JPH07275361A - 呼吸同調型の呼吸補助装置 - Google Patents

呼吸同調型の呼吸補助装置

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JPH07275361A
JPH07275361A JP6718194A JP6718194A JPH07275361A JP H07275361 A JPH07275361 A JP H07275361A JP 6718194 A JP6718194 A JP 6718194A JP 6718194 A JP6718194 A JP 6718194A JP H07275361 A JPH07275361 A JP H07275361A
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JP
Japan
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compressed air
blower
amount adjusting
pressure
breathing
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JP6718194A
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English (en)
Inventor
Tsuguyasu Shimote
從容 下手
Takayuki Ishizaki
多嘉之 石崎
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用者の呼吸がしづらいという不快感を少く
した改良された呼吸同調型の呼吸補助装置を提供するこ
とを目的としている。 【構成】 送風手段(2)の吸入側に該送風手段の吸入
量を調節するための吸入量調節手段(1)を付設し、該
吸入量調節手段が該鼻マスク手段(6)を使用する使用
者の呼吸サイクルの少なくとも一部に実質上同調して該
吸入量を調節し得るものであることを特徴とする呼吸同
調型の呼吸補助装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大気を30cmH2
程度まで昇圧して呼吸の補助手段として鼻マスクを用い
て鼻孔部へ供給するものである。更に、詳細には睡眠時
無呼吸症候群の治療手段の一方法として、睡眠時に昇圧
空気を鼻孔部を通して呼吸気道内に送気し、気道内を持
続的に陽圧に維持せしめて、気道部の閉塞に起因する呼
吸停止がもたらす血液中の酸素濃度低下を防止するため
に提供される医療用具である。
【0002】
【従来の技術】従来の非呼吸同調型の気道陽圧式呼吸補
助装置(CPAP装置ともいう)においては、大気圧よ
りも高い吐出圧力を発生する送風手段(ブロアー等)の
吸気及び送気(吐出)側のいずれの部位にも系内の圧力
レベルを制御可能な部材又は機構は設けられていない。
よって、使用者に対して治療効果を十分とするために要
求される通常4〜20cmH2 O程度の処方圧力、すな
わち系内の圧力レベルは、ブロアーの回転数によって一
義的に設定されるシステムとなっている。なお、この方
式の利点は使用者の吸気時においても、常時、処方圧力
の−3cmH2 Oという高いレベルで保持可能であるた
め、治療効果上好ましいとされていることである。
【0003】従来の非呼吸同調型呼吸補助装置は使用者
の呼気時の呼気がしづらい不快感を伴う欠点を有する
が、その欠点を解消する目的で、呼吸同調型の気道陽圧
式呼吸補助装置が提案されている。
【0004】これまでの呼吸同調型の気道陽圧式呼吸補
助装置(以下単に呼吸補助装置ともいう)は睡眠時に使
用するものであり、使用時の鼻孔部での圧力は4〜20
cmH2 O程度であることが多い。本来、この装置の使
用にあたっては、鼻孔部に持続的に陽圧を作用させるも
ので、マスク手段、特に顔面とのシール部より陽圧空気
が洩れることは好ましくない。このとき、多量の洩れは
陽圧力の大巾な低下をきたし、その治療効果が期待でき
ずさらに目部への洩れは目部に障害をもたらす危険性を
も内包している。従って、マスク手段はヘッドギヤー及
びキャップ等の鼻孔部への固定手段と共に用いられる。
使用者は、マスク手段については固定手段を利用して十
分に固定することが必要である。
【0005】更に、かかる装置の使用に際してのもう一
つの問題点は、装置より発生する騒音と振動である。装
置が、通常は在宅治療用の医療器具として利用され、か
つ、その使用時間帯が夜の6時頃から翌朝の9時頃まで
であるために、特に騒音の問題を技術上の解決すべき大
きなポイントとなっている。
【0006】送風手段としては、ブロアーが用いられる
ことが多く、その形態はアルミニウム製羽根車をプラス
チックで成形されたケース内に収納し、アルミニウム製
羽根車はプラスチックに固定された小型DCブラシレス
モーターのシャフトに固定される。この時のアルミニウ
ム製羽根車の外径は8〜20cm、全体厚さは7〜25
mmであり、この時上下の薄いアルミ板に挟まれた形で
設けられる羽根の数は4〜12枚である。
【0007】かかる装置において、4〜20cmH2
の陽圧状態を持続的に維持するためには、ブロアーのア
ルミニウム製羽根車の回転数は、5000〜10000
rpmの高速回転となる。この時20cmH2 Oで10
000rpmの高速回転時のブロアー単体での騒音レベ
ルは、60〜63dB(A)と高いレベルとなってい
る。そのために、従来のワンボックスタイプの呼吸同調
型の呼吸補助装置においては、吸音技術及び遮音技術が
効果的に活用され難いために、前述のブロアーをワンボ
ックスタイプの筐体内に収納後の騒音レベルが40〜5
0dB(A)と依然として高いレベルにとどまり、使用
者の安眠を妨げる結果となっていた。
【0008】また、従来の呼吸同調型の呼吸補助装置に
おける系内圧力の設定方式は、吸気時に治療上要求され
る最高の処方圧力(約20cmH2 O)の1.25倍近
くの高圧力に設定し、吸気時の系内の余剰空気をブロア
ーの送気側に付設した圧縮空気用リリーフ弁を介して系
外に排出することにより吸気時の系内の圧力コントロー
ルをする方式が採用されている。すなわちブロアーの回
転数は12000rpmと高いレベルに設定され、か
つ、回転数固定方式が採用されている。
【0009】このような従来の方式では、ブロアーが1
2000rpm以上の高い回転数を要求され、その結
果、騒音源のレベルが極めて高めに設定される。また、
ブロアーの風量が高めに設定される。その結果系内が低
圧にすることが要求される際に送気側に付設された圧縮
空気用リリーフ弁より排出される空気量が多量となるた
め、その排出音もまた高い騒音レベルとなる。このこと
に加えて、ブロアーの回転音及び風路内の空気の流れ音
と圧縮空気用リリーフ弁よりの空気の排出音とは、騒音
レベル及び周波数成分(スペクトル)が異なる。これ等
の2種類の音が使用者の吸気と呼気に同調せしめられ周
期的に発生することにより、使用者の安眠が妨げられ、
更に、使用者の不快感が助長される結果となっているの
が実情である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の呼吸補助装置で
は、使用者の呼気時において、系内の空気量がブロアー
の送出空気量と使用者の呼気時に肺内から排出される呼
気空気量とが合算され、一方では鼻孔マスク手段に設け
られた換気用小孔(通常は孔径が5mm以下)から排出
される空気量の増加速度の限界があるために、次第に系
内の残留空気量が増加し、その結果として系内の圧力レ
ベルが上昇する場合がある。この現象は、使用者にとっ
ては高い陽圧となったマスク手段内へ呼気を吐き出すこ
とが必要となるため、非常に呼気がしづらいということ
になり、安眠が妨げられる。
【0011】また従来の呼吸同調型の気道陽圧式呼吸補
助装置において、系内が20cmH 2 Oの陽圧状態であ
る時ブロアーのアルミニウム製羽根車の回転数は100
00rpmにも達する高速回転であり、これにより生ず
るブロアーの吸込及び送出口での風切り音と風路内の空
気の流れ音が使用者に不快感を与える原因となる場合が
多い。
【0012】本発明の呼吸同調型の呼吸補助装置におい
ては、呼気時の系内圧力レベルを最低値の4cmH2
程度まで低減せしめ得る系内圧力設定方式を採用して、
使用者の「呼気がしづらい」という問題点を解消せし
め、さらに好ましくは発生する騒音を低くして使用者の
安眠を容易にしようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、系内の圧
力設定方式を使用者の吸気時に治療上要求される圧力に
応じてブロアー回転数を可変設定する方式とすること
や、呼気時の系内圧力について、ブロアーの吸気側ダン
パーを絞り、吸気時の系内での余剰空気量を大巾に減少
せしめ、すなわち圧縮空気用リリーフ弁等より放出すべ
き余剰空気排出量を微少化する方策を採用し、ブロアー
関係の音源及び圧縮空気用リリーフ弁からの空気排出音
の騒音レベル低減化可能なシステムを採用することが、
前記目的を達成するうえで非常に有効であることを見い
出して、本発明に到達したものである。
【0014】すなわち本発明は、大気圧よりも高い圧縮
空気を送出する圧縮空気用の送風手段と、該送風手段の
送出側に連結された導管手段と、該導管手段の他端部に
備えられたマスク手段とを具備した呼吸補助装置であっ
て、該送風手段の吸入側に該送風手段の吸入量を調節す
るための吸入量調節手段を付設し、該吸入量調節手段が
該マスク手段を使用する使用者の呼吸サイクルの少なく
とも一部に実質上同調して該吸入量を調節し得るもので
あることを特徴とする呼吸同調型の気道陽圧式呼吸補助
装置を提供するものである。
【0015】かかる本発明には、該送風手段の送出側導
管手段に、圧縮空気送出量を調節するための圧縮空気送
出量調節手段を付設したものであって、該圧縮空気送出
量調節手段が該マスク手段を使用する使用者の呼吸サイ
クルの少なくとも一部に実質上同調して該圧縮空気送出
量を調節し得るものであることを特徴とする呼吸同調型
の呼吸補助装置が含まれる。
【0016】またかかる発明には、該圧縮空気送出量調
節手段が、余剰圧縮空気を放出する手段を具備したもの
であって、該放出手段の開閉が該吸入量調節手段の開閉
と実質的に逆位相であるようにするための圧縮空気送出
量調節手段及び吸入量調節手段の制御手段を具備したこ
とを特徴とする呼吸同調型の呼吸補助装置が含まれる。
【0017】またかかる本発明には、さらに該導管手段
又は該マスク手段の内部空間の圧力変動を検出するため
の圧力変動検出手段を具備した呼吸同調型の呼吸補助装
置が含まれる。
【0018】さらに本発明には、該吸入量調節手段及び
/又は、該圧縮空気送出量調節手段が、該圧力変動検出
手段による検出結果によって作動し得るものである呼吸
同調型の呼吸補助装置が含まれる。
【0019】さらに本発明には、該送風手段が電動機に
よって駆動されるブロアー手段であって、該ブロアー手
段が該使用者に要求されるマスク手段内の圧力のレベル
に応じてその回転数を可変設定し得るものである呼吸同
調型の呼吸補助装置が含まれる。
【0020】以下に、本発明についてさらに詳細に説明
する。前記の如く、従来の呼吸同調型のCPAP装置の
系内の圧力設定方式は、呼気時に治療上要求される処方
圧力の最高値(約20cmH2 O)に対して、約1.2
5倍近くの高圧力(約25cmH2 O)に設定され、し
かもこの状況は処方圧力が低圧となった場合において
も、固定して維持され、使用者の吸気時の系内の圧力レ
ベル上昇スピードを高く保ち、治療効果の増大が企てら
れている。
【0021】前述の従来の呼吸同調型の呼吸補助装置に
おける系内の圧力レベルは、呼吸時に治療上要求される
最高の処方圧力(約20cmH2 O)の1.25倍近く
の高圧力(約25cmH2 O)に設定されている。すな
わち、この時の送風手段(ブロアー)のモーター回転数
は12000rpmと高速であり、その結果ブロアー単
体の音レベルが65〜67dB(A)と高いレベルに設
定される。併せて、ブロアーの風量もまた、高流量に設
定され、そのために系内が低圧力にすることが要求され
る使用者の呼気時に圧縮空気用リリーフ弁より排出すべ
き余剰圧縮空気量が多量となることにより、圧縮空気用
リリーフ弁よりの空気の排出音もまた高い騒音レベルと
ならざるを得ない。
【0022】このことに加えて、ブロアーの回転音及び
風路内の空気の流れ音や風切り音と前述の圧縮空気用リ
リーフ弁よりの空気の排出音とは騒音レベル及び周波数
成分(スペクトル)がことなり、これらの2種類の騒音
が使用者の吸気の呼気とに同調せしめられ、周期的に発
生することにより、使用者の安眠が妨げられ、更に使用
者の不快感を助長する結果となる。
【0023】また、従来の呼吸同調型の呼吸補助装置は
従来の非呼吸同調型のCPAP装置と同様にワンボック
スタイプであるが故に、吸音技術及び遮音技術の応用に
よる騒音低減効果が著しく低いために、前述のブロアー
を該ワンボックス内に収納した後においても、その騒音
レベルは〜55dB(A)と高いレベルにとどまり、か
つ、既述の如く、使用者の吸気時には圧縮空気用リリー
フ弁よりの余剰圧縮空気の排出音が支配的となるため
に、55dB(A)と非常に高いレベルとなり、この高
低差の大きい騒音が使用者の吸気及び呼気に同調せしめ
られて、周期的に発生し、使用者の安眠が著しく妨げら
れ、更に使用者の不快感を助長する結果となる。
【0024】本発明の呼吸補助装置における技術上のポ
イントの第1は、大気圧よりも高い吐出圧力を発生する
送風手段において、その吸入側に、吸入空気量を調節・
制御する目的の吸入量調節手段が設けられていることで
ある。かかる送風手段の具体例としては、ブロアー、小
型低圧コンプレッサー等があげられる。また吸入量調節
手段の具体例としては、ダンバー、流路開度制御弁等が
あげられる。かかる吸入量調節手段は、鼻マスク手段を
使用する患者等の使用者の自発呼吸の呼吸サイクルにお
ける少なくとも一部、例えば吸気開始時及び/又は吸気
終了時に実質上同調して送風手段の吸入量を調節し得る
ようになっている。
【0025】また本発明の好ましい態様の場合には、さ
らに送風手段の送出側(吐出側)に、送出される圧縮空
気送出量を調節するための圧縮空気送出量調節手段が具
備されている。この圧縮空気送出量調節手段の具体例と
しては、圧縮空気リリーフ弁等があげられる。かかる圧
縮空気送出量調節手段もまた、使用者の呼吸サイクルの
少なくとも一部に実質上同調して圧縮空気送出量を調節
し得るものであることが好ましい。
【0026】このように本来の目的である使用者の「呼
気がしづらい」という問題点を解消し得る系内の圧力設
定方式としては、送風手段の送出側(吐出側)に、使用
者の吸気及び呼気時の系内の余剰圧縮空気を系外にすみ
やかに排出し得る圧縮空気送出量調節手段(圧縮空気用
リリーフ弁等)が設置され、その圧縮空気用リリーフ弁
の開度が使用者の吸気及び呼気に応じて生ずる系内の圧
力変化に実質上同調し、連動して決定され、特に、呼気
時において医師の指示に従って使用者の最も快適な使用
感を得られる系内の圧力レベル(最低値:4cmH
2 O)が設定可能な構成が採用されている。この構成の
主要な部分すなわち技術上のポイントは、圧縮空気用リ
リーフ弁の弁体駆動手段として従来は、スピーカーの振
動板の駆動手段として使用されているボイスコイル及び
ソレノイド等を用いることにより圧縮空気用リリーフ弁
の開度を瞬時に、かつ、階段的に設定可能とした点であ
る。
【0027】また本発明の他の好ましい態様として、圧
縮空気送出量調節手段の開閉の動作が、吸入量調節手段
の開閉動作と実質上逆になるようにしたものがあげられ
る。
【0028】本発明の特に好ましい態様として、圧縮空
気送出量調節手段が、使用者の呼吸サイクルの少なくと
も一部に同調して圧縮空気送出量を調節し得るものであ
ると共に、前記した吸入量調節手段の開閉動作と実質上
逆の開閉動作をし得るものであるとした呼吸同調型の呼
吸補助装置があげられる。
【0029】本発明の装置において、送風手段の吸入側
に設けられた吸入量調節手段と送風手段の送出側に備え
られた圧縮空気送出量調節手段のいずれか一方、好まし
くは双方における空気流路の開度は、その呼吸同調型の
呼吸補助装置の使用者の吸気及び呼気に応じて生ずる系
内の圧力変化に実質上同調し、連動して決定される。そ
れらの開閉のタイミングは、例えばブロアーの送出口部
等に、使用者の吸気及び呼気に応じて生ずる系内の圧力
変化を電気信号に変換する半導体圧力センサー等の圧力
変動検出手段が設けられ、「圧力―電気」信号変換手段
より発信された電気信号により決定される。更に好まし
くは、その電気信号により、圧縮空気用リリーフ弁等の
圧縮空気送出量調節手段の「開・閉」のタイミングと、
流路開度制御弁等の吸入量調節手段の「開・閉」のタイ
ミングを逆にするためのマイクロコンピュータ等の制御
手段を備えたものがあげられる。
【0030】吸入量調節手段の具体例として、ブロアー
等の送風手段の吸気側において、板状部材を設けて、そ
の板状部材をソレノイド、ボイスコイル、カム等の駆動
手段を介して駆動可能な構造とし、その板状部材とブロ
アーの吸気口との間隙を0.5〜2.5mm程度の範囲
で自動的に制御することによって、吸入量を調節するよ
うにしたものがあげられる。なお、その板状部材を吸音
機能を有する積層構造体として、サイレンサー手段とし
て用いることが好ましい。
【0031】またブロアー等のモーターによって駆動さ
れる送風手段として、モーターの回転数を変えるように
したものを用いることが好ましい場合がある。すなわ
ち、この場合の呼吸補助装置は、それを使用する者に適
した鼻マスク内圧に対応して、適宜送風手段のモーター
の回転数を設定して、適度な鼻マスク内圧を実現するよ
うにしたものである。
【0032】
【作用】本発明の呼吸同調型の呼吸補助装置において、
系内の圧力レベルは、基本的には大気圧よりも高い吐出
圧力を発生するブロアー等の送風手段の吸入空気量によ
りある程度決まる。この吸入空気量の増減は、通常ブロ
アーのモーター回転数を可変することにより可能とな
る。
【0033】一般に、ブロアーのモーター回転数が高速
となるに従ってブロアーの吸入空気量は増加するが、騒
音レベルもまた高くなることが確認されている。
【0034】本発明における風量制御手段(制御弁)等
の吸入量調節手段は、ブロアーの回転数を所定の値に固
定し運転する方式において、ブロアーの吸気口部に付設
した制御弁等の開閉によりブロアーの吸入空気量を増減
せしめて系内の圧力レベルを設定する。更に、ブロアー
の送出部に付設された圧縮空気用リリーフ弁等の圧縮空
気送出量調節手段は、前述の吸入側風量制御弁の開閉タ
イミングとは、全く逆の動作をする。すなわち、吸入側
風量制御弁が「開」である場合、送入側圧縮空気用リリ
ーフ弁は「閉」である。この吸入側風量制御弁及び圧縮
空気用リリーフ弁の開閉動作の作動タイミングは、本発
明の呼吸同調型の呼吸補助装置の使用者の吸気に応じて
生ずる系内の圧力変化を電気信号に変換する発信された
電気信号により決定される。
【0035】なお、前述のブロアーにおいて、吸入及び
送出口部、それぞれに対して屈曲部を有する流路と空気
流れが縮小及び拡大手段を有するものなどのサイレンサ
ー手段を付設し、ブロアー吸入及び送出時の空気流れ音
の騒音レベルを低減化してもよい。
【0036】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明をさらに具体
的に詳述するが、本発明はその実施例に何ら限定される
ものではない。
【0037】図1は、本発明に関する好ましい実施態様
例における、使用者による実際の使用時のフロー説明図
を模式的に示したものである。すなわち図1において、
大気空気が吸入量調節手段である流路開度制御弁1を通
過して送風手段であるブロアー2によって圧縮空気とな
り、送出側サイレンサー3を通り、圧縮空気送出量調節
手段である送出側リリーフ弁4及び加湿器5を経て、マ
スク手段6に至る。なお、サイレンサー手段3は流路が
縮小及び拡大するための手段を具備したものである。サ
イレンサー手段の下流側には、系路内の圧力変化を検出
するための圧力変動検出手段である半導体型圧力センサ
ー7が具備されており、使用者の例えば吸気開始時等を
検出するようになっている。そこで検出された圧力変動
についての信号に基づいて、制御手段であるマイクロコ
ンピューター手段8を介して、流路開度制御弁1と送出
側リリーフ弁4の開度が各々制御される。マスク手段6
には、約4mmの直径の小径9が2個具備されており、
使用者の呼気がマスク手段から排出できるようになって
いる。なお、マスク手段としては、鼻と口を被うものが
好ましいが、鼻だけを被うものであってもよい場合もあ
る。圧力センサー7の位置は、ブロアー2の下流側でマ
スク手段6の上流側であればどこでもよく、図1の他の
例としてブロアー2の送出口、リリーフ弁4の吸入口や
送出口等があげられる。
【0038】図2は、本発明の装置に用いられる送風手
段と吸入量調節手段を一体化したものの概略を、断面図
により例示したものである。なお、断面を示す斜線は、
便宜上部分的に省略する。図2において、17が送風手
段であるブロアーにおけるアルミニウム製羽根車(ラン
ナー)であり、10がそのランナー駆動用小型DCモー
ターであり、11がブロアーの圧縮空気たまり部であ
り、12がブロアー本体の下部容器であり、13がブロ
アー本体の上蓋であり、21がブロアーの空気吸入口で
あり、25がブロアーからの圧縮空気送出口であり、2
6が絞り部材である。
【0039】また図2において、24はブロアーへの吸
入量を調節するための吸入量調節手段における開度決定
手段としての発泡プラスチック平板である。なお、これ
はサイレンサー手段の吸音部材としても機能する。同図
において、23が制振板であり、22が基板であり、1
4が支柱であり、15がスプリングで有り、16がガイ
ドピンであり、18が支柱であり、19が支持板であ
り、20がソレノイドである。
【0040】図3は、本発明の装置に用いられる圧縮空
気送出量調節手段の具体例である送出側リリーフ弁の概
略を断面図により示したものである。なお、断面を示す
斜線は便宜上必要最小限に記入し、その他は部分的に省
略する。
【0041】図3において、31は送出側リリーフ弁の
吸入口であり、38は送出口であり、37が圧縮空気の
排出口であり、32が圧縮空気の排出量を調節するため
のリリーフ弁体であり、33がリリーフ弁体を調節する
ためのソレノイドであり、36がソレノイドブラケット
であり、35がスプリングであり、34がスプリングハ
ウジングである。
【0042】図2におけるブロアーにおいては、ランナ
ーの外径寸法は、直径100〜170mmが好ましく、
さらに好ましくは105〜130mmであり、ランナー
の全体厚みは5〜30mm、好ましくは7〜20mmで
ある。例えば具体的なブロアーのランナー(羽根車)
は、外径120mm、厚さ0.8mmの平面板が6枚の
厚さ0.8mm、巾6.0mm、長さ約80mmの湾曲
状のブレードを介して上下2枚設けられ固定せしめら
れ、平面板の一方に空気吸入口が設けられ、そのサイズ
は直径が40mmである。ランナーの材質は軽量化及び
強度の面からアルミニウム製部材が採用される。ランナ
ー(羽根車)は、駆動用(回転用)DC小型モーターの
回転軸に取付フランジ等を介して固定される。ブロアー
ケースは、上下方向に2分割可能なことを特徴とし、上
部ケースと下部本体ケースとは、2ケ所以上設けられた
フランジ(ラグ部)を介して固定ビスにて結合される。
【0043】アルミニウム製ランナー(羽根車)は上部
ケースのほぼ中央部に位置するように収納され、DC小
型モーターは下部本体ケースの中央凸部に4本の固形ビ
スを介して固定される。
【0044】本実施例では、DC小型モーターのモータ
ー部が図示の如く下部本体ケース部の圧縮空気溜り部に
対して外側に、すなわち、ブロアーケースの外部に位置
するように設置(固定)されているが、DC小型モータ
ーの種類に応じては、モーター部の冷却効果を高める目
的で、圧縮空気溜り部側、すなわち、ブロアーケースの
内部に位置するよう設置される場合もある。
【0045】次にブロアーケースの外径寸法であるが、
上部ケース及び下部本体ケースの内径は、アルミニウム
製ランナー(羽根車)の外径寸法より、通常は2〜12
mm大きく設定することが考えられるが、好ましくは4
〜8mm大きく、具体的には5mm大きく設定され上部
ケース及び下部本体ケースの内径は130mmに設定さ
れている。同様に、ブロアーケースにおいて上部ケース
と下部ケースとを固定ビスにより結合された時の総高さ
は30〜80mmが考えられるが、好ましくは35〜6
0mmであるが本実施例では総高さは43mmが採用さ
れている。
【0046】また、ブロアーの特徴は、上部ケースのラ
ンナー収納空間部と下部本体ケース部の圧縮空気溜り部
とが、ランナー設置側が閉じられた円筒により、明確に
区分され、かつ上部ケースのランナー収納空間部を下部
本体ケースの圧縮空気溜り部との圧縮空気の流路間に絞
り部材が設けられていることである。
【0047】この時の絞り部材である片端面が閉じられ
た円筒の外径寸法は、外径については、アルミニウム製
ランナーの外径と同じにすることが、最適条件であるた
めに、本実施例では120mmとし、片端面の円板の厚
みは騒音対策上及び剛性を要求されることから本体ブロ
アーケースの厚みと同じ3mmが採用されている。ま
た、円筒の長さ(円板厚みを含む)は、5〜15mmが
考えられるが、好ましくは6〜10mmであるが、本実
施例では8mmが採用されている。
【0048】更に、この片端面が閉じられた円筒部はア
ルミニウム製ランナーの空気吸入口が設けられていない
アルミニウム製平板との間隙は、0.5〜2.5mmが
考えられ、好ましくは1.0〜2.0mmであり、本実
施例では1.5mmが採用されている。次に、円筒部外
周(表)面と本ブロアーの内周面との間隙は、アルミニ
ウム製ランナーとブロアー内表面との間隙と同じにする
ことが最適条件であるために、本実施例では5.0mm
が採用されている。
【0049】なお、本ブロアー及び片端面が閉じられた
円筒の材質は、軽量で、安価で、かつ成型性の面からプ
ラスチック材が用いられ、特に、アクリル樹脂及びAB
S樹脂は好ましい素材であるが、本実施例ではABS樹
脂が用いられている。
【0050】図2には、さらに本ブロアーの吸気側サイ
レンサー手段としても機能し得る吸入量調節手段の実施
例を示す。図に示す如く、3層の積層構造を有する平面
板であり、その機構において基板は厚さ2mmのABS
樹脂板、中間に板厚1.0mmの制振及び遮音機能を有
する高分子成型板を配し、更にその表面に厚さ5mmの
吸音部材を貼合せた形がとられている。また、その外径
寸法は、ブロアーケースの外径寸法と同じとすることが
最適条件であることから直径136mmが採用されてい
る。この3層構造の積層板が本ブロアーの吸入口(直径
20mm)の上部に対向して4本の固定ビスで固定され
るが、この時の積層板の吸音材表面との間隙は2mmが
採用されている。
【0051】本実施例では、吸気サイレンサー手段であ
る3層積層板を、ソレノイド又はボイスコイル等の駆動
手段を介して、使用者の吸気及び呼気の系内圧力の圧力
変化に応じて駆動させブロアーの吸気口を開閉せしめる
ことにより、ブロアーの風量制御手段とサイレンサー手
段とを兼用することも可能である。図2は、かかる吸気
サイレンサー手段と本ブロアーの風量制御手段である制
御弁との巧妙な組み合わせに関する実施例を示す。
【0052】
【発明の効果】本発明の呼吸同調型の呼吸補助装置は、
使用者の吸気及び呼気に同調し、系内の圧力パターンを
巧妙に変化せしめて、使用者の使用感(使い心地)を良
くし、かつ、呼気時においても、治療効果が期待される
最低圧力である5cmH2 Oを確実に維持することを容
易にした優れた効果を奏するものである。また場合によ
っては、本発明は装置の運転音を低下させて、使用者の
使用感を良好にする効果も奏するものである。また送風
手段についての消費エネルギーを小さくすることがで
き、結果的に送風手段が放出される熱量が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の実施態様例における、使用者に
よる使用時の模式的なフロー説明図。
【図2】本発明の装置の実施態様例における送風手段と
吸入量調節手段の例示。
【図3】本発明の装置の実施態様例における圧縮空気送
出量調節手段の例示。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧よりも高い圧縮空気を送出する圧
    縮空気用の送風手段と、該送風手段の送出側に連結され
    た導管手段と、該導管手段の他端部に備えられたマスク
    手段とを具備した呼吸補助装置であって、該送風手段の
    吸入側に該送風手段の吸入量を調節するための吸入量調
    節手段を付設し、該吸入量調節手段が該マスク手段を使
    用する使用者の呼吸サイクルの少なくとも一部に実質上
    同調して該吸入量を調節し得るものであることを特徴と
    する呼吸同調型の呼吸補助装置。
  2. 【請求項2】 該送風手段の送出側導管手段に、圧縮空
    気送出量を調節するための圧縮空気送出量調節手段を付
    設したものであって、該圧縮空気送出量調節手段が該マ
    スク手段を使用する使用者の呼吸サイクルの少なくとも
    一部に実質上同調して該圧縮空気送出量を調節し得るも
    のである請求項1の呼吸同調型の呼吸補助装置。
  3. 【請求項3】 該圧縮空気送出量調節手段が、余剰圧縮
    空気を放出する手段を具備したものであって、該放出手
    段の開閉が該吸入量調節手段の開閉と実質的に逆位相で
    あるようにするための圧縮空気送出量調節手段及び吸入
    量調節手段の制御手段を具備したことを特徴とする請求
    項2の呼吸同調型の呼吸補助装置。
  4. 【請求項4】 さらに該導管手段又は該マスク手段の内
    部空間の圧力変動を検出するための圧力変動検出手段を
    具備した請求項1〜3のいずれかに記載の呼吸同調型の
    呼吸補助装置。
  5. 【請求項5】 該吸入量調節手段及び/又は、該圧縮空
    気送出量調節手段が、該圧力変動検出手段による検出結
    果によって作動し得るものである請求項4の呼吸同調型
    の呼吸補助装置。
  6. 【請求項6】 該送風手段が電動機によって駆動される
    ブロアー手段であって、該ブロアー手段が該使用者に要
    求されるマスク手段内の圧力のレベルに応じてその回転
    数を可変設定し得るものである請求項1の呼吸同調型の
    呼吸補助装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013508087A (ja) * 2009-10-20 2013-03-07 デシャム・メディカル,エルエルシー 統合された気道内陽圧装置
JP2014507214A (ja) * 2011-01-28 2014-03-27 ケアフュージョン 207、インコーポレーテッド 圧力軽減装置及びシステム

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