JPH07268207A - ポリウレタン組成物およびそれを用いた積層体 - Google Patents

ポリウレタン組成物およびそれを用いた積層体

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JPH07268207A
JPH07268207A JP8584794A JP8584794A JPH07268207A JP H07268207 A JPH07268207 A JP H07268207A JP 8584794 A JP8584794 A JP 8584794A JP 8584794 A JP8584794 A JP 8584794A JP H07268207 A JPH07268207 A JP H07268207A
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vinyl chloride
polyurethane
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JP8584794A
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Toshio Masuda
敏夫 増田
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Zeon Kasei Co Ltd
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Zeon Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約書】 【目的】 塩化ビニル系樹脂層とポリウレタン層を積層
したとき、ポリウレタン中のアミン(ポリウレタン製造
用触媒)の悪影響を受けることがないように改良された
ポリウレタン組成物および該ポリウレタン組成物の層と
ポリ塩化ビニル系樹脂層とからなり、熱安定性を向上さ
せた積層体の提供。 【構成】 ポリウレタン100重量部に対し、過塩素酸
金属塩および/または過塩素酸導入型ハイドロタルサイ
ト0.001重量部以上を含有させたことを特徴とする
ポリウレタン組成物および該ポリウレタン組成物の層と
ポリ塩化ビニル系樹脂層とからなる積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なポリウレタン組
成物およびそれを用いた塩化ビニル系樹脂との積層体に
関する。
【0002】
【従来技術】自動車内装材であるクラッシュパッド(イ
ンストルメントパネルともいう)、グローブボックス、
コンソールボックス、ドアトリム、アームレスト、ヘッ
ドレスト等に軟質塩化ビニル系樹脂製品が多用されてい
る。その中で特に、クラッシュパッド、グローブボック
ス、コンソールボックス、ドアトリム等には粉体成形製
品が多く使用されている。中でも、クラッシュパッドに
は近年エアバッグも装着されているが、エアバッグはク
ラッシュパッドの一部を構成するとびら内に格納されて
いて、劣化していたら衝突時にエアバッグのとびらが破
砕してしまい、大へん危険である。
【0003】そのため、この部分に用いられる製品に
は、劣化に対しての強い抵抗性が求められている。この
劣化の主な原因は、日光の照射とその熱による面が大き
いため、耐熱性と耐光性の向上が急務である。
【0004】軟質塩化ビニル系樹脂自動車内装材には半
硬質発泡ポリウレタンを裏打ちするが、ポリウレタンの
製造触媒であるアミンが塩化ビニル系樹脂の劣化を促進
するのでこれを防止するために、塩化ビニル系樹脂側に
過塩素酸系安定剤を添加するのが一般的である。ところ
で、軽量化の要求も加わって、内装材の薄肉化が必要に
なっている。そこで、軟質塩化ビニル系樹脂製表皮材の
肉厚を薄くすることを試みたところ、裏打ちするポリウ
レタン中のアミンの影響を受けて耐熱性を大幅に低下さ
せる事態になった。一方、安定剤の増量は物性の低下・
コストアップを招き好ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、塩化ビニル系樹脂層とポリウレタン層を積層したと
き、ポリウレタン中のアミン(ポリウレタン製造用触
媒)の悪影響を受けることがないように改良されたポリ
ウレタン組成物を提供する点にある。本発明の第二の目
的は、ポリウレタン層と塩化ビニル系樹脂層との積層体
の熱安定性を向上させる点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、ポリウ
レタン100重量部に対し、過塩素酸金属塩および/ま
たは過塩素酸導入型ハイドロタルサイト0.001重量
部以上を含有させたことを特徴とするポリウレタン組成
物に関する。
【0007】本発明の第二は、請求項1記載のポリウレ
タン組成物の層とポリ塩化ビニル系樹脂層とからなる積
層体に関する。
【0008】本発明の第三は、前記ポリ塩化ビニル系樹
脂層が、塩化ビニル系樹脂100重量部にトリメリテー
ト系可塑剤20〜200重量部を混合した後、さらにポ
リエステル系可塑剤1〜50重量部を混合することによ
り得られたものである請求項2記載の積層体に関する。
【0009】過塩素酸金属塩または過塩素酸導入型ハイ
ドロタルサイトの添加量は、ウレタン100重量部に対
して0.001重量部以上、好ましくは0.001〜5
重量部である。0.001重量部以下では効果が発揮さ
れず、5重量部以上ではコスト面からメリットが無い。
【0010】ポリウレタンは、通常の方法で得られるも
のすべてを包含する。通常、ポリオールとポリイソシア
ナートとアミンのような触媒や鎖延長剤の存在下に必要
に応じて発泡剤の存在下に反応させたものである。
【0011】ポリオールは、一般にポリエステル、ポリ
エーテルあるいはポリエーテルエステルなどが用いられ
る。ポリエーテルとしては、例えば二〜三官能性で数平
均分子量2000〜3000のポリエチレンポリオー
ル、ポリプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンポ
リオールなどを挙げることができ、ポリエステルとして
は、例えばアジピン酸とエチレングリコールやプロピレ
ングリコールのような二官能性化合物との縮合により得
られた直鎖状ポリエステルなどを挙げることができる。
【0012】ポリイソシアナートとしては、4,4′−
ジフェニルメタン−ジイソシアナート(MDI)、ポリ
メリックMDI、2,4−トリレン−ジイソシアナート
(2,4−TDI)、2,6−トリレン−ジイソシアナ
ート(2,6−TDI)などのほか、エチレンジイソシ
アナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、m−また
はp−フェニレン−ジイソシアナート、1,5−ナフチ
レン−ジイソシアナート、4,4′,4″−トリフェニ
ルメタントリイソシアナート、m−またはp−キシリレ
ンジイソシアナートなどを挙げることができる。
【0013】過塩素酸金属塩は、
【化1】M(ClO4)n で示されるものであり、Mは金属、nはその金属の原子
価である。金属としては周期律表第1族、第2族、第3
族、第4族、第5族、第6族、第7族、第8族に属する
すべての金属が含まれるが、とくに、Na,K,Li,
Ca,Ba,Mg,Znが好ましく、とくにNa,B
a,Mgが好ましい。
【0014】過塩素酸導入型ハイドロタルサイトは、ハ
イドロタルサイトと過塩素酸とを水中で任意の比率で反
応させ、ハイドロタルサイト中のCO3の一部または全
部をClO4に置換した過塩素酸一部導入型または過塩
素酸導入型のものである。前記ハイドロタルサイトは一
般式
【化2】Mg1-xx(OH)2(CO3x/2・mH2O (0<x≦0.5の実数、mは0または実数、RはA
l、CrまたはFeである。)で示される含水炭酸塩鉱
物で六方晶系、リョウ面体三方格子で、この群に属する
鉱物は互いに同形である。ジャ紋岩や他のマグネシウム
を多く含む岩石中に低温の熱水作用の産物として産する
が、本発明においては、このような天然物であってもよ
く、また合成品であってもよい。合成方法としては、特
公昭46−2280号公報、特公昭50−30039号
公報、特公昭51−29129号公報、特開昭61−1
74270号公報などに記載の公知の方法を例示するこ
とができる。また、本発明においては、その結晶構造、
結晶粒子径あるいは結晶水の有無およびその量などに制
限されることなく使用することが可能である。
【0015】本発明のポリウレタンと塩化ビニル系樹脂
皮膜との積層方法は通常、イソシアナート成分とポリオ
ール成分の混合の際に、過塩素酸化合物を加えて均一混
合し、塩化ビニル系樹脂皮膜に裏打ちすることにより行
う。
【0016】本発明において、ポリウレタン層と積層さ
れる塩化ビニル系樹脂層を形成するための塩化ビニル系
樹脂組成物としては、特別の制限はないが、この組成物
が、塩化ビニル系樹脂100重量部にトリメリテート系
可塑剤20〜200重量部、好ましくは30〜150重
量部を混合した後、さらにポリエステル系可塑剤1〜5
0重量部、好ましくは5〜30重量部を混合し、その後
必要に応じてダスティング剤を混合することにより形成
されたものである場合には、ポリウレタン組成物側の改
善と相まって耐熱性、耐光性に極めてすぐれた積層体を
提供できる。
【0017】この場合、トリメリテート系可塑剤が20
重量部未満のときはゲル化が不充分になり易く、200
重量部より多いときは、粉体組成物がベタつき、流動性
に欠け、好ましくない。
【0018】ポリエステル系可塑剤が1重量部未満のと
きは耐光性改善の効果がみられず、50重量部より多い
と熱劣化しやすくなり、好ましくない。
【0019】この塩化ビニル系樹脂組成物においては、
可塑剤の混合する順序が極めて重要である。ポリエステ
ル系可塑剤を最初に混合したり、トリメリテート系可塑
剤と同時に配合したのでは、耐光性が向上せず、ポリエ
ステル系可塑剤を後から混合した場合にのみ耐光性が向
上する。これは、ポリエステル系可塑剤を後から混合す
ることにより、樹脂粒子の外側に吸着して耐光性を改善
するのに対して、最初から混合した場合はポリエステル
系可塑剤が粒子内部に浸透してしまうため効果が上がら
ないものと推定される。
【0020】塩化ビニル系樹脂としては塩化ビニルのホ
モポリマーやコポリマーを用いることができる。共重合
用モノマーとしては、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、ア
クリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブタジエン、
スチレン、(メタ)アクリル酸、そのエステルなどが代
表的なものであるが、これに限定されるものではない。
これらの共重合用モノマーは1種または2種以上を混合
して使用してもよいことは勿論である。代表的なポリマ
ー、コポリマーとしては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体などが挙げられる。
【0021】前記好ましい塩化ビニル系樹脂組成物で用
いるトリメリテート系可塑剤は、トリメリット酸のエス
テルであり、エステル化のために用いられるアルコール
成分としては、n−オクチルアルコール、2−エチルヘ
キシルアルコール、イソノニルアルコール、イソデシル
アルコールなどのC5〜C11のアルコールおよびこれら
の混合物などが用いられている。具体的なトリメリテー
ト類を例示すれば、トリ−n−オクチルトリメリテー
ト、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリデ
シルトリメリテート等を挙げることができる。
【0022】前記好ましい塩化ビニル系樹脂組成物で用
いるポリエステル系可塑剤は、アジピン酸やフタル酸な
どの二塩基酸と、グリコール類とのポリエステル化によ
り得られたポリマーで、通常分子量800〜4000程
度のものである。これらの可塑剤は分子量が大きい方が
クラック抑制効果が大きいが、可塑剤吸収性と生産時の
取扱い易さからその都度最適の分子量を選択することが
好ましい。
【0023】前記好ましい塩化ビニル系樹脂組成物にお
いては、前記トリメリテート系可塑剤、ポリエステル系
可塑剤のほか、他のタイプの可塑剤を併用してもよい
が、その量は全可塑剤量の30重量%以下にとどめるべ
きである。
【0024】熱や光に対する安定剤としては、一般のP
VC用のものやとくに粉体成形用安定剤を用いることが
できる。前者の例としては、ゼオライト、水酸化カルシ
ウム、酸化カルシウム、けい酸カルシウム、各種金属石
鹸、有機すず系安定剤、鉛系安定剤、アンチモン系安定
剤などの金属系安定剤のほか、有機ホスファイト系安定
剤、エポキシ系安定剤、ポリオール系安定剤、含窒素化
合物安定剤、含硫黄化合物安定剤、フェノール系抗酸化
剤などを挙げることができ、後者の例としては、特開昭
62−270645号公報、特開平3−66738号公
報、特開平5−156106号公報、特願平5−923
72号において提案されている。ハイドロタルサイト類
化合物、過塩素酸導入型ハイドロタルサイト類化合物や
特開平1−268745号公報、特願平5−92372
号において提案されているβ−ジケトン類の併用を挙げ
ることができる。また、これらの流動性と安定性を向上
させる目的で特開平5−156106号公報と同様にゼ
オライトを併用することもできる。
【0025】また、前記塩化ビニル系樹脂組成物には、
塩化ビニル系樹脂組成物の通常の配合成分である充填
剤、帯電防止剤、着色剤、難燃剤、発泡剤、ダスティン
グ剤、離型剤などは必要に応じて適宜使用することがで
きる。
【0026】塩化ビニル系樹脂組成物に必要に応じて添
加されるダスティング剤(粉体流動性改良剤ともいう)
としては、炭酸カルシウム、タルク、酸化アルミニウム
などの微粒子とくに10〜100mμのような超微粒子
を使用することもできるが、本出願人が先に特開昭60
−90221号公報で提案したように、粒径0.1〜1
0μの塩化ビニル系樹脂粒子とくにポリ塩化ビニル粒子
を用いることが好ましい。このようなポリ塩化ビニルの
重合度は500〜3500、好ましくは800〜200
0である。
【0027】
【実施例】次に実施例、比較例を挙げて、本発明の樹脂
組成物について説明するが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。
【0028】実施例1〜4、比較例1〜4 (1)塩化ビニル樹脂皮膜の形成 (イ)表1に示す種類と量の各成分をヘンシェルミキサ
ーを用い、つぎの要領でブレンドした。先ず、塩化ビニ
ル樹脂、ハイドロタルサイト、過塩素酸ナトリウム、紫
外線吸収剤、ステアリン酸亜鉛および顔料を仕込み、次
いでトリメリット酸エステル可塑剤を添加して前記可塑
剤が粉体に吸収されるまで混合した。ドライアップ後に
50℃まで冷却した段階で粉体流動性改良剤である微粒
塩化ビニル樹脂を添加して粉体成形用塩化ビニル樹脂組
成物としてのパウダーコンパウンドを調製した。
【0029】
【表1】 〔注〕(配合材料) 塩化ビニル樹脂:ゼオン103EP 日本ゼオン(株)
製、塩化ビニル単独重合体、平均重合度 1000(J
IS K 6721) 平均粒径約110μm トリメリット酸エステル:トリメックスNSK 花王
(株)製 C6〜C10のアルキルトリメリテート 過塩素酸ナトリウム40%溶液:トリエチレングリコー
ルモノエチルエステルを溶媒とする溶液 微粒塩化ビニル樹脂:粒度基準平均重合度850、平均
粒径1μm 顔料:フタロシアニンブルー、酸化チタン、カーボン混
合品
【0030】(ロ)前記パウダーコンパウンドを、オイ
ル加熱式スラッシュ成形機に幅200mm、長さ750
mmのハーフインストルメントパネルの金型を装着した
ものによりシート成形した。すなわち、オイル加熱によ
り、金型が240℃になった時点でパウダーコンパウン
ドを仕込み、金型を反転させて未融着の余剰のパウダー
コンパウンドを回収し、そのままの状態で30秒間放置
して樹脂組成物のゲル化を待った。次いで、冷却用オイ
ルを流して約45秒間経過させ、温度が65℃になった
時点で冷却オイルの循環を停止した。1mm厚の樹脂成
形品を金型から剥した。
【0031】(ハ)得られた塩化ビニル樹脂シートから
145mm×200mmのシートを切出して147mm
×217mm×10mmの金型の中に敷き、表2に示す
各成分を混合してシートの上にすばやく注ぎ(その量は
43.5gであった)、金型を密閉した。10分後に表
皮1mm厚に9mm厚の発泡ポリウレタンが裏打ちされ
た試料を金型から取出した。
【0032】
【表2】
【0033】本実施例の試験評価はつぎのようにして行
った。1mm厚の塩化ビニル樹脂系表皮に9mm厚の半
硬質発泡ポリウレタンを裏打ちした実施例の積層体の2
00mm×25mmの短冊状試験片を作成する。短冊状
の試験片を130℃のギアーオーブンに600時間入れ
て取出し、変色度はスガ試験機(株)製カラーコンピュ
ーターSM−4を用いてL*a*b*表色系により求
め、ΔE*で表示する。なお、ΔE*は照射された試料
の初期からの色の差を示すものであり、JIS Z 8
730により測定したものである。引張り試験は、JI
S K 6732により行うが、この場合は130℃の
ギアーオーブン中で600時間劣化させた後に、ポリウ
レタンで裏打ちされた塩化ビニル樹脂の表皮をポリウレ
タンから剥がし、この表皮の伸び(%)およびΔEを求
めたものである。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】評価 塩化ビニル樹脂層に40%NaClO4メチル−トリグ
リコール溶液を0.7重量部から1.2重量部に増量し
ても耐熱性の向上は僅かであり、過塩素酸導入型ハイド
ロタルサイトの使用も同様な結果を示す。これに対し
て、40%NaClO4メチル−トリグリコール溶液を
ポリウレタン側に添加した場合、その添加量は微量で塩
化ビニル樹脂表皮の耐熱性を大幅に向上させる効果を発
揮する。ポリウレタン側に添加する40%NaClO4
メチル−トリグリコール溶液の単位面積当たりの量と耐
熱性改良効果は、同じ単位面積当たりの表皮中の40%
NaClO4メチル−トリグリコール溶液の量的効果を
上回る。ウレタン側の過塩素酸化合物の添加による表皮
の耐熱性向上効果は、表皮の肉厚を薄くすることができ
るという効果につながる。
【0037】実施例5〜12 (イ)表5〜7に示す種類と量の各成分をヘンシェルミ
キサーを用い、つぎの要領でブレンドした。先ず、塩化
ビニル樹脂、ハイドロタルサイト、過塩素酸ナトリウ
ム、紫外線吸収剤、ステアリン酸亜鉛および顔料を仕込
み、次いでトリメリット酸エステル可塑剤を添加して前
記可塑剤が粉体に吸収された後にポリエステル系可塑剤
を添加した。ドライアップ後に50℃まで冷却した段階
で粉体流動性改良剤である微粒塩化ビニル樹脂を添加し
て粉体成形用塩化ビニル樹脂組成物としてのパウダーコ
ンパウンドを調製した。
【0038】(ロ)その他の点はすべて実施例1〜4と
同様にして発泡ポリウレタンで裏打ちされた塩化ビニル
樹脂層をもつ積層体を得た。
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
【表7】 〔注〕(配合材料) 塩化ビニル樹脂 :ゼオン103EP 日本ゼオ
ン(株)製、塩化ビニル単独重合体、 平均重合度 1000(JIS K 6721) 平均粒径約110μm トリメリット酸エステル:トリメックスNSK 花王
(株)製 C6〜C10のアルキルトリメリテート フタル酸エステル :PL−200、三菱瓦斯化学
(株)製、n−C9アルコールおよびn−C11アルコー
ルのフタル酸エステル ポリサイザー(W−1200,W−2060,W−20
40,W−2050,W−2350) :い
ずれも大日本インキ化学工業(株)製アジピン酸系ポリ
エステル可塑剤 ポリサイザー(W−780,P−29) :いずれも
大日本インキ化学工業(株)製フタル酸およびアジピン
酸併用系ポリエステル可塑剤 紫外線吸収剤 :チヌビンP、チバガイギー社
製、トリアゾール系 微粒塩化ビニル樹脂 :粒度基準平均重合度850、
平均粒径1μm 顔料 :フタロシアニンブルー、酸化
チタン、カーボン混合品
【0042】前記実施例の耐光性試験評価は次のように
して行った。 (イ)パウダーコンパウンドを、オイル加熱式スラッシ
ュ成形機に幅200mm、長さ750mmのハーフイン
ストルメントパネルの金型を装着したものによりシート
成形した。すなわち、オイル加熱により、金型が240
℃になった時点でパウダーコンパウンドを仕込み、金型
を反転させて未融着の余剰のパウダーコンパウンドを回
収し、そのままの状態で30秒間放置して樹脂組成物の
ゲル化を待った。次いで、冷却用オイルを流して約45
秒間経過させ、温度が65℃になった時点で冷却オイル
の循環を停止した。1mm厚の樹脂成形品を金型から剥
した。
【0043】(ロ)得られた塩化ビニル樹脂シートから
145mm×200mmのシートを切出して147mm
×217mm×10mmの金型の中に敷き、ポリメリッ
クMDI(平均官能基数2.7)16.9gとポリエー
テルポリオール(トリエチレンジアミン1.0%、水
1.6%含有)31.4gを混合してシートの上に注
ぎ、金型を密閉した。10分後に表皮1mm厚に9mm
厚の発泡ポリウレタンが裏打ちされた試料を金型から取
出した。
【0044】(ハ)得られた試料から100mm×14
0mmの試験片を切出し、サンシャインスーパーロング
ライフウェザーメーターWEL−SUN−D型〔スガ試
験機(株)製〕にかけ、ブラックパネル、83℃、雨な
しの条件で1000時間照射した。
【0045】照射後の試料の表皮を走査型電子顕微鏡で
100倍で観察し、その評価結果をつぎのように表示し
た。 ◎:クラックが全く認められない。 ○:クラックが僅かに認められる。 △:巾30μmより小さいクラックがある。 ×:巾30μm以上の大きいクラックがある。
【0046】実施例5〜12に示す塩化ビニル樹脂層の
耐熱性、耐光性は前表に示すとおりであるうえ、表3と
同様に行った伸び(%)およびΔE*における試験結果
も実施例2のデータをすべて1割以上上廻る結果が得ら
れた。
【0047】
【効果】
(1)ポリウレタン化合物100重量部当り過塩素酸金
属塩又は過塩素酸導入型ハイドロタルサイトを0.00
1〜5重量部添加してなるポリウレタン組成物によれ
ば、塩化ビニル系樹脂層側に過塩素酸金属塩又は過塩素
酸導入型ハイドロタルサイトを添加する場合より少量で
塩化ビニル系樹脂表皮の耐熱性を顕著に向上させること
ができた。 (2)本発明により、塩化ビニル系樹脂層がポリウレタ
ン層からの悪影響を受けないようになったため、塩化ビ
ニル系樹脂層の必要最低限の厚みが従来に較べて薄くで
きるので、塩化ビニル系樹脂組成物の使用量を削減でき
た。 (3)請求項3の発明においては、塩化ビニル系樹脂層
それ自体の耐熱性、耐光性が改善されているうえ、ポリ
ウレタン中のアミン成分の悪影響が排除されているた
め、その耐熱性の向上は顕著である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27/06 KGY

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン100重量部に対し、過塩
    素酸金属塩および/または過塩素酸導入型ハイドロタル
    サイト0.001重量部以上を含有させたことを特徴と
    するポリウレタン組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリウレタン組成物の層
    とポリ塩化ビニル系樹脂層とからなる積層体。
  3. 【請求項3】 前記ポリ塩化ビニル系樹脂層が、塩化ビ
    ニル系樹脂100重量部にトリメリテート系可塑剤20
    〜200重量部を混合した後、さらにポリエステル系可
    塑剤1〜50重量部を混合することにより得られたもの
    である請求項2記載の積層体。
JP8584794A 1994-03-31 1994-03-31 ポリウレタン組成物およびそれを用いた積層体 Pending JPH07268207A (ja)

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Cited By (6)

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