JPH07278540A - 緑色発光希土類酸硫化物蛍光体及びこれを用いた増感紙 - Google Patents

緑色発光希土類酸硫化物蛍光体及びこれを用いた増感紙

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JPH07278540A
JPH07278540A JP6070394A JP7039494A JPH07278540A JP H07278540 A JPH07278540 A JP H07278540A JP 6070394 A JP6070394 A JP 6070394A JP 7039494 A JP7039494 A JP 7039494A JP H07278540 A JPH07278540 A JP H07278540A
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phosphor
rare earth
intensifying screen
fluorescent substance
earth oxysulfide
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JP6070394A
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Etsuo Shimizu
悦雄 清水
Shoji Oishi
昭二 大石
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Kasei Optonix Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Kasei Optonix Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 増感紙の蛍光体層に用いた時に、従来の増感
紙に比べてより鮮鋭度の向上した増感紙が得られる希土
類酸硫化物蛍光体並びにより鮮鋭度の向上した増感紙を
提供すること、更には、上記の鮮鋭度の向上に加えて、
従来のものに比べて残光の低減された希土類酸硫化物蛍
光体並びに増感紙を提供すること。 【構成】 組成式(Gd1-X-Y-z,Yx,Tby,Tmz)2O2S(但し、
x、y及びzはそれぞれ0≦x≦0. 4、0. 0001
≦y≦0. 02及び0≦z≦0. 005なる条件を満足
する数である)で表され、更に0. 3〜30ppmのZ
nを含有するか、又は0. 3〜30ppmのZnと0.
04〜0. 6ppmのCe及び/又は合計で0. 04〜
10ppmのSc、Nd及びYbの内の少なくとも1種
とを含有する、緑色発光希土類酸硫化物蛍光体、及び該
蛍光体を感光体層に含む増感紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は緑色発光希土類酸硫化物
蛍光体及びこれを用いた増感紙に関する。
【0002】
【従来の技術】テルビウム(Tb)で付活した希土類酸
硫化物蛍光体は、X線励起により高輝度の緑色発光を呈
するところから、X線写真撮影に際し撮影系の感度を向
上させるためにX線フイルムと組み合わせて使用される
増感紙用として広く用いられている。
【0003】ところで、増感紙においては写真感度が高
いことの外に鮮鋭度、粒状性等の写真画質が良好である
ことが好ましいが、Tbで付活した緑色発光希土類酸硫
化物蛍光体(以下、希土類酸硫化物螢光体と言う)を蛍
光体層に用いた増感紙においては、写真感度は高いもの
の写真画質は必ずしも十分ではなく、写真画質のより一
層の向上が望まれている。
【0004】また、高速のX線撮影においては残像を生
じさせないために出来る限り残光の短い増感紙が望まれ
るが、希土類酸硫化物蛍光体を用いた増感紙の残光特性
は必ずしも充分ではなく、その改良が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、増感
紙の蛍光体層に用いた時に、従来の増感紙に比べてより
鮮鋭度の向上した増感紙が得られる希土類酸硫化物蛍光
体並びにより鮮鋭度の向上した増感紙を提供することに
ある。また本発明の目的は、上記の鮮鋭度の向上に加え
て、従来のものに比べて残光の低減された希土類酸硫化
物蛍光体並びに増感紙を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の目的
を達成するために、希土類酸硫化物蛍光体に添加する不
純物元素と、このような不純物元素を含有する蛍光体を
蛍光体層に用いた増感紙の鮮鋭度並びに残光特性との関
係について種々研究を重ねた結果、特定組成の希土類酸
硫化物蛍光体に特定量の亜鉛(Zn)を含有させること
により、この蛍光体を用いた増感紙の鮮鋭度が向上し、
更にこのZnを含有させた螢光体に特定量のセリウム
(Ce)、スカンジウム(Sc)、ネオジム(Nd)及
びイッテルビウム(Yb)の内の少なくとも1種を含有
させると残光が著しく低減し、これらの蛍光体を螢光体
層に用いることによって、従来の希土類酸硫化物蛍光体
を用いた増感紙に比べて鮮鋭度が向上し且つ残光の低減
した増感紙が得られることを見出し、本発明を完成し
た。
【0007】即ち、本発明の希土類酸硫化物蛍光体は、
その組成式が (Gd1-X-Y-z ,Yx ,Tby ,Tmz22 S (但し、x、y及びzはそれぞれ0≦x≦0. 4、0.
0001≦y≦0. 02及び0≦z≦0. 005なる条
件を満足する数である。以下同様である)で表され、更
に0. 3〜30ppmの亜鉛(Zn)を含有することを
特徴とする。
【0008】また本発明の希土類酸硫化物蛍光体は、そ
の組成式が (Gd1-X-Y-z ,Yx ,Tby ,Tmz22 S で表され、更に(イ)0. 3〜30ppmの亜鉛(Z
n)と、(ロ)0. 04〜0. 6ppmのセリウム(C
e)及び/又は合計で0.04〜10ppmのスカンジ
ウム(Sc)、ネオジム(Nd)及びイッテルビウム
(Yb)の内の少なくとも1種とを含有することを特徴
とする。
【0009】更に、本発明の増感紙は支持体と、この支
持体上に設けられたX線用蛍光体及び該X線用蛍光体を
分散支持する結合剤からなる蛍光体層とを有する増感紙
において、該X線用蛍光体がそれぞれ上記各希土類酸硫
化物蛍光体からなることを特徴とする。
【0010】以下に、本発明を詳細に説明する:本発明
の希土類酸硫化物蛍光体は、蛍光体原料混合物に不純物
元素としてZn、又はZnとCe、Sc、Nd及びYb
の内の少なくとも1種とを、それぞれZn化合物、Ce
化合物、Sc化合物、Nd化合物及びYb化合物として
特定量添加すること以外は、これらを含有しない組成式 (Gd1-X-Y-z ,Yx ,Tby ,Tmz22 S の蛍光体の製造方法と同様の方法で製造される。
【0011】まず蛍光体原料として下記(1)〜(6)
の蛍光体原料が用いられる。(1)〜(6)の蛍光体原
料の内、(6)以外の原料は従来の組成式 (Gd1-X-Y-z ,Yx ,Tby ,Tmz22 S の蛍光体の製造に用いられる原料と同じである: (1)Gd23 またはGdの硝酸塩、炭酸塩、硫酸
塩、蓚酸塩、ハロゲン化物等の高温でGd23 に変わ
り得るGd化合物、(2)Y23 またはYの硝酸塩、
炭酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、ハロゲン化物等の高温でY2
3 に変わり得るY化合物、(3)Tb47 またはT
bの硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、ハロゲン化物等
の高温でTb47 に変わり得るTb化合物、(4)T
23 またはTmの硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、蓚酸
塩、ハロゲン化物等の高温でTm23 に変わり得るT
m化合物、(5)硫黄(S)、(6)Znの酸化物、硫
化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物等のZn
化合物、又はこれらのZn化合物とCe化合物、Sc化
合物、Nd化合物及びYb化合物の少なくとも1種。
【0012】上記の蛍光体原料(1)〜(5)を化学量
論的に組成式 (Gd1-X-Y-z ,Yx ,Tby ,Tmz22 S となるような量比で秤取し、これに所定量の上記の螢光
体原料(6)と炭酸ナトリウム( Na2 CO3 )、燐酸
カリウム( K3 PO4 )等の融剤を加え、十分に混合し
て蛍光体原料混合物を調製する。
【0013】上記蛍光体原料(6)の内、Zn化合物は
Zn元素の含有量が組成式 (Gd1-X-Y-z ,Yx ,Tby ,Tmz22 S の蛍光体に対して0. 3〜30ppmとなるような量で
使用されが、添加されたZn化合物はその全量が得られ
る蛍光体中に固溶するのではなく、一部は蛍光体原料の
焼成中に焼成容器外に散逸したり、焼成後の洗浄処理に
より溶出するので、原料であるZn化合物は蛍光体中に
含有させたい量よりも過剰の量で使用される。また、C
e化合物、Sc化合物、Nd化合物及びYb化合物の内
の少なくとも1種は、組成式 (Gd1-X-Y-z ,Yx ,Tby ,Tmz22 S の蛍光体に対してCeの含有量が0. 04〜0. 6pp
mとなる量で、またSc、Nd及びYbの内の少なくと
も1種の元素の合計含有量が0.04〜10ppmとな
る量で使用される。
【0014】なお、上記螢光体原料(6)は他の原料に
比べて添加量が著しく少量なので、秤取精度が問題とな
る場合は、秤量が可能な一定量を秤取し、溶媒に溶解し
て希釈した後、所定量の溶液を分取して、他の螢光体原
料に添加しても良い。また、上記蛍光体原料の内、
(5)及び融剤を除く原料は予め鉱酸等で溶解し、同一
溶液から例えば蓚酸塩のような同一の塩として共沈させ
るようにすれば、添加されたZn元素やCe、Sc、N
d及びYbの金属元素が蛍光体中に一層均一に分布し、
発光特性のばらつきが少なくなるのでより好ましい。
【0015】次にこれらの蛍光体原料を耐熱性容器に詰
めて空気中で1100〜1300℃の温度で1〜10時
間焼成し、粉砕、洗浄、乾燥、篩い分け等蛍光体製造に
おいて一般に行なわれている焼成後の各後処理操作を行
なって本発明の蛍光体を得ることができる。
【0016】一方、本発明の増感紙は上述のようにして
製造された、特定量のZn又はZnとCe、Sc、Nd
及びYbの少なくとも1種とを含有する組成式 (Gd1-X-Y-z ,Yx ,Tby ,Tmz22 S の蛍光体を蛍光体層に使用するものであり、その構造は
従来の増感紙と同じものである。すなわち、本発明の増
感紙は本質的に紙、プラスチック等からなる支持体と、
この支持体上に設けられた、上記希土類酸硫化物蛍光体
を硝化綿、アクリル樹脂等の結合剤樹脂中に分散させた
蛍光体層とからなる。
【0017】蛍光体層は上記希土類酸硫化物蛍光体と硝
化綿等の結合剤樹脂とを適当量混合し、更にこれに溶剤
を適当量加えて最適粘度の蛍光体塗布液を調製し、この
蛍光体塗布液をロールコーター、ナイフコーター等によ
って支持体上に塗布し、乾燥して蛍光体層とする。蛍光
体層の蛍光体塗布重量は10〜200mg/cm2 が適
当であり、より好ましくは20〜150mg/cm2
ある。一般に、多くの増感紙は蛍光体層上に蛍光体層を
保護するための保護膜を有しているが、本発明の増感紙
においても透明または染料等で着色された保護膜を設け
てもよい。
【0018】図1はZnを含有する組成式 (Gd0.995 ,Tb0.00522 S の蛍光体を蛍光体層に用いた増感紙(曲線a)及びZn
を含有する組成式 (Gd0.8 ,Y0.194 ,Tb0.005 ,Tm0.0012
2 S の蛍光体を感光体層に用いた増感紙(曲線b)につい
て、それぞれの増感紙の蛍光体層に用いられている希土
類酸硫化物蛍光体中のZnの量と各増感紙の鮮鋭度との
関係を、各増感紙の写真感度を一定にして測定した結果
について例示するグラフである。図1において縦軸の鮮
鋭度指数[M]とは、Znを含まない希土類酸硫化物蛍
光体を用いた従来の増感紙の空間周波数2本/mmにお
けるMTF値を〔MTF(O) 〕とし、これと同一写真感
度で、かつZnを含有する希土類酸硫化物蛍光体を用い
た増感紙の空間周波数2本/mmにおけるMTF値を
〔MTF(Zn)〕とした時の、 〔M〕={〔MTF(Zn)〕/〔MTF(O) 〕}×100 で定義される値であり、MTF値が大きいほど鮮鋭度は
良好であるから、ここで定義される〔M〕の値が100
より大きいほどZnを含有しない希土類酸硫化物蛍光体
を用いた従来の増感紙より鮮鋭度が良好であることを意
味する。
【0019】図1から分るように、増感紙の蛍光体層に
使用される希土類酸硫化物蛍光体中に微量のZnを含有
させると、得られる増感紙の鮮鋭度が著しく向上する
が、Zn含有量がおよそ5ppmを越えると逆に鮮鋭度
は次第に低下し、Zn含有量が30ppmより多いと、
Znを含有しない希土類酸硫化物蛍光体を用いた増感紙
よりも鮮鋭度は低くなる。なお、図1には組成の異なる
2つの希土類酸硫化物蛍光体を用いた増感紙について例
示したが、これ以外の組成の組成式 (Gd1-X-Y-z ,Yx ,Tby ,Tmz22 S の蛍光体を蛍光体層に用いた増感紙の場合も、蛍光体層
に用いられる蛍光体中のZn含有量と増感紙の鮮鋭度と
の相関はほぼ図1に例示した増感紙の場合と同様であっ
た。
【0020】従って、鮮鋭度の観点から、増感紙の蛍光
体層に用いられる組成式 (Gd1-X-Y-z ,Yx ,Tby ,Tmz22 S の蛍光体中に含有させるZnの量は0. 3〜30ppm
とすることが好ましいが、0. 8〜15ppmとするこ
とがより好ましく、1〜10ppmとすることが特に好
ましい。
【0021】図2はCeと一定量(3ppm)のZnと
を含有する組成式 (Gd0.995 ,Tb0.005)22 S の蛍光体を蛍光体層に用いた増感紙について、用いた各
蛍光体中のCe含有量と、この増感紙の残光特性との関
係を各増感紙の写真感度を一定にして測定した結果につ
いて例示するグラフであり、図3は同じ増感紙について
蛍光体中のCe含有量とこの蛍光体を螢光体層に用いた
増感紙の相対写真感度との関係を例示するグラフであ
る。図2において、縦軸は残光指数[L]、横軸は各増
感紙の蛍光体層に使用される組成式 (Gd0.995 ,Tb0.005)22 S の蛍光体中のCe含有量を示す。ここで残光指数[L]
とは、各増感紙にX線を照射し、照射を停止した後の残
光量[L' ]を、Ceを含有しない組成式 (Gd0.995 ,Tb0.00522 S の蛍光体を用いた増感紙に対して同様にX線を照射し、
照射を停止した後の残光量[L0 ]に対する百分率で示
した値、即ち、 [ L]={[L' ]/[L0 ]}×100 であり、ここで定義された[L]値が100より小さい
ほどCeを含有しない蛍光体を用いた増感紙に比べて残
光量が少ないことを示す。
【0022】図2からわかるように、Ceを含有する組
成式 (Gd0.995 ,Tb0.005)22 S の蛍光体を用いた増感紙においては、用いられる螢光体
中のCeの含有量が増すに従って残光量が次第に低減
し、Ceの含有量が少なくとも0. 04ppmになると
残光量はCeを含有しない場合に比べて50%以上低減
し、Ceの含有量が0. 3ppmより多い蛍光体を用い
た増感紙の残光はほとんど認められない。
【0023】一方、図3からわかるようにCeを含有す
る螢光体を用いた増感紙では、使用される蛍光体中のC
eの含有量が0. 4ppmより多くなると増感紙の写真
感度が低下し、これが0. 6ppmより多くなると蛍光
体に淡黄色の着色が現れて発光輝度が低下し、これを用
いた増感紙の写真感度はCeを含有しない蛍光体を用い
た増感紙に比べて5%以上低下するため実用上好ましく
ない。
【0024】なお、図2及び図3には第1の不純物元素
として3ppmのZnを含有し、第2の不純物元素とし
てCeを含有する組成式 (Gd0.995 ,Tb0.005)22 S の蛍光体を用いた増感紙について、用いる蛍光体中のC
e含有量と増感紙の残光量及び相対写真感度との関係を
例示したが、これらの相関は用いる組成式 (Gd1-X-Y-z ,Yx ,Tby ,Tmz22 S の蛍光体の組成及び第1の不純物元素であるZnの含有
量が変わってもほぼ同様であった。また、第2の不純物
元素としてSc、Nd又はYbを用いる場合に、蛍光体
中のこれら第2の不純物元素の含有量とその蛍光体を用
いた増感紙の残光量との間には図2と類似の相関があ
り、Ceを第2の不純物元素として用いた場合と同様
に、これら不純物元素含有量がおよそ0.04ppm以
上であると残光量の低減効果が認められたが、蛍光体中
の第2の不純物元素含有量を増加させた場合の増感紙の
写真感度の低下はCeを第2の不純物元素として用いた
場合ほど顕著ではなく、Ceが共存する場合においても
Sc、Nd及びYbの含有量の合計がおよそ10ppm
以下であれば、これらの蛍光体を用いた増感紙の写真感
度の低下は実用上支障のない程度であった。
【0025】従って、得られる増感紙の蛍光体層に用い
る組成式 (Gd1-X-Y-z ,Yx ,Tby ,Tmz22 S の蛍光体中の第2の不純物元素であるCe、Sc、Nd
及びYbの内の少なくとも1種の含有量は、残光低減の
観点からは、0. 04ppm以上とすることが好まし
い。一方、増感紙の写真感度の低下抑制の観点からは第
2の不純物元素の含有量はCeの場合には0. 6ppm
以下とし、Sc、Nd及びYbの場合にはその合計で1
0ppm以下とすることが好ましく、より好ましくはC
eの場合には0.4ppm以下とし、Sc、Nd及びY
bの場合にはその合計で5ppm以下とする。
【0026】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を説明
する: 実施例1〜4及び比較例1 酸化ガドリニウム(Gd23 ) 721. 4g 酸化テルビウム(Tb47 ) 3. 74g 酸化亜鉛(ZnO) 33mg 炭酸ナトリウム(Na2 CO3 ) 300g リン酸カリウム(K3 PO4 ・3H2 O) 40g 硫黄(S) 220g 上記原料を均一に混合し、アルミナルツボに詰めて、空
気中1250℃で5時間焼成した。得られた焼成物を充
分に水洗し、乾燥後、篩にかけて粒子径をそろえ、Zn
の含有量が1ppmである組成式 (Gd0.995 ,Tb0.005)22 S の蛍光体{蛍光体(1)}を得た。
【0027】これとは別に、酸化亜鉛(ZnO)の使用
量をそれぞれ蛍光体(1)の場合の3倍、10倍および
20倍とする以外は、上記蛍光体(1)の製造と同様に
して表1に記載の組成を有する蛍光体(2)、(3)及
び(4)を製造した。
【0028】一方、比較のため、酸化亜鉛(ZnO)を
添加しない以外は、上記蛍光体(1)の製造と同様にし
てZnを含有しない組成式 (Gd0.995 ,Tb0.005)22 S の蛍光体{蛍光体(R1)}を得た。
【0029】次に8重量部の上記蛍光体(1)、1重量
部の硝化綿及び有機溶剤を混合し、蛍光体塗布液を調製
した。この蛍光体塗布液を、表面にカーボンブラック光
吸収層を有するポリエチレンテレフタレート支持体上
に、乾燥後の蛍光体塗布重量が57mg/cm2 となる
ようにナイフコーターを用いて均一に塗布し、乾燥させ
て蛍光体層を作製した。次いで、この蛍光体層の表面に
酢酸セルロースを溶剤に溶かした保護膜塗布液を、乾燥
後の膜厚がおよそ6μmとなるように均一に塗布し、乾
燥させて透明保護膜を形成し、蛍光体(1)からなる蛍
光体層を有する増感紙{増感紙(1)}を得た。これと
は別に、蛍光体(1)に替えて蛍光体(2)〜(4)及
び蛍光体(R1)を用いること及び各増感紙の写真感度
がほぼ一定となるように各蛍光体塗布液の乾燥後の塗布
重量を表1に記載の通りとする以外は増感紙(1)の製
造と同様にして増感紙(2)〜(4)及び増感紙(R
1)を製造した。
【0030】実施例5〜10 721. 4gの酸化ガドリニウム(Gd23 )、3.
74gの酸化テルビウム(Tb47 )、0. 12mg
の炭酸セリウム{Ce2 (CO33 }及び300mg
の酸化亜鉛を硝酸に溶解した後1000gの蓚酸を添加
し、生成した沈殿を脱水、乾燥した後、1000℃で1
時間焼成した。次いで、その得られた焼成物と 炭酸ナトリウム(Na2 CO3 ) 300g リン酸カリウム(K3 PO4 ・3H2 O) 40g 硫黄(S) 220g とを充分に混合し、アルミナルツボに詰めて、空気中1
250℃で5時間焼成し、得られた焼成物を充分に水洗
し、乾燥した後、篩にかけて粒子径をそろえ、Znおよ
びCeの含有量がそれぞれ3ppm及び0. 1ppmで
ある組成式 (Gd0.995 ,Tb0.005)22 S の蛍光体{蛍光体(5)}を得た。
【0031】これとは別に、Ce2 (CO33 の添加
量を蛍光体(5)の場合の3倍量とする以外は蛍光体
(5)の製造と同様にして表1に記載の組成を有する蛍
光体(6)を得た。
【0032】また、Ce2 (CO33 の添加量を蛍光
体(5)の場合の2倍量とし、更にこれに0. 17mg
の酸化ネオジム(Nd23 )、又は0. 24mgの酸
化スカンジウム(Sc23 )、又は0.17mgの酸
化イッテルビウム(Yb2 3 )を蛍光体原料として加
える以外は蛍光体(5)の製造と同様にして表1に記載
の組成を有する蛍光体(7)、(8)及び(9)を製造
した。
【0033】更に、Ce2 (CO33 0. 12mgの
代りに1.7mgの酸化ネオジム(Nd23 )及び
2.6mgの酸化イッテルビウム(Yb23 )を用い
る以外は蛍光体(5)の製造と同様にして表1に記載の
組成を有する蛍光体(10)を得た。
【0034】次に、蛍光体(1)に替えて蛍光体(5)
〜(10)を用い、各増感紙の写真感度がほぼ一定とな
るように各蛍光体塗布液の乾燥後の塗布重量を表1に記
載の通りとする以外は増感紙(1)と同様にして増感紙
(5)〜(10)を製造した。
【0035】実施例11〜13及び比較例2 酸化ガドリニウム(Gd23 ) 5800g 酸化イットリウム(Y23 ) 876g 酸化テルビウム(Tb47 ) 37. 4g 酸化ツリウム(Tm23 ) 7. 7g 炭酸セリウム{Ce2 (CO33 } 3. 3mg 酸化ネオジム(Nd23 ) 0. 8mg 酸化イッテルビウム(Yb23 ) 0. 8mg 上記各原料を硝酸に溶解し、十分に撹拌しながらこれに
9000gの蓚酸を加えて生成した沈殿を脱水、乾燥し
た後、1000℃で3時間焼成した。次に得られた上記
焼成物と 塩基性炭酸亜鉛(5ZnO・2CO2 ・4H2 O)
0. 9g 炭酸ナトリウム(Na2 CO3 ) 2700g リン酸カリウム(K3 PO4 ・3H2 O) 400
g 硫黄(S) 2020g とを充分に混合し、アルミナルツボに詰めて、空気中1
250℃で6時間焼成し、得られた焼成物を充分に水洗
し、乾燥した後、篩にかけて粒子径をそろえ、3ppm
のZnと0. 3ppmのCeとそれぞれ0. 1ppmの
Nd及びYbとを含有する組成式 (Gd0.8 、Y0.194 、Tb0.005 、Tm0.001)22
S の蛍光体{蛍光体(11)}を得た。
【0036】これとは別に、Ce2 (CO33 の添加
量を蛍光体(11)の場合の2/3とし、Nd23
Yb23 も用いないか、またはYb23 を用いない
以外はそれぞれ蛍光体(11)の製造と同様にして表1
に記載の組成を有する蛍光体(12)及び(13)を製
造した。
【0037】更に比較のため、5ZnO・2CO2 ・4
2 O、Ce2 (CO33 、Nd 23 及びYb2
3 を用いない以外は蛍光体(11)の製造と同様にし
て、Zn、Ce、Nd及びYbを含有しない組成式 (Gd0.8 、Y0.194 、Tb0.005 、Tm0.001)22
S の蛍光体{蛍光体(R2)}を得た。
【0038】次に、蛍光体(1)に替えて蛍光体(1
1)〜(13)及び蛍光体(R2)を用い、各増感紙の
写真感度がほぼ一定となるように各蛍光体塗布液の塗布
重量を表1に記載の通りとする以外は増感紙(1)と同
様にして増感紙(11)〜(13)及び増感紙(R2)
を製造した。
【0039】上述のようにして得られた本発明の13種
類の増感紙{(1)〜(13)}及び比較例として製造
された2種類の増感紙{(R1)及び(R2)}の螢光
体塗布重量と、これらの各増感紙について測定された写
真感度(相対値)、鮮鋭度指数[M]及び残光指数
[L]を、本発明の螢光体(1)〜(12)及び比較例
の各螢光体の組成と平均粒子径と共に表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】なお、表1中、各螢光体の不純物元素含有
量はいづれもグロ−放電質量分析装置により実測した分
析値であり、鮮鋭度指数[M]及び残光指数[L]は前
述の定義により求めた値である。
【0042】表1の実施例1〜4の増感紙(1)〜
(4)と比較例1の増感紙(R1)との比較から分るよ
うに、写真感度が同一の場合、Znを含有する希土類酸
硫化物螢光体を用いた増感紙{増感紙(1)〜(4)}
は、Znを含有しない希土類酸硫化物螢光体を用いた増
感紙{増感紙(R1)}に比べていづれも鮮鋭度指数
[M]が100より大であり、鮮鋭度が著しく向上し
た。
【0043】また、実施例5〜10の増感紙(5)〜
(10)と比較例1の増感紙(R1)との比較、及び実
施例11〜13の増感紙(11)〜(13)と比較例2
の増感紙(R2)との比較から分るように、写真感度が
同一の場合、ZnとZnの外にCe、Nd、Sc及びY
bの内の少なくとも1種の不純物元素とを含有する希土
類酸硫化物螢光体を用いた増感紙{増感紙(5)〜(1
3)}はいづれも、これらの不純物元素を含有しない希
土類酸硫化物螢光体を用いた増感紙{増感紙(R1)及
び(R2)}に比べて鮮鋭度指数[M]が100より大
であり、鮮鋭度が著しく向上すると共に、残光指数
[L]が23以下であり、残光も実用上支障とならない
程度にまで著しく低減した。
【0044】
【発明の効果】上述のように本発明の希土類酸硫化物螢
光体を螢光体層に用いた増感紙は従来の希土類酸硫化物
螢光体を用いた増感紙と比べ、画質、特に鮮鋭度が著し
く向上すると共に、残光が著しく低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の希土類酸硫化物螢光体中のZn含有量
とこの螢光体を用いた増感紙の鮮鋭度特性との関係を示
すグラフである。
【図2】本発明の希土類酸硫化物螢光体中のCe含有量
とこの螢光体を用いた増感紙の残光特性との関係を示す
グラフである。
【図3】本発明の希土類酸硫化物螢光体中のCe含有量
とこの螢光体を用いた増感紙の写真感度特性との関係を
示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式 (Gd1-X-Y-z ,Yx ,Tby ,Tmz22 S (但し、x、y及びzはそれぞれ0≦x≦0. 4、0.
    0001≦y≦0. 02及び0≦z≦0. 005なる条
    件を満足する数である)で表され、更に0. 3〜30p
    pmの亜鉛(Zn)を含有することを特徴とする緑色発
    光希土類酸硫化物蛍光体。
  2. 【請求項2】 組成式 (Gd1-X-Y-z ,Yx ,Tby ,Tmz22 S (但し、x、y及びzはそれぞれ0≦x≦0. 4、0.
    0001≦y≦0. 02及び0≦z≦0. 005なる条
    件を満足する数である)で表され、更に(イ)0. 3〜
    30ppmの亜鉛(Zn)と、(ロ)0. 04〜0. 6
    ppmのセリウム(Ce)及び/又は合計で0.04〜
    10ppmのスカンジウム(Sc)、ネオジム(Nd)
    及びイッテルビウム(Yb)の内の少なくとも1種とを
    含有することを特徴とする緑色発光希土類酸硫化物蛍光
    体。
  3. 【請求項3】 支持体と、この支持体上に設けられたX
    線用蛍光体及び該X線用蛍光体を分散支持する結合剤か
    らなる蛍光体層とを有する増感紙において、上記X線用
    蛍光体が請求項1又は2記載の緑色発光希土類酸硫化物
    蛍光体であることを特徴とする増感紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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