JPH0728261Y2 - 外装パネルの取付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、建物のカーテンウオールにおいて外装パネ
ル、例えばガラス板を無目に挿着する取付け構造に関す
る。

（従来の技術） 従来から使用されているカーテンウオールの構造は、建
築物の躯体に縦材および横材を固定し、縦・横材間に構
成する方形空間内に該縦・横材の上下、左右面に設けた
面材の嵌め溝を利用してガラス板等の外装パネルを嵌装
した方立式のものが知られている。

さらに、例えば実開昭59−63122号公報には、複数枚の
ガラス板を隣接させて、その上下端部を横枠材のガラス
嵌め溝に嵌装し、各ガラス板の左右端部の支持には、ガ
ラス嵌め溝を有する縦枠材を使用せずに、左右ガラス板
の隣接端部をシール材で接合した構造のものが提案され
ている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来技術の前者は、予め躯体に縦・横材を取付けお
き、その後例えばガラス板等の外装面材を嵌装するもの
で、方立等を正確に取付けることは、相当の手間を必要
とした。

後者においては、躯体にフアスナーで立設する方立に縦
枠を固着し、パネルの上下端を横枠材の嵌め溝に支持さ
せ、左右端の隙間には前記縦材をバックアップ材として
コーキング材を充填接合してなるもので、横枠に加え方
立、縦材等を要し、その組立は複雑なため多くの作業時
間を必要とする欠点があった。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、従来のかかる問題に鑑みてなしたもので、例
えばガラス板を外装材とし、縦材に方立部材を貼着して
パネル化したものを嵌め溝の無目に挿入し、隣接する前
記方立部材を接着シールするもので、極めて容易に取付
け施工が実施できることを目的として、外装パネルの対
向する上下端部を無目の嵌め溝に嵌装せしめ、該外装パ
ネルの左右端部を隣接外装パネルの端部と接着シール材
で接合する外装パネルの取付け構造において、前記外装
パネルの上下端であって、その左右端縁部における室内
側面に円弧あるいは斜めに削成の切欠部を設けた方立部
材を構造用シーリング材で一体に貼着し、これを前記嵌
め溝に挿着する外装パネルの取付け構造を提供するもの
である。

（実施例） 以下、本考案の一実施例について図面に基づき詳細に説
明する。

第１図は本考案の外装パネルを示した斜視図、第２図は
本考案のカーテンウオール構造の全体を示す概略正面
図、第３図は第２図のＡ−Ａ断面図を示し、第４図は第
２図のＢ−Ｂ断面図、第５図は本考案の他の実施態様を
示す第２図のＢ−Ｂ断面図である。２ は外装パネルであって、躯体７に固定手段により所定
の位置に取付ける無目10の嵌め溝に外装パネル２の上下
端縁を挿入し、該パネルを支持するものであるが、嵌め
溝と該パネル面の隙間、隣接のパネルとの間隙等にはウ
エザーシーリング材13を充填して外装パネル２を保持す
る構造のものである。

方形でパネル材を例えばガラス板１を使用した外装パネ
ル２は、左右の端縁部に例えばＬ字状断面で、その端縁
側の面には凸部３を設けた方立部材４を構造用シーリン
グ材５を介して接着し、該方立部材の両端は、予め室内
側に面する部分の一部を切欠した切欠部６を形成してな
るものである。

該切欠部はＬ状な切り込みでなく、円弧状、もしくは傾
斜を設けるように切欠することが、方立部材４に作用す
る応力に対して好ましいものである。

組立られパネル化されたガラス板１は、躯体７にボルト
ナットや溶接で固定する無目10に嵌装するが、該無目の
断面形状は上下に開口の凹溝８、９を形成し、該凹溝の
内面に凸部16を設けた引き抜き材からなるものである。

外装パネル２の取付けは、障子の嵌め込みと同様に外装
パネル２を持ち上げてその上端部を凹溝８内へ挿入、そ
の後下端部を凹溝９に落とし込む簡易な嵌め込みによる
が、方立部材４の上下端に設けた切欠部６を形成せしめ
ているので、凹溝８、９への挿入には何ら支障を来すこ
とはない。

ガラス板１の下端部は、凹溝９の底面に接着する硬質ゴ
ム、木材等からなるセッテングブロック11により支持
し、ガラスの両面と凹溝８、９の室内外側面との隙間に
は、バックアップ材12を前記凸部16まで挿入してガラス
板１の位置決めをし、その後ウエザーシーリング材13を
充填し、該シーリング材の硬化によってガラス板１は接
着固定されるものである。

隣接するガラス板１とは、若干な隙間を設けておき、室
内外よりバックアップ材14を方立部材４の側面に設けた
凸部３まで挿入し、その面とガラス板１端面とに室内外
よりウエザーシーリング材13を充填して接合するもので
ある。

第５図に示すように、切欠部６を設けた方立部材４のガ
ラス接着面側に該部材と一体に構成した溝部15を設け、
該溝部にガラス板１を挿入し、構造用シーリング材５で
貼着した外装パネル２を無目10の凹溝８、９に嵌入して
もよい。

以下、本考案の作用を説明する。

工場で製作された外装パネル２を建築現場に持ち込み、
無目10の凹溝８、９に嵌入するが、従来の躯体７に固着
する方立、縦枠材等は無く、その機能を受け持つ部材
は、ガラス板１に構造用シーリング材５で貼着する方立
部材４と一部を無目10が負担し、方形なガラス板１に作
用する風圧荷重は無目10と方立部材４に曲げ作用が働
き、それに耐える断面部材に構成するものである。

方立部材４の両端を切欠する断面は、その部分に作用す
る曲げモーメントが、方立部材４の中央に比較して小さ
く、よって方立部材４の両端に設けた切欠部６の断面で
充分に耐え、さらに構造用シーリング材５の高モジュラ
ス性能でガラス板１の動きを減少させ、ガラスに加わる
荷重を直接方立部材４に伝達するものである。

また、風圧における負圧においても、構造用シーリング
材５の高接着力により剥離現象もなく、さらにガラス板
１の上下端部と一体に、方立部材４の両端に設けた切欠
部６を無目10の嵌め溝である凹溝８、９に嵌入すること
によりさらに安全性は高まるものである。

また、地震で発生する層間変位においてもガラス板１
は、無目10の動きに追従するが、躯体７に固定する方
立、縦枠材等を削除した構成により、ガラス板１の左右
端と衝接する部材が無く、よって層間変位の吸収手段を
新たに組み込む必要がないものである。

（考案の効果） 本考案は、従来の躯体に固着する方立を必要としない構
成により、部材の製作、現地での取付け作業が大幅に省
力化され、パネル化においては方立部材の貼着に構造用
シーリング材を用い、しかも工場製作による均一で安定
した品質、さらに方立部材と無目との組み合わせにより
風圧、地震にも充分耐える等優れた効果を奏するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の外装パネルを示した斜視図、第２図は
本考案のカーテンウオール構造の全体を示す概略正面
図、第３図は第２図のＡ−Ａ断面図を示し、第４図は第
２図のＢ−Ｂ断面図、第５図は本考案の他の実施態様を
示す第２図のＢ−Ｂ断面図である。２ …外装パネル、４…方立部材 ５…構造用シーリング材 ６…切欠部、８、９…凹溝 10…無目

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外装パネルの対向する上下端部を無目に嵌
   め溝に嵌装せしめ、該外装パネルの左右端部を隣接外装
   パネルの端部と接着シール材で接合する外装パネルの取
   付け構造において、前記外装パネルの上下端であって、
   その左右端縁部における室内面側に円弧あるいは斜めに
   削成の切欠部を設けた方立部材を構造用シーリング材で
   一体に貼着し、これを前記嵌め溝に挿着することを特徴
   とする外装パネルの取付け構造。