JPH07268189A - ポリエステル水分散体及びポリエステルフイルム - Google Patents

ポリエステル水分散体及びポリエステルフイルム

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JPH07268189A
JPH07268189A JP6116494A JP6116494A JPH07268189A JP H07268189 A JPH07268189 A JP H07268189A JP 6116494 A JP6116494 A JP 6116494A JP 6116494 A JP6116494 A JP 6116494A JP H07268189 A JPH07268189 A JP H07268189A
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JP
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polyester
aqueous dispersion
film
alkali metal
polymer
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JP6116494A
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Tomoki Nakamura
知基 中村
Hideyori Kurihara
英資 栗原
Satoshi Kitazawa
諭 北澤
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低帯電易接着性のプライマー層を形成し得、
かつ系の安定したポリエステル水分散体及びこれを塗布
した帯電の少ない易接着性ポリエステルフイルムを提供
する。 【構成】 非晶性共重合ポリエステルを水中に均一に分
散させたポリエステルの水分散体であって、該共重合ポ
リエステルが、重合反応の完結する迄の段階で添加され
た有機酸アルカリ金属塩によるアルカリ金属元素を下記
式を満たす割合で含有していることを特徴とするポリエ
ステル水分散体 0.01≦M/[COOH]≦1 ここで、Mはポリマー106 g中のアルカリ金属元素の
量(等量/106 g)であり、[COOH]はポリマー
106 g中の末端カルボキシル基濃度(等量/10
6 g)である、並びにポリエステルフイルムの少なくと
も一つの表面に上記ポリエステル水分散体を塗布し、乾
燥して形成した塗膜(プライマー層)を有することを特
徴とする低帯電易接着性ポリエステルフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル水分散体及
びポリエステルフイルムに関し、さらに詳しくは帯電の
低い易接着性塗膜(易接着性層)を形成し得るポリエス
テル水分散体及びこれを塗布した、包装材料、磁気カー
ド、磁気テープ、磁気ディスク、印刷材料等に有用な低
帯電易接着性ポリエステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチ
レンテレフタレートもしくはその共重合体、ポリエチレ
ンナフタレートもしくはその共重合体、あるいはこれら
と小割合の他の樹脂とのブレンド物等を溶融押出し、二
軸延伸後、熱固定したポリエステルフイルムは、機械強
度、耐熱性、耐薬品性等に優れ、産業上種々の分野で利
用されている。しかし、その表面は高度に配向されてい
るため、インク、磁性塗料等の受容性に乏しいという欠
点を有している。
【0003】ポリエステルフイルムの、これらの受容性
を高める方法として、予めフイルム表面に合成樹脂によ
るプライマー層(下塗り層)を設け、ベースフイルムと
は異質の表面層を薄く形成する方法が知られている。プ
ライマー層の形成は、合成樹脂の有機溶媒溶液または水
性液(水溶液、水分散体)を用い、これをフイルム表面
に塗設することによって実施される。
【0004】このプライマー層形成のための樹脂水性液
として、ポリエステル系ポリマーの水性液、アクリル系
ポリマーの水性液などが挙げられる。特に、ポリエステ
ル系ポリマーの水性液については、例えば特公昭56―
5476号、特開昭60―248232号など多くの提
案がなされている。しかし、従来の具体例(実施例)と
して開示されたポリエステル系ポリマーの水性液を塗布
したポリエステルフイルムは帯電性が強く、フイルムの
再巻き返し時に電荷が蓄積し、蓄積された電荷の放電に
より爆発火災が発生しうる、さらに蓄積された電荷によ
りほこり等が吸着され、例えば磁気記録用途においてド
ロップアウトの原因となる、といった欠点を有してい
る。
【0005】そこで、ポリエステル系水分散体にさら
に、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩などの帯電防止
剤を添加することもできるが、フイルム等の表面に塗布
した場合、該帯電防止剤が表面に析出して、フイルムの
表面欠点となる問題があった。
【0006】また、帯電防止を目的として、特開平5―
295100号には、スルホン酸塩基を含まないポリマ
ーを親水性有機溶媒に溶解の後、アミン、アルカリ金属
の炭酸塩・水酸化物等のアルカリ金属化合物を添加し、
次いで水を添加することで得られた水分散体を塗布する
方法が提案されているが、得られる水分散体が不安定で
あり、フイルム表面上に均一に塗布できず実用に即さな
い。
【0007】それ故、低帯電易接着性層を形成し、か
つ、安定な水分散体を形成する水分散性ポリエステルの
開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、従来技術
の欠点を解消し、帯電の少ない易接着性に優れたプライ
マー層を開発すべく研究を重ねた結果、プライマー層の
帯電防止には、水分散体に用いる非晶性共重合ポリエス
テルでのスルホン酸塩基含有成分の含有量を0.5モル
%以下にする必要があるが、この場合は、親水性有機溶
媒溶解後にアミン等を添加しても安定な水分散体は得ら
れないことを知見した。そこで、本発明者は、低帯電の
易接着プライマー層を形成しうる安定なポリエステル水
分散体を開発すべく、さらに鋭意研究を重ねた結果、驚
くべきことにポリエステルの重合反応が完了するまでの
段階でアルカリ金属の有機酸塩を添加し、アルカリ金属
元素の量M(等量/106 gポリマー)とポリエステル
のCOOH末端基量(等量/106 gポリマー)の比を
特定の範囲にすれば、帯電性を損なうことなく、ポリエ
ステルの水分散性を著しく向上させ得ることを発見し、
本発明に到達した。
【0009】本発明の目的は、低帯電易接着性のプライ
マー層を形成し得、かつ系の安定したポリエステル水分
散体を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、帯電の少ない易接着
性ポリエステルフイルムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、 1. 非晶性共重合ポリエステル微粒子の水分散体であ
って、該共重合ポリエステルが重合反応の完結する迄の
段階で添加された有機酸アルカリ金属塩によるアルカリ
金属元素を下記式を満足する割合で含有していることを
特徴とするポリエステル水分散体。
【0012】
【数2】0.01≦M/[COOH]≦1 ここで、Mはポリマー106 g中のアルカリ金属元素の
量(等量/106 g)であり、[COOH]はポリマー
106 g中の末端カルボキシル基濃度(等量/10
6 g)である、並びに 2. ポリエステルフイルムの少くとも一つの表面に上
記1のポリエステル水分散体を塗布、乾燥して形成した
塗膜を有することを特徴とする低帯電易接着性ポリエス
テルフイルムによって達成される。
【0013】本発明でいう非晶性ポリマーとは、Dup
ont製示差熱分析計DSC2100で10℃/min
の昇温速度で昇温したとき、融点ピークを持たないポリ
マーである。
【0014】ポリマーが融点ピークを持つと親水性有機
溶媒への溶解性が悪化し、ポリマー水分散性が悪くな
る。
【0015】本発明における共重合ポリエステルを非晶
性にするには、イソフタル酸、1,3―シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,4―シクロヘキサンジカルボン酸、
フェニルインダンジカルボン酸等の非晶性ジカルボン酸
成分及び/またはネオペンチルグリコール、1,3―シ
クロヘキサンジメタノール、1,4―シクロヘキサンジ
メタノール、ビスフェノール化合物のアルキレンオキサ
イド付加体等の非晶性グリコール成分を10モル%以上
共重合することが好ましいが、ポリマーが非晶性になれ
ば上記の成分に特に限定されるものでない。
【0016】上記以外のポリエステルを構成するジカル
ボン酸成分としては、蓚酸、マロン酸、グルタン酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、イ
アタコン酸、テレフタル酸、1,4―ナルタレンジカル
ボン酸、2,5―ナフタレンジカルボン酸、2,6―ナ
フタレンジカルボン酸、4,4′―ジフェニルジカルボ
ン酸等が好ましく例示され、またグリコール成分として
は、炭素数2〜10のアルキレングリコール、2,5―
ナフタレンジオール等が挙げられる。これらは2種以上
のジカルボン酸成分及び/またはグリコール成分を組み
合わせてもよい。
【0017】本発明における共重合ポリエステルは、重
合反応が完了する迄の任意の段階で、特定量の有機酸ア
ルカリ金属塩を添加する以外はポリエステルの製造法と
して知られている方法によって製造することができる。
例えば、上記のジカルボン酸とグリコールとをエステル
化反応させて、または該ジカルボン酸のエステル形成性
誘導体(例えばジメチルエステル)とグリコールとをエ
ステル交換反応させてモノマーもしくはオリゴマーをつ
くり、次いで該モノマーもしくはオリゴマーを重合反応
させて所望の分子量の共重合ポリエステルとする方法で
製造することができる。その際、重合反応が完了する迄
の任意の段階、好ましくは初期重合反応が完了する迄の
段階、好ましくは初期重合開始以前の段階で有機酸アル
カリ金属塩を添加する必要がある。ポリマー重合の後、
ポリマーを有機溶媒に溶解し、アルカリ金属の有機酸塩
を添加しても水分散性は向上しないので、有機酸アルカ
リ金属塩は重合反応終了までに添加しなければならな
い。また反応触媒、安定剤等を用いることが好ましい。
【0018】前記有機酸アルカリ金属塩としては、反応
中に系外に飛散しうる有機酸の塩であることが好まし
く、この酸としては低級脂肪酸例えば蟻酸、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸等が好ましく、就中酢酸がポリエステル
に与える影響が少なく好ましい。アルカリ金属として
は、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等が好まし
く挙げられ、就中ナトリウムが好ましい。
【0019】有機酸アルカリ金属塩の添加量は、得られ
る共重合ポリエステルの末端カルボキシル基濃度([C
OOH]:等量/106 gポリマー)に対するアルカリ
金属元素の量(M:等量/106 gポリマー)の比(M
/[COOH])が下記式を満足する必要がある。
【0020】
【数3】0.01≦M/[COOH]≦1 この比(M/[COOH])が0.01未満では水分散
性の向上効果が小さく、他方1より大きくなると塩析の
効果が大きくなり、かえって水分散性が悪化する。この
比は0.05以上0.9以下であることが好ましい。
【0021】本発明における共重合ポリエステルは、該
ポリエステル中にスルホン酸塩基含有成分が含まれてい
なくとも実用上問題のない水分散性を示すが、スルホン
酸塩基成分を有することでポリエステルの水分散性がさ
らに向上し、水分散体の濃度を向上させることが可能と
なり、水分散体のハンドリングが容易となる。そこで、
共重合ポリエステルに帯電性を大きく損なわない範囲で
スルホン酸塩基含有成分を共重合させてもよい。帯電と
水分散性のバランスより、好ましいスルホン酸塩基含有
成分の共重合量は、全酸成分に対し0〜0.5モル%、
特に好ましくは0〜0.2モル%である。
【0022】このスルホン酸塩基含有成分は、エステル
結合によりポリエステルに共重合されうるものであれば
特に限定されないが、スルホン酸塩基含有イソフタル酸
が好ましく、さらに5―ナトリウムスルホイソフタル
酸、5―リチウムスルホイソフタル酸、5―ホスホニウ
ムスルホイソフタル酸、5―アンモニウムスルホイソフ
タル酸が好ましく、特に5―ナトリウムスルホイソフタ
ル酸、5―リチウムスルホイソフタル酸が好ましい。
【0023】本発明における共重合ポリエステルは、末
端カルボキシル基濃度([COOH]:等量/106
ポリマー)が少なくとも10であることが好ましく、さ
らに10〜100であることが好ましく、特に20〜8
0であることが好ましい。また分子量は塗膜性を有する
分子量であればよく、特に限定されない。
【0024】本発明においてポリエステル水分散体は、
以下の方法で製造することができる。
【0025】前記の非晶性共重合ポリエステルはまず、
20℃で1リットルの水に対する溶解度が20g以上で
かつ沸点が100℃以下、または100℃以下で水と共
沸する親水性の有機溶媒に溶解する。この有機溶媒とし
てはジオキサン、アセトン、テトラヒドロフラン、メチ
ルエチルケトン等を例示することができる。かかる溶液
に更に少量の界面活性剤を添加することもできる。
【0026】共重合ポリエステルを溶解した有機溶媒に
次いで、攪拌下好ましくは加温高速攪拌下で水を添加
し、青白色から乳白色の分散体とする。また攪拌下の水
に前記有機溶液を添加する方法によっても青白色から乳
白色の分散体とすることもできる。
【0027】得られた分散体を、更に、常圧または減圧
下に蒸留し親水性の有機溶剤を留去すると目的のポリエ
ステル水分散体が得られる。共重合ポリエステルを水と
共沸する親水性の有機溶媒に溶解した場合には、該有機
溶媒留去時に水が共沸するので水の減量分(共沸分)を
考慮し、前もって多めの水に分散しておくことが望まし
い。加えて、蒸留後の固形分濃度が5重量%を越えると
水に分散する共重合ポリエステルの微粒子の再凝集が起
こり易くなり、水分散体の安定性が低下するため、蒸留
後の固形分濃度は5重量%以下とすることが好ましい。
一方、固形分濃度の下限は特にないが、濃度が小さすぎ
ると乾燥に要する時間が長くなるため、0.01重量%
以上とするのが好ましい。前記共重合ポリエステル微粒
子の平均粒径は通常1μm以下であり、好ましくは0.
5μm以下である。
【0028】かくして得られるポリエステル水分散体
は、後述するポリエステルフイルムの片面または両面に
塗布し、乾燥することによって該フイルムに易接着性を
付与することができる。
【0029】ポリエステル水分散体は、塗布に際してア
ニオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤等の界面活
性剤を必要量添加して用いることができる。有効な界面
活性剤としては、ポリエステル水分散体の表面張力を5
0dyne/cm以下に降下でき、ポリエステルフイル
ムへの濡れを促進するものであり、公知の多くの界面活
性剤を使用することができる。その一例としてポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸
塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、第四級アンモニウムクロライド、アルキルアミン塩
酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ塩等を挙げる
ことができる。
【0030】ポリエステル水分散体には、必要に応じて
帯電防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤等を
添加してもよい。
【0031】本発明においてポリエステルフイルムの好
ましい例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン―2,6―ナフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、またはこれらに他の共重合成分を共重合させ
たコポリマーからなるフイルムが挙げられる。ポリエス
テルフイルムは未延伸フイルム、一軸延伸フイルム、二
軸延伸フイルムのいずれでもよいが、延伸フイルムが好
適である。
【0032】ポリエステル水分散体をポリエステルフイ
ルムに塗布する工程は任意に選定できる。例えば未延伸
フイルムまたは一軸延伸フイルムにポリエステル水分散
体を塗布した後、加熱乾燥してから更に延伸するか、二
軸延伸フイルムに塗布し乾燥するとよい。これらのう
ち、一軸延伸フイルムに塗布し更に延伸して二軸延伸フ
イルムとするのが好ましい。ポリエステルフイルムの製
造法には従来から知られている方法、条件等を採用する
ことができる。
【0033】ポリエステル水分散体の塗布は常法により
可能であり、例えばキスコート、リバースコート、グラ
ビアコート、ダイコート等が用いられる。塗布量は0.
01〜5μm(dry)が好ましく、さらに好ましくは
0.01〜2μm(dry)、最も好ましくは0.01
〜0.3μm(dry)である。
【0034】かくして得られる易接着性ポリエステルフ
イルムは、接着力が高く、帯電が低いため、例えば磁気
カード、磁気テープ、磁気ディスク、印刷材料、グラフ
ィック材料、感光材料等に有用である。
【0035】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に詳細に説
明する。なお、実施例中の「部」は重量部を意味する。
また、各特性値は下記の方法によって測定した。
【0036】(1)末端カルボキシル基濃度 末端カルボキシル基濃度[COOH]は、PohlによりAN
ALYTICAL CHEMISTRY、第2巻、1614頁(1954
年)に記載された方法で測定し、ポリマー106gに対
する割合(等量:eq)として表示される。
【0037】(2)融点 Dupont製2100型示差熱分析計を用い、20℃
/minの昇温条件で測定する。
【0038】(3)接着性 (プライマー被覆処理した)ポリエステルフイルムに下
記の磁性塗料を所定の条件においてコーティングし、ス
コッチテープNo.600(スリーM社製)巾19.4
mm、長さ8cmを気泡の入らないように貼着し、この
上をJIS C2701(1975)記載の手動式荷重
ロールでならし、貼着積層部5cm間を東洋ボールドウ
イン社製テンシロンUM―IIを使用してヘッド速度30
0mm/分で、この試料をT字剥離し、この際の剥離強
さを求め、これをテープ巾で除してg/cmとして求め
る。なおT型剥離において積層体はテープ側を下にして
引取りチャック間を5cmとする。
【0039】[評価用磁性塗料の調製]塗料用ラッカー
シンナーにニトロセルローズRS1/2(イソプロパノ
ール25%含有フレークス:ダイセル(株)製)を溶解
して40wt%溶液を調製し、該液を43.9部、続い
てポリエステル樹脂(デスモフェン#1700:バイエ
ル社製)32.5部、二酸化クロム磁性粉末26.0
部、分散剤・湿潤剤として大豆油脂肪酸(レシオンP:
理研ビタミン(株)製)、カチオン系活性剤(カチオン
AB:日本油脂(株)製)及びスクワレン(鮫肝油)を
それぞれ1部、0.5部及び0.8部ボールミルに投入
する。メチルエチルケトン/シクロヘキサノン/トルエ
ン=3/4/3(重量比)からなる混合溶液282部を
さらに追加混合し、十分微粉化して母液塗料(45wt
%)を調製する。この母液50部に対し、トリメチロー
ルプロパンとトルレインジイソシアナートとの付加反応
物(コロネートL:日本ポリウレタン工業(株)製)4
8部と酢酸ブチル6.25部を加え、最終的に42.7
5wt%の評価用磁性塗料を得た。
【0040】(4)帯電性 (プライマー被覆処理した)ポリエステルフイルムを2
cm×10cmの大きさにカットし、イオン化風送風機
(ヒューグルエレクトロニクス(株)社製MODEL1
20)で除電の後、クロムメッキ処理を施した鉄製ロー
ル(直径3cm)で5回摩擦後の帯電量を静電気測定装
置(シシド静電気(株)製スタチロン―TL)を用い測
定する。
【0041】[実施例1] <共重合ポリエステルの製造>テレフタル酸ジメチル1
00部、イソフタル酸ジメチル18部、エチレングリコ
ール64部及びビスフェノールAのエチレンオキサイド
4モル付加物74部をエステル交換反応器に仕込み、こ
れにテトラブトキシチタン0.07部を添加して窒素雰
囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生
成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行っ
た。
【0042】次いで、この反応系に、酢酸ナトリウム無
水物を0.04部、次いでイルガノックス1010(チ
バガイギー社製)を0.6部添加した後、温度を徐々に
255℃まで上昇させ、系内を1mmHgの減圧にして
重縮合反応を行い、固有粘度0.58、末端カルボキシ
ル基濃度39(等量/106 gポリマー)の、融点を持
たない共重合ポリエステルを得た。該共重合ポリエステ
ルの組成を表1に示す。
【0043】<ポリエステル水分散体の調製>この共重
合ポリエステル20部をテトラヒドロフラン(THF)
80部に溶解し、得られた溶液に10000回転/分の
高速攪拌下で水800部を滴下して青みがかった乳白色
の分散体を得た。次いでこの分散体を20mmHgの減
圧下で蒸留し、テトラヒドロフランを留去した。かくし
て固形分濃度2.5wt%のポリエステル水分散体を得
た。
【0044】更に、該ポリエステル水分散体800部に
ノニオン系界面活性剤:ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル(HLB=12.8)20部を加えて塗布
液を調製した。
【0045】<易接着性ポリエステルフイルムの製造>
35℃のo―クロロフェノール中で測定した固有粘度
0.65のポリエチレンテレフタレートを溶融押出して
厚み158μmの未延伸フイルムとし、次いでこれを機
械軸方向に3.5倍延伸した後前記で調製した塗布液を
一軸延伸フイルムの片面に塗布した。その後、105℃
で3.9倍に横方向に延伸し、200℃で4.2秒間熱
処理を施し、平均塗布量20mg/m2 で厚さ12.2
μmの二軸延伸プライマー被膜ポリエステルフイルムを
得た。このフイルムの処理面の接着性、帯電性を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0046】[実施例2〜4]酢酸ナトリウム無水物の
添加量を変える以外は、実施例1と同様に行って表1に
示す組成の共重合ポリエステルを得た。次いで、これら
共重合ポリエステルを用いる以外は、実施例1と同様に
行ってポリエステル水分散体、更には塗布液を調製し
た。
【0047】更にこれらの塗布液を用いる以外は、実施
例1と同様に行って二軸延伸プライマー被膜ポリエステ
ルフイルムを得た。このフイルムの処理面の接着性、帯
電性を測定した。その結果をまとめて表1に示す。
【0048】[実施例5]ビスフェノールAのエチレン
オキサイド4モル付加体をビスフェノールAのプロピレ
ンオキサイド2モル付加体に変更する以外は、実施例3
と同様に行って表1に示す組成の共重合ポリエステルを
得た。次いで、これら共重合ポリエステルを用いる以外
は、実施例1と同様に行ってポリエステル水分散体、更
には塗布液を調製した。
【0049】更にこれらの塗布液を用いる以外は、実施
例1と同様に行って二軸延伸プライマー被膜ポリエステ
ルフイルムを得た。このフイルムの処理面の接着性、帯
電性を測定した。その結果を表1に示す。
【0050】[実施例6]実施例1の塗布液を用い、塗
布液を両面に塗布する以外は実施例1と同様に行って二
軸延伸プライマー被膜ポリエステルフイルムを得た。こ
のフイルムのそれぞれの面の接着性及び帯電性を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0051】[実施例7]実施例1の塗布液を調製の
後、平均粒径0.1μmの真球状シリカをポリマー対比
0.5wt%添加する以外は実施例1と同様に行って二
軸延伸プライマー被膜ポリエステルフイルムを得た。こ
のフイルムの接着性及び帯電性を測定した。その結果を
表1に示す。
【0052】[実施例8]イソフタル酸ジメチルのうち
5モル%をアジピン酸ジメチルに変更する以外は、実施
例1と同様に行って表1に示す組成の共重合ポリエステ
ルを得た。次いで、これら共重合ポリエステルを用いる
以外は、実施例1と同様に行ってポリエステル水分散
体、更には塗布液を調製した。
【0053】更にこれらの塗布液を用いる以外は、実施
例1と同様に行って二軸延伸プライマー被膜ポリエステ
ルフイルムを得た。このフイルムの処理面の接着性、帯
電性を測定した。その結果を表1に示す。
【0054】[実施例9〜11]イソフタル酸ジメチル
の0.01〜0.3モル%を5―ナトリウムスルホイソ
フタル酸ジメチルに変更する以外は、実施例3と同様に
行って表1に示す組成の共重合ポリエステルを得た。次
いで、これら共重合ポリエステルを用いる以外は、実施
例1と同様に行ってポリエステル水分散体、更には塗布
液を調製した。
【0055】更にこれらの塗布液を用いる以外は、実施
例1と同様に行って二軸延伸プライマー被膜ポリエステ
ルフイルムを得た。このフイルムの処理面の接着性、帯
電性を測定した。良好な水分散性を示した。帯電性は5
―ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルを共重合して
いない水準に比べ増加したが、実用上許容されうる範囲
であった。その結果を表1に示す。
【0056】[実施例12]実施例10において添加す
る酢酸ナトリウム無水物の量を増やし、表1に示す組成
のM/[COOH]=0.96の共重合ポリエステルを
得た。次いで、この共重合ポリエステルを用いる以外
は、実施例1と同様に行ってポリエステル水分散体、更
には塗布液を調製した。
【0057】更にこれらの塗布液を用いる以外は、実施
例1と同様に行って二軸延伸プライマー被膜ポリエステ
ルフイルムを得た。このフイルムの処理面の接着性、帯
電性を測定した。良好な水分散性を示した。帯電性は5
―ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルを共重合して
いない水準に比べ増加したが、実用上許容されうる範囲
であった。その結果を表1に示す。
【0058】[比較例1]酢酸ナトリウム無水物を使用
しない以外は実施例1と同様に行って表1に示す組成の
共重合ポリエステルを得た。次いで、この共重合ポリエ
ステルを用いる以外は、実施例1と同様に行ってポリエ
ステル水分散体の調製を試みたが、沈降物多く塗布不能
であった。
【0059】[比較例2]酢酸ナトリウム無水物の添加
量を変える以外は実施例1と同様に行ってM/[COO
H]=1.45の共重合ポリエステルを得た。次いで、
この共重合ポリエステルを用いる以外は、実施例1と同
様に行ってポリエステル水分散体の調製を試みたが、沈
降物多く塗布不能であった。
【0060】[比較例3]比較例1と同じ共重合ポリエ
ステルをTHFに溶解の後、酢酸ナトリウム無水物を添
加し、M/[COOH]=0.14に調製した。次い
で、実施例1と同様に行ってポリエステル水分散体の調
製を試みたが、沈降物多く塗布不能であった。
【0061】[比較例4]酢酸ナトリウム無水物を使用
しない以外は実施例10と同様に行って表1に示す組成
の共重合ポリエステルを得た。次いで、この共重合ポリ
エステルを用いる以外は、実施例1と同様に行ってポリ
エステル水分散体の調製を試みたが、比較例1に対し若
干良化傾向ではあるが、沈降物多く塗布不能であった。
【0062】[比較例5]酢酸ナトリウム無水物の添加
量を変える以外は実施例10と同様に行ってM/[CO
OH]=1.45のポリマーを得た。次いで、これら共
重合ポリエステルを用いる以外は、実施例1と同様に行
ってポリエステル水分散体の調製を試みたが、沈降物多
く塗布不能であった。
【0063】[比較例6]比較例4と同じポリマーをT
HFに溶解の後、酢酸ナトリウム無水物を添加し、M/
[COOH]=0.14に調製した。次いで、実施例1
と同様に行ってポリエステル水分散体の調製を試みた
が、比較例4と同様に沈降物多く塗布不能であった。
【0064】[比較例7]5―ナトリウムスルホイソフ
タル酸ジメチルの量を1モル%にする以外は、実施例1
0と同様に行って表1に示す組成の共重合ポリエステル
を得た。次いで、これら共重合ポリエステルを用いる以
外は、実施例1と同様に行ってポリエステル水分散体、
更には塗布液を調製した。
【0065】更にこの塗布液を用いる以外は、実施例1
と同様に行って二軸延伸プライマー被膜ポリエステルフ
イルムを得た。このフイルムの処理面の接着性、帯電性
を測定した。水分散性、接着性は良好であったが、帯電
性が大きく実用に不適であった。その結果を表1に示
す。
【0066】[比較例8]酸及びグリコール成分の変更
により表1に示す組成のM/[COOH]=0.15、
融点247℃の共重合ポリエステルを得た。次いで、こ
の共重合ポリエステルを用いる以外は、実施例1と同様
に行ってポリエステル水分散体の調製を試みたが、ポリ
マーがTHFに不溶のため、水分散化できなかった。
【0067】[比較例9]実施例1においてコーティン
グをせずに得た二軸配向ポリエステルフイルムの特性を
表1に示す。接着力が低く実用的に不満足であった。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、帯電の少ない易接着性
塗膜(プライマー層)を形成しうるポリエステル水分散
体、及びこれを塗布した易接着性ポリエステルフイルム
を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶性共重合ポリエステル微粒子の水分
    散体であって、該共重合ポリエステルが重合反応の完結
    する迄の段階で添加された有機酸アルカリ金属塩による
    アルカリ金属元素を下記式を満足する割合で含有してい
    ることを特徴とするポリエステル水分散体。 【数1】0.01≦M/[COOH]≦1 ここで、Mはポリマー106 g中のアルカリ金属元素の
    量(等量/106 g)であり、[COOH]はポリマー
    106 g中の末端カルボキシル基濃度(等量/10
    6 g)である。
  2. 【請求項2】 非晶性共重合ポリエステルがスルホン酸
    塩基を含有しないか、全酸成分当り0.5モル%以下の
    割合で含有していることを特徴とする請求項1記載のポ
    リエステル水分散体。
  3. 【請求項3】 ポリエステルフイルムの少くとも一つの
    表面に請求項1または2記載のポリエステル水分散体を
    塗布、乾燥して形成した塗膜を有することを特徴とする
    低帯電易接着性ポリエステルフイルム。
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