JPH07274907A - 帯状食品の製造装置 - Google Patents

帯状食品の製造装置

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JPH07274907A
JPH07274907A JP6098081A JP9808194A JPH07274907A JP H07274907 A JPH07274907 A JP H07274907A JP 6098081 A JP6098081 A JP 6098081A JP 9808194 A JP9808194 A JP 9808194A JP H07274907 A JPH07274907 A JP H07274907A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蟹風蒲鉾の製造工程における切れ目を入れる
前の帯状の中間製品の如き帯状食品を加熱するための装
置として、加熱時間の短縮を図り、これにより装置の短
尺化、小型化を図る。 【構成】 複数のローラ状電極が平行に配置されてなる
電極列と、その電極列に通電するための給電手段と、ロ
ーラ状電極を回転させるための回転駆動手段と、電極列
に掛けられた透水性フイルムと、透水性フイルム上に食
品材料を帯状に連続的に供給する供給手段とを有し、透
水性フイルム上に供給された帯状食品材料に対してロー
ラ状電極から透水性フイルムを介して電流を流し、通電
加熱する。さらに通電加熱後の帯状食品材料を急速冷却
する。また、ローラ状電極を駆動せず、透水性フイルム
を走行駆動することもできる。さらにローラ状電極に変
えて、板状電極を用いることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、魚肉練製品等の食品
の製造過程において、魚肉すり身等の食品材料を帯状の
状態で加熱し、さらには冷却するための装置に関するも
のであり、特に蟹肉状に引き裂き容易となるように多数
の切れ目を入れた魚肉練製品、すなわちいわゆる蟹風蒲
鉾を製造するにあたって、最終的に切れ目を入れる前の
帯状の段階で加熱・冷却するに好適な装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】練製品には、いわゆる板付き蒲鉾、笹の
葉状の蒲鉾、ちくわ、はんぺん、その他各種のものがあ
るが、そのうちでも“蟹風蒲鉾”あるいは“蟹蒲鉾”と
通称される魚肉練製品は、蟹肉状に引き裂き容易で、食
感が蟹肉に似ており、また食べ易いところから、その消
費量が増大している。
【0003】上述のような蟹風蒲鉾の製造方法として
は、一般に魚肉すり身に調味料等を添加して調整、混練
した後、これを帯状に成形し、得られた帯状中間製品の
段階で蒸し機により高温水蒸気によって加熱し、その
後、帯状中間製品に多数の切れ目(スリット)を入れる
のが通常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のような蟹風蒲鉾
の製造過程において、従来の蒸し機により帯状中間製品
を加熱する工程では、加熱に長時間を有し、また蒸し機
自体も長大化せざるを得ず、そのため生産性を阻害する
と同時に製造コストの増大を招かざるを得ない問題があ
った。
【0005】すなわち従来一般の蟹風蒲鉾の加熱工程で
は、帯状の中間製品を連続的に蒸し機内に送り込み、蒸
し機内で連続的に走行させながら高温水蒸気により加熱
するのが通常であるが、この場合加熱完了まで2分程度
の長時間を要し、一方通常のライン速度は6〜8m/分
であるから、蒸し機の長さは10〜15mも必要となっ
ている。
【0006】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、蟹風蒲鉾の中間製品の如く、粘性を有する帯
状の食品について、短時間で加熱し得るようになし、こ
れによって加熱設備の短尺化、小型化を図り得るように
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述のような問題を解決
するため、請求項1の発明の帯状食品の製造装置は、そ
れぞれ少なくとも外周面を導電性材料で構成した複数の
ローラ状の電極が、所定間隔を置いて互いに平行かつ水
平に配列されてなる電極列と、前記電極列のローラ状電
極に給電するための給電手段と、前記各ローラ状電極を
回転させるための回転駆動手段と、前記電極列上に掛け
られて、ローラ状電極の回転に伴なって走行し得る透水
性フイルムと、前記電極列の一端側において前記透水性
フイルム上に帯状に食品材料を連続的に供給する供給手
段とを有してなり、前記透水性フイルム上に供給された
帯状食品材料に対して各ローラ状電極から透水性フイル
ムを介して電流を流し、これによって帯状食品材料を通
電加熱するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】一方請求項2の発明の帯状食品の製造装置
は、複数の電極が所定間隔を置いて互いに平行かつ水平
となるように配列されてなる電極列と、前記電極列の各
電極に給電するための給電手段と、前記電極列上に各電
極の並ぶ方向に沿って走行可能に配置された透水性フイ
ルムと、前記透水性フイルムを各電極の並ぶ方向に沿っ
て走行させるための走行駆動手段と、前記電極列の一端
側において前記透水性フイルム上に帯状に食品材料を供
給する供給手段とを有してなり、前記透水性フイルム上
に供給された帯状食品材料に対して各電極から透水性フ
イルムを介して電流を通し、これによって帯状食品材料
を通電加熱するようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0009】また請求項3の発明の帯状食品の製造装置
は、請求項2に記載の製造装置において、前記各電極
が、ローラ状の電極とされているものである。
【0010】そしてまた請求項4の発明の帯状食品の製
造装置は、請求項2に記載の製造装置において、前記各
電極が、表面が平滑な板状の電極とされており、かつそ
の板状電極が、共通の絶縁性基板上に間隔を置いて配列
されているものである。
【0011】また請求項5の発明の食品製造装置は、請
求項1もしくは請求項2に記載の製造装置において、前
記電極列における前記供給手段と反対の側に、帯状食品
材料を冷却するための冷却手段が設けられているもので
ある。
【0012】さらに請求項6の発明の食品製造装置は、
請求項1もしくは請求項2に記載の製造装置において、
蟹風蒲鉾を製造するために、帯状の魚肉練製品に切れ目
を入れる前の段階において帯状の魚肉練製品を加熱する
ための装置としたものである。
【0013】なおこの発明において帯状食品とは、最終
製品の状態で帯状のものに限らず、中間製品の状態での
み帯状のものも指称することとする。
【0014】なおまた、この発明において透水性フイル
ムとは、例えばセロハン、紙、布、不織布等のように水
分を吸収する性質を有する膜状もしくはシート状のもの
であれば如何なるものでも良く、通常、親水性フイル
ム、吸水性フイルム、あるいは保水性フイルム等と称さ
れる種々の膜材、シート材を用いることができ、これら
を総称して透水性フイルムと称している。なお透水性フ
イルムは1枚でも、あるいは2枚以上を重ね合わせて用
いても良く、また2枚以上を重ね合わせる場合、異種の
透水性フイルムを用いても良い。
【0015】
【作用】請求項1の発明の装置においては、電極列を構
成する各ローラ状電極が一斉に所定方向へ回転すること
によって、その電極列上に掛けられた透水性フイルムも
所定方向へ走行することになる。そして魚肉すり身等の
粘性を有する食品材料が、供給手段によって電極列の一
端側において透水性フイルム上に帯状に供給されれば、
その帯状食品材料は透水性フイルム上に載置された状態
で、透水性フイルムの走行に伴なって各ローラ状電極の
並ぶ方向へ移動することになる。ここで、粘性を有する
帯状食品材料は加熱前の段階で多量の水分を含有してい
るため、透水性フイルムには食品材料の食塩を含む水分
が浸み込み、導電性が付与される。あるいは予め別途透
水性フイルムに水分を含ませて、導電性を付与してお
く。そして各ローラ状電極間に電圧を加えれば、ローラ
状電極から透水性フイルムを介してその透水性フイルム
上の帯状食品材料に電流が流れ、その食品材料の有する
電気抵抗によって発熱する。すなわちいわゆるジュール
熱による通電加熱がなされる。このような通電加熱によ
れば、帯状食品材料の内部からその電気抵抗により発熱
するため、従来の蒸し機の如く外側から高温水蒸気によ
り加熱する場合と比較して格段に昇温速度が速く、その
ため加熱に要する時間も短縮される。その結果、仮にラ
イン速度が同じであれば、加熱設備の長さも格段に短く
て済む。本発明者等の実験によれば、加熱に要する時間
を従来の一般的な蒸し機と比較して1/2以下に短縮
し、その結果加熱設備の長さを従来の半分以下に短縮で
きることが判明している。
【0016】また請求項2の発明の装置の場合は、電極
列上に位置する透水性フイルム自体が走行駆動手段によ
って電極の並ぶ方向に走行せしめられる。したがって電
極列の一端側において透水性フイルム上に魚肉すり身等
の食品材料が帯状に供給されれば、前記同様に帯状食品
材料が透水性フイルム上に載置された状態で、その透水
性フイルムとともに電極の並ぶ方向へ移動することにな
る。そして各電極間に電圧を加えれば、前記同様に電極
から透水性フイルムを介して帯状食品材料に電流が流
れ、ジュール熱による通電加熱がなされる。
【0017】また請求項5に記載したように冷却手段を
設けておけば、通電加熱を行なって所定の温度となった
帯状食品材料を直ちに冷却することができ、そのため特
に魚肉練製品の場合は良好な食感を得ることができる。
【0018】
【実施例】図1〜図3には、請求項1の発明の一実施例
の帯状食品の製造装置を示す。なお図1〜図3に示す実
施例では、前述の透水性フイルムとしては、2枚のもの
を用いた例、すなわち後述するように布あるいは不織布
等からなる比較的厚い透水性フイルムからなる無端環状
のベルト状の第1の透水性フイルム35と、相対的に薄
質でかつ表面が平滑なセロハン等からなる第2の透水性
フイルム37とを重ね合わせて用いた例を示す。
【0019】図1、図2において、平行一対の枠板1,
3間に、複数本の(図示の例では8本)のローラ状電極
5A〜5Hが同一水平面上において互いに平行となるよ
うに並列状に配列されて、電極列5が構成されている。
この電極列5を構成する各ローラ状電極5A〜5Hは、
少なくとも外周面が導電性材料によって構成されていれ
ば良いが、図示の例では各ローラ状電極5A〜5Hはそ
の両側から突出する支軸7,9の部分も含めて全体が導
電性の金属材料によって構成されているものとする。
【0020】各ローラ状電極5A〜5Hは、それぞれ両
側の枠板1,3に対して電気的に絶縁された状態で回転
可能に支持されている。すなわち、両側の枠板1,3に
はそれぞれ各ローラ状電極5A〜5Hの両側から突出す
る支軸7,9に対応して、それぞれ樹脂等からなる絶縁
材11,12を介し複数の金属製軸受部材13,14が
設けられており、これらの軸受部材13,14に支軸
7,9が回転自在に挿着されている。
【0021】さらに前記各ローラ状電極5A〜5Hはそ
れぞれその一方の側から、回転駆動手段15によって軸
中心に回転駆動されるようになっている。すなわち、枠
板3の一方の端部側にはモータや減速ギヤ等からなる駆
動装置17が取付けられ、この駆動装置17から突出す
る駆動軸19が前記ローラ状電極5A〜5Hの並ぶ方向
と平行に延長され、その駆動軸19に電気絶縁性の樹脂
等からなる複数の傘歯車21が各ローラ状電極5A〜5
Hに対応して取付けられ、一方各ローラ状電極5A〜5
Hの一方の側の支軸9が枠板3の外側へ延長されて、そ
の部分の支軸9にそれぞれ傘歯車23が取付けられ、そ
して傘歯車21と傘歯車23とが噛合わされて、回転駆
動手段15が構成されている。したがってこの回転駆動
手段15においては、駆動装置17によって駆動軸19
が回転せしめられれば、傘歯車21,23を介して各ロ
ーラ状電極5A〜5Hが一斉に同方向へ等速で回転せし
められることになる。
【0022】また各ローラ状電極5A〜5Hの支軸7を
枠板1に回転可能に支持するための軸受部材13には、
それぞれリード線25A〜25Hが接続されており、こ
れらのリード線25A〜25Hのうち、両端側のローラ
状電極5A,5Hに対応するリード線25A,25Hは
アースされており、それ以外のリード線25B〜25G
は、後に改めて説明する図3に示すように、給電手段2
7に接続されている。
【0023】また前記枠板1,3の間には、電極列5に
おけるローラ状電極5Aの側の延長位置に、各ローラ状
電極5A〜5Hと平行となるように入口側案内ローラ2
9が設けられており、この入口側案内ローラ29も枠板
1,3に回転可能に支持されている。さらに、図2に示
すように電極列5の両側付近の下方には、2本の下側案
内ローラ31,33が各ローラ状電極5A〜5Hと平行
となるように回転可能に設けられている。
【0024】そして前記入口側案内ローラ29、電極列
5(各ローラ状電極5A〜5H)および下側案内ローラ
31,33の全体には、前述のように布もしくは不織布
等からなる比較的厚い無端環状の第1の透水性フイルム
35が回巡走行可能に巻き掛けられている。ここで、各
ローラ状電極5A〜5Hが一斉に同方向へ等速で回転す
れば、それに伴って第1の透水性フイルム35も一定方
向へ回巡走行することなる。
【0025】さらに前記第1の透水性フイルム35の上
面には、その第1の透水性フイルム35の上面側におい
て第1の透水性フイルム35とともに走行可能となるよ
うに、セロハン等の表面が平滑な第2の透水性フイルム
37が配置されている。すなわちこの第2の透水性フイ
ルム37は、入口側案内ローラ29の下方に設けられた
繰出しロール39から繰出されて、入口側案内ローラ2
9、電極列5の上の第1の透水性フイルム35の上面に
沿わされた状態で第1の透水性フイルム35とともに走
行し、ローラ状電極5Hの下方に設けられた巻取ロール
41に巻取られるようになっている。
【0026】さらに前記第2の透水性フイルム37にお
ける入口側案内ローラ29に対応する位置付近の上方に
は、加熱対象となる魚肉すり身43を第2の透水性フイ
ルム37上に連続的に帯状に供給するための供給手段4
5として、押出しノズル47が設けられている。
【0027】また電極列5の右方、すなわち押出ノズル
47に対し反対側には、冷却手段51が設けられてい
る。この冷却手段51は、内部に低温の水その他の冷却
媒体を流通させた複数の冷却ローラ52を平行に配列
し、かつこれらの冷却ローラ52を回転可能に支持する
とともに、図示しない駆動装置により電極列5の各ロー
ラ状電極5A〜5Hと同方向へ各冷却ローラ52を回転
させる構成とし、かつその複数の冷却ローラ52の全体
に、必要に応じて熱伝導性の良好な金属などからなるベ
ルト53を巻掛けてなるものである。
【0028】図3には、前記電極列5におけるローラ状
電極5B〜5Gに対応する給電手段27の具体例を示
す。
【0029】図3において、ローラ状電極5Bとそれに
対して一つ置いた位置のローラ状電極5D、さらに一つ
置いた位置のローラ状電極5Fは並列接続されて、電源
49の一方の出力端子49Aに接続され、ローラ状電極
5C,5E,5Gも同様に並列接続されて、前記電源4
9の他方の出力端子49Bに接続されている。なお両端
のローラ状電極5A,5Hはそれぞれ接地(アース)さ
れている。ここで、電源49としては、1kHz〜40
0kHz程度の高周波電源を用いることが好ましい。
【0030】以上のような図1〜図3に示される加熱装
置を用いて粘性を有する帯状食品材料例えば魚肉すり身
43を加熱する状況を、図4を参照しつつ説明する。
【0031】供給手段45の押出しノズル47から魚肉
すり身43が帯状に押出されれば、その帯状の魚肉すり
身43は電極列5上の第2の透水性フイルム37上に載
った状態で、第1および第2の透水性フイルム35,3
7の走行に伴ない、図1〜図3の右方へ連続的に移動す
る。
【0032】ここで、第2の透水性フイルム37および
第1の透水性フイルム35には、魚肉すり身43から水
分が浸み込み、これによって導電性が付与される。なお
魚肉すり身43からの水分だけでは充分な導電性が与え
られない場合には、例えば水や食塩水を両方の透水性フ
イルム35,37もしくはいずれか一方の透水性フイル
ムに滴下したり、あるいは水や食塩水の霧を少なくとも
一方の透水性フイルムに吹き付けたり、さらには少なく
とも一方の透水性フイルムを、水や食塩水を収容した槽
内を通過するように構成しても良い。
【0033】上述のようにして第1および第2の透水性
フイルム35,37に導電性が与えられた状態では、電
極列5の各ローラ状電極5A〜5Hのうち両端のローラ
状電極5A,5Hを除いたローラ状電極5B〜5Gのそ
れぞれの間に前記給電手段27によって与えられる高周
波電流が、各ローラ状電極5B〜5Gから両透水性フイ
ルム37,35を介し、第2の透水性フイルム37上の
魚肉すり身43に流れ、これによって魚肉すり身43の
有する電気抵抗により魚肉すり身43自体が発熱する。
すなわち、所謂ジュール熱による通電加熱がなされる。
【0034】ここで、電極列5の両端のローラ状電極5
A,5Hはアースされているから、魚肉すり身43に流
れる高周波電流が、その魚肉すり身43内を伝って前工
程や後工程に流れてしまうことがなく、そのため作業の
安全性を確保することがてきる。
【0035】以上のようにして電極列5の右端まで移動
せしめられた通電加熱済みの帯状の魚肉すり身43は、
続いて冷却手段51のベルト53上に乗り移り、各冷却
ローラ52の内部の冷却媒体から冷却ローラ52、ベル
ト53を通じて伝えられる低温によって急速に冷却され
る。
【0036】このようにして通電加熱および急速冷却が
行なわれた帯状の魚肉すり身は、蟹風蒲鉾を製造する場
合には、多数の切れ目を入れるためのスリット工程へ移
送される。
【0037】以上の実施例においては、透水性フイルム
として比較的厚い第1の透水性フイルム35と、薄質で
あるが表面が平滑なセロハン等からなる第2の透水性フ
イルム37とを重ね合わせて用いており、この場合第1
の透水性フイルム35は各ローラ状電極間で魚肉すり身
が垂れ下がってしまうことを防止するための補強・支持
部材として機能し、一方第2の透水性フイルム37は表
面が平滑で魚肉すり身の剥離性が良好であるため、通電
加熱済みの魚肉すり身を次工程(図示の例では冷却工
程)へ移送するために容易に剥離させることができる。
【0038】なお、セロハン等の薄質な透水性フイルム
37でも充分に魚肉すり身を支持できる場合には、第1
の透水性フイルムは省いても良く、また場合によっては
セロハン等の薄質な透水性フイルムを2枚重ねにしても
良い。
【0039】また図1では給電手段27から軸受部材1
3、支軸7を経てローラ状電極5B〜5Gに給電するよ
うに構成しているが、ローラ状電極5B〜5Gもしくは
それらの支軸7に図示しない給電ローラもしくは給電ブ
ラシを接触させることによってローラ状電極5B〜5G
に給電するように構成しても良い。
【0040】さらに、図示の例では冷却手段51は、冷
却ローラ52にベルト53を巻掛けた構成としている
が、場合によってはベルト53は省略して、冷却ローラ
52上に通電加熱済みの魚肉すり身が直接接触するよう
に構成しても良い。
【0041】図5、図6には請求項3の発明の一実施例
の帯状食品製造装置を示す。なお図5、図6において図
1〜図3に示される要素と同一の要素については同一の
符号を付す。
【0042】図5、図6において、電極列5は図1〜図
3の実施例と同様に複数(図示の例では6本)のローラ
状電極5A〜5Hを同一水平面上において互いに平行と
なるように並列状に配列した構成とされており、かつ各
ローラ状電極5A〜5Hは、前記同様に両側の枠板1,
3に対し電気的に絶縁された状態で支持されている。但
しこの実施例では、ローラ状電極5A〜5Hは、単に回
転自在に支持されているだけであって、図1〜図3の実
施例の如く回転駆動されるようには構成されていない。
【0043】電極列5上には透水性フイルム60がロー
ラ状電極5A〜5Hの並ぶ方向へ走行可能に接してい
る。この透水性フイルム60は、帯状をなしかつ全体と
して無端環状に作られたものであって、電極列5におけ
る右端側(ローラ状電極5Hの側)の延長位置に配設さ
れた主動ローラ62および電極列5における左端側(ロ
ーラ状電極5Aの側)の延長位置に配設された従動ロー
ラ64に巻掛けられている。前記主動ローラ62には、
これを回転させて透水性フイルム60を走行させるため
の走行駆動手段66(例えばモータや減速ギヤ等からな
るもの)が連結されている。なおここで、電極列5にお
ける両端のローラ状電極5A,5Hは、図1〜図3の実
施例と同様にアースされ、またローラ状電極5B〜5G
は、図1〜図3の実施例と同様な関係で給電手段27の
電源49に接続されている(図3参照)。また電極列5
に対し従動ローラ64の側の位置の上方(透水性フイル
ム60の上側)には、供給手段45が設けられており、
またその供給手段45に対し反対側の位置には冷却手段
51が設けられている。これらの供給手段45および冷
却手段51については、図1〜図3に示される実施例と
同様である。また透水性フイルム60は、前記同様に布
やセロハンフイルム等を用いることができる。
【0044】以上のような図5、図6に示される実施例
においては、走行駆動手段66によって透水性フイルム
60が電極列5の各ローラ状電極5A〜5Hに接しなが
ら回巡走行する。したがってその透水性フイルム60上
に帯状に供給された魚肉すり身43もその透水性フイル
ム60とともに図の左方から右方へ連続移動することに
なる。そして電源49から電極列5の各ローラ状電極5
B〜5Gの相互間に高周波電圧を加えれば、各ローラ状
電極5B〜5Gから透水性フイルム60を介して魚肉す
り身43に高周波電流が流れて、魚肉すり身43に対し
て既に述べたと同様にしてジュール熱による通電加熱が
なされ、その後冷却手段51によって急速冷却される。
【0045】なお図5、図6の実施例においては、ロー
ラ状電極5A〜5Hは、必ずしも回転自在に支持する構
成としなくてもて良く、場合によっては固定しておいて
も良い。
【0046】図7、図8には、図5、図6の実施例にお
ける電極列5のローラ状電極5A〜5Hを、板状の電極
50A〜50Hに変えた実施例を示す。この実施例で
は、平面的に見て長方形状をなす板状電極50A〜50
Hが樹脂等からなる長板状の絶縁性基板70上に所定間
隔を置き平行にかつ表面が水平となるように配設されて
いる。また各板状電極50A〜50Hの間における絶縁
性基板70の上面には、絶縁性材料からなる板状のスペ
ーサ72が配設されており、これらのスペーサ72およ
び板状電極50A〜50Hはその表面が面一となるよう
に定められている。そして電極列5を構成する各板状電
極50A〜50Hは、既に述べた各実施例と同様に両端
の板状電極50A,50Hがアースされ、中間の板状電
極50B〜50Gが前記同様な関係で給電手段27の電
源49に接続されている。その他の部分の構成は、図
5、図6の実施例と全く同様である。
【0047】このような図7、図8に示される実施例に
おいては、透水性フイルム60が電極列5の板状電極5
0A〜50Hおよびスペーサ72の表面に摺接しながら
走行することになる。そしてこの実施例においても、既
に述べたと同様にして、透水性フイルム60上に帯状に
供給された魚肉すり身を通電加熱することができる。
【0048】なお図7、図8の実施例において、各板状
電極50A〜50Hの間のスペーサ72は、絶縁性基板
70と一体に形成しても良いことはもちろんである。
【0049】さらに、図5、図6の実施例、図7、図8
の実施例のいずれにおいても、透水性フイルム60は、
1枚のものが主動ローラ62、従動ローラ64に巻掛け
られているものとしているが、場合によっては図1〜図
3の実施例と同様に布等の比較的高強度の第1の透水性
フイルムとセロハン等の表面が平滑な第2の透水性フイ
ルムとを組合せても良い。この場合、第1の透水性フイ
ルムは無端環状として主動ローラ62、従動ローラ64
に巻掛け、第2の透水性フイルムは図1〜図3の実施例
と同様に一方から繰出し、他方で巻取りを行なうように
することができる。
【0050】また透水性フイルム60として1枚のみを
用いる場合も、無端環状とせずに、一方の側から繰出
し、他方の側で巻取るように構成することができる。
【0051】なおこの発明で対象となる帯状食品は魚肉
すり身に限らず、その他の粘性を有する帯状食品、例え
ば卵焼き等であっても良い。
【0052】また図示の例では、供給手段45は、加熱
前の食品材料を帯状に押出す構成としているが、場合に
よっては圧延等により別途帯状に成形しておき、これを
供給するように構成しても良い。
【0053】
【発明の効果】この発明の帯状食品の製造装置によれ
ば、魚肉すり身等の帯状の食品材料自体に電流を流すこ
とによりその内部から発熱させる通電加熱を適用してい
るため、急速に帯状食品材料を加熱することができ、そ
のため加熱に要する時間が短縮されるから、帯状食品材
料を連続的に走行させながら加熱するにあたって設備の
全長を従来の高温水蒸気による蒸し機と比較して格段に
短かくすることができ、そのため設備の設置スペースを
節約することができるとともに製造コストの低減を図る
ことができる。また請求項5の発明の場合、前述のよう
にして通電加熱した帯状の食品材料を直ちに急速冷却す
ることができるため、特に魚肉練製品等においては良好
な食感を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の装置を示す部分切欠平面
図である。
【図2】図1のX−X線における縦断面図である。
【図3】図1に示される装置における給電手段の一例を
示す略解図である。
【図4】図1に示される装置における要部の部分拡大縦
断面図である。
【図5】この発明の他の実施例の装置を示す平面図であ
る。
【図6】図5のY−Y線における縦断面図である。
【図7】この発明のさらに他の実施例を示す平面図であ
る。
【図8】図7のZ−Z線における縦断面図である。
【符号の説明】
5 電極列 5A〜5H ローラ状電極 15 回転駆動手段 27 給電手段 35 第1の透水性フイルム 37 第2の透水性性フイルム 43 魚肉すり身(帯状食品材料) 45 供給手段 49 電源 51 冷却手段 50A〜50H 板状電極 60 透水性フイルム 66 走行駆動手段 70 絶縁性基板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ少なくとも外周面を導電性材料
    で構成した複数のローラ状の電極が、所定間隔を置いて
    互いに平行かつ水平に配列されてなる電極列と;前記電
    極列のローラ状電極に給電するための給電手段と;前記
    各ローラ状電極を回転させるための回転駆動手段と;前
    記電極列上に掛けられて、ローラ状電極の回転に伴なっ
    て走行し得る透水性フイルムと;前記電極列の一端側に
    おいて前記透水性フイルム上に帯状に食品材料を連続的
    に供給する供給手段;とを有してなり、前記透水性フイ
    ルム上に供給された帯状食品材料に対して各ローラ状電
    極から透水性フイルムを介して電流を流し、これによっ
    て帯状食品材料を通電加熱するようにしたことを特徴と
    する、帯状食品の製造装置。
  2. 【請求項2】複数の電極が所定間隔を置いて互いに平行
    かつ水平となるように配列されてなる電極列と;前記電
    極列の各電極に給電するための給電手段と;前記電極列
    上に各電極の並ぶ方向に沿って走行可能に配置された透
    水性フイルムと;前記透水性フイルムを各電極の並ぶ方
    向に沿って走行させるための走行駆動手段と;前記電極
    列の一端側において前記透水性フイルム上に帯状に食品
    材料を供給する供給手段;とを有してなり、前記透水性
    フイルム上に供給された帯状食品材料に対して各電極か
    ら透水性フイルムを介して電流を通し、これによって帯
    状食品材料を通電加熱するようにしたことを特徴とす
    る、帯状食品の製造装置。
  3. 【請求項3】前記各電極が、ローラ状の電極とされてい
    る、請求項2に記載の帯状食品の製造装置。
  4. 【請求項4】前記各電極が、表面が平滑な板状の電極と
    されており、かつその板状電極が、共通の絶縁性基板上
    に間隔を置いて配列されて電極列が形成されている、請
    求項2に記載の帯状食品の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記電極列における前記供給手段と反対
    の側に、帯状食品材料を冷却するための冷却手段が設け
    られている、請求項1もしくは請求項2に記載の帯状食
    品の製造装置。
  6. 【請求項6】 蟹風蒲鉾を製造するために、帯状の魚肉
    練製品に切れ目を入れる前の段階において帯状の魚肉練
    製品を加熱するための装置である、請求項1もしくは請
    求項2に記載の帯状食品の製造装置。
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