JPH07270791A - 投射装置 - Google Patents

投射装置

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JPH07270791A
JPH07270791A JP6077874A JP7787494A JPH07270791A JP H07270791 A JPH07270791 A JP H07270791A JP 6077874 A JP6077874 A JP 6077874A JP 7787494 A JP7787494 A JP 7787494A JP H07270791 A JPH07270791 A JP H07270791A
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JP6077874A
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Yuji Mabe
雄二 間辺
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Nikon Corp
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 投射特性に優れた投射装置を提供する。 【構成】 二次元画像表示のために照射された光束を空
間変調させるライトバルブ手段と、光源手段からの照明
光束を前記ライトバルブ手段の画像情報表示面に照射す
る照明光学系と、前記ライトバルブ手段の前記画像情報
表示面で空間変調された照明光束を被投影面上に結像さ
せる結像手段と、を備え、前記照明光束の光束断面を予
め定めた一方向に変形する光束断面変形素子が、前記照
明光学系の光路中に設けられているもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばビデオプロジェ
クター等に応用される投射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、比較的大きなスクリーンに画像を
投射する装置として、いわゆるビデオプロジェクターが
知られている。このビデオプロジェクターは、液晶が持
つ複屈折性と偏光光学系とを組み合わせた位相変調型の
構成よりなるものと、ポリマー分散型液晶のように光の
散乱性を持つ液晶とシュリーレン光学系とを組み合わせ
た散乱型の構成よりなるものとに大別される。
【0003】このようなビデオプロジェクターでは、光
源からの照明光束をライトバルブ手段の画像情報表示面
上に照射すると共に、ここで空間変調された光束を被投
影面であるスクリーン上に照射させる事で画像を投射す
るものが一般的であり、前記ライトバルブ手段への照明
光を均一に且つ高い照度(強度)でライトバルブ手段上
に照射させて、スクリーン上に投影した時の画像が明る
くムラの無いものとすることが要求される。
【0004】このようなビデオプロジェクターに使用さ
れる光源としては、一般にはメタルハライドランプやキ
セノンランプ等の高輝度の照明光束を発する白色光源が
有用である。そして、これらの白色光源と、例えば、楕
円鏡、放物面鏡、球面鏡などの凹面鏡と、コンデンサー
レンズ等とを組み合わせたものが光源手段もしくは照明
光学系として一般的に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の様な
光源手段から発せられる照明光束の断面は、一般的に円
形状であるが、この照明光束が照射されるライトバルブ
手段の画像情報表示面は矩形状のものが多い。このた
め、画像情報表示面の全面に照明光束を照射させるに
は、少なくとも画像情報表示面の矩形領域のすべてを円
形(断面)の照明光束がカバーする必要がある。
【0006】この様な照明光学系を用いると、照明光束
の照射領域(光束断面)内で、画像情報表示面を照射し
ない領域、言い換えるとライトバルブ手段に導かれずに
使用されない光束が部分的に存在する。この様子の一例
を図9を用いて説明する。
【0007】図9に示す照射状態では、矩形の画像情報
表示面95が、照明光束の照射領域98(円形領域)に
包含される様に、画像情報表示面95及び照射領域98
の位置を定めており、最も効率良く照射させるために画
像情報表示面95の角部が照射領域98に内接する様に
これらを設置している。尚、ここで言う照射領域98と
は、照明光により十分な照射強度が得られる範囲、いわ
ゆる有効照明領域を示している。
【0008】この図からも明らかな様に、照射領域98
のうち斜線部yは、前記画像情報表示面95を照射しな
い領域となり、一般にはここで遮光されて照明系及び結
像系に使用されない光束となる。従って、照明光束の光
量損失は、この画像情報表示面95を照射しない領域y
に照射された照明光束の光量分だけ生じている。
【0009】ここで、従来の照明光学系やこれを利用し
た投射装置では、ライトバルブ手段への照射強度の向上
や、投影像の投射強度や輝度の向上を図る要請が多くな
ってきている。しかし、これらの要請に対して、従来は
光源自体のパワーを上げる程度の対策しかなされておら
ず、装置の大型化を招いたり、製造コストの高騰が生ず
る問題があった。そして、前述した光量損失に対して
は、特に対策は用いられていなかった。
【0010】また、照明光束の照射領域98内の同心円
は、光強度分布状態を表す等高線的な説明線であり、一
般的な照明光束は中心(光軸)付近が最大となり周縁部
に近付く従って弱くなる様な光量分布(いわゆるガウス
分布に近い分布)を有している。このため、照明光束の
光強度分布状態を表す説明線はこの図に示す様に同心円
状になっている。
【0011】ここで、高輝度の照明光を得るために有用
なメタルハライドランプやキセノンランプ等の白色光源
は、実際には理想的な点光源ではなく、ある程度の広が
りを持っている。例えば、メタルハライドランプでは、
その発光部は、数ミリの長さに達している。
【0012】従来より、白色光源と反射鏡(凹面鏡)と
を用いて光源からの照明光束を画像情報表示面に照射す
る場合、光源位置(発光部)と反射鏡の焦点位置とを一
致させているのが一般的である。
【0013】しかし、理想的な点光源と反射鏡とを組み
合わせても、ランプの影が画像情報表示面側に現れるの
で、照射光束の中央部分が暗くなったり強度ムラが生ず
る事がある。また、長さを持った発光部の光源と反射鏡
とを組み合わせた場合には、照射光束は理想的な平行光
束とはならないので、そのまま照射すれば照射面に到達
しない光束が多くなり、光量損失が多くなる。
【0014】従って、実際には、反射鏡の焦点位置に対
して光源の配置位置を光軸方向に微少にずらして配設
し、光源から発せられた照明光束が照射面上において集
束して照射される様な配置構成となっている。これによ
り、中央部分での影や照明系での光量損失は最小限に抑
えられるが、照射面上での照明光束の光束断面内各部で
の光強度は、いわゆるガウス分布のように、照射面(画
像情報表示面)の中央部分に光が集中する(光量密度が
高い)こととなる。
【0015】このため、画像情報表示面内の光軸中心よ
り離れるにしたがって、照明強度が弱くなる。この状態
を図10を用いて説明する。この図では、照明強度にガ
ウス分布を有する照明光束を、矩形の画像情報表示面に
照射した状態を示すものであり、画像情報表示面の同心
円は、前記同様にその光強度(光量密度)を示す等高線
的な説明線であり、これは中心になるほど高くなってい
る。
【0016】この線図には、前記画像情報表示面上の光
強度を前記画像情報表示面の長手方向と平行で且つ紙面
に垂直な面で画像情報表示面の中央を分割した時の光強
度分布を示す線図が、前記画像情報表示面の長辺側に対
応するよう図10(イ)に示されている。また、前記画
像情報表示面の短手方向と平行でかつ紙面に垂直な面で
画像情報表示面の中央を分割した時の光強度分布を示す
線図が、前記画像情報表示面の短辺側に対応するように
図10(ロ)に示されている。
【0017】図10(イ)及び図10(ロ)の縦軸(ロ
では上部の横向き軸)は光強度を表し、横軸は画像情報
表示面の長辺の長さ又は短辺の長さ(矩形領域内の位
置)を示している。また、どの線図においても点t1
は、画像情報表示面と光軸とが交差する位置(照射領域
の中心、画像情報表示面の中心)である。
【0018】図10よりも明らかなように、画像情報表
示面内において、中心位置の点t1より離れるに従っ
て、光強度が弱くなっている。特に、点t1より長辺側
の端部に近い位置での光強度の減少が激しい(又は光量
密度が少ない、もしくは照射光量が少ない)ことがわか
る。
【0019】このように従来の照明系では、光量損失を
抑えようとすると、画像情報表示面に照射された照明光
束の明るさにムラが生じる(周辺部と中央部の照明強度
の差が大きくなる)ので、その影響としてスクリーン上
に投影される画像に輝度ムラが発生するという問題が生
じる。
【0020】この輝度ムラを解消するために、照明光束
の照射領域を矩形の画像情報表示面に対してかなり大き
めの光束断面となるように拡げると、中央部と周縁部と
の強度差は少なくなるが、画像情報表示面を照射しない
領域が拡大されることになるので、光源から発せられた
照明光束の利用効率が大幅に下がり、スクリーン上に投
影される画像が結果として暗くなる難点があった。
【0021】本発明では、これらの問題点に鑑みてなさ
れたものであり、投射特性に優れた投射装置を提供する
ことを主目的とする。また、本発明は、光源からの光束
の利用効率を高める事で、光量損失が少ない照明系を構
築し、明るい画像が得られる投射装置を提供することを
目的とする。
【0022】また、照明光によるライトバルブ手段上で
の中心付近と周縁部との強度差を抑えて、できるだけ均
一な強度の照明光が得られる照明光学系を構築し、これ
を利用して強度ムラや輝度ムラが生じにくい投射装置を
提供する事を目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項1に係る発明では、二次元画像表示のために照射
された光束を空間変調させるライトバルブ手段と、光源
手段からの照明光束を前記ライトバルブ手段の画像情報
表示面に照射する照明光学系と、前記ライトバルブ手段
の前記画像情報表示面で空間変調された照明光束を被投
影面上に結像させる結像手段とを備え、前記照明光束の
光束断面を予め定めた一方向に変形する光束断面変形素
子が、前記照明光学系の光路中に設けられていることを
特徴とする投射装置を提供する。
【0024】ここで、本発明に使用する照明光学系は、
照射位置における照明光束の光束断面内各部での光強度
分布状態が、いわゆるガウス分布を有するものであれ
ば、特に効率よく照明光をライトバルブ手段に照射させ
ることが出来るものである。このため、この様なガウス
分布が生じる構成の照明光学系(を利用した投射装置)
であれば、本発明を応用できるものであり、その構成は
特に限定されるものではない。
【0025】次に、本願請求項2に記載した発明では、
請求項1に記載の投射装置であって、前記照明光学系
が、発光部が有限な大きさを持った光源と、ここからの
光束を反射させて照射位置方向に導く凹面鏡との組み合
わせからなる光源手段を備えていることを特徴とするも
のである。
【0026】これは、前記したように、照射位置におい
てガウス分布が生じる照明光の光源手段として一般的に
使用されているものであり、照明光学系自体や投射装置
の製造コストを抑えることが出来るものとして有用な光
源手段である。また、従来の装置にも簡易な改良で組み
込むことが出来る利点もある。
【0027】次に、請求項3に記載した発明は、請求項
1又は2に記載の投射装置であって、前記光束断面変形
素子が、前記画像情報表示面の長手方向に光束断面を拡
大するものであることを特徴とするものである。最も、
前記光束断面変形素子として、前記画像情報表示面の短
手方向に光束断面を縮小するものを使用しても、前記の
本願に係る投射装置を構築する事は可能である。
【0028】また、請求項4に係る発明は、請求項3に
記載の投射装置において、前記光束断面変形素子が、前
記光束断面変形素子へ入射する照明光束の光束断面が円
形である場合に、この照明光束の光束断面直径をR、前
記光束断面変形素子による拡大倍率をm、前記画像情報
表示面の短手方向の長さをa、同じく長手方向の長さを
bとした時、以下の条件を満足するものである事を特徴
とする投射装置を提案している。 R = √2・a m = b/a
【0029】なお、前述した様に、前記画像情報表示面
の短手方向に光束断面を縮小する場合には、以下の条件
を満足する事が好ましい。 R = √2・b m = a/b
【0030】更に、請求項5に係る発明は、請求項1、
2、3又は4に記載の投射装置において、前記光束断面
変形素子が、プリズム状光学素子からなる投射装置を提
案している。
【0031】これ以外の光学素子としては、シリンドリ
カルレンズ等を応用する光学素子が考えられる。いずれ
の光学素子を用いる場合であっても、使用する照明手段
の照明光束に応じた色消し条件を満足するものであるこ
とが好ましい。これは、光束断面変形に伴う、色収差等
の発生を防止するためである。
【0032】
【作用】本発明は、上記のように構成されているため、
以下の作用を奏する。まず、請求項1に記載した発明で
は、二次元画像表示のために照射された光束を空間変調
させるライトバルブ手段と、光源手段からの照明光束を
前記ライトバルブ手段の画像情報表示面に照射する照明
光学系と、前記ライトバルブ手段の前記画像情報表示面
で空間変調された照明光束を被投影面上に結像させる結
像手段と、を備えているので、ライトバルブ手段の画像
情報表示面に表された画像情報に基づいて照明光束が空
間変調され、被投影面上に画像が投射される。
【0033】ここで、本発明のライトバルブ手段は、光
源手段から所定の強度で射出された照明光束が画像情報
表示面上に照射された場合に、所定の入力信号に応じて
前記画像情報表示面上で部分的に空間変調させて反射
(又は透過)するものであり、この空間変調された反射
(又は透過)光により投射画像を得るものである。
【0034】このライトバルブ手段としては、例えば、
油膜や金属膜の表面を電子的手段で変形させる構成の前
記画像情報表示面とシュリーレン光学系とを組み合わせ
たものや、液晶などの電気光学結晶よりなる前記画像情
報表示面と偏光板とを組み合わせたもの等が知られてい
る。
【0035】本発明のライトバルブ手段は、これらのい
ずれの方式によるものでも応用可能であり、いわゆる反
射型のものでも透過型のものでもいずれにも応用可能で
ある。即ち、照明光束を空間変調させて投射するもので
あれば、その方式は特に限定されるものではない。
【0036】次に、本発明の照明光学系は、光源手段か
ら発せられた光束をライトバルブ手段の画像情報表示面
全面に導くための光学系であり、本発明では、その光路
中に光束断面を一方向に変形する光束断面変形素子を備
えている。
【0037】このような照明光学系の具体的な構成は、
装置自体の設計事項に合わせて適時選択されるものであ
り、例えばライトバルブ手段が液晶などの電気光学結晶
と偏光板とを組み合わせたものであれば、光源からの光
束を特定の均一な振動面を持った直線偏光に偏光して照
射する必要があるため、その光路中に偏光調整部材等を
設けた前記照明光学系とすればよい。このような偏光調
整部材は、少なくとも光源からの光束を均一な偏光面を
もつ光束に変換する作用を備えたものであれば良い。
【0038】また、例えば、ライトバルブ手段が油膜や
金属膜の表面を電子的手段で変形させる構成のものであ
れば、直線偏光に変換する必要はなく、照明光学系は光
源からの光束をできるだけ効率よく均一な強度で照射さ
せる構成のものを用いればよい。
【0039】次に、本発明の結像手段は、ライトバルブ
手段で空間変調された光束を、スクリーン等の被投影面
上に結像させる構成のものであれば、その構成は特に限
定されるものではない。この際に、ライトバルブ手段が
反射型のものであれば、反射光の光路上に形成され、透
過型のものであれば透過光の考慮上に形成される事はい
うまでもない。また、被投影面までの距離の相違に応じ
て結像状態を変更する手段、例えば、焦点(ピント)合
わせ等の結像調整手段を備えている事が好ましい。
【0040】次に、本発明では前記照明光束の光束断面
を予め定めた一方向に変形する光束断面変形素子が、前
記照明光学系の光路中に設けられているので、照明光学
系の光源手段からの照明光束が前記ライトバルブ手段の
画像情報表示面に導かれる際に、光束断面が予め定めた
一方向に変形される。
【0041】例えば、一般的な光源手段からの光束断面
は円形断面であるので、これを特定の一方向に変形する
と、楕円形状の光束断面となる。さらに、この際に照明
光束が前述した様なガウス分布をもつ場合には、強度分
布を示す等高線も同様に円形から楕円形に変形される事
となる。そして、この様に変形された光束により、ライ
トバルブ手段の前記画像情報表示面に照明光束として照
射される。
【0042】この光束断面変形素子としては、照明光学
系の光路中で光束断面を予め定めた一方向に変形するも
のであれば、その構成は特に限定されるものではない。
例えば、プリズムやシリンドリカルレンズ等の光透過性
部材や、円筒状反射面を持つ反射鏡(シリンドリカル
鏡)等のような光反射性部材等により構成させることが
挙げられる。
【0043】プリズムや反射鏡を使用する場合には、光
路の屈曲をも同時に行える利点があり、シリンドリカル
レンズ等を使用する場合には、光路を直線的に形成でき
る利点がある。また、これらの光学素子は、照明光の光
束に対して色消し条件を満足している事が好ましい。こ
れは、色収差等による画像の不都合を防止するためであ
る。なお、色消しプリズムによれば、光路を屈曲させた
後にさらに(元の光路と)平行に変換させて射出する様
な光路が形成できる利点もある。
【0044】ところで、ライトバルブ手段の画像情報表
示面は、一般的には矩形状であり、照明光束の断面は一
般的には円形状である。本発明では、光束断面変形素子
により照明光束を画像情報表示面に照射する際に、楕円
形状の断面をもつ光束に変換しているが、やはりこれら
の形状の相違に基いて、照明光束の照射領域内で画像情
報表示面を照射しない領域が存在する。
【0045】この状態を図7を用いて説明する。図7で
は、円形断面の光源光束を楕円形断面に変形して、矩形
のライトバルブ手段の画像情報表示面に照射した状態を
示している。この図において、照明光束の照射領域78
は、光束断面変形素子による変形後の楕円形状であり、
画像情報表示面75の矩形形状をすべてカバーする様に
照射している。
【0046】この際に、光量損失をできるだけ少なくす
るために、画像情報表示面75の四つ角部が照射領域7
8に内接する様に、相互の大きさや照射位置関係を定め
る事が好ましい。照射領域78は、照明光により十分な
照射強度が得られる範囲、いわゆる有効照明領域であ
る。
【0047】この図からも明らかな様に、斜線で示す領
域xが画像情報表示面75を照射しない領域であり、こ
の領域における光束が投射装置における使用されない光
束となる。言い換えると、この領域xに照射される光束
がこの装置における光量損失となる。
【0048】ここで、この領域xは、前述した図9の領
域yと比較すると、明らかに面積が小さい事がわかる。
特に、単手方向の断面で見れば、領域yでは端部位置か
ら中心位置までのほぼ半分の領域が含まれるのに対し、
領域xでは1/4以下である事が明白である。
【0049】このため、照明光束が光束断面内で均等で
あっても、光量損失に影響する領域xの面積が小さいの
で、従来のような円形断面の照明光に比較して光量損失
が格段に少ないものとなる。これにより、従来損失して
いた光量が、画像情報表示面に導かれる事となるので、
有効な照射光量が増加するものとなり、明るい照明光に
基づいて、投射される画像も従来より明るくなり、輝度
も増加する。
【0050】言い換えると、ライトバルブ手段の画像情
報表示面に到達する照明光束の光量が増加するため、画
像情報表示面により空間変調された照明光束の光量もま
た増加している。従って、スクリーン上に結像される投
射画像は、従来より光量が増加して全体としても従来よ
り明るいものとなる。
【0051】なお、ビデオプロジェクター等に使用され
る一般的なライトバルブ手段の画像表示面の矩形領域
は、縦横比が3対4、もしくは9対16であり、これら
の矩形領域に合わせて照明光束の光束断面の変形比率等
を定めれば良い。
【0052】このように、本発明では照明光学系の光路
中に照明光束の断面の形状を予め定めた一方向に変形さ
せる光束断面変形素子を設ける事で、ライトバルブ手段
を照射しない領域の面積を小さくしている。この変形度
は、照明光束の断面の形状に応じて変化させることで適
時定めれば良く、これにより光量損失が少ない、明るい
(照射光量が多い)照明や画像投射が行なえるものとな
っている。
【0053】なお、この素子による変形方向は、光源手
段からの光束断面とライトバルブ手段の形状により定め
られるが、円形断面の照明光束を矩形の照射領域に導く
場合には、矩形領域の長手方向に長くなる楕円形状とな
る様に照明光束を変形させれば良い。具体的には、矩形
領域に対してその長手方向に拡大するか、あるいは短手
方向に縮小するか、もしくはこれらの拡大や縮小を組み
合わせて変形させることも考えられる。
【0054】ところで、本発明に使用する照明光学系
は、照射位置における照明光束の光束断面内各部での光
強度分布状態が、いわゆるガウス分布に近い分布(又は
ガウス分布)を有するものである場合には、特に効率よ
く照明光をライトバルブ手段に照射させることが出来る
ものである。このため、この様なガウス分布に近い分布
(又はガウス分布)が生じる構成の照明光学系(を利用
した投射装置)に本発明を応用する事が特に効果的であ
る。
【0055】前述した様に、照明光束がガウス分布に近
い分布(又はガウス分布)を有する場合、ライトバルブ
手段における中心位置(光軸付近)と周縁部位置とで
は、照射される光の強度が異なる。例えば、従来の様に
円形断面の照明光束であれば特に長手方向の周縁部にお
ける照射光量と中心部における照射光量との差が大きな
ものとなり、投射画像においても中心部と周縁部との明
暗の差が大きくなるので、優れた投射特性が得られない
ものとなる。
【0056】しかし、本発明によればガウス分布に近い
分布(又はガウス分布)を有する照明光束であっても、
中央部分(光軸付近)を頂点とした強度分布状態が、光
束断面を変形する事により分散される事となり、結果と
して中央部分の光束強度(光量密度)が低下して、ライ
トバルブ手段の周縁部近傍での光束強度が増加する事と
なり、これらの照射位置による照射光の強度差が小さく
なる。
【0057】これを図6及び図7を用いて説明する。ま
ず、図7に示す様に、ガウス分布に近い分布を有する照
明光束の断面形状を予め定めた一方向に変形させると、
強度分布状態を示す等高線79も照射領域78の変形と
同様に変形する。この状態でのライトバルブ手段上の照
射強度の状態を図6に示す。
【0058】図6は、ガウス分布に近い分布を有する照
明光束の光束断面を、画像情報表示面の長手方向に変形
(長手方向に拡大、又は短手方向に縮小)して照射した
場合の矩形状の画像情報表示面75を真上から見た光強
度分布状態を示す線図である。画像情報表示面75の同
心楕円は、その光強度分布状態を示す等高線的な説明線
であり、これは、中心になるほど高くなっている。
【0059】この線図では、画像情報表示面上の光強度
分布状態を示すため、長手方向と平行で且つ紙面に垂直
な面で中央を分割した時の光強度分布を示す線図が、画
像情報表示面の長辺側に対応するよう図6(ハ)に示さ
れている。また、画像情報表示面の短手方向と平行でか
つ紙面に垂直な面で中央を分割した時の光強度分布を示
す線図が、画像情報表示面の短辺側に対応するように図
6(ニ)に示されている。
【0060】これらの図6(ハ)及び図6(ニ)の縦軸
((ニ)では上部の横向き軸)は、それぞれ光強度を表
し、横軸((ニ)では左部の下向き軸)は、それぞれ画
像情報表示面の長辺方向の位置(断面内での位置)又は
短辺方向の位置(断面内での位置)を示している。ま
た、どの線図においても点t2は、画像情報表示面と光
軸とが交差する位置(照明光束の光軸位置)である。
【0061】図6からも明らかなように、画像情報表示
面内において点t2より離れるに従って、照明光束の光
強度が少なくなっているが、照明光束断面を変形して照
明光束内の光強度状態も変形されているため、図10に
示す様な従来例に比較して、周縁部における強度低下量
が大幅に緩和されている。これは、ライトバルブ手段の
画像情報表示面上で、全体に均等化されたものに近い照
明光束の強度分布状態に変形されている事とほぼ同様で
ある。
【0062】このため、画像情報表示面上において中央
部と周縁部との照明光束の強度差が少なくなるので、こ
こでの強度ムラが抑えられている。言い換えると、画像
情報表示面の中央部における照射光量は従来よりやや低
下する事となるが、周縁部における照射光量は増加する
事となる。これは特に長手方向端部位置における照射光
量の増大に寄与するものであり、照射位置による強度差
が少なくなる事で、従来より均等化された照明光束を照
射することが出来るものとなっている。
【0063】さらに、前記同様に、照明光束断面が画像
情報表示面に応じた楕円状であるため、画像情報表示面
全体に照明光束が照射されると共に、有効な照射光量が
全体的に多くなっている。これにより、画像情報表示面
上で空間変調されてスクリーン上に結像された画像情報
もまた、投射光量が多くなり、強度ムラの少ない明るい
ものとなる。さらに、投影される画像の輝度も高くな
り、輝度ムラも生じにくいものとなっている。
【0064】次に、請求項2に記載した発明では、前記
照明光学系、発光部が有限な大きさを持った光源と凹面
鏡との組み合わせからなる光源手段を備えた投射装置を
提案している。この様な光源手段を備えた照明光学系で
は、照明光の照射位置(ライトバルブ手段の画像情報表
示面)において、照明光束の光束断面内各部での光強度
がガウス分布を有するようになる。
【0065】即ち、理想的な光源を凹面鏡の焦点位置に
配した光源手段を用いれば、所定の光束径をもつ平行光
束が得られるが、実際に普通に用いられている光源手段
にこれを要求する事はほぼ不可能であり、理想に近づけ
るには製作コストの高騰を招く問題がある。そのため、
現実的な光源手段では、発光部が有限な大きさを持つ光
源と、これを凹面鏡の焦点位置におおむね位置合わせし
て配したものにより構成されている。
【0066】従って、光源からの光束は、発光部におい
て凹面鏡の焦点位置とは異なる場所からの光があるため
に、完全な平行光束ではなくて、やや発散ないしは収束
した光の成分が混ざりあっている。そのため、全体とし
てやや集束光となる様に凹面鏡の焦点に対する光源の位
置を調整しているのが普通である。
【0067】具体的には、凹面鏡の焦点位置に対して光
軸方向に沿って凹面鏡から遠ざけるように光源の位置を
ずらして配置すると、光源から発せられた照明光束は、
光軸上のある一点にほぼ集光するように反射される。集
光の程度は、凹面鏡の焦点位置と光源の位置との距離を
調整することによって調節することができる。
【0068】この様な照明光束は、被照射位置において
は中央部の照射光量(強度)が高いものとなり、いわゆ
るガウス分布に近い分布をもつ照明光束となる。従っ
て、前記光源手段を本発明の照明光学系に用いる事で、
光量損失を抑えて、強度分布状態が均等化された照明光
束に変換することが出来るものとなる。
【0069】また、このような光源と凹面鏡との組み合
わせからなる照明光学系及び光源手段は従来から広く知
られており、製作コストも低く抑えることが出来るの
で、本発明に係る投射装置に応用する事で、装置全体の
製造コストの低減を図ることが出来る。また、光学設計
も簡単であり、調整等も容易に行なえる利点がある。
【0070】次に、本願請求項3に記載した発明では、
前記光束断面変形素子が、前記画像情報表示面の長手方
向に光束断面を拡大するものである事を特徴としてい
る。本発明に係る光束断面変形素子は、光束断面変形方
向が長手方向に拡大するものの他に画像情報表示面の短
手方向に縮小するものが挙げられるが、基本的にはいず
れであっても本発明を実施できる。
【0071】装置設計上の問題で、照明光学系に使用す
る照明光束の光束断面の直径と、ライトバルブ手段の画
像情報表示面の大きさとによって、長手方向に拡大する
か、短手方向に縮小するかを決定すれば良い。
【0072】例えば、選択した光源手段からの光束断面
が円形状であり、光束断面の直径と、やはり選択した画
像情報表示面の長手方向の長さがほぼ等しい場合は、前
記光束断面変形素子が、短手方向に光束断面を縮小する
ものであれば良い。
【0073】短手方向に縮小する場合であっても、長手
方向に拡大する場合と同様に、画像情報表示面に向かっ
て照射された光束の照射領域のうち、画像情報表示面を
照射しない領域の面積及び光量を少なくして光源からの
光束の利用効率を向上させることができる。
【0074】請求項4に記載した発明で、光束断面変形
素子を画像情報表示面の長手方向に光束断面を拡大する
ものとしたのは、前述した照明光学系の問題に基づくも
のである。
【0075】即ち、画像表示面に合わせて光束断面を拡
大するものであれば、ここに導かれる照明光の光束断面
は小さなものですむので、光源手段自体がコンパクトに
抑えられる。特に、前述した様に凹面鏡等を利用するも
のであれば、凹面鏡自体を小さくできるので、製作コス
トを抑える事が可能となる。
【0076】さらに、素子への光束径を小さく抑える事
で、光源手段からの拡散により損失される部分損失光を
抑えることが出来るものとなる。このため、素子からラ
イトバルブ手段に照射される光量損失を抑えると同時
に、素子に入射する際の光量損失をも同時に抑えること
が出来るものとなる。これにより、光源からの光束の利
用効率をより向上させることができる。
【0077】以上から、本発明では光束径を拡大する作
用を備えた光束断面変形素子を選択するものであり、そ
の拡大方向は画像情報表示面の長手方向に沿うものとす
るものである。これにより、画像情報表示面の四隅部分
等の光束が到達しにくい部分にも光束が到達するように
なり、長手方向に対しての減光を抑えて照明光束を画像
情報表示面全体に均一に照射できるという効果を達成す
る。
【0078】従って、画像情報表示面に照射された照明
光束を画像情報表示面において空間変調して結像手段に
より結像して得られる画像情報もまた、投射光量が増加
したものとなるため、スクリーン上で明るい画像を得る
ことができる。
【0079】また、請求項4に記載した発明では、一般
的な円形断面の照明光束を用いた場合に、矩形のライト
バルブ手段の大きさと、照明光束の光束径(断面形状の
大きさ)との関係を示すものであり、照射光束が最も効
率よくライトバルブ手段に照射されるための条件を満足
する投射装置を提供している。
【0080】概説すれば、照射位置において、光束断面
変形素子により変形された光束断面輪郭に、ライトバル
ブ手段の画像情報表示面が内接するように、光源手段か
らの光束の断面を拡大する構成の光束断面変形素子を備
えた投射装置を提案する。
【0081】この投射装置に設けられた光束断面変形素
子は、光束断面変形素子へ入射する照明光束の光束断面
が円形であり、その光束断面直径をR、光束断面変形素
子による拡大倍率をm、前記画像情報表示面の短手方向
の長さをa、同じく長手方向の長さをbとした時、以下
の条件を満足するものである。 R = √2・a m = b/a
【0082】この条件を満足する事で、光束断面変形素
子により変形された光束断面の輪郭(照射位置もしくは
画像情報表示面における照明光束の照射領域の輪郭)
に、画像情報表示面の外郭(四角部)が内接するように
なるため、画像情報表示面に向かって照射された照明光
束の照射領域のうち、画像情報表示面を照射しない領域
が最小になる。従って、光源から発せられた光束の光量
損失を最も少なくすることができる。
【0083】これを図7を用いて説明する。円形断面の
照明光束が仮に正方形の画像情報表示面を照射する場合
を考えると、この正方形が内接する円形の照射領域とす
る事が損失光量が最小となる。この時の正方形の一辺の
長さを『a』とすると、この時の円形の直径Rは『√2
・a』となる。
【0084】この状態で、正方形の一辺に沿って『b/
a』倍拡大すると、正方形は短辺の長さ『a』長辺の長
さ『b』の長方形(矩形)となる。ここで同時に円形も
同じ方向に拡大すれば、長軸と単軸の比率が『b/a』
の楕円形となり、しかも両者の内接状態は維持される。
【0085】この事から明らかな様に、もともと短辺の
長さ『a』長辺の長さ『b』の長方形(矩形)の画像表
示面に対し、直径Rが『√2・a』の円形照射領域を長
辺方向(長手方向)に『b/a』倍拡大した楕円の照射
領域は、中央を一致させるとその画像表示面をすべてカ
バーすると共に内接するものとなる。
【0086】図7では、光源からの照明光束がガウス分
布に近い分布を有する場合の一例を示しているが、この
図において、画像情報表示面75は照明光束の照射領域
78に内接するように画像情報表示面75の相対位置関
係が定められている。そして、前記同様に斜線部の領域
xは、画像情報表示面75を照射しない領域であり、照
明光束の照射領域78内の円は、光強度分布状態を表す
等高線的な説明線である。
【0087】この図からも明らかな様に、画像情報表示
面75が内接する様に照明光束の照射領域を導く事で、
領域xの面積が最小となるので、照明光束の光量損失も
最小となっている。
【0088】また、ここではガウス分布に近い分布をも
つ照明光束を示しているが、この場合には画像情報表示
面75に照射された光束の光強度が周縁部では比較的弱
くなるため、照射領域78内で外郭側を占める領域xに
照射される光量がより少なくなり、画像情報表示面75
を照射する照明光束の光量が増加するので、光量損失を
さらに抑えて照明光束を画像情報表示面75全体に、ほ
ぼ均一な強度で照射できる。
【0089】これにより、画像情報表示面に照射された
照明光束を画像情報表示面において空間変調して結像手
段により結像して得られる画像情報もまた、光量が増加
したものとなるため、スクリーン上で明るい画像を得る
ことができる。
【0090】勿論、厳密に上記式を満足する光束断面変
形素子としなくとも、ある程度画像情報表示面が、変形
後の光束断面の輪郭に内接するように、照明光束の径を
拡大する光束断面変形素子としても十分な効果が得られ
る。
【0091】なお、ここで言う光束断面の輪郭部は、照
明光束の画像情報表示面上での照射領域の輪郭部と同義
であるが、この照射領域は、実効的な強度を有する照明
光が得られる範囲を示すのもであり、言い換えれば、照
射光によりライトバルブ手段からの空間変調された光が
結像して画像を形成するために必要な強度を有する照明
光が得られる領域(有効照明領域)を対象とするもので
ある。
【0092】また、照明光の光束断面を画像情報表示面
の短手方向に縮小する場合には、以下の条件を満足する
事が好ましい。 R = √2・b m = a/b
【0093】前記とは逆に、この条件を満足して縮小す
る事で、縮小変形後の照明光束による照射領域が、画像
情報表示面の四隅部分と内接する事となり、この照射に
よる光量損失は最小となる。これは、例えば本発明に係
る投射装置を製作する際に、選択した光源手段からの照
明光束の断面径が、やはり選択したライトバルブ手段の
画像情報表示面の大きさより大きい場合に有効である。
【0094】次に、本願請求項5に記載した発明では、
プリズム状光学素子からなる光束断面変形素子を用いて
いるので、プリズムによる屈折作用を利用して、照明光
束の光束断面の径を一方向に変形する。光束断面変形素
子として、最も簡便で、設計等も容易であり、安価で入
手し易いので製作コストが抑えられる利点がある。
【0095】ここで、図8に光束断面変形素子として、
プリズム状素子を用いた場合の一例を示す。勿論、プリ
ズム状素子は、この形状に限定されるものではない。図
8において、プリズム状素子81の入射面81aより入
射したビームA(光源からの光束)は、プリズム状素子
81内で屈折されてプリズム状素子81の射出面81b
より射出される。射出されたビームB(ライトバルブ手
段に向かう照明光束)は、ビームAの径を紙面を含む方
向(紙面と平行な横方向)に拡大したものとなってい
る。
【0096】ここで、光を射出端面から垂直に射出させ
る場合には、ビームAの直径をα、ビームBの長手方向
の直径をβ、プリズム状素子81の頂角をφ、プリズム
状素子81の入射面に対するビームAの入射角をθとす
ると、ビーム拡大率mは、以下の様に表される。 m=β/α 又は m=cosφ/cosθ
【0097】この時、射出面から光を垂直に射出させる
ことにこだわらなければ、ビームAの入射角θを変える
ことでビーム拡大率mを調整することができる。このよ
うに、ビームAの直径αや、プリズム状素子81の頂角
φ、並びにプリズム状素子81の入射面に対するビーム
Aの入射角θを、それぞれを適時選択あるいは調整変化
させることで、画像情報表示面への照射光束となるビー
ムBの光束径(断面形状)の大きさが調整できる事とな
る。
【0098】また、逆にビームBの方からたどって考え
ると、ビーム径を1/mに縮小できることもわかる。従
って、ビームを縮小させるには、図8に示した光路の逆
をたどるように光線を入射させて用いればよい。そし
て、好ましくは前記の変形条件を満足する様に、それぞ
れを適時選択もしくは調整する事で、画像情報表示面の
四隅部がビームBの照射領域に内接するように調整して
照明光束の断面形状を拡大又は縮小すればよい。
【0099】なお、本発明に応用される光束断面変形素
子は、プリズム状素子に限定されるものではなく、例え
ばシンドリカルレンズのような光透過性部材や、円筒状
反射面を持つ反射鏡(シリンドリカル鏡)等のような光
反射性部材等を用いても十分な効果を得ることができ
る。そして、本発明の場合には、これらの方式に比べて
レンズ間隔や光軸ズレについてラフでよいという利点が
ある。
【0100】ところで、前記プリズム状素子に限らず、
本発明に使用する光束断面変形素子は、照明光学系の照
明光束に応じた色消し条件を満足するものであることが
好ましい。照明光束に光学的変化を与える事により、ラ
イトバルブ手段上で色ムラが発生する場合があるためで
あり、これらを防止して良好な照明光を得る効果があ
る。
【0101】この色消し条件を満足するものとして、例
えば分散率の異なる二つのプリズムを組み合わせて張り
合せた色消しプリズムや、同じく二つのレンズを組み合
わせた色消しレンズ(凹凸シンドリカルレンズの組み合
わせ等)等が知られているが、これらに限らずその他の
色消し条件を満足するものでも良い。なお、シンドリカ
ル鏡の組み合わせならば色収差の心配は全くない。
【0102】このような構成とすると、プリズム状素子
等により発生した色収差を抑えた色ムラのない照明光に
より鮮明な投射画像を得ることができる。
【0103】
【実施例】以下実施例を通じ本発明を更に詳しく説明す
る。図1に本発明の第一実施例に係る投射装置の概略構
成を示す。第一実施例では、照明光学系が、光源101
と回転楕円体面の反射部をもつ反射鏡102及びコンデ
ンサレンズ103とを備えており、更に、照明光学系の
光路上に光束断面変形素子であるプリズム104が設け
られている。
【0104】この第一実施例では、光源101は、メタ
ルハライドランプを用いており、この発光部は数ミリの
長さをもつ光源である。勿論、キセノンランプ等の他の
白色光源を用いても良い。
【0105】この光源101の発光部を反射鏡102の
焦点位置に配置して組み合わせると、光源101の発光
部の中で反射鏡の焦点位置から発せられた光は、反射鏡
102に向かって進行し、ここで反射されて集束光とな
る。
【0106】そして、反射鏡102の光軸上の一点に集
光した後、再び発散しながら進行し、コンデンサレンズ
103に入射する。コンデンサレンズ103は、前記集
光位置にその焦点位置が位置合わせされており、上記の
反射鏡102で反射されて入射した光束を平行光に変換
して射出する。
【0107】コンデンサレンズ103より射出された照
明光束は、光束断面変形素子であるプリズム104に入
射する。しかし、実際には光源101の発光部が有限の
大きさをもつため、反射鏡102の焦点位置より微小に
ずれた位置に配置される。これにより、光源101より
発せられた照明光束は、ガウス分布に近い分布状態の強
度分布を持つて、画像情報表示面上に照射される。
【0108】コンデンサレンズ103より射出された照
明光束は、その光路上に配設されたプリズム104によ
り、光路が折り曲げられると共に、屈曲方向に対して光
束径が拡大される。そして、プリズム104から射出さ
れた照明光束は、射出面から垂直に射出され、その断面
形状は、その照射領域において、ライトバルブ105の
画像情報表示面の四角部が内接するように調整されてい
る。
【0109】ここで、このプリズム104の拡大倍率m
1 は、投射する画像情報表示面のアスペクト比(縦横
比、紙面と平行に横方向)に応じて決定されている。第
一実施例では、ライトバルブ105の画像情報表示面の
アスペクト比は、横:縦=4:3のものを使用している
ため、拡大倍率m1 は、m1 =4/3≒1.33となる
ように設定する事が好ましい。
【0110】また、この拡大倍率m1 は、プリズム10
4の頂角φ1 と、プリズム104の入射面に対する照明
光束の入射角θ1 とにより決定されるものであるので、
両者の関係式により拡大倍率m1 を表すと、m1 =co
sφ1 /cosθ1 と表される。
【0111】この拡大倍率m1 は、前述したようにm1
=4/3≒1.33とすることが、最も好ましいので、
1 ≒1.33=cosφ1 /cosθ1 を満たすよう
に、プリズム104の頂角φ1 と、プリズム104の入
射面に対するビームの入射角θ1 とを決定している。さ
らに、コンデンサレンズ103から射出した照明光束の
断面形状は円形であり、その直径R1 は、画像情報表示
面の縦方向長さ(単手方向、紙面に垂直な方向)の√2
倍となる様に調整されている。
【0112】尚、本発明に係る投射装置に用いる画像情
報表示面のアスペクト比は、これに限定されるわけでは
なく、例えば『横:縦=16:9』等の様に自由に設定
できるものである。従って、設定したアスペクト比に応
じて、使用するプリズムの頂角φ、プリズムの入射面に
対する照明光束の入射角θ、ここに入射する照明光束の
断面径等を決定することは言うまでもないものである。
【0113】第一実施例において、このプリズム104
は、画像情報表示面の長手方向つまり横方向に照明光束
を拡大するものとしているが、勿論、画像情報表示面の
短手方向つまり縦方向に照明光束を縮小するものとして
も構わない。第一実施例の構成で、画像情報表示面の短
手方向つまり縦方向に照明光束を縮小するには、拡大倍
率m1 を、m1 =3/4=0.75とし、ここに入射す
る光束断面径を画像情報表示面の長手方向長さの√2倍
とすればよい。
【0114】また、ライトバルブ105の画像表示面
は、光源から一定強度で放射された光束を入力信号に応
じて部分的に変化させ、ここで反射する光束の一部を空
間変調させるものである。このライトバルブ105とし
て本実施例では、反射型のものを配置しているが、反射
型に限らず透過型のものであっても構わない。
【0115】また、ライトバルブには、例えば、油膜や
金属膜の表面を電子的手段で変形させる構成のものや、
液晶などの電気光学結晶よりなる前記画像情報表示面を
備えたもの等が挙げられるが、この構成に限定されるも
のではない。
【0116】そして、ライトバルブ105により反射さ
れた光束は、画像情報表示面上の画像情報に則して空間
変調されており、結像レンズ106により投射されて像
を形成する。結像レンズ106による像形成位置には、
スクリーン107が設けられており、ライトバルブ10
5により画像情報に則して空間変調された照明光束は、
結像レンズ106により結像された画像としてスクリー
ン107上に投影されることになる。
【0117】このように、本実施例では、照明光束によ
る照射領域を変形して照射する事で、画像情報表示面上
を照射しない領域の面積を最小にして、光源から発せら
れた光束の光量損失を最小のものとしている。さらに、
光束断面内での光量分布状態をも変形しているので、画
像情報表示面上での照射位置によらず、ほぼ均等化され
た強度の照明光束が照射されるものとなる。そして、こ
のような簡単な構成で、スクリーン上に投影した画像の
光量が増加すると共に、画像上における強度差(又は強
度ムラ)が少ない良好な画像が得られる。
【0118】この図1におけるプリズム104では、紙
面と平行な方向に照明光束の断面形状を拡大している
が、この投射装置ではライトバルブ105の画像情報表
示面に対して斜めに照明光束を照射しているので、照明
光束の光軸に直交する断面形状と照射領域の形状とは異
なるものとなる。このため、この斜入射による照射領域
の形状変形(光束断面に対する)をも考慮して、光束断
面の変形量を調整している。
【0119】次に、図2に本発明の第二実施例に係る投
射装置の概略構成を示す。この実施例では、照明光学系
が、光源201と回転放物面からなる放物面鏡202及
びコンデンサレンズ203等から構成され、照明光学系
の光路上に光束断面変形素子であるプリズム204が設
けられている。
【0120】この光源201の発光部は、放物面鏡20
2の焦点位置に配設されており、光源201から発せら
れた光のうち、放物面鏡202に向かって進行する光の
すべてが放物面鏡202に反射され、一方向に向かって
平行に進行する。第二実施例では、光源からの直接光並
びにこの反射光を照明光束として利用している。この第
二実施例では、光源201として、キセノンランプを用
いているが、メタルハライド等の白色光源であれば、本
実施例に応用できる。
【0121】また、光源201の発光部は、前記実施例
と同様に有限の大きさをもつため、放物面鏡202の焦
点位置より微小にずれた位置に配置されている。従っ
て、光源201より発せられて放物面鏡202に入射す
る照明光束は、放物面鏡202により反射された時に、
やや集束光となる様に反射される。このため、ライトバ
ルブ上での照明光束の光束断面内各部での光強度がガウ
ス分布に近い分布を有するものとなる。
【0122】そして、この照明光束は、放物面鏡202
により略平行化された光束となって進行し、光束断面変
形素子であるプリズム204に入射する。このプリズム
204は、光源方向から入射した光束の断面形状(照射
領域)を、ライトバルブ205の画像情報表示面が内接
するように、図2における紙面方向(紙面と平行な方
向、画像情報表示面の長手方向又は横方向)に一方向に
のみ拡大している。これにより、画像情報表示面上を照
射しない領域の面積を最小にして、光源から発せられた
光束の光量損失を最小のものとしている。
【0123】プリズム204の拡大倍率m2 は、投射す
る画像情報表示面のアスペクト比に応じて決定されてい
る。本第二実施例では、画像情報表示面のアスペクト比
は、横:縦=16:9であり、従って、拡大倍率m2
は、m2 =16/9≒1.78とする事が好ましい。ま
た、この拡大倍率m2 は、出射面から垂直に射出される
場合、プリズム204の頂角φ2 と、プリズム204の
入射面に対する照明光束の入射角θ2 とにより決定され
るものであるので、両者の関係式により拡大倍率m2
表すと、m2 =cosφ2 /cosθ2 となる。
【0124】このため、プリズム204の拡大倍率m2
を、前述したようにm2 =16/9≒1.78となるよ
うに(m2 ≒1.78=cosφ2 /cosθ2 を満た
すような条件で)、プリズム204の頂角φ2 と、プリ
ズム204の入射面に対する照明光束の入射角θ2 とを
決定している。
【0125】言い換えると、第二実施例におけるプリズ
ム204は、光源側から入射した光束の断面形状を、画
像情報表示面の横方向(紙面と平行な方向)にのみ1.
78倍に拡大するものであり、プリズム204の頂角φ
2 と、プリズム204の入射面に対する照明光束の入射
角θ2 とは、この拡大倍率1.78により決定されてい
る。
【0126】なお、プリズムに入射する照明光束の断面
径R2 は、画像情報表示面の縦方向長さ(単手方向長
さ、紙面における垂直方向の長さ)の√2倍となる様
に、光源手段の反射鏡201の大きさや反射方向等が構
築されている。本第二実施例において、このプリズム2
04は、画像情報表示面の長手方向つまり横方向に照明
光束を拡大するものとしているが、勿論、画像情報表示
面の短手方向つまり縦方向に照明光束を縮小するものと
しても構わない。
【0127】第二実施例と同様な構成の縮小変形型の場
合では、画像情報表示面の短手方向つまり縦方向に照明
光束を縮小するには、拡大倍率(縮小比率)m2 を、m
2 =9/16=0.56とするとよい。また、この場合
のプリズムに入射する照明光束の断面径R2 は、画像情
報表示面の横方向長さ(長手方向長さ)の√2倍とする
ことが望ましい。これにより縮小変形型で、光量損失が
最も少ない照明光学系となる。
【0128】尚、本発明の投射装置に用いる画像情報表
示面のアスペクト比は、上記に限定されるわけではな
く、自由に設定できるものである。そして、設定したア
スペクト比に応じて、用いるプリズムの頂角φと、プリ
ズムの入射面に対する照明光束の入射角θとを決定する
ことは言うまでもないものである。
【0129】また、ライトバルブ205の画像情報表示
面は、照射光束を透過させる際に、入力信号応じて部分
的に空間変調を行なうもの(いわゆる透過型のライトバ
ルブ)であり、これらの空間変調された光束を結像させ
る事により画像を得ることが出来る。
【0130】このライトバルブ205を透過する際に、
画像情報表示面に表示された画像情報に則して空間変調
された照明光束は、結像レンズ206に入射し、スクリ
ーン207上に投射されて、投影画像を形成する。な
お、第二実施例では、透過型のライトバルブを用いてい
るが、本実施例に係る照明光学系等を反射型のライトバ
ルブに組み合わせて使用する事も可能である。
【0131】本実施例に用いられる透過型ライトバルブ
として具体的には、例えば、単純マトリクス型液晶や、
アクティブマトリクス型液晶とが挙げられる。前者の単
純マトリクス型液晶は構成が簡単であるので、本発明の
照明光学系を簡単な構成のものとして構築できるという
利点があり、後者のアクティブマトリクス型液晶は、前
者のものと比べて応答速度が速くてコントラストが高い
ため、より性能のよい照明光学系が得られるという利点
がある。勿論、本発明は、この構成の透過型ライトバル
ブに限定されるものではなく、使用目的に応じたものを
適宜選択して用いることができる。
【0132】このように第二実施例に係る投射装置で
は、反射鏡として放物面鏡を用いることにより、照明か
らの光束を反射した際に略平行化することができるた
め、照明光学系の構成部材を少なくして、より簡単な構
成で投射装置を構築できる利点がある。また、この様に
簡略な構成でも、光源から発せられた光束の光量損失を
最小に抑えてライトバルブに照明光束を導くことが出来
る。
【0133】さらに、スクリーン上に投影された画像の
光量が従来より増加するので、明るい画像が得られる利
点がある。逆に、従来と同程度の画像を得るために、従
来装置より光量の少ない光源を用いることができるの
で、装置の小型化や製造コストの削減が可能となる。
【0134】次に、図3に本発明の第三実施例に係る投
射装置の概略構成を示す。図3に示す第三の実施例で
は、照明光学系が、光源301と半球面からなる球面鏡
302及びコンデンサレンズ303等から構成されてお
り、光束断面変形素子であるプリズム304が照明光学
系の光路上に設けられている。
【0135】この光源301の発光部を球面鏡302の
焦点(中心)位置に配置して組み合わせると、光源30
1から発せられた光のうち、球面鏡302に向かって進
行する光のすべてが球面鏡302により正反射されて再
び発光部に戻ってくるため、光源301から球面鏡30
2以外の方向に発散する光束となる。
【0136】そこで、前記光源301の発光部(球面鏡
302の中心位置)に焦点位置を位置合わせしたコンデ
ンサレンズ303を球面鏡302の反対側に配設すれ
ば、このコンデンサレンズ303により、光源301か
ら発せられた光のほぼ全てが定められた一方向に向かっ
て略平行化されて進行することになる。本第三実施例で
は、ここで平行光に変換された光束を照明光束として利
用している。
【0137】ところで、光源301の発光部は有限の大
きさをもつものであるため、実際には球面鏡302と光
源301は、コンデンサレンズ303の焦点位置に対し
てコンデンサレンズ303から遠ざかるようにややずら
して配置している。そのため、コンデンサレンズ303
から射出された照明光束の光軸付近での影の発生を防止
すると共に、いわゆるガウス分布に近い分布をもつ照明
光束となる。
【0138】なお、第三実施例では、光源301とし
て、メタルハライドランプを用いているが、キセノンラ
ンプ等の白色光源であれば特に限定しない。また、コン
デンサレンズ303は、入射した照明光束を略平行化し
て射出するものであり、この働きをするものであれば特
に限定されるものではない。
【0139】次に、上記の照明光束の光路上にはプリズ
ム304が設けられており、光源方向から入射した光束
の断面形状を、紙面と平行な方向にのみ拡大変形する。
具体的には、照明光束の照射領域が、ライトバルブ30
5の画像情報表示面が内接するように、画像情報表示面
の長手方向(図3における紙面方向)に光束断面径を拡
大している。これにより、画像情報表示面上を照射しな
い領域の面積を最小にして、光源から発せられた光束の
光量損失を最小のものとしている。
【0140】ここで、プリズム304に入射する前の照
明光束の断面径は、画像情報表示面の単手方向長さの√
2倍となる様に、反射鏡302やコンデンサレンズ30
3の大きさ等が調整されている。また、このプリズム3
04の拡大倍率m3 は、投射する画像情報表示面のアス
ペクト比に応じて決定されるが、第三実施例で使用する
ライトバルブ305の画像情報表示面のアスペクト比
は、横:縦=16:9であり、拡大倍率m3 =16/9
≒1.78となることが好ましい。
【0141】また、この拡大倍率m3 は、出射面から垂
直に射出される場合、プリズム304の頂角φ3 と、プ
リズム304の入射面に対する照明光束の入射角θ3
により決定されるものであるので、両者の関係式により
拡大倍率m3 を表すと、m3=cosφ3 /cosθ3
となる。
【0142】この拡大倍率m3 は前述したようにm3
16/9≒1.78とすることが、最も好ましいので、
3 ≒1.78=cosφ3 /cosθ3 を満たすよう
にプリズム304の頂角φ3 と、プリズム304の入射
面に対する照明光束の入射角θ3 とを決定している。
【0143】即ち、第三実施例におけるプリズム304
は、光源側から入射した光束の断面形状を画像情報表示
面の横(長手)方向に対して1.78倍に拡大するもの
であり、更に、プリズム304の頂角φ3 と、プリズム
304の入射面に対する照明光束の入射角θ3 とは、こ
の拡大倍率1.78により決定されている。
【0144】本第三実施例において、このプリズム30
4は、画像情報表示面の長手方向つまり横方向に照明光
束を拡大するものとしているが、勿論、画像情報表示面
の短手方向つまり縦方向に照明光束を縮小するものとし
ても構わない。第三実施例と同様な構成の場合では、プ
リズムに入射する照明光束の光束径を画像情報表示面の
長手(横)方向の長さの√2倍とし、画像情報表示面の
短手(縦)方向に対して、拡大倍率(縮小割合)m3
9/16=0.56とするとよい。
【0145】尚、本発明の投射装置に用いる画像情報表
示面のアスペクト比も、上記実施例同様に自由に設定で
きるものであり、設定したアスペクト比に応じて、用い
るプリズムの頂角φと、プリズムの入射面に対する照明
光束の入射角θや照明光束径等を決定すれば良い。
【0146】また、第三実施例におけるライトバルブ3
05は、いわゆる反射型のものを使用しているが、これ
に限らず透過型のものであっても構わない。さらに、反
射型のライトバルブには、例えば、油膜や金属膜の表面
を電子的手段で変形させる構成のものや、液晶などの電
気光学結晶よりなる前記画像情報表示面を備えたもの等
が挙げられるが、本発明は、この構成に限定されるもの
ではない。
【0147】次に、第三実施例において、ライトバルブ
305により反射された光束は、画像情報表示面上の画
像情報に則して空間変調されており、そのままの状態で
結像レンズ306に入射し、この結像レンズ306によ
りスクリーン307上に投射されて投影画像を形成す
る。このように本第三実施例においても、簡単な構成
で、光源から発せられた光束の光量損失を最小に抑えて
スクリーン上に投影することが可能である。
【0148】また、以上に述べた三つの実施例では、光
束断面変形素子の一例としてプリズムを挙げており、こ
のような構成であると、簡単に入射した光束の断面を一
方向に変形できるが、光源の種類によってはプリズムの
持つ色分散性により色収差を生じることがある。
【0149】このため、光束断面素子として用いるプリ
ズムを色消しプリズムを使用することにより色収差の補
正を行った一例を、第四の実施例として図4に示す。こ
の第四実施例では、照明光束410が第1プリズム41
4に入射した時に生じる色収差を、第1プリズム414
の後に配置した第2プリズム424に入射させることに
より補正する構成としている。
【0150】この実施例においては、第1プリズム41
4の拡大率をm1 、屈曲率をn1 、屈曲率分散をδn
1 、第2プリズム424の拡大率をm2 、屈曲率をn
2 、屈曲率分散をδn2 としたとき、これらが以下に示
す(1)式を満たす場合、色消し要件を満足する(第一
プリズムにより分散されて発生した色収差を抑える)こ
とができる。 (δn1 /δn22 = m1 2 {(n1 2 −1)(m2 2 −1)}/{(n2 2 −1)(m1 2 −1)} ・・・・(1)式
【0151】即ち、図4において、光源(図示せず)か
ら発せられた照明光束410は、略平行化されて第1プ
リズム414に入射する。第1プリズム414では、入
射した光束の断面形状をライトバルブ(図示せず)の長
手方向に変形させるが、その時、照明光束が持つ波長ご
とに分散されて色収差が生じた状態で射出され、第2プ
リズム424に入射する。
【0152】第1プリズム414と第2プリズム424
は、前述した(1)式の条件を満たすものとしているた
め、第2プリズム424に入射した照明光束410は、
第1プリズム414により発生した色収差を補正して照
明光束を射出させている。
【0153】また、全く同じ拡大率と、屈曲率と、屈曲
分散とを持つ二つのプリズムを用いれば、色収差は、完
全なφにはならないものの、非常に小さく抑えることが
できるため、より簡単に本実施例の色消しプリズムを構
成させることができる。そして、同じプリズムを二つ逆
向きに配置しているので、図4に示す様に、照明光束の
断面径を拡大変形した後、入射方向と平行に照明光束を
射出するものとなっている。
【0154】このように、二つのプリズムを用い、それ
ぞれのプリズムの拡大率と、屈曲率と、屈曲分散とを前
述した(1)式を満たすように設定すれば、簡単に色収
差を補正することができると同時に、画像情報表示面上
を照射しない領域の面積を最小にして、光源から発せら
れた光束の光量損失を最小のものとすることが可能であ
る。
【0155】図5は、照明光束が光束断面素子を透過し
た照明光束に色収差が発生しないように、屈曲率分散の
異なる三つのプリズムを貼り合わせて光束断面変形素子
を構成した場合の一例である。図5において、光源手段
(図示せず)から発せられて略平行化された照明光束5
10が、紙面に向かって左側から光束断面素子である複
合プリズム514に入射している。
【0156】この複合プリズム514は、屈曲率分散の
異なる三つのプリズムエレメントをバルサムなどで貼着
させてなるものであり、照明光束510が、複合プリズ
ム514を通過する際に、それぞれのプリズムエレメン
トにおいて生じさせられる色収差が互いに打ち消しあっ
て、色収差のない光束が複合プリズム514に射出され
る構成としている。
【0157】図5は、屈曲率分散の異なる三つのプリズ
ムを貼り合わせた場合の一例であるが、本発明はこれに
限定されるものではなく、例えば、全く同じ拡大率と、
屈曲率と、屈曲分散とを持つ二つのプリズムを貼り合わ
せたものであってもよい。
【0158】このように、それぞれ色消し条件を満足さ
せるプリズムを複数貼着させて一つの素子を構成させる
ことにより、低コストで簡単に色収差を補正することが
できると同時に、画像情報表示面上を照射しない領域の
面積を最小にして、光源から発せられた光束の光量損失
を最小のものとすることが可能である。
【0159】また、照明光束をそれぞれ色消し条件が合
致する複数のプリズムに通過させる構成であれば、貼着
せずに順番に配置したものであっても十分に本発明を満
たすものであり、特にこの実施例の方式に限定されるも
のではない。
【0160】更に、図11に、光束断面変形素子として
シリンドリカルレンズを用いた場合の本発明の第六実施
例に係る投射装置の概略構成を示す。この実施例では、
照明光学系が、光源601と回転放物面からなる放物面
鏡602から構成され、照明光学系の光路上に光束断面
変形素子であるシリンドリカル凹レンズ604a、シリ
ンドリカル凸レンズ604bが設けられている。この二
つのシリンドリカルレンズ604a、604bの焦点距
離やレンズ配置間隔は必要に応じて任意に決定されてい
る。
【0161】この光源601の発光部は、放物面鏡60
2の焦点位置に配設されており、光源601から発せら
れた光のうち、放物面鏡602に向かって進行する光の
すべてが放物面鏡602に反射され、一方向に向かって
平行に進行する。第六実施例では、光源からの直接光並
びにこの反射光を照明光束として利用している。この第
六実施例では、光源601として、キセノンランプを用
いているが、メタルハライド等の白色光源であれば、本
実施例に応用できる。
【0162】また、光源601の発光部は、前述した実
施例と同様に有限の大きさをもつため、放物面鏡602
の焦点位置より微小にずれた位置に配置されている。従
って、光源601より発せられて放物面鏡602に入射
する照明光束は、放物面鏡602により反射された時
に、やや集束光となる様に反射される。このため、ライ
トバルブ上での照明光束の光束断面内各部での光強度が
ガウス分布に近い分布を有するものとなる。
【0163】そして、この照明光束は、放物面鏡602
により略平行化された光束となって進行し、光束断面変
形素子を構成するシリンドリカル凹レンズ604aに入
射する。このシリンドリカル凹レンズ604aは、光源
方向から入射した光束の断面形状(照射領域)を、ライ
トバルブ605の画像情報表示面が内接するように、図
11における紙面方向(紙面と平行な方向、画像情報表
示面の長手方向又は横方向)に一方向にのみ拡大してい
る。
【0164】シリンドリカル凹レンズ604aより射出
された光束は、任意の一方向に光束の断面形状が拡大す
るように発散しながらシリンドリカル凸レンズ604b
に入射する。このシリンドリカル凸レンズ604bは、
拡大方向に発散する光束を平行化するため、シリンドリ
カル凸レンズ604bに入射した発散光束は、平行化さ
れてライトバルブ605に向かって射出される。
【0165】ライトバルブ605に入射した光束は、ラ
イトバルブ605を透過する際に、画像情報に則して空
間変調されている。空間変調された光束は、結像レンズ
606に入射して、この結像レンズ606によりスクリ
ーン607上に投射されて、投影画像を形成する。な
お、第六実施例では、透過型のライトバルブを用いてい
るが、本実施例に係る照明光学系等を反射型のライトバ
ルブに組み合わせて使用する事も可能である。
【0166】このように、シリンドリカル凹レンズとシ
リンドリカル凸レンズとを組み合わせることによっても
照明光束による照射領域を変形することができるため、
画像情報表示面上を照射しない領域の面積を最小にし
て、光源から発せられた光束の光量損失を最小のものと
している。
【0167】さらに、光束断面内での光量分布状態をも
変形しているので、画像情報表示面上での照射位置によ
らず、ほぼ均等化された強度の照明光束が照射されるも
のとなる。そして、このような簡単な構成で、スクリー
ン上に投影した画像の光量が増加すると共に、画像上に
おける強度差(又は強度ムラ)が少ない良好な画像が得
られる。
【0168】また、本発明の第六実施例では、シリンド
リカル凹レンズとシリンドリカル凸レンズとを光路上に
配置する構成としているがこれに限定せず、可能であれ
ばこの二つのシリンドリカルレンズを貼り合わせて一つ
の光束断面変形素子として用いてもよい。
【0169】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ラ
イトバルブの画像情報表示面の形状に合わせて光束断面
を縦方向又は横方向等の任意の一方向に簡単に変形する
ことが可能である。これにより、画像情報表示面を照射
しない照明光束の領域の面積を小さく抑えることが出来
るので、光源から発せられた照明光束の光量損失を少な
くすることができる。
【0170】このため、光源から発せられた光を高い効
率で利用できる投射装置を得ることができる。また、従
来例に比較して、損失光量が減少した分だけ照射光量が
増加するので、ライトバルブへの照明光の強度が増加
し、投射される画像の明るさも増加する。さらに、ライ
トバルブへの照射強度の増加により、投射される画像の
輝度も高くなる。これらにより、画像の投射特性が向上
した投射装置が構築できる事となる
【0171】更に、いわゆるガウス分布に近い分布(又
はガウス分布)を有する照明手段を用いても、ライトバ
ルブの画像情報表示面内の光軸中心より離れるにしたが
って発生する減光量(照射強度差)を、従来に比較して
格段に小さく抑えることができる。これにより、ライト
バルブの全面に均一な強度で照明光束を照射することが
出来る。
【0172】また、この様な均一な強度の照明光束によ
りが像情報表示面が照射されるので、ここから投影され
る投影像の強度ムラが生じにくく、特に画像周縁部と中
央部との明度差が少なくなるので、良好な画像が得られ
る事となる。また、この様な均一な強度の照明光束が得
られる事から、投影画像における輝度ムラも生じにくい
ものとなっている。
【0173】請求項2に記載した発明では、従来装置と
同様な照明光学系を応用しているため、光学系の設計や
調整が容易であり製造コストが抑えられる利点がある。
また、従来装置を簡単に改造して本発明に係る投射装置
を構築できる利点もある。
【0174】一方、この様な照明光学系と組み合わせる
事により、構造が簡単で組み立て精度がラフであって
も、光束断面変形素子により、照明光束の光束断面内に
生ずる強度分布を補正して、照射領域の全面にわたり強
度の均一性を保つ照明光学系を備えた投射装置を得るこ
とができる。
【0175】請求項3に記載した発明では、ライトバル
ブの長手方向に光束断面を拡大変形しているので、損失
光量を一層減少させることが出来ると共に、長手方向の
終端部等における減光(中央部との強度差)を抑えて、
均一に画像情報表示面を照射し得る照明光学系を備えた
投射装置を得ることができる。
【0176】請求項4に記載した発明では、光束断面変
形素子による変形条件を定めてるので、この条件に従う
照明系を構築する事で、ライトバルブを照明する際の損
失光量を最小に抑えることが出来るものとなる。
【0177】請求項5に記載した発明では、光束断面変
形素子としてプリズム状光学素子を用いているので、低
コストで簡便な構成で本発明に係る投射装置を構築でき
る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係る投射装置の概略構成
を示す説明図である。
【図2】本発明の第二実施例に係る投射装置の概略構成
を示す説明図である。
【図3】本発明の第三実施例に係る投射装置の概略構成
を示す説明図である。
【図4】本発明の投射装置に用いる光束断面変形素子の
色消し条件を満足させる構成図である。
【図5】本発明の投射装置に用いる光束断面変形素子の
色消し条件を満足させる貼り合わせ例の構成図である。
【図6】ガウス分布を有する照明光束を画像情報表示面
の長手方向に変形して矩形状の画像情報表示面に照射し
た場合の光強度を示す線図である。
【図7】本発明の光束断面変形素子により光束断面形状
を長手方向に変形された照明光束を矩形状の画像情報表
示面が内接するように照明した場合の模式図である。
【図8】本発明における光束断面変形素子の条件を決定
する要素の説明図である。
【図9】円形状の光束断面を持つ照明光束を矩形状の画
像情報表示面に照明した場合の模式図である。
【図10】ガウス分布を有する照明光束を矩形状の画像
情報表示面に照射した場合の光強度を示す線図である。
【図11】本発明の第六実施例に係る投射装置の概略構
成を示す説明図である。
【符号の説明】
101、201、301、601 光源 102 楕円面反射鏡 202、602 放物面鏡 302 球面鏡 103、203、303 コンデンサレンズ 104、204、304 プリズム 604a シリンドリカル凹
レンズ 604b シリンドリカル凸
レンズ 105、205、305、605 ライトバルブ 106、206、306、606 結像レンズ 107、207、307、607 スクリーン 410、510 照明光束 414 第1プリズム 424 第2プリズム 514 複合プリズム 75、95 画像情報表示面 78、98 照明光束の照射領
域 x、y 画像情報表示面を
照射しない領域 t1、t2 画像情報表示面と
鏡軸との交点 81 プリズム状素子 81α プリズム状素子の
入射面 81β プリズム状素子の
射出面 A プリズム状素子に
入射する光束 α プリズム状素子に
入射する光束の直径 B プリズム状素子に
より射出された光束 β プリズム状素子により射出された光
束の長手方向の直径 φ プリズム状素子の
頂角 θ プリズム状素子の入射面に対す
る入射光束の入射角

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次元画像表示のために照射された光束
    を空間変調させるライトバルブ手段と、 光源手段からの照明光束を前記ライトバルブ手段の画像
    情報表示面に照射する照明光学系と、 前記ライトバルブ手段の前記画像情報表示面で空間変調
    された照明光束を被投影面上に結像させる結像手段と、
    を備え、 前記照明光束の光束断面を予め定めた一方向に変形する
    光束断面変形素子が、前記照明光学系の光路中に設けら
    れていることを特徴とする投射装置。
  2. 【請求項2】 前記照明光学系が、発光部が有限な大き
    さを持った光源と、ここからの光束を反射させて前記ラ
    イトバルブ手段方向に導く凹面鏡との組み合わせからな
    る光源手段を備えていることを特徴とする請求項1に記
    載の投射装置。
  3. 【請求項3】 前記光束断面変形素子が、前記ライトバ
    ルブ手段における画像情報表示面の長手方向に光束断面
    を拡大するものであることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の投射装置。
  4. 【請求項4】 前記光束断面変形素子が、前記光束断面
    変形素子へ入射する照明光束の光束断面が円形である場
    合に、この照明光束の光束断面直径をR、前記光束断面
    変形素子による拡大倍率をm、前記画像情報表示面の短
    手方向の長さをa、同じく長手方向の長さをbとした
    時、以下の条件を満足するものであることを特徴とする
    請求項3に記載の投射装置。 R = √2・a m = b/a
  5. 【請求項5】 前記光束断面変形素子が、プリズム状光
    学素子からなることを特徴とする請求項1、2、3又は
    4に記載の投射装置。
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