JPH07260676A - ネマティック液晶素子の微小面積界面アンカリングエネルギ−測定方法 - Google Patents

ネマティック液晶素子の微小面積界面アンカリングエネルギ−測定方法

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JPH07260676A
JPH07260676A JP4806294A JP4806294A JPH07260676A JP H07260676 A JPH07260676 A JP H07260676A JP 4806294 A JP4806294 A JP 4806294A JP 4806294 A JP4806294 A JP 4806294A JP H07260676 A JPH07260676 A JP H07260676A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光リタデ−ションを測定するのみでネマティ
ック液晶素子の微小な面積の界面アンカリングエネルギ
−を測定することができるネマティック液晶素子の微小
面積界面アンカリングエネルギ−測定方法を提供するこ
と。 【構成】 液晶の基礎物性定数に基づいて、連続体理論
に基づいた計算式より上記ネマティック液晶素子内の液
晶分子の配向分布を求め、その液晶分子の配向分布のう
ち上記ネマティック液晶素子の全エネルギ−を最小にす
る液晶分子の配向分布を算出し、そのネマティック液晶
素子の全エネルギ−を最小にする液晶分子の配向分布よ
りアンカリングエネルギ−をパラメ−タとした印加電圧
に対応した光学リタデ−ションとの関係を複数算出し
て、実測値と比較することにより微小領域の界面アンカ
リングエネルギ−を決定している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶素子の基礎物性測定
方法に関し、特にネマティック液晶素子の微小面積の界
面アンカリングを測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ネマティック液晶素子の配向膜界面アン
カリングを測定する方法の1つとして図9に示すように
強電場法を用いた測定装置が広く知られている。まず、
被測定素子である液晶セル10は、図10に示すように
所定ギャップd隔てて配設された2枚のガラス基板1
1,12上に対向するように電極13,14をそれぞれ
形成し、その電極13,14上の対向する面にそれぞれ
に配向膜13a,14aを形成し、電極13,14間に
液晶15を封入した構成を有する。
【0003】そして、図9に示すように図10の構成を
有する液晶セル10を恒温槽21内に載置する。この恒
温槽21は温度コントロ−ラ22に接続されており、こ
の温度コントロ−ラ22により液晶15がネマティック
相を保つように温度制御される。
【0004】23は本計測装置全体を制御するコンピュ
−タである。このコンピュ−タ23には任意波形発生器
24が接続されている。この任意波形発生器24はコン
ピュ−タ23からの制御信号に応じて任意の波形、例え
ば任意の波高値を有する正弦波電圧をアンプ25に出力
する。
【0005】そして、このアンプ25から出力される任
意の波高値を有する正弦波電圧の出力はインピ−ダンス
アナライザ26を介して液晶セル10に印加される。ま
た、27はヘリウム−ネオンレ−ザ光を出力するレ−ザ
光源である。このレ−ザ光源27から出力されたレ−ザ
光は偏光板28を介して直線偏光がかけられた後、光弾
性変調素子29によって、光変調がかけられた後、液晶
セル10に照射される。
【0006】そして、液晶セル10を透過した透過光は
偏光板30を介して検出器31に入力されて、その光振
幅信号が検出される。この検出器31で検出された光振
幅信号はロックインアンプ32に入力され、増幅・デジ
タル化された後に、コンピュ−タ23に出力される。こ
のコンピュ−タ23において信号処理がなされて、光リ
タデ−ション(弾性率)Rが検出される。
【0007】また、インピ−ダンスアナライザ26によ
り液晶セル10の電気容量Cが計測される。次に、従来
のネマティック液晶素子の界面アンカリングエネルギ−
測定方法の動作について説明する。まず、コンピュ−タ
23の制御により任意波形発生器24により正弦波電圧
を発生させ、その正弦波電圧値を液晶セル10のしきい
値からしきい値の約10倍程度まで変化させる。その正
弦波電圧はアンプ25を介して増幅された後、インピ−
ダンスアナライザ26を介して液晶セル10に印加させ
る。
【0008】また同時に、レ−ザ光源27から出力され
るヘリウム−ネオンレ−ザ光は偏光板28を介して直線
偏光がかけられた後、光弾性変調素子29によって、光
変調がかけられた後、液晶セル10に照射される。液晶
セル10を透過した透過光は偏光板30を介して検出器
31に入力されて、その光振幅信号が検出される。
【0009】この検出器31で検出された光振幅信号は
ロックインアンプ32に入力され、増幅・デジタル化さ
れた後に、コンピュ−タ23に出力される。このコンピ
ュ−タ23において信号処理がなされて、光リタデ−シ
ョンRが検出される。
【0010】また、インピ−ダンスアナライザ26によ
り液晶セル10の静電容量Cを計測し、その計測された
静電容量Cはコンピュ−タ23に出力される。界面アン
カリングエネルギーの小さい理想的な液晶素子であれ
ば、液晶セル10に印加される正弦波電圧としての印加
電圧、静電容量C、光リタデ−ションRから図11に示
すようなグラフを作成することができる。
【0011】図11において、点は実測値であり、実線
はアンカリングエネルギーを1/102 〜2/106
してシミュレーションを行った結果を示す。測定から得
られたグラフに添う近似直線を破線で示すように引き、
グラフ縦軸との交点即ちグラフ切片yより、下式から界
面アンカリングエネルギーAは求められる。 A=2(K1 cos2 θ+K3 sin2 θ)/d・y … (1) ここでK1 ,K3 は弾性定数、dはセルギャップ、θは
プレティルト角である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のように強電場法
を用いて界面アンカリングエネルギ−を測定する方法は
比較的簡便な方法としては優れているが、ネマティック
液晶素子の界面アンカリングエネルギーの測定法として
は十分とはいえない。
【0013】強電場法では電気容量と光学リタデーショ
ンを同時に測定する必要がある。通常、光学リタデーシ
ョンの被測定部分の面積が数mm2 であるのに対し、電
気容量測定には被測定部分の面積が数cm2 必要である
ため、特に電気容量測定には大きな測定誤差を含む可能
性があるためである。
【0014】即ち、電気容量測定に必要な大面積が均一
に配向されている必要性があり、アンカリングエネルギ
ーが弱い液晶セルにおいて発生するマルチドメインや、
リバースティルト、ディスクリネーション等の配向欠陥
を有するサンプルの測定においては、正しいアンカリン
グエネルギーを求めることは不可能であった。
【0015】強電場法においては図11に示すグラフか
ら得た近似直線の縦軸切片より計算を行う。しかし、測
定値グラフは図11に示すように本来直線ではない。連
続体理論に基づくシミュレーションにおいても、このグ
ラフは曲線を描くことは明らかである。このために、近
似直線の引き方によって切片はy〜y′のように変化し
てしまい、求められるアンカリングエネルギーの値も大
きく異なってしまうという問題点があった。
【0016】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、光リタデ−ションを測定するのみでネ
マティック液晶素子の微小領域の界面アンカリングエネ
ルギ−を測定することができるネマティック液晶素子の
微小面積界面アンカリングエネルギ−測定方法を提供す
ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わるネマテ
ィック液晶素子の界面アンカリングエネルギ−測定方法
は、ネマティック液晶素子の液晶層を挟む電極間に所定
の正弦波電圧を印加した状態における印加電圧に対する
上記液晶層の光学リタデ−ションを測定する光学リタデ
−ション測定工程と、液晶の基礎物性定数に基づいて、
連続体理論に基づいた計算式より上記ネマティック液晶
素子内の液晶分子の配向分布を求める配向分布算出工程
と、この配向分布算出工程で算出された液晶分子の配向
分布のうち上記ネマティック液晶素子の全エネルギ−を
最小にする液晶分子の配向分布を算出する工程と、この
工程で算出した上記ネマティック液晶素子の全エネルギ
−を最小にする液晶分子の配向分布よりアンカリングエ
ネルギ−をパラメ−タとした印加電圧に対応した光学リ
タデ−ションとの関係を複数算出するシミュレ−ション
工程と、上記光学リタデ−ション測定工程で測定された
印加電圧に対する光学リタデ−ションの対応関係に近い
関係を上記シミュレ−ション工程で算出された印加電圧
に対応した光学リタデ−ションとの関係から求め、その
パラメ−タをネマティック液晶素子の界面アンカリング
エネルギ−とする界面アンカリングエネルギ−決定工程
とを具備したことを特徴とする。
【0018】請求項2に係わるネマティック液晶素子の
界面アンカリングエネルギ−測定方法は、強いアンカリ
ングを有する液晶素子の液晶層を挟む電極間に所定の正
弦波電圧を印加し印加電圧に対する電気容量の変化を計
測する電気容量計測工程と、連続体理論に基づいて計算
式より基礎物性定数をパラメ−タとして印加電圧に対す
る電気容量との関係をシミュレ−ションする第1のシミ
ュレ−ション工程と、上記電気容量計測工程と上記シミ
ュレ−ション工程とでそれぞれ求められた印加電圧と電
気容量との関係で一致する基礎物性のパラメ−タを上記
液晶素子の基礎物性値とする基礎物性値算出工程と、こ
の基礎物性値算出工程で求められた基礎物性値に基づい
て連続体理論に基づいた計算式より上記ネマティック液
晶素子内の液晶分子の配向分布を求める配向分布算出工
程と、この配向分布算出工程で算出された液晶分子の配
向分布のうち上記ネマティック液晶素子の全エネルギ−
を最小にする液晶分子の配向分布を算出する工程と、こ
の工程で算出した上記ネマティック液晶素子の全エネル
ギ−を最小にする液晶分子の配向分布よりアンカリング
エネルギ−をパラメ−タとした印加電圧に対応した光学
リタデ−ションとの関係を複数算出する第2のシミュレ
−ション工程と、上記光学リタデ−ション測定工程で測
定された印加電圧に対する光学リタデ−ションの対応関
係に近い関係を上記第2のシミュレ−ション工程で算出
された印加電圧に対応した光学リタデ−ションとの関係
から求め、そのパラメ−タをネマティック液晶素子の界
面アンカリングエネルギ−とする界面アンカリングエネ
ルギ−決定工程とを具備したことを特徴とする。
【0019】
【作用】液晶素子に印加する正弦波電圧の変化に伴う光
学リタデーションの変化を観測し、同時に連続体理論に
基づいた計算機シミュレーションを行い、測定結果とシ
ミュレーションをフィッティングさせることにより、ネ
マティック液晶素子の微小領域の界面アンカリングエネ
ルギーを決定するようにしている。
【0020】
【実施例】以下図面を参照して本発明の一実施例に係わ
るネマティック液晶素子の界面アンカリングエネルギ−
測定方法について説明する。図1は本発明の測定方法を
採用した界面アンカリングエネルギ−測定方法により微
小面積界面アンカリングエネルギ−を測定するための測
定装置を示すブロック図、図2は液晶セルを3次元座標
中に示した図、図3は印加電圧と光学リタデ−ションと
の関係を示す図、図4は印加電圧の逆数と光学リタデ−
ションとの関係を示す図、図5は印加電圧の逆数と光学
リタデ−ションとの関係を示す図に計測値をプロットし
た図、図6は弾性定数比κをパラメ−タにした場合の規
格化された印加電圧とC/Co との関係を示す図、図7
は比誘電率異方性γをパラメ−タとした場合の規格化さ
れた印加電圧とC/Co との関係を示す図、図8は液晶
に印加される印加電圧と電気容量(A.U.)との関係
を示す図である。
【0021】図1において、恒温槽21内には図10の
構成を有する液晶セル10が恒温槽21内に載置され
る。この恒温槽21は温度コントロ−ラ22に接続され
ており、この温度コントロ−ラ22により液晶セル10
がネマティック相を保つように温度制御される。
【0022】23は本計測装置全体を制御するコンピュ
−タである。このコンピュ−タ23には任意波形発生器
24が接続されている。この任意波形発生器24はコン
ピュ−タ23からの制御信号に応じて任意の波形、例え
ば任意の波高値を有する正弦波電圧をアンプ25に出力
する。
【0023】そして、このアンプ25から出力される任
意の波高値を有する正弦波電圧の出力は液晶セル10に
印加される。また、27はヘリウム−ネオンレ−ザ光を
出力するレ−ザ光源である。このレ−ザ光源27から出
力されたレ−ザ光は偏光板28を介して直線偏光がかけ
られた後、光弾性変調素子29によって、光変調がかけ
られた後、液晶セル10に照射される。
【0024】そして、液晶セル10を透過した透過光は
偏光板30を介して検出器31に入力されて、その光振
幅信号が検出される。この検出器31で検出された光振
幅信号はロックインアンプ32に入力され、増幅・デジ
タル化された後に、コンピュ−タ23に出力される。こ
のコンピュ−タ23において信号処理がなされて、光リ
タデ−ションが検出される。
【0025】次に、本発明の一実施例の動作について説
明する。まず、本測定方法の測定原理について説明す
る。通常、ネマティック液晶セルの全エネルギ−は下式
で表される。
【0026】
【数1】
【0027】ここで、felasは弾性エネルギ−、fd
誘電エネルギ−である。液晶の弾性エネルギ−はフラン
クの自由エネルギ−の式で表されるが、ここで取り扱っ
ているのは電圧印加による液晶分子のスプレ−変形及び
ベンド変形であるので、フランクの式における第2項は
不要である。ここで、図2に示すようにθはz軸上(セ
ル厚方向)でのみ変化するものとし、θはx軸とダイレ
クタのなす角とすると弾性エネルギ−felasは、
【0028】
【数2】 と簡単に記述することができる。また、誘電エネルギ−
d
【0029】
【数3】 となる。また、光弾性定数K(θ)、弾性定数比κ、誘
電率ε(θ)、比誘電率異方性γは下式で表される。
【0030】
【数4】
【0031】
【数5】
【0032】
【数6】
【0033】
【数7】 そして、界面エネルギ−密度fs は次式で表される。
【0034】
【数8】
【0035】ここで、θ0 は容易軸(プレティルト角)
である。系の全体エネルギ−が最小となる点で前述した
(2)式の全エネルギ−Fの偏微分値δF=0であるの
で、基本方程式として次式が求められる。ただし、θ
(0)=θ0 とする。
【0036】
【数9】
【0037】
【数10】 また、弾性定数K(θ)は
【0038】
【数11】 である。そして、前述した(10)式に(12)式を代
入してdθ/dzを求めると、次式のようになる。
【0039】
【数12】 ここで、e及びEc1を
【0040】
【数13】
【0041】
【数14】 とおいた。そして、(13)式を積分すると下式のよう
になる。
【0042】
【数15】 そして、前述した(11)乃至(13)式より
【0043】
【数16】 となる。
【0044】ここで、βは規格化されたアンカリング強
度で β=Ad/K1 となる。そして、(14)式を(15)式に代入する
と、次式が求められる。
【0045】
【数17】 このように、(18)式の計算式により、θ0 がθm
関数として求めることができる。このようにして液晶セ
ル10内の液晶分子の配向θの分布を求めることができ
るので、液晶のリタデ−ションRを次式より求めること
ができる。
【0046】
【数18】 ここで、neff は次式により求められる。
【0047】
【数19】 ただし、
【0048】
【数20】
【0049】ところで、前述した(18)式を解くこと
は不可能であり、実際の計算ではニュ−トンラプソン法
を用いた収束計算を行っている。そして、この収束計算
によって得られた配向分布を(2)式及び(9)式に戻
すことにより、全エネルギ−Fが最小となる配向分布を
見つけるようにしている。
【0050】次に、本発明の測定方法について説明す
る。まず、微小面積の界面アンカリングを測定する前
に、多くの未知数を求めておく必要がある。屈折率異方
性、誘電率異方性については教科書等に載っているので
省略する。ここでは、弾性定数比κ(=K33−K11/K
11)の求め方について説明する。
【0051】まず、ストロングアンカリング、つまり、
アンカリング強度Aとして1/102 (N/m)の液晶
セル10を用意し、プレティルト角を事前に測定してお
く。
【0052】次に、図1の計測装置で、コンピュ−タ2
3の制御により任意波形発生器24から正弦波電圧発生
器24から正弦波電圧値を液晶セル10のしきい値から
しきい値の約10倍程度まで変化させる。その正弦波電
圧はアンプ25を介して増幅された後、液晶セル10に
印加させる。
【0053】液晶セル10の静電容量Cを計測し、その
計測された静電容量Cはコンピュ−タ23に出力され
る。そして、コンピュ−タ23において、印加電圧V及
び静電容量Cを規格化する。つまり、しきい値Vthとし
てV/Vthとし、印加電圧Vが零の時の静電容量CをC
o として、V/Vthをx軸、C/Co をy軸として図6
に示すようなグラフを描いておく。
【0054】次に、前述した(18)式の中にある弾性
定数比κとして−0.9、−0.7−0.5、−0.
3、0をそれぞれ代入してコンピュ−タ23でシミュレ
−ションを行い図6に示すようにC/Co とV/Vthと
の関係を計算で求めて、図6に示すように複数のグラフ
を描く。
【0055】そして、測定装置での測定結果から実際に
求められた測定結果に近い特性曲線を求め、その弾性定
数比κを求める。また、同様にして比誘電率異方性γと
して0.18、0.19、0.194、0.2、0.2
1をコンピュ−タ23でシミュレ−ションを行う図7に
示すようにC/Co とV/Vthとの関係を計算で求め
て、図7に示すように複数のグラフを描く。
【0056】そして、測定装置での測定結果から実際に
求められた測定結果に近い特性曲線を求め、その誘電率
異方性γを求める。未知数の実際の導出においては、初
めにγを求める。なぜなら、γは液晶固有の値でありア
ンカリング強度等に依存しない独立な変数だからであ
る。γが決定された後、κを求める。このようにして
(18)式にその値を代入する。
【0057】次に、被測定対象となる液晶セル10を恒
温槽21に載置し、液晶セル10がネマティック相を保
つように温度制御する。そして、コンピュ−タ23の制
御により任意波形発生器24から正弦波電圧発生器24
から正弦波電圧値を液晶セル10のしきい値からしきい
値の約10倍程度まで変化させる。その正弦波電圧はア
ンプ25を介して増幅された液晶セル10に印加され
る。
【0058】また同時に、レ−ザ光源27から出力され
るヘリウム−ネオンレ−ザ光は偏光板28を介して直線
偏光がかけられた後、光弾性変調素子29によって、光
変調がかけられた後、液晶セル10に照射される。液晶
セル10を透過した透過光は偏光板30を介して検出器
31に入力されて、その光振幅信号が検出される。
【0059】この検出器31で検出された光振幅信号は
ロックインアンプ32に入力され、増幅・デジタル化さ
れた後に、コンピュ−タ23に出力される。このコンピ
ュ−タ23において信号処理がなされて、光リタデ−シ
ョンRが検出される。
【0060】以上のような測定結果から図3に示すよう
な印加電圧(V)に対応する光リタデ−ションR(deg
)のグラフを作成する。次に、前述した(18)式に
関して、アンカリング強度Aを1/103 、1/10
4 、1/105 、2/106 [N/m]としてコンピュ
−タ23でシミュレ−ションを行い、各アンカリング強
度Aに対応した曲線を描いておく。
【0061】次に、図5の示すように実測した印加電圧
Vと光学リタデ−ションR(deg)から、印加電圧Vと光
学リタデ−ションRのいずれも規格化としてプロット
し、点線Aを図5に示すように、コンピュ−タ23でシ
ミュレ−ションした曲線に重ねる。
【0062】そして、点線Aに最もフィットする特性曲
線のアンカリング強度を被測定対象の液晶セル10のア
ンカリング強度Aとすることができる。以上のようにし
て、アンカリング強度を求めることができる。
【0063】次に、(18)式のプリティルト角を1
°、5°としてコンピュ−タ23のシミュレ−ションに
より印加電圧と電気容量(A.U.)との関係を図8に
示すように求めておく。そして、実際に前述したように
液晶セル10に印加する印加電圧を変化させて、電気容
量を計測する。
【0064】そして、印加電圧を変化した場合の電気容
量を図8に示すようにプロットする。 そして、そのプ
ロットに一番近い曲線はプレティルト角が5°の曲線で
あるので、液晶のプレティルト角が5°であると判定さ
れる。
【0065】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、光
リタデ−ションを測定するのみでネマティック液晶素子
の界面アンカリングエネルギ−を測定することができる
ので、ネマティック液晶素子の微小領域の界面アンカリ
ングエネルギ−を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定方法を採用した微小面積界面アン
カリングエネルギ−測定方法により界面アンカリングエ
ネルギ−を測定するための測定装置を示すブロック図。
【図2】液晶セルを3次元座標中に示した図。
【図3】印加電圧と光学リタデ−ションとの関係を示す
図。
【図4】印加電圧の逆数と光学リタデ−ションとの関係
を示す図。
【図5】印加電圧の逆数と光学リタデ−ションとの関係
を示す図に計測値をプロットした図。
【図6】κをパラメ−タにした場合の規格化された印加
電圧とC/Co との関係を示す図。
【図7】γをパラメ−タとした場合の規格化された印加
電圧とC/Co との関係を示す図。
【図8】液晶に印加される印加電圧と電気容量(A.
U.)との関係を示す図。
【図9】従来の界面アンカリングエネルギ−を測定する
ための測定装置を示すブロック図。
【図10】液晶素子の構造を示す断面図。
【図11】1/(印加電圧・電気容量)とR/RO との
関係を示す図。
【符号の説明】
21…恒温槽、22…温度コントロ−ラ、23…コンピ
ュ−タ、24…任意波形発生器、25…アンプ、26…
インピ−ダンスアラナイザ、27…レ−ザ光源、28,
30…偏光板、29…光弾性変調素子、31…検出器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネマティック液晶素子の液晶層を挟む電
    極間に所定の正弦波電圧を印加した状態における印加電
    圧に対する上記液晶層の光学リタデ−ションを測定する
    光学リタデ−ション測定工程と、 液晶の基礎物性定数に基づいて、連続体理論に基づいた
    計算式より上記ネマティック液晶素子内の液晶分子の配
    向分布を求める配向分布算出工程と、 この配向分布算出工程で算出された液晶分子の配向分布
    のうち上記ネマティック液晶素子の全エネルギ−を最小
    にする液晶分子の配向分布を算出する工程と、 この工程で算出した上記ネマティック液晶素子の全エネ
    ルギ−を最小にする液晶分子の配向分布よりアンカリン
    グエネルギ−をパラメ−タとした印加電圧に対応した光
    学リタデ−ションとの関係を複数算出するシミュレ−シ
    ョン工程と、 上記光学リタデ−ション測定工程で測定された印加電圧
    に対する光学リタデ−ションの対応関係に近い関係を上
    記シミュレ−ション工程で算出された印加電圧に対応し
    た光学リタデ−ションとの関係から求め、そのパラメ−
    タをネマティック液晶素子の界面アンカリングエネルギ
    −とする界面アンカリングエネルギ−決定工程とを具備
    したことを特徴とするネマティック液晶素子の微小面積
    界面アンカリングエネルギ−測定方法。
  2. 【請求項2】 強いアンカリングを有する液晶素子の液
    晶層を挟む電極間に所定の正弦波電圧を印加し印加電圧
    に対する電気容量の変化を計測する電気容量計測工程
    と、 連続体理論に基づいて計算式より基礎物性定数をパラメ
    −タとして印加電圧に対する電気容量との関係をシミュ
    レ−ションする第1のシミュレ−ション工程と、 上記電気容量計測工程と上記シミュレ−ション工程とで
    それぞれ求められた印加電圧と電気容量との関係で一致
    する基礎物性のパラメ−タを上記液晶素子の基礎物性値
    とする基礎物性値算出工程と、 この基礎物性値算出工程で求められた基礎物性値に基づ
    いて連続体理論に基づいた計算式より上記ネマティック
    液晶素子内の液晶分子の配向分布を求める配向分布算出
    工程と、 この配向分布算出工程で算出された液晶分子の配向分布
    のうち上記ネマティック液晶素子の全エネルギ−を最小
    にする液晶分子の配向分布を算出する工程と、 この工程で算出した上記ネマティック液晶素子の全エネ
    ルギ−を最小にする液晶分子の配向分布よりアンカリン
    グエネルギ−をパラメ−タとした印加電圧に対応した光
    学リタデ−ションとの関係を複数算出する第2のシミュ
    レ−ション工程と、 上記光学リタデ−ション測定工程で測定された印加電圧
    に対する光学リタデ−ションの対応関係に近い関係を上
    記第2のシミュレ−ション工程で算出された印加電圧に
    対応した光学リタデ−ションとの関係から求め、そのパ
    ラメ−タをネマティック液晶素子の界面アンカリングエ
    ネルギ−とする界面アンカリングエネルギ−決定工程と
    を具備したことを特徴とするネマティック液晶素子の微
    小面積界面アンカリングエネルギ−測定方法。
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