JPH072687B2 - トラン化合物及び液晶組成物 - Google Patents

トラン化合物及び液晶組成物

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JPH072687B2
JPH072687B2 JP63045500A JP4550088A JPH072687B2 JP H072687 B2 JPH072687 B2 JP H072687B2 JP 63045500 A JP63045500 A JP 63045500A JP 4550088 A JP4550088 A JP 4550088A JP H072687 B2 JPH072687 B2 JP H072687B2
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博史 星野
博史 林
豊一 中村
裕司 加藤
省平 苗村
秀男 一ノ瀬
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は液晶化合物及び該化合物を含有する液晶組成物
に関する。
[従来の技術] 従来、強誘電性を示すトラン化合物として、たとえば
4′−デシルオキシ−4−(2−メチルブチルオキシカ
ルボニル)トラン(たとえば特開昭62-228043号公報)
が知られている。
[発明の目的] 本発明者らは、前記従来の化合物よりも強誘電性を示す
温度範囲のさらに広いトラン化合物、あるいは液晶組成
物の構成成分として有用なトラン化合物および該トラン
化合物を含有する液晶組成物について鋭意検討した結
果、本発明に到達した。
[発明の目的を達成するための手段] すなわち、本発明は一般式 〔式中、Rは炭素数3〜18のアルキル基である。Xは−
0−または単結合(直接結合)である。A1、A2はF、C
l、−CN、−NO2および−CF3からなる群より選ばれる置
換基で置換されていてもよいフェニレン基またはビフェ
ニレン基であり、A1とA2が同時にフェニレン基となるこ
とはない。nは2〜7の整数である。R′は炭素数2〜
10の直鎖アルキル基である。また、*印は光学活性であ
ることを表す。〕で示されるトラン化合物及び一般式
(1)で示されるトラン化合物の少なくとも一種を配合
成分として含有することを特徴とするカイラルスメクチ
ック相を呈する液晶組成物である。
本発明のトラン化合物には、単独で液晶状態が観察でき
るものと、単独では液晶状態を観察できなくても液晶組
成物の構成成分として有用な物質が含まれる。
一般式(1)において、Rの炭素数3〜18のアルキル基
としては直鎖アルキル基(プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシ
ル基、オクタデシル基など)、分岐アルキル基(1−メ
チルプロピル基、1−メチルブチル基、1−メチルヘプ
チル基、2−メチルブチル基、2−メチルペンチル基、
2−メチルヘキシル基、2−メチルヘプチル基、2−メ
チルオクチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペ
ンチル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘプチル
基、6−メチルオクチル基、7−メチルノニル基、8−
メチルデシル基、9−メチルデシル基など)、置換基を
有するアルキル基〔たとえばClで置換されたアルキル基
(2−クロロプロピル基、2−クロロブチル基、2−ク
ロロペンチル基、2−クロロヘキシル基、2−クロロヘ
プチル基、2−クロロオクチル基、1−クロロ−2−メ
チルプロピル基、1−クロロ−2−メチルブチル基、1
−クロロ−3−メチルブチル基など)、Fで置換された
アルキル基(2−フルオロプロピル基、2−フルオロブ
チル基、2−フルオロペンチル基、2−フルオロヘキシ
ル基、2−フルオロヘプチル基、2−フルオロオクチル
基、1−フルオロ−2−メチルプロピル基など)、アル
キルオキシ基で置換されたアルキル基(2−メトキシプ
ロピル基、2−エトキシプロピル基、2−プロピルオキ
シプロピル基、3−メトキシブチル基、3−エトキシブ
チル基、3−プロピルオキシブチル基、4−メトキシペ
ンチル基、4−エトキシペンチル基、4−プロピルオキ
シペンチル基など)など〕が挙げられる。これらのアル
キル基(分岐、置換アルキル基)は光学活性な基でも光
学活性でない基でもよい。これらのうち、好ましくは炭
素数6〜18の直鎖アルキル基である。
Xは好ましくは−0−である。
A1、A2としては、1〜4個までのFで置換されていても
よい、またはCl、−CN、−NO2および−CF3からなる群よ
り選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよ
いフェニレン基またはビフェニレン基が挙げられる。た
だし、A1、A2が共に置換基を有しない場合には、A1、A2
同時にフェニレン基となることはない。
A1、A2のうち好ましいものは、1〜4個までのFにより
置換されているフェニレン基またはビフェニレン基であ
り、強誘電性を示す温度範囲が室温付近にあるという点
を考慮すると、特に好ましいものは1〜4個までのFに
より置換されているフェニレン基である。
nは好ましくは2〜5の整数である。nが2未満ではカ
イラルスメクチックC相(以下、Sc*相と略記)の温度
範囲が狭く、5を越えると原料の光学活性アルコールが
入手し難く、かつSc*相より低温側に別のスメクチック
相が出現し易くなるため好ましくない。
R′の炭素数2〜10の直鎖アルキル基としては、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙
げられる。これらのうち、光学活性アルコール入手の容
易さを考慮すると、好ましくはエチル基である。
一般式(1)で示される化合物の具体例としては、表−
1に示すような基を有する化合物が挙げられる。
一般式(1)で示される化合物は単独で使用してもよい
が、たとえば二種以上の混合物として使用するのが好ま
しい。
一般式(1)の化合物は、たとえば次の工程を経て合成
できる(特願昭62-210719号明細書参照)。下記式中、
R、X、nおよびR′は一般式(1)の場合と同一であ
る。k、lは1または2、p、qは0〜4の整数、但し
p+q≦4である。
本発明の液晶組成物は、一般式(1)で示される化合物
の少なくとも一種を配合成分として含有する。液晶化合
物には、本発明の一般式(1)の化合物以外のカイラル
スメクチック液晶、たとえば特開昭62-135449号公報記
載の一般式(1)の化合物、特開昭62-228043号公報記
載の一般式(1)の化合物、4−n−アルキルオキシ−
4′−ビフェニルカルボン酸−p′−(2−メチルブト
キシカルボニル)フェニルエステル、4−n−アルキル
オキシ−4′−ビフェニルカルボン酸−2−メチルブチ
ルエステル、p−アルキルオキシベンジリデン−p′−
アミノ−2−クロロ−プロピルシンナメート、p−アル
キルオキシベンジリデン−p′−アミノ−2−メチルブ
チルシンナメートなどの強誘電性液晶、および/または
4−(p−アルキルオキシビフェニル−p′−オキシカ
ルボニル)−4′−(2−メチルブチルオキシカルボニ
ル)−シクロヘキサン、p−n−アルキルオキシベンジ
リデン−p′−(2−メチルブチルオキシカルボニル)
アニリンなどの通常のカイラルスメクチック液晶、およ
び/または4−n−アルキルオキシ−4′−ビフェニル
カルボン酸−p′−(n−アルキルオキシカルボニル)
フェニルエステル、4−n−アルキルオキシ−4′−ビ
フェニルカルボン酸−n−アルキルエステルなどのスメ
クチック液晶を含有していてもよい。また2色性色素、
たとえばアントラキノン系色素、アゾ系色素などを含ん
でいてもよい。
液晶組成物の配合例を示せば下記の通りである。
(I)一般式(1)の化合物:30〜100重量%(好ましく
は40〜80重量%) (II)他のカイラルスメクチック液晶:0〜70重量%(好
ましくは30〜60重量%) (III)他のスメクチック液晶:0〜60重量%(好ましく
は30〜50重量%) (IV)2色性色素:0〜5重量% 本発明の液晶組成物は、カイラルスメクチック相、たと
えばカイラルスメクチックC相(Sc*相)を示す温度範
囲の上限(すなわちSc*相からスメクチックA相または
カイラルネマチック相または等方性液体相に変わる温
度)が通常60〜70℃、また、その下限(すなわち固体か
らSc*相に変わる温度)が通常−10〜0℃であり、この
範囲において強誘電性を示す。強誘電性を示す液晶は、
電圧印加により光スイッチング現象を起こし、これを利
用した応答の速い表示素子を作製できる〔たとえば特開
昭56-107216号公報、特開昭59-118744号公報、エヌ エ
ー クラーク(N.A.Clark)、エス ティー ラガウォ
ール(S.T.Lagerwall);アプライド フィジックス
レター(Applied Physics Letter)36,899(1980)な
ど〕。
本発明の液晶組成物は、セル間隔0.5〜10μm、好まし
くは0.5〜3μmの液晶セルに真空封入し、両側偏光子
を設置することにより光スイッチング素子(表示素子)
として使用できる。
上記液晶セルは透明電極を設け、表面を配向処理した2
枚のガラス基板をスペーサーを挟んで貼り合わせること
によって作製することができる。上記スペーサーとして
は、アルミナビーズ、ガラスファイバー、ポリイミドフ
ィルムなどが挙げられる。配向処理方法としては、通常
の配向処理、たとえばポリイミド膜、ラビング処理、Si
O斜め蒸着などが適用できる。
[実施例] 以下、本発明を実施例により更に説明するが、本発明は
これに限定されない。以下の実施例において、%は重量
%を示す。
以下の説明における、相転移温度およびPsの値は測定方
法や純度により若干の変動を伴うものである。
実施例1 (1)p−デシルオキシフエニルアセチレンの合成 (i)ジメチルスルホキシド60ml中にp−ヨードフエノ
ール8.8g、n−デシルブロマイド9gおよび水酸化カリウ
ム2.7gを加え、室温にて一昼夜攪拌後、水中に投じ、ト
ルエン100mlで抽出した。水洗、乾燥後、シリカゲルを
つめた短いカラムを通し、ヘキサンを留去して、液状の
下記化合物を13gを得た。
(ii)この化合物10.8gをプロパギルアルコール1.7gと
ともにトリエチルアミン30mlに溶解し、ヨウ化銅114m
g、ジクロロビス(トリフエニルホスフイン)パラジウ
ム(II)210mgを加え二昼夜攪拌後、水中に投じ、エー
テル120mlで抽出した。希塩酸、水、炭酸水素ナトリウ
ム水溶液で洗浄、乾燥後、エーテルを留去した。ヘキサ
ンに溶解し、活性アルミナの短いカラムを通し、ヘキサ
ンを留去後、ヘキサンで再結晶し、下記化合物4.2gを得
た。
(iii)この化合物4.0gをベンゼン30mlに溶解し、二酸
化マンガン2.4g、水酸化カリウム1.0gを加え1時間攪拌
した。固形物を別し、ベンゼンを留去した後、ヘキサ
ンに溶解し、活性アルミナの短いカラムを通し、ヘキサ
ンを留去して、液状のp−デシルオキシフエニルアセチ
レン2.6gを得た。
(2)光学活性なp−ヨード−o−フルオロ−安息香酸
4−メチルヘキシルエステルの合成 (i)濃塩酸、水、氷の混合溶液(1:1:2)400gの中へ
市販のp−アミノ−o−フルオロトルエン25gを入れて
氷冷した不均一溶液に、亜硝酸ナトリウム15gを溶かし
た水溶液100mlを滴下した。滴下終了1時間後にヨウ化
カリウム35gを水50mlに溶かした水溶液を加え、室温に
戻した。室温でさらに2時間攪拌後、有機層をエーテル
抽出した。エーテル層を亜硫酸水素ナトリウム水、炭酸
水素ナトリウム水、水で洗浄し、乾燥後、減圧でエーテ
ルを除去した。減圧蒸留することにより目的物のp−ヨ
ード−o−フロオロトルエン(沸点:99〜102℃/40mmH
g)27gを得た。
(ii)水200mlとピリジン150mlの混合溶液に(i)で合
成したp−ヨード−o−フルオロトルエン25gを加えて
加熱還流した。この中へ過マンガン酸カリウム45gを数
回に分けて投入し、投入終了後、さらに1時間還流を続
けた。未反応p−ヨード−o−フルオロトルエンを蒸留
により除いた後、冷却した。冷却後、過により二酸化
マンガンを除き、得られた無色透明の水溶液に濃塩酸を
加え、酸性にして白色の沈澱物を得た。沈澱物を過し
乾燥後、トルエンで再結晶することにより目的物である
p−ヨード−o−フルオロ安息香酸10.3gを得た。
(iii)p−ヨード−o−フルオロ安息香酸3.0gと塩化
チオニル5mlを還流下に6時間加熱し、過剰の塩化チオ
ニルを留去して、p−ヨード−o−フルオロ安息香酸塩
化物を得た。このものは特に精製せず、トルエン溶液と
して次の段階で使用した。一方、光学活性4−メチルヘ
キサノール1.3gとピリジン1.0gをトルエン20mlに溶かし
たものを氷冷しておき、そこへ上記の酸塩化物のトルエ
ン溶液を攪拌下に約30分で滴下し、更に90℃の湯浴上で
5時間攪拌した。冷却後、6N塩酸および水を加えて酸性
とし、分液して有機層を取り、水洗、飽和炭酸水素ナト
リウム水による洗浄、水洗を経てからトルエンを減圧で
除去した後、ヘキサン可溶部をシリカゲルカラムで精製
し、光学活性p−ヨード−o−フルオロ安息香酸4−メ
チルヘキシルエステル3.7gを得た。
(3)表−1中、No.1の化合物の合成 p−デシルオキシフエニルアセチレン1.3gを光学活性p
−ヨード−o−フルオロ安息香酸−4−メチルヘキシル
エステル2.0gと共にトリエチルアミン20mlに溶解し、窒
素置換後、ヨウ化銅(I)19mg、ジクロロビス(トリフ
エニルホスフイン)パラジウム(II)35mgを加え、一昼
夜攪拌後、水中に投じ、エーテル100mlで抽出した。希
塩酸、水で洗浄し、乾燥後エーテルを留去した。ヘキサ
ンに溶解し、活性アルミナの短いカラムを通し、ヘキサ
ンを留去後、エタノールで再結晶し、表−1のNo.1の化
合物1.6g(収率65%、p−デシルオキシフエニルアセチ
レン基準)を得た。
上記化合物のIR−スペクトル、H-NMRスペクトルおよびF
-NMRスペクトルをそれぞれ第1図、第2図および第3図
に示す。
実施例2 (1)p−n−デシルオキシ−m−フルオロフエニルア
セチレンの合成 (i)水350ml中にo−フルオロフエノール24.5gおよび
水酸化カリウム14.4gを加え、10℃以下に冷却した後、
ヨウ素55.6gを加えて一昼夜攪拌した。生成したオイル
をエーテル抽出してチオ硫酸ナトリウム水溶液および水
で洗浄した後、エーテルを留去し、次いで減圧蒸留し
て、液状のp−ヨード−o−フルオロフエノール(沸
点:155〜157℃/5mmHg)16gを得た。
(ii)この化合物3.0gをジメチルスルホキシド30mlに溶
かし、水酸化カリウム0.83g、n−デシルブロマイド2.7
gを加えて室温で一昼夜攪拌した後、水中に投じ、ヘキ
サン100mlで抽出した。水洗、乾燥後、シリカゲルカラ
ムを詰めた短いカラムを通し、ヘキサンを留去して、液
状のp−n−デシルオキシ−m−フルオロヨードベンゼ
ン3.9gを得た。
この化合物3.9gを、プロパルギルアルコール0.7gととも
にトリエチルアミン10mlに溶解し、ヨウ化銅40.0mg、ジ
クロロビス(トリフエニルホスフイン)パラジウム(I
I)85.0mgを加え、一昼夜攪拌した後、水中に投じ、エ
ーテル50mlで抽出した。希塩酸、水、炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、水で洗浄、乾燥後、エーテルを留去し、ヘキ
サンに溶かして、活性アルミナの短いカラムを通し、ヘ
キサンを留去して、下記の化合物2.4gを得た。
(iii)この化合物2.4gをベンゼン30mlに溶解し、二酸
化マンガン2.4g、水酸化カリウム1.0gを加え、1時間攪
拌した。固形物を別し、ベンゼンを留去した後、ヘキ
サンに溶解して、活性アルミナの短いカラムを通し、ヘ
キサンを留去して、液状のp−n−デシルオキシ−m−
フルオロフエニル−アセチレン2.0gを得た。
(2)光学活性なp−ヨード安息香酸4−メチルヘキシ
ルエステルの合成 (i)乾燥ピリジン70ml中に、市販の活性アミルアルコ
ール〔(−)−2−メチル−ブタノール〕10.0gを入
れ、氷冷した後、塩化p−トルエンスルホン酸33.2gを
ゆっくりと加え入れた。塩化p−トルエンスルホン酸を
加えた後、ゆっくりと室温に戻しながら、一昼夜反応さ
せた。反応終了後、不溶物を別し、液をエーテル抽
出した。有機層を2N塩酸、飽和食塩水で洗浄し、乾燥
後、減圧下で有機溶媒を留去し、油状のp−トルエンス
ルホン酸2−メチルブチルエステル33.6gを得た。
(ii)乾燥エタノール120ml中に金属ナトリウム5.4gを
加えアルコラートを合成した。このエタノール溶液中に
マロン酸ジエチルを室温下、ゆっくりと滴下した。滴下
終了30分後、(i)で得られたp−トルエンスルホン酸
2−メチルブチルエステルを乾燥エタノール20mlに溶か
したものを室温下、ゆっくり滴下した。滴下終了後、さ
らに還流下に18時間反応させ、沈澱物を別した後、エ
タノールを留去し、エーテル抽出した。この有機層を
水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、エーテルを除去し
た。得られた油状物を減圧蒸留して2−メチルブチルマ
ロン酸ジエチルエステル(沸点:101〜103℃/4mmHg)50g
を得た。
(iii)50%水酸化カリウム水溶液100ml中に、2−メチ
ルブチルマロン酸ジエチルエステル50gを室温で滴下し
た。滴下後、さらに還流下で2時間反応させ、生成して
くるエタノールを留去した。エタノール分取後、冷却
し、氷冷下に濃硫酸100gと水150mlを激しく攪拌しなが
ら注意深く加えた。40分にわたって加えた後、3時間加
熱還流した。冷却後、エーテル抽出し、飽和食塩水で洗
浄、乾燥後、減圧下で有機溶媒を留去し、油状物を得
た。これを減圧蒸留し、11.5gの4−メチルヘキサン酸
(沸点:100〜102℃/4mmHg)を得た。
(iv)乾燥エーテル100ml中に水素化リチウムアルミニ
ウム3.8gを加え、氷冷下、乾燥エーテル20mlに溶かした
4−メチルヘキサン酸10.0gを滴下した。滴下後、さら
に室温で17時間反応させ、氷冷下に氷水と希塩酸を用い
反応混合物を分解し、これをエーテル抽出した。有機層
を1N水酸化ナトリウム水、水、飽和食塩水で洗浄後、乾
燥して、エーテルを除去した後、減圧蒸留することによ
り光学活性な4−メチルヘキサノール(沸点:170〜172
℃)8.5gを得た。
(v)p−ヨード安息香酸2.5gと塩化チオニル5mlを還
流下で6時間加熱し、過剰の塩化チオニルを留去して、
p−ヨード安息香酸塩化物を得た。このものは特に精製
せず、トルエン溶液として次の段階で使用した。一方、
光学活性4−メチルヘキサノール1.1gとピリジン0.8gを
トルエン20mlに溶かしたものを氷冷しておき、そこへ上
記の酸塩化物のトルエン溶液を攪拌下に約30分で滴下
し、更に90℃の湯浴上で5時間攪拌した。冷却後、6N塩
酸および水を加えて酸性とし、分液して有機層を取り、
水洗、飽和炭酸水素ナトリウム水による洗浄、水洗を経
てからトルエンを減圧で除去した後、ヘキサン可溶部を
シリカゲルカラムで精製し、光学活性p−ヨード安息香
酸−4−メチルヘキシルエステル2.9gを得た。
(3)表−1中、No.2の化合物の合成 p−n−デシルオキシ−m−フルオロフエニルアセチレ
ン1.4gを光学活性p−ヨード安息香酸−4−メチルヘキ
シルエステル1.8gと共にトリエチルアミン20mlに溶解
し、窒素置換後、ヨウ化銅(I)19mg、ジクロロビス
(トリフエニルホスフイン)パラジウム(II)35mgを加
え、一昼夜攪拌した後、水中に投じ、エーテル100mlで
抽出した。希塩酸、水で洗浄し、乾燥後、エーテルを留
去した。ヘキサンに溶解して活性アルミナの短いカラム
を通し、ヘキサンを留去した後、エタノールで再結晶し
て、表−1のNo.2の化合物1.3g〔収率53%、p−n−デ
シルオキシ−m−フルオロフエニル)アセチレン基準〕
を得た。
実施例3 (1)4−メチルヘキサノールの合成 (i)乾燥ピリジン70ml中に、市販の活性アミルアルコ
ール〔(−)−2−メチル−ブタノール〕10.0gを入
れ、氷冷した後、塩化p−トルエンスルホン酸33.2gを
ゆっくりと加え入れた。塩化p−トルエンスルホン酸を
加えた後、ゆっくりと室温に戻しながら、一昼夜反応さ
せた。反応終了後、不溶物を別し、液をエーテル抽
出した。有機層を2N塩酸、飽和食塩水で洗浄し、乾燥
後、減圧下で有機溶媒を留去し、油状のp−トルエンス
ルホン酸2−メチルブチルエステル33.6gを得た。
(ii)乾燥エタノール120ml中に金属ナトリウム5.4gを
加えアルコラートを合成した。、このエタノール溶液中
にマロン酸ジエチルを室温下、ゆっくりと滴下した。滴
下終了30分後、(i)で得られたp−トルエンスルホン
酸2−メチルブチルエステルを乾燥エタノール20mlに溶
かしたものを室温下、ゆっくり滴下した。滴下終了後、
さらに還流下に18時間反応させ、沈澱物を別した後、
エタノールを留去し、エーテル抽出した。この有機層を
水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、エーテルを除去し
た。得られた油状物を減圧蒸留して2−メチルブチルマ
ロン酸ジエチルエステル(沸点:101〜103℃/4mmHg)50g
を得た。
(iii)50%水酸化カリウム水溶液100ml中に、2−メチ
ルブチルマロン酸ジエチルエステル50gを室温で滴下し
た。滴下後、さらに還流下で2時間反応させ、生成して
くるエタノールを留去した。エタノール分取後、冷却
し、氷冷下に濃硫酸100gと水150mlを激しく攪拌しなが
ら注意深く加えた。40分にわたって加えた後、3時間加
熱還流した。冷却後、エーテル抽出し、飽和食塩水で洗
浄し、乾燥後、減圧下で有機溶媒を留去し、油状物を得
た。これを減圧蒸留し、11.5gの4−メチルヘキサン酸
(沸点:100〜102℃/4mmHg)を得た。
(iv)乾燥エーテル100ml中に水素化リチウムアルミニ
ウム3.8gを加え、氷冷下、乾燥エーテル20mlに溶かした
4−メチルヘキサン酸10.0gを滴下した。滴下後、さら
に室温で17時間反応させ、氷冷下に氷水と希塩酸を用い
て反応混合物を分解し、これをエーテル抽出した。有機
層を1N水酸化ナトリウム水、水、飽和食塩水で洗浄後、
乾燥して、エーテルを除去した後、減圧蒸留することに
より光学活性は4−メチルヘキサノール(沸点:170〜17
2℃)8.5gを得た。
(2)光学活性な4−ヨード−4′−ビフエニルカルボ
ン酸4−メチルヘキシルエステルの合成 4−ヨード−4′−ビフエニルカルボン酸3.3gと塩化チ
オニル10mlとを還流下に6時間加熱し、過剰の塩化チオ
ニルを留去して、4−ヨード−4′−ビフエニルカルボ
ン酸塩化物を得た。このものは特に精製せず、トルエン
溶液として次の段階で使用した。
一方、光学活性4−メチルヘキサノール1.1gとピリジン
0.8gをトルエン20mlに溶かしたものを氷冷しておき、そ
こへ上記の酸塩化物のトルエン溶液を攪拌下に約30分で
滴下し、更に90℃の湯浴上で5時間攪拌した。冷却後、
6N塩酸および水を加えて酸性とし、分液して有機層を取
り、水洗、飽和炭酸水素ナトリウム水による洗浄、水洗
を経てからトルエンを減圧で除去した後、ヘキサン可溶
部をシリカゲルカラムで精製し、光学活性4−ヨード−
4′−ビフエニルカルボン酸4−メチルヘキシルエステ
ル3.8gを得た。
(3)表−1中、No.3の化合物の合成 実施例2と同様にして合成したp−n−デシルオキシ−
m−フルオロフエニルアセチレン1.4gを光学活性4−ヨ
ード−4′−ビフエニルカルボン酸4−メチルヘキシル
エステル2.1gと共にトリエチルアミン40mlに溶解し、窒
素置換後、ヨウ化銅(I)38mg、ジクロロビス(トリフ
エニルホスフイン)パラジウム(II)70mgを加え、一昼
夜攪拌後、水中に投じ、トルエン100mlで抽出した。希
塩酸、水で洗浄し、乾燥後トルエンを留去した。トルエ
ンに溶解し、活性アルミナの短いカラムを通し、トルエ
ンを留去後、エタノールで再結晶し、表−1のNo.3の化
合物2.3g(収率80%、p−n−デシルオキシ−m−フル
オロフエニルアセチレン基準)を得た。
実施例1〜3で得た化合物および従来のトラン化合物の
相転移温度を表−2に示す。また、次の化合物(特開昭
62-228043号公報記載)を比較例として併せて示す。
表−2中、各記号は下記の意味を有する。
C :結晶相 S1 :未同定スメクチック相 Sc* :カイラルスメクチック C相 SA :スメクチック A相 Ch :コレステリック相 I :等方性液体相 比較例の化合物のSc*相温度範囲は39.5〜40℃である
が、本発明の化合物(たとえば実施例1の化合物)であ
のSc*相温度範囲は−2.8〜38.2℃と非常に広く、極めて
すぐれた液晶化合物である。
実施例4、5 実施例1、3の化合物および公知のスメクチック液晶化
合物(下記化合物AおよびB)を表−3に示す割合で配
合して本発明の液晶組成物を得た。
組成物の調製法は表−3中の液晶化合物を所定の重量秤
量し、4種の化合物を試料ビン中で加熱、溶解しながら
混合した。このものは表−3に示すような室温を含む広
い温度範囲でカイラルスメクチックC相を呈するととも
に、化学的に安定であり、非常に有用な液晶組成物であ
る。
化合物A:光学活性4−n−オクチルオキシ−4′−ビフ
エニルカルボン酸−2−メチルブチルエステル 化合物B:光学活性4−n−オクチルオキシ−4′−ビフ
ェニルカルボン酸−4−(2−メチルブチルオキシカル
ボニル)フエニルエステル 実施例6 前記表−1中の試料No.1、および2の本発明の液晶化合
物および他の液晶化合物を用いて、下記の組成の液晶組
成物を調製した。
(注1)の化合物は実施例1と同様の方法で合成した。
また、液晶組成物の調製は実施例4、5と同様の方法で
行った。
得られた組成物を、配向処理剤としてポリビニルアルコ
ールを塗布し、表面をラビングして平行配向処理を施し
た透明電極を備えたセル厚2μmのセルに注入して光ス
イッチング素子を作った。この素子を2枚の直交する偏
光子の間に設置し、電界を印加した。20Vの印加による
透明強度の変化から応答時間を求めると、25℃で約300
μsecであった。
なお、上記液晶組成物について、偏光顕微鏡によりテク
スチュアの温度変化を調べたところ、10℃から53℃の温
度範囲で強誘電性液晶となることが判明し、その自発分
極の大きさは25℃で10nC/cm2であり、チルト角は24°で
あった。
[発明の効果] 本発明の液晶化合物および液晶組成物は、次のような顕
著な効果を奏する。
(1)強誘電性を示すカイラルスメクチック相を呈する
温度範囲が室温域で広く、実用的な強誘電性液晶を得て
ゆく上で、画期的な材料である。
(2)光、熱、水分に対する安定性が良い。
(3)従来の強誘電性を示す液晶組成物と同等またはそ
れ以上に応答が速い。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図および第3図はそれぞれ実施例1で得ら
れた化合物の赤外吸収スペクトル、H-NMRスペクトルお
よびF-NMRスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸木 博志 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内 (72)発明者 星野 博史 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内 (72)発明者 林 博史 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内 (72)発明者 中村 豊一 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 加藤 裕司 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 苗村 省平 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 一ノ瀬 秀男 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 谷 千束 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−284147(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、Rは炭素数3〜18のアルキル基である。Xは−
    0−または単結合(直接結合)である。A1、A2はF、C
    l、−CN、−NO2および−CF3からなる群より選ばれる置
    換基で置換されていてもよいフェニレン基またはビフェ
    ニレン基であり、A1とA2が同時にフェニレン基となるこ
    とはない。nは2〜7の整数である。R′は炭素数2〜
    10の直鎖アルキル基である。また、*印は光学活性であ
    ることを表す。〕で示されるトラン化合物。
  2. 【請求項2】Xが、−0−である請求項1記載の化合
    物。
  3. 【請求項3】A1、A2の置換基がFである請求項1または
    2記載の化合物。
  4. 【請求項4】R′がエチル基である請求項1〜3のいず
    れか一項に記載の化合物。
  5. 【請求項5】一般式 〔式中、Rは炭素数3〜18のアルキル基である。Xは−
    0−または単結合(直接結合)である。A1、A2はF、C
    l、−CN、−NO2および−CF3からなる群より選ばれる置
    換基で置換されていてもよいフェニレン基またはビフェ
    ニレン基であり、A1とA2が同時にフェニレン基となるこ
    とはない。nは2〜7の整数である。R′は炭素数2〜
    10の直鎖アルキル基である。また、*印は光学活性であ
    ることを表す。〕で示される化合物の少なくとも一種を
    配合成分として含有することを特徴とするカイラルスメ
    クチック相を呈する液晶組成物。
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