JPH07269968A - ヴィルミエヒートポンプ - Google Patents

ヴィルミエヒートポンプ

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JPH07269968A
JPH07269968A JP5748994A JP5748994A JPH07269968A JP H07269968 A JPH07269968 A JP H07269968A JP 5748994 A JP5748994 A JP 5748994A JP 5748994 A JP5748994 A JP 5748994A JP H07269968 A JPH07269968 A JP H07269968A
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high temperature
temperature displacer
space
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JP5748994A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Kawajiri
和彦 川尻
Tetsuya Honda
哲也 本田
Takuya Suganami
拓也 菅波
Eiji Nozawa
栄治 野沢
Seiji Yoshida
整司 吉田
Mitsuo Fukuda
光男 福田
Kouichi Hazumi
公一 筈見
Keiichiro Utsunomiya
敬一郎 宇都宮
Akihiro Fujishiro
明弘 藤城
Michio Fujiwara
通雄 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02GHOT GAS OR COMBUSTION-PRODUCT POSITIVE-DISPLACEMENT ENGINE PLANTS; USE OF WASTE HEAT OF COMBUSTION ENGINES; NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F02G1/00Hot gas positive-displacement engine plants
    • F02G1/04Hot gas positive-displacement engine plants of closed-cycle type
    • F02G1/043Hot gas positive-displacement engine plants of closed-cycle type the engine being operated by expansion and contraction of a mass of working gas which is heated and cooled in one of a plurality of constantly communicating expansible chambers, e.g. Stirling cycle type engines
    • F02G1/044Hot gas positive-displacement engine plants of closed-cycle type the engine being operated by expansion and contraction of a mass of working gas which is heated and cooled in one of a plurality of constantly communicating expansible chambers, e.g. Stirling cycle type engines having at least two working members, e.g. pistons, delivering power output
    • F02G1/0445Engine plants with combined cycles, e.g. Vuilleumier
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B9/00Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point
    • F25B9/14Compression machines, plants or systems, in which the refrigerant is air or other gas of low boiling point characterised by the cycle used, e.g. Stirling cycle
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02GHOT GAS OR COMBUSTION-PRODUCT POSITIVE-DISPLACEMENT ENGINE PLANTS; USE OF WASTE HEAT OF COMBUSTION ENGINES; NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F02G2250/00Special cycles or special engines
    • F02G2250/18Vuilleumier cycles
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスばね空間における損失仕事を低減して効
率向上を図り、また起動を容易にする。 【構成】 高温側シリンダ1aと低温側シリンダ1bと
が同一直線上に配置されたヴィルミエヒートポンプにお
いて、高温ディスプレーサ2と低温ディスプレーサ3と
を機械式の連結ばね29により連結し、高温ディスプレ
ーサ2と低温ディスプレーサ3をシリンダ1に機械ばね
27、28を介して連結し、高温ディスプレーサ2と低
温ディスプレーサ3の両方またはどちらか一方を駆動す
るリニアモータ88を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、冷凍あるいは冷暖房
の空気調和などに用いられるヴィルミエヒートポンプに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図28は例えば特開昭62−22357
7号公報に示された従来のヴィルミエヒートポンプの構
成を示す断面図である。図において、1は高温側シリン
ダ1aと低温側シリンダ1bから成るシリンダ、2は高
温側シリンダ1aの内部において往復動する高温ディス
プレーサ、3は低温側シリンダ1bの内部において往復
動する低温ディスプレーサ、4は高温側シリンダ1aと
高温ディスプレーサ2の上面で形成される高温空間、5
は高温空間4の反対側に高温側シリンダ1aと高温ディ
スプレーサ2の下面で形成される高温側中温空間、6は
低温側シリンダ1bと低温ディスプレーサ3の下面で形
成される低温空間、7は低温空間6の反対側に低温側シ
リンダ1bと低温ディスプレーサ3の上面で形成される
低温側中温空間、8は高温空間4に連結されバーナ8a
で加熱されるヒータ、9はヒータ8に連結された高温側
再生器、10は高温側再生器9と高温側中温空間5を連
通する高温側中温部熱交換器、11は高温側中温空間5
と低温側中温空間7を連通する連結管、12は低温空間
6に連結された低温部熱交換器、13は低温部熱交換器
12に連結された低温側再生器、14は低温側中温空間
7と低温側再生器13を連結する低温側中温部熱交換器
であり、ヒータ8、高温側再生器9、高温側中温部熱交
換器10、低温部熱交換器12、低温側再生器13、低
温側中温部熱交換器14、高温空間4、高温側中温空間
5、低温空間6、低温側中温空間7と連結管11は作動
空間を構成し、この作動空間内には作動ガス(例えば、
ヘリウムガス)が封入されている。
【0003】15は高温ディスプレーサ2の下面を貫通
しシリンダ1に固定され高温ディスプレーサ2を案内す
る高温ディスプレーサロッド、16は高温ディスプレー
サロッド15と高温ディスプレーサ2の内部で形成され
る高温ガスばね、17は低温ディスプレーサ3の上面を
貫通しシリンダ1に固定され低温ディスプレーサ3を案
内する低温ディスプレーサロッド、18は低温ディスプ
レーサロッド17と低温ディスプレーサ3の内部で形成
される低温ガスばね、19aは高温ディスプレーサロッ
ド15と高温ディスプレーサ2の内部でガスばね16の
反対側に形成されるガスばね、19bは低温ディスプレ
ーサロッド17と低温ディスプレーサ3の内部でガスば
ね18の反対側に形成されるガスばね、19cはガスば
ね19aとガスばね19bを連通する連結管であり、ガ
スばね19aとガスばね19bと連結管19cにより、
連結ガスばね19が構成されている。
【0004】次に動作について説明する。ヒータ8は、
例えばバーナ8aによって、通常、400℃〜800℃
に加熱される。一方、高温側中温熱交換器10は、冷却
水などによって室温付近まで冷却される。高温ディスプ
レーサ2の往復運動により、内部の作動ガスは高温空間
4と高温側中温空間5の間を、ヒータ8、高温側再生器
9、高温側中温熱交換器10を通って交番流動する。こ
の時、高温の作動ガスと中温の作動ガスの占有割合が変
化することによって、動作空間内にガスの圧力変動が発
生する。高温ディスプレーサ2が図中上方向に動くと
き、作動ガス圧力は低下する。この時、低温ディスプレ
ーサ3には、上記作動ガスの圧力変動と低温ガスばね1
8空間のガス圧力の差によって下方向の力が作用する。
低温ディスプレーサ3は、低温ガスばね18とともに振
動系を構成しており、上記力を加振力として、上記力に
対し位相遅れを持って往復運動する。
【0005】一方、低温側シリンダ1b内部で低温ディ
スプレーサ3が往復運動した場合、内部の作動ガスは低
温空間6と低温側中温空間7の間を、低温熱交換器1
2、低温側再生器13、低温側中温熱交換器14を通っ
て交番流動する。この時、低温の作動ガスと中温の作動
ガスの占有割合が変化することによって、動作空間内の
作動ガスに圧力変化が生じる。低温ディスプレーサ3が
上方向に動くとき、作動ガス圧力は低下する。この時、
高温ディスプレーサ2には、上記作動ガスの圧力変動と
高温ガスばね16空間のガス圧力の差によって上方向の
力が作用する。高温ディスプレーサ2は、高温ガスばね
16とともに振動系を構成しており、上記力を加振力と
して、上記力に対し位相遅れを持って往復運動する。
【0006】次に、従来の連結ガスばね19の作用につ
いて説明する。
【0007】
【表1】
【0008】表1は、特開昭62−223577号公報
に示された連結ガスばねの作用を示す表である。表1
中、連結ガスばねは、相対ガスばねと記述されている。
表1のように、連結ガスばね19から高温ディスプレー
サ2に作用する力は、高温ディスプレーサ2が下降行程
にあるときには主として下向きとなり、一方高温ディス
プレーサ2が上昇行程にあるときには主として上向きと
なる。このように高温ディスプレーサ2の運動が、上記
連結ガスばね19によって促進されている。これに対
し、連結ガスばね19から低温ディスプレーサ3に作用
する力は、低温ディスプレーサ3が下降行程にあるとき
には主として上向きとなり、一方低温ディスプレーサ3
が上昇行程にあるときには主として下向きとなり、低温
ディスプレーサ3の運動を抑制するように作用する。低
温ディスプレーサ3は、高温ディスプレーサ2の運動に
よって生じる作動ガスの圧力変動により、その運動が促
進される。したがって、作動ガス圧力変動による促進作
用の方が連結ガスばねによる抑制作用より大きい場合、
低温ディスプレーサ3の運動は促進される。
【0009】以上の説明のように、高温ディスプレーサ
2と低温ディスプレーサ3は、図29に示すような運動
を継続することになり、図に示すような作動ガスの圧力
変動が発生する。図30、図31、図32、図33に、
それぞれ高温空間4、高温側中温空間5、低温側中温空
間7、低温空間6で描かれるP−V線図を示す。このP
−V線図から明らかなように、高温空間4と低温空間6
では吸熱仕事、高温側中温空間5と低温側中温空間6で
は発熱仕事が発生する。
【0010】低温空間6で発生した吸熱仕事は低温部熱
交換器12から冷熱として取り出され、上記冷熱は冷凍
や冷房などに利用される。高温側中温空間5と低温側中
温空間7で発生した発熱仕事は温熱として高温側中温部
熱交換器10と低温側中温部熱交換器14から温熱とし
て取り出され、上記温熱は暖房などに利用される。
【0011】図34は例えば文献(S.Schulz and B.Tho
mas 著,”A Linear Model of a Free-Piston Vuilleum
ier Machine Compared to Experimental Results of a
Prototype ",27th Intersociety Energy Conversion En
gineering Conference,NO.929032,pp.75-80,1992)
に示された他の従来のヴィルミエヒートポンプの断面図
である。図34においては図28と対応する部分には同
一符号を付して説明を省略する。図において、20は高
温ディスプレーサに連結固定されたディスプレーサロッ
ド、21は高温ディスプレーサ4とシリンダ1を連結す
るばね、22は低温ディスプレーサ3とシリンダ1を連
結するばねである。
【0012】ここでは、図28に示した高温ディスプレ
ーサロッド15と低温ディスプレーサロッド17とが1
つのディスプレーサロッド20に共通化され、高温ディ
スプレーサガスばね16がばね21で、低温ディスプレ
ーサガスばね18がばね22で置き換えられている。基
本的な動作は、図28に示した従来例と同じであるか
ら、その動作説明は省略する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来のヴィルミエヒー
トポンプは以上のように構成されているので、高温ガス
ばね16と低温ガスばね18と連結ガスばね19の内部
で、それぞれ損失仕事を発生し、これらの損失仕事のた
め、ディスプレーサ運動のストロークが小さくなって能
力を低下させたり、低温ガスばね18や連結ガスばね1
9の内部の損失仕事が低温空間に熱損失として流れ、冷
房能力を低下させたりし、その結果効率を低下させると
いう問題点があった。
【0014】さらに、従来のヴィルミエヒートポンプは
以上のように構成されているので、例えば、動作空間と
高温ガスばね16内部空間の平均圧力に差が生じ、動作
空間の平均圧力の方が高い場合、高温ディスプレーサが
平均的に下方向の力を受け、高温ディスプレーサ往復運
動の中心が下方向にずれる。これにより高温ガスばね1
6内部空間の容積が小さくなり、内部平均圧力が上昇
し、動作空間の平均圧力と同じになるところで運動する
ようになり、高温ディスプレーサが初期の最大ストロー
ク以下で運動下死点付近でシリンダと衝突するようにな
るため、能力が初期能力より低下し、さらに動作空間の
平均圧力の方が高くなると、最終的には運転不可能とな
る。同様に、動作空間と低温ガスばね18内部空間、あ
るいは連結ガスばね19の内部空間の平均圧力に差が生
じた場合も、能力が低下したり、運転不可能となるとい
う問題もあった。
【0015】また、従来のヴィルミエヒートポンプで
は、高温ディスプレーサ2、あるいは低温ディスプレー
サ3を駆動するモータを持たないため、容易に起動でき
ないという問題もあった。
【0016】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、ガスばねによる損失仕事や熱損
失もほとんど発生せず、効率低下が少なく、動作空間と
ガスばね空間の平均圧力の差が生じてもディスプレーサ
運動の中心がほとんどずれることがなく、能力が低下し
たり、運転不可能となることもなく、また、容易に起動
可能なヴィルミエヒートポンプを得ることを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るヴ
ィルミエヒートポンプは、高温ディスプレーサと低温デ
ィスプレーサとを機械ばねで相互に連結したものであ
る。
【0018】請求項2の発明に係るヴィルミエヒートポ
ンプは、請求項1において、高温ディスプレーサと低温
ディスプレーサの少なくとも一方を機械ばねでシリンダ
に連結したものである。
【0019】請求項3の発明に係るヴィルミエヒートポ
ンプは、高温ディスプレーサと低温ディスプレーサを往
復動方向に相対移動させるモータを備えたものである。
【0020】請求項4の発明に係るヴィルミエヒートポ
ンプは、高温ディスプレーサと低温ディスプレーサの少
なくとも一方をシリンダに対して往復駆動させるモータ
を備えたものである。
【0021】請求項5の発明に係るヴィルミエヒートポ
ンプは、高温ディスプレーサロッドおよび低温ディスプ
レーサロッドの少なくとも一方をシリンダに固定したも
のである。
【0022】請求項6の発明に係るヴィルミエヒートポ
ンプは、高温ディスプレーサロッドを高温ディスプレー
サに固定し、高温ディスプレーサロッドを低温ディスプ
レーサロッドとして共用するようにしたものである。
【0023】請求項7の発明に係るヴィルミエヒートポ
ンプは、低温ディスプレーサロッドを低温ディスプレー
サに固定し、低温ディスプレーサロッドを高温ディスプ
レーサロッドとして共用するようにしたものである。
【0024】請求項8の発明に係るヴィルミエヒートポ
ンプは、ディスプレーサの振動系を構成するばねとして
機械ばねを用い、ガスばねによる仕事損失を除去したも
のである。
【0025】請求項9の発明に係るヴィルミエヒートポ
ンプは、ディスプレーサの振動系を構成するばねとして
機械ばねとガスばねを併用し、ガスばねによる仕事損失
を減少させたものである。
【0026】
【作用】請求項1の発明におけるヴィルミエヒートポン
プは、機械ばねにより高温ディスプレーサと低温ディス
プレーサを連結しているので、ガスばねを省略したり、
機械ばねを主たるばねとし、ガスばねを補助ばねとする
ことができる。したがって、ガスばね空間における損失
仕事の発生を全く無くすか、少なくすることができ、こ
の損失仕事のためディスプレーサ運動のストロークが小
さくなって能力が低下したり、低温空間に熱損失として
流れて冷房能力が低下したりすることがなくなり、効率
が低下することが無い。また、機械ばねを利用するた
め、ガスばねを主として用いた場合の、動作空間とガス
ばね内部空間の平均圧力の差によるディスプレーサ運動
の中心のずれがなくなり、能力が低下したり、運転不可
能となることもない。さらに、高温ディスプレーサと低
温ディスプレーサとを機械ばねで連結することにより、
低温ディスプレーサが得た駆動仕事の一部を機械ばねに
より高温ディスプレーサに伝達し、高温ディスプレーサ
の駆動仕事として利用するようにしているため、高温デ
ィスプレーサを案内する高温ディスプレーサロッドを細
くし、比出力と効率を高くすることもできる。
【0027】請求項2の発明におけるヴィルミエヒート
ポンプは、高温ディスプレーサと低温ディスプレーサの
少なくとも一方を機械ばねでシリンダに連結したので、
ディスプレーサ運動の中心のずれが更に抑制され、能力
が低下したり、運転不可能となることもない。
【0028】請求項3の発明におけるヴィルミエヒート
ポンプは、高温ディスプレーサあるいは低温ディスプレ
ーサを駆動するモータを備えたので、容易に起動でき
る。また、モータをシリンダ内に内蔵した場合は、付加
的な駆動装置が必要でなくなるので、小型軽量にでき
る。
【0029】請求項4の発明におけるヴィルミエヒート
ポンプは、シリンダを基準にして高温ディスプレーサま
たは低温ディスプレーサを駆動するので、独立して駆動
力を与えることができる。
【0030】請求項5の発明におけるヴィルミエヒート
ポンプは、高温ディスプレーサロッドおよび低温ディス
プレーサロッドの少なくとも一方をシリンダに固定する
ようにしたので、固定した方のディスプレーサの重量を
軽減できる。
【0031】請求項6の発明におけるヴィルミエヒート
ポンプは、高温ディスプレーサロッドを高温ディスプレ
ーサに固定し、高温ディスプレーサロッドを低温ディス
プレーサロッドとして共用するようにしたので、高温デ
ィスプレーサを重く、低温ディスプレーサを軽くするこ
とができる。
【0032】請求項7の発明におけるヴィルミエヒート
ポンプは、低温ディスプレーサロッドを低温ディスプレ
ーサに固定し、低温ディスプレーサロッドを高温ディス
プレーサロッドとして共用するようにしたので、低温デ
ィスプレーサを重く、高温ディスプレーサを軽くするこ
とができる。
【0033】請求項8の発明におけるヴィルミエヒート
ポンプは、ディスプレーサの振動系を構成するばねとし
て機械ばねを用い、ガスばねによる仕事損失を除去する
ようにしたので、損失仕事のためディスプレーサ運動の
ストロークが小さくなって能力が低下したり、低温空間
に熱損失として流れて冷房能力が低下したりすることが
なく、効率が低下することが無い。
【0034】請求項9の発明におけるヴィルミエヒート
ポンプは、ディスプレーサの振動系を構成するばねとし
て機械ばねとガスばねを併用し、ガスばねによる仕事損
失を減少させるようにしたので、損失仕事のためディス
プレーサ運動のストロークが小さくなって能力が低下し
たり、低温空間に熱損失として流れて冷房能力が低下し
たりすることがなく、効率が低下することが無い。
【0035】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明(請求項1、5、8、9の発明)
の実施例1によるヴィルミエヒートポンプの構成を示す
断面図である。図1においては、図28および図34と
対応する部分に同一符号を付して説明を省略する。図に
おいて、23は低温ディスプレーサ3の内部空間、24
は高温ディスプレーサ2に連結固定され低温ディスプレ
ーサロッド17の内部を貫通する高温ディスプレーサロ
ッド、25は低温ディスプレーサロッド17に固定され
高温ディスプレーサロッド24の往復摺動を許すと共に
低温ディスプレーサ内部空間23と作動ガス空間の間を
シールする高温ロッドシール、26は低温ディスプレー
サ3の中温空間7側に固定され低温ディスプレーサロッ
ド17に沿う低温ディスプレーサ3の往復摺動を許すと
共に低温ディスプレーサ内部空間23と作動ガス空間の
間をシールする低温ロッドシール、29は低温ディスプ
レーサ内部空間23で高温ディスプレーサロッド24と
低温ディスプレーサ3を連結する機械的な連結ばね(例
えば、コイルばね等の機械ばね)である。
【0036】次に動作について説明する。高温ディスプ
レーサ2には、作動ガス空間と低温ディスプレーサ内部
空間23との間の圧力差により、高温ディスプレーサロ
ッド24の断面積に比例した力が作用する。高温ディス
プレーサ2はこの力を加振力に、高温側機械ばね27
(この実施例では、この機械ばねは存在しないが、以降
の説明の便宜上、あると仮定して述べる。この機械ばね
については、図2=実施例2、図4=実施例4を参照の
こと)の力を復元力にした振動系を構成する。高温ディ
スプレーサ2が往復運動する際には、作動ガスがヒータ
8と高温側再生器9と高温側中温熱交換器10の内部を
交番流動し、この時に生じる圧力損失と高温ディスプレ
ーサロッドシール25などにおける摺動抵抗が、高温デ
ィスプレーサ2に減衰抵抗として作用する。さらに、高
温ディスプレーサ2は、高温ディスプレーサロッド24
を介して低温ディスプレーサ3と連結ばね29で連結さ
れるため、低温ディスプレーサ3との相対的な変位差に
より力を受ける。
【0037】一方、低温ディスプレーサ3にも、高温デ
ィスプレーサ2と同様に、作動ガス空間と低温ディスプ
レーサ内部空間23との間の圧力差により、低温ディス
プレーサロッド17の断面積に比例した力が作用する。
低温ディスプレーサ3はこの力を加振力に、低温側機械
ばね28(この実施例では、この機械ばねは存在しない
が、以降の説明の便宜上、あると仮定して述べる。この
機械ばねについては、図3=実施例3、図4=実施例4
を参照のこと)の反発力を復元力にした振動系を構成す
る。低温ディスプレーサ3が往復運動する際には、作動
ガスが低温熱交換器12と低温側再生器13と低温側中
温熱交換器14の内部を交番流動し、この時に生じる圧
力損失と低温ディスプレーサロッドシール26などにお
ける摺動抵抗が低温ディスプレーサ3に減衰抵抗として
作用する。さらに、低温ディスプレーサ3は、高温ディ
スプレーサロッド24を介して高温ディスプレーサ2と
連結ばね29で連結されるため、高温ディスプレーサ2
との相対的な変位差により力を受ける。したがって、高
温ディスプレーサ2と低温ディスプレーサ3の一般的な
運動方程式は以下のようになる。
【0038】
【数1】
【0039】
【数2】
【0040】 ARC:低温ディスプレーサロッド17の断面積 ARH:高温ディスプレーサロッド24の断面積 cC :低温ディスプレーサ3の運動の減衰係数 cH :高温ディスプレーサ2の運動の減衰係数 kC :低温側機械ばね28のばね定数 kH :高温側機械ばね27のばね定数 kL :連結ばね29のばね定数 mC :低温ディスプレーサ3の往復運動部質量 mH :高温ディスプレーサ2の往復運動部質量 P :作動ガス空間のガス圧力 PB :低温ディスプレーサ内部空間23のガス圧力 xC :低温ディスプレーサ3の中立位置からの変位 xH :高温ディスプレーサ2の中立位置からの変位
【0041】なお、変位xH は図1において上向きを
正、変位xC は図1において下向きを正としている。ま
た、本実施例1においては、低温側機械ばね28および
高温側機械ばね27は存在しないから、kC =kH =0
である。中立時には、次式が成立する。
【0042】
【数3】
【0043】ここで、作動ガスの圧力PはxH とxC
関数であり、簡単のため運転中の各作動ガス空間におけ
る作動ガスの温度が一定であるとすると、作動ガスの圧
力Pは次式で表される。
【0044】
【数4】
【0045】AC :低温ディスプレーサ3の断面積 AH :高温ディスプレーサ2の断面積 P0 :作動ガス平均圧力 TC :低温空間6のガス温度 TH :高温空間4のガス温度 TM :中温空間5,7のガス温度 ここで、ξは次式で定義される。
【0046】
【数5】
【0047】Vi:中立時の作動ガス空間の各容積 Ti:各作動ガス空間のガス温度 また、xH とxC が微小な時、式(4)で表される作動
ガスの圧力Pは次式のように書き換えられる。
【0048】
【数6】
【0049】一方、低温ディスプレーサ内部空間23の
ガス圧力PB もxH とxC の関数であり、次式で表され
る。
【0050】
【数7】
【0051】 PB0:低温ディスプレーサ内部空間23の平均圧力 VB0:中立時の低温ディスプレーサ内部空間23の容積 κ:作動ガスの比熱比 xH とxC が微小なら、次式となる。
【0052】
【数8】
【0053】この振動系は、xH とxC に関する式
(1)と式(2)の連立方程式の特性方程式である次式
が特性根として、λ=σ±ωι(σとωは実数、ιは複
素数である)を持つとき周波数ωの周期解を持つことに
なる。すなわち、高温ディスプレーサ2と低温ディスプ
レーサ3とが往復運動することになる。しかも、σ≧0
の時、高温ディスプレーサ2と低温ディスプレーサ3と
は減衰せずに往復運動を継続することになる。
【0054】
【数9】 ここで、
【0055】
【数10】
【0056】
【数11】
【0057】
【数12】
【0058】
【数13】 である。KH は高温ディスプレーサ2の振動系の全ばね
定数である。KC は低温ディスプレーサ3の振動系の全
ばね定数である。この時の運転周波数ωは次式で表され
る。
【0059】
【数14】
【0060】また、高温ディスプレーサ2と低温ディス
プレーサ3との位相差αは次式で表される。
【0061】
【数15】 あるいは、
【0062】
【数16】
【0063】したがって、xH とxC は以下のように表
すことができる。
【0064】
【数17】
【0065】rH :高温ディスプレーサ2の振幅 t:時間
【0066】
【数18】
【0067】rC :低温ディスプレーサ3の振幅 ここで、式(17)と式(18)の負号は式の整理上付
けた。
【0068】式(6)と式(17)と式(18)から、
高温空間4の図示仕事WH 、高温側中温空間5の図示仕
事WMH、低温側中温空間7の図示仕事WMC、低温空間6
の図示仕事WC は以下のようになる。
【0069】
【数19】
【0070】
【数20】
【0071】
【数21】
【0072】
【数22】
【0073】位相差αが0≦α≦πの時、WH とWC
正の吸熱仕事となり、WMHとWMCは負の発熱仕事とな
る。このヴィルミエヒートポンプを空調機として用いる
場合、WC の吸熱仕事が冷房に利用され、WMHとWMC
発熱仕事が暖房に利用される。
【0074】次に連結ばね29の作用を説明する為、高
温ディスプレーサ2と低温ディスプレーサ3の運動方程
式である式(1)と式(2)の以下のような積分を考え
る。これら積分値の符号が正の場合、高温ディスプレー
サ2及び低温ディスプレーサ3が外部に対して仕事をす
ることを表し、負の場合、仕事を受けることを表す。
【0075】
【数23】
【0076】
【数24】
【0077】式(23)の第1項の積分は以下のように
なる。
【0078】
【数25】
【0079】すなわち、高温ディスプレーサ2の往復慣
性力による1サイクルの仕事は0である。式(23)の
第2項の積分は以下のようになる。
【0080】
【数26】
【0081】これは、高温ディスプレーサ2が往復運動
する際に作用する減衰抵抗による損失仕事である。式
(23)の第3項の積分は以下のようになる。
【0082】
【数27】
【0083】これは、高温ディスプレーサ2に作用する
全ばねの復元力による仕事であり、0となる。式(2
3)の第4項の積分は以下のようになる。
【0084】
【数28】
【0085】
【数29】
【0086】式(28)の第1項は、高温ディスプレー
サ2が作動ガスから受けた仕事であり、WH とWMHの和
に相当する。式(28)の第2項は高温ディスプレーサ
2が連結ばね29により受けた仕事である。式(28)
で表されるこれらの仕事は、式(26)で表される減衰
仕事として消費される。KL は全連結ばね定数であり、
連結ばね29とガスばねの和で表される。
【0087】式(24)の積分も全く同様に以下のよう
になる。式(24)の第1項の積分は以下のようにな
る。
【0088】
【数30】
【0089】すなわち、低温ディスプレーサ3の往復慣
性力による1サイクルの仕事は0である。式(24)の
第2項の積分は以下のようになる。
【0090】
【数31】
【0091】これは、低温ディスプレーサ3が往復運動
する際に作用する減衰抵抗による損失仕事である。式
(24)の第3項の積分は以下のようになる。
【0092】
【数32】
【0093】これは、低温ディスプレーサ3に作用する
全ばねの復元力による仕事であり、0となる。式(2
4)の第4項の積分は以下のようになる。
【0094】
【数33】
【0095】式(33)の第1項は、低温ディスプレー
サ3が作動ガスから受けた仕事であり、WMCとWC の和
に相当する。式(33)の第2項は低温ディスプレーサ
3が連結ばね29に与える仕事である。式(33)の第
1項で表される仕事は、式(31)で表される減衰仕事
として消費されるほか、式(33)の第2項で表される
ように連結ばね29に伝えられる。
【0096】すなわち、低温ディスプレーサ3で発生し
た仕事の一部を連結ばね29によって高温ディスプレー
サ2を駆動する仕事として伝えることができる。
【0097】したがって、図1に示す実施例1における
ヴィルミエヒートポンプは、高温ディスプレーサ2と低
温ディスプレーサ3とをガスばねではなく機械ばね(連
結ばね29)で連結しているため、ガスばねによる損失
が生じることなく、低温ディスプレーサ3が得た駆動仕
事の一部を、連結ばね29により高温ディスプレーサ2
に効率よく伝達し、高温ディスプレーサ2の駆動仕事と
して利用することができ、ディスプレーサ運動のストロ
ークを大きくすることができ、能力と効率を高くするこ
とができる。
【0098】なお、この実施例ではガスばねを全く用い
ていないが、ガスばねと機械ばね(連結ばね29)を併
用してもよい。その場合は、機械ばねで置き換えた分だ
け、ガスばねによる損失仕事の発生を抑えることができ
る。
【0099】実施例2.図2はこの発明(請求項2の発
明)の実施例2によるヴィルミエヒートポンプの構成を
示す断面図である。図において、上述の従来例及び実施
例と対応する部分には同一符号を付して説明を省略す
る。27は高温側機械ばね(例えば、コイルばね)であ
る。この高温側機械ばね27は、低温ディスプレーサ内
部空間23で、高温ディスプレーサロッド24を介して
高温ディスプレーサ2と、低温ディスプレーサロッド1
7を介してシリンダ1とを連結するものである。
【0100】次に動作について説明する。この実施例2
の動作は、前記実施例1の動作説明における、高温ディ
スプレーサ2の振動系の全ばね定数KH の一部または全
てを機械ばね27で置き換えたkH ≠0の場合であり、
基本的にヴィルミエヒートポンプとして動作し冷温熱を
生成する原理は前記実施例1と同じであるので、その説
明は省略する。
【0101】したがって、実施例2におけるヴィルミエ
ヒートポンプは、実施例1におけるヴィルミエヒートポ
ンプと同様の効果を奏する。
【0102】また、実施例2におけるヴィルミエヒート
ポンプは、高温ディスプレーサ2と低温ディスプレーサ
3が機械ばね(連結ばね29)で連結され、さらに高温
ディスプレーサ2が機械ばね(高温側機械ばね27)を
介してシリンダ1に連結固定されているので、間接的に
低温ディスプレーサ3も機械ばねによりシリンダ1に連
結固定されることになり、動作空間とガスばね内部空間
の平均圧力に差が生じても、ディスプレーサ運動の中心
がほとんどずれることがなく、したがって、能力が低下
したり、運転不可能となることがない。また、ガスばね
を利用しない、または、ほとんど利用しないですむた
め、ガスばね空間における損失仕事の発生が全く無い
か、少なくすることができ、この損失仕事のためディス
プレーサ運動のストロークが小さくなり能力が低下した
り、低温空間に熱損失として流れ、冷房能力が低下する
などし、効率が低下することも無い。
【0103】なお、実施例2では、高温ディスプレーサ
2をシリンダ1に連結固定する機械ばね27を低温ディ
スプレーサ内部空間23に設けた場合を示したが、高温
空間4や高温側中温空間5に設けてもよい。その場合も
上記と同様の効果を奏し、さらに低温ディスプレーサ3
をシリンダ1に機械ばねで連結固定するより、製作容易
となる効果がある。
【0104】実施例3.図3はこの発明(請求項2の発
明)の実施例3によるヴィルミエヒートポンプの構成を
示す断面図である。図3においては、上述の従来例およ
び実施例と対応する部分には同一符号を付して説明を省
略する。図3において、28は低温側機械ばね(例え
ば、コイルばね)である。この低温側機械ばね28は、
低温ディスプレーサ内部空間23で、低温ディスプレー
サ3を低温ディスプレーサロッド17を介してシリンダ
1に連結固定するものである。
【0105】次に動作について説明する。この実施例3
の動作は、前記実施例1の動作説明における、低温ディ
スプレーサ3の振動系の全ばね定数KC の一部または全
てを機械ばね28で置き換えたkC ≠0の場合であり、
基本的にヴィルミエヒートポンプとして動作し冷温熱を
生成する原理は前記実施例1と同じであるので、その説
明は省略する。
【0106】したがって、請求項2におけるヴィルミエ
ヒートポンプは、実施例1におけるヴィルミエヒートポ
ンプと同様の効果を奏する。
【0107】また、実施例3におけるヴィルミエヒート
ポンプは、高温ディスプレーサ2と低温ディスプレーサ
3が機械ばね(連結ばね29)で連結され、さらに低温
ディスプレーサ3が機械ばね(低温側機械ばね28)を
介してシリンダ1に連結固定されているので、間接的に
高温ディスプレーサ2も機械ばねによりシリンダ1に連
結固定されることになり、動作空間とガスばね内部空間
の平均圧力に差が生じても、ディスプレーサ運動の中心
がほとんどずれることがなく、したがって、能力が低下
したり、運転不可能となることがない。また、ガスばね
を利用しない、または、ほとんど利用しないですむた
め、ガスばね空間における損失仕事の発生が全く無い
か、少なくすることができ、この損失仕事のためディス
プレーサ運動のストロークが小さくなり能力が低下した
り、低温空間に熱損失として流れ、冷房能力が低下する
などし、効率が低下することも無い。
【0108】なお、実施例3では、低温ディスプレーサ
3をシリンダ1に連結固定する機械ばね28を低温ディ
スプレーサ内部空間23に設けた場合を示したが、低温
空間6や低温側中温空間7に設けてもよい。その場合も
上記と同様の効果を奏し、さらに高温ディスプレーサ2
をシリンダ1に機械ばねで連結固定するより、製作容易
となる効果がある。
【0109】実施例4.図4はこの発明(請求項2の発
明)の実施例4によるヴィルミエヒートポンプの構成を
示す断面図である。図4においては、上述の従来例およ
び実施例と対応する部分には同一符号を付して説明を省
略する。この実施例4は、実施例2と実施例3を合体し
たもので、高温ディスプレーサ2が高温側機械ばね27
を介してシリンダ1に連結固定され、低温ディスプレー
サ3が低温側機械ばね28を介してシリンダ1に連結固
定されている。
【0110】次に動作について説明する。この実施例4
の動作は、前記実施例1の動作説明における、高温ディ
スプレーサ2の振動系の全ばね定数KH の一部または全
てを機械ばね27で置き換え、低温ディスプレーサ3の
振動系の全ばね定数KC の一部または全てを機械ばね2
8で置き換えたkH ≠0かつkC ≠0の場合であり、基
本的にヴィルミエヒートポンプとして動作し冷温熱を生
成する原理は前記実施例1と同じであるので、その説明
は省略する。
【0111】したがって、実施例4におけるヴィルミエ
ヒートポンプは、実施例1におけるヴィルミエヒートポ
ンプと同様の効果を奏する。
【0112】また、実施例4におけるヴィルミエヒート
ポンプは、高温ディスプレーサ2と低温ディスプレーサ
3が機械ばね(連結ばね29)で連結され、さらに高温
ディスプレーサ2が高温側機械ばね27を介してシリン
ダ1に連結固定されるとともに、低温ディスプレーサ3
が低温側機械ばね28を介してシリンダ1に連結固定さ
れているので、動作空間とガスばね内部空間の平均圧力
に差が生じても、ディスプレーサ運動の中心がほとんど
ずれることがなく、したがって、能力が低下したり、運
転不可能となることがない。また、ガスばねを利用しな
い、または、ほとんど利用しないため、ガスばね空間に
おける損失仕事の発生が全く無いか、少なくすることが
でき、この損失仕事のためディスプレーサ運動のストロ
ークが小さくなり能力が低下したり、低温空間に熱損失
として流れ、冷房能力が低下するなどし、効率が低下す
ることも無い。
【0113】さらに、実施例4におけるヴィルミエヒー
トポンプは、実施例2におけるヴィルミエヒートポンプ
や実施例3におけるヴィルミエヒートポンプのように、
高温ディスプレーサ2あるいは低温ディスプレーサ3が
間接的に機械ばねによりシリンダ1に連結固定されるの
ではなく、直接的にそれぞれが機械ばね27、28によ
りシリンダ1に連結固定されているので、動作空間とガ
スばね内部空間の平均圧力に差が生じても、前記実施例
2や前記実施例3に示すヴィルミエヒートポンプより安
定して運転することが可能となる効果がある。
【0114】実施例5.図5はこの発明(請求項3、4
の発明)の実施例5によるヴィルミエヒートポンプの構
成を示す断面図である。図5においては、上述の従来例
および実施例と対応する部分には同一符号を付して説明
を省略する。図5において、88aは低温ディスプレー
サロッド17に固定されたヨーク、88bはヨーク88
aに密着固定された永久磁石、88cは低温ディスプレ
ーサ3に固定されたコイルであり、ヨーク88aと永久
磁石88bとコイル88cにより、低温ディスプレーサ
3を図中上下方向に駆動するリニアモータ88が構成さ
れている。なお、ここでは連結ばね29の配置が実施例
2と異なるが、機能は同じである。
【0115】次に動作について説明する。コイル88c
に電流を流さず、リニアモータ88を作動しない場合の
本実施例5によるヴィルミエヒートポンプの動作は、前
記実施例2によるヴィルミエヒートポンプと全く同じで
ある。ヨーク88aと永久磁石88bは磁気回路を構成
しており、コイル88cが存在するヨーク88aと永久
磁石88bの間に半径方向の磁場を形成する。コイル8
8cは上記磁場と直交する方向に環状に巻かれているた
めコイル88cに電流を流すと、コイル88cに軸方向
(図5において上下方向)にローレンツ力が働く、コイ
ル88cは低温ディスプレーサ3に連結固定されている
から、上記ローレンツ力は低温ディスプレーサ3を駆動
する力として作用する。
【0116】高温ディスプレーサ2と低温ディスプレー
サ3が停止しているとき、ヒータ8を加熱しても,容易
に高温ディスプレーサ2と低温ディスプレーサ3とは起
動されない。コイル88cに定常運転時の運転周波数付
近の周波数の交流電流を流すと、コイル88cに上下方
向の交番力が働く。上記交番力は低温ディスプレーサ3
を直接駆動する力、すなわち低温ディスプレーサ3の加
振力として作用する。低温ディスプレーサ3が往復運動
を開始すると、作動ガスに圧力変動が生じる。高温ディ
スプレーサ2には、上記作動ガスの圧力変動と低温ディ
スプレーサ内部空間23のガス圧力との差圧により、高
温ディスプレーサロッド24に比例した駆動力が働く上
に、連結ばね29によって低温ディスプレーサ3と連結
されているため、低温ディスプレーサ3の運動に伴い高
温ディスプレーサ2が駆動されることになる。高温ディ
スプレーサ2が運動し始めると、ヒータ8からの吸熱作
用が大きくなり、この吸熱効果に伴って高温空間4の作
動ガス温度も上昇し、これにより作動ガスの圧力変動が
大きくなり、高温ディスプレーサ2と低温ディスプレー
サ3の運動振幅が徐々に大きくなり、定常運転状態に到
達することになる。このように容易に起動され、前記実
施例2と同様にヴィルミエヒートポンプとして動作す
る。
【0117】本実施例5では、前記実施例2のヴィルミ
エヒートポンプに低温ディスプレーサ駆動用のリニアモ
ータ88を備えたので、前記実施例2と同様の効果を奏
する上、起動が容易にできるという効果を奏する。しか
も、リニアモータ88は低温ディスプレーサ3の内部に
内包しているため、ヴィルミエヒートポンプに余分な起
動装置を付加する必要がなく、小型となる効果がある。
【0118】実施例6.図6はこの発明(請求項3、4
の発明)の実施例6によるヴィルミエヒートポンプの構
成を示す断面図である。この実施例6は、リニアモータ
88の配置を変えたことと、低温側機械ばね28(実施
例4参照)を加えたこと、が実施例5と異なるだけで、
他は実施例5と同様である。この実施例6のヴィルミエ
ヒートポンプでは、実施例5のヴィルミエヒートポンプ
と同様の効果を奏すると共に、低温ディスプレーサ3と
低温ディスプレーサロッド17とを連結する低温側機械
ばね28が付加されているから、前記実施例5に比べ
て、低温ディスプレーサ3が往復運動するときの中立位
置がずれにくく、より安定して運転される効果がある。
【0119】実施例7.図7はこの発明(請求項3、4
の発明)の実施例7によるヴィルミエヒートポンプの構
成を示す断面図である。図7においては、上述の従来例
および実施例と対応する部分には同一符号を付して説明
を省略する。図7において、89aは低温ディスプレー
サロッド17に固定されたヨーク、89bはヨーク89
aに密着固定された永久磁石、89cは高温ディスプレ
ーサロッド24に固定されたコイルであり、ヨーク89
aと永久磁石89bとコイル89cによって、高温ディ
スプレーサ2を往復駆動するリニアモータ89が構成さ
れている。
【0120】前記実施例5と6では、リニアモータ88
により低温ディスプレーサ3を駆動するように構成した
が、本実施例7では、コイル89cを高温ディスプレー
サロッド24に連結固定することで、高温ディスプレー
サ2側を駆動するようにしている。この実施例7は、上
記実施例5と同様の効果を奏する。
【0121】実施例8.図8はこの発明(請求項3、4
の発明)の実施例8によるヴィルミエヒートポンプの構
成を示す断面図である。図8においては、上述の従来例
および実施例と対応する部分には同一符号を付して説明
を省略する。前記実施例5〜7では、リニアモータ88
により低温ディスプレーサ3、あるいはリニアモータ8
9により高温ディスプレーサ2を駆動するように構成し
たが、図8の実施例8のように、2組のリニアモータ8
8、89を設けて、それぞれ高温ディスプレーサ2と低
温ディスプレーサ3の両方を駆動するようにしてもよ
い。この場合は、上記実施例5と6と同様の効果を奏す
るとともに、高温ディスプレーサ2と低温ディスプレー
サ3の運動それぞれを独立に最適となるように駆動制御
できる効果もある。
【0122】実施例9.図9はこの発明(請求項3、4
の発明)の実施例9によるヴィルミエヒートポンプの構
成を示す断面図である。図9においては、上述の従来例
および実施例と対応する部分には同一符号を付して説明
を省略する。図9において、30は高温ディスプレーサ
2の内部空間、31は低温ディスプレーサ3に連結固定
された低温ディスプレーサロッド、32は高温ディスプ
レーサロッド15に固定され低温ディスプレーサロッド
31の往復摺動を許すと共に高温ディスプレーサ内部空
間30と作動ガス空間の間をシールする低温ロッドシー
ル、33は高温ディスプレーサ2の中温側に固定され高
温ディスプレーサロッド15の往復摺動を許すと共に高
温ディスプレーサ内部空間30と作動ガス空間の間をシ
ールする高温ロッドシール、34は低温ディスプレーサ
ロッド31と高温ディスプレーサロッド15を連結固定
する低温側機械ばね、35は高温ディスプレーサ2を高
温ディスプレーサロッド15に連結固定する高温側機械
ばね、36は低温ディスプレーサロッド31と高温ディ
スプレーサ2を連結する連結ばね、100aは高温ディ
スプレーサ内部空間30においてシリンダ1と一体の高
温ディスプレーサロッド15に固定されたヨーク、10
0bはヨーク100aに密着固定された永久磁石、10
0cは高温ディスプレーサ2に固定されたコイルであ
り、ヨーク100aと永久磁石100bとコイル100
cにより、高温ディスプレーサ2を往復駆動するリニア
モータ100が構成されている。
【0123】次に動作について説明する。本実施例9の
動作は前記実施例6と同じであり、同様の効果を奏す
る。
【0124】本実施例9では、高温ディスプレーサロッ
ド15がシリンダ1に固定され、低温ディスプレーサロ
ッド31が低温ディスプレーサ3に連結されて往復運動
する構成であるから、高温ディスプレーサ2の内部にリ
ニアモータ100を内包している。この場合は、あえて
低温ディスプレーサ3の内部にモータを内包するより
も、リニアモータ100を簡単に装備することができ
る。
【0125】実施例10.図10はこの発明(請求項
3、4の発明)の実施例10によるヴィルミエヒートポ
ンプの構成を示す断面図である。図10においては、上
述の従来例および実施例と対応する部分には同一符号を
付して説明を省略する。図10において、90aは中温
空間7内でシリンダ1に固定されたヨーク、90bはヨ
ーク90aに密着固定された永久磁石、90cは低温デ
ィスプレーサ3に固定されたコイルであり、ヨーク90
aと永久磁石90bとコイル90cにより、低温ディス
プレーサ3を往復駆動するリニアモータ90が構成され
ている。
【0126】次に動作について説明する。コイル90c
に電流を流さず、リニアモータ90を作動しない場合の
本実施例10によるヴィルミエヒートポンプの動作は前
記実施例4によるヴィルミエヒートポンプと全く同じで
ある。
【0127】ヨーク90aと永久磁石90bは磁気回路
を構成しており、コイル90cが存在するヨーク90a
と永久磁石90bの間に半径方向の磁場を形成する。コ
イル90cは上記磁場と直交する方向に環状に巻かれて
いるため、コイル90cに電流を流すと、コイル90c
に軸方向(図において上下方向)にローレンツ力が働
く、コイル90cは低温ディスプレーサ3に連結固定さ
れているから、上記ローレンツ力は低温ディスプレーサ
3を駆動する力として作用する。
【0128】高温ディスプレーサ2と低温ディスプレー
サ3が停止しているとき、ヒータ8を加熱しても、容易
に高温ディスプレーサ2と低温ディスプレーサ3とは起
動されない。コイル90cに定常運転時の運転周波数付
近の周波数の交流電流を流すと、コイル90cに上下方
向に交番力が働く、上記交番力は低温ディスプレーサ3
を直接駆動する力、すなわち低温ディスプレーサ3の加
振力として作用する。低温ディスプレーサ3が往復運動
を開始すると、作動ガスに圧力変動が生じる。高温ディ
スプレーサ2には上記作動ガスの圧力変動と低温ディス
プレーサ内部空間23のガス圧力との差圧により、高温
ディスプレーサロッド24に比例した駆動力が働く上
に、連結ばね29によって高温ディスプレーサ2は低温
ディスプレーサ3と連結されているため、低温ディスプ
レーサ3の運動に伴い駆動されることになる。高温ディ
スプレーサ2が運動し始めると、ヒータ8からの吸熱作
用が大きくなり、この吸熱効果に伴って高温空間4の作
動ガス温度も上昇し、これにより作動ガスの圧力変動が
大きくなり、高温ディスプレーサ2と低温ディスプレー
サ3の運動振幅が徐々に大きくなり、定常運転状態に到
達することになる。このように容易に起動され、前記実
施例4と同様にヴィルミエヒートポンプとして動作し、
実施例4と同様の効果を奏する。
【0129】さらに、前記実施例4に示すヴィルミエヒ
ートポンプでは、ヒータ8を加熱するだけでは容易に起
動する事ができないが、本実施例10では、低温ディス
プレーサ3を駆動するリニアモータ90を備えたので、
容易に起動することが可能となる。
【0130】また、本実施例10では、リニアモータ9
0を高温ディスプレーサ2あるいは低温ディスプレーサ
3の内部に内包しないので、前記実施例5から8の構成
に比べて、往復運動する高温ディスプレーサ2あるいは
低温ディスプレーサ3を小さく軽量化することができ、
振動発生が小さくなる効果もある。
【0131】実施例11.図11はこの発明(請求項
3、4の発明)の実施例11によるヴィルミエヒートポ
ンプの構成を示す断面図である。図11においては、上
述の従来例および実施例と対応する部分には同一符号を
付して説明を省略する。前記実施例10では、リニアモ
ータ90により低温ディスプレーサ3を駆動するように
構成したが、本実施例ではリニアモータ91により、高
温ディスプレーサ2を駆動するようにしている。図にお
いて、91aは中温空間5内でシリンダ1に固定された
ヨーク、91bはヨーク91aに密着固定された永久磁
石、91cは高温ディスプレーサ2に固定されたコイル
であり、ヨーク91aと永久磁石91bとコイル91c
により、高温ディスプレーサ2を往復駆動するリニアモ
ータ91が構成されている。この実施例11では、上記
実施例9と同様の効果を奏する。
【0132】実施例12.図12はこの発明(請求項
3、4の発明)の実施例12によるヴィルミエヒートポ
ンプの構成を示す断面図である。図12においては、上
述の従来例および実施例と対応する部分には同一符号を
付して説明を省略する。前記実施例10と11では、リ
ニアモータ90により低温ディスプレーサ3、あるいは
リニアモータ91により高温ディスプレーサ2を駆動す
るように構成したが、本実施例12では、2組のリニア
モータ90、91を中温空間5、7にそれぞれ内包し、
高温ディスプレーサ2と低温ディスプレーサ3の両方を
駆動するようにしている。この実施例12では、上記実
施例9と10と同様の効果を奏するとともに、高温ディ
スプレーサ2と低温ディスプレーサ3の運動それぞれを
独立に最適となるように駆動制御できる効果もある。
【0133】実施例13.図13はこの発明(請求項
3、4の発明)の実施例13によるヴィルミエヒートポ
ンプの構成を示す断面図である。図13においては、上
述の従来例および実施例と対応する部分には同一符号を
付して説明を省略する。図13において、94aは低温
空間6内にてシリンダ1に固定されたヨーク、94bは
ヨーク94aに密着固定された永久磁石、94cは低温
ディスプレーサ3に固定されたコイルであり、ヨーク9
4aと永久磁石94bとコイル94cにより、低温ディ
スプレーサ3を往復駆動するリニアモータ94が構成さ
れている。
【0134】次に動作について説明する。本実施例13
の動作は、前記実施例10と同じであり、実施例10と
同様の効果を奏する。
【0135】なお、リニアモータを構成する永久磁石
は、経時的に減磁し磁束密度が低下するため、モータ性
能が徐々に低下するが、この減磁は温度が高くなるにし
たがって大きくなる。本実施例13では、温度の低い低
温空間6内にリニアモータ94を備えたため、前記実施
例5から12と比較して、モータ性能の低下が少なくな
る効果がある。
【0136】実施例14.図14はこの発明(請求項
3、4の発明)の実施例14によるヴィルミエヒートポ
ンプの構成を示す断面図である。図14においては、上
述の従来例および実施例と対応する部分には同一符号を
付して説明を省略する。図14において、101aは高
温空間4内にてシリンダ1に固定されたヨーク、101
bはヨーク101aに密着固定された永久磁石、101
cは高温ディスプレーサ2に固定されたコイルであり、
ヨーク101aと永久磁石101bとコイル101cに
より、高温ディスプレーサ2を往復駆動するリニアモー
タ101が構成されている。
【0137】次に動作について説明する。本実施例14
の動作は、前記実施例7と同じであり、実施例7と同様
の効果を奏する。
【0138】この実施例14は、低温熱源としてマイナ
ス数十℃以下の低温を利用し、低温空間6と中温空間
5、7がマイナス数十℃となり、高温空間4が常温付近
となるような場合に好適である。この場合、リニアモー
タ101を高温空間4に備えているため、リニアモータ
101の発熱が低温空間6側に熱損失として入り込まな
くなり、効率が高くなる効果がある。
【0139】実施例15.図15はこの発明(請求項
3、4の発明)の実施例15によるヴィルミエヒートポ
ンプの構成を示す断面図である。図15においては、上
述の従来例および実施例と対応する部分には同一符号を
付して説明を省略する。図15において、75は高温側
中温空間5と低温側中温空間7とを連通する連通管、7
7は高温側中温フランジ、78は低温側中温フランジ、
79はシリンダ1と高温側中温フランジ77と低温側中
温フランジ78で囲まれたモータ空間、80は高温ディ
スプレーサロッド24と高温側中温フランジ77を連結
する高温側機械ばね、81は高温ディスプレーサロッド
24が往復摺動可能なように高温側中温空間5とモータ
空間79とを連通遮断するシール、84は低温ディスプ
レーサロッド31と高温側中温フランジ77を連結する
低温側機械ばね、86は低温ディスプレーサロッド31
が往復摺動可能なように低温側中温空間7とばね空間7
9とを連通遮断するシール、87は高温ディスプレーサ
2に連結された連結ロッド37と低温ディスプレーサ3
に連結された連結ロッド40を連結する連結ばね(機械
ばね)、92aはモータ空間79内で低温側中温フラン
ジ78に固定されたヨーク、92bはヨーク92aに密
着固定された永久磁石、92cは低温ディスプレーサロ
ッド31に固定されたコイルであり、ヨーク92aと永
久磁石92bとコイル92cにより低温ディスプレーサ
3を往復駆動するリニアモータ92が構成されている。
【0140】次に動作について説明する。本実施例15
の動作は、前記実施例7と同じであり、実施例7と同様
な効果を奏する。
【0141】前記実施例5から14のヴィルミエヒート
ポンプでは、モータを高温ディスプレーサ2、低温ディ
スプレーサ3、中温空間5、7、低温空間6、高温空間
4のいずれかに内包しているため、モータに供給された
電気入力が低温空間6に流れた場合は熱損失となり、中
温空間5、7に流れた場合は中温空間のガス温度が高く
なり効率が低下することになるが、本実施例15では、
リニアモータ92に供給された電気入力が低温空間6に
は流入せず、また中温空間5。7にも流入しにくいた
め、効率が低下しない効果がある。
【0142】さらに、リニアモータ92を、高温ディス
プレーサ2、低温ディスプレーサ3、高温空間4、中温
空間5、7、低温空間6等と関係ないモータ空間79に
設けるようにしているため、リニアモータ92の大きさ
や構成が制限されないという効果もある。
【0143】実施例16.図16はこの発明(請求項
3、4の発明)の実施例16によるヴィルミエヒートポ
ンプの構成を示す断面図である。図16においては、上
述の従来例および実施例と対応する部分には同一符号を
付して説明を省略する。前記実施例15では、リニアモ
ータ92により低温ディスプレーサ3を駆動するように
構成したが、本実施例16では、リニアモータ93によ
り高温ディスプレーサ2を駆動するようにしている。図
において、93aはモータ空間79内で高温側中温フラ
ンジ77に固定されたヨーク、93bはヨーク93aに
密着固定された永久磁石、93cは高温ディスプレーサ
ロッド24に固定されたコイルであり、ヨーク93aと
永久磁石93bとコイル93cにより高温ディスプレー
サ2を往復駆動するリニアモータ93が構成されてい
る。この実施例16は、上記実施例15と同様の効果を
奏する。
【0144】実施例17.図17はこの発明(請求項
3、4の発明)の実施例17によるヴィルミエヒートポ
ンプの構成を示す断面図である。図17においては、上
述の従来例および実施例と対応する部分には同一符号を
付して説明を省略する。前記実施例15と16では、リ
ニアモータ92により低温ディスプレーサ3、あるいは
リニアモータ93により高温ディスプレーサ2を駆動す
るように構成したが、本実施例17では、2組のリニア
モータ92、93を高温側中温空間5と低温側中温空間
7の間に確保したモータ空間79に内包し、高温ディス
プレーサ2と低温ディスプレーサ3の両方を駆動するよ
うにしている。この場合は、上記実施例15と16と同
様の効果を奏する。
【0145】実施例18.図18はこの発明(請求項
3、4の発明)の実施例18によるヴィルミエヒートポ
ンプの構成を示す断面図である。図18においては、上
述の従来例および実施例と対応する部分には同一符号を
付して説明を省略する。図18において、64は低温空
間6の外側に設けられシリンダ1に固定されたケース、
65はケース64とシリンダ1の外面とで囲まれたモー
タ空間、69は低温ディスプレーサ3の低温空間6側に
突設されシリンダ1の壁を突き抜けた連結ロッド、66
は連結ロッド69が往復摺動可能なようにモータ空間6
5と低温空間6とを連通遮断するシール、99aはケー
ス64に固定されたヨーク、99bはヨーク99aに密
着固定された永久磁石、99cは連結ロッド69に固定
されたコイルであり、ヨーク99aと永久磁石99bと
コイル99cにより、低温ディスプレーサ3を往復駆動
するリニアモータ99が構成されている。
【0146】次に動作について説明する。本実施例18
の動作は、前記実施例6と同じであり、実施例6と同様
な効果を奏する。また、モータ空間65をシリンダ1外
に設けるので、リニアモータ99の大きさや構成が制限
されない効果もある。また、リニアモータ99が発熱し
ても、低温空間6に隣接しているため、冷却されて永久
磁石99Bの減磁が少なく、モータ性能の低下も起こり
にくい効果もある。
【0147】実施例19.図19はこの発明(請求項
3、4の発明)の実施例19によるヴィルミエヒートポ
ンプの構成を示す断面図である。図19においては、上
述の従来例および実施例と対応する部分には同一符号を
付して説明を省略する。図19において、102は高温
空間4の外側に設けられシリンダ1に固定されたケー
ス、105はシリンダ1の外面とケース102で囲まれ
たモータ空間、104は高温ディスプレーサ2の高温空
間4側に突設されシリンダ1の壁を突き抜けたロッド、
106はロッド104が往復摺動可能なように高温空間
4とモータ空間105とを連通遮断するシール、103
aはモータ空間105内でケース102に固定されたヨ
ーク、103bはヨーク103aに密着固定された永久
磁石、103cはロッド104に固定されたコイルであ
り、ヨーク103aと永久磁石103bとコイル103
cにより、高温ディスプレーサ2を往復駆動するリニア
モータ103が構成されている。
【0148】次に動作について説明する。本実施例19
の動作は、前記実施例7と同じであり、実施例7と同様
な効果を奏する。また、前記実施例15から18のヴィ
ルミエヒートポンプと同様に、リニアモータ103を、
高温ディスプレーサ2、低温ディスプレーサ3、高温空
間4、中温空間5、7、低温空間6に内蔵せず、別に設
けたモータ空間105に収容するので、リニアモータ1
03の大きさや構成が制限されない効果もある。また、
前記実施例14と同様に、低温熱源としてマイナス数十
℃以下の低温を利用し、低温空間と中温空間がマイナス
数十℃となり、高温空間が常温付近となる場合に適用す
るのに好適であり、リニアモータ103の発熱が低温空
間6に熱損失として入り込まなくなるため、効率が高く
なる効果がある。
【0149】なお、以上の実施例においては、リニアモ
ータの可動部と固定部の一方をディスプレーサ側、他方
をシリンダ側に固定することにより、シリンダに対して
ディスプレーサを駆動するようにしているが、両ディス
プレーサの一方にリニアモータの可動部を取り付け、他
方にリニアモータの固定部を取り付け、両ディスプレー
サを相対移動するようにしてもよい。
【0150】実施例20.図20はこの発明(請求項5
の発明)の実施例20によるヴィルミエヒートポンプの
構成を示す断面図である。図20においては、上述の従
来例および実施例と対応する部分には同一符号を付して
説明を省略する。図20において、37は高温ディスプ
レーサ2に連結固定された連結ロッドである。この連結
ロッド37は、シリンダ1に固定された高温ディスプレ
ーサロッド15および低温ディスプレーサロッド17を
貫通し、その先端が低温ディスプレーサ内部空間23内
に突出している。そして、この連結ロッド37の先端
が、低温ディスプレーサ内部空間23内で、連結ばね3
8を介して低温ディスプレーサ3に連結されている。ま
た、高温ディスプレーサ内部空間30内において、高温
ディスプレーサ3が高温側機械ばね34により、シリン
ダ1に固定された高温ディスプレーサロッド15に連結
されている。
【0151】本実施例20のヴィルミエヒートポンプで
は、高温ディスプレーサ2をシリンダ1に連結固定する
高温側機械ばね34を、高温ディスプレーサ内部空間3
0に備え、低温ディスプレーサ3をシリンダ1に連結固
定する低温側機械ばね28と、高温ディスプレーサ2と
低温ディスプレーサ3を連結する連結ばね38とを低温
ディスプレーサ内部空間23に備えたので、高温ディス
プレーサ2や低温ディスプレーサ3の内部を有効に利用
できる効果がある。
【0152】実施例21.図21はこの発明(請求項5
の発明)の実施例21によるヴィルミエヒートポンプの
構成を示す断面図である。図21においては、上述の従
来例および実施例と対応する部分には同一符号を付して
説明を省略する。図21において、63は高温ディスプ
レーサ2と低温ディスプレーサ3とを、中温空間5内に
おいて連結する連結ばねである。
【0153】本実施例21のヴィルミエヒートポンプで
は、前記実施例7に示すように低温ディスプレーサ内部
空間23に、高温ディスプレーサ2と低温ディスプレー
サ3を連結する連結ばねを設けずに、高温ディスプレー
サ2と低温ディスプレーサ3を、中温空間5内において
連結ばね63を介して連結するようにしており、上記実
施例7と同様の効果を奏する。
【0154】また、上記実施例7に比べて、低温ディス
プレーサ3に内包する機械ばねが少なくなるので、低温
ディスプレーサ3を小さくすることができ、したがっ
て、低温ディスプレーサ3の重量が軽くなり、低温ディ
スプレーサの往復運動に伴う振動発生が少なくなる効果
がある。
【0155】実施例22.図22はこの発明(請求項5
の発明)の実施例22によるヴィルミエヒートポンプの
構成を示す断面図である。図22においては、上述の従
来例および実施例と対応する部分には同一符号を付して
説明を省略する。図22において、76は高温ディスプ
レーサロッド24に連結された連結ロッドである。
【0156】本実施例22のヴィルミエヒートポンプで
は、前記実施例7に示すように低温ディスプレーサ内部
空間23に高温ディスプレーサ2をシリンダ1に連結固
定する機械ばね27を設けずに、高温側中温空間5と低
温側中温空間7との間にモータ空間79を設け、高温デ
ィスプレーサ2をこのモータ空間79内で高温側中温フ
ランジ77に、高温側機械ばね80を介して連結するよ
うにしている。また、連結ロッド76は、低温ディスプ
レーサロッド17を貫通し、低温ディスプレーサ内部空
間23内で、連結ばね29を介して低温ディスプレーサ
3と連結されている。82は連結ロッド76の摺動を許
しかつモータ空間79と低温側中温空間7とを連通遮断
するシールである。
【0157】次に動作について説明する。本実施例22
では、上記実施例7と同様の効果を奏する。また、上記
実施例7に比べて、低温ディスプレーサ3に内包する機
械ばねが少なくなるので、低温ディスプレーサ3を小さ
くすることができ、したがって、低温ディスプレーサ3
の重量が軽くなり、低温ディスプレーサ3の往復運動に
伴う振動発生が少なくなる効果がある。
【0158】また、機械ばねを高温ディスプレーサ2や
低温ディスプレーサ3または動作空間に内包する場合、
高温ディスプレーサ2や低温ディスプレーサ3を小さく
したり、動作空間における死容積を小さくするため、機
械ばねの大きさも可能な限り小さくする必要があるなど
構成の制限があるが、本実施例では、上記機械ばねを内
包するモータ空間79を動作空間とは別に設けるので、
機械ばねの大きさや構成に制限が無くなり自由な機械ば
ねの設計が可能となる効果もある。
【0159】実施例23.図23はこの発明(請求項5
の発明)の実施例23によるヴィルミエヒートポンプの
構成を示す断面図である。図23においては、上述の従
来例および実施例と対応する部分には同一符号を付して
説明を省略する。図において、61は高温ディスプレー
サ2とシリンダ1を連結する高温側機械ばねである。こ
の機械ばね61は、実施例7のように低温ディスプレー
サ内部空間23に配置するのではなく、高温側中温空間
5内に配置している。
【0160】本実施例23によるヴィルミエヒートポン
プの動作は、前記実施例7と同じであり、実施例7と同
様の効果を奏する。また、本実施例23のヴィルミエヒ
ートポンプでは、低温ディスプレーサロッドがシリンダ
1に固定されたロッドであるため、往復運動する低温デ
ィスプレーサ3の重量を軽くすることができ、したがっ
て、振動を少なくする効果がある。
【0161】実施例24.図24はこの発明(請求項5
の発明)の実施例24によるヴィルミエヒートポンプの
構成を示す断面図である。図24においては、上述の従
来例および実施例と対応する部分には同一符号を付して
説明を省略する。図において、低温ディスプレーサ3か
ら上に延びる低温ディスプレーサロッド31は、高温デ
ィスプレーサロッド25を貫通して高温ディスプレーサ
内部空間30にまで達し、この内部空間30内におい
て、低温ディスプレーサロッド31の先端が高温ディス
プレーサ2に連結ばね36を介して連結されている。ま
た、低温ディスプレーサロッド31の先端は、高温ディ
スプレーサ内部空間30内で低温側機械ばね35を介し
て、シリンダ1に固定された高温ディスプレーサロッド
15に連結されている。また、高温ディスプレーサ2
は、高温ディスプレーサ内部空間30内に収容した高温
側機械ばね34を介して、シリンダ1に固定された高温
ディスプレーサロッド15に連結されている。
【0162】本実施例24によるヴィルミエヒートポン
プの動作は、前記実施例9と同じであり、実施例9と同
様の効果を奏する。また、本実施例24のヴィルミエヒ
ートポンプでは、高温ディスプレーサロッドがシリンダ
1に固定されたロッドであるため、往復運動する高温デ
ィスプレーサ2の重量を軽くすることができ、したがっ
て、振動を少なくする効果がある。
【0163】実施例25.図25はこの発明(請求項5
の発明)の実施例25によるヴィルミエヒートポンプの
構成を示す断面図である。図25においては、上述の従
来例および実施例と対応する部分には同一符号を付して
説明を省略する。この実施例25のヴィルミエヒートポ
ンプは、実施例20のヴィルミエヒートポンプの連結ば
ね38の代わりに、中温空間5、7に、連結ばね63を
実施例21のように配置したものである。
【0164】本実施例25によるヴィルミエヒートポン
プの動作は、前記実施例7と同じであり、実施例7と同
様の効果を奏する。また、本実施例25のヴィルミエヒ
ートポンプでは、高温ディスプレーサ2の高温ディスプ
レーサロッドがシリンダ1に固定されたロッドであり、
低温ディスプレーサ3の低温ディスプレーサロッドがシ
リンダ1に固定されたロッドであるため、往復運動する
高温ディスプレーサ2と低温ディスプレーサ3の重量を
軽くすることができ、したがって、振動を少なくする効
果がある。
【0165】実施例26.図26はこの発明(請求項6
の発明)の実施例26によるヴィルミエヒートポンプの
構成を示す断面図である。図26においては、上述の従
来例および実施例と対応する部分には同一符号を付して
説明を省略する。図26において、41は低温空間6内
でシリンダ1に固定され低温ディスプレーサ3の低温側
を貫通する固定ロッド、42は固定ロッド41が往復摺
動可能なように低温ディスプレーサ3に固定され低温空
間6と低温ディスプレーサ内部空間23とを連通遮断す
るシール、43は高温ディスプレーサ2を高温ディスプ
レーサロッド24を介して固定ロッド41に連結する機
械ばね、44は低温ディスプレーサ3を固定ロッド41
に連結する機械ばね、45は高温ディスプレーサロッド
24が往復摺動可能なように低温ディスプレーサ3に固
定され中温空間7と低温ディスプレーサ内部空間23と
を連通遮断するシールである。
【0166】本実施例は、前記実施例25における高温
ディスプレーサロッド15と低温ディスプレーサロッド
17の代わりに、共通のディスプレーサロッド24を設
けて高温ディスプレーサ2に連結したものである。
【0167】したがって、本実施例26によるヴィルミ
エヒートポンプの基本的な動作は前記実施例25と同じ
であり、ディスプレーサロッドが共用され、構成がシン
プルになる効果がある。
【0168】また、振動系の構成の都合により、高温デ
ィスプレーサ2を重く、低温ディスプレーサ3を軽くす
る必要がある場合には有利な構成となる効果がある。
【0169】実施例27.図27はこの発明(請求項7
の発明)の実施例27によるヴィルミエヒートポンプの
構成を示す断面図である。図27においては、上述の従
来例および実施例と対応する部分には同一符号を付して
説明を省略する。図27において、56は低温空間6で
シリンダ1に固定され低温ディスプレーサ3の低温側を
貫通する固定ロッド、57は固定ロッド56が往復摺動
可能なように低温ディスプレーサ3に固定され低温空間
6と低温ディスプレーサ内部空間23とを連通遮断する
シール、58は固定ロッド56が往復摺動可能なように
低温ディスプレーサ内部空間23と高温ディスプレーサ
内部空間30とを連通遮断するシール、59は低温ディ
スプレーサ3を低温ディスプレーサロッド31を介して
固定ロッド56に連結する機械ばね、60は高温ディス
プレーサ2を固定ロッド56に連結する機械ばねであ
る。
【0170】本実施例は、前記実施例26において高温
ディスプレーサ2に連結されていた高温ディスプレーサ
2と低温ディスプレーサ3の共通のディスプレーサロッ
ド(低温ディスプレーサロッド31)を低温ディスプレ
ーサ3に連結するように構成したものであり、基本的な
動作は、前記実施例26と同じである。したがって、本
実施例27のヴィルミエヒートポンプでは、振動系の構
成の都合により、前記実施例26の場合とは逆に、高温
ディスプレーサ2を軽く、低温ディスプレーサ3を重く
する必要がある場合には有利な構成となる効果がある。
【0171】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、機械ばねにより、高温ディスプレーサと低温ディス
プレーサを連結するように構成したので、ガスばねを用
いた場合の損失仕事の発生を全く無くすか、少なくする
ことができる。したがって、この損失仕事のため、ディ
スプレーサ運動のストロークが小さくなって能力が低下
したり、低温空間に熱損失として流れて冷房能力が低下
したりすることがなくなり、効率の低下を抑制すること
ができる。また、ディスプレーサ運動の中心がほとんど
ずれることがなくなり、それによる能力低下や運動停止
を防ぐことができる。さらに、低温ディスプレーサが得
た駆動仕事の一部を機械ばねにより高温ディスプレーサ
に伝達するため、高温ディスプレーサを案内する高温デ
ィスプレーサロッドを細くし、比出力と効率を高くする
こともできるという効果がある。
【0172】請求項2の発明によれば、高温ディスプレ
ーサと低温ディスプレーサの少なくとも一方を機械ばね
でシリンダに連結するように構成したので、ディスプレ
ーサ運動の中心のずれが更に抑えられ、能力が低下した
り、運転不可能となることがなくなるという効果があ
る。
【0173】請求項3の発明によれば、高温ディスプレ
ーサあるいは低温ディスプレーサを駆動するモータを備
えるように構成したので、容易に起動できるようになる
とともに、運転中もモータによる駆動補助により、安定
して運転できるようになるという効果がある。
【0174】請求項4の発明によれば、シリンダを基準
にして高温ディスプレーサまたは低温ディスプレーサを
駆動するように構成したので、独立して高温ディスプレ
ーサまたは低温ディスプレーサ駆動力を与えることがで
きるという効果がある。
【0175】請求項5の発明によれば、高温ディスプレ
ーサロッドおよび低温ディスプレーサロッドの少なくと
も一方をシリンダに固定するように構成したので、固定
した方のディスプレーサの重量を軽減でき、ディスプレ
ーサの往復運動による振動発生を軽減できるという効果
がある。
【0176】請求項6の発明によれば、高温ディスプレ
ーサロッドを高温ディスプレーサに固定し、高温ディス
プレーサロッドを低温ディスプレーサロッドとして共用
するように構成したので、振動系の構成上の都合によ
り、高温ディスプレーサを重くし、低温ディスプレーサ
を軽くすることができ、振動発生を軽減することができ
るという効果がある。
【0177】請求項7の発明によれば、低温ディスプレ
ーサロッドを低温ディスプレーサに固定し、低温ディス
プレーサロッドを高温ディスプレーサロッドとして共用
するように構成したので、振動系の構成上の都合によ
り、低温ディスプレーサを重くし、高温ディスプレーサ
を軽くすることができ、振動発生を軽減することができ
るという効果がある。
【0178】請求項8の発明によれば、ディスプレーサ
の振動系を構成するばねとして機械ばねを用い、ガスば
ねによる仕事損失を除去するように構成したので、損失
仕事のためディスプレーサ運動のストロークが小さくな
って能力が低下したり、低温空間に熱損失として流れて
冷房能力が低下したりすることがなく、効率が低下する
ことが無いという効果がある。
【0179】請求項9の発明によれば、ディスプレーサ
の振動系を構成するばねとして機械ばねとガスばねを併
用し、ガスばねによる仕事損失を減少させるように構成
したので、損失仕事のためディスプレーサ運動のストロ
ークが小さくなって能力が低下したり、低温空間に熱損
失として流れて冷房能力が低下したりすることが軽減さ
れ、効率低下が抑制されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1によるヴィルミエヒートポ
ンプを示す断面図である。
【図2】この発明の実施例2によるヴィルミエヒートポ
ンプを示す断面図である。
【図3】この発明の実施例3によるヴィルミエヒートポ
ンプを示す断面図である。
【図4】この発明の実施例4によるヴィルミエヒートポ
ンプを示す断面図である。
【図5】この発明の実施例5によるヴィルミエヒートポ
ンプを示す断面図である。
【図6】この発明の実施例6によるヴィルミエヒートポ
ンプを示す断面図である。
【図7】この発明の実施例7によるヴィルミエヒートポ
ンプを示す断面図である。
【図8】この発明の実施例8によるヴィルミエヒートポ
ンプを示す断面図である。
【図9】この発明の実施例9によるヴィルミエヒートポ
ンプを示す断面図である。
【図10】この発明の実施例10によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図11】この発明の実施例11によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図12】この発明の実施例12によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図13】この発明の実施例13によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図14】この発明の実施例14によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図15】この発明の実施例15によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図16】この発明の実施例16によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図17】この発明の実施例17によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図18】この発明の実施例18によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図19】この発明の実施例19によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図20】この発明の実施例20によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図21】この発明の実施例21によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図22】この発明の実施例22によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図23】この発明の実施例23によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図24】この発明の実施例24によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図25】この発明の実施例25によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図26】この発明の実施例26によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図27】この発明の実施例27によるヴィルミエヒー
トポンプを示す断面図である。
【図28】従来のヴィルミエヒートポンプの断面図であ
る。
【図29】従来のヴィルミエヒートポンプの特性を説明
するための高温ディスプレーサと低温ディスプレーサの
運動と作動ガスの圧力変動の特性図である。
【図30】従来のヴィルミエヒートポンプの特性を説明
するための高温空間におけるP−V線図である。
【図31】従来のヴィルミエヒートポンプの特性を説明
するための高温側中温空間におけるP−V線図である。
【図32】従来のヴィルミエヒートポンプの特性を説明
するための低温側中温空間におけるP−V線図である。
【図33】従来のヴィルミエヒートポンプの特性を説明
するための低温空間におけるP−V線図である。
【図34】他の従来のヴィルミエヒートポンプの断面構
成図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 1a 高温側シリンダ 1b 低温側シリンダ 2 高温ディスプレーサ 3 低温ディスプレーサ 4 高温空間 5 高温側中温空間 6 低温空間 7 低温側中温空間 8 ヒータ 9 高温側再生器 10 高温側中温部熱交換器 12 低温部熱交換器 13 低温側再生器 14 低温側中温部熱交換器 15,24 高温ディスプレーサロッド 17 低温ディスプレーサロッド 27,35 高温側機械ばね 28,34 低温側機械ばね 29,36,38,63,87 連結ばね(機械ばね) 31 低温ディスプレーサロッド 41,56 固定ロッド 43,44,59,60,80,84 機械ばね 88〜94,99〜101,103 リニアモータ(モ
ータ) 76 連結ロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野沢 栄治 中津川市駒場町1番3号 三菱電機株式会 社中津川製作所内 (72)発明者 吉田 整司 中津川市駒場町1番3号 三菱電機株式会 社中津川製作所内 (72)発明者 福田 光男 中津川市駒場町1番3号 三菱電機株式会 社中津川製作所内 (72)発明者 筈見 公一 中津川市駒場町1番3号 三菱電機株式会 社中津川製作所内 (72)発明者 宇都宮 敬一郎 中津川市駒場町1番3号 三菱電機株式会 社中津川製作所内 (72)発明者 藤城 明弘 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 藤原 通雄 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温側シリンダおよび低温側シリンダを
    直列に配置したシリンダと、上記高温側シリンダの内部
    を往復動する高温ディスプレーサと、上記低温側シリン
    ダの内部を往復動する低温ディスプレーサとを備え、上
    記高温側シリンダ内に上記高温ディスプレーサで分けら
    れる高温空間と高温側中温空間を備えると共に、上記低
    温側シリンダ内に上記低温ディスプレーサで分けられる
    低温空間と低温側中温空間を備え、上記高温空間と上記
    高温側中温空間はヒータ、高温側再生器、高温側中温部
    熱交換器を介して連結され、上記低温空間と上記低温側
    中温空間は低温部熱交換器、低温側再生器、低温側中温
    部熱交換器を介して連結され、上記高温側中温空間と低
    温側中温空間が互いに連通されたヴィルミエヒートポン
    プにおいて、上記高温ディスプレーサと上記低温ディス
    プレーサとが機械ばねで相互に連結されていることを特
    徴とするヴィルミエヒートポンプ。
  2. 【請求項2】 上記高温ディスプレーサおよび上記低温
    ディスプレーサの少なくとも一方が、機械ばねを介して
    上記シリンダに連結されていることを特徴とする請求項
    1記載のヴィルミエヒートポンプ。
  3. 【請求項3】 上記高温ディスプレーサと上記低温ディ
    スプレーサとを前記往復動方向に相対移動させるモータ
    を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のヴィ
    ルミエヒートポンプ。
  4. 【請求項4】 上記高温ディスプレーサおよび上記低温
    ディスプレーサの少なくとも一方を上記シリンダに対し
    て相対的に往復駆動させるモータを備えたことを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載のヴィルミエヒート
    ポンプ。
  5. 【請求項5】 上記高温ディスプレーサの往復動作を案
    内する高温ディスプレーサロッドおよび上記低温ディス
    プレーサの往復動作を案内する低温ディスプレーサロッ
    ドを備え、これら高温ディスプレーサロッドおよび低温
    ディスプレーサロッドの少なくとも一方を上記シリンダ
    に固定したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載のヴィルミエヒートポンプ。
  6. 【請求項6】 上記高温ディスプレーサロッドを上記高
    温ディスプレーサに固定し、上記高温ディスプレーサロ
    ッドを上記低温ディスプレーサロッドとして共用するこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のヴィル
    ミエヒートポンプ。
  7. 【請求項7】 上記低温ディスプレーサロッドを上記低
    温ディスプレーサに固定し、上記低温ディスプレーサロ
    ッドを上記高温ディスプレーサロッドとして共用するこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のヴィル
    ミエヒートポンプ。
  8. 【請求項8】 上記ディスプレーサの振動系を構成する
    ばねとして機械ばねを用い、ガスばねによる仕事損失を
    除去したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記
    載のヴィルミエヒートポンプ。
  9. 【請求項9】 上記ディスプレーサの振動系を構成する
    ばねとして機械ばねとガスばねを併用し、ガスばねによ
    る仕事損失を減少させたことを特徴とする請求項1〜7
    のいずれかに記載のヴィルミエヒートポンプ。
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