JPH07279470A - 自転車搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自転車を位置合わせ等を要することなく容易
に導入させるとともに、人力等によって保持することな
く確実に搬送する自転車搬送装置を提供。 【構成】 入庫される自転車１０は、駐輪場の一階にお
いて、運転者等によって無端帯状体としての搬送チェー
ン３０，３１間に進入され、車輪１１を搬送チェーン３
０，３１によって搬送方向両側から挟持部材としての弾
性体３２を介して挟持されるとともに、搬送チェーン３
０，３１の移動に伴ってガイドフレーム２０，２１のレ
ールに沿って移動される。これにより自転車１０は、駐
輪場の一階から二階に搬送される。駐輪場の二階におい
て、自転車１０は搬送チェーン３０，３１から排出機構
４０に受け渡され、排出機構４０から運転者等によって
取り出されて所定の場所に駐輪される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば立体駐輪場にお
いて下層階から上層階に自転車を搬送する自転車搬送装
置に関し、詳しくは自転車を人力等によって保持するこ
となく搬送するための構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来自転車搬送装置として、下層階から
上層階に向かって設けられた階段の両側に、固定床の下
り用自転車通路と、ベルトコンベヤを備えた上り用自転
車通路が設けられたものがある（特公昭６０−２０５４
６号公報参照）。このような装置において、自転車を下
層階から上層階に入庫する際、運転者は、自転車から降
りた後、自転車の前輪をガイド溝に進入させ、自転車を
直立した状態に保持する。そして運転者は、ブレーキを
作動させた状態で、コンベヤの搬送速度に合わせて自転
車とともに階段を登る。

【０００３】また実開平１−１０９５５０号公報には、
搬送コンベヤが、下層階の搬入口から上層階の搬出口に
無端状に掛け渡されており、搬送コンベヤの搬送面に
は、自転車の搬送方向後方への移動を阻止する車輪滑止
部材が設けられたものが記載されている。搬送コンベヤ
の幅方向両側には、踏板が搬送方向に沿って形成され
る。このような装置において、自転車を下層階から上層
階に入庫する際、運転者は、自転車に乗ったまま自転車
を搬送コンベヤ上に進入する。搬送コンベヤによる自転
車の搬送中、運転者は、両足を踏板上に接地することに
より、自転車を直立した状態に保持する。

【０００４】更に特公昭６３−８２６１号公報には、図
３に示すように、下層階と上層階の間に傾斜路６１が形
成されるとともに、傾斜路６１には、ベルトコンベヤ６
０及び凹状の案内溝６４が設けられたものが記載されて
いる。ベルトコンベヤ６０には、傾斜路６１の片側全長
にわたって循環移動される無端ベルト６２が設けられて
おり、無端ベルト６２の移動に伴って自転車６３が搬送
される。案内溝６４の底部は、無端ベルト６２の上側軌
道に並行しており、この底部から上側軌道までの高さ
は、底部から自転車のペダルの回転軸の高さより高い。
このような自転車搬送装置において、自転車６３を下層
階から上層階に入庫する際、運転者は、自転車６３から
降りた後、自転車６３の車輪６８を案内溝６４に進入す
る。自転車６３の車輪６８が案内溝６４に進入すると、
自転車６３の一方のペダル６５が無端ベルト６２の上面
に当接するとともに、案内溝６４の底部が無端ベルト６
２の上側軌道に対して相対的に低くなっていることによ
り、ペダル６５が上方に押し上げられ、同軸上の他方の
ペダル６６も無端ベルト６２の上面に当接する。したが
って自転車６３は、車輪６８を案内溝６４によって案内
されるとともに、両側のペダル６５，６６を無端ベルト
６２の上面に支持されることとなり、倒れることなく直
立状態を保持される。これにより自転車６３を人力等に
よって保持することなく、無端ベルト６２によって搬送
することができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし上述した従来の
自転車搬送装置のうち、特公昭６０−２０５４６号公報
に記載された装置では、運転者は、自転車が搬送される
間、常に自転車を直立した状態に保持するとともに、ブ
レーキを作動させていなければならず、加えてコンベヤ
の搬送速度に合わせて自転車とともに階段を登らなけれ
ばならない。したがって、自転車の入庫に多大の労力を
要するという問題があった。

【０００６】また実開平１−１０９５５０号公報に記載
された装置では、自転車を下層階から上層階に入庫する
際、運転者は、自転車に乗ったまま両足を踏板上に接地
させ、自転車の搬送中、常に自転車を直立した状態に保
持していなければならない。したがって、自転車の入庫
に多大の労力を要するとともに、搬送中においても運転
者が自転車に乗ったままであるため、安全性の確保が困
難であるという問題があった。

【０００７】更に特公昭６３−８２６１号公報に記載さ
れた装置では、自転車６３の両側のペダル６５，６６が
無端ベルト６２の上面に支持されるように、自転車６３
を円滑に進入するためには、案内溝６４の底部と無端ベ
ルト６２の上側軌道との位置関係を、自転車６３のペダ
ル６５，６６の回転軸６７と車輪６８の接地面の寸法と
の関係に応じて厳密に設定する必要がある。しかし実際
には、自転車６３の車輪６８の外径寸法が、運転者の身
長に応じて選択し得るように細分化されており、ペダル
６５，６６の回転軸６７と車輪６８の接地面の寸法も、
車輪６８の外径寸法に応じて大幅に異なる。つまり、案
内溝６４の底部と無端ベルト６２の上側軌道との位置関
係を、あらゆるサイズの自転車を想定して設定すること
は極めて困難であり、したがって自転車６３の進入に際
しては、運転者による位置合わせ等を行わざるを得ない
という問題があった。

【０００８】本発明は、自転車を位置合わせ等を要する
ことなく容易に進入することができるとともに、人力等
によって保持することなく確実に搬送することができる
自転車搬送装置を提供することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、低
所と高所の間にわたって移動可能に張設され、かつ所要
の間隔を空けて一対設けられた無端帯状体を備え、前記
無端帯状体により自転車の車輪を両側方から挟持した状
態で前記無端帯状体を同期移動して自転車を搬送するこ
とを特徴とする自転車搬送装置により達成される。前記
無端帯状体は、自転車の車輪の両側面に当接して車輪を
挟持可能な弾性体からなる挟持部材を相互の対向部に有
することが好ましい。

【００１０】

【作用】本発明に係る自転車搬送装置において、一対の
無端帯状体は、自転車の車輪を挟持した状態で、所定の
方向に同期して移動され、自転車を低所から高所又は高
所から低所に搬送する。作業者は、自転車の搬送に際し
自転車を無端帯状体の間に装填する導入作業だけを行え
ばよく、位置合わせや自転車保持等の他の作業が不要で
あり、容易に自転車を搬送することができる。

【００１１】また本発明に係る自転車搬送装置におい
て、無端帯状体が弾性体からなる挟持部材を備えること
により、自転車の車輪は密接状態で確実に挟持され、安
定した搬送を保証できる。

【００１２】

【実施例】以下図示実施例により、本発明を説明する。
図１は、本発明の一実施例である自転車搬送装置を適用
した立体駐輪場を示す図である。この図において、入庫
される自転車１０は、駐輪場の一階において、運転者又
は駐輪場管理者（以下、運転者等という）によって無端
帯状体としての搬送チェーン３０，３１間に進入され、
車輪１１を搬送チェーン３０，３１によって搬送方向両
側から挟持されるとともに、搬送チェーン３０，３１の
移動に伴ってガイドフレーム２０，２１に沿って移動さ
れる。これにより自転車１０は、駐輪場の一階から二階
に搬送される。駐輪場の二階において、自転車１０は搬
送チェーン３０，３１から排出機構４０に受け渡され、
排出機構４０から運転者等によって取り出されて所定の
場所に駐輪される。

【００１３】ガイドフレーム２０，２１は、水平方向に
所定の間隔をあけて左右一対設けられており、駐輪場の
一階から二階に向けて緩やかに傾斜される。各ガイドフ
レーム２０，２１の側面外周にはそれぞれ、図２に示す
ように、レール２２，２３が設けられる。各レール２
２，２３の内面には、超高分子ポリエチレン等のプラス
チック（図示しない）が設けられ、搬送チェーン３０，
３１の滑り面を構成する。

【００１４】搬送チェーン３０，３１はそれぞれ、図１
に示すように、各ガイドフレーム２０，２１の側面外周
をループ状に取り巻くようにレール２２，２３に沿って
移動可能に設けられており、自転車１０の車輪１１を弾
性体（挟持部材）３２を介して搬送方向両側から当接し
て挟持させた状態で、図示しないモータ等によって所定
の方向に移動され、自転車１０を駐輪場の一階から二階
に搬送する。

【００１５】各搬送チェーン３０，３１は、各ガイドフ
レーム２０，２１の両端部に水平方向に回転可能に設け
られたスプロケット（図示しない）にそれぞれ巻回され
ており、各スプロケットは、駆動チェーン（図示しな
い）を介して伝達されるモータ等の回転によって所定の
方向に回転する。すなわち左側ガイドフレーム２０に設
けられたスプロケットは、モータ等の回転に伴って図１
中左回りに回転し、左側搬送チェーン３０をレール２２
（図２）に沿って図１中左回りに移動する。また右側ガ
イドフレーム２１に設けられたスプロケットは、モータ
等の回転に伴って図１中右回りに回転し、右側搬送チェ
ーン３１をレール２３（図２）に沿って図１中右回りに
移動する。

【００１６】弾性体３２は、図１及び図２に示すよう
に、断面半円状に形成された中空のゴムパッド等からな
り、各搬送チェーン３０，３１の外側面に搬送チェーン
３０，３１の移動方向に沿って多数、かつ、長手方向が
搬送チェーン３０，３１の移動方向と直交するように設
けられる。各搬送チェーン３０，３１の対向する弾性体
３２どうしの間隔は、自転車１０の車輪１１のゴムタイ
ヤ部分を挟持する搬送区間Ａにおいて、自転車１０の車
輪１１のゴムタイヤ部分の幅とほぼ同一であるととも
に、車輪１１を進入する駐輪場一階の導入区間Ｂにおい
て、ガイドフレーム２０，２１の端部に向かって（図中
左方）に徐々に拡がる。導入区間Ｂによって、自転車１
０の車輪１１がより円滑かつ確実に搬送チェーン３０，
３１間に進入される。

【００１７】再び図１を参照すると、駐輪場の二階に設
けられた排出機構４０においては、直線状に形成された
一対のガイドフレーム４１，４２が、ガイドフレーム２
０，２１にそれぞれ連続して設けられており、各ガイド
フレーム４１，４２の側面外周には、レール（図示しな
い）が設けられるとともに、搬送チェーン４５，４６
が、各ガイドフレーム４１，４２の側面外周をループ状
に取り巻くようにレールに沿って移動可能に設けられ
る。すなわちガイドフレーム４１，４２が直線状である
ことと、搬送チェーン４５，４６がモータ等によって駆
動されず、常時フリー状態であること以外は、上述した
ガイドフレーム２０，２１及び搬送チェーン３０，３１
の構成と同一である。搬送チェーン４５，４６間には、
搬送チェーン３０，３１によって自転車１０の車輪１１
が進入され、搬送チェーン４５，４６によってゴムタイ
ヤ部分を搬送方向両側から挟持される。これにより自転
車１０は、搬送チェーン４５，４６間に挟持されて直立
した状態を保持される。

【００１８】ガイドフレーム２０，２１における駐輪場
二階の端部近傍と、排出機構４０における両端部近傍の
計３か所には、自転車１０の車輪１１を検知するセンサ
５０が設けられる。搬送チェーン３０，３１を駆動する
モータ等は、これらセンサ５０の信号に基づいて図示し
ない制御装置によって制御され、自転車１０が排出機構
４０に滞留している場合に、回転を停止される。すなわ
ち制御装置は、排出機構４０の両端部近傍のセンサ５０
が自転車１０の前後輪１１を検知するとともに、ガイド
フレーム２０，２１における駐輪場二階の端部近傍に設
けられたセンサ５０も自転車１０の前輪１１を検知した
場合、つまり排出機構４０に自転車１０が滞留している
場合、モータ等の回転を停止することによって搬送チェ
ーン３０，３１の移動を停止させ、自転車１０の搬送を
一時中断する。そして排出機構４０の両端部近傍のセン
サ５０が、自転車１０の前後輪１１を検知しなくなる
と、つまり排出機構４０から自転車１０が取り出される
と、再びモータ等を回転させて搬送チェーン３０，３１
を移動させ、自転車１０の搬送を再開する。これにより
運転者は、自転車１０を自由なタイミングで排出機構４
０から取り出すことができ、したがって老若男女を問わ
ず容易かつ安全な利用が可能である。

【００１９】本実施例の作用を説明する。入庫される自
転車１０は、駐輪場の一階において、車輪１１を運転者
等によって搬送チェーン３０，３１間に進入される。搬
送チェーン３０，３１間に進入された車輪１１は、弾性
体３２を介して各搬送チェーン３０，３１によってゴム
タイヤ部分を搬送方向両側から挟持されるとともに、搬
送チェーン３０，３１の移動に伴ってガイドフレーム２
０，２１のレール２２，２３に沿って移動される。これ
により自転車１０は、駐輪場の一階から二階に搬送され
る。駐輪場の二階において、自転車１０は、搬送チェー
ン３０，３１によって車輪１１を排出機構４０の搬送チ
ェーン４５，４６間に進入されて挟持され、直立した状
態に保持される。そして自転車１０は、階段等１２を使
って駐輪場の二階まで登ってきた運転者等によって排出
機構４０から取り出され、所定の場所に駐輪される。

【００２０】以上のように上記各実施例によれば、搬送
チェーン３０，３１が、駐輪場の一階から二階に向けて
緩やかに傾斜された一対のガイドフレーム２０，２１の
側面外周をループ状に取り巻くように、レール２２，２
３に沿って移動可能にそれぞれ設けられており、自転車
１０の車輪１１を弾性体３２を介して搬送方向両側から
当接して挟持させた状態で、それぞれ所定の方向回りに
同期して移動されるので、自転車１０を位置合わせ等を
要することなく容易に進入することができるとともに、
人力等によって保持することなく駐輪場の一階から二階
に確実に搬送することができる。

【００２１】なお上記実施例では、各搬送チェーン３
０，３１が、自転車１０の車輪１１をゴムパッド等の弾
性体３２を介して間接的に挟持するように構成したが、
弾性体３２を設けずに、各搬送チェーン３０，３１が自
転車１０の車輪１１を直接挟持するように構成するとと
もに、各ガイドフレーム２０，２１のレール２２，２３
の滑り面に弾性を持たせてもよい。これによると、各搬
送チェーン３０，３１が直接自転車１０の車輪１１に接
触するため、各搬送チェーン３０，３１と自転車１０の
車輪１１との間には、タイヤゴムの弾力性による緩衝作
用しか生じないが、レール２２，２３の滑り面の弾性に
よって各搬送チェーン３０，３１とレール２２，２３の
滑り面との間に緩衝作用が生じるため、特に車輪１１の
進入に際して何ら支障を来すことはない。

【００２２】また上記実施例では、自転車１０を駐輪場
の一階から二階に入庫する搬送装置として用いている
が、駆動機構による搬送チェーン３０，３１の移動方向
を、上述とは逆方向とすることにより、自転車１０を駐
輪場の二階から一階に出庫する搬送装置として用いるこ
ともでき、更に高層駐輪場の各階層間の入庫又は出庫用
搬送装置として用いることもできる。また搬送チェーン
３０，３１を二対設けることによって、それぞれ入庫用
及び出庫用搬送装置として用いることもできる。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、低所と高
所の間にわたって移動可能に、かつ、所要の間隔をあけ
て一対設けられた無端帯状体が、自転車の車輪を搬送方
向両側から当接して挟持した状態で、所定の方向に同期
して移動されるので、自転車を位置合わせ等を要するこ
となく容易に導入することができるとともに、人力等に
よって保持することなく低所から高所又は高所から低所
に確実に搬送することができる。また本発明によれば、
無端帯状体が、弾性体を介して自転車の車輪を搬送方向
両側から当接して挟持した状態で、所定の方向に同期し
て移動されるので、自転車を確実に挟持することがで
き、安定した搬送を保証できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である自転車搬送装置を示す
全体斜視図である。

【図２】図１の自転車搬送装置の搬送チェーン及び弾性
体の一部を示す拡大斜視図である。

【図３】従来の自転車搬送装置を示す断面図である。

【符号の説明】

１０ 自転車 １１ 車輪 １２ 階段 ２０，２１ ガイドフレーム ２２，２３ レール ３０，３１ 搬送チェーン（無端帯状体） ３２ 弾性体（挟持部材） ４０ 排出機構 ４１，４２ ガイドフレーム ４５，４６ 搬送チェーン ５０ センサ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 低所と高所の間にわたって移動可能に張
   設され、かつ所要の間隔（Ｗ）を空けて一対設けられた
   無端帯状体（３０，３１）を備え、前記無端帯状体によ
   り自転車（１０）の車輪（１１）を両側方から挟持した
   状態で前記無端帯状体（３０，３１）を同期移動して自
   転車を搬送することを特徴とする自転車搬送装置。
2. 【請求項２】 前記無端帯状体（３０，３１）は、自転
   車の車輪（１１）の両側面に当接して車輪（１１）を挟
   持可能な弾性体からなる挟持部材（３２）を相互の対向
   部に有することを特徴とする請求項１記載の自転車搬送
   装置。