JPH072848B2 - 光安定化ポリアリ−レンチオエ−テル - Google Patents

光安定化ポリアリ−レンチオエ−テル

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JPH072848B2
JPH072848B2 JP61131672A JP13167286A JPH072848B2 JP H072848 B2 JPH072848 B2 JP H072848B2 JP 61131672 A JP61131672 A JP 61131672A JP 13167286 A JP13167286 A JP 13167286A JP H072848 B2 JPH072848 B2 JP H072848B2
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昭夫 小林
義克 佐竹
智 臼井
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呉羽化学工業株式会社
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光安定性の改良されたポリアリーレンチオエー
テル及びその組成物及びそれ等の製造方法に関する。
[従来技術] ポリアリーレンチオエーテルは耐熱性,電気絶縁性,難
燃性などに優れたエンジニアリング樹脂であり、射出成
形物,押出成形物,フィルム,シート,繊維,電線被覆
などに応用することができる。特に本発明者等は、着色
の極めて少ない、ポリアリーレンチオエーテルを経済的
に製造する方法を開発した(特開昭61-7332号)。しか
しながら、ポリアリーレンチオエーテルは、一般的に38
0nm以下の近紫外部に大きな吸収を有するために、初め
は色調の優れた美麗な成形物であったものが、紫外線や
日光に暴露すると変色して色調が変ってしまうという問
題点があった。
従来、汎用樹脂の光安定剤としてはベンゾフェノン系安
定剤、ベンゾトリアゾール系光安定剤等が使用されて来
た。
ベンゾフェノン系安定剤は、 (Ar;アリール残基) の化学構造単位を有しており、基本的にはベンゼン環に
結合したカルボニル基と、ベンゼン環の(2)の位置に
あるヒドロキシ基との相互作用により光エネルギーを吸
収し、熱エネルギーに変換して逸散することによって光
安定剤として機能するものである。しかしながらベンゾ
フェノン系安定剤は300nm付近に強い吸収を示すものの3
50nm付近の吸収は弱いので、ポリアリーレンチオエーテ
ルの光安定剤としてはあまり有効でないことが判明し
た。
ベンゾトリアゾール系光安定剤は、 の化学構造単位を有しており、基本的にはベンゼン環に
結合したトリアゾール環とベンゼン環の(2)の位置に
あるヒドロキシ基との相互作用により、光エネルギーを
吸収し熱エネルギーに変換して逸散することによって、
光安定剤として機能するものであると言われている(HO
DGEMAN,D.C.,GELLERT,E,P,J.of Polymer Sci.,Polymer
Chem.Ed.18 1105〜1114(1980))。
この種の安定剤は400nm付近の紫外線から吸収しはじめ3
50nm付近で極大吸収を示すので、ポリアリーレンチオエ
ーテルの光安定剤として有効であることが示唆されてい
た(CIBA−GEIGY社 TINUVIN 234カタログ1981年3月
版)。
しかしながら、耐熱樹脂であるポリアリーレンチオエー
テルの溶融加工温度は汎用樹脂よりかなり高い温度であ
り、従来の汎用樹脂用のベンゾトリアゾール系光安定剤
を混入させた場合、分子量が充分大きくないために大半
が溶融加工時に揮発、消失してしまい最終成形品に残存
できる有効量が非常に少なくなり、それを回避するため
に多量に添加する必要があり産業上好ましくなく、また
大量に光安定剤を使用すると成形品の物性に影響が出る
等の問題もあった。
上記のベンゾトリアゾール系光安定剤の高温時の揮発を
低減する目的で、ベンゼン環の(2)の位置にあるヒド
ロキシ基をエステル化して大きな分子量のものにして混
合する方法が提案されたが(特開昭60-71663)、この方
法では光安定剤作用に肝腎なヒドロキシ基が消失してし
まうため、期待通りの光に対する安定化効果が得られな
いという問題が残った。
[発明の作用効果] 本発明者等は、ベンゼン環に結合したベンゾトリアゾー
ル基及びベンゼン環の(2)の位置のヒドロキシ基によ
る光安定効果を有する化学構造 を、そのまま保持しながらポリアリーレンチオエーテル
に化学的に結合すると、光安定性の改良されたポリアリ
ーレンチオエーテルが得られ、しかも上記のポリアリー
レンチオエーテルにおけるベンゾトリアゾール系光安定
剤の使用の問題点を解決し得ることも見出し、本発明を
完成した。
即ち、本発明の光安定化ポリアリーレンチオエーテルは
前記の光安定化効果を有する化学構造単位を分子中に化
学結合されて含有しているので、ポリアリーレンチオエ
ーテルに使用される高い溶融成型温度にさらされても光
安定性を損なうことがない。
従って、本発明の光安定化されたポリアリーレンチオエ
ーテルから製造された溶融成型物は、紫外線や光に暴露
した時に色調の変化が少なく、各種モールド品,封止
物,フィルム,シート,パイプ,棒,繊維等の加工品
は、長期間光による着色や変質のないまま使用できる。
また本発明の光安定化ポリアリーレンチオエーテルもし
くはその組成物は、長期間光による着色や変質のない塗
装として用いることもできる。
[発明の要旨] 本発明は分子中のチオエーテル結合の硫黄原子に対し、 化学構造単位; を0.002〜0.2(モル/グラム硫黄原子)化学結合させた
光安定化ポリアリーレンチオエーテルである。
また本願発明は分子中のチオエーテル結合の硫黄原子に
対し、化学構造単位; を化学結合させた光安定化ポリアリーレンチオエーテル
と上記化学構造単位を結合してない非光安定化ポリアリ
ーレンチオエーテルとから成る組成物であって、上記の
化学構造単位は組成物中の全チオエーテル結合硫黄原子
に対し0.002〜0.2モル/グラム硫黄原子であることを特
徴とする組成物である。
また本発明は上記の光安定化ポリアリーレンチオエーテ
ルの製造方法をも提供するものである。
即ち本発明の光安定化ポリアリーレンチオエーテルの第
1の製造方法は、有機極性溶媒中でのアルカリ金属硫化
物とジハロゲン化芳香族化合物との脱ハロゲン化/硫化
反応によってポリアリーレンチオエーテルを生成させる
際に、化学構造単位; を含むハロゲン化有機化合物を0.002〜0.2(モル/グラ
ム硫黄原子)重合中に加え、次いで反応ポリマーを酸洗
することから成る。
また本発明の光安定化ポリアリーレンチオエーテルの第
2の製造方法は、強アルカリ性有機極性溶媒中の、分子
末端にチオラート基もしくはチオール基を有効量有する
ポリアリーレンチオエーテル重合物に、 化学構造単位; を含むハロゲン化有機化合物を0.002〜0.2モル/グラム
硫黄原子の割合で加え、脱ハロゲン化反応させ次いで反
応ポリマーを酸洗することから成る。
[発明の具体的説明] ポリアリーレンチオエーテルの基本構造 本発明のポリアリーレンチオエーテルの主部は、Ar−
n(Ar:アリーレン基)の構造からなるものである。
アリーレン基としてパラフェニレン基を主成分とするも
のが耐熱性、成形性の点から好ましい。パラフェニレン
基以外にも、m−フェニレン基 o−フェニレン基 アルキル置換フェニレン基 R:アルキル基、n:1〜4)、p,p′−ジフェニレンケトン
p,p′−ジフェニレンスルホン基 p,p′−ジフェニレン基 p,p′−ジフェニレンエーテル基 ナフチレン基 等を含むものが使用される。
成形物の耐熱性の点からは実質的に 繰返し単位のみからなるポリフェニレンチオエーテルが
好ましい。また溶融加工のし易さ、即ち加工温度を低く
し着色の少ないペレットを得易い点では、ポリフェニレ
ンチオエーテルの共重合体が好ましい。共重合体として
単位もしくは 単位を5〜40モル%、特に10〜25モル%含んだものが好
ましい。これらのm−またはo−フェニレンチオエーテ
ル単位が5モル%以上あれば溶融加工の改良効果が発現
でき、40モル%を越えなければ耐熱性、機械的性質を著
しく低下させることがない。さらにまた同じ 単位を60〜95モル%含む共重合体であればランダム共重
合体であるよりも、 繰返し単位と 繰返し単位とがブロックとして連続したブロック状結合
を含むブロック共重合体の方が好ましい。ブロック共重
合体の方がランダム共重合体よりも同じ加工性で優れた
耐熱性及び機械的特性の最終成形物を与えるからであ
る。このようなブロック共重合体およびその製造法は、
特開昭61-14228号明細書に記載されている。
ポリアリーレンチオエーテルは、適当な分子量もしくは
溶融粘度をもつことが加工上から望ましい。即ち、溶融
粘度(η)が30000ポイズ(温度=310℃、剪断速度=
200秒-1)以下のもの、特に好ましくは20000ポイズ以下
のものが望ましい。
30000ポイズを超過するものでは溶融押出でペレット状
成形物を製造するのが困難となり、加工温度も高くなる
ので着色を生じ易い。
本発明の光安定化ポリアリーレンチオエーテルを他の光
に対して安定化してないポリアリーレンチオエーテルに
混入して用いる場合は、光安定化ポリアリーレンチオエ
ーテルは低分子量のものであってもかまわない。
本発明の光安定化ポリアリーレンチオエーテルを単独で
用いる場合は、所謂「キュアー」により分子量の増大を
必要としないような高分子量のポリマーであるべきであ
り、且つフィルム,シート,繊維等に容易に加工できる
ためには実質的に線状のポリマーであるべきである。こ
のような実質的に線状の、高分子量ポリアリーレンチオ
エーテルは、水添加二段重合法(特開昭61-7332号)に
よって特に経済的に製造することができる。
光安定化ポリアリーレンチオエーテルの製造方法 本発明の光安定化ポリアリーレンチオエーテルの製造方
法は下記の化学構造単位; をポリアリーレンチオエーテルに化学結合の形で導入す
るものであり、このためには前記した以下の方法が有効
である。
即ち第1の方法は、極性有機溶媒中でジハロゲン化芳香
族化合物とアルカリ金属硫化物とから脱ハロゲン化/硫
化反応によってポリアリーレンチオエーテルを生成させ
る方法において、当該反応の際に上記化学構造単位を有
するハロゲン化有機化合物(以後化合物Aという)、特
にハロゲン化ベンゾトリアゾール系光安定剤を加えて脱
ハロゲン化/硫化反応を生起せしめ、ポリアリーレンチ
オエーテルに上記化学構造単位を導入する方法である。
この方法は従来の、特開昭45-3368号明細書、同52-1224
0号明細書に記載の重合方法に適用できるが、特に特開
昭61-7332号明細書に開示された、水添加二段重合方法
に適用することにより、光安定性に優れた高分子量の線
状ポリアリーレンチオエーテルを経済的に製造すること
ができる。
これらの重合方法においては、重合中もしくは重合末期
に、重合系に仕込みアルカリ金属硫化物に対し化合物A
を好ましくは上記化学構造単位量が0.002〜0.2モル/モ
ル、さらに好ましくは0.01〜0.1モル/モルになるよう
に加え、温度200℃〜290℃で20分間〜20時間反応させる
ことが好ましい。0.002(モル/モル)以下では光安定
効果が不十分となる可能性があり、0.2モル/モル以上
では効果の増加が頭打ちになる傾向にあり経済的に不利
になる。
反応終了後のポリマーは、ヒドロキシ基を光安定化に於
て有効に働かせる為にpH2未満の酸の溶液中、0〜200℃
の温度で1〜500分間処理することが好ましい。
本方法におけるポリアリーレンチオエーテルとトリアゾ
ール系光安定剤との結合の1例を化学反応式で示すと下
記のようになる。
[上記で使用したトリアゾール系光安定剤はCIBA-GEIGY
社より市販のTINUVIN 327である(−tBuは3級ブチル
基を示す)。] 第2の方法は、予め製造し、一旦回収したポリアリーレ
ンチオエーテルを化合物Aと反応させるものであり、こ
の場合使用するポリアリーレンチオエーテルが化合物A
と反応性の乏しいものでは好ましくない。
末端基のチオラート基もしくはチオール基を2マイクロ
モル/グラム以上、より好ましくは3マイクロモル/グ
ラム以上有するポリアリーレンチオエーテルであること
が好ましい(末端チオラート基,チオール基の量はヨー
ドアセトアミド法によって定量した)。
結合反応は、強アルカリ性の極性有機溶媒中、200〜290
℃で20分間〜20時間反応させることが好ましい。
極性有機溶媒としては有機アミドが好ましい。特にポリ
マーの安定性の点から、2.5〜25(重量%)の水を混入
した含水有機アミドであること、及びこの溶媒が強アル
カリ性であることが好ましい。例えば当該溶媒を10倍量
の水で希釈した場合の水溶液のpH値が9.5以上であるよ
うなアルカリ強度であることが望ましい。
ポリアリーレンチオエーテルと、当該ポリマー分子中の
チオエーテル結合硫黄量に対し前記化学構造単位が0.00
2〜0.2(モル/グラム硫黄原子)となるように化合物A
を溶媒に仕込み、200〜290℃の温度で20分間〜20時間反
応させることが好ましい。第1の方法と同様に反応終了
後のポリマーは、酸で処理することが好ましい。
本方法における、ポリアリーレンチオエーテルとトリア
ゾール系光安定剤との結合の1例を化学反応式で示すと
下記のようになる。
上記の方法により得られる本発明のポリアリーレンチオ
エーテルは、例えば 一般式; 又は 又は [式中、Rは水素又はC1〜C14の炭化水素もしくはハロ
ゲン化炭化水素基、X1及びX2は水素,ハロゲン,チオー
ル基(−SH),チオラート基(−SM:Mはアルカリ金属で
ある)又はC1〜C14の炭化水素もしくはハロゲン化炭化
水素基、Y1は水素,ハロゲン又はC1〜C14の炭化水素も
しくはハロゲン化炭化水素基、Y2はC1〜C14の炭化水素
又はハロゲン化炭化水素基、Arはアリーレン基であり、
m及びnは2以上の整数であって、但しm+nは5〜50
0の範囲である]を有する。
上述のような光安定化ポリアリーレンチオエーテルをそ
のまま成形材として用いることもできるが、当該光安定
化ポリマーを、主な構造が同一もしくは異なる、他の光
に対して特に安定化処理をしていないポリアリーレンチ
オエーテルと混合した組成物も成形用,塗装用等に用い
ることができる。
この場合でも当該組成物中に含まれる全チオエーテル結
合硫黄量に対して、上記の化学構造単位の量が0.002〜
0.2(モル/グラム原子)になるように混合することが
好ましい。
ベンゾトリアゾール系光安定剤(化合物)A ベンゾトリアゾール系光安定剤で本発明のポリアリーレ
ンチオエーテルに化合結合させることの出来る化合物と
しては例えば、 一般式; [Rは水素又はC1〜C14の炭化水素もしくはハロゲン化
炭化水素基、Xはハロゲン、Yは水素,ハロゲン又はC1
〜C14の炭化水素もしくはハロゲン化炭化水素基であ
る] を有する化合物であり、具体的には下記のようなものが
挙げられる。
光安定化ポリアリーレンチオエーテル組成物 〈充填材を混合した組成物〉 上述のような光安定化ポリアリーレンチオエーテル、も
しくは該光安定化ポリアリーレンチオエーテルと光安定
化していないポリアリーレンチオエーテルを混合した組
成物は、そのまま用いることも出来るが、成形に支障を
来たさない限度において、寸法安定性,熱変形温度,難
燃性,機械的強度,硬度などの物性を改良するために、
あるいはコストを低減するために、必要に応じて無機充
填材を上述の基材樹脂に混入することができる。
無機充填材は、粉状もしくは粒子状のものと繊維状のも
のとに大別することができる。前者は一般にコストの安
い充填材であり、後者は一般にコストは高いが物性改良
の効果が大きいことを特徴とするものである。
このような粉状または粒子状の充填材としては、炭酸カ
ルシウム、珪酸カルシウム、タルク、シリカ、マイカ、
酸化チタン、炭素もしくは黒鉛、アルミナ、シリカアル
ミナ、クレー、ガラス、ベンガラ、石膏、砂、セメン
ト、硅酸カルシウム、硫酸カルシウム及び各種金属粉末
もしくは微粒子等が使用される。
また繊維状充填材としてはガラス、炭素もしくは黒鉛、
チタン酸カリ、シリカ、硅酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム等の繊維もしくはウイスカーを使用することができ
る。
充填材の混入量は0〜70重量%の範囲が好ましい。70重
量%以上では組成物の溶融加工が困難になるので好まし
くない。
〈熱可塑性樹脂を混合した組成物〉 本発明の光安定化ポリアリーレンチオエーテルは、押出
成形加工に支障をきたさない範囲において、他の熱可塑
性樹脂をブレンドして用いることも可能である。化学構
造の同一もしくは異なるポリアリーレンチオエーテルを
混合し得ることは前述したところである。熱可塑性樹脂
の混入は、潤滑性、熱変形温度、耐候性、耐衝撃性等の
物性の改良、あるいはコストの低減等を目的とするもの
である。
混入出来る樹脂は、溶融加工温度(通常200〜380℃の範
囲)で分解したり、変質したりしないものが望ましい。
このような樹脂としては例えばポリアミド、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリ
アルキレンテレフタレート(ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリオレフィン
(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ABS、ポリス
チレン及びポリ弗化ビニリデン、ポリテトラフルオルエ
チレン、テトラフルオルエチレン共重合体等の弗素樹脂
並びにPEゴム、水添SBR、シリコーンゴム、弗素ゴム等
のエラストマーが挙げられる。
これ等の熱可塑性樹脂の混入量は組成物の0〜40重量%
の範囲が好ましい。40%を越えると、成形物の物性(耐
熱性、耐蝕性等の物性)が大きく変化するおそれがある
ので好ましくない。
〈その他の添加物〉 色調の改良、熱安定性の改良、防錆、滑性付与、結晶化
速度調整、着色などの目的で必要に応じてアルカリ金
属、アルカリ土類金属の塩、水酸化物、酸化物、ないし
ヒドロカルビルオキシド、安定剤、滑剤、離型剤、顔料
などの助剤を添加することもできる。
[実施例] 以下、実施例により本発明をさらに説明する。
実施例1 第1の方法による光安定化ポリアリーレンチオエーテル
の製造 20lオートクレーブにN−メチル−2−ピロリドン(NM
P)8.01kgと46.0重量%のNa2Sを含むNa2S・5水塩結晶
(三協化成社製)3.56kg(Na2Sとして21.0モル)を仕込
み、窒素雰囲気下に攪拌しながら徐々に203℃まで昇温
し、水1.40kg,NMP0.81kg及び0.98モルのH2Sを留出させ
た。
パラジクロロベンゼン(P−DCB)2.97kg(20.2モル,P
−DCB/Na2S=1.01モル相当)とNMP2.81kgとを加えて220
℃で5時間重合させ、重合スラリーを得た。
このスラリーの一部753.5g(P−DCB 1.01モル含有)
と水54gを1オートクレーブ中に仕込み、窒素置換し
た後昇温し、260℃で5時間反応せしめた。50℃まで冷
却後TINUVIN 327(CIBA-GEIGY社製)0.01モルを添加
し、再び窒素置換して昇温し、255℃で3時間反応せし
めた。後処理として冷却後150メッシュの篩でポリマー
を分離回収し、pH1の塩酸中に投入し50〜70℃で約30分
酸洗処理を行い、その後ポリマーを脱イオン水次いでア
セトンで繰返し洗浄した後、80℃で減圧乾燥してポリマ
ーを回収した。
高化式フローテスター(島津製作所製)を用いて310℃
(予熱5分)でポリマーの溶融粘度を測定したところ、
剪断速度200秒-1に換算して3000ポイズであった。
実施例2 第2の方法による光安定化ポリアリーレンチオエーテル
の製造 〈ポリアリーレンチオエーテルの製造〉 実施例1のスラリーの一部7535g(P−DCB10.1モル含
有)と水540gを10lオートクレーブに仕込み窒素置換し
たのち昇温し、260℃5時間反応せしめた。反応後、反
応後スラリーの一部を採取し、末端チオラート基もしく
はチオール基の定量を行った。末端チオラート基もしく
はチオール基の総量は、20.3(マイクロモル/グラム硫
黄原子)であった。
残りのスラリーは重合実施例1と同様に後処理して、ポ
リマーを回収した。ポリマーの溶融粘度は3200ポイ
ズであった。
〈ポリマーの末端基の分析〉 本実施例において末端チオラート基又はチオール基の分
析定量は以下のようにして行なった。
重合反応終了後、直ちに反応液の一部をサンプリング
し、水中に投入してポリマーを析出させ、別して純水
中で洗浄する。次いで希塩酸水で処理して末端チオラー
ト基をチオール基に変え、純水中で30分間洗浄し、さら
にアセトンで30分間洗浄した後真空乾燥機で減圧乾燥
(室温)してポリマーサンプルを得た。その中からポリ
マーサンプル10mg〜1g程度を精秤して密栓型試験管に入
れ、アセトン2.5ml及びヨードアセトアミド50ミリモル/
lのアセトン溶液2.5mlを加えて密栓し、100℃で60分間
加熱し水冷する。その後開栓して液相部を分離し、紫外
線吸光光度計を用いて460nmの吸光度(I2の吸収度)を
測定した。
上記の操作における化学は反応を式で示すと以下のよう
になる。
イ.酸性化によるチオラート基のチオール基への変換 ロ.I2の遊離(ヨード・アセトアミド法) 予めモデルチオール化合物 に関して作製しておいた検量線を用いて、吸光度から末
端のチオール基濃度を算出した(尚、サンプル量はアセ
トンスラリー中のチオール基の濃度が0.1〜0.3ミリモル
の範囲になるように選択することが好ましい)。
同一乾燥サンプルにつき、3回ずつ分析を行ない、末端
チオール基濃度の平均値を求めた。
〈ベンゾトリアゾール系光安定剤の結合〉 含水NMP(含水率11重量%)600gに水酸化リチウム2g加
え強いアルカリ性とした(水10倍希釈液のpH=13)。こ
の液にポリマーを108g(硫黄原子1モル分)とTINUVI
N 327 0.01モルとを加え、255℃で3時間反応させた。
反応後、実施例1と同様に後処理してポリマーを得
た。又ポリマーとポリマーを1:1でブレンドしてポ
リマーを得た。
実施例3 光安定性の試験 〈比較光安定剤〉 71.58g(0.2モル)のTINUVIN 327及びテレフタル酸ク
ロライド20.30g(0.1モル)を無水ピリジンに溶解し、1
20℃で5時間リフラックス状態で反応させた。白色固体
生成を別し、アセトンで洗浄し室温で減圧乾燥した。
得られた白色固体を、赤外線吸収スペクトル(IR)、マ
ススペクトル(MS)及び核磁気共鳴(NMR)で同定した
結果、ヒドロキシ基(−OH)のない、下記に示すような
構造のエステルが主成分であることが判った(光安定剤
Iとする)。
光安定剤I: その他に下記の市販の光安定剤を使用した。
光安定剤II:TINUVIN 327(CIBA-GEIGY社製) [tBuは第3級ブチル基を表わす。] 光安定剤III:TINUVIN P(CIBA-GEIGY社製) 〈試料調製〉 ポリマーに対し、安定剤I、安定剤IIあるいは安定剤
IIIをそれぞれ0.5重量%を混入し、ベント付き押出機
で、330℃に加熱して溶融混練した。
得られたペレットを窒素雰囲気下でホットプレスを用
い、予熱320℃1分間の後320℃で30秒間加圧プレスし、
急冷して厚さ約0.3mmのシートに調製して耐光性試験に
供した(順に実施番号5,6,7で示す)。
ポリマー,,,についても上記と同様にしてシ
ート状の試料に調製した(実施番号1,2,3,4)。
〈耐光性試験〉 光安定性の評価方法として、各シート状の試料を光に暴
露し、被暴露試料につき着色程度をYellowness Indexで
評価した。着色光原はアトラス社製、室内光促進劣化試
験機INDOOR ACTINIC EXPOSURE SYSTEM HP-UV(光源;蛍
光灯11本,ガラス越しUVランプ2本)を用い、120時間
暴露試験を行なった(室内放置18ケ月相当)。
暴露試験後、色差計(東京電色KK製COLOR ACE TCA−
1)を用いてYellowness Indexを測定した。その結果を
表−1に示す。
表−1によると、ベンゾトリアゾールが結合したベンゼ
ン環の2の位置にOH基がある化学構造単位がポリアリー
レンチオエーテルに結合したもの、又はそれを混入した
ものは優れた耐光性を示すことが判明した。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I); [Rは水素又はC1〜C14の炭化水素もしくはハロゲン化
    炭化水素基、Xはハロゲン、Yは水素,ハロゲン又はC1
    〜C14の炭化水素もしくはハロゲン化炭化水素基であ
    る]で表されるハロゲン化有機化合物を硫黄1グラム原
    子に対し0.002〜0.2モルの割合で化学結合させたことを
    特徴とする一般式(II)〜(IV); 又は 又は [式中、Rは水素又はC1〜C14の炭化水素もしくはハロ
    ゲン化炭化水素基、X1及びX2は水素,ハロゲン,チオー
    ル基(−SH),チオラート基(−SM:Mはアルカリ金属で
    ある)又はC1〜C14の炭化水素もしくはハロゲン化炭化
    水素基、Y1は水素,ハロゲン又はC1〜C14の炭化水素も
    しくはハロゲン化炭化水素基、Y2はC1〜C14の炭化水素
    又はハロゲン化炭化水素基、Arはアリーレン基であり、
    m及びnは2以上の整数であって、但しm+nは5〜50
    0の範囲である]で表される光安定化ポリアリーレンチ
    オエーテル。
  2. 【請求項2】一般式(I); [Rは水素又はC1〜C14の炭化水素もしくはハロゲン化
    炭化水素基、Xはハロゲン、Yは水素,ハロゲン又はC1
    〜C14の炭化水素もしくはハロゲン化炭化水素基であ
    る]で表されるハロゲン化有機化合物を化学結合させた
    ことを特徴とする一般式(II)〜(IV); 又は 又は [式中、Rは水素又はC1〜C14の炭化水素もしくはハロ
    ゲン化炭化水素基、X1及びX2は水素,ハロゲン,チオー
    ル基(−SH),チオラート基(−SM:Mはアルカリ金属で
    ある)又はC1〜C14の炭化水素もしくはハロゲン化炭化
    水素基、Y1は水素,ハロゲン又はC1〜C14の炭化水素も
    しくはハロゲン化炭化水素基、Y2はC1〜C14の炭化水素
    又はハロゲン化炭化水素基、Arはアリーレン基であり、
    m及びnは2以上の整数であって、但しm+nは5〜50
    0の範囲である]で表される、ハロゲン化有機化合物が
    化学結合した光安定化ポリアリーレンチオエーテルと、
    該ハロゲン化有機化合物が化学結合していない非光安定
    化ポリアリーレンチオエーテルとからなる組成物であっ
    て、該ハロゲン化有機化合物が組成物中の硫黄1グラム
    原子に対し0.002〜0.2モルの割合で化学結合されている
    ことを特徴とする光安定化ポリアリーレンチオエーテル
    組成物。
  3. 【請求項3】有機極性溶媒中でアルカリ金属硫化物とジ
    ハロゲン化芳香族化合物とから脱ハロゲン化/硫化反応
    によってポリアリーレンチオエーテルを生成させる際
    に、一般式(I); [Rは水素又はC1〜C14の炭化水素もしくはハロゲン化
    炭化水素基、Xはハロゲン、Yは水素,ハロゲン又はC1
    〜C14の炭化水素もしくはハロゲン化炭化水素基であ
    る]で表されるハロゲン化有機化合物を0.002〜0.2モル
    /グラム硫黄原子の割合で重合中に加え、次いで反応生
    成ポリマーを酸洗することを特徴とする一般式(II)〜
    (IV); 又は 又は [式中、Rは水素又はC1〜C14の炭化水素もしくはハロ
    ゲン化炭化水素基、X1及びX2は水素,ハロゲン,チオー
    ル基(−SH),チオラート基(−SM:Mはアルカリ金属で
    ある)又はC1〜C14の炭化水素もしくはハロゲン化炭化
    水素基、Y1は水素,ハロゲン又はC1〜C14の炭化水素も
    しくはハロゲン化炭化水素基、Y2はC1〜C14の炭化水素
    又はハロゲン化炭化水素基、Arはアリーレン基であり、
    m及びnは2以上の整数であって、但しm+nは5〜50
    0の範囲である]で表される光安定化ポリアリーレンチ
    オエーテルの製造方法。
  4. 【請求項4】強アルカリ性有機極性溶媒中の、分子末端
    にチオラート基もしくはチオール基を有効量有するポリ
    アリーレンチオエーテル重合物に、一般式(I); [Rは水素又はC1〜C14の炭化水素もしくはハロゲン化
    炭化水素基、Xはハロゲン、Yは水素,ハロゲン又はC1
    〜C14の炭化水素もしくはハロゲン化炭化水素基であ
    る]で表されるハロゲン化有機化合物を0.002〜0.2モル
    /グラム硫黄原子の割合で加え、脱ハロゲン化反応さ
    せ、次いで反応生成ポリマーを酸洗することを特徴とす
    る一般式(II)〜(IV); 又は 又は [式中、Rは水素又はC1〜C14の炭化水素もしくはハロ
    ゲン化炭化水素基、X1及びX2は水素,ハロゲン,チオー
    ル基(−SH),チオラート基(−SM:Mはアルカリ金属で
    ある)又はC1〜C14の炭化水素もしくはハロゲン化炭化
    水素基、Y1は水素,ハロゲン又はC1〜C14の炭化水素も
    しくはハロゲン化炭化水素基、Y2はC1〜C14の炭化水素
    又はハロゲン化炭化水素基、Arはアリーレン基であり、
    m及びnは2以上の整数であって、但しm+nは5〜50
    0の範囲である]で表される光安定化ポリアリーレンチ
    オエーテルの製造方法。
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