JPH07277203A - 衝撃吸収式ステアリングコラム - Google Patents

衝撃吸収式ステアリングコラム

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JPH07277203A
JPH07277203A JP9592494A JP9592494A JPH07277203A JP H07277203 A JPH07277203 A JP H07277203A JP 9592494 A JP9592494 A JP 9592494A JP 9592494 A JP9592494 A JP 9592494A JP H07277203 A JPH07277203 A JP H07277203A
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flange
handle shaft
columns
shock
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JP9592494A
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Manabu Takaoka
学 高岡
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 筒状の第1コラム2aに挿入される筒状部材
3に筒状の第2コラム2bが挿入される。その筒状部材
3は、本体3aと、第1コラム2aと軸方向に関し重な
るように本体3aから径方向外方に張り出す第1フラン
ジ3bと、第2コラム2bと軸方向に関し重なるように
本体3aから径方向内方に張り出す第2フランジ3cと
を有する。衝撃により両コラム2a、2bが軸方向相対
移動する際に、両フランジ3b、3cの少なくとも一方
の変形や破断に要する荷重の大きさに応じ衝撃エネルギ
ーを吸収することができる。その変形や破断に要する荷
重の大きさは、両フランジ3b、3cの少なくとも一方
の軸方向力に対する強度に応じ、衝撃エネルギーを吸収
する上で適正な範囲に予め設定できる。 【効果】 衝撃エネルギーを適正に吸収することがで
き、生産性を向上でき、コストを低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の衝突時に運転者
に作用する衝撃を吸収するために用いられる衝撃吸収式
ステアリングコラムに関する。
【0002】
【従来の技術】筒状の第1コラムに筒状の第2コラムを
筒状のスペーサを介し圧入し、両コラムの軸方向相対移
動時に衝撃エネルギーを吸収するようにした衝撃吸収式
ステアリングコラムが提案されている(実開平1‐17
2965号公報参照)。すなわち、各コラムとスペーサ
との間の摩擦力に抗して両コラムを軸方向相対移動させ
ることで衝撃エネルギーの吸収を図るものである。ま
た、スペーサに替えてボールを介し第1コラムに第2コ
ラムを圧入したり、あるいは、第1コラムに第2コラム
を直接圧入するものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の衝撃吸収式
ステアリングコラムにおいては、第1コラムへの第2コ
ラムの圧入荷重が過大になると両コラムの円滑な軸方向
相対移動が阻害され、その圧入荷重が小さくなり過ぎる
と衝撃エネルギーを充分に吸収することができず、何れ
にしても大きな衝撃力が運転者に作用してしまう。その
ため、その圧入荷重を適正な範囲に設定する必要があ
る。
【0004】そこで、両コラムとスペーサとの間の締め
しろを管理することで圧入荷重を適正範囲内に設定する
ことが考えられる。しかし、第1コラムの内径寸法、第
2コラムの外径寸法およびスペーサの径方向の厚さ寸法
は成形誤差が大きく一定以上の寸法公差が必要なため、
そのような締めしろの管理に基づき圧入荷重を所望の範
囲内に設定するのは困難であり、加工精度を向上すると
加工コストが増大する。
【0005】そこで、そのスペーサに凹部を形成し、そ
のスペーサとコラムとの接触面積を変化させることでス
ペーサとコラムとの間の摩擦力を調整し、その圧入荷重
を適正範囲内に設定することが提案されている(特願平
5‐247431号)。この場合、その凹部の面積が互
いに異なる複数種類のスペーサを予め準備し、この準備
したスペーサ群から一つのスペーサを選択して圧入を行
ない、その圧入荷重を実測し、圧入荷重が適正範囲内か
否かを判断する必要がある。しかし、そのような圧入荷
重の実測は面倒なものであり、また、圧入荷重が適正範
囲内にない場合は異なるスペーサを選択して再度圧入作
業を行なう必要があり、非常に生産性の悪いものであっ
た。
【0006】また、第1コラムと第2コラムの軸方向相
対位置は一定とする必要があるが、第1コラムを第2コ
ラムに圧入する場合、その位置決めを正確に行なうには
専用の治具が必要になる。
【0007】本発明は、上記課題を解決することのでき
る衝撃吸収式ステアリングコラムを提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の衝撃吸収式ステ
アリングコラムは、筒状の第1コラムと、この第1コラ
ムに挿入される筒状部材と、この筒状部材に挿入される
筒状の第2コラムとを備え、その筒状部材は、本体と、
第1コラムと軸方向に関し重なるように本体から径方向
外方に張り出す第1フランジと、第2コラムと軸方向に
関し重なるように本体から径方向内方に張り出す第2フ
ランジとを有する。
【0009】いずれか一方のフランジは他方のフランジ
よりも軸方向力に対する強度が小さくされているのが好
ましい。その第1コラムの端面と第1フランジとは当接
され、第2コラムの端面と第2フランジとは当接されて
いるのが好ましい。少なくとも一方のフランジが曲げら
れることで両コラムの軸方向相対移動が許容されるのが
好ましい。少なくとも一方のフランジに周方向に間隔を
おいて切欠が形成されているのが好ましい。
【0010】
【作用】本発明の構成によれば、衝撃による両コラムの
軸方向相対移動は、両フランジの少なくとも一方が変形
されたり破断されることで許容されるので、その変形や
破断に要する荷重の大きさに応じ衝撃エネルギーを吸収
することができる。その変形や破断に要する荷重の大き
さは、両フランジの少なくとも一方の軸方向力に対する
強度に応じ、衝撃エネルギーを吸収する上で適正な範囲
に予め設定することができる。
【0011】いずれか一方のフランジの方が他方のフラ
ンジよりも軸方向力に対する強度が小さくされること
で、一方のフランジの変形や破断によってのみ衝撃エネ
ルギーを吸収することができる。これにより、衝撃エネ
ルギーの吸収が両方のフランジの変形や破断によるのか
一方のフランジの変形や破断によるのか予め特定できな
いといったことがなく、その変形や破断に要する荷重の
大きさを一方のフランジの強度に応じ予め確実に設定す
ることができる。しかも、他方のフランジの強度は一方
のフランジの強度より大きければ足りるため、強度設定
のための寸法設定や加工が要求されることはない。
【0012】第1コラムの端面と第1フランジとが当接
され、第2コラムの端面と第2フランジとが当接される
ことで、第1コラムに対する第2コラムの軸方向相対位
置が定まる。
【0013】フランジの破断により衝撃エネルギーを吸
収する場合、その破断後は両コラムを軸方向相対移動さ
せるのに要する荷重は急激に低下するが、フランジが曲
げられることで両コラムの軸方向相対移動が許容される
場合、その曲げられたフランジとコラムとの摩擦により
適正に衝撃エネルギーを吸収できる。
【0014】少なくとも一方のフランジに周方向に間隔
をおいて切欠を形成することで、そのフランジの軸方向
力に対する強度を切欠の間隔に応じ任意の大きさに設定
できるので、両コラムを軸方向相対移動させるのに要す
る荷重の大きさを衝撃エネルギーを吸収する上で適正な
範囲に予め容易に設定できる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0016】図1、図2に示す衝撃吸収式ステアリング
コラムを搭載した電動パワーステアリング装置1は、筒
状の第1コラム2aと第2コラム2bとを備え、各コラ
ム2a、2bの軸心は車体前方に向かうに従い下方に向
かうよう車体に取り付けられる。
【0017】図3、図4に示すように、その第1コラム
2aに筒状部材3が挿入され、その筒状部材3に第2コ
ラム2bが挿入される。なお、第1コラム2aに筒状部
材3は軽圧入され、筒状部材3に第2コラム2bは軽圧
入されるが、その圧入荷重は組み立て時に各部材2a、
3、2bが分離しない程度の小さなものとされ、組み立
ての便宜を考慮する必要がなければ圧入しなくてもよ
い。
【0018】図5、図6に示すように、その筒状部材3
は、本実施例では厚さが均一の鋼板から形成され、円筒
形の本体3aと、第1コラム2aの端面と軸方向に関し
重なるように本体3aから径方向外方に張り出す第1フ
ランジ3bと、第2コラム2bの端面と軸方向に関し重
なるように本体3aから径方向内方に張り出す第2フラ
ンジ3cとを有する。この筒状部材3は、軸方向に沿う
割り溝3dが形成されることで径方向に弾性変形可能と
されている。その第1フランジ3bは第1コラム2aの
端面に当接され、第2フランジ3cは第2コラム2bの
端面に当接される。その第2フランジ3cに周方向に等
間隔をおいて複数の切欠3c′が形成されることで、第
2フランジ3cの軸方向力に対する強度は第1フランジ
3bの軸方向力に対する強度よりも小さくされている。
これにより、第1コラム2aと第2コラム2bとの軸方
向相対移動は、一定以上の力が作用して第2フランジ3
cが曲げ変形しない限り規制され、第2フランジ3cが
図3において破線で示すように曲げられることで許容さ
れる。
【0019】図1に示すように、その第1コラム2aは
ベアリング4を介し筒状の第1ハンドルシャフト5を支
持する。そのベアリング4の外輪が第1コラム2aの内
周の段差面に係合し、内輪が第1ハンドルシャフト5の
外周の止め輪5aに係合することで、第1ハンドルシャ
フト5からベアリング4を介し第1コラム2aに軸方向
力が伝達可能とされている。この第1ハンドルシャフト
5の一端にハンドル(図示省略)が連結され、他端に第
2ハンドルシャフト7の一端が挿入される。
【0020】図3に示すように、その第2ハンドルシャ
フト7の外周に一対の周溝8が形成され、その周溝8に
連通する通孔9が第1ハンドルシャフト5に形成され、
その通孔9と周溝8とに樹脂60が充填される。これに
より、第1ハンドルシャフト5と第2ハンドルシャフト
7との軸方向相対移動は一定以上の力が作用しない限り
規制される。なお、図4に示すように、第1ハンドルシ
ャフト5の内周形状と第2ハンドルシャフト7の外周形
状とが非円形とされることで、第1ハンドルシャフト5
と第2ハンドルシャフト7とは回転伝達可能に連結され
ている。
【0021】図1に示すように、その第2コラム2bの
他端はトルクセンサ70のセンサハウジング71に一体
化されている。そのトルクセンサ70は、操舵用車輪に
伝達される操舵トルクを検知するもので、第2ハンドル
シャフト7の他端にピン93を介して連結される第3ハ
ンドルシャフト73と、この第3ハンドルシャフト73
にそのピン93を介して連結されるトーションバー78
と、このトーションバー78にピン94を介して連結さ
れると共にセンサハウジング71に軸受80a、80b
を介し支持される第4ハンドルシャフト74と、その第
3ハンドルシャフト73に取り付けられる磁性体製検出
リング81と第4ハンドルシャフト74に取り付けられ
る磁性体製検出リング82とを通過する磁束を発生する
検出コイル83とを備える。両検出リング81、82は
周方向等間隔に形成された歯を介し対向し、その歯の対
向部分の面積はトーションバー78の操舵トルクに応じ
た捩れに基づく両検出リング81、82の相対回転に応
じて変化する。この変化によるインピーダンスの変化に
応じ検出コイル83の出力が変化し、伝達トルクが検出
される。その第4ハンドルシャフト74の外周にギヤ8
5が嵌合され、このギヤ85は、センサハウジング71
に取り付けられた操舵補助用モータ86の出力軸に嵌合
されたウォームギヤ87に噛み合わされ、そのモータ8
6がトルクセンサ70により検出されたトルクに応じ駆
動されることで、検出トルクに応じた操舵補助力が付与
される。なお、このトルクセンサ70は、例えば実開平
4‐43236号公報に開示されたものを用いることが
できる。
【0022】図7に示すように、その第4ハンドルシャ
フト74に、ユニバーサルジョイント75を介し第5ハ
ンドルシャフト76の一端が連結され、その第5ハンド
ルシャフト76の他端は第6ハンドルシャフト77の一
端に挿入される。その第5ハンドルシャフト76の外周
に周溝78が形成され、その周溝78に連通する通孔7
9が第6ハンドルシャフト77に形成され、その通孔7
9と周溝78とに樹脂68が充填される。これにより、
第5ハンドルシャフト76と第6ハンドルシャフト77
との軸方向相対移動は一定以上の力が作用しない限り規
制される。なお、第5ハンドルシャフト76の外周形状
と第6ハンドルシャフト77の内周形状とが非円形とさ
れることで、第5ハンドルシャフト76は第6ハンドル
シャフト77に回転伝達可能に連結される。その第6ハ
ンドルシャフト77にユニバーサルジョイント95を介
し例えばラックピニオン式ステアリングギヤのピニオン
軸が連結され、そのピニオン軸の回転がラック軸の直線
運動に変換されて操舵用車輪に伝達される。
【0023】図1〜図4に示すように、その第1コラム
2aはアッパーブラケット11を介し車体側部材45に
取り付けられている。そのアッパーブラケット11は、
第1コラム2aに溶接され、一対の側壁11a、11b
と、各側壁11a、11bの一端を連結する連結壁11
cと、各側壁11a、11bの他端から第1コラム2a
の径方向外方に延出する支持部11d、11eとを有す
る。各支持部11d、11eに、ハンドル側において開
口する切欠11d′、11e′が形成され、各切欠11
d′、11e′に連結部材20、21が挿入されてい
る。すなわち、各連結部材20、21に、コラム軸方向
に沿う一対の溝20a′、20b′、21a′、21
b′が形成され、各溝20a′、20b′、21a′、
21b′に支持部11d、11eの切欠11d′、11
e′の周縁に沿う部分がコラムの長手方向に沿って相対
移動可能に挿入されている。図8に示すように、その支
持部11d、11eの切欠11d′、11e′の周縁に
沿う部分に複数の通孔が形成され、この通孔に連通する
通孔が連結部材20、21に形成され、両通孔に樹脂6
1が充填されている。また、車体側部材45に植え込ま
れた一対のネジ軸40が、連結部材20、21のボルト
通孔35にそれぞれ挿通され、そのネジ軸40にねじ合
わされるナット41と車体側部材45とで連結部材2
0、21が挟み込まれることで連結部材20、21は車
体に固定される。なお、ボルト通孔35はコラム軸方向
が長手方向の長孔とされ、製作誤差による各部材相互の
位置ずれに対応可能とされている。これにより、アッパ
ーブラケット11と連結部材20、21とのコラムの長
手方向に沿う相対移動は一定以上の力が作用しない限り
規制され、また、一定以上の力が作用することで相対移
動距離が大きくなるとアッパーブラケット11は連結部
材20、21から抜け出し、アッパーブラケット11を
介する第1コラム2aと車体側部材45との連結は解除
される。
【0024】図1、図2に示すように、その第2コラム
2bはロアブラケット46を介し車体側部材45に取り
付けられている。図9に示すように、そのロアブラケッ
ト46は一枚の鋼板から形成され、コラム軸方向に対し
直角に配置される第1板状部46aと、コラム軸方向に
対し傾斜して配置される第2板状部46bと、コラム軸
方向に対し平行に配置される第3板状部46cおよび第
4板状部46dを有する。その第1板状部46aの一端
は第2板状部46bのハンドル側端部に連なる。その第
2板状部46bの反ハンドル側端部のコラム径方向一方
側は第3板状部46cに連なり、コラム径方向他方側は
第4板状部46dに連なる。その第1板状部46aは通
孔46a′を有し、この通孔46a′に前記第4ハンド
ルシャフト74が挿通され、その通孔46a′の周囲部
が第2コラム2bに一体化された前記センサハウジング
71に3本のボルト47によって連結され、これにより
ロアブラケット46と第2コラム2b側とが連結されて
いる。その第3板状部46cと第4板状部46dとに反
ハンドル側が開放された切欠47c、47dが形成さ
れ、各切欠47c、47dに車体側部材45に植え込ま
れた一対のネジ軸55が挿通され、このネジ軸55にね
じ合わされるナット56と車体側部材45とによって第
3板状部46cと第4板状部46dとが挟み込まれ、こ
れによりロアブラケット46と車体側とが連結されてい
る。各ネジ軸55の軸心は、コラム軸心の直交線に平行
とされることでコラム軸心に対し非平行かつ非交叉とさ
れている。その第2板状部46bと第3板状部46cと
の境界部および第2板状部46bと第4板状部46dと
の境界部は第1の屈曲部51a、51bとされ、この第
1の屈曲部51a、51bの形成により第2板状部46
bはハンドルに向かうに従いコラム軸心に近接するよう
コラム軸心に対し傾斜する。また、第1板状部46aと
第2板状部46bとの境界部は第2の屈曲部52とさ
れ、この第2の屈曲部52の形成により第1板状部46
aはコラム軸心に対し直角に配置される。これにより、
図10に示すように、衝突時に作用する力に基づき第1
の屈曲部51a、51bは塑性変形することで屈曲程度
が増大し、また、第2の屈曲部52は塑性変形すること
で屈曲程度が減少する。また、衝突時に作用する力に基
づいてネジ軸55回りのモーメントがロアブラケット4
6に作用し、このモーメントの作用によって図9におい
て2点鎖線で示すように塑性変形する部分46c′、4
6d′が第3板状部46cと第4板状部46dとに形成
されている。
【0025】上記構成によれば、車両と車両前方の障害
物とが衝突(1次衝突)し、次に、車両の運転者がハン
ドルに衝突(2次衝突)した場合の衝撃エネルギーが以
下のようにして吸収される。まず、第1ハンドルシャフ
ト5と第2ハンドルシャフト7とを連結する樹脂60が
剪断され、アッパーブラケット11と連結部材20、2
1とを連結する樹脂61が剪断され、第5ハンドルシャ
フト76と第6ハンドルシャフト77とを連結する樹脂
68が剪断され、その剪断により衝撃エネルギーが吸収
される。次に、アッパーブラケット11が連結部材2
0、21に対し相対移動し、第6ハンドルシャフト77
が第5ハンドルシャフト76に対し相対移動し、その相
対移動部材間の摩擦により衝撃エネルギーが吸収され
る。次に、第1コラム2aの第2コラム2bに対する軸
方向相対移動により第2フランジ3cが曲げ変形され、
その変形により衝撃エネルギーが吸収される。その曲げ
られた第2フランジ3cと両コラム2a、2bとの摩擦
により衝撃エネルギーが吸収される。次に、ネジ軸55
回りのモーメントによりロアブラケット46の部分46
c′、46d′が塑性変形し、衝撃エネルギーが吸収さ
れる。次に、図10に示すように、アッパーブラケット
11が連結部材20、21から抜け出し、アッパーブラ
ケット11を介するコラム2a、2bと車体側部材45
との連結が解除されると、ロアブラケット46の第1の
屈曲部51a、51bと第2の屈曲部52が塑性変形
し、衝撃エネルギーが吸収される。
【0026】上記実施例のステアリングコラムによれ
ば、衝撃により第1コラム2aと第2コラム2bとが軸
方向相対移動する際の第2フランジ3cの変形に要する
荷重の大きさに応じ衝撃エネルギーを吸収することがで
きる。その変形に要する荷重の大きさは、第2フランジ
3cの軸方向力に対する強度に応じ、衝撃エネルギーを
吸収する上で適正な範囲に予め設定することができる。
よって、従来のような第1コラムへの第2コラムの圧入
荷重の管理が不要になる。また、第2フランジ3cは第
1フランジ3bよりも軸方向力に対する強度が小さいの
で、衝撃エネルギーの吸収が第1フランジ3bと第2フ
ランジ3cの双方の変形や破断によるのか一方の変形に
よるのか予め特定できないといったことがなく、その変
形に要する荷重の大きさを、第2フランジ3cの強度に
応じ、衝撃エネルギーを吸収する上で適正な範囲に予め
容易かつ確実に設定することができる。その第2フラン
ジ3cの強度は切欠3c′の間隔に応じ任意の大きさに
容易に設定できる。また、第1フランジ3bは強度設定
のための寸法設定や加工が要求されることはなく加工コ
ストを低減できる。第2フランジ3cの変形により衝撃
エネルギーが吸収された後は、その曲げられた第2フラ
ンジ3cと両コラム2a、2bとの摩擦により衝撃エネ
ルギーが吸収されるので、両コラム2a、2bを軸方向
相対移動させるのに要する荷重が急激に低下することは
なく、適正に衝撃エネルギーを吸収できる。第1コラム
2aの端面と第1フランジ3bとが当接され、第2コラ
ム2bの端面と第2フランジ3cとが当接されること
で、第1コラム2aに対する第2コラム2bの軸方向相
対位置が定まる。
【0027】なお、本発明は上記実施例に限定されな
い。例えば、第1フランジの軸方向力に対する強度を第
2フランジの軸方向力に対する強度よりも小さくしても
よい。また、筒状部材を合成樹脂製とし、両コラムが軸
方向相対移動する際に第1フランジと第2フランジの少
なくとも一方が破断することにより衝撃エネルギーを吸
収するようにしてもよい。また、第1フランジと第2フ
ランジの軸方向厚さを異なるものとすることで、両フラ
ンジの軸方向力に対する強度を互いに異なるものとして
もよい。
【0028】
【発明の効果】本発明の衝撃吸収式ステアリング装置に
よれば、第1コラムと第2コラムの軸方向相対移動によ
り衝撃エネルギーを適正に吸収することができ、生産性
を向上でき、コストを低減し、また、両コラムの軸方向
相対位置を容易かつ正確に設定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のステアリング装置の一部側断
面図
【図2】本発明の実施例のステアリング装置の一部平面
【図3】本発明の実施例のステアリング装置の要部の側
断面図
【図4】図2のIV‐IV線断面図
【図5】本発明の実施例の筒状部材の斜視図
【図6】本発明の実施例の筒状部材の正面図
【図7】本発明の実施例のステアリング装置の一部側断
面図
【図8】図3のVIII‐VIII線断面図
【図9】本発明の実施例のロアブラケットの平面図
【図10】本発明の実施例のステアリング装置の衝突後
の一部側面図
【符号の説明】
2a 第1コラム 2b 第2コラム 3 筒状部材 3a 本体 3b 第1フランジ 3c 第2フランジ 3c′ 切欠

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の第1コラムと、この第1コラムに
    挿入される筒状部材と、この筒状部材に挿入される筒状
    の第2コラムとを備え、その筒状部材は、本体と、第1
    コラムと軸方向に関し重なるように本体から径方向外方
    に張り出す第1フランジと、第2コラムと軸方向に関し
    重なるように本体から径方向内方に張り出す第2フラン
    ジとを有する衝撃吸収式ステアリングコラム。
  2. 【請求項2】 いずれか一方のフランジは他方のフラン
    ジよりも軸方向力に対する強度が小さくされている請求
    項1に記載の衝撃吸収式ステアリングコラム。
  3. 【請求項3】 第1コラムの端面と第1フランジとは当
    接され、第2コラムの端面と第2フランジとは当接され
    ている請求項1または請求項2に記載の衝撃吸収式ステ
    アリングコラム。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方のフランジが曲げられる
    ことで両コラムの軸方向相対移動が許容される請求項1
    〜請求項3のいずれかに記載の衝撃吸収式ステアリング
    コラム。
  5. 【請求項5】 少なくとも一方のフランジに周方向に間
    隔をおいて切欠が形成されている請求項1〜請求項4の
    いずれかに記載の衝撃吸収式ステアリングコラム。
JP9592494A 1994-04-08 1994-04-08 衝撃吸収式ステアリングコラム Pending JPH07277203A (ja)

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