JPH07283210A - 絶縁膜形成装置及び絶縁膜形成方法 - Google Patents

絶縁膜形成装置及び絶縁膜形成方法

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JPH07283210A
JPH07283210A JP8795794A JP8795794A JPH07283210A JP H07283210 A JPH07283210 A JP H07283210A JP 8795794 A JP8795794 A JP 8795794A JP 8795794 A JP8795794 A JP 8795794A JP H07283210 A JPH07283210 A JP H07283210A
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JP
Japan
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insulating film
reactive gas
gas
film forming
oxygen
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JP8795794A
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English (en)
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Shunichi Yoshikoshi
俊一 吉越
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】絶縁膜の初期成膜段階から絶縁膜の一定速度で
の成膜を可能にし、絶縁膜の成膜制御性を高め、且つ、
所定の良好で均一な特性を有す絶縁膜を形成することが
できる絶縁膜形成装置、及び絶縁膜形成方法を提供す
る。 【構成】反応性ガスを用いて基体50の表面に絶縁膜を
形成する本発明の絶縁膜形成装置は、反応性ガス源1
0、絶縁膜形成室20、及び反応性ガス源と絶縁膜形成
室とを結ぶ反応性ガス導入管30を少なくとも備え、反
応性ガス導入管30には反応性ガスを外部に排気する排
気手段40が設けられている。絶縁膜形成方法は、反応
性ガスの流量及び/又は組成が所定の値となるまで反応
性ガスを系外に排気し続け、反応性ガスの流量及び/又
は組成が所定の値となった後、かかる反応性ガスを用い
て基体の表面に絶縁膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反応性ガスを用いて基
体表面に絶縁膜を形成するための絶縁膜形成装置、及び
絶縁膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最先端技術によって形成されるシリコン
集積回路、特にMOS(Metal-Oxide-Semiconductor)
集積回路では、膜厚が極めて薄い絶縁膜(酸化膜)がゲ
ート絶縁膜として用いられている。とりわけ、ゲート長
が1.0μm以下のサブミクロンMOS集積回路におい
ては、膜厚が例えば10nm以下のSiO2から成る絶
縁膜がゲート酸化膜として用いられている。このように
ゲート酸化膜の膜厚を薄くすることによって、MOSト
ランジスタの利得の向上が図られている。
【0003】絶縁膜の形成方法としては、酸化性雰囲気
の中でシリコン半導体基板を加熱処理する熱酸化法が主
に用いられている。そして、絶縁膜を形成する雰囲気と
しては、主に、乾燥酸素雰囲気、若しくは水蒸気(又は
加湿酸素)雰囲気が用いられている。水蒸気(又は加湿
酸素)雰囲気を用いた場合、以下のような利点が期待で
きる。 (1)乾燥酸素雰囲気よりも、絶縁膜の初期歩留まりが
高い。 (2)絶縁膜の経時劣化(TDDB)の寿命が長い。 (3)絶縁膜中にOH基が取り込まれることによって絶
縁膜の応力が緩和され、トレンチコーナー部等の段差部
における絶縁膜の薄膜化を抑制することができる。
【0004】シリコン半導体基板等の基体の表面に絶縁
膜を形成するために、通常、反応性ガス源、絶縁膜形成
室、及び反応性ガス源と絶縁膜形成室とを結ぶ配管を備
えた絶縁膜形成装置が用いられる。そして、絶縁膜を基
体表面に形成する場合、先ず、絶縁膜形成室に基体を搬
入する。この基体の絶縁膜形成室への搬入の際、絶縁膜
形成室内を不活性ガス(一般に窒素ガス)雰囲気下とし
ておく。基体の搬入が完了し、絶縁膜形成室内の基体の
温度が安定した後、絶縁膜形成雰囲気(例えば、酸化性
雰囲気)に絶縁膜形成室内を切り換える。
【0005】水蒸気(又は加湿酸素)雰囲気を形成する
ためには、一般的に、高純度の酸素ガスと水素ガスを反
応性ガス源内で反応(燃焼)させて得られる高純度の水
蒸気を用いるパイロジェニック酸化法が採用されてい
る。そして、生成された水蒸気を酸素ガス若しくは窒素
ガスで所定の濃度に希釈して、配管を介して絶縁膜形成
室内に導入する。酸素ガスと水素ガスとを反応性ガス源
内で反応(燃焼)させる際には、反応性ガス源内に、先
ず酸素ガスを供給し、十分な酸素ガスが存在するところ
へ水素ガスを供給して酸素ガスと水素ガスの反応(燃
焼)を開始させる。これは、未反応の水素ガスが残らな
いようにするための安全上の方策である。また、通常、
酸素ガスと水素ガスの反応(燃焼)開始直後(反応初期
段階とも呼ぶ)においては、所定の流量より少ない流量
の水素ガスで反応を開始させる。このような操作は、ソ
フトスタートと呼ばれている。これも、未反応の水素ガ
スが残らないようにするための安全上の方策である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、反応初期
段階においては、所定の水分含有率よりも低い水分含有
率を有するガスが絶縁膜形成室に導入される。尚、この
ガスは、水蒸気を含有する酸素ガス及び必要に応じて加
えられた希釈用ガスから成り、以下、反応初期段階の湿
式ガスとも呼ぶ。通常、反応初期段階から反応性ガス源
への水素ガスの供給量を徐々に増加させていく。その結
果、ある程度の時間を経て酸素ガスと水素ガスの反応量
が所定の値となった状態では、水分含有率は反応初期段
階の湿式ガスよりも高くなる。尚、このような状態の湿
式ガスを、反応安定段階の湿式ガスとも呼ぶ。
【0007】絶縁膜形成室内に設置された基体の表面で
は、水分を含有するこの湿式ガスによって絶縁膜の形成
が始まる。湿式ガス中の水分含有率の経時的な変化に起
因して、反応初期段階の湿式ガスによって成膜された絶
縁膜の特性は、反応安定段階の湿式ガスによって成膜さ
れた絶縁膜の特性と異なる。従来、最終的に形成される
絶縁膜の膜厚と比較して、この反応初期段階の湿式ガス
によって形成された絶縁膜の膜厚は十分薄いため、湿式
ガス中の水分含有率の経時的な変化に起因した絶縁膜の
特性変化は殆ど無視することができた。しかしながら、
近年、形成される絶縁膜の膜厚が10nm以下になって
くると、膜厚の数十%程度が反応初期段階の湿式ガスに
よって成膜された絶縁膜で占められてしまうため、絶縁
膜の特性変化が無視できなくなってきている。例えば、
全体で6nmの厚さの絶縁膜を形成した場合、反応初期
段階の湿式ガスによって成膜された絶縁膜の膜厚は2n
m程度にもなる。
【0008】シリコン半導体基板表面を乾燥酸素によっ
て酸化させ、引き続き、湿式ガスによって酸化させ、最
終的に15nmの酸化膜を形成したときの、乾燥酸素で
の酸化によって形成された酸化膜と湿式ガスでの酸化に
よって形成された酸化膜の各々の膜厚の比率と酸化膜の
耐圧特性が、水原他、第54回応用物理学会予稿集、N
o.2、p631(1993)27a−X−8 「ゲー
ト酸化膜特性に対する昇温後保持時間の影響」にて報告
されている。この文献によれば、乾燥酸素による酸化膜
の膜厚比率が高いほど、MOSダイオードの良品率が下
がることが報告されている。
【0009】また、シリコン半導体基板を絶縁膜形成室
へ搬入し、窒素希釈の乾燥酸素雰囲気(酸素:50%)
で30分保持した後、湿式ガスで酸化膜を15nm,1
0.1nm,7.2nm,5.3nm形成したときの酸
化膜の信頼性(Qbd:絶縁破壊までに注入された全電荷
量)が、築地他、第52回応用物理学会予稿集、No.
2,p656(1991)10p−B−1 「ゲート酸
化膜に対する extraneous oxidation の影響」に報告さ
れている。この文献によれば、窒素希釈の乾燥酸素雰囲
気で30分保持した後に作製されたポリシリコンゲート
MOS容量と比較して、シリコン半導体基板を絶縁膜形
成室へ搬入した後直ちに作製されたポリシリコンゲート
MOS容量の方がQbdの値が高く、高い信頼性が得られ
たことが報告されている。尚、酸化膜の膜厚が薄いほ
ど、Qbdの値の向上は顕著であることも報告されてい
る。
【0010】これらの報告は、上述の反応初期段階の湿
式ガスによる絶縁膜の形成時、所定の水分含有率よりも
低い湿式ガスによって形成された絶縁膜が、最終的に形
成される絶縁膜の特性を劣化させる可能性を示してい
る。
【0011】また、反応初期段階の湿式ガスによる絶縁
膜の成膜速度と、反応安定段階の湿式ガスによる絶縁膜
の成膜速度が相違する。その結果、成膜時間を単に制御
することで絶縁膜の膜厚を制御することは極めて困難で
ある。
【0012】例えばシリコン酸化膜から成る絶縁膜を基
体表面に形成する際、絶縁膜にはH2O、OH、H等が
取り込まれる。これらの絶縁膜に取り込まれたH2O、
OH、H等は絶縁膜の特性に大きく影響する。然るに、
反応初期段階の湿式ガスによって形成された絶縁膜と、
反応安定段階の湿式ガスによって形成された絶縁膜とで
は、絶縁膜に取り込まれるH2O、OH、H等の量が相
違し、その結果、絶縁膜の特性に変動が生じる。
【0013】従って、本発明の目的は、湿式ガス等の反
応性ガスによる絶縁膜の形成において、絶縁膜の初期成
膜段階から絶縁膜の一定速度での成膜を可能にし、絶縁
膜の成膜制御性を高め、且つ、所定の良好で均一な特性
を有す絶縁膜を形成することができる絶縁膜形成装置、
及び絶縁膜形成方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの、反応性ガスを用いて基体表面に絶縁膜を形成する
本発明の絶縁膜形成装置は、反応性ガス源、絶縁膜形成
室、及び反応性ガス源と絶縁膜形成室とを結ぶ反応性ガ
ス導入管を少なくとも備え、反応性ガス導入管には反応
性ガスを外部に排気する排気手段が配されていることを
特徴とする。
【0015】本発明の絶縁膜形成装置においては、反応
性ガス源を、酸素と水素の燃焼によって水蒸気を生成さ
せる燃焼装置から構成し、あるいは又、乾燥酸素を導入
して酸素に水蒸気を含有させるための水バブラから構成
することができる。更には、反応性ガス導入管及び排気
手段には加熱装置が備えられていることが望ましい。
【0016】尚、高純度水を100゜C以上に加熱する
ことによって生成した水蒸気を反応性ガスとして用いて
絶縁膜を形成する、所謂水蒸気酸化法に適した反応性ガ
ス源は、高純度水加熱装置から成る。また、窒素ガス等
の不活性ガスを希釈用ガスとして用いて酸素の分圧を低
下させて絶縁膜を形成する、所謂分圧酸化法に適した反
応性ガス源は、酸素ガスと不活性ガスとを混合するため
のガス混合器から成る。塩酸、塩素ガスあるいはトリク
レン蒸気等と酸素ガスの混合ガスから成る反応性ガスを
用いた、所謂塩酸酸化法に適した反応性ガス源は、塩
酸、塩素ガスあるいはトリクレン蒸気等と酸素ガスとを
混合するためのガス混合器から成る。
【0017】更には、例えば、シリコン半導体基板から
成る基体の表面にSiNやSiOXYから成る絶縁膜を
形成する場合の反応性ガス源は、窒素ガス及び/又は酸
素ガスとアンモニアガスのガス混合器、あるいは又、窒
素ガス及び/又は酸素ガスとN2Oのガス混合器から構
成することができる。
【0018】上記の目的を達成するための本発明の絶縁
膜形成方法は、反応性ガスの流量及び/又は組成が所定
の値となるまで反応性ガスを系外に排気し続け、反応性
ガスの流量及び/又は組成が所定の値となった後、かか
る反応性ガスを用いて基体の表面に絶縁膜を形成するこ
とを特徴とする。反応性ガスという語には、2種類以上
の気体又は液体を反応させることによって生成されたガ
スだけでなく、2種類以上の気体又は液体を混合するこ
とによって得られるガス、更には、絶縁膜を形成し得る
1種類のガスも包含される。
【0019】本発明の絶縁膜形成方法においては、反応
性ガスを酸素と水素の燃焼によって生成させることがで
き、あるいは又、水バブラ法にて生成させることができ
る。これによって生成される反応性ガスは、水分を含有
する酸素であり、このような方法で絶縁膜を形成する方
法は一般には加湿酸化法と呼ばれている。この場合、基
体がシリコン半導体基板から構成されていれば、基体表
面にはSiO2から成る絶縁膜が形成される。尚、窒素
ガス等の不活性ガスを希釈用ガスを含めることができ
る。
【0020】本発明の絶縁膜形成方法は、更に、水蒸気
酸化法(この場合には、反応性ガスは水蒸気から成
る)、分圧酸化法(この場合には、反応性ガスは酸素ガ
ス及び窒素ガスから成る)、塩酸酸化法(この場合に
は、反応性ガスは、塩酸、塩素ガスあるいはトリクレン
蒸気と酸素ガスの混合ガスから成る)等に適用すること
もできる。
【0021】更には、例えば、シリコン半導体基板から
成る基体の表面にSiNやSiOXYから成る絶縁膜を
形成する場合にも、本発明の絶縁膜形成方法を適用する
ことができる。この場合には、反応性ガスとして、酸素
ガスとアンモニアガスの混合ガス、あるいは又、N2
ガスを用いる。
【0022】
【作用】基体に絶縁膜を形成する場合、通常、窒素ガス
のような不活性ガス雰囲気下にある絶縁膜形成室に基体
を先ず搬入し、絶縁膜形成室内で基体を加熱する。この
間、基体表面での絶縁膜の成膜は進行しない。そして、
基体の温度が安定した後、絶縁膜の成膜を開始する。
【0023】本発明の絶縁膜形成装置を用いた本発明の
絶縁膜形成方法においては、絶縁膜の成膜初期段階か
ら、所定の流量及び/又は組成を有する反応性ガスが絶
縁膜形成室に導入されるため、絶縁膜の成膜初期段階か
ら所定の雰囲気下で絶縁膜の成膜を行うことができる。
従って、本発明においては、従来技術のように、絶縁膜
の成膜初期段階に成膜雰囲気が変化することによる絶縁
膜の成膜速度が変化することを防止でき、絶縁膜の成膜
時間による膜厚制御が行い易く、より精密に絶縁膜の膜
厚を制御することができる。
【0024】また、形成される絶縁膜の成膜雰囲気に依
存する膜質や特性も、成膜開始時から均一化することが
でき、しかも、絶縁膜全体において所定の良好な且つ均
一な特性を有する絶縁膜を形成することができる。特
に、シリコン酸化膜から成る絶縁膜を形成する場合、シ
リコン酸化膜中のH2O、OH、H等が絶縁膜の特性に
大きく影響するが、これらの含有率は成膜雰囲気の水分
含有率に依存する。本発明の絶縁膜形成方法において
は、反応性ガスの流量及び/又は組成を絶縁膜の成膜初
期段階から均一にすることができ、絶縁膜中のH2O、
OH、H等の含有率を一定化することができる。
【0025】反応性ガス導入管及び排気手段に加熱装置
を配することによって、反応性ガス導入管及び排気手段
が例えば結露することを効果的に防止することができ
る。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき、本
発明を説明する。但し、本発明は実施例により限定され
るものではない。
【0027】(実施例1)実施例1の絶縁膜形成装置の
概要を図1に示す。絶縁膜形成装置は、反応性ガス源1
0、絶縁膜形成室20、及び反応性ガス源10と絶縁膜
形成室20とを結ぶ反応性ガス導入管30を備えてい
る。反応性ガス源10には、酸素ガス導入部11及び水
素ガス導入部12が設けられている。反応性ガス源10
は、酸素と水素の燃焼によって水蒸気を生成させる燃焼
装置から成る。絶縁膜形成室20には、バルブ24を介
して窒素ガス等の不活性ガス源(図示せず)に結ばれた
不活性ガス導入部23、絶縁膜形成室内のガスを外部に
排気するためのガス排気部25が設けられている。絶縁
膜形成室20の内部には、例えばシリコン半導体基板か
ら成る基体50を収納・保持した基体保持具21が配置
される。また、絶縁膜形成室20の周囲にはヒーター2
2が配設されている。反応性ガス源10と絶縁膜形成室
20とを結ぶ石英製の反応性ガス導入管30には、バル
ブ31が配置されている。
【0028】反応性ガス導入管30には、反応性ガス源
10からの反応性ガスを外部に排気する排気手段40が
設けられている。排気手段40は、具体的には石英製の
配管であり、排気手段40と反応性ガス導入管30の間
にはバルブ41が配置されている。
【0029】本発明の絶縁膜の形成方法の実施に際して
は、先ず、バルブ24,25を開き、不活性ガス源から
不活性ガス導入部23を介して絶縁膜形成室20内に不
活性ガス(例えば、窒素ガス)を導入し、絶縁膜形成室
20内を不活性ガス雰囲気(窒素ガス雰囲気)としてお
く。尚、窒素ガスの代わりに、如何なる不活性ガスを用
いることもできる。そして、基体保持具21に収納・保
持された基体50を、絶縁膜形成室20内に図示しない
搬入出装置を用いて搬入する。絶縁膜形成室20内は不
活性ガスで充填されているので、基体50の表面に絶縁
膜が形成されることを抑制することができる。
【0030】この際、絶縁膜形成室20はヒーター22
によって加熱され、所定の温度に保持されている。搬入
された基体50は加熱され、所定の温度に維持される。
基体搬入時の基体温度と絶縁膜成膜時の基体温度は必ず
しも同一ではないが、最終的には、基体50は絶縁膜成
膜時の所定の温度に維持される。
【0031】一方、絶縁膜成膜のための反応性ガス(水
蒸気+O2)を、所謂外部燃焼装置である反応性ガス源
10で生成する。反応性ガスの生成に際しては、予め、
バルブ31を閉じ、バルブ41を開いておく。そして、
先ず、酸素ガス導入部11を介して酸素ガス源(図示せ
ず)から反応性ガス源10に酸素ガスを導入し、反応性
ガス源10内を酸素ガスで充填する。酸素ガスの流量
を、例えば5SLMとする。反応性ガス源10から流出
した酸素ガスは、バルブ41を介して排気手段40から
外部に排気される。バルブ31を閉じているので、酸素
ガスが絶縁膜形成室20内に流入することがない。従っ
て、基体50の表面に絶縁膜は形成されない。
【0032】次に、酸素ガスで充填された反応性ガス源
10内に、水素ガス導入部12を介して水素ガス源(図
示せず)から水素ガスを導入する。水素ガスの流量を、
当初、例えば1SLMとする。尚、酸素ガスを反応性ガ
ス源10内に導入し続ける。反応性ガス源10内は、図
示しないヒーターによって、例えば750゜Cに保たれ
ており、この熱によりO2とH2が反応し、1SLMの水
蒸気が生成され、4.5SLMのO2が残る。H2の全て
が反応し、H2は残存しない。結果的に、1SLMの水
蒸気を4.5SLMのO2で希釈した反応性ガスが反応
性ガス源10内で生成されたことになる。このような流
量及び組成を有する反応性ガスは、必ずしも成膜に必要
とされる反応性ガスと同一の流量及び組成であるとは限
らない。O2とH2の反応初期段階における水素ガスの導
入量は、H2とO2が確実に反応してH2が残存しないよ
うに、また、急激に反応しないように、所定の水素ガス
の流量よりも少なくしているためである。
【0033】H2とO2の反応開始後、徐々に水素ガスの
流量を増加させ、所定の流量(例えば、5SLM)にす
る。酸素ガスの流量は、通常、初めから所定の流量(例
えば5SLM)にしておく。水素ガスの流量が所定の流
量になるまで、反応性ガスは排気手段40を通して系外
に排気し続ける。反応性ガス導入管30に配置されたバ
ルブ31は閉じており、絶縁膜形成室20へは反応性ガ
スが導入されないため、基体50の表面に絶縁膜が形成
されることを防止できる。
【0034】水素ガスの流量が所定の流量になったなら
ば、5SLMの水蒸気が生成され2.5SLMの酸素ガ
スが残る。H2は反応しきっており残存しない。結果的
に、5SLMの水蒸気を2.5SLMの酸素ガスで希釈
した反応性ガスが、反応性ガス源10で生成されたこと
になる。
【0035】このような組成を有する反応性ガスは、反
応初期段階に生成した反応性ガスとは含まれる水蒸気の
濃度が異なり、また、水蒸気、O2の各々の分圧も異な
るため、絶縁膜の成膜速度も異なる。また、成膜される
絶縁膜に含まれるH、OH、H2Oが異なり、絶縁膜の
膜質、特性も異なる。
【0036】所定の流量及び組成を有する反応性ガスが
反応性ガス源10で安定的に生成され始めた後、バルブ
41を閉じ、排気手段40からの反応性ガスの系外への
排気を中止する。同時に、あるいはバルブ41の閉と前
後して、反応性ガス導入管30に配置されたバルブ31
を開き、所定の流量及び組成を有する反応性ガスを絶縁
膜形成室20内に導入する。同時に、あるいは反応性ガ
スの絶縁膜形成室20への導入の前に、バルブ24を閉
じ、絶縁膜形成室20への不活性ガスの導入を中止す
る。
【0037】これにより、絶縁膜形成室20は所定の流
量及び組成の反応性ガスで満たされ、基体50の表面に
例えばSiO2から成る絶縁膜が成膜され始める。絶縁
膜の成膜初期段階から所定の流量及び組成の反応性ガス
で絶縁膜が成膜されるため、絶縁膜の成膜初期段階から
所定の成膜速度で絶縁膜の成膜が進行する。それ故、成
膜時間による絶縁膜の膜厚制御を容易に行うことがで
き、より精密に絶縁膜の膜厚制御を行うことができる。
特に、成膜時間の短い極めて薄い絶縁膜の形成に対して
効果が大きい。また、絶縁膜の成膜初期段階から所定の
流量及び組成の反応性ガスで絶縁膜を成膜することがで
きるので、絶縁膜の成膜初期段階から成膜される絶縁膜
に含まれるH、OH、H2O等が所定の濃度になるな
ど、所定の良好な膜質や特性を有す絶縁膜を形成するこ
とができる。
【0038】所定の膜厚の絶縁膜が基体50の表面に成
膜された時点で、反応性ガス導入管30に配置されたバ
ルブ31を閉じ、同時にあるいは前後して排気手段40
に配置されたバルブ41を開き、排気手段40から反応
性ガスを系外に排気する。同時に、バルブ24を開い
て、不活性ガスを絶縁膜形成室20に導入し、絶縁膜形
成室20内を窒素ガス等の不活性ガスで満たす。以上で
基体50の表面における絶縁膜の形成が終了する。次い
で、図示しない搬入出装置を用いて、基体50を絶縁膜
形成室20から搬出する。
【0039】一方、反応性ガス源10への酸素ガス及び
水素ガスの導入を停止し、O2とH2の反応を停止させ
る。通常、水素ガスが反応性ガス源10内に残存しない
ように(即ち、反応性ガス源10内で全ての水素ガスが
反応してしまうように)、酸素ガスを流し続けながら水
素ガスの反応性ガス源10への導入を停止し、次いで、
水素ガス導入部12に水素ガスが残らないように水素ガ
ス導入部12に不活性ガス(例えば、窒素ガス)を流し
て水素ガスを追い出し、水素ガス導入部12内をパージ
する。通常、反応性ガス源10内に水素ガスをパージ
し、この水素ガスも全て酸素ガスと反応させてしまう。
水素ガス導入部12のパージが終了し、水素ガスが系内
から完全に除去された後、反応性ガス源10への酸素ガ
スの導入を停止する。
【0040】以上で、基体の表面における絶縁膜の形成
工程の全てが終了する。従来は、絶縁膜の形成完了後も
反応性ガスが絶縁膜形成室20内に流入し続けていたた
め、所定の流量及び組成の反応性ガスとは異なる反応性
ガスによる絶縁膜の成膜が進行してしまったが、本発明
によれば、このような問題を確実に防止することができ
る。尚、以上に説明した本発明の絶縁膜形成方法の工程
の流れの概要を図2に示した。
【0041】(実施例2)実施例2の絶縁膜形成装置の
概要を図3に示す。実施例2の絶縁膜形成装置は、基本
的には実施例1で説明した絶縁膜形成装置と同様の構成
である。実施例1と相違する点は、反応性ガス導入管3
0及び排気手段40に加熱装置60が配されている点、
及び反応性ガス源10Aを水バブラから構成した点にあ
る。実施例2においては、加熱装置60をヒーターが組
み込まれたテープとした。かかるテープを反応性ガス導
入管30及び排気手段40の外壁、バルブ31,41の
外壁に巻き付ければよい。反応性ガスが水分を含有する
場合、反応性ガス導入管30及び排気手段40内を流れ
る反応性ガスを加熱装置60によって100゜C以上に
加熱することが望ましい。尚、反応性ガス導入管30及
び排気手段40を効果的に加熱できるものであれば如何
なる加熱装置を用いてもよい。
【0042】反応性ガス源10で生成された水分を含む
反応性ガスは、反応性ガス導入管30や排気手段40で
冷却され、場合によっては、反応性ガス導入管30や排
気手段40が結露する。結露した水が少量の場合には問
題はないが、多くなると、絶縁膜形成室20内に水が侵
入して基体80と局所的に反応し、不均一な絶縁膜が基
体50に形成されてしまう。あるいは又、水が反応性ガ
ス源10に逆流する。更には、結露によって反応性ガス
の水分含有率が変動する。このような種々の問題を加熱
装置60を設けることによって効果的に回避することが
可能になる。
【0043】乾燥酸素ガスが、酸素ガス導入部11Aを
介して反応性ガス源10に導入される。反応性ガス源1
0内には純水が供給されており、反応性ガス源10から
流出する酸素から成る反応性ガスには水分が含有され
る。
【0044】
【発明の効果】本発明の絶縁膜形成装置を用いること
で、反応性ガスを用いた絶縁膜の形成において、絶縁膜
の成膜初期段階から終了まで、所定の流量及び/又は組
成の反応性ガスによる絶縁膜の形成が可能になる。
【0045】これによって、絶縁膜の成膜初期段階から
終了まで、所定の膜質や特性を有する均一な絶縁膜の形
成が可能になり、膜質や特性の制御が容易になる。特
に、薄い絶縁膜を形成する場合、大きな効果を得ること
ができる。例えば、絶縁膜の成膜初期段階において所定
の水分含有率より少ない水分含有率を有する反応性ガス
によって絶縁膜が形成されると、かかる絶縁膜の部分は
所望の特性とは異なる特性を有することになり、最終的
に成膜される絶縁膜の特性にも影響を与える。特に、1
0nm以下の薄い絶縁膜になると、このような現象は顕
著になる。
【0046】また、絶縁膜の成膜初期段階から終了まで
一定の成膜速度で成膜が進行するため、成膜時間による
絶縁膜の膜厚制御を容易に行うことができ、より精密に
絶縁膜の膜厚管理を行うことができる。特に、薄い絶縁
膜を形成する場合、成膜時間が短いので、効果が大き
い。例えば、絶縁膜の成膜初期段階において所定の水分
含有率より少ない水分含有率を有する反応性ガスによっ
て絶縁膜が形成されると、かかる絶縁膜の部分の成膜速
度は遅い。反応性ガスの水分含有率が高くなるに従い、
絶縁膜の成膜速度が増加する。従って、このような場
合、成膜時間で膜厚制御を行うと、複雑な膜厚計算が必
要になる。また、成膜雰囲気が段階的に変化する場合に
は、単純な計算にて成膜時間で膜厚制御を行うことは不
可能である。
【0047】更には、所謂、パイロジェニック酸化法に
よる10nm以下、特に6nm以下のシリコン酸化膜か
ら成る絶縁膜の形成が容易になる。従来では、パイロジ
ェニック酸化法の実行の前に流す乾燥酸素によって、成
膜温度にも依存するが、2〜4nmのドライ酸化膜が基
体表面に形成されてしまい、パイロジェニック酸化法に
よるシリコン酸化膜のみを基体表面に形成することが困
難であった。本発明によれば、基体表面にドライ酸化膜
が形成されることを回避でき、より薄い絶縁膜をより高
温で形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の絶縁膜形成装置の概要を示す図であ
る。
【図2】本発明の絶縁膜形成方法の工程を説明するため
の流れ図である。
【図3】実施例2の絶縁膜形成装置の概要を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 反応性ガス源 11 酸素ガス導入部 12 水素ガス導入部 20 絶縁膜形成室 21 基体保持具 22 ヒーター 23 不活性ガス導入部 24,31,41 バルブ 25 ガス排気部 30 反応性ガス導入管 40 排気手段 50 基体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応性ガスを用いて基体表面に絶縁膜を形
    成する絶縁膜形成装置であって、 反応性ガス源、絶縁膜形成室、及び該反応性ガス源と絶
    縁膜形成室とを結ぶ反応性ガス導入管を少なくとも備
    え、 該反応性ガス導入管には反応性ガスを外部に排気する排
    気手段が設けられていることを特徴とする絶縁膜形成装
    置。
  2. 【請求項2】反応性ガス源は、酸素と水素の燃焼によっ
    て水蒸気を生成させる燃焼装置から成ることを特徴とす
    る請求項1に記載の絶縁膜形成装置。
  3. 【請求項3】反応性ガス源は、乾燥酸素を導入して酸素
    に水蒸気を含有させるための水バブラから成ることを特
    徴とする請求項1に記載の絶縁膜形成装置。
  4. 【請求項4】反応性ガス導入管及び排気手段には加熱装
    置が配されていることを特徴とする請求項1乃至請求項
    3のいずれか1項に記載の絶縁膜形成装置。
  5. 【請求項5】反応性ガスの流量及び/又は組成が所定の
    値となるまで反応性ガスを系外に排気し続け、反応性ガ
    スの流量及び/又は組成が所定の値となった後、該反応
    性ガスを用いて基体の表面に絶縁膜を形成することを特
    徴とする絶縁膜形成方法。
  6. 【請求項6】反応性ガスを酸素と水素の燃焼によって生
    成させることを特徴とする請求項5に記載の絶縁膜形成
    方法。
  7. 【請求項7】反応性ガスを水バブラ法にて生成させるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の絶縁膜形成方法。
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