JPH0727600U - 混注部付カテーテル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 雌ルアーアダプター部品と混注部品とを２部
品で構成し、これらの着脱自在な混注部付カテーテルを
提供する。 【構成】 一端が薬液注入部他端が薬液注出部で構成さ
れる混注部の薬液注入部に、薬液を注入する中空ニード
ルを挿通可能なゴム栓９で嵌塞して形成した薬液注入口
を少くとも１個有し、薬液注出部の薬液注出口にカテー
テル１を接続してなる混注部付カテーテルの混注部を、
カテーテル１と薬液注出口とを一体的に接合可能に形成
した雌ルアーアダプター部品２と、一端がこれと液密に
接合する雄ルアーアダプター４の部品他端が薬液注入口
となっている混注部品５とからなる構成とし、この混注
部品５と雌ルアーアダプター部品２とを着脱自在とし
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は混注部付カテーテルに関し、特に種類の異なる複数の薬液等を同一の カテーテルを用いて順次又は混合して注入可能な混注部付カテーテルに関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

この種の従来の混注部付カテーテルとして、実開平１−９５９５３号公報に開 示されている混注部付き静脈カテーテルがある。 この文献の混注部付き静脈カテーテルは、混注部又はその近傍の管状体外壁に 結合手段を有し、この混注部付き静脈カテーテルの結合手段と対応する結合手段 をその穿刺針側に備えた輸液ラインを用意し、この穿刺針を混注部の例えばゴム 栓に穿刺した後、上記の２つの結合手段を結合することにより、両者を強固に接 続するようになっている。 また、上記の２つの結合手段同士が液密に接続されるようになっているので、 輸液ラインの穿刺針が外気から遮断され、使用中に穿刺針がゴム栓から抜けない ようになっていて、空気からの感染乃至汚染を防止できるものとなっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような従来の混注部付カテーテルでは、混注部がカテーテル（例えば静 脈用）に直接結合しているため、次に列挙するような問題点又は不都合がある。 （１）カテーテルを生体に留置する場合、例えば血管内にカテーテルが留置さ れていることを確認するため、ヘパリン化生食（ヘパリン化生理的食塩水）を満 たした注射器で血液を引き戻す操作を行うようになっている。なお、ここで、ヘ パリン化生食とは、ヘパリン（抗凝血成分物質）を加えた生理的食塩水（生理食 塩液ともいう）を意味し、特に、ヘパリン化とは治療を目的としたヘパリンの投 与を意味する慣用語である。 しかし、このような従来のカテーテルでは、注射器に注射針を取り付けなけれ ばならないので面倒であるし、さらに、細い注射針を通して血液を引き戻すので 、注射針内腔の抵抗が大きいためなのか、あるいはカテーテルの先端が何かにつ かえて引き戻しにくいのか判定がしにくくなるという不都合があった。 （２）さらに、適正な留置を確認した後、引き戻した血液をヘパリン化生食と ともにフラッシュしてカテーテル内から血液を排除しておく必要があるが、上記 のような従来の混注部及びその近傍の内腔ではこの排除が容易ではないという問 題がある。 （３）その他、長期間カテーテルを留置するような場合において、穿刺回数が 増してくると、混注部の損傷が進み液体がリークするようになることがあるが、 従来のカテーテルでは、混注部のみを交換できないから、カテーテルごと交換し なければならないという不都合があった。 また、前記の公開特許公報に見られるように、従来の混注部付きカテーテルは カテーテルと混注部が一体型になっているので、スタイレット（案内細線）をカ テーテル内腔に挿入できないという不便さが問題となっていた。

【０００４】 本考案は上記のような問題点を解決するためになされたもので、適正な留置の 確認の後、引き戻した血液をヘパリン化生食とともにフラッシュしてカテーテル 内から血液を排除し易く、かつ混注部のみの交換も可能な混注部付カテーテルを 提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る混注部付カテーテルは、一端が薬液注入部他端が薬液注出部で構 成される混注部の上記薬液注入部に、上記薬液を注入する中空ニードルを挿通可 能なゴム弾性体（ゴム栓）で嵌塞して形成した薬液注入口を少くとも１個有し、 上記薬液注出部の薬液注出口にカテーテルを接続してなる混注部付カテーテルで あって、混注部を、カテーテルと薬液注出口とを一体的に接合可能に形成した雌 ルアーアダプター部品と、一端がこれと液密に接合する雄ルアーアダプター部品 他端が薬液注入口となっている混注部品とからなる構成とし、この混注部品と雌 ルアーアダプター部品とを着脱自在としたものである。

【０００６】 この場合、雌ルアーアダプターの端部外周に突起又は雄ネジを設け、雄ルアー アダプターを覆う混注部品のフードの内側に突起又は雄ネジと螺合する雌ネジを 設け、雌ルアーアダプターと雄ルアーアダプターとを係止するようにすると好都 合である。 また、雌ルアーアダプターの外周に上記フードの先端部に当接するフランジを 設け、このフランジとフードの先端部との当接部にシール材を介装させると外界 の影響遮断に対して具合がいい。 そして、このシール材に抗菌剤又は消毒剤を混練又は含浸させておくようにす れば、衛生安全上も好都合である。

【０００７】

【作用】

本考案においては、混注部をカテーテル接続可能な雌ルアーアダプターと少く とも１個の薬液注入口を有する混注部品の２部品で構成し、これらの２つの部品 間に応用した簡易ネジによって着脱自在としたから、カテーテル留置時は混注部 品をはずしてやれば、注射器にルアーチップがそのまま嵌合するから、血液引き 戻し等の確認操作等が確実に実施できる。 また、混注部が損傷したような場合でも、カテーテルを抜去しなくても、この 部品のみの交換で済ませることができる。 さらに、雌ルアーアダプターと混注部品の外周当接部にシール材を配設できる ので、これに例えば抗菌剤等を含浸させてやれば、確実な両部品間のシール性に 加えて、外部からの感染が防止される。

【０００８】

【実施例】

図１は本考案による混注部付カテーテルの一実施例を示す模式断面図であり、 図２は図１の構成部品の分離説明図である。両図において、本混注部付カテーテ ルは、カテーテル１と一体的に接合可能に構成された雌ルアーアダプター部品２ と、この雌ルアーアダプター部品２の一端を構成する雌ルアーアダプター３に嵌 入される雄ルアーアダプター４をその一端に有する混注部品５との２部品を結合 してなるものである。

【０００９】 雌ルアーアダプター部品２は、通常の注射器のルアーチップ（図示せず）と嵌 合するサイズ・構成からなる雌ルアーアダプター３がその一端を構成している。 そして、その他端は雌ルアーアダプター３にその内腔が通じているとともに、カ テーテル１が容易に外れないように嵌着されるゴム止め部６となっていて、カテ ーテル１と一体的に接合されるようになっている。そして、雌ルアーアダプター 部品２のほぼ中程外周には、これに接続される混注部品５のフード８が当接する 位置近傍に環状凸起７が設けられている。

【００１０】 混注部品５の一端を構成し、雌ルアーアダプター部品２と接合時に雌ルアーア ダプター３の外周部と当接する部位は前述のフード８となっていて、その内側中 心部は内腔が他端に通ずる雄ルアーアダプター４が形成されている。雄ルアーア ダプター４の反対側端部には、後述の通常の注射針より太い中空ニードルが挿通 できるゴム弾性体からなるゴム栓９が嵌込まれている。１０はこのゴム栓９を押 え付けて封止するキャップで、蓋の中心部はゴム栓９の外側面が露出するように 穴が形成されている。キャップ９は、粗いネジ止めで混注部品５の端部に装着さ れる。 なお、中空ニードル（後述の輸液アダプターの穿刺針）による薬物注入を行う ゴム栓９の設置数は、図１，２に図示のような１個に限定されず、図示は省略す るが複数個設けたものとしてもよい。

【００１１】 雌ルアーアダプター３の端部外周には、一条のみの簡易雄ネジ１１が形成され ている。一方、雄ルアーアダプター４の内周壁には、簡易雄ネジ１１にネジ嵌合 する雌ネジ１２が設けられている。したがって、雌ルアーアダプター部品２と混 注部品５との接合は、雄ルアーアダプター４を雌ルアーアダプター３にあてがい 、雌ルアーアダプター部品２を押し付けながら１回転以内回してやることによっ て、あたかもワンタッチプラグのように簡単に接合が達成される。

【００１２】 この接合において、図示のように、環状凸起７の脇（すなわち両部品の外周当 接部）の部位に比較的弾力性のある樹脂材からなるシール環１３を設けておけば 、両部品の接合時のフード８の当接部が外界とシールされ、完全なシールが実施 されるとともに、外部からの細菌や汚染物の侵入による感染が防止される。 さらに、シール環１３に抗菌剤又は消毒剤を含浸させてやることもでき、この 場合は、感染防止に対してより効果的である。

【００１３】 以上説明したように、本考案による混注部付カテーテルは、雌ルアーアダプタ ー部品２と混注部品５との２部品を簡便なネジで結合した構成となっているから 、これらを着脱自在とすることが極めて容易となる。 したがって、カテーテル留置時は混注部品５を雌ルアーアダプター部品２から 取り外し、雌ルアーアダプター３にそのまま嵌合する注射器ルアーアダプター（ 図示せず）を装着することができる。このようにして、注射器による血液引き戻 しによるカテーテル１が血管内に正確に留置されているか否かの確認を容易かつ 確実に行うことができる。また、逆にカテーテル内腔からの血液排除作業も容易 に実施できる。 また、例えば混注部品５が損傷したような場合には、この部品のみを交換すれ ばよいので、カテーテル１を抜去して初めからやり直さなくても済むメリットが ある。

【００１４】 因みに、ゴム栓９を介して薬物等を投与する場合には、図３に示すような穿刺 針を中心に有する輸液アダプターを使用して行う。図に見られるように、輸液ア ダプター１４は、軸中心に遊挿状態で軸着されたニードル１６を支持し、その内 側面が、混注部品５のキャッブ１０の外周面に螺設可能な支持フード１５によっ て形成されている。そして、ニードル１６は、その係止位置に鳩目様の止め部材 Ａ１７及び止め部材Ｂ１８によって前後遊動はしないように固定されているが、 軸回転可能なように遊貫状態で係止されている。この場合、止め部材Ｂ１８に薬 物等を導入する輸液チューブ１９が嵌挿される。

【００１５】 輸液アダプター１４の混注部品５への装着は、ニードル１６の針先をゴム栓９ のほぼ中心にあてがった後、全体を押し込みながら回し、キャップ１０の外側に 設けた雄ネジ２１と支持フード１５の内壁に設けた雌ネジ２０を利用して螺設す ることによって達成される。この状態では、ニードル１６の針先がゴム栓９を突 き抜け、輸液チューブ１９の内腔とカテーテル１の内腔とがニードル１６の内腔 を介して通じるようになるので、輸液操作が可能の状態となる。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、混注部を雌ルアーアダプターと混注部品の２部 品で構成し、これらを着脱自在としたから、次に列挙するような優れた効果が得 られる。 （イ）雌ルアーアダプター部品と混注部品との２部品を着脱自在とすることが 極めて容易となり、カテーテル留置時は混注部品を雌ルアーアダプター部品から 取り外し、雌ルアーアダプターにそのまま嵌合する注射器ルアーアダプターを装 着することができる。したがって、注射器により血液引き戻しによつてカテーテ ルが血管内に正確に留置されているか否かの確認を容易かつ確実に行うことがで きる。また、逆にカテーテル内腔からの血液排除作業も容易に実施できる。 （ロ）また、例えば混注部品が損傷したような場合には、この部品のみを交換 すればよいので、カテーテルを抜去して初めからやり直さなくても済むメリット がある。 （ハ）雌ルアーアダプター部品と混注部品との外周当接部にシール材を配設し たので、確実に両部品間のシールが実施できるようになった。そして、このシー ル材に抗菌剤又は消毒剤を含浸させてやることができるので、この場合は、上記 のシールの確実さの場合よりも、細菌等の感染防止がさらに高められる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による混注部付カテーテルの一実施例を
示す模式断面図である。

【図２】図１に示す構成部品の分離状態を示す説明図で
ある。

【図３】図１に示す混注部付カテーテルに取付られる輸
液アダプターの説明図である。

【符号の説明】

１ カテーテル ２ 雌アダプター部品 ３ 雌アダプター ４ 雄ルアーアダプター ５ 混注部品 ６ ゴム止め部 ７ 環状凸起 ８ フード ９ ゴム栓 １０ キャップ １１ 簡易雄ネジ １２ 雌ネジ １３シール環 １４ 輸液アダプター １５ 支持フード １６ ニードル １７ 止め部材Ａ １８ 止め部材Ｂ １９ 輸液チューブ ２０ 雌ネジ ２１ 雄ネジ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端が薬液注入部他端が薬液注出部で構
   成される混注部の上記薬液注入部に、上記薬液を注入す
   る中空ニードルを挿通可能なゴム弾性体で嵌塞して形成
   した薬液注入口を少くとも１個有し、上記薬液注出部の
   薬液注出口にカテーテルを接続してなる混注部付カテー
   テルにおいて、 上記混注部を、上記カテーテルと上記薬液注出口とを一
   体的に接合可能に形成した雌ルアーアダプター部品と、
   一端がこれと液密に接合する雄ルアーアダプター部品他
   端が上記薬液注入口となっている混注部品とからなる構
   成とし、この混注部品と上記雌ルアーアダプター部品と
   を着脱自在としたことを特徴とする混注部付カテーテ
   ル。
2. 【請求項２】 上記雌ルアーアダプターの端部外周に突
   起又は雄ネジを設け、上記雄ルアーアダプターを覆う上
   記主混注部のフードの内側に上記突起又は雄ネジと螺合
   する雌ネジを設け、上記雌ルアーアダプターと上記雄ル
   アーアダプターとを係止することを特徴とする請求項１
   記載の混注部付カテーテル。
3. 【請求項３】 上記雌ルアーアダプターの外周に上記フ
   ードの先端部に当接するフランジを設け、このフランジ
   と上記フードの先端部との当接部にシール材を介装させ
   たことを特徴とする請求項２記載の混注部付カテーテ
   ル。
4. 【請求項４】 上記シール材に抗菌剤又は消毒剤を混練
   又は含浸させたことを特徴とする請求項３記載の混注部
   付カテーテル。