JPH0728030A - オーディオ機器の音声信号強度表示装置 - Google Patents

オーディオ機器の音声信号強度表示装置

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JPH0728030A
JPH0728030A JP5170205A JP17020593A JPH0728030A JP H0728030 A JPH0728030 A JP H0728030A JP 5170205 A JP5170205 A JP 5170205A JP 17020593 A JP17020593 A JP 17020593A JP H0728030 A JPH0728030 A JP H0728030A
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display
crystal cell
plate
retardation plate
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JP5170205A
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English (en)
Inventor
Yasufumi Nishida
八寿史 西田
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0728030A publication Critical patent/JPH0728030A/ja
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F2203/00Function characteristic
    • G02F2203/34Colour display without the use of colour mosaic filters

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Signal Processing Not Specific To The Method Of Recording And Reproducing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】カラーフィルタを用いずに透過光を着色して光
の透過率を高くし、表示の明るさを十分高くすることが
できるとともに、液晶セルの各セグメント電極に対応す
る部分の表示色をそれぞれ複数色に変化させて、音声信
号強度を複数の色で表示する。 【構成】各周波数帯域の音声信号強度表示領域ごとに複
数に分割されたセグメント電極24を有する液晶セル2
0をはさんで一対の偏光板31,32を配置するととも
に、液晶セル20と上偏光板31との間に位相差板30
を設け、かつ位相差板30はその遅相軸を上偏光板31
の透過軸に対し所定角度斜めにずらして配置してなり、
液晶セル20の各セグメント電極24に対応する部分の
表示色がそれぞれセグメント電極24とコモン電極23
との間に印加する電圧に応じて複数の色に変化する液晶
表示体10とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーディオ機器に設け
られて各周波数帯域の音声信号の強度をカラー表示する
音声信号強度表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オーディオ機器に設けられる音声信号強
度表示装置として、液晶表示体を用いて各周波数帯域の
音声信号の強度を表示するものがある。この音声信号強
度表示装置は、従来、液晶セルを備えた液晶表示体と、
オーディオ機器の制御部で検出された各周波数帯域の音
声信号強度に応じた表示信号に基づいて液晶表示体の液
晶セルを駆動する表示駆動部とで構成されている。
【0003】上記液晶表示体は、一般に、TN型の液晶
セルをはさんで一対の偏光板を配置した構成となってお
り、液晶セルとしては、各周波数帯域の音声信号強度表
示領域ごとに複数に分割されたセグメント電極を形成し
た透明基板と前記セグメント電極と対向するコモン電極
を形成した透明基板との間に液晶を封入したものが用い
られている。
【0004】この音声信号強度表示装置は、オーディオ
機器の制御部で検出された各周波数帯域の音声信号強度
に応じて液晶セルを駆動することにより、液晶表示体の
表示を変化させるものであり、各周波数帯域の音声信号
強度は、例えば電圧を印加するセグメント電極数に応じ
て長さが変わる棒グラフ状の表示パターンで表示されて
いる。
【0005】ところで、上記音声信号強度表示装置に
は、白黒表示式のものとカラー表示式のものとがあり、
カラー表示式の音声信号強度表示装置としては、従来、
液晶表示体を構成する液晶セルの一方の透明基板に、透
過光を着色するためのカラーフィルタを設けたものがあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のカラー表示式音声信号強度表示装置は、カラーフィ
ルタを用いて透過光を着色するものであるため、光の透
過率が低く、したがって表示が暗いという問題をもって
いる。
【0007】これは、カラーフィルタでの光の吸収によ
るものであり、カラーフィルタは、その色に対応する波
長帯域の光もかなり高い吸収率で吸収するため、カラー
フィルタを通った着色光が、カラーフィルタに入射する
前の前記波長帯域の光に比べて大幅に光量を減じた光に
なり、表示が暗くなってしまう。
【0008】なお、従来の音声信号強度表示装置におけ
る液晶表示体は、その裏面側に配置されるバックライト
からの光を利用して表示する透過型とされているが、こ
の液晶表示体の裏面に反射板を配置して反射型とする
と、液晶表示体にその表面側から入射し、裏面の反射板
で反射されて表面側に出射する光がカラーフィルタを2
度通って二重に光量を減じるため、表示がかなり暗くな
って、表示装置としてはほとんど使用できなくなる。
【0009】しかも、上記従来の音声信号強度表示装置
では、液晶セルの各セグメント電極に対応する部分の表
示色がカラーフィルタの色によって決まるため、音声信
号強度を1の色でしか表示できなかった。
【0010】本発明は、カラーフィルタを用いずに透過
光を着色して光の透過率を高くし、表示の明るさを十分
高くすることができるとともに、液晶セルの各セグメン
ト電極に対応する部分の表示色をそれぞれ複数色に変化
させて、音声信号強度を複数の色で表示することができ
る音声信号強度表示装置を提供することを目的としたも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の音声信号強度表
示装置は、カラーフィルタを備えていない液晶セルを用
いたものであって、第1の発明は、各周波数帯域の音声
信号強度表示領域ごとに複数に分割されたセグメント電
極を形成した透明基板と前記セグメント電極と対向する
コモン電極を形成した透明基板との間に液晶を封入した
液晶セルをはさんで一対の偏光板を配置するとともに、
前記液晶セルと一方の偏光板との間に位相差板を設け、
かつ前記位相差板はその遅相軸をこの位相差板が隣接す
る偏光板の透過軸に対し所定角度斜めにずらして配置し
てなり、前記液晶セルの各セグメント電極に対応する部
分の表示色がそれぞれ前記セグメント電極とコモン電極
との間に印加する電圧に応じて複数の色に変化する液晶
表示体と、オーディオ機器の制御部で検出された各周波
数帯域の音声信号強度に応じた表示信号に基づいて前記
液晶セルの各セグメント電極とコモン電極との間にそれ
ぞれ前記複数の色を選択的に表示させる駆動電圧を印加
する表示駆動手段とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0012】また、第2の発明は、各周波数帯域の音声
信号強度表示領域ごとに複数に分割されたセグメント電
極を形成した透明基板と前記セグメント電極と対向する
コモン電極を形成した透明基板との間に液晶を封入した
液晶セルの表面側に偏光板を配置し、前記液晶セルの裏
面側に反射板を配置するとともに、前記偏光板と反射板
のいずれか一方と前記液晶セルとの間に位相差板を設
け、かつ前記位相差板はその遅相軸を前記偏光板の透過
軸に対して所定角度斜めにずらして配置してなり、前記
液晶セルの各セグメント電極に対応する部分の表示色が
それぞれ前記セグメント電極とコモン電極との間に印加
する電圧に応じて複数の色に変化する液晶表示体と、オ
ーディオ機器の制御部で検出された各周波数帯域の音声
信号強度に応じた表示信号に基づいて前記液晶セルの各
セグメント電極とコモン電極との間にそれぞれ前記複数
の色を選択的に表示させる駆動電圧を印加する表示駆動
手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】なお、上記第1および第2の発明におい
て、上記液晶セルは、液晶分子を両基板間においてツイ
スト配向させたものでも、あるいは液晶分子をホモジニ
アス配向させたものでもよい。
【0014】
【作用】本発明の音声信号強度表示装置は、液晶表示体
に、位相差板の偏光作用と液晶セルの偏光作用とによる
着色表示を行なわせるとともに、この液晶表示体の液晶
セルを上記表示駆動手段で駆動することにより、液晶表
示体の表示色を複数色に変化させるようにしたものであ
る。
【0015】すなわち、上記第1の発明の音声信号強度
表示装置における液晶表示体では、一方の偏光板を通っ
て位相差板に入射した直線偏光が、位相差板と液晶セル
とを通る過程でこれらの偏光作用により偏光状態を変え
られて他方の偏光板に入射するため、その光のうち、前
記他方の偏光板を透過する偏光成分の波長光だけがこの
偏光板を出射して着色光になる。
【0016】この場合、位相差板の偏光作用は変化しな
いが、液晶セルの液晶分子の配向状態は印加電圧に応じ
て変化するため、この液晶セルは、液晶分子の配向状態
により異なる偏光作用を示す。
【0017】このため、位相差板と液晶セルとによる偏
光作用を受けた光は、液晶セルの液晶分子配向状態によ
り異なる偏光状態の光となって他方の偏光板に入射する
から、液晶セルの各セグメント電極に対応する部分の表
示色がそれぞれ、前記セグメント電極とコモン電極との
間に印加する電圧に応じて複数の色に変化する。
【0018】すなわち、この液晶表示体は、カラーフィ
ルタを用いずに透過光を着色するものであり、したがっ
て着色光の光量は、液晶表示体に入射する光のうちの前
記着色光となる波長帯域の光の量とほとんど変わらない
から、光の透過率を高くして、表示の明るさを十分高く
することができる。
【0019】そして、この第1の発明の音声信号強度表
示装置は、上記液晶セルを、オーディオ機器の制御部で
検出された各周波数帯域の音声信号強度に応じた表示信
号に基づいて各セグメント電極とコモン電極との間にそ
れぞれ複数の色を選択的に表示させる駆動電圧を印加す
る表示駆動手段によって駆動するものであるため、各セ
グメント電極に対応する部分の表示色をそれぞれ複数色
に変化させて、音声信号強度を複数の色で表示すること
ができる。
【0020】また、上記第2の発明の音声信号強度表示
装置における液晶表示体は、その表面側から入射する光
を裏面側の反射板で反射させて表示する反射型のもので
あり、表面側からの入射光は、偏光板と位相差板と液晶
セルを通って反射板で反射され、再び前記液晶セルと位
相差板と偏光板を通って出射する。
【0021】この液晶表示体おいては、偏光板を通って
入射した直線偏光が、位相差板と液晶セルとを通る過程
でこれらの偏光作用により偏光状態を変えられるととも
に、反射板で反射されて再び前記位相差板と液晶セルと
を通る過程でさらに偏光状態を変えられるため、前記位
相差板と液晶セルを通って再び偏光板に入射する光のう
ち、偏光板を透過する偏光成分の波長光だけが偏光板を
出射して着色光になる。また、この液晶表示体において
も、位相差板と液晶セルとによる2度ずつの偏光作用を
受けた光は、液晶セルの液晶分子配向状態により異なる
偏光状態の光となって偏光板に入射するから、液晶セル
の各セグメント電極に対応する部分の表示色がそれぞ
れ、セグメント電極とコモン電極との間に印加する電圧
に応じて複数の色に変化する。
【0022】すなわち、この液晶表示体も、上記第1の
発明における液晶表示体と同様に、カラーフィルタを用
いずに透過光を着色するものであり、したがって着色光
の光量は、液晶表示体に入射する光のうちの前記着色光
となる波長帯域の光の量とほとんど変わらないから、光
の透過率を高くして、表示の明るさを十分高くすること
ができる。
【0023】そして、この第2の発明の音声信号強度表
示装置も、上記液晶セルを、オーディオ機器の制御部で
検出された各周波数帯域の音声信号強度に応じた表示信
号に基づいて各セグメント電極とコモン電極との間にそ
れぞれ複数の色を選択的に表示させる駆動電圧を印加す
る表示駆動手段によって駆動するものであるため、各セ
グメント電極に対応する部分の表示色をそれぞれ複数色
に変化させて、音声信号強度を複数の色で表示すること
ができる。
【0024】
【実施例】
[第1の発明の実施例]以下、第1の発明の第1の実施
例を図1〜図5を参照して説明する。図1は音声信号強
度表示装置の構成図であり、この音声信号強度表示装置
は、液晶表示体10と、その表示駆動部60とからなっ
ている。
【0025】まず、液晶表示体10について説明する
と、この液晶表示体10は、図1に示すように、液晶セ
ル20をはさんで一対の偏光板31,32を配置すると
ともに、前記液晶セル20と一方の偏光板(この実施例
では上偏光板)31との間に、位相差板30を配置して
構成されている。なお、この実施例の液晶表示体10は
反射型のものであり、その裏面(下偏光板32の下面)
には反射板33が配置されている。
【0026】上記液晶セル20は、透明電極23,24
を形成しその上に配向膜25,26を形成した上下一対
の透明基板21,22を枠状のシール材27を介して接
合し、この両基板21,22間の前記シール材27で囲
まれた領域に液晶28を封入して構成されている。な
お、この液晶セル20はSTN型のものであり、液晶2
8の分子は両基板21,22間において、180〜27
0°のツイスト角でツイスト配向されている。
【0027】また、この液晶セル20は、時分割駆動さ
れるセグメント表示型のものであり、上基板21の透明
電極23は複数に分割されたコモン電極、下基板22の
透明電極24は、各周波数帯域の音声信号強度表示領域
ごとに複数に分割されたセグメント電極である。
【0028】そして、上記位相差板30は、その遅相軸
をこの位相差板30が隣接する上偏光板31の透過軸に
対し所定角度斜めにずらして配置されており、さらに、
上記液晶セル20は、その位相差板隣接基板(上基板)
21側の液晶分子配向方向を位相差板30の遅相軸に対
し所定角度斜めにずらして配置され、一対の偏光板3
1,32は、その透過軸を互いにほぼ平行にして配置さ
れている。
【0029】図2は、上記液晶セル20の液晶分子配向
方向と位相差板30の遅相軸と一対の偏光板31,32
の透過軸とを示す平面図であり、図において、21aは
液晶セル20の上基板21側の液晶分子配向方向、22
aは下基板22側の液晶分子配向方向を示している。
【0030】この図2のように、上記液晶セル20の両
基板21,22側の液晶分子配向方向21a,22a
は、基準線(図では水平線)Oに対し互いに逆方向に所
定角度θずつ傾いた方向にあり、液晶分子は、そのツイ
スト方向を図に矢印Tで示したように、下基板22側か
ら上基板21側に向かってツイスト配向している。な
お、この実施例では、液晶セル20として、両基板2
1,22側の液晶分子配向方向21a,22aと基準線
Oとの角度θをそれぞれ30°とし、液晶分子を240
°のツイスト角でツイスト配向させたSTN型液晶セル
を用いている。
【0031】また、図2において、30aは位相差板3
0の遅相軸であり、この実施例では、位相差板30の遅
相軸30aを、上記基準線Oに対し所定の傾き角ψで斜
めに交差させている。したがって、この位相差板30の
遅相軸30aと液晶セル20の位相差板隣接基板21側
の液晶分子配向方向21aとはψ−θずれている。
【0032】さらに図2において、31aは位相差板3
0が隣接する上偏光板31の透過軸、32aは下偏光板
32の透過軸であり、この実施例では、両偏光板31,
32をいずれもその透過軸31a,32aを上記基準線
Oに対し直交させて配置して、これら偏光板31,32
の透過軸31a,32aを互いに平行にしている。
【0033】そして、この実施例では、上記基準線Oに
対する位相差板30の遅相軸30aの傾き角ψを45°
とし、位相差板30の遅相軸30aとこの位相差板30
が隣接する上偏光板31の透過軸31aとのずれ角φを
45°としている。
【0034】上記液晶表示体10は、その表面側から入
射する光(自然光または照明光源からの光)を裏面側の
反射板33で反射させて表示するものであり、表面側か
らの入射光は、上偏光板31と位相差板30と液晶セル
20と下偏光板32とを通って反射板33で反射され、
再び前記下偏光板32と液晶セル20と位相差板3と上
偏光板31とを通って出射する。
【0035】この液晶表示体10においては、上偏光板
31を通って入射した直線偏光が、位相差板30を通る
過程でこの位相差板30の偏光作用を受けて楕円偏光と
なり、さらに液晶セル20を通る過程でこの液晶セル2
0の偏光作用を受けて偏光状態を変えられる。
【0036】このため、上記位相差板30と液晶セル2
0を通って下偏光板32に入射する光は、位相差板30
と液晶セル20とによる偏光作用を受けた非直線偏光で
あり、この非直線偏光のうち、下偏光板32を透過する
偏光成分の波長光だけがこの下偏光板32を出射して着
色光になる。
【0037】この場合、位相差板30の偏光作用は変化
しないが、上記液晶セル20の液晶分子の配向状態は両
基板21,22の電極23,24間に印加される電圧に
応じて変化するため、この液晶セル20は、液晶分子の
配向状態により異なる偏光作用を示す。
【0038】上記位相差板30の偏光作用による透過光
の着色について説明すると、外部からの光は、上偏光板
31により直線偏光されて、この上偏光板31の透過軸
31aに対し遅相軸30aが所定角度φ(この実施例で
はφ=45°)斜45°ずれている位相差板30に入射
し、この位相差板30を通る過程で、位相差板30のリ
タデーションRe の値に応じた偏光作用を受けて楕円偏
光となる。
【0039】そして、位相差板30を出射した楕円偏光
がそのまま液晶セル20を透過して下偏光板32に入射
すると、この楕円偏光のうち、下偏光板32を透過する
偏光成分の波長光だけがこの下偏光板32を通るため、
下偏光板32を通った光(直線偏光)が着色光になる。
【0040】次に、上記液晶セル20の偏光作用による
透過光の着色について説明すると、上記液晶表示体10
においては、上偏光板31を通って入射した光が、上記
位相差板30と、液晶分子を240°のツイスト角でツ
イスト配向させている液晶セル20とを通るため、液晶
セル20の両基板21,22の電極23,24間に電圧
を印加していない状態、つまり液晶分子がツイスト配向
している状態では、透過光が、液晶セル20のΔn・d
(液晶28の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積)の
値と液晶分子のツイスト角とに応じた偏光作用を受け
る。
【0041】すなわち、STN型液晶セル20は、液晶
分子がツイスト配向している液晶層での複屈折効果によ
り入射した直線偏光を楕円偏光させる偏光作用をもって
おり、さらに位相差板30の遅相軸30aと液晶セル2
0の上基板(位相差板隣接基板)21側の液晶分子配向
方向21aとは所定角度(ψ−θ)斜めにずれているた
め、位相差板30を通る過程でこの位相差板30の偏光
作用により楕円偏光となった光は、前記位相差板30の
遅相軸30aと液晶セル20の上基板21側の液晶分子
配向方向21aとのずれ角および液晶セル20のΔn・
dの値に応じた偏光作用を受けて、さらに偏光状態を変
えられる。
【0042】このため、液晶セル20に電圧を印加して
いない状態(液晶分子がツイスト配向している状態)で
は、下偏光板32を透過した光が、位相差板30の偏光
作用による着色光とは異なった色の着色光になる。
【0043】また、上記液晶セル20の電極23,24
間に電圧を印加すると、印加電圧を上げてゆくのにとも
なって液晶分子がツイスト配向状態から立上り配向して
ゆき、この液晶分子の配向状態の変化に対応して液晶セ
ル20での偏光作用が変化するため、位相差板30と液
晶セル20との両方の偏光作用による着色光の色が変化
する。
【0044】さらに、液晶分子が基板21,22面に対
してほぼ垂直に立上がった状態になると、液晶セル20
による偏光作用がほとんど無くなり、下偏光板32を透
過した光が、上述した位相差板30の偏光作用のみによ
る着色光になる。
【0045】このため、位相差板30と液晶セル20と
による偏光作用を受けた光は、液晶セル20の液晶分子
配向状態により異なる偏光状態の光となって下偏光板3
2に入射するから、液晶セル20の液晶分子配向状態を
変えることにより、上記着色光の色を変えることができ
る。
【0046】また、下偏光板32を通った着色光は、反
射板33で反射されて上述した光経路と逆の経路で液晶
表示体10の上面側に出射し、この着色光により表示パ
ターンが表示される。
【0047】なお、この場合、反射板33で反射される
着色光は、上述した位相差板30と液晶セル20との偏
光作用により非直線偏光となった光のうちの下偏光板3
2を透過した偏光成分の波長光だけであり、この光のほ
とんどは液晶セル20および位相差板30による偏光作
用を受けることなくこれらを透過するが、その波長帯域
の域端の極く僅かな波長成分の光は液晶セル20および
位相差板30を通る過程で偏光されて上偏光板31で吸
収されるため、上偏光板31を透過して出射する着色光
は、反射板33で反射された着色光よりもさらに色純度
が良くなった光となる。
【0048】このように、上記液晶表示体10は、カラ
ーフィルタを用いずに透過光を着色するものであり、し
たがって着色光の光量は、液晶表示体10に入射する光
のうちの前記着色光となる波長帯域の光の量とほとんど
変わらないから、光の透過率を高くして、表示の明るさ
を十分高くすることができる。
【0049】すなわち、従来の音声信号強度表示装置に
用いられている液晶表示体は、カラーフィルタにより透
過光を着色するものであるため、液晶表示体に入射する
光のうちの着色光となる波長帯域の光量に比べて、カラ
ーフィルタを通った着色光の光量がかなり減少するが、
上記液晶表示体10ではこのような光量の減少はほとん
ど生じない。
【0050】このため、上記液晶表示体10は、反射型
のものであるが、その表示の明るさは十分であり、従来
の表示装置に用いられている液晶表示体に比べて、格段
に明るい着色表示が得られる。
【0051】また、従来の音声信号強度表示装置に用い
られている液晶表示体は、液晶セルの各セグメント電極
に対応する部分の表示色がカラーフィルタの色によって
決まるため、音声信号強度を1の色でしか表示できない
が、上記液晶表示体10では、位相差板30の偏光作用
による着色光と、位相差板30と液晶セル20との両方
の偏光作用による着色光とが得られるとともに、この両
方の偏光作用による着色光の色が液晶セル20への印加
電圧に応じて変化するため、液晶セル20の各セグメン
ト電極24に対応する部分の表示色をそれぞれ複数の色
に変化させることができる。
【0052】この液晶表示体10の表示色は、位相差板
30のリタデーションRe と、液晶セル20のΔn・d
および液晶分子ツイスト角と、上偏光板31の透過軸3
1aと位相差板30の遅相軸30aとのずれ角φと、液
晶セル20の位相差板隣接基板21側における液晶分子
配向方向21aと位相差板30の遅相軸30aとのずれ
角ψ−θとによって決まる。
【0053】その一例を上げると、上偏光板31の透過
軸31aと位相差板30の遅相軸30aとのずれ角φを
45°、液晶セル20の位相差板隣接基板21側の液晶
分子配向方向21aと位相差板30の遅相軸30aとの
ずれ角ψ−θを15°とし、位相差板30のリタデーシ
ョンReを1350nm、液晶セル20のΔn・dを
0.84μm、液晶分子ツイスト角を240°としたと
きは、液晶セル20の液晶分子が初期のツイスト配向状
態にあるときに表示色が「青」になり、液晶分子をほぼ
垂直に立上り配向させたときに表示色が「赤」になり、
また、液晶分子が初期のツイスト配向状態から立上り配
向してゆく途中で、光強度が高くかつ色純度も高い
「緑」と「黄」の表示色になる。
【0054】次の[表1]は、上記液晶表示体10の液
晶セル20に印加する電圧と表示色との関係を示してい
る。なお、この[表1]において、印加電圧の値は、液
晶セル20の電極23,34間に加わる実効電圧値であ
る。
【0055】
【表1】
【0056】一方、図1に示した表示駆動部57は、上
記液晶表示体10の液晶セル20を駆動するものであ
り、液晶セル20の各コモン電極23と各セグメント電
極24はそれぞれその端子部において前記表示駆動部5
7に接続されている。
【0057】この表示駆動部57は、液晶セル20の各
セグメント電極24とコモン電極23との間にそれぞれ
複数の色を選択的に表示させる駆動電圧を印加するもの
であり、後述するオーディオ機器の制御部で検出された
各周波数帯域の音声信号強度に応じた表示信号に基づい
て液晶セル20を駆動する。
【0058】なお、例えば液晶表示体10の表示色が上
記[表1]に示した青,緑,黄,赤の4色である場合、
上記表示駆動部60は、液晶セル20の各セグメント電
極24とコモン電極23との間にそれぞれ、[表1]に
示したV1 ,V2 ,V3 ,V4 の4通りの駆動電圧を選
択的に印加する。
【0059】すなわち、上記音声信号強度表示装置は、
上記液晶表示体10の液晶セル20を、その各セグメン
ト電極24とコモン電極23との間に複数の色を選択的
に表示させる駆動電圧を印加して駆動するものであり、
この表示装置によれば、各セグメント電極24に対応す
る部分の表示色をそれぞれ複数の色に変化させて、液晶
表示体10に音声信号強度を複数の色で表示させること
ができる。
【0060】上記液晶表示体10の具体的な表示例を説
明すると、図3は液晶セル20の一方の基板22に形成
したセグメント電極24の形状を示す図、図4は音声信
号強度の表示状態を示す図である。
【0061】まず、上記セグメント電極24について説
明すると、この例では図3に示したように、各周波数帯
域の音声信号強度表示領域ごとに棒状パターンを表示す
るためのセグメント電極24を形成しており、各表示領
域のセグメント電極24はそれぞれ例えば9個の電極に
分割されている。
【0062】すなわち、この表示例は、各周波数帯域の
音声信号強度を、電圧を印加するセグメント電極数に応
じて長さが変わる棒グラフ状の表示パターンで表示する
ものであり、この例では、図4に示したように、各周波
数帯域の音声信号強度をそれぞれ -10〜-5,-2.5〜+5,
+7.5〜+10 の3段階に区分し、 -10〜-5の音声信号強度
は「緑」で表示し、-2.5〜+5の音声信号強度は「黄」で
表示し、+7.5〜+10 の音声信号強度は「赤」で表示して
いる。
【0063】この表示例は、液晶表示体10の液晶セル
20に印加する電圧と表示色とが上記[表1]の関係に
ある例であって、セグメント電極24が形成されていな
い領域(電圧が印加されない領域)の表示色は常に
「青」であり、また各セグメント電極24に対応する部
分のうち、セグメント電極24とコモン電極23との間
に電圧値(実効値)が1.0v以下の駆動電圧V1 を印
加した部分の表示色も「青」である。なお、図4に示し
た 100, 400, 1k, 4k,10k(Hz)の周波数帯域
および -10〜+10 の音声信号強度の表示aは、印刷され
た表示である。
【0064】この表示例のように、上記液晶表示体10
は、液晶セル20の各セグメント電極24に対応する部
分の表示色をそれぞれ複数色に変化させて、音声信号強
度を複数の色で表示するものであり、したがって、表示
色が1色だけのものに比べて、音声信号強度をより分か
りやすく表示することができる。
【0065】次に、上記液晶表示体10に上述した表示
を行なわせる表示駆動部60について説明すると、図5
は上記電池残量表示装置を備えたカセットテープレコー
ダの回路構成を示すブロック図である。
【0066】このカセットテープレコーダは、その表示
部に設けられた上記液晶表示体10と、操作装置50
と、テープ駆動機構51と、テープから検出した音声信
号を再生してスピーカ52から放音し、また図示しない
マイクロフォンや他のオーディオ機器からの音声をテー
プに録音するための録音再生部53と、前記操作装置5
0の操作によりテープ駆動機構51および録音再生部5
3を動作させ、また音声信号強度等の情報を表示するた
めの表示信号を出力する動作制御部54と、この制御部
54から出力される表示信号に色情報を付加するための
表示色信号記憶部58と、この表示色信号記憶部58か
らの記憶データに基づいて発生された表示信号を受け、
前記液晶表示体10の液晶セル20を時分割駆動するた
めの所定の波形をもった駆動電圧を発生する表示駆動部
60と、これらに電力を供給する電源59とから構成さ
れている。
【0067】上記動作制御部54は、操作装置50から
の操作信号を受け、テープ駆動機構および録音再生部5
3等の作動を制御する制御回路55と、この制御回路5
5により制御され再生または録音する音声信号をあらか
じめ定めた複数の周波数帯域(上記表示例では 100, 4
00, 1k, 4k,10kHzの5帯域)ごとに分割してそ
の信号強度を検出するスペクトルアナライザ56と、こ
のスペクトルアナライザ56から出力されるスペクトル
データ信号が供給され、これらのスペクトルデータに対
応する音声信号強度を表示するための表示信号を発生す
る表示信号発生回路57とを備えている。
【0068】一方、表示色信号記憶部58は、複数の表
示色(上記表示例では背景色の青と、緑,黄,赤の計4
色)に対応した表示色信号を記憶しており、上記表示信
号発生回路57へ供給されたスペクトルデータ信号に応
じて所定の表示色信号が選択され、上記表示信号発生回
路57に出力する。
【0069】また、表示駆動部60は、電源59から供
給された電源電圧を複数に分割し、液晶セル20の駆動
電圧波形を形成するために必要な電圧と表示色に応じた
異なる複数の電圧を発生する駆動電圧発生回路61と、
上記表示信号発生回路57からの表示信号に基づいて、
駆動電圧発生回路61から供給される複数の駆動電圧か
ら表示色に対応した電圧を選択して組合わせることによ
りセグメント電極印加電圧とコモン電極印加電圧を形成
する駆動波形形成回路62とを備えている。
【0070】上述のように構成されたカセットテープレ
コーダの音声信号強度は以下のように表示される。テー
プが再生または録音状態になり、録音再生部53の音声
増幅段に音声信号が入力されると、音声信号は増幅され
てスピーカ52から放音されるとともに、スペクトルア
ナライザ56へも出力され、このスペクトルアナライザ
56は、制御回路55の指令によりあらかじめ定められ
た周波数帯域ごとの音声信号強度を検出し、その強度信
号を表示信号発生回路57へ出力する。
【0071】一方、表示色信号記憶部58は、各音声信
号強度に応じた表示色信号をあらかじめ記憶しており、
表示信号発生回路57に入力された強度信号に対応する
表示色信号を前記表示信号発生回路57へ出力する。
【0072】そして、表示信号発生回路57は、スペク
トルアナライザ56から出力された強度信号と、この強
度信号に対応する表示色信号記憶部58の出力とによ
り、各周波数帯域ごとの音声信号強度を表示するための
表示信号を発生し、駆動波形形成回路62へ出力する。
【0073】このようにして各周波数帯域ごとの音声信
号強度は、表示信号発生回路57で表示パターン信号と
表示色信号とを含む表示信号に変換され、駆動波形形成
回路62へ出力される。
【0074】また、表示信号駆動波形形成回路62は、
所定のデューテイ(この実施例では1/3デューティ)
の時分割駆動を行なうための複数のコモン電極印加電圧
と、上記表示信号に基づいて駆動電圧発生回路61から
供給される複数の電圧を組合わせて液晶セル20の対向
する電極間の液晶が動作するのに十分な電圧値となるよ
うなセグメント電極印加電圧とを発生し、これらの電圧
を液晶セル20の各コモン電極23と各セグメント電極
24にそれぞれ供給する。
【0075】そして、液晶セル20は、その各コモン電
極23に選択期間を順次異ならせたコモン電極印加電圧
を供給され、各セグメント電極24に表示パターン信号
と表示色信号とを含む表示データに応じたセグメント電
極印加電圧を供給されて時分割駆動されるため、液晶表
示体10に、液晶セル20の各セグメント電極24に対
応する部分の表示色をそれぞれ複数色に変化させて音声
信号強度を複数の色で表示する図4に示したような表示
を行なわせることができる。
【0076】なお、上述した表示例では、 -10〜-5の音
声信号強度を「緑」で表示し、-2.5〜+5の音声信号強度
を「黄」で表示し、+7.5〜+10 の音声信号強度を「赤」
で表示したが、この表示パターンと表示色との関係は任
意に選ぶことができるし、さらに上記音声信号強度表示
装置は、カセットテープレコーダに限らず、その他のオ
ーディオ機器にも広く適用することができる。
【0077】また、上記表示例の表示色は青(背景
色),緑,黄,赤の4色であるが、上記液晶表示体10
の表示色は、位相差板30のリタデーションReと、液
晶セル20のΔn・dおよび液晶分子ツイスト角と、上
偏光板31の透過軸31aと位相差板30の遅相軸30
aとのずれ角φと、液晶セル20の位相差板隣接基板2
1側の液晶分子配向方向21aと位相差板30の遅相軸
30aとのずれ角ψ−θとを選択することにより任意に
選ぶことができ、その場合も、液晶セル20の各セグメ
ント電極24に対応する部分の表示色が印加電圧に応じ
て複数の色に変化する。ただし、十分な着色効果を得る
には、位相差板30の遅相軸30aと、この位相差板3
0が隣接する上偏光板31の透過軸31aとのずれ角φ
をほぼ45°(例えば45±5°)とするのが望まし
い。
【0078】さらに、上記実施例では、液晶表示体10
を、位相差板30を液晶セル20と上偏光板31との間
に配置した構成としたが、この位相差板30は、液晶セ
ル20と下偏光板32との間に配置してもよく、一対の
偏光板31,32はその透過軸31a,32aを互いに
ほぼ直交させて配置してもよい。
【0079】また、上記実施例では、液晶表示体10を
構成する液晶セル20としてSTN型のものを用いてい
るが、この液晶セル20は、液晶分子のツイスト角をほ
ぼ90°としたTN型のものであってもよい。
【0080】図6は第1の発明の第2の実施例による液
晶セル20の液晶分子配向方向と位相差板30の遅相軸
と一対の偏光板31,32の透過軸とを示す平面図であ
る。この実施例は、液晶セル20として、その両基板側
における液晶分子配向方向21a,22aをほぼ直交さ
せて液晶分子をほぼ90°のツイスト角でツイスト配向
させたTN型のものを用いたものであり、この実施例で
は、上偏光板31の透過軸31aを液晶セル20の上基
板21側の液晶分子配向方向21aとほぼ平行にし、下
偏光板32の透過軸32aを上偏光板31の透過軸31
aと平行にするとともに、液晶セル20と上偏光板31
との間に配置した位相差板30の遅相軸30aを、この
位相差板30が隣接する上偏光板31の透過軸31aに
対して所定角度斜めにずらしている。
【0081】この実施例の音声信号強度表示装置も、位
相差板30の偏光作用と液晶セル20の偏光作用とによ
り、カラーフィルタを用いずに透過光を着色するもので
あり、したがって着色光の光量は、液晶表示体に入射す
る光のうちの着色光となる波長帯域の光の量とほとんど
変わらないから、光の透過率を高くして表示の明るさを
十分高くすることができるし、また、オーディオ機器の
制御部で検出された各周波数帯域の音声信号強度に応じ
た表示信号に基づいて液晶セル20の各セグメント電極
とコモン電極との間にそれぞれ複数の色を選択的に表示
させる駆動電圧を印加することにより、各セグメント電
極に対応する部分の表示色をそれぞれ複数の色に変化さ
せて、音声信号強度を複数の色で表示することができ
る。
【0082】この音声信号強度表示装置における液晶表
示体の表示色も、位相差板30のリタデーションRe の
値と、液晶セル20のΔn・dおよび液晶分子ツイスト
角と、位相差板30が隣接する上偏光板31の透過軸3
1aと位相差板30の遅相軸30aとのずれ角と、液晶
セル20の位相差板隣接基板21側の液晶分子配向方向
21aと位相差板30の遅相軸30aとのずれ角とによ
って決まる。
【0083】その一例を上げると、上偏光板31の透過
軸31aと位相差板30の遅相軸30aとのずれ角を4
5°、液晶セル20の位相差板隣接基板21側の液晶分
子配向方向21aと位相差板30の遅相軸30aとのず
れ角も45°とし、位相差板30のリタデーションRe
を450nm、液晶セル20のΔn・dを1.30μ
m、液晶分子ツイスト角を90°としたときは、液晶セ
ル20の液晶分子が初期のツイスト配向状態にあるとき
に表示色が背景色である「淡い青」になり、液晶分子を
ほぼ垂直に立上り配向させたときに表示色が「橙」にな
り、また、液晶分子が初期のツイスト配向状態から立上
り配向してゆく途中で、光強度が高くかつ色純度も高い
「濃い青」と「黒」の表示色になる。
【0084】次の[表2]は、上記液晶表示体の液晶セ
ル20に印加する電圧と表示色との関係を示している。
なお、この[表2]において、印加電圧の値は、液晶セ
ル20の電極間に加わる実効電圧値である。
【0085】
【表2】
【0086】また、上記液晶表示体に用いる液晶セル2
0は、STNまたはTN型のような液晶分子をツイスト
配向させたものに限らず、液晶分子をホモジニアス配向
させたものであってもよい。
【0087】図7は第1の発明の第3の実施例による液
晶セル20の液晶分子配向方向と位相差板30の遅相軸
と一対の偏光板31,32の透過軸とを示す平面図であ
る。この実施例は、液晶セル20として、液晶分子をホ
モジニアス配向させた液晶セルを用いたものであり、こ
の実施例では、液晶セル20と上偏光板31との間に位
相差板30を、その遅相軸30aを液晶セル20の液晶
分子配向方向(ホモジニアス配向方向)aに対して所定
角度斜めにずらして配置し、この位相差板30の遅相軸
30aを、この位相差板30が隣接する上偏光板31の
透過軸31aに対して所定角度斜めにずらしている。
【0088】この実施例の音声信号強度表示装置も、液
晶セル20と一対の偏光板31,32と位相差板30と
反射板33とで構成される液晶表示体に、位相差板30
の偏光作用と液晶セル20の偏光作用とによる着色表示
を行なわせるとともに、この液晶表示体の液晶セル20
を、その各セグメント電極とコモン電極との間にそれぞ
れ複数の色を選択的に表示させる駆動電圧を印加する表
示駆動部によって駆動することにより、各セグメント電
極に対応する部分の表示色をそれぞれ複数色に変化させ
るようにしたものであり、上偏光板31を通って位相差
板30に入射した直線偏光が、位相差板30と液晶セル
20とを通る過程でこれらの偏光作用により偏光状態を
変えられて下偏光板32に入射するため、この光のう
ち、下偏光板32を透過する偏光成分の波長光だけがこ
の下偏光板32を透過して着色光になる。
【0089】なお、下偏光板32を通った着色光は、液
晶表示体の裏面側に配置した反射板で反射されて上述し
た光経路と逆の経路で液晶表示体の上面側に出射し、こ
の着色光により表示パターンが表示される。
【0090】上記液晶分子をホモジニアス配向させた液
晶セル20の偏光作用について説明すると、この液晶セ
ル20は、液晶分子の長軸方向に遅相軸がある位相板と
考えてよい。
【0091】したがって、例えば位相板30のリタデー
ションRe と液晶セル20のΔndの値が等しく、位相
板30の遅相軸30aと液晶セル20の液晶分子配向方
向aとが直交していれば、液晶セル20の電極間に電圧
を印加していない状態(液晶分子がホモジニアス配向し
ている状態)では、位相板30による偏光作用と液晶セ
ル20による偏光作用とが互いに逆になり、位相板30
によって直線偏光から楕円偏光に偏光された光が、液晶
セル20によって再び元の直線偏光(上偏光板31によ
り直線偏光された光)に戻される。
【0092】そして、この実施例では、一対の偏光板3
1,32の透過軸31a,32aを互いにほぼ平行にし
ているため、液晶セル20によって元の直線偏光に戻さ
れた光はそのまま下偏光板32を透過する。すなわち、
このときに下偏光板32を出射する光は、位相板30に
よる着色効果を液晶セル20によって打消された消色光
である。
【0093】一方、上記液晶セル20の電極間に電圧を
印加すると、この液晶セル20の液晶分子が立上り配向
し、それにともなって液晶セル20のΔndの値が小さ
くなるため、液晶セル20での偏光作用が小さくなる。
【0094】すなわち、液晶セル20のΔndは、液晶
の複屈折位相差Δnと液晶層厚dとの積であるが、液晶
の複屈折位相差Δnは、電圧の印加により液晶分子が立
上り配向するのにともなって小さくなり、液晶分子が垂
直に立上り配向したとき“0”となるため、液晶セル2
0のΔndの値は最終的にΔnd=0となる。
【0095】一方、液晶セル20にΔn=0となる電圧
を印加したときは、この液晶セル20での偏光作用が
“0”となり、位相板30による着色効果が液晶セル2
0によって打消されなくなるため、位相板30を出射し
た楕円偏光がそのまま液晶セル20を透過して下偏光板
32に入射し、この下偏光板32を透過した光が上述し
た着色光になる。
【0096】そして、液晶セル20の液晶分子配向状態
は印加電圧に応じて変化するため、この液晶セル20
は、液晶分子の配向状態により異なる偏光作用を示し、
したがって、液晶セル20の各セグメント電極に対応す
る部分の表示色がそれぞれセグメント電極とコモン電極
との間に印加する電圧に応じて複数の色に変化する。
【0097】すなわち、この実施例の音声信号強度表示
装置も、カラーフィルタを用いずに透過光を着色するも
のであり、したがって着色光の光量は、液晶表示体に入
射する光のうちの前記着色光となる波長帯域の光の量と
ほとんど変わらないから、光の透過率を高くして、表示
の明るさを十分高くすることができるし、また、上記液
晶表示体10の液晶セル20を、オーディオ機器の制御
部で検出された音声信号強度に基づいて各セグメント電
極とコモン電極との間にそれぞれ複数の色を選択的に表
示させる駆動電圧を印加して駆動することにより、各セ
グメント電極に対応する部分の表示色をそれぞれ複数の
色に変化させて、音声信号強度を複数の色で表示するこ
とができる。
【0098】この音声信号強度表示装置における液晶表
示体の表示色は、位相差板30のリタデーションRe の
値と、液晶セル20のΔn・dと、位相差板30が隣接
する上偏光板31の透過軸31aと位相差板30の遅相
軸30aとのずれ角と、液晶セル20の液晶分子配向方
向aと位相差板30の遅相軸30aとのずれ角とによっ
て決まる。
【0099】その一例を上げると、液晶セル20の液晶
分子配向方向aと位相差板30の遅相軸30aとのなす
角度を90°、上偏光板31の透過軸31aと位相差板
30の遅相軸30aとのずれ角を45°とし、位相差板
30のリタデーションReを1100nm、液晶セル2
0のΔn・dを1.10μmとしたときは、液晶セル2
0の液晶分子が初期のホモジニアス配向状態にあるとき
は透過光が着色されずに表示色が背景色である「白」に
なり、液晶分子をほぼ垂直に立上り配向させたときに表
示色が「緑」になり、また、液晶分子が初期のツイスト
配向状態から立上り配向してゆく途中で、光強度が高く
かつ色純度も高い「黒」と「紫」の表示色になる。
【0100】次の[表3]は、上記液晶表示体の液晶セ
ル20に印加する電圧と表示色との関係を示している。
なお、この[表3]において、印加電圧の値は、液晶セ
ル20の電極間に加わる実効電圧値である。
【0101】
【表3】
【0102】したがって、この実施例の音声信号強度表
示装置においても、液晶セル20のセグメント電極とコ
モン電極との間に複数の色を選択的に表示させる駆動電
圧を印加することにより、同じセグメント電極に対応す
る部分の表示色を複数の色に変化させることができる。
【0103】なお、上記各実施例の音声信号強度表示装
置に用いた液晶表示体は裏面側に反射板を配置した反射
型のものであるが、この液晶表示体は、その裏面側にバ
ックライトを配置して使用される透過型のものでもよい
し、また液晶セル20も、時分割駆動されるものに限ら
ず、スタティック駆動されるものであってもよい。
【0104】[第2の発明の実施例]次に、第2の発明
の第1の実施例を図8および図9を参照して説明する。
図8は音声信号強度表示装置の構成図であり、この表示
装置は、液晶表示体10とその表示駆動部60とからな
っている。なお図8において、図1に示したものと対応
するものには同符号を付し、重複する説明は省略する。
【0105】上記液晶表示体10は、1つの液晶セル2
0と、1枚の位相差板30と、1枚の偏光板31と、1
枚の反射板33とからなっており、偏光板31は液晶セ
ル20の表面(図において上面)側に配置され、反射板
33は液晶セル20の裏面(図において下面)側に配置
され、位相差板30は液晶セル20と偏光板31との間
に配置されている。なお、前記液晶セル20はSTN型
のものである。
【0106】図9は上記液晶セル20の液晶分子配向方
向と位相差板30の遅相軸と偏光板31の透過軸とを示
す平面図であり、図において、21aは液晶セル20の
上基板21側の液晶分子配向方向、22aは下基板22
側の液晶分子配向方向を示している。
【0107】この図9のように、上記液晶セル20の両
基板21,22側の液晶分子配向方向21a,22a
は、基準線(図では水平線)Oに対し互いに逆方向に所
定角度θずつ傾いた方向にあり、液晶分子は、そのツイ
スト方向を図に矢印Tで示したように、下基板22側か
ら上基板21側に向かってツイスト配向している。な
お、この実施例では、液晶セル20として、両基板2
1,22側の液晶分子配向方向21a,22aと基準線
Oとの角度θをそれぞれ30°とし、液晶分子を240
°のツイスト角でツイスト配向させたSTN型液晶セル
を用いている。
【0108】また、図9において、30aは位相差板3
0の遅相軸であり、この実施例では、位相差板30の遅
相軸30aを、上記基準線Oに対し所定の傾き角ψで斜
めに交差させている。したがって、この位相差板30の
遅相軸30aと液晶セル20の位相板隣接基板21側の
液晶分子配向方向21aとはψ−θずれている。
【0109】さらに図9において、31aは上記偏光板
31の透過軸であり、この実施例では、この偏光板31
を、その透過軸31aを上記基準線Oに対し直交させて
配置している。
【0110】そして、この実施例では、上記基準線Oに
対する位相差板30の遅相軸30aの傾き角ψを45°
とし、位相差板30の遅相軸30aと偏光板31の透過
軸31aとのずれ角φを45°としている。
【0111】一方、上記表示駆動部60は、オーディオ
機器の制御部で検出された音声信号強度に基づいて上記
液晶セル20の各セグメント電極24とコモン電極23
との間にそれぞれ複数の色を選択的に表示させる駆動電
圧を印加するもので、その構成は図5に示した表示駆動
部60と同様である。
【0112】この音声信号強度表示装置における液晶表
示体10は、その表面側から入射する光(自然光または
照明光源からの光)を裏面側の反射板33で反射させて
表示する反射型のものであり、表面側からの入射光は、
偏光板31と位相差板30と液晶セル20を通って反射
板33で反射され、再び前記液晶セル20と位相差板3
0と偏光板31を通って出射する。
【0113】そして、この液晶表示体10においては、
偏光板31を通って入射した直線偏光が、この偏光板3
1の透過軸31aに対して遅相軸30aが所定角度(こ
の実施例ではφ=45°)斜めにずれている位相差板3
0と、液晶セル20とを通る過程でこれらの偏光作用に
より偏光状態を変えられるとともに、反射板33で反射
されて再び前記液晶セル20および位相差板30を通る
過程でさらに偏光状態を変えられる。
【0114】このため、上記位相差板30と液晶セル2
0を通って再び偏光板31に入射する光は、位相差板3
0と液晶セル20とによる2度ずつの偏光作用を受けた
非直線偏光であり、したがって、この光のうち偏光板3
1を透過する偏光成分の波長光だけがこの偏光板31を
透過して出射し、出射光が着色光になる。
【0115】この場合、位相差板30の偏光作用は変化
しないが、上記液晶セル20は、液晶分子の配向状態に
応じて異なる偏光作用を示すため、位相差板30と液晶
セル20とによる2度ずつの偏光作用を受けた光は、液
晶セル20の液晶分子配向状態により異なる偏光状態の
光となって偏光板31に入射するから、液晶セル20の
液晶分子配向状態を変えることにより、偏光板31を透
過して出射する着色光の色を変えることができる。
【0116】このように、上記音声信号強度表示装置
は、カラーフィルタを用いずに透過光を着色するもので
あり、したがって着色光の光量は、液晶表示体10に入
射する光のうちの前記着色光となる波長帯域の光の量と
ほとんど変わらないから、反射型のものでありながら、
光の透過率を高くして、表示の明るさを十分高くするこ
とができるし、また、オーディオ機器の制御部で検出さ
れた音声信号強度に基づいて液晶セル20の各セグメン
ト電極24とコモン電極23との間にそれぞれ複数の色
を選択的に表示させる駆動電圧を印加することにより、
液晶セル20の各セグメント電極24に対応する部分の
表示色をそれぞれ複数色に変化させて、音声信号強度を
複数の色で表示することができる。
【0117】この音声信号強度表示装置における液晶表
示体10の表示色は、位相差板30のリタデーションR
e の値と、液晶セル20のΔn・dおよび液晶分子ツイ
スト角と、偏光板31の透過軸31aと位相差板30の
遅相軸30aとのずれ角φと、液晶セル20の位相差板
隣接基板21側における液晶分子配向方向21aと位相
差板30の遅相軸30aとのずれ角ψ−θとによって決
まる。
【0118】その一例を上げると、偏光板31の透過軸
31aと位相差板30の遅相軸30aとのずれ角φを4
5°、液晶セル20の位相差板隣接基板21側の液晶分
子配向方向21aと位相差板30の遅相軸30aとのず
れ角ψ−θを15°とし、位相差板30のリタデーショ
ンReを930nm、液晶セル20のΔn・dを0.8
3μm、液晶分子ツイスト角を240°としたときは、
液晶セル20の液晶分子が初期のツイスト配向状態にあ
るときに表示色が背景色である「紫」になり、液晶分子
をほぼ垂直に立上り配向させたときに表示色が「橙」に
なり、また、液晶分子が初期のツイスト配向状態から立
上り配向してゆく途中で、光強度が高くかつ色純度も高
い「緑」と「黄」の表示色になる。
【0119】次の[表4]は、上記液晶表示体10の液
晶セル20に印加する電圧と表示色との関係を示してい
る。なお、この[表4]において、印加電圧の値は、液
晶セル20の電極23,34間に加わる実効電圧値であ
る。
【0120】
【表4】
【0121】そして、上記液晶表示体10は、上記表示
駆動部60により、オーディオ機器の制御部で検出され
た音声信号強度に基づいて液晶セル20の各セグメント
電極24とコモン電極23との間にそれぞれ複数の色を
選択的に表示させる駆動電圧を印加して駆動されるた
め、この音声信号強度表示装置によれば、液晶セル20
の各セグメント電極24に対応する部分の表示色をそれ
ぞれ複数色に変化させて、音声信号強度を複数の色で表
示することができる。
【0122】なお、上記実施例では、液晶表示体10
を、位相差板30を液晶セル20と偏光板31との間に
配置した構成としたが、位相差板30は液晶セル20と
反射板33との間に配置してもよい。
【0123】また、上記実施例では、液晶セル20とし
てSTN型のものを用いているが、この液晶セル20
は、液晶分子のツイスト角をほぼ90°としたTN型の
ものであってもよい。
【0124】図10は第2の発明の第2の実施例による
液晶セル20の液晶分子配向方向と位相差板30の遅相
軸と偏光板31の透過軸とを示す平面図である。この実
施例は、液晶セル20として、その両基板側における液
晶分子配向方向21a,22aをほぼ直交させて液晶分
子をほぼ90°のツイスト角でツイスト配向させたTN
型のものを用いたものであり、この実施例では、偏光板
31の透過軸31aを液晶セル20の上基板21側の液
晶分子配向方向21aとほぼ平行にし、液晶セル20と
偏光板31との間に配置した位相差板30の遅相軸30
aを偏光板31の透過軸31aに対して所定角度斜めに
ずらしている。
【0125】この実施例の音声信号強度表示装置におけ
る液晶表示体の表示色は、位相差板30のリタデーショ
ンRe の値と、液晶セル20のΔn・dおよび液晶分子
ツイスト角と、偏光板31の透過軸31aと位相差板3
0の遅相軸30aとのずれ角と、液晶セル20の位相差
板隣接基板21側の液晶分子配向方向21aと位相差板
30の遅相軸30aとのずれ角とによって決まる。
【0126】その一例を上げると、偏光板31の透過軸
31aと位相差板30の遅相軸30aとのずれ角を45
°、液晶セル20の位相差板隣接基板21側の液晶分子
配向方向21aと位相差板30の遅相軸30aとのずれ
角も45°とし、位相差板30のリタデーションReを
450nm、液晶セル20のΔn・dを1.30μm、
液晶分子ツイスト角を90°としたときは、液晶セル2
0の液晶分子が初期のツイスト配向状態にあるときに表
示色が背景色である「淡い青」になり、液晶分子をほぼ
垂直に立上り配向させたときに表示色が「橙」になり、
また、液晶分子が初期のツイスト配向状態から立上り配
向してゆく途中で、光強度が高くかつ色純度も高い「濃
い青」と「黒」の表示色になる。この液晶表示体10の
液晶セル20に印加する電圧と表示色との関係は、上述
した第1の発明のTN型液晶セルを用いた実施例と同じ
([表2]と同じ)である。
【0127】また、上記液晶表示体に用いる液晶セル2
0は、STNまたはTN型のような液晶分子をツイスト
配向させたものに限らず、液晶分子をホモジニアス配向
させたものであってもよい。
【0128】図11は第2の発明の第3の実施例による
液晶セル20の液晶分子配向方向と位相差板30の遅相
軸と偏光板31の透過軸とを示す平面図である。この実
施例は、液晶セル20として、液晶分子をホモジニアス
配向させた液晶セルを用いたものであり、この実施例で
は、液晶セル20と偏光板31との間に位相差板30
を、その遅相軸30aを液晶セル20の液晶分子配向方
向(ホモジニアス配向方向)aに対して所定角度斜めに
ずらして配置し、この位相差板30の遅相軸30aを偏
光板31の透過軸31aに対して所定角度斜めにずらし
ている。
【0129】この音声信号強度表示装置も、液晶セル2
0と偏光板31と位相差板30と反射板33とで構成さ
れる液晶表示体に、位相差板30の偏光作用と液晶セル
20の偏光作用とによる着色表示を行なわせるものであ
り、液晶表示体10の表示色は、位相差板30のリタデ
ーションRe の値と、液晶セル20のΔn・dと、偏光
板31の透過軸31aと位相差板30の遅相軸30aと
のずれ角と、液晶セル20の液晶分子配向方向aと位相
差板30の遅相軸30aとのずれ角とによって決まる。
【0130】その一例を上げると、液晶セル20の液晶
分子配向方向aと位相差板30の遅相軸30aとのなす
角度を90°、偏光板31の透過軸31aと位相差板3
0の遅相軸30aとのずれ角を45°とし、位相差板3
0のリタデーションReを1100nm、液晶セル20
のΔn・dを1.10μmとしたときは、液晶セル20
の液晶分子が初期のホモジニアス配向状態にあるときは
透過光が着色されずに表示色が背景色である「白」にな
り、液晶分子をほぼ垂直に立上り配向させたときに表示
色が「緑」になり、また、液晶分子が初期のツイスト配
向状態から立上り配向してゆく途中で、光強度が高くか
つ色純度も高い「黒」と「紫」の表示色になる。この液
晶表示体の液晶セル20に印加する電圧と表示色との関
係は、上述した第1の発明のホモジニアス配向液晶セル
を用いた実施例と同じ([表3]と同じ)である。
【0131】すなわち、上記第2の発明の各実施例によ
る音声信号強度表示装置も、カラーフィルタを用いずに
透過光を着色するものであり、したがって着色光の光量
は、表示装置に入射する光のうちの着色光となる波長帯
域の光の量とほとんど変わらないから、反射型のもので
ありながら、光の透過率を高くして、表示の明るさを十
分高くすることができるし、また、オーディオ機器の制
御部で検出された音声信号強度に基づいて液晶セル20
の各セグメント電極24とコモン電極23との間にそれ
ぞれ複数の色を選択的に表示させる駆動電圧を印加する
ことにより、液晶セル20の各セグメント電極24に対
応する部分の表示色をそれぞれ複数色に変化させて、音
声信号強度を複数の色で表示することができる。なお、
上記第2の発明における液晶セル20も、時分割駆動さ
れるものに限らず、スタティック駆動されるものであっ
てもよい。
【0132】
【発明の効果】第1の発明の音声信号強度表示装置は、
各周波数帯域の音声信号強度表示領域ごとに複数に分割
されたセグメント電極を形成した透明基板と前記セグメ
ント電極と対向するコモン電極を形成した透明基板との
間に液晶を封入した液晶セルをはさんで一対の偏光板を
配置するとともに、前記液晶セルと一方の偏光板との間
に位相差板を設け、かつ前記位相差板はその遅相軸をこ
の位相差板が隣接する偏光板の透過軸に対し所定角度斜
めにずらして配置してなり、前記液晶セルの各セグメン
ト電極に対応する部分の表示色がそれぞれ前記セグメン
ト電極とコモン電極との間に印加する電圧に応じて複数
の色に変化する液晶表示体と、オーディオ機器の制御部
で検出された各周波数帯域の音声信号強度に応じた表示
信号に基づいて前記液晶セルの各セグメント電極とコモ
ン電極との間にそれぞれ前記複数の色を選択的に表示さ
せる駆動電圧を印加する表示駆動手段とを備えたことを
特徴とするものであるから、カラーフィルタを用いずに
透過光を着色して光の透過率を高くし、表示の明るさを
十分高くすることができるとともに、液晶セルの各セグ
メント電極に対応する部分の表示色をそれぞれ複数色に
変化させて、音声信号強度を複数の色で表示することが
できる。
【0133】また、第2の発明の音声信号強度表示装置
は、各周波数帯域の音声信号強度表示領域ごとに複数に
分割されたセグメント電極を形成した透明基板と前記セ
グメント電極と対向するコモン電極を形成した透明基板
との間に液晶を封入した液晶セルの表面側に偏光板を配
置し、前記液晶セルの裏面側に反射板を配置するととも
に、前記偏光板と反射板のいずれか一方と前記液晶セル
との間に位相差板を設け、かつ前記位相差板はその遅相
軸を前記偏光板の透過軸に対して所定角度斜めにずらし
て配置してなり、前記液晶セルの各セグメント電極に対
応する部分の表示色がそれぞれ前記セグメント電極とコ
モン電極との間に印加する電圧に応じて複数の色に変化
する液晶表示体と、オーディオ機器の制御部で検出され
た各周波数帯域の音声信号強度に応じた表示信号に基づ
いて前記液晶セルの各セグメント電極とコモン電極との
間にそれぞれ前記複数の色を選択的に表示させる駆動電
圧を印加する表示駆動手段とを備えたことを特徴とする
ものであるから、カラーフィルタを用いずに透過光を着
色して光の透過率を高くし、表示の明るさを十分高くす
ることができるとともに、液晶セルの各セグメント電極
に対応する部分の表示色をそれぞれ複数色に変化させ
て、音声信号強度を複数の色で表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の第1の実施例を示す音声信号強度
表示装置の構成図。
【図2】同実施例における液晶セルの液晶分子配向方向
と位相差板の遅相軸と偏光板の透過軸とを示す平面図。
【図3】音声信号強度表示装置の表示例を示すセグメン
ト電極の形状図。
【図4】音声信号強度の表示状態を示す状態図。
【図5】音声信号強度表示装置を備えたカセットテープ
レコーダの回路構成を示すブロック図。
【図6】第1の発明の第2の実施例による液晶セルの液
晶分子配向方向と位相差板の遅相軸と偏光板の透過軸と
を示す平面図。
【図7】第1の発明の第3の実施例による液晶セルの液
晶分子配向方向と位相差板の遅相軸と偏光板の透過軸と
を示す平面図。
【図8】第2の発明の第1の実施例を示す音声信号強度
表示装置の構成図。
【図9】同実施例における液晶セルの液晶分子配向方向
と位相差板の遅相軸と偏光板の透過軸とを示す平面図。
【図10】第2の発明の第2の実施例による液晶セルの
液晶分子配向方向と位相差板の遅相軸と偏光板の透過軸
とを示す平面図。
【図11】第2の発明の第3の実施例による液晶セルの
液晶分子配向方向と位相差板の遅相軸と偏光板の透過軸
とを示す平面図。
【符号の説明】
10…液晶表示体 20…液晶セル 21,22…透明基板 21a…ツイスト配向液晶セルの上基板側における液晶
分子配向方向 22a…ツイスト配向液晶セルの下基板側における液晶
分子配向方向 20a…ホモジニアス配向液晶セルの液晶分子配向方向 23…コモン電極 24…セグメント電極 25,26…配向膜 28…液晶 30…位相差板 30a…遅相軸 31,32…偏光板 31a,32a…透過軸 33…反射板 54…カセットテープレコーダの動作制御部 60…表示駆動部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オーディオ機器に設けられて各周波数帯域
    の音声信号の強度をカラー表示する音声信号強度表示装
    置であって、 各周波数帯域の音声信号強度表示領域ごとに複数に分割
    されたセグメント電極を形成した透明基板と前記セグメ
    ント電極と対向するコモン電極を形成した透明基板との
    間に液晶を封入した液晶セルをはさんで一対の偏光板を
    配置するとともに、前記液晶セルと一方の偏光板との間
    に位相差板を設け、かつ前記位相差板はその遅相軸をこ
    の位相差板が隣接する偏光板の透過軸に対し所定角度斜
    めにずらして配置してなり、前記液晶セルの各セグメン
    ト電極に対応する部分の表示色がそれぞれ前記セグメン
    ト電極とコモン電極との間に印加する電圧に応じて複数
    の色に変化する液晶表示体と、 前記オーディオ機器の制御部で検出された各周波数帯域
    の音声信号強度に応じた表示信号に基づいて前記液晶セ
    ルの各セグメント電極とコモン電極との間にそれぞれ前
    記複数の色を選択的に表示させる駆動電圧を印加する表
    示駆動手段とを備えたことを特徴とするオーディオ機器
    の音声信号強度表示装置。
  2. 【請求項2】液晶セルは液晶分子を両基板間においてツ
    イスト配向させたものであることを特徴とする請求項1
    に記載のオーディオ機器の音声信号強度表示装置。
  3. 【請求項3】液晶セルは液晶分子をホモジニアス配向さ
    せたものであることを特徴とする請求項1に記載のオー
    ディオ機器の音声信号強度表示装置。
  4. 【請求項4】オーディオ機器に設けられて各周波数帯域
    の音声信号の強度をカラー表示する音声信号強度表示装
    置であって、 各周波数帯域の音声信号強度表示領域ごとに複数に分割
    されたセグメント電極を形成した透明基板と前記セグメ
    ント電極と対向するコモン電極を形成した透明基板との
    間に液晶を封入した液晶セルの表面側に偏光板を配置
    し、前記液晶セルの裏面側に反射板を配置するととも
    に、前記偏光板と反射板のいずれか一方と前記液晶セル
    との間に位相差板を設け、かつ前記位相差板はその遅相
    軸を前記偏光板の透過軸に対して所定角度斜めにずらし
    て配置してなり、前記液晶セルの各セグメント電極に対
    応する部分の表示色がそれぞれ前記セグメント電極とコ
    モン電極との間に印加する電圧に応じて複数の色に変化
    する液晶表示体と、 前記オーディオ機器の制御部で検出された各周波数帯域
    の音声信号強度に応じた表示信号に基づいて前記液晶セ
    ルの各セグメント電極とコモン電極との間にそれぞれ前
    記複数の色を選択的に表示させる駆動電圧を印加する表
    示駆動手段とを備えたことを特徴とするオーディオ機器
    の音声信号強度表示装置。
  5. 【請求項5】液晶セルは液晶分子を両基板間においてツ
    イスト配向させたものであることを特徴とする請求項4
    に記載のオーディオ機器の音声信号強度表示装置。
  6. 【請求項6】液晶セルは液晶分子をホモジニアス配向さ
    せたものであることを特徴とする請求項4に記載のオー
    ディオ機器の音声信号強度表示装置。
JP5170205A 1993-07-09 1993-07-09 オーディオ機器の音声信号強度表示装置 Pending JPH0728030A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103284729A (zh) * 2012-02-28 2013-09-11 理音株式会社 听力计

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