ501が制
御される。そのときの制御ループの時間関係は、Tm<
Tv<Twとなる。
【0096】次に、図7に示したような駆動・操舵装置
1500の車輪配置の違いによる各構成の走行方式毎
に、モータの制御方法について説明する。
【0097】図7および図8に示した第1の種類の駆動
・操舵装置の構成の場合:左右2輪の速度差によってヘ
ディング角(ステアリング角)を決定する方式のため、
図25に示すような制御フローになる。すなわち、モー
タ角速度指令演算406aでは、左車輪用モータ角速度
Ωlと右車輪用モータ角速度Ωrとが求められる。モー
タドライバ装置409は左モータドライバ409Lと右
モータドライバ409Rとを含む。左モータドライバ4
09Lは、左車輪エンコーダ502Lの出力により左モ
ータ角速度演算(407L)によって求めた現在の角速
度Ωleと左車輪用モータ角速度Ωlとに基づいて左車輪
モータ501Lを駆動する。右モータドライバ409R
は、右車輪エンコーダ502Rの出力により右モータ角
速度演算(407R)によって求めた現在の角速度Ωre
と右車輪用モータ角速度Ωrとに基づいて右車輪モータ
501Rを駆動する。
【0098】なお、車体速度演算(414a)および旋
回角速度演算(416a)は、両エンコーダ502L、
502Rの出力を用いて行われる(502a)。
【0099】各モータへの指令角速度を以下の式で示
す。
【0100】但し、速度および旋回角速度の符号は進行
方向および右旋回時を正符号とする(以下同様)。ま
た、記号の意味は以下の通りである。 Vv:・速度系ファジィ推論結果による車体重心速度 Ωθ:・角度系ファジィ推論結果による車体重心旋回角
速度 Ωl:・左車輪用モータ角速度 Ωr:・右車輪用モータ角速度 D :・車輪直径 T :・車軸間距離 Vv・2/D:・車体重心速度による駆動軸角速度成分 Ωθ・T/D:・車体重心旋回角速度による駆動軸角速
度成分
【0101】
【数7】指令角速度: Ωl= Vv・2/D+Ωθ・T/D Ωr= Vv・2/D−Ωθ・T/D
【0102】図9および図10に示した第2の種類の駆
動・操舵装置の構成の場合:この場合では、操舵用モー
タと駆動用モータが分離したタイプであるので、各モー
タに対応して、操舵用モータの回転量を計測する操舵用
エンコーダと駆動用モータの回転量を計測するための駆
動用エンコーダが取り付けられている。これらエンコー
ダの回転量からの操舵角と駆動速度を指令値と比較する
ことによってドライバ制御装置408からモータドライ
バ装置409へモータ速度指令が出力され、モータドラ
イバ装置409がモータを制御する。但し、駆動・操舵
を前輪で行うために車輪配置による幾何学的影響がで
る。
【0103】この場合のモータ制御フローは図26に示
すようになる。すなわち、モータ角速度指令演算406
aは、速度系ファジィ推論(413a)による速度系車
体速度Vv と角度系ファジィ推論(405a)による角
度系旋回角速度Ωθとを用いて駆動用モータ角速度Ωd
を演算する駆動用モータ角速度指令演算406Dと、角
度系旋回角速度Ωθを用いて操舵用モータ角速度Ωst
を演算する操舵用モータ角速度指令演算406Sとを含
む。また、モータドライバ装置409は駆動用モータド
ライバ409Dと操舵用モータドライバ409Sとを含
む。駆動用モータドライバ409Dは、駆動用モータ5
01Dのエンコーダ502Dの出力により駆動用モータ
角速度演算(407D)によって求めた現在の角速度Ω
deと駆動用モータ角速度Ωdとに基づいて駆動用モータ
501Dを駆動する。操舵用モータドライバ409S
は、操舵用モータ501Sのエンコーダ502Sの出力
により操舵用モータ角速度演算(407S)によって求
めた現在の角速度Ωste と操舵用モータ角速度Ωstと
に基づいて操舵用モータ501Sを駆動する。
【0104】なお、車体速度演算(414a)はエンコ
ーダ502Dの出力を用いて行われ、旋回角速度演算
(416a)はエンコーダ502Sの出力を用いて行わ
れる。
【0105】各モータへの指令角速度は以下の式のよう
になる。なお、記号の意味は以下の通りであり、また、
一部の符号については図27に示す。 Vv :・速度系ファジィ推論結果による車体重心速度 Ωθ :・角度系ファジィ推論結果による車体重心旋回
角速度 Ωd :・駆動用モータ角速度 Ωst:・操舵用モータ角速度 D :・車輪直径 T :・車軸間距離 φ :・舵角(右旋回時…正:左旋回時…負) α :・3輪車の駆動・操舵輪頂角 Vv・2/D:・車体重心速度による駆動軸角速度 Ωθ・T/D:・車体重心旋回角速度による駆動軸角速
【0106】
【数8】指令角速度: Ωd =(Vv・2 /D )×cos φ+(Ωθ・T/D )×
(sin φ/tan (α/2)) Ωst=Ωθ
【0107】図11および図12に示した第3の種類の
駆動・操舵装置の構成の場合:この場合では、前輪で操
舵して、後輪で駆動するため、第2の種類と同様に操舵
用モータと駆動用モータを独立にモータドライバ装置4
09が制御する。
【0108】この場合のモータ制御フローは、第2の種
類と同様に、図26に示すようになる。ただし、駆動用
モータ角速度指令演算406Dでは速度系ファジィ推論
(413a)による速度系車体速度Vv のみを用いる。
【0109】各モータへの指令角速度は以下の式のよう
になる。なお、記号の意味は以下の通りである。 Vv :・速度系ファジィ推論結果による車体重心速度 Ωθ :・角度系ファジィ推論結果による車体重心旋回
角速度 Ωd :・駆動用モータ角速度 Ωst:・操舵用モータ角速度 D :・車輪直径 T :・車軸間距離 Vv・2/D:・車体重心速度による駆動軸角速度 Ωθ・T/D:・車体重心旋回角速度による駆動軸角速
【0110】
【数9】指令角速度: Ωd =(Vv・2/D) Ωst=Ωθ
【0111】次に、駆動・操舵装置1500の作用につ
いて説明する。
【0112】第1の種類の駆動・操舵装置の構成では、
図7および図8に示したように、モータ1503に歯車
列1502を介して車輪1501を取り付け、その車輪
1501の回転数に応じたパルスを発生するエンコーダ
1504を装着してある。この車輪付きモータを車体1
100の左右に取り付け、モータの回転速度の差でもっ
て搬送車の方向を操舵する。また車体の安定のために前
後方向に補助輪1505を配設してある。
【0113】第2の種類の駆動・操舵装置の構成は、図
9および図10に示したように、車体1100の前方に
駆動輪と操舵輪の双方の機能を合わせ持つ駆動操舵輪1
511を配設し、後輪に従動輪1512を配設する方式
である。そして、車輪を回転させるモータ1514とそ
の車輪の回転数を検出するためのエンコーダ1515を
配設した車輪1511に対して、その車輪全体をz軸回
りに回転させ操舵させるためのモータ1516と車輪全
体のz軸回りの回転数を検出するエンコーダ1517を
配設した構造を合わせ持つ駆動操舵輪タイプの駆動・操
舵装置であるので、車輪1511を駆動することで搬送
車1000を前方に引っ張り、さらに、車輪1511全
体をz軸回りに回転することで搬送車1000の進行方
向の方位角を決定して走行する。
【0114】第3の種類の駆動・操舵装置の構成は、図
11および図12に示したように、車体1100の前方
には、操舵するためのモータと操舵の回転量を検知する
ためのエンコーダを有する操舵輪1521、1525を
設け、後方には駆動源1524のモータ出力を差動歯車
1523を介して左右に伝達して駆動すると共に、車輪
の回転数を検知するためのエンコーダを有する駆動輪1
522を設けたタイプで、3輪形式と4輪形式とがあ
る。このタイプは、駆動装置と操舵装置を分離した方式
のものであり、前輪で搬送車1000の進行方向の方位
角を操舵し、後方の車輪で駆動力を得て搬送車1000
を押して走行する。
【0115】以上説明したように、本実施例の2次元慣
性航法による搬送車1000は、自己の運動における慣
性力を非接触的にセンシングして、自己位置と進行方向
の速度および角度を計測する慣性航法方式を採用してい
るため、走行経路Sに沿って光学表示あるいは磁気表示
を配設する必要がなくなり、光学表示あるいは磁気表示
の破損ないし汚損に伴って走行不能となることを回避す
ることができる。
【0116】また、走行コースを予め搬送制御装置13
00に記憶させる方式としているため、走行経路Sの変
更を容易に行うことができる。
【0117】また、2次元慣性航法装置1200におい
て、搬送車1000の移動時と停止時を判断し、停止時
に加速度と角速度のオフセット量を算出し、このオフセ
ット量を用いて、車体のセンサ座標系における加速度と
角速度を補正するようにしたので、2次元平面での自己
位置と進行方向の速度および角度の誤差を極力低減する
ことができる。
【0118】さらに、2次元慣性航法装置1200と搬
送制御装置1300による走行コースの修正を予測制御
で行う位置制御ループ内に、2次元慣性航法装置120
0と駆動制御装置1300による搬送車1000のステ
アリング角をファジー制御で決定する速度制御ループを
合わせ持つ制御方式のため、予定経路に対する推定経路
を算出して比較判定制御する高精度な2次元慣性航法を
容易に実現することができる。
【0119】以上実施例を挙げて本発明を説明したが、
本発明は上記実施例に限定するものではなく、その要旨
を変更しない範囲で種々変形可能である。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の搬
送車によれば、2次元慣性航法装置によって車体のセン
サ座標系における加速度と角速度とを検出し、地上座標
系での2次元平面における車体の位置と進行方向の速度
および角度を計測し、搬送制御装置によって、2次元慣
性航法装置により計測された車体の位置と予め記憶して
おいた走行経路上の位置とを比較して車体の速度および
角度を含む走行指令を発生し、駆動操舵装置によって、
搬送制御装置が発生する走行指令と2次元慣性航法装置
により計測した車体の進行方向の速度および角度に基づ
いて駆動操舵装置を制御して車体を走行経路に従って目
的位置まで走行させるようにしたので、光学表示や磁気
表示を必要とせずに、予め記憶させておいた走行経路に
従って正確に目的位置まで自律走行を行うことができる
という効果がある。
【0121】また、請求項2記載の搬送車によれば、2
次元慣性航法装置において、運動停止判断手段によって
車体のセンサ座標系における加速度と角速度とから車体
の運動停止と判断したときに、オフセット量算出手段に
よって加速度と角速度のオフセット量を算出し、このオ
フセット量を用いて、補正手段によって、車体のセンサ
座標系における加速度と角速度とを補正するようにした
ので、上記請求項1記載の発明の効果に加え、2次元平
面での自己位置と進行方向の速度および角度の誤差を極
力低減することができるという効果がある。
【0122】また、請求項3記載の搬送車によれば、搬
送制御装置において、推測経路演算手段によって、2次
元慣性航法装置により計測した車体の位置と方位角算出
手段により算出した車体の進行方位角とに基づいて推測
経路を算出し、推定経路演算手段によって、予め記憶し
ておいた走行経路と推測経路とに基づいて推定経路を算
出し、この推定経路と予め記憶しておいた走行経路との
偏差に基づいて、走行指令発生手段によって、走行指令
を発生するようにしたので、上記請求項1記載の発明の
効果に加え、センサによる誤差を低減して高精度な2次
元慣性航法による走行が可能になるという効果がある。
【0123】また、請求項4記載の搬送車によれば、駆
動制御装置において、方位角算出手段によって車体の進
行方位角を算出し、角度偏差変化率算出手段によって、
方位角算出手段により算出した方位角の、搬送制御装置
からの走行指令中の角度に対する偏差および角度変化率
を算出し、この偏差および角度変化率に基づいて、角度
系ファジィ推論手段によって、駆動操舵装置を制御する
ための旋回角速度を決定し、また、速度算出手段によっ
て車体の速度を算出し、速度偏差変化率算出手段によっ
て、速度算出手段によって算出した速度の、搬送制御装
置からの走行指令中の速度に対する偏差および速度変化
率を算出し、この偏差および速度変化率に基づいて、速
度系ファジィ推論手段によって、駆動操舵装置を制御す
るための車体速度を決定するようにしたので、上記請求
項1記載の発明の効果に加え、高精度な2次元慣性航法
による走行が可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る搬送車の概略を示す説
明図である。
【図2】本発明の一実施例に係る搬送車の外観を示す斜
視図である。
【図3】図2の搬送車の各構成要素の接続を示すブロッ
ク図である。
【図4】図3における2次元慣性航法装置の回路構成の
主要部を示すブロック図である。
【図5】図3における搬送制御装置の回路構成の主要部
を示すブロック図である。
【図6】図3における駆動制御装置の回路構成の主要部
を示すブロック図である。
【図7】図3における駆動・操舵装置の第1の種類の構
成を示す説明図である。
【図8】図3における駆動・操舵装置の第1の種類の構
成を示す説明図である。
【図9】図3における駆動・操舵装置の第2の種類の構
成を示す説明図である。
【図10】図3における駆動・操舵装置の第2の種類の
構成を示す説明図である。
【図11】図3における駆動・操舵装置の第3の種類の
構成を示す説明図である。
【図12】図3における駆動・操舵装置の第3の種類の
構成を示す説明図である。
【図13】図4の2次元慣性航法装置において運動停止
状態を判断するための慣性信号の波形を示す波形図であ
る。
【図14】図4の2次元慣性航法装置の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図15】図5の搬送制御装置において記憶する走行経
路の一例を示す説明図である。
【図16】図5の搬送制御装置において記憶する走行コ
ースデータのフォーマットを示す説明図である。
【図17】図5の搬送制御装置における走行コースデー
タに基づく走行経路を示す説明図である。
【図18】図5の搬送制御装置において推定経路を求め
るために用いる位置ベクトルを示す説明図である。
【図19】図5の搬送制御装置における経路比較判定の
原理を説明するための説明図である。
【図20】図5の搬送制御装置の動作を示す説明図であ
る。
【図21】図5の搬送制御装置の動作を示すフローチャ
ートである。
【図22】図6の駆動制御装置において駆動・操舵用モ
ータの角速度を決定するためのファジィ推論で使用する
メンバシップ関数を示す説明図である。
【図23】図6の駆動制御装置において駆動・操舵用モ
ータの角速度を決定するためのファジィ推論で使用する
ファジィルールを示す説明図である。
【図24】図6の駆動制御装置の動作を示す説明図であ
る。
【図25】図6の駆動制御装置の動作を示す説明図であ
る。
【図26】図6の駆動制御装置の動作を示す説明図であ
る。
【図27】図9の駆動・操舵装置の動作を説明するため
の説明図である。
【符号の説明】
1000 搬送車 1100 車体 1200 2次元慣性航法装置 1300 搬送制御装置 1400 駆動制御装置 1500 駆動・操舵装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹山 和之 千葉県習志野市茜浜1丁目8番3号 日本 プレシジョン株式会社内 (72)発明者 原田 充彦 千葉県習志野市茜浜1丁目8番3号 日本 プレシジョン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と、 この車体の駆動と操舵を行う駆動操舵装置と、 前記車体のセンサ座標系における加速度と角速度とを検
    出して、地上座標系での2次元平面における車体の位置
    と進行方向の速度および角度を計測する2次元慣性航法
    装置と、 この2次元慣性航法装置によって計測した車体の位置
    と、予め記憶しておいた走行経路上の位置とを比較して
    車体の速度および角度を含む走行指令を発生する搬送制
    御装置と、 この搬送制御装置が発生する走行指令と前記2次元慣性
    航法装置によって計測した車体の進行方向の速度および
    角度に基づいて前記駆動操舵装置を制御する駆動制御装
    置とを具備することを特徴とする搬送車。
  2. 【請求項2】 前記2次元慣性航法装置は、車体のセン
    サ座標系における加速度と角速度とから車体の運動停止
    を判断する運動停止判断手段と、この運動停止判断手段
    によって運動停止と判断したときに、加速度と角速度の
    オフセット量を算出するオフセット量算出手段と、この
    オフセット量算出手段によって算出したオフセット量を
    用いて車体のセンサ座標系における加速度と角速度とを
    補正する補正手段とを有することを特徴とする請求項1
    記載の搬送車。
  3. 【請求項3】 前記駆動制御装置は、車体の進行方位角
    を算出する方位角算出手段を有し、前記搬送制御装置
    は、前記2次元慣性航法装置によって計測した車体の位
    置と前記方位角算出手段によって算出した車体の進行方
    位角とに基づいて車体の現在位置を推測し、この推測し
    た位置の軌跡である推測経路を算出する推測経路算出手
    段と、予め記憶しておいた走行経路と前記推測経路算出
    手段によって算出した推測経路とに基づいて車体の現在
    位置を推定し、この位置の軌跡である推定経路を算出す
    る推定経路算出手段と、この推定経路算出手段によって
    算出した推定経路と予め記憶しておいた走行経路との偏
    差に基づいて走行指令を発生する走行指令発生手段とを
    有することを特徴とする請求項1記載の搬送車。
  4. 【請求項4】 前記駆動制御装置は、車体の進行方位角
    を算出する方位角算出手段と、この方位角算出手段によ
    って算出した方位角の、前記搬送制御装置からの走行指
    令中の角度に対する偏差および角度変化率を算出する角
    度偏差変化率算出手段と、この角度偏差変化率算出手段
    によって算出した偏差および角度変化率に基づいてファ
    ジィ推論によって、駆動操舵装置を制御するための旋回
    角速度を決定する角度系ファジィ推論手段と、車体の速
    度を算出する速度算出手段と、この速度算出手段によっ
    て算出した速度の、前記搬送制御装置からの走行指令中
    の速度に対する偏差および速度変化率を算出する速度偏
    差変化率算出手段と、この速度偏差変化率算出手段によ
    って算出した偏差および速度変化率に基づいてファジィ
    推論によって、駆動操舵装置を制御するための車体速度
    を決定する速度系ファジィ推論手段とを有することを特
    徴とする請求項1記載の搬送車。
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