JPH07261292A - 写真製版用露光機 - Google Patents

写真製版用露光機

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Publication number
JPH07261292A
JPH07261292A JP6074179A JP7417994A JPH07261292A JP H07261292 A JPH07261292 A JP H07261292A JP 6074179 A JP6074179 A JP 6074179A JP 7417994 A JP7417994 A JP 7417994A JP H07261292 A JPH07261292 A JP H07261292A
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JP
Japan
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light
lens group
integrator
light source
condenser lens
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Application number
JP6074179A
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English (en)
Inventor
Makoto Uehara
誠 上原
Hisashi Muto
寿 武藤
Nobuyoshi Furukawa
信義 古川
Mitsuyoshi Koizumi
光義 小泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MEJIRO PRECISION KK
Ushio U Tech Inc
Hitachi High Tech Corp
Mejiro Precision KK
Original Assignee
MEJIRO PRECISION KK
Ushio U Tech Inc
Hitachi Electronics Engineering Co Ltd
Mejiro Precision KK
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Filing date
Publication date
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Projection-Type Copiers In General (AREA)
  • Control Of Exposure In Printing And Copying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 照度分布の不均一性が改善された写真製版用
露光機を提供することによって、高精細の色分解調フィ
ルムを使用して高解像度の印刷をする場合であっても、
出来上がる印刷物の色合いが不均一になることが無いよ
うにする。 【構成】 ショートアーク型放電灯よりなる光源2から
の光を集光鏡31で集光して単一ロッドレンズ式インテ
グレータ34に入射させて照度分布を均一化し、透光用
ガラス板4の上に載置された製版原稿101と感光体フ
ィルム102の組にこの光をコンデンサーレンズ群35
で集光して照射する。コンデンサーレンズ群35は露光
面の像面歪曲収差をマイナス補正する機能を有し、その
補正量が調整されて周辺部照度の補強度合いが調整され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真製版用露光機に関
し、詳細には、高精度露光が達成され、高精細対応型と
して好適に使用できる写真製版用露光機に関する。
【0002】
【従来の技術】写真製版の技術は、各種方式の印刷に必
要な版を製作する技術として広く用いられている。印刷
技術は、大別して、凸版印刷、凹版印刷、孔版印刷、平
版印刷等に区別されるが、いずれの方式においても専用
の版が必要であり、高精度の版を製作するため、その途
中工程である写真製版におけるフィルム露光技術の改善
が行われてきた。
【0003】図8は、従来の写真製版用露光機の概略構
成を説明する側断面図である。図8に示す従来の写真製
版用露光機は、機台1と、この機台1の上面に配置され
た透光用ガラス板4と、機台1内に配置され、透光用ガ
ラス板4に下側から光照射する光源2とから主に構成さ
れている。機台1は、箱状の部材であり、その上面に開
口を有し、この開口に透光用ガラス板4が嵌め込まれて
配置されている。透光用ガラス板4は、露光に使用され
る波長の光を少なくとも良好に透過する材料で形成され
ている。製版用露光装置は、版の元になる製版原稿10
1のパターンの光で感光体フィルム102を露光するこ
とで行われる。より具体的には、製版原稿101の上に
感光体フィルム102を重ね合わせ、その製版原稿と感
光体フィルム102の組を透光用ガラス板4の上に載置
して露光を行い、その後現像を行って版が作られる。
【0004】光源2は、機台1の底面中央付近に配置さ
れ、上方の透光用ガラス板4に向けて光を放出するよう
になっている。このような光源2の形状としては、棒状
のものや球状のものがあり、前者の例としては水銀灯や
メタルハライドランプ等が挙げられ、後者の例として
は、白熱電球やマイクロ波励起無電極ランプ等が挙げら
れる。メタルハライドランプは、金属とハロゲンを封入
したランプの総称であり、写真製版用露光機の光源とし
ては、金属としてガリウムや鉄を封入したランプ等が使
用されている。これら水銀灯やメタルハライドランプの
発光部は、長さが数十センチメートル(10〜20cm
程度)の棒状のものである。一方、無電極ランプは、球
状の封体に封入した発光ガスをマイクロ波で励起して発
光させるものであり、その発光部の大きさは、直径数セ
ンチメートル(3〜5cm程度)の大きさである。
【0005】また、従来の写真製版用露光機は、多くの
場合、光源2からの光を平行光にする目的で、透光用ガ
ラス板4の下側にフレネルレンズ37を備えている。こ
れは、大きな製版原稿101から製版を行った場合に周
辺部分での見当ズレを防止するためである。即ち、図8
のように、光源2から放射状に広がる光をそのまま使用
すると、製版原稿101の周辺部分では、その像が外側
に広がって感光体フィルム102に投影されるからであ
る。その他、図6に示す従来の写真製版用露光機は、製
版原稿101と感光体フィルム102の組が載置された
透光用ガラス板4を覆う不図示のカバーを備えている。
カバーは、非透光性の材料で形成されて露光時の光漏れ
を防ぐ。また、このカバーは、必要に応じてゴム等の柔
軟な材料で形成されると共に、真空吸着機構が付設され
て、カバーが透光用ガラス板4に密着するようにし、こ
れによって製版原稿101と感光体フィルム102の密
着性を向上させて露光の精度を高めるようにする場合も
ある。
【0006】このような従来の写真製版用露光機を使用
した製版作業は、一般的に、以下のように行われる。ま
ず、露光に先だって製版原稿101の製作が行われる。
製版原稿101は、カラー印刷を例に採ると、一般に、
カラー写真等の絵柄の部分の原稿と文字や図形等から構
成された線画の部分の原稿とからなっている。このう
ち、絵柄の部分については、多くの場合、コンピュータ
を利用したカラースキャナーの技術を使用して原稿の作
成が行われる。即ち、Y(黄)M(赤)C(シアン)の
三原色の重ね合わせで印刷を行う場合を例に採って説明
すると、まず、印刷すべき写真等の絵柄をスキャナーで
読み込み、コンピュータ上でRGBの各色に分離した
後、RGBに対応するYMCの各色のデータが作成され
る。そして、この各色のデータに従って、YMCの各色
の原稿がネガ又はポジの色分解調フィルムとして作成さ
れる。具体的には、色データは、各色の色相、明度、彩
度のデータであり、印刷される際のYMCの三原色の強
さの度合として表現される。そして、この三原色の強さ
の度合いは、網点(細かな点が均等に配置されて網の目
のようになったもの)の大きさに変換される。即ち、上
記色分解調フィルムには、色データに対応する網点のパ
ターンが描かれている。例えば、R50%、G30%、
B20%の組み合わせで重ね合わせたような色合いの印
刷を特定の箇所にする場合には、Rを再現するMとYの
版の製版原稿101として当該箇所に50%の大きさの
網点が形成された色分解調フィルムが作成され、Gを再
現するYとC版の製版原稿101として当該箇所に30
%の大きさの網点が形成された色分解調フィルムが作成
され、Bを再現するためのMとC版の製版原稿101と
して当該箇所に20%の網点が形成された色分解調フィ
ルムが作成される。
【0007】文字と図形等の線画原稿については、製版
カメラで撮影されて線画フィルムが製版原稿101とし
て作成される。また、その線画に必要な色合いに従っ
て、上記絵柄の場合と同様に網点を有する色分解調フィ
ルムが作成される。尚、線画原稿は、多くの場合、絵柄
の原稿とは別に作成される。また、一枚の用紙に複数の
絵柄や線画等を印刷する場合は、絵柄や線画毎に上記色
分解調フィルム等の作成が行われる。つまり、一つの版
を製作するのに、複数の製版原稿101が用意されて、
一つの感光体フィルム102に個々の製版原稿101の
絵柄や線画を順次露光していって一つの版が完成するこ
とになる。この順次露光にあたって、他の製版原稿10
1の部分を露光しないようにするためにマスクフィルム
が用意されることが一般的である。
【0008】次に、図6を使用して、従来の写真製版用
露光機を使用した場合の製版原稿と感光体フィルムの組
の露光について説明する。まず、上記のように作成され
た製版原稿101の上に感光体フィルム102を重ね合
わせ、透光用ガラス板2の上に載置する。製版原稿10
1と感光体フィルム102とは、投影する線画又は絵柄
の位置に従って所定の位置関係になるように位置決めさ
れる。
【0009】そして、不図示のカバーで透光用ガラス板
4を全体に覆い、この状態で、光源2を点灯させる。光
源2からの光は、フレネルレンズ37に達し、フレネル
レンズ37によって平行光になった後、透光用ガラス板
4に入射する。そして、光は、透光用ガラス板4を透過
して製版原稿101に達し、製版原稿101を通過した
光が感光体フィルム102に入射する。同様にして、別
の製版原稿101の露光を行い、全ての製版原稿101
の露光が終了すると、一つの版の露光が終了する。その
後、現像等の作業を行って版が完成する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した製版工程にお
いて、上記色分解調フィルムの網点の細かさは、出来上
がる印刷物の細かさ即ち解像度を決定する。即ち、網点
が粗いと、出来上がる印刷物には、絵柄の輪郭や色合い
が変わる境界部分でギザギザした網点形状が視認され
る。新聞紙印刷等の場合を除き、通常の印刷ではこのよ
うなギザギザした網点形状が視認されることは無いが、
より高精度の印刷という点で更に細かい網点を使用する
ことが要請されている。網の目の細かさはスクリーン線
数という言葉で示され、1インチの中に入る点の数で表
される。例えば、1インチの中に150の点がある場合
は、150line/inchと表すが、省略して150線とい
う。スクリーン線数は、数が多いほど、網点が細かくな
るので、原稿の絵柄再現性はよくなる。このため、美術
複製など高級な印刷では、スクリーン線数が200線以
上の網点を使用した高精細印刷が注目されているが、露
光量の均一性の問題が新たに浮上してきている。
【0011】即ち、網点を形成した色分解調フィルムを
通して前述のような露光を行う場合、その網点の像が感
光体フィルムに投影される。この場合、網点が細かくな
ればなるほど、感光体フィルムの特性上、網点が忠実に
再現できなくなる。このような再現性が悪くなる原因の
一つは、網点が細かくなるにつれて感光体フィルムの調
子再現性の問題が無視し得なくなるからであると考えら
れる。即ち、例えば、製版用硬調フィルムは、フィルム
特性と現像処理系に特徴があるが、露光量が少なければ
網点が小さく再現され、露光量が多ければ網点は大きく
再現されるという特性がある。したがって、スクリーン
線数が多くなると、隣接する網点が影響しあうので、一
定の値に露光量を管理することが従来以上に重要とな
る。
【0012】この点、露光量は照度と時間の積であるか
ら、照度については照度モニター等を使用して一定の照
度になるよう管理すれば良く、時間については、点灯時
間(シャッターを使用する高源装置の場合はそのシャッ
ターの開閉時間)を管理すれば良い。しかしながら、照
度が露光面においてある分布を持っているという点を考
慮すると、上記のような管理のみでは不十分である。即
ち、図6に示すような写真製版用露光機では、製版原稿
及び感光体フィルムの組の中央部分の照度が周辺部分の
照度に比して高い。この場合、照度の低い周辺部分を基
準にして露光時間を設定すると、中央部分では露光量が
多くなる。即ち、中央部分の方が周辺部分に比べて網点
が大きく再現される。つまり、図6に示す従来の写真製
版用露光機を使用すると、製版原稿101の網点が同じ
であっても感光体フィルムの中央部分と周辺部分とで
は、網点の大きさが異なってしまうことになる。このこ
とは、出来上がる版の中央部分と周辺部分とで色合いが
変化してしまうことを意味し、照度分布の不均一性が出
来上がる印刷物の色合いの不均一性をもたらしてしまう
ことになる。
【0013】本発明は、かかる課題を解決するためにな
されたものであり、照度分布の不均一性が改善された写
真製版用露光機を提供することによって、高精細の色分
解調フィルムを使用して高解像度の印刷をする場合であ
っても、出来上がる印刷物の色合いが不均一になること
が無いようにすることを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願の請求項1に記載の発明は、機台内に光源と光
学系を内蔵し、機台上面に透光用ガラス板を設け、この
透光用ガラス板上に製版原稿と感光体フィルムの組を重
ね合わせて載置し、その上をカバーで覆った状態で前記
光源を点灯して露光させる写真製版用露光機において、
前記光源は、ショートアーク型放電灯よりなり、前記光
学系は、前記ショートアーク型放電灯からの光を集光す
る集光鏡と、集光鏡により集光された光が入射して照度
分布を均一化させる単一ロッドレンズ式インテグレータ
と、このインテグレータの出射側の光路上に配置されイ
ンテグレータからの光を集光して前記透光用ガラス板に
照射するコンデンサーレンズ群と、コンデンサーレンズ
群の出射側に配置されコンデンサーレンズ群からの光を
透光用ガラス板に向けて反射させる出射側平面反射鏡と
よりなるという構成を有している。
【0015】同様に上記目的を達成するため、本願の請
求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成におい
て、コンデンサーレンズ群は、露光面における像面湾曲
の収差をマイナス側に補正することが可能とされている
という構成を有する。
【0016】同様に上記目的を達成するため、本願の請
求項3に記載の発明は、請求項1に記載の構成におい
て、コンデンサーレンズ群は、露光面における像面湾曲
の収差をマイナス側に補正することが可能とされ、且
つ、その補正量の大きさが調整可能とされているという
構成を有する。
【0017】同様に上記目的を達成するため、本願の請
求項4に記載の発明は、請求項1、2または3に記載の
構成において、ショートアーク型放電灯と集光鏡とイン
テグレータとコンデンサーレンズ群とが、枠体により所
定の光学的位置関係で一体的に取り付けられて光源装置
として組み立てられているとともに機台内に配置された
ベース板上の所定位置に取り付けられており、前記出射
側平面反射鏡は、この光源装置の取り付け位置に対して
所定の位置関係でベース板に取り付けられて光学的位置
が確保されているという構成を有している。
【0018】同様に上記目的を達成するため、本願の請
求項5に記載の発明は、請求項1、2、3または4に記
載の構成において、ショートアーク型放電灯が高圧水銀
灯であるという構成を有している。
【0019】同様に上記目的を達成するため、本願の請
求項6に記載の発明は、請求項1、2、3、4または5
に記載の構成において、コンデンサーレンズ群からの光
を平行光にして透光用ガラス板に照射するフレネルレン
ズが、透光用ガラス板の下側に設置されているという構
成を有している。
【0020】
【作用】上記構成に係る請求項1の発明においては、光
源からの光が集光鏡によって集光され、単一ロッドレン
ズ式インテグレータに入射する。光は、単一ロッドレン
ズ式インテグレータ中を伝搬した後、出射面から出射さ
れ、コンデンサーレンズ群を経由して、透光用ガラス板
上に載置された製版原稿と感光体フィルムの組に照射さ
れる。製版原稿と感光体フィルムの組への光照射は、単
一ロッドレンズ式インテグレータの入射端面の各点から
入射した光が出射端面に均一に分散し、この出射端面の
像がコンデンサーレンズ群によって投影された状態で行
われ、照度分布の均一化が達成される。
【0021】請求項2の構成においては、上記請求項1
の作用に加え、コンデンサーレンズ群の像面歪曲収差の
マイナス補正機能により、露光面における周辺部の照度
が補強され、照度分布が更に均一化される。
【0022】請求項3の構成においては、上記請求項1
の作用に加え、コンデンサーレンズ群の像面歪曲収差の
マイナス補正機能により、露光面における周辺部の照度
が補強され、照度分布が更に均一化される。と同時に、
像面歪曲収差のマイナス補正の量が調整され、最適な照
度分布の均一化の度合いを得る。
【0023】請求項4の構成においては、上記請求項
1、2または3の作用に加え、ショートアーク型放電灯
と集光鏡とインテグレータとコンデンサーレンズ群の枠
体への取り付けによりそれらの光学要素の光学的位置の
位置決めが行われる。そして、出射側平面反射鏡は、ベ
ース板上の所定位置への取り付けによって、ショートア
ーク型放電灯と集光鏡とインテグレータとコンデンサー
レンズ群からなる光源装置に対して所定の光学的位置が
保持される。
【0024】請求項5の構成においては、上記請求項
1、2、3または4の作用に加え、高圧水銀灯の発する
波長の光で露光が行われる。
【0025】請求項6の構成においては、上記請求項
1、2、3、4または5各作用に加え、フレネルレンズ
により平行光となった光が製版原稿と感光体フィルムの
組に入射する。
【0026】
【実施例】以下、本願の発明の実施例を説明する。図1
は、本願発明の写真製版用露光機の第一実施例の概略構
成を説明する側断面図である。図1に示す写真製版用露
光機は、図示略の機台内に内蔵された光源2及び光学系
3と、透光用ガラス板4とから主に構成されている。そ
して、光学系3は、光源2からの光を集光する集光鏡3
1と、集光された光が入射する単一ロッドレンズ式イン
テグレータ34と、単一ロッドレンズ式インテグレータ
34の出射側の光路上に設けられたコンデンサーレンズ
群35と、コンデンサーレンズ群35の出射側に配置さ
れコンデンサーレンズ群35からの光を透光用ガラス板
4に向けて反射させる出射側平面反射鏡36とから主に
構成されている。
【0027】まず、機台は、図1中図示が省略されてい
るが、全体がほぼ直方体の箱状のものであり、その上面
が開口になっている。そして、透光用ガラス板4はこの
機台の上面の開口に嵌め込まれるようにして設けられて
いる。透光用ガラス板4は、後述のような露光波長の光
を良く透過する材料で形成されている。光源2として
は、ショートアーク型放電灯が使用されている。ショー
トアーク型放電灯としては、本実施例では、定格電力3
50Wで極間距離2.8ミリメートルの高圧水銀灯が使
用されている。ショートアーク型という点は、本実施例
の大きな特徴点の一つになっている。ショートアーク型
にする理由の一つは、後述する単一ロッドレンズ式イン
テグレータ34を使用した照度分布均一化の構成との関
連からである。ショートアーク型放電灯即ちアーク(発
光部)の小さな光源を使用すると、集光鏡31によって
非常に小さな点に集光できる。この結果、後述のような
単一ロッドレンズ式インテグレータ34の照度均一化作
用が充分に発揮されるのである。
【0028】尚、アーク長がどの程度の長さ以下のもの
を「ショートアーク型放電灯」と呼ぶかについては一般
的な定義が無いが、本願では、電極間距離が10ミリメ
ートル以下のものをショートアーク型と呼んでいる。即
ち、本願における「ショートアーク型放電灯」は、一対
の電極を有し、その電極間距離が10ミリメートル以下
のものを指している。また尚、「ショートアーク」であ
るから、厳密にはアークの長さを問題とすべきである
が、実際問題として一対の電極の間の空間のどの領域が
「アーク」の状態になっているかは一義的に決められな
いので、電極間距離で代用している。また、本願で「高
圧水銀灯」というとき、点灯時の内圧(封体の内部圧
力)が10気圧以上の水銀灯を一般に指しており、本実
施例で使用された光源2もこれと同様のものである。高
圧水銀灯等の水銀灯は、365ナノメートル、405ナ
ノメートル、436ナノメートル付近の紫外域の波長の
光を豊富に放出することで知られており、これらの波長
の光に感度を有する感光体フィルム102の露光に好適
に使用される。なお、紫外域の光を露光波長に選ぶこと
は、通常の屋内の照明器具がこれらの波長の光を放出し
ないことから、暗室等にすることなく通常の屋内照明の
環境で作業ができるというメリットがある。
【0029】次に、光学系3について説明する。まず、
光源2からの光を集光する集光鏡31としては、本実施
例では楕円集光鏡が使用されている。集光鏡31は、光
源2のアークの部分を上方から取り囲むようにして配置
されており、その第一焦点の位置が光源2のアークの中
心位置になるように配置されている。具体的には、光源
2の位置調節によってこの位置関係が達成されるように
なっている。即ち、集光鏡31は枠体5によって一定の
位置に位置決めされており、光源2には位置調節機構2
1が付設されている。従って、位置調節機構21を操作
して光源2のアークの位置を動かし、その中心位置が集
光鏡31の第一焦点の位置になるような位置に光源2を
位置決めする。尚、集光鏡31の第二焦点は、後述の単
一ロッドレンズ式インテグレータ34の入射端面の中心
位置になっている。集光鏡31の構成としては、回転半
楕円状に成形された石英やその他の高融点ガラスの表面
または裏面にアルミニウム蒸着を施したものが使用され
ている。この他の構成としては、アルミニウム自体を回
転半楕円状に成形してもよいし、アルミニウム以外の反
射材料を使用しても良い。尚、集光鏡31は完全な回転
半楕円状ではなく、光源2のステム部を挿入させるため
の小さな開口が頂部に設けられている。また、楕円集光
鏡に代え、光源2からの光を反射して平行光にする放物
面鏡と集光レンズ(又は集光鏡)の組を採用しても光学
的には等価である。
【0030】また、本実施例の光学系3では、上記集光
鏡31に加え、球面鏡32を付加的に採用している。こ
の球面鏡32は、半球状のミラーであり、光源2を下方
から取り囲むようにして配置されている。そして、その
球の中心が光源2のアークの中心即ち集光鏡31の第一
焦点の位置になるような位置関係で球面鏡32は配置さ
れている。この球面鏡32は、言うまでもなく、光の利
用効率の向上のため採用されている。即ち、光源2から
斜め下方に放出された光を反射させて再度アークの位置
に戻し、集光鏡31で集光させて利用するためである。
【0031】集光鏡31で集光される光は、単一ロッド
レンズ式インテグレータ34に入射するが、その光路の
途中には、入射側平面反射鏡33が配置されている。入
射側平面反射鏡33は、光軸(光源2、集光鏡31、球
面鏡32の中心軸)に対して45度傾けた状態で配置さ
れており、垂直な光軸を直角に折り曲げて水平方向にす
る働きをしている。また、この入射側平面反射鏡33
は、所定の波長選択機能を有するダイクロイックミラー
になっている。具体的には、入射側平面反射鏡33は、
石英等の高融点ガラスの表面(または裏面)に所定の波
長選択膜を形成したものが採用されている。この波長選
択膜は、436ナノメーター以下の波長の光を反射し、
それより長い波長の光を透過する膜となっている。即
ち、露光に使用しない長波長側の光を透過させて光路か
ら取り除き、透光用ガラス板4や感光体フィルム102
等の温度上昇を防止するようになっている。
【0032】集光鏡31により集光された光が入射する
位置には、単一ロッドレンズ式インテグレータ34が配
置されている。単一ロッドレンズ式インテグレータ34
は、その名の通り一本のロッドレンズによってインテグ
レータが構成されたものであり、ロッドレンズの長さ方
向が光軸に一致するようにして即ち水平な姿勢で配置さ
れている。この単一ロッドレンズ式インテグレータ34
の作用のついては、後述する。
【0033】単一ロッドレンズ式インテグレータ34の
出射側の光路上には、コンデンサーレンズ群35が配置
されている。このコンデンサーレンズ群35は、単一ロ
ッドレンズ式インテグレータ34から出射される光を集
光して透光用ガラス板4に均一に光を照射するためのも
のであり、複数のレンズが結合されて全体としてコンデ
ンサーレンズとしての作用を発揮するようになってい
る。そして、レンズの間隔等が調整可能とされており、
これによって後述の周辺部照度補正の調整が可能となっ
ている。
【0034】コンデンサーレンズ群35の出射側の光路
上には、出射側平面反射鏡36が配置されている。この
出射側平面反射鏡36は、光軸に対して45度傾けて配
置されており、コンデンサーレンズ群35からの光を上
方に反射させるようになっている。
【0035】出射側平面反射鏡36に反射した光は、上
方に配置された透光用ガラス板4に入射するが、本実施
例では、その透光用ガラス板4の下側にフレネルレンズ
37を備えている。フレネルレンズ37は、水平な透光
用ガラス板4に平行な姿勢で配置したものであり、光を
平行光にする目的で設けられている。即ち、このフレネ
ルレンズ37は、コリメータレンズと光学的に等価であ
る。フレネルレンズ37は、図示略の二枚の透光ガラス
の間にサンドイッチされた構造で取り付けられている。
材質的には、アクリル等の樹脂で作られており、射出成
形等の方法により製作されている。なお、石英等のガラ
ス材料で製作しても良いことは勿論である。
【0036】以上のような光学系3を構成する各要素
は、出射側平面反射鏡36及びフレネルレンズ37を除
き、上述した光学的関係で枠体5に一体的に取り付けら
れ光源装置30として組み立てられている。この枠体5
は、上述した位置に集光鏡31、球面鏡32、入射側平
面反射鏡33、単一ロッドレンズ式インテグレータ34
を取り付けるための取付部を有している。また、図示略
の機台の底面の上にはベース板8が水平に設けられてお
り、上記枠体5がこのベース板8上の所定位置に固定さ
れることにより光源装置30全体がベース板8に対して
所定位置で固定されている。
【0037】一方、出射側平面反射鏡36は、その両端
から下方に延びる保持板361により保持されており、
この保持板361の下部がベース板8上の所定位置に固
定されている。この結果、出射側平面反射鏡36は、こ
の光源装置30に対して所定の位置関係を保持するよう
になっている。また、本実施例の写真製版用露光機で
は、照度センサ6が配置され、露光面での照度を常時モ
ニタしている。照度センサ6は、フレネルレンズ37の
端部近傍の位置に配置されており、出射側平面反射鏡3
6から反射する光の一部を受光してその強さを検出する
ようになっている。その他、本実施例の写真製版用露光
機は、従来と同様に、透光用ガラス板4に載置した製版
原稿101及び感光体フィルム102の組を覆う不図示
のカバー機構を備えている。
【0038】以上のような構成を有する本実施例の写真
製版用露光機は、以下のように作用する。即ち、前述の
ように予め製作した製版原稿101の上に所定の感光体
フィルム102を所定の位置関係で重ね合わせ、透光用
ガラス板4の上に載置する。そして、不図示のカバー機
構を動作させ、製版原稿101と感光体フィルム102
の組をカバーで覆うとともに真空吸着機構により密着さ
せる。この状態で、光源2を点灯させて露光する。光源
2からの光は、集光鏡31及び球面鏡32により集光さ
れながら入射側平面反射鏡33に反射し、単一ロッドレ
ンズ式インテグレータ34に入射する。単一ロッドレン
ズ式インテグレータ34によって均一化された光は、コ
ンデンサーレンズ群35によって集光され、出射側平面
反射鏡36に反射して、上方のフレネルレンズ37に入
射する。そして、フレネルレンズ37によって平行光と
なって透光用ガラス板4を透過し、製版原稿101と感
光体フィルム102の組に照射される。この結果、製版
原稿101に描かれたパターンの光で感光体フィルム1
02が露光される。尚、露光時間は、照射面における照
度との関連から最適な時間が予め設定され、この時間で
光源2の点灯時間または不図示のシャッタのオンオフが
制御される。
【0039】次に、上記単一ロッドレンズ式インテグレ
ータ34の作用について補足的に説明する。一般に、光
学要素としてのインテグレータは、光の分離や統合を行
って照度の均一化を図るものである。以下、本実施例で
用いられた単一ロッドレンズ式インテグレータの作用効
果の優位性を示すため、フライアイ式インテグレータと
比較しながら説明する。
【0040】まず図2は、図1の光学系3において単一
ロッドレンズ式インテグレータ34に代えて、フライア
イ式インテグレータ7を使用する場合の光学系説明図で
あり、参考例として示してある。フライアイ式インテグ
レータには、ロッドレンズタイプのものと二枚レンズタ
イプのものがあるが、図2には、ロッドレンズタイプの
ものが示されている。このフライアイ式インテグレータ
7は、断面が方形又は円形のロッドレンズを数本から数
十本程度中心対称状に束ねて構成したものである。
【0041】フライアイ式インテグレータ7を使用する
場合、通常、その入射側にコリメータレンズ701が使
用され、光源2からの光はコリメータレンズ701によ
って平行光とした後、インテグレータ7に入射させるよ
うにする。また、インテグレータ7の出射側には、各ロ
ッドレンズの投影パターンが同じ位置で重なるようにす
るためのフィールドレンズ702が設けられる。図2に
示す光学系では、光源2からの光は、コリメータレンズ
701により平行光となり、すべてのロッドレンズの入
射面にまたがる光芒となってインテグレータ7に入射す
る。そして、各ロッドレンズ中を伝搬して各ロッドレン
ズの出射面から出射され、フィールドレンズ702によ
り照射面で同じ位置に重ね合わされて照度分布の均一化
が達成される。
【0042】図3は、図2のインテグレータ7による照
度分布均一化作用の説明図である。図3中、Iiは、イ
ンテグレータ7の入射面での照度分布を示し、I70,
I71,I72は、それぞれ、ロッドレンズ70が投影
する像の照度分布、ロッド71が投影する像の照度分
布、ロッドレンズ72が投影する像の照度分布を示して
いる。まず、入射面での照度分布即ちインテグレータ7
に入射する光の強度分布Iiは、図のように光軸付近が
最も強く周辺にいくに従って弱くなるような分布になっ
ている。そして、各ロッドレンズ70,71,72から
照射される光のうち、光軸上のロッドレンズ71から出
射される光の照度分布I71は、入射面での照度分布I
iの光軸付近の分布を抜き出して拡大したような分布で
ある。即ち、光軸付近が強く周辺にいくに従って徐々に
弱くなる分布である。一方、光軸から離れた位置のロッ
ドレンズ70,72から出射された光による照度分布I
70,I72は、入射面での照度分布を逆さにして拡大
したような分布であり、逆側の周辺部において強く光軸
に近づくに従って弱くなる分布でなる。このような三つ
の強度分布I70,I71,I72を重畳させると、周
辺部の弱い部分が強化されて均一化された照度分布が得
られる。
【0043】一方、図4及び図5は、図1の第一実施例
における単一ロッドレンズ式インテグレータ34の作用
を説明するであり、図4は光学系全体の説明図、図5は
ロッドレンズ中を伝搬する光線の説明図である。前述の
通り、単一ロッドレンズ式インテグレータ34は一本の
ロッドレンズ341によってインテグレータが構成さ
れ、従って、その動作原理は図2に示すものに比べ若干
異なる。即ち、光源2からの光は、ロッドレンズ341
の一方の端面から入射し、一部の光がロッドレンズ34
1の側面に全反射しながら光はロッドレンズ341中を
伝搬し、他方の端面から出射される。この際、ロッドレ
ンズ341の入射端面のある点に入射する光線は、その
入射角度に応じてロッドレンズ341の出射端面上の各
点に分散すし、この結果、照度分布の均一化が達成され
る。
【0044】この点を、図5を用いてさらに詳しく説明
する。図5において、図5(A)は、入射端面の中心
(光軸上の点)からロッドレンズ341に入射した光線
の軌跡を描いたものである。そして、図5の(B),
(C),(D),(E)は、(A)の光線をロッドレン
ズ341の側面での全反射の回数に応じて分離した図で
ある。まず、図5(B)に示すように、入射角が所定範
囲小さなものである場合、光線は全反射することなく出
射端面全体に広がり、直接出射端面から出射される。ど
の程度入射角が小さければ(B)のようになるかは、言
うまでもなくロッドレンズ341の長さと断面に依存す
る。尚、本実施例では、長さが100mm程度のロッド
レンズを用いている。次に、所定の入射角度の光線を中
心とし、その光線から所定範囲内で入射角度がプラスマ
イナスにずれた光線については、図5(C)のようにロ
ッドレンズ341の側面で一回全反射する。やはりこの
光線も、ロッドレンズ341の出射端面全体に広がって
出射する。また、(C)よりも更に大きな所定の入射角
度の光線を中心とし、その光線から所定範囲内で入射角
度がプラスマイナスにずれた光線については、図5
(D)のようにロッドレンズ341の側面で二回全反射
する。やはりこの光線も、ロッドレンズ341の出射端
面全体に広がって出射する。さらに、(D)よりも更に
大きな所定の入射角度の光線を中心とし、その光線から
所定範囲内で入射角度がプラスマイナスにずれた光線に
ついては、図5(E)のようにロッドレンズ341の側
面で三回全反射する。やはり、この光線も、ロッドレン
ズ341の出射端面全体に広がって出射する。
【0045】このように、入射端面の中心というある一
点から入射する光線は、いずれも出射端面全体に広がっ
て分散する。この状態は、(B),(C),(D),
(E)を重ね合わせた(A)によってさらに良く理解さ
れる。このような出射端面全面への光の分散は、入射端
面の他の点から入射する光についても同様に生じる。つ
まり、入射端面の各点において、入射した光線が出射端
面に分散する。この結果、照度分布の均一化が達成され
る。つまり、ロッドレンズ341の入射端面において
は、図3のIiのような照度分布であっても、各点の入
射光が同様に出射端面に分散する結果、出射端面での照
度分布が均一になるのである。尚、出射端面からの光は
図6のように広がるので、コンデンサーレンズ群35で
集光し、照射面に出射端面の像を投影するようにしてい
る。従って、コンデンサーレンズ群35にとっては、ロ
ッドレンズ341の出射端面が物点であり、照射面が
(図1では、感光体フィルム102の表面)が像点にな
る。
【0046】さて、図4に示す単一ロッドレンズ式イン
テグレータ34は、図2に示すフライアイ式インテグレ
ータに比べ、周辺部照度の補強の度合いの調整という点
で、非常に優れている。この点を次に説明する。即ち、
図4に示す単一ロッドレンズ式インテグレータ34で
は、出射側に配置されたコンデンサーレンズ群35にマ
イナスの像面歪曲収差の機能を持たせることによって周
辺部照度の補強の度合いを調整することができる。具体
的に説明すると、像面歪曲収差というのは、像が歪曲し
て投影される収差を言い、例えば方形の形状を投影した
場合、糸巻状即ち周辺部が伸びたように歪曲したり、樽
状即ち周辺部が縮んだように歪曲したりするものを言
う。そして、像面歪曲を像が糸巻状に歪曲する方向で収
差補正する場合をプラス補正とかプラス側に補正すると
かと言い、像が樽状に歪曲する方向で収差補正する場合
をマイナス補正とかマイナス側に補正するとかという。
マイナス補正を行った場合、周辺部では光束密度が高く
なるから、周辺部の照度が結果的に補強されることにな
る。図6に示す光学系では、コンデンサーレンズ群35
を適宜設計して、マイナス補正を行うようにすることは
容易である。そしてまた、収差補正用のレンズを任意に
設計することで、その際の補正量の任意に選定でき、こ
の結果、周辺部照度の補強の度合いを自由に調整するこ
とができる。
【0047】これに対し、図2に示すフライアイ式イン
テグレータ7では、このような像面歪曲収差の調整によ
る周辺部照度の補強調整は現実的には不可能である。な
ぜなら、フライアイ式インテグレータでは、照射面の中
心に結像する光線(図3の70C,71C,72C)と
周辺部で結像する光線(70L,71L,72Lと70
U,71U,72U)は、インテグレータ7の出射端面
近傍でほぼ同じ光路上の位置を重なるように占めてお
り、図4のように分散してはいない。勿論、インテグレ
ータ7の出射端面から離れた位置では、中心に結ぶ光線
と周辺部に結ぶ光線とは分離してくるので、そのような
位置にマイナス補正用のレンズを設けて周辺部照度の補
強を調整することは可能である。しかし、そのような離
れた位置では、光芒の占める面積が非常に大きくなるの
で大きなレンズが必要になり、光学設計が非常に困難に
なる。
【0048】このように本実施例では、マイナスの像面
歪曲の収差の調整によって周辺部照度の補強の調整が可
能になっているが、実際には、コンデンサーレンズ群3
5における前段のレンズ群と後段のレンズ群との間隔を
変更することによりマイナスの像面歪曲収差の度合いを
調整することができるような設計になっている。そし
て、図1の枠体5には、この間隔の調整部が設けられて
いる。
【0049】本実施例において上述のように周辺部照度
の補強の度合いが調整可能とされている理由の一つは、
フレネルレンズ37の採用に関係している。即ち、図1
に示すようなフレネルレンズ37を使用すると、周辺部
における光の損失が大きくなる。従って、フレネルレン
ズ37を使用する場合は、使用しない場合に比べ、より
大きな周辺部照度の補強が必要になるのである。尚、前
述した周辺部における見当ズレが問題とならない場合に
は、フレネルレンズ37は使用されない場合もある。ま
た、フレネルレンズ37の使用の有無に係わらず、周辺
部照度の補強の度合い調整は、所望の照度均一性を得る
意味で有益であるのは、勿論である。また、単一ロッド
レンズ式インテグレータ34の場合、照射面で得られる
像のパターンは、ロッドレンズ341の断面形状に依存
する。ロッドレンズ341が断面円形ならば円い光芒が
得られるし、断面方形ならば方形の光芒が得られる。本
実施例では、透光用ガラス板4が方形である関係上、1
2.4mm×17mm程度の方形の断面形状のロッドレ
ンズ341を使用している。
【0050】以上のような構成の光学系3を実際に製作
したところ、920mm×1200mm程度の照射面に
おいて±5%以内の照度分布が達成された。つまり、中
央部の最も照度の高い部分を100%とした場合、周辺
部の最も照度の小さい部分でも90%以上の照度が得ら
れた。このような高い均一度の照度分布で露光できる本
実施例の写真製版用露光機を使用すれば、前述のような
高精細の色分解調フィルムを使用した製版原稿の場合で
あっても、網点の再現が感光体フィルムの中央と周辺部
でほぼ一定となり、出来上がる印刷物の色合いが不均一
になることの無い優れた製版を行うことが可能となる。
【0051】次に、本願発明の写真製版用露光機の第二
実施例について説明する。図6及び図7は、第二実施例
の写真製版用露光機の概略を説明する図であり、図6は
その正面図、図7はその側面図である。この第二実施例
では、コンデンサーレンズ群35と出射側平面反射鏡3
6との間に更にもう一枚の平面反射鏡が出射側補助平面
反射鏡38として設けられている。即ち、この第二実施
例では、コンデンサーレンズ群35の出射側に二枚の平
面反射鏡36,38を使用して光路を屈折させ、さらに
コンパクトな構造にしている。具体的には、光源装置3
0から放出される光は第一の方向の光軸を持ち、出射側
補助平面反射鏡38は、この光軸を第一の方向に直角な
第二の方向に屈折させる。そして、出射側平面反射鏡3
6は、この第二の方向の光軸を垂直上方に屈折させるよ
うになっている。尚、第一の方向及び第二の方向は水平
な場合もあるが、露光機全体のコンパクト化等のため、
水平に対して所定角度傾いた状態に設定される場合もあ
る。
【0052】また、図6及び図7から明かな通り、出射
側平面反射鏡36や出射側補助平面反射鏡38は、図の
ような台形の形状である。これは、光源2からの光を最
大限有効に利用して透光用ガラス板4に照射するためで
ある。尚、この第二実施例においても、第一実施例と同
様、機台1の底面の上にベース板8が固定されており、
その上の所定位置に図1に示すような光源装置30が固
定されている。そして、上記出射側平面反射鏡36や出
射側補助平面反射鏡38は、不図示の保持板で保持さ
れ、保持板はベース板8上の所定位置に固定されてい
る。この結果、上記出射側平面反射鏡36や出射側補助
平面反射鏡38は上記光学的位置を保持するようになっ
ている。その他の構成や作用効果については、前述の第
一実施例の場合と基本的に同様であるので、説明を省略
する。
【0053】以上の通り説明した各実施例の写真製版用
露光機において、平面反射鏡33,36,38の使用
は、露光機全体の小型化に役だっている。即ち、光源2
としてのショートアーク型放電灯の光を集光鏡31で集
光して単一ロッドレンズ式インテグレータ34で均一化
する構成では、集光鏡31の焦点距離を長くしてより小
さな光芒に集光した方が、照度均一化のためには好まし
い。しかし、集光鏡31の焦点距離を長くすると、光路
長が長くなり、その結果露光機全体の大きさが大きくな
ってしまう。本実施例のように、平面反射鏡33,3
6,38を適宜使用して光路を折り曲げると、光路長を
長く取りつつも、光学系を機台の内部にコンパクトに収
めることができ、露光機全体の小型化に著しく貢献す
る。第一実施例では、二枚の平面反射鏡33,36、第
二実施例では三枚の平面反射鏡33,36,38を使用
したが、場合によっては一枚の平面反射鏡でも足りる場
合があり、また、四枚以上の平面反射鏡を使用した方が
好ましい場合があるのは、勿論である。尚、本明細書に
おいて、「感光体フィルム」とは、可撓性のあるいわゆ
るフィルム状のものに限らず、可撓性のないものも含
む。要は、製版原稿のパターンの光で露光できる感光層
を持ったものであれば良い。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本願の請求項1に
記載の発明によれば、高精細の色分解長フィルムを使用
して高解像度の印刷をする場合などであっても、出来上
がる印刷物の色合いが不均一になることの無く優れた製
版を行うことが可能となる。その上、平面反射鏡の使用
により露光機全体が小型化されている。また、請求項2
に記載の発明によれば、上記請求項1の効果に加え、像
面歪曲収差のマイナス補正により、周辺部の照度を補強
して更に照度を均一化させることができる。また、請求
項3に記載の発明によれば、上記請求項1の効果に加
え、像面歪曲収差のマイナス補正により、周辺部の照度
を補強して更に照度を均一化させることができ、且つ、
その際の補正量が調節可能なので、周辺部照度の補強の
度合いを自由に調整することができる。また、請求項4
に記載の発明によれば、上記請求項1、2または3の効
果に加え、光学系を構成する要素の光学的位置の位置決
めが容易に行えるので、露光機の製作が簡単になる。ま
た、請求項5に記載の発明によれば、上記請求項1、
2、3または4の効果に加え、高圧水銀灯からの紫外域
の光を露光感光波長に選ぶことができ、そのような波長
の光を放出しない照明器具を使用することで明室内での
作業が可能になるという効果が得られる。更に、請求項
6に記載の発明によれば、上記請求項1、2、3、4ま
たは5の効果に加え、平行光となった光が製版原稿と感
光体フィルムの組に入射するので周辺部における見当ズ
レが防止される。この際、フレネルレンズの使用によっ
て照度分布の不均一の度合いが変化するが、この変化は
コンデンサーレンズ群による像面歪曲のマイナス補正の
補正量の調整によって補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の写真製版用露光機の概略構成を説明す
る側断面図である。
【図2】図1の光学系3において単一ロッドレンズ式イ
ンテグレータ34に代え、フライアイ式インテグレータ
7を使用する場合の光学系説明図であり、参考例として
示した図である。
【図3】図2のインテグレータ7による照度分布均一化
作用の説明図である。
【図4】図1の第一実施例における単一ロッドレンズ式
インテグレータ34の作用を説明するであり、光学系全
体の説明図である。
【図5】図1の第一実施例における単一ロッドレンズ式
インテグレータ34の作用を説明するであり、ロッドレ
ンズ中を伝搬する光線の説明図である。
【図6】第二実施例の写真製版用露光機の概略を説明す
る正面図である。
【図7】第二実施例の写真製版用露光機の概略を説明す
る側面図である。
【図8】従来の写真製版用露光機の概略構成を説明する
側断面図である。
【符号の説明】
1 機台 2 光源 3 光学系 31 集光鏡 32 球面鏡 33 入射側平面反射鏡 34 単一ロッドレンズ式インテグレータ 35 コンデンサーレンズ群 36 出射側平面反射鏡 37 フレネルレンズ 38 出射側補助平面反射鏡 4 透光用ガラス板 5 枠体 6 照度センサ 101 製版原稿 102 感光体フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武藤 寿 東京都千代田区内神田一丁目1番7号株式 会社ウシオユーテック内 (72)発明者 古川 信義 東京都千代田区内神田一丁目1番7号株式 会社ウシオユーテック内 (72)発明者 小泉 光義 東京都千代田区大手町二丁目6番2号日立 電子エンジニアリング株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機台内に光源と光学系を内蔵し、機台上
    面に透光用ガラス板を設け、この透光用ガラス板上に製
    版原稿と感光体フィルムの組を重ね合わせて載置し、そ
    の上をカバーで覆った状態で前記光源を点灯して露光さ
    せる写真製版用露光機において、 前記光源は、ショートアーク型放電灯よりなり、 前記光学系は、前記ショートアーク型放電灯からの光を
    集光する集光鏡と、集光鏡により集光された光が入射し
    て照度分布を均一化させる単一ロッドレンズ式インテグ
    レータと、このインテグレータの出射側の光路上に配置
    されインテグレータからの光を集光して前記透光用ガラ
    ス板に照射するコンデンサーレンズ群と、コンデンサー
    レンズ群の出射側に配置されコンデンサーレンズ群から
    の光を透光用ガラス板に向けて反射させる出射側平面反
    射鏡とよりなることを特徴とする写真製版用露光機。
  2. 【請求項2】 コンデンサーレンズ群は、露光面におけ
    る像面湾曲の収差をマイナス側に補正することが可能と
    されていることを特徴とする請求項1記載の写真製版用
    露光機。
  3. 【請求項3】 コンデンサーレンズ群は、露光面におけ
    る像面湾曲の収差をマイナス側に補正することが可能と
    され、且つ、その補正量の大きさが調整可能とされてい
    ることを特徴とする請求項1記載の写真製版用露光機。
  4. 【請求項4】 ショートアーク型放電灯と集光鏡とイン
    テグレータとコンデンサーレンズ群とが、枠体により所
    定の光学的位置関係で一体的に取り付けられて光源装置
    として組み立てられているとともに機台内に配置された
    ベース板上の所定位置に取り付けられており、前記出射
    側平面反射鏡は、この光源装置の取り付け位置に対して
    所定の位置関係でベース板に取り付けられて光学的位置
    が確保されていることを特徴とする請求項1、2又は3
    に記載の写真製版用露光機。
  5. 【請求項5】 ショートアーク型放電灯が高圧水銀灯で
    あることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の
    写真製版用露光機。
  6. 【請求項6】 コンデンサーレンズ群からの光を平行光
    にして透光用ガラス板に照射するフレネルレンズが、透
    光用ガラス板の下側に設置されていることを特徴とする
    請求項1、2、3、4又は5に記載の写真製版用露光
    機。
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