JP3855080B2 - 液晶素子の光学特性測定方法及び液晶素子の光学特性測定システム - Google Patents

液晶素子の光学特性測定方法及び液晶素子の光学特性測定システム Download PDF

Info

Publication number
JP3855080B2
JP3855080B2 JP2004055128A JP2004055128A JP3855080B2 JP 3855080 B2 JP3855080 B2 JP 3855080B2 JP 2004055128 A JP2004055128 A JP 2004055128A JP 2004055128 A JP2004055128 A JP 2004055128A JP 3855080 B2 JP3855080 B2 JP 3855080B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
light
difference
crystal element
measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004055128A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005242234A (ja
Inventor
正志 赤羽
宗弘 木村
フング チオング ラ
Original Assignee
株式会社新潟ティーエルオー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社新潟ティーエルオー filed Critical 株式会社新潟ティーエルオー
Priority to JP2004055128A priority Critical patent/JP3855080B2/ja
Publication of JP2005242234A publication Critical patent/JP2005242234A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3855080B2 publication Critical patent/JP3855080B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)

Description

本発明は、液晶素子の光学特性の測定方法及び測定システム、更に液晶の配向分布とアンカリングエネルギーを測定する方法及び測定システムに関するものである。
液晶素子は、液晶の持っている光の偏光特性を利用した表示素子である。液晶素子では、一対の基板間に液晶を介在させ、基板上で発生させた電界を液晶層に印加することによって透過光及び反射光を制御している。基板上には、液晶層の初期配列を決定させるための配向膜が形成され、また上記基板と上記配向膜の間には透明電極が形成されている。場合によっては保護膜も形成されることがある。液晶素子の開発のためには、液晶の複屈折率及び液晶分子の配向分布等の基礎物性を知る必要がある。特に、配向膜の近傍における液晶分子が基板となす角度をプレチルト角といい、配向膜の近傍における液晶分子がどの程度強固に配向膜に固定されているかを表す物理量をアンカリングエネルギーという。プレチルト角とアンカリングエネルギーを正確に知ることは液晶素子の設計や改善に役立つため、工業的にも有用である。
従来よりプレチルト角とアンカリングエネルギーの測定法についてはさまざまな提案がなされてきた。プレチルト角の測定法としては、結晶回転法が提案されていた。またアンカリングエネルギーの測定法としては、強電場法が広く知られている。
結晶回転法に用いられる測定装置は図1に示すような構成である。液晶素子10は、図2に示すように所定ギャップd隔てて配設された2枚のガラス基板11・12上に対向するように電極13・14をそれぞれ形成し、その電極13・14上の対向する面にそれぞれに配向膜16・17を形成し、配向膜16・17の間に液晶15を封入した構成を有する。
そして、図1に示すように図2の構成を有する液晶素子10を恒温槽21内に載置する。この恒温槽21は温度コントローラ22に接続されており、この温度コントローラ22により液晶15がネマティック相を保つように温度制御される。
23は本計測装置全体を制御するコンピュータである。このコンピュータ23には回転台33が接続されている。この回転台33はコンピュータ23からの制御信号に応じて回転する。
27はヘリウム−ネオンレーザ光を出力するレーザ光源である。このレーザ光源27から出力された波長λのレーザ光は偏光板28を介して直線偏光化された後、チョッパー34によって、光変調が掛けられた後、液晶素子10に照射される。
そして、液晶素子10を透過した透過光は偏光板30を介して検出器31に入力され、その光信号が検出される。
この検出器31で検出された光信号はロックインアンプ32に入力され、デジタル化された後、コンピュータ23に出力される。このコンピュータ23において信号処理がなされて、透過光強度が検出される。
プレチルト角の小さい理想的な液晶素子であれば、液晶素子10の法線と入射レーザ光とのなす角がψである時の透過光強度から図3に示すようなグラフを作成することが出来る。
図3において、曲線は実測値である。実測値から得られた曲線は図3に示されるような特徴的な対称性を持つ振動波形となる。この波形の対称点となる液晶素子の回転角をψは求めようとしているプレチルト角と次のような関係式で結ばれている。
Figure 0003855080
ここでaは異常光の屈折率の逆数、bは常光の屈折率の逆数、c=acosθ+bsinθである。よって、式3よりプレチルト角を求めることが出来る。
強電場法に用いられる測定装置は図4に示すような構成である。液晶素子10は、図2に示すように所定ギャップd隔てて配設された2枚のガラス基板11・12上に対向するように電極13・14をそれぞれ形成し、その電極13・14上の対向する面にそれぞれに配向膜16・17を形成し、配向膜16・17の間に液晶15を封入した構成を有する。
そして、図4に示すように図2の構成を有する液晶素子10を恒温槽21内に載置する。この恒温槽21は温度コントローラ22に接続されており、この温度コントローラ22により液晶15がネマティック相を保つように温度制御される。
23は本計測装置全体を制御するコンピュータである。このコンピュータ23には任意波形発生器24が接続されている。この任意波形発生器24はコンピュータ23からの制御信号に応じて任意の波形、例えば任意の波高値を有する正弦波電圧をアンプ25に出力する。
そして、このアンプ25から出力される任意の波高値を有する正弦波電圧の出力はインピーダンスアナライザ26を介して液晶素子10へ印加される。また、27はヘリウム−ネオンレーザ光を出力するレーザ光源である。このレーザ光源27から出力されたレーザ光は偏光板28を介して直線偏光化された後、光弾性変調素子29によって、光変調が掛けられた後、液晶素子10に照射される。
そして、液晶素子10を透過した透過光は偏光板30を介して検出器31に入力され、その光振幅信号が検出される。
この検出器31で検出された光振幅信号はロックインアンプ32に入力され、増幅・デジタル化された後、コンピュータ23に出力される。このコンピュータ23において信号処理がなされて、光リタデーションRが検出される。ここで、非特許文献2ではリタデーションと呼ばれているが、正しくは位相差Δが計測されている。
また、インピーダンスアナライザ26により液晶素子10の電気容量Cが計測される。次に、従来のネマティック液晶素子の極角アンカリングエネルギー測定方法の動作について説明する。まず、コンピュータ23の制御により任意波形発生器24により正弦波電圧を発生させ、その正弦波電圧値を液晶素子のしきい値からしきい値の約10倍程度まで変化させることができるようアンプ25で増幅させる。その正弦波電圧はインピーダンスアナライザ26を介して液晶素子10に印加される。
また同時に、レーザ光源27から出力されるレーザ光は偏光板28を介して直線偏光化され、光弾性変調素子29によって、光変調が掛けられた後、液晶素子10に照射される。液晶素子10を透過した透過光は偏光板30を介して検出器31に入力され、その光振幅信号が検出される。
この検出器31で検出された光振幅信号はロックインアンプ32に入力され、デジタル化された後に、コンピュータ23に出力される。このコンピュータ23において信号処理がなされて、光リタデーションRが検出される。
また、インピーダンスアナライザ26により液晶素子10の静電容量Cを計測し、その計測された静電容量Cはコンピュータ23に出力される。
極角アンカリングエネルギーの小さい理想的な液晶素子であれば、液晶素子10に印加される正弦波電圧としての印加電圧V、印加電圧Vが掛けられた時の静電容量C(V)、電圧が掛けられていないときの光リタデーションR、印加電圧Vが掛けられた時の光リタデーションR(V)から図5に示すようなグラフを作成することが出来る。
図5において、点は実測値である。実測値から得られたグラフに添う近似直線を破線で示すように引き、グラフ縦軸との交点即ちグラフ切片yより、下式から極角アンカリングエネルギーAは求められる。
Figure 0003855080
ここでK、Kは弾性定数、dはセルギャップ、θはプレチルト角である。
特開平7−260676 特開平5−10821 T.J.Scheffer and J.Nehering、J.Appl.Phys.Vol.48(1977)p.1783 横山浩、日本液晶学会機関誌「液晶」第4巻第1号(2000)p.63
上記の従来法の問題点は、適用できる液晶素子が限定されることである。液晶素子は図2に示すように、一対のガラス基板の間に液晶を封入した構造を有し、液晶に初期配向を与えるための配向膜と呼ばれる高分子を塗布し、更に液晶層に電界を印加するための透明電極が配置される。このような多層膜構造を有するために、液晶層や配向膜及び透明電極において、多重反射及び多重干渉が発生している。しかしながら、上述の結晶回転法や強電場法においては、多重反射及び多重干渉は考慮されていない。このため、プレチルト角を測定する方法として結晶回転法は比較的簡便な方法として優れているが、一般にプレチルト角が10度を超えた液晶素子には適用できないことが知られている。また極角アンカリングエネルギーを決定する方法として強電場法は比較的簡便な方法として優れているが、10−4J/m以上の極角アンカリングエネルギーを決めることは困難であることが知られている。
こうした測定範囲の限定を克服するためには、厳密に多重反射及び多重干渉の影響を考慮に入れた多層膜解析を行わなければならず、結晶回転法や強電場法の簡便さという利点は失われてしまった。
本発明は前記課題に鑑みなされたものであり、液晶、位相補償フイルムなどの解析を行う際に、複雑な多層膜解析を行うことなしに多重反射及び多重干渉を相殺して複屈折率媒質の光学解析手法を行い、液晶配向分布及び液晶層の厚さdを決定する方法及び測定装置を提供することを目的とする。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
前記目的を達成するために、本発明にかかる液晶配向分布及び液晶層の厚さdを決定する方法は、図2に示すような多層膜が形成された一対の基板間に液晶を介在させてなる液晶素子の光学特性測定方法であって、光源から放射される波長λである光を偏光子を介して偏光させた後、位相変調素子を介して位相変調を与えた上で、液晶素子に入射させ、この液晶素子から出射した光を検光子を介して光透過率を光検出器で測定することにより位相差Δを測定する位相差測定部を用いて、前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させ、位相差Δ及びΔを計測し、この得られた実測データΔ及びΔの差Δ−Δを求めて液晶層における多重反射及び多重干渉並びに液晶層の上下に存在する上記基板と上記ガラス基板上に形成されている多層膜における多重反射及び多重干渉を相殺して影響を除去する工程と、液晶の屈折率物性定数νに基づいて液晶分子が基板に対してなす角度θの変化が1次元である配向分布をなしているとして、所定の入射角+β及び−βで光を入射させる条件で光学理論計算により得られる液晶部分の光路差R及びRを求める工程と、この光路差R及びRの差RとRがΔ−Δと恒等的に等しいことを用いて上記の液晶配向分布及び液晶層の厚さdを
Figure 0003855080
式から決定することを特徴とする液晶素子の光学特性測定方法に係るものである。
また、多層膜が形成された一対の基板間に液晶を介在させてなる液晶素子の光学特性測定方法であって、光源から放射される波長λである光を偏光子を介して偏光させた後、位相変調素子を介して位相変調を与えた上で、液晶素子に入射させ、この液晶素子から出射した光を検光子を介して光透過率を光検出器で測定することにより位相差Δを測定する位相差測定部を用いて、前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させ、位相差Δ及びΔを計測し、得られた実測データΔ及びΔの差Δ−Δを求めて液晶層における多重反射及び多重干渉並びに液晶層の上下に存在する上記基板と上記ガラス基板上に形成されている多層膜における多重反射及び多重干渉を相殺して影響を除去する工程と、液晶の屈折率物性定数νに基づいて液晶分子が基板に対してなす角度θの変化が1次元である配向分布をなしているとして、所定の入射角+β及び−βで光を入射させる条件で光学理論計算により得られる液晶部分の光路差R及びRを求める工程と、この光路差R及びRの差RとRがΔ−Δと恒等的に等しいことを用いて、上記基板近傍における上記液晶が基板となすプレチルト角θ及び液晶層の厚さdを
Figure 0003855080
式から決定することを特徴とする液晶素子の光学特性測定方法に係るものである。
また、多層膜が形成された一対の基板間に液晶を介在させてなる液晶素子の光学特性測定方法であって、光源から放射される波長λである光を偏光子を介して偏光させた後、位相変調素子を介して位相変調を与えた上で、液晶素子に入射させ、この液晶素子から出射した光を検光子を介して光透過率を光検出器で測定することにより位相差Δを測定する位相差測定部を用いて、前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させ、位相差Δ及びΔを計測し、得られた実測データΔ及びΔの差Δ−Δを求めて液晶層における多重反射及び多重干渉並びに液晶層の上下に存在する上記基板と上記ガラス基板上に形成されている多層膜における多重反射及び多重干渉を相殺して影響を除去する工程と、液晶の基礎物性定数K11、ν、κ、γ及びプレチルト角θに基づいて液晶分子が基板に対してなす角度θの変化が1次元である配向分布をなしているとして連続体理論から求めた所定の電界が印加されている下でのチルト角θと、所定の入射角+β及び−βで光を入射させる条件で光学理論計算により得られる液晶部分の光路差R及びRを求める工程と、この光路差R及びRの差RとRがΔ−Δと恒等的に等しいことを用いて、上記基板近傍における上記液晶の極角アンカリングエネルギーについて、界面でのチルト角の偏差δθ=θ−θ
Figure 0003855080
式より決定することを特徴とする液晶素子の光学特性測定方法に係るものである。
また、ガラス基板に代わって保護樹脂が用いられている位相補償フイルムにおける光学特性測定方法であって、光源から放射される波長λである光を偏光子を介して偏光させた後、位相変調素子を介して位相変調を与えた上で、位相補償フイルムに入射させ、この位相補償フイルムから出射した光を検光子を介して光透過率を光検出器で測定することにより位相差Δを測定する位相差測定部を用いて、前記位相補償フイルムに対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させ、位相差Δ及びΔを計測し、得られた実測データΔ及びΔの差Δ−Δを求めてフイルムを構成する分子層における多重反射及び多重干渉並びに上下に存在する保護樹脂における多重反射及び多重干渉を相殺して影響を除去する工程と、フイルムを構成する分子層の屈折率物性定数νに基づいて分子が保護樹脂に対してなす角度θの変化が1次元である配向分布をなしているとして、所定の入射角+β及び−βで光を入射させる条件で光学理論計算により得られる分子層部分の光路差R及びRを求める工程と、この光路差R及びRの差RとRがΔ−Δと恒等的に等しいことを用いて上記の位相補償フイルムの光軸及びフイルムの厚さdを
Figure 0003855080
式から決定することを特徴とする液晶素子の光学特性測定方法に係るものである。
また、前記位相差測定部の前記素子を回転制御させることによって、前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶素子の光学特性測定方法に係るものである。
また、多層膜が形成された一対の基板間に液晶を介在させてなる液晶素子の光学特性測定システムであって、光源から放射される波長λである光を偏光子を介して偏光させた後、位相変調素子を介して位相変調を与えた上で、液晶素子に入射させ、この液晶素子から出射した光を検光子を介して光透過率を光検出器で測定することにより位相差Δを測定する位相差測定部を用いて、前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させ計測し得られた実測データΔ及びΔの差Δ−Δを求めて液晶層における多重反射及び多重干渉並びに液晶層の上下に存在する上記基板と上記ガラス基板上に形成されている多層膜における多重反射及び多重干渉を相殺して影響を除去する演算手段と、液晶の屈折率物性定数νに基づいて液晶分子が基板に対してなす角度θの変化が1次元である配向分布をなしているとして、所定の入射角+β及び−βで光を入射させる条件で光学理論計算により得られる液晶部分の光路差R及びRを求める演算手段と、この光路差R及びRの差RとRがΔ−Δと恒等的に等しいことを用いて上記の液晶配向分布及び液晶層の厚さdを
Figure 0003855080
式から決定する演算手段により構成したことを特徴とする液晶素子の光学特性測定システムに係るものである。
また、多層膜が形成された一対の基板間に液晶を介在させてなる液晶素子の光学特性測定システムであって、光源から放射される波長λである光を偏光子を介して偏光させた後、位相変調素子を介して位相変調を与えた上で、液晶素子に入射させ、この液晶素子から出射した光を検光子を介して光透過率を光検出器で測定することにより位相差Δを測定する位相差測定部を用いて、前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させ測定し得られた実測データΔ及びΔの差Δ−Δを求めて液晶層における多重反射及び多重干渉並びに液晶層の上下に存在する上記基板と上記ガラス基板上に形成されている多層膜における多重反射及び多重干渉を相殺して影響を除去する演算手段と、液晶の屈折率物性定数νに基づいて液晶分子が基板に対してなす角度θの変化が1次元である配向分布をなしているとして、所定の入射角+β及び−βで光を入射させる条件で光学理論計算により得られる液晶部分の光路差R及びRを求める演算手段と、この光路差R及びRの差RとRがΔ−Δと恒等的に等しいことを用いて、上記基板近傍における上記液晶が基板となすプレチルト角θ及び液晶層の厚さdを
Figure 0003855080
式から算出する演算手段とから構成したことを特徴とする液晶素子の光学特性測定システムに係るものである。
また、多層膜が形成された一対の基板間に液晶を介在させてなる液晶素子の光学特性測定システムであって、光源から放射される波長λである光を偏光子を介して偏光させた後、位相変調素子を介して位相変調を与えた上で、液晶素子に入射させ、この液晶素子から出射した光を検光子を介して光透過率を光検出器で測定することにより位相差Δを測定する位相差測定部を用いて、前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させ計測し得られた実測データΔ及びΔの差Δ−Δを求めて液晶層における多重反射及び多重干渉並びに液晶層の上下に存在する上記基板と上記ガラス基板上に形成されている多層膜における多重反射及び多重干渉を相殺して影響を除去する演算手段と、液晶の基礎物性定数K11、ν、κ、γ及びプレチルト角θに基づいて液晶分子が基板に対してなす角度θの変化が1次元である配向分布をなしているとして連続体理論から求めた所定の電界が印加されている下でのチルト角θと、所定の入射角+β及び−βで光を入射させる条件で光学理論計算により得られる液晶部分の光路差R及びRを求める演算手段と、この光路差R及びRの差RとRがΔ−Δと恒等的に等しいことを用いて、上記基板近傍における上記液晶の極角アンカリングエネルギーについて、界面でのチルト角の偏差δθ=θ−θ
Figure 0003855080
式より算出する演算手段とから構成したことを特徴とする液晶素子の光学特性測定システムに係るものである。
また、ガラス基板に代わって保護樹脂が用いられている位相補償フイルムにおける光学特性測定システムであって、光源から放射される波長λである光を偏光子を介して偏光させた後、位相変調素子を介して位相変調を与えた上で、位相補償フイルムに入射させ、この位相補償フイルムから出射した光を検光子を介して光透過率を光検出器で測定することにより位相差Δを測定する位相差測定部を用いて、前記位相補償フイルムに対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させ計測し得られた実測データΔ及びΔの差Δ−Δを求めてフイルムを構成する分子層における多重反射及び多重干渉並びに上下に存在する保護樹脂における多重反射及び多重干渉を相殺して影響を除去する演算手段と、フイルムを構成する分子層の屈折率物性定数νに基づいて分子が保護樹脂に対してなす角度θの変化が1次元である配向分布をなしているとして、所定の入射角+β及び−βで光を入射させる条件で光学理論計算により得られる分子層部分の光路差R及びRを求める演算手段と、この光路差R及びRの差RとRがΔ−Δと恒等的に等しいことを用いて上記の位相補償フイルムの光軸及びフイルムの厚さdを
Figure 0003855080
式から算出する演算手段とから構成したことを特徴とする液晶素子の光学特性測定システムに係るものである。
また、前記位相差測定部の前記素子を回転制御させることによって、前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させるように構成したことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の液晶素子の光学特性測定システムに係るものである。
本発明にかかる液晶配向分布及び液晶層の厚さdを決定する方法及び装置によれば、従来は液晶層の厚さ、プレチルト角、極角アンカリングエネルギーの測定にはそれぞれの専用測定機が必要であったが、本発明では一台の偏光解析装置によって、液晶素子における液晶配向分布、液晶層の厚さ、プレチルト角、極角アンカリングエネルギーを、位相補償フイルムについては光軸及びフイルムの厚さdを簡便な方法で決定することが可能となる。更に、従来法では多重反射、多重干渉の影響を無視していたことから測定できる範囲が限定的であった。プレチルト角の場合は一般に10度以下、極角アンカリングエネルギーの場合は10−4J/m以下の場合でなければ精度良く測定できなかった。本発明では、多重反射、多重干渉を相殺できることから、プレチルト角に関しては制限がなくなり、極角アンカリングエネルギーの場合は10−2J/m以下まで測定できるようになる。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
本発明は、光学の教科書には必ず掲載されている薄膜における多重反射、多重干渉について理解した上で、異方性媒質を含む多層膜光学解析を行うものである。
以下、実際の測定に即して、本発明を詳しく説明する。
ここでは、測定対象を液晶素子とした。無論、異方性媒質を有する媒質であれば全てに適用することが出来る。本実験に用いられる液晶素子の概要図を図2に記載する。本実験に用いられた液晶素子は、図2に示すように所定ギャップd隔てて配設された2枚のガラス基板11・12上に対向するように電極13・14をそれぞれ形成し、その電極13・14上の対向する面にそれぞれに配向膜16・17を形成し、配向膜16・17の間に液晶15を封入した構成を有する。
そして、本発明にかかる測定装置を図7に示す。光源部35から放射される波長λである光を偏光子28を介して直線偏光化させた後、位相変調素子29を介して位相変調を与えた上で、液晶素子10に入射させ、この液晶素子10から出射した光を回転機構を有する検光子30を介して光透過率を光検出器31で検出した後ロックインアンプ32で雑音を除去した後にデジタル信号化することを目的とした光強度計測部と、デジタル化された光強度情報をコンピュータ23に送り位相差Δを算出する位相差測定部とにおいて構成される透過型偏光解析装置である。偏光解析装置は、光によって透明媒質の位相差Δ及び振幅比角Ψを測定する装置である。偏光解析装置は、前記の位相変調素子29によって位相変調をかけることを利用した偏光変調方式と、前記の位相変調素子29によって位相変調は掛けないものの検光子30を回転させることで偏光状態を解析する回転検光子方式などがあるが、求める情報が媒質の位相差Δ及び振幅比角Ψを測定するものはすべて偏光解析装置ということが出来ることは自明である。特に、媒質の位相差Δのみを測定する装置を位相差測定装置やリタデーション計測装置などと呼ぶこともあるが、すべて偏光解析装置の範疇である。
図2の構成を有する液晶素子10を恒温槽21内に載置する。この恒温槽21は温度コントローラ22に接続されており、この温度コントローラ22により液晶15がネマティック相を保つように温度制御される。恒温槽21は光源部35と光検出部31の間の光路上に配置する。
23は本計測装置全体を制御するコンピュータである。このコンピュータ23には、コンピュータに接続されている回転台33及び検光子30を制御する回転制御部と、コンピュータに接続されている検光子30を制御する回転制御部と、コンピュータに接続されているロックインアンプ32から入力される光強度のデジタル信号を演算して位相差Δ及び振幅比角Ψを算出する演算部より構成されている。この回転台33はコンピュータ23からの制御信号に応じて回転する。このとき、偏光解析装置内における光路と液晶素子の法線とのなす角をβとする。また、任意波形発生24を制御するコンピュータ23内の電界制御部により制御された任意波形発生装置24から発生した正弦波電圧はアンプ25で増幅され、液晶素子10に印加される。
測定手順は次のとおりである。まずはじめに、偏光解析装置における光路と液晶素子の法線がなす角がある特定の角度βになるように回転台33を回転させる。この角度βは任意である。続いて、偏光解析装置検出された光強度をコンピュータ23に入力して位相差Δを算出する。この工程で求められた位相差ΔをΔと呼ぶ。
次に偏光解析装置における光路と液晶素子の法線がなす角がある特定の角度-βになるように回転台33を回転させる。続いて、偏光解析装置検出された光強度をコンピュータ23に入力して位相差Δを算出する。この工程で求められた位相差ΔをΔと呼ぶ。
異方性をもつ媒質では一般に、ΔとΔは値が異なる。何故値が異なるかを示した図を図8に示す。図8において、異方性をもつ媒質に異方性をもたない媒質から点Oにおいて角度+βで光が入射した状況を考える。入射する光の振動面が紙面に平行な偏光をp偏光、紙面に垂直な偏光をs偏光と呼ぶ。異方性媒質を通過した後の、p偏光とs偏光の位相差をリタデーションと呼ぶ。s偏光に関しては、角度+βで入射した光と角度−βで入射した光の位相に差がないので、p偏光のみを考える。光学の教科書にあるように、屈折に関するスネルの法則から、異方性をもつ媒質における光の進行角は光の入射角+βとは異なる。そして、点Aにおいて対向側の異方性をもたない媒質へと点Fの方向に光は抜けていく。このリタデーションは、異方性をもつ媒質のもっとも有用な情報を持っている。ここで、異方性をもつ媒質と異方性をもたない媒質との屈折率が異なるために、すべての光が点Aにおいて点Fの方向に進行するわけではなく、一部は点Aにおいて反射され点Gの方向に進行する。こうした光を反射光という。反射光は点Gにおいて異方性をもたない媒質側に抜けていく光もあるが、異方性をもつ媒質と異方性をもたない媒質との屈折率が異なるために、すべての光が点Gにおいて透過するわけではなく、一部は点Gにおいて反射され点Hの方向に進行する。点Hにおいても同様に透過する光と反射する光が存在する。こうした繰り返しを特に、光学の教科書では多重反射と呼ぶ。また、点Hから透過してきた光と点Aから透過してきた光は干渉を起こす。さらに多重反射を起こしたことにより、光が異方性をもつ媒質から異方性を持たない媒質に透過してくる全ての光が相互に干渉を起こす。これらの干渉を、光学の教科書では多重干渉という。異方性を持つ媒質の解析を行う場合、本来欲しいのはリタデーション、すなわち点OA間を通過した光だけである。点OA間を通過した光の位相差をここでは特にRとする。点OA間を通過した光以外の多重反射光及び多重干渉光が実際には存在することによって、偏光解析装置で測定される位相差ΔはリタデーションRとは異なる。偏光解析装置で測定される位相差ΔとリタデーションRとの差をδとする。すなわちΔ=R+δである。
次に図8において、異方性をもつ媒質に異方性をもたない媒質から点Oにおいて角度−βで光が入射した状況を考える。同様に簡単化のために、入射する光の振動面は紙面と平行であるp偏光のみを考える。先程と同様に、異方性をもつ媒質における光の進行角は光の入射角−βとは異なる。そして、点A´において対向側の異方性をもたない媒質へと点F´の方向に光は抜けていく。ここで、媒質が異方性をもつことから、角GOAと角G´OA´は異なることに注意したい。点OA´間を通過した光の位相差をここでは特にRとする。このため異方性をもつ媒質のもっとも有用な情報を持っているリタデーションRはRと異なる値を持つ。角度+βで光が入射した場合と同様に、点OA´間を通過した光以外の多重反射光及び多重干渉光が実際には存在することによって、偏光解析装置で測定される位相差ΔはリタデーションRとは異なる。偏光解析装置で測定される位相差ΔとリタデーションRとの差をδとする。すなわちΔ=R+δである。
ここで、屈折に関するスネルの法則から、角度+βで光が入射されたときの異方性媒質内部での反射光の光路AGと、角度−βで光が入射されたときの異方性媒質内部での反射光の光路G´H´は同一である。同様に、角度+βで光が入射されたときの異方性媒質内部での反射光の光路AGと、角度−βで光が入射されたときの異方性媒質内部での反射光の光路G´H´は同一である。角度+βで光が入射されたときの異方性媒質内部での反射光の光路GHと、角度−βで光が入射されたときの異方性媒質内部での反射光の光路A´G´は同一である。よって、角度+βで光が入射されたときの多重反射及び多重干渉の成分δと、角度−βで光が入射されたときの多重反射及び多重干渉の成分δとは等しいことが分かる。
よって、角度+βで光が入射されたときの位相差Δと、角度−βで光が入射されたときの位相差Δとの差は
Figure 0003855080
である。つまり、角度+βで光が入射されたときの位相差Δと、角度−βで光が入射されたときの位相差Δとの差をとることによって、多重反射及び多重干渉の影響を相殺することが出来るのである。なお、異方性媒質の上下に配する異方性の無い層は何層積層されていても、本発明の方法を取れば多重反射及び多重干渉を相殺できることは明らかである。
異方性媒質のリタデーションは、次の式で与えられる。
Figure 0003855080
ここで、νはν=(n −n )/n 、nは異常光に対する屈折率、nは常光に対する屈折率、λは入射光の波長、πは円周率であり。θは位置zにおける分子のx軸となす角である。
以上より、角度+βで光が入射されたときの位相差Δと、角度−βで光が入射されたときの位相差Δとの差をとることによって異方性媒質の空間分布を得ることが出来るのである。
コンピュータ23においては、角度+βで光が入射されたときの位相差Δと、角度−βで光が入射されたときの位相差Δとの差より、式1に基づく数値計算より液晶の分子が基板とのなす角θのセル厚方向の一次元分布を求める。
以上の形態及び手順で、液晶の分子が基板とのなす角θのセル厚方向の一次元分布を求めることができる。
また、極角アンカリングエネルギーWaを決定する際には、上記手順で界面におけるプレチルト角とセル厚dを決定した後、適切な電圧を液晶素子に加えた状態での界面でのチルト角θを連続体理論に基づいて計算しておき、その偏差δθ=θ−θ
Figure 0003855080
式よりWaを決定することが出来る。
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
図9は、液晶素子のプレチルト測定を本発明の方法で行った結果の一例である。偏光解析装置を用いて波長λが550nmである光を前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させている。液晶素子の透明電極13及び14の厚さは40nm、配向膜16及び17の厚さは70nm、透明電極13及び14の屈折率は2.0434、配向膜16及び17の屈折率は1.6147である。入射角βは、図7の測定装置における回転台33を+80度から−80度まで回転させながら測定している。図9の横軸は、液晶素子への光の入射角βをとり、縦軸は位相差を取っている。図9における図中の○印はΔ−Δの測定点であり、実線は、液晶の基板との傾き角θと基板間のギャップdをパラメータとした、式1が最もよく実験結果と一致するように数値計算を行った位相差の差R−Rの解析結果曲線である。この解析結果曲線を与えるときの、式1の解θとdは、θ=5.0度ならびにd=5.0μmであった。結晶回転法では、予め別の方法でギャップdを測定しておかねばならなかった。更に多重反射及び多重干渉の影響からプレチルト角の測定範囲に制限があった。本発明の方法ではプレチルト角の測定範囲に限界が無く、プレチルト角とギャップdを同時に決定することが出来ることが特徴である。
本発明の具体的な実施例2について図面に基づいて説明する。
図10は、液晶素子の極角アンカリングエネルギーを本発明による方法で決定を試みた結果の一例である。偏光解析装置を用いて波長λが550nmである光を前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させている。液晶素子の透明電極13及び14の厚さは40nm、配向膜16及び17の厚さは70nm、透明電極13及び14の屈折率は2.0434、配向膜16及び17の屈折率は1.6147である。入射角βは、図7の測定装置における回転台33を+50度及び−50に固定して測定している。プレチルト角とギャップdは実施例1で測定され、チルト角は10.0度ならびにギャップは5.0μmであった。図9の横軸は、液晶素子への印加電圧Vをとり、縦軸は位相差を取っている。図10における図中の○印はΔ−Δの測定点であり、2本の曲線は、式2において、極角アンカリングエネルギーが5×10−4J/m及び10×10−4J/mの場合の位相差の差R−Rである。この結果から、求める極角アンカリングエネルギーは5×10−4J/mであることが分かる。強電場法では、極角アンカリングエネルギーが1×10−4J/mを超えると測定が困難であった。更に多重反射及び多重干渉の影響から強い極角アンカリングエネルギーの測定においては誤差が大きかった。本発明の方法では1×10−3J/mを程度までの強い極角アンカリングエネルギーの測定が可能で、かつ同一のシステムを用いてプレチルト角とギャップdと極角アンカリングエネルギーを決定することが出来ることが特徴である。
本発明の具体的な実施例3について図面に基づいて説明する。
図11は、本発明による方法によって液晶分子配列を決定する概念を示す。最も基本的な液晶配列である平行配向は図2に示すような配列である。これ以外にも図11のようなハイブリッド型と呼ばれる液晶の配列もある。このような特殊な配列の場合でも、一次元配向分布を決めることが出来る。
本発明の具体的な実施例4について図面に基づいて説明する。
図12は、位相補償フイルムの概略図である。位相補償フイルムは液晶素子とは異なる構造を有しているが、本発明による測定システムの測定対象である。すなわち、位相補償フイルムは高分子でできているものの、高分子を構成する単位となる構造は液晶と類似である。この単位となる構造が、位相補償フイルム内でどのような配向分布をしているかが重要である。この分子の基本単位の配向分布の測定も、本発明によるシステムによって行うことができる。
尚、本発明は、実施例1〜4に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
結晶回転法の測定装置の構成概念図である。 液晶素子の構造概念図である。 結晶回転法の測定結果の概略図である。 強電場法の測定装置の構成概念図である。 強電場法による測定結果の概念図である。 位相差の測定結果の例である。 本発明の測定装置の構成概念図である。 多重反射・多重干渉の説明図である。 本発明によるプレチルト角の測定結果である。 本発明による、極角アンカリングエネルギーの測定結果である。 本発明で測定されるハイブリッド型液晶素子の概念図である。 本発明で測定される位相補償フイルムの概念図である。
符号の説明
10 液晶素子
11・12 ガラス板
13・14 電極
15 液晶
16・17 配向膜
27 レーザ光源
28 偏光子
29 光弾性変調器
30 検光子
31 検出器

Claims (10)

  1. 多層膜が形成された一対の基板間に液晶を介在させてなる液晶素子の光学特性測定方法であって、光源から放射される波長λである光を偏光子を介して偏光させた後、位相変調素子を介して位相変調を与えた上で、液晶素子に入射させ、この液晶素子から出射した光を検光子を介して光透過率を光検出器で測定することにより位相差Δを測定する位相差測定部を用いて、前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させ、位相差Δ及びΔを計測し、この得られた実測データΔ及びΔの差Δ−Δを求めて液晶層における多重反射及び多重干渉並びに液晶層の上下に存在する上記基板と上記ガラス基板上に形成されている多層膜における多重反射及び多重干渉を相殺して影響を除去する工程と、液晶の屈折率物性定数νに基づいて液晶分子が基板に対してなす角度θの変化が1次元である配向分布をなしているとして、所定の入射角+β及び−βで光を入射させる条件で光学理論計算により得られる液晶部分の光路差R及びRを求める工程と、この光路差R及びRの差RとRがΔ−Δと恒等的に等しいことを用いて上記の液晶配向分布及び液晶層の厚さdを
    Figure 0003855080
    式から決定することを特徴とする液晶素子の光学特性測定方法。
  2. 多層膜が形成された一対の基板間に液晶を介在させてなる液晶素子の光学特性測定方法であって、光源から放射される波長λである光を偏光子を介して偏光させた後、位相変調素子を介して位相変調を与えた上で、液晶素子に入射させ、この液晶素子から出射した光を検光子を介して光透過率を光検出器で測定することにより位相差Δを測定する位相差測定部を用いて、前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させ、位相差Δ及びΔを計測し、得られた実測データΔ及びΔの差Δ−Δを求めて液晶層における多重反射及び多重干渉並びに液晶層の上下に存在する上記基板と上記ガラス基板上に形成されている多層膜における多重反射及び多重干渉を相殺して影響を除去する工程と、液晶の屈折率物性定数νに基づいて液晶分子が基板に対してなす角度θの変化が1次元である配向分布をなしているとして、所定の入射角+β及び−βで光を入射させる条件で光学理論計算により得られる液晶部分の光路差R及びRを求める工程と、この光路差R及びRの差RとRがΔ−Δと恒等的に等しいことを用いて、上記基板近傍における上記液晶が基板となすプレチルト角θ及び液晶層の厚さdを
    Figure 0003855080
    式から決定することを特徴とする液晶素子の光学特性測定方法。
  3. 多層膜が形成された一対の基板間に液晶を介在させてなる液晶素子の光学特性測定方法であって、光源から放射される波長λである光を偏光子を介して偏光させた後、位相変調素子を介して位相変調を与えた上で、液晶素子に入射させ、この液晶素子から出射した光を検光子を介して光透過率を光検出器で測定することにより位相差Δを測定する位相差測定部を用いて、前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させ、位相差Δ及びΔを計測し、得られた実測データΔ及びΔの差Δ−Δを求めて液晶層における多重反射及び多重干渉並びに液晶層の上下に存在する上記基板と上記ガラス基板上に形成されている多層膜における多重反射及び多重干渉を相殺して影響を除去する工程と、液晶の基礎物性定数K11、ν、κ、γ及びプレチルト角θに基づいて液晶分子が基板に対してなす角度θの変化が1次元である配向分布をなしているとして連続体理論から求めた所定の電界が印加されている下でのチルト角θと、所定の入射角+β及び−βで光を入射させる条件で光学理論計算により得られる液晶部分の光路差R及びRを求める工程と、この光路差R及びRの差RとRがΔ−Δと恒等的に等しいことを用いて、上記基板近傍における上記液晶の極角アンカリングエネルギーについて、界面でのチルト角の偏差δθ=θ−θ
    Figure 0003855080
    式より決定することを特徴とする液晶素子の光学特性測定方法。
  4. ガラス基板に代わって保護樹脂が用いられている位相補償フイルムにおける光学特性測定方法であって、光源から放射される波長λである光を偏光子を介して偏光させた後、位相変調素子を介して位相変調を与えた上で、位相補償フイルムに入射させ、この位相補償フイルムから出射した光を検光子を介して光透過率を光検出器で測定することにより位相差Δを測定する位相差測定部を用いて、前記位相補償フイルムに対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させ、位相差Δ及びΔを計測し、得られた実測データΔ及びΔの差Δ−Δを求めてフイルムを構成する分子層における多重反射及び多重干渉並びに上下に存在する保護樹脂における多重反射及び多重干渉を相殺して影響を除去する工程と、フイルムを構成する分子層の屈折率物性定数νに基づいて分子が保護樹脂に対してなす角度θの変化が1次元である配向分布をなしているとして、所定の入射角+β及び−βで光を入射させる条件で光学理論計算により得られる分子層部分の光路差R及びRを求める工程と、この光路差R及びRの差RとRがΔ−Δと恒等的に等しいことを用いて上記の位相補償フイルムの光軸及びフイルムの厚さdを
    Figure 0003855080
    式から決定することを特徴とする液晶素子の光学特性測定方法。
  5. 前記位相差測定部の前記素子を回転制御させることによって、前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶素子の光学特性測定方法。
  6. 多層膜が形成された一対の基板間に液晶を介在させてなる液晶素子の光学特性測定システムであって、光源から放射される波長λである光を偏光子を介して偏光させた後、位相変調素子を介して位相変調を与えた上で、液晶素子に入射させ、この液晶素子から出射した光を検光子を介して光透過率を光検出器で測定することにより位相差Δを測定する位相差測定部を用いて、前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させ計測し得られた実測データΔ及びΔの差Δ−Δを求めて液晶層における多重反射及び多重干渉並びに液晶層の上下に存在する上記基板と上記ガラス基板上に形成されている多層膜における多重反射及び多重干渉を相殺して影響を除去する演算手段と、液晶の屈折率物性定数νに基づいて液晶分子が基板に対してなす角度θの変化が1次元である配向分布をなしているとして、所定の入射角+β及び−βで光を入射させる条件で光学理論計算により得られる液晶部分の光路差R及びRを求める演算手段と、この光路差R及びRの差RとRがΔ−Δと恒等的に等しいことを用いて上記の液晶配向分布及び液晶層の厚さdを
    Figure 0003855080
    式から決定する演算手段により構成したことを特徴とする液晶素子の光学特性測定システム。
  7. 多層膜が形成された一対の基板間に液晶を介在させてなる液晶素子の光学特性測定システムであって、光源から放射される波長λである光を偏光子を介して偏光させた後、位相変調素子を介して位相変調を与えた上で、液晶素子に入射させ、この液晶素子から出射した光を検光子を介して光透過率を光検出器で測定することにより位相差Δを測定する位相差測定部を用いて、前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させ測定し得られた実測データΔ及びΔの差Δ−Δを求めて液晶層における多重反射及び多重干渉並びに液晶層の上下に存在する上記基板と上記ガラス基板上に形成されている多層膜における多重反射及び多重干渉を相殺して影響を除去する演算手段と、液晶の屈折率物性定数νに基づいて液晶分子が基板に対してなす角度θの変化が1次元である配向分布をなしているとして、所定の入射角+β及び−βで光を入射させる条件で光学理論計算により得られる液晶部分の光路差R及びRを求める演算手段と、この光路差R及びRの差RとRがΔ−Δと恒等的に等しいことを用いて、上記基板近傍における上記液晶が基板となすプレチルト角θ及び液晶層の厚さdを
    Figure 0003855080
    式から算出する演算手段とから構成したことを特徴とする液晶素子の光学特性測定システム。
  8. 多層膜が形成された一対の基板間に液晶を介在させてなる液晶素子の光学特性測定システムであって、光源から放射される波長λである光を偏光子を介して偏光させた後、位相変調素子を介して位相変調を与えた上で、液晶素子に入射させ、この液晶素子から出射した光を検光子を介して光透過率を光検出器で測定することにより位相差Δを測定する位相差測定部を用いて、前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させ計測し得られた実測データΔ及びΔの差Δ−Δを求めて液晶層における多重反射及び多重干渉並びに液晶層の上下に存在する上記基板と上記ガラス基板上に形成されている多層膜における多重反射及び多重干渉を相殺して影響を除去する演算手段と、液晶の基礎物性定数K11、ν、κ、γ及びプレチルト角θに基づいて液晶分子が基板に対してなす角度θの変化が1次元である配向分布をなしているとして連続体理論から求めた所定の電界が印加されている下でのチルト角θと、所定の入射角+β及び−βで光を入射させる条件で光学理論計算により得られる液晶部分の光路差R及びRを求める演算手段と、この光路差R及びRの差RとRがΔ−Δと恒等的に等しいことを用いて、上記基板近傍における上記液晶の極角アンカリングエネルギーについて、界面でのチルト角の偏差δθ=θ−θ
    Figure 0003855080
    式より算出する演算手段とから構成したことを特徴とする液晶素子の光学特性測定システム。
  9. ガラス基板に代わって保護樹脂が用いられている位相補償フイルムにおける光学特性測定システムであって、光源から放射される波長λである光を偏光子を介して偏光させた後、位相変調素子を介して位相変調を与えた上で、位相補償フイルムに入射させ、この位相補償フイルムから出射した光を検光子を介して光透過率を光検出器で測定することにより位相差Δを測定する位相差測定部を用いて、前記位相補償フイルムに対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させ計測し得られた実測データΔ及びΔの差Δ−Δを求めてフイルムを構成する分子層における多重反射及び多重干渉並びに上下に存在する保護樹脂における多重反射及び多重干渉を相殺して影響を除去する演算手段と、フイルムを構成する分子層の屈折率物性定数νに基づいて分子が保護樹脂に対してなす角度θの変化が1次元である配向分布をなしているとして、所定の入射角+β及び−βで光を入射させる条件で光学理論計算により得られる分子層部分の光路差R及びRを求める演算手段と、この光路差R及びRの差RとRがΔ−Δと恒等的に等しいことを用いて上記の位相補償フイルムの光軸及びフイルムの厚さdを
    Figure 0003855080
    式から算出する演算手段とから構成したことを特徴とする液晶素子の光学特性測定システム。
  10. 前記位相差測定部の前記素子を回転制御させることによって、前記液晶素子に対して所定の入射角+β及び−βで光を入射させるように構成したことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の液晶素子の光学特性測定システム。
JP2004055128A 2004-02-27 2004-02-27 液晶素子の光学特性測定方法及び液晶素子の光学特性測定システム Expired - Fee Related JP3855080B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004055128A JP3855080B2 (ja) 2004-02-27 2004-02-27 液晶素子の光学特性測定方法及び液晶素子の光学特性測定システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004055128A JP3855080B2 (ja) 2004-02-27 2004-02-27 液晶素子の光学特性測定方法及び液晶素子の光学特性測定システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005242234A JP2005242234A (ja) 2005-09-08
JP3855080B2 true JP3855080B2 (ja) 2006-12-06

Family

ID=35024001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004055128A Expired - Fee Related JP3855080B2 (ja) 2004-02-27 2004-02-27 液晶素子の光学特性測定方法及び液晶素子の光学特性測定システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3855080B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006322865A (ja) * 2005-05-20 2006-11-30 Tohoku Univ 液晶の物性測定方法及び測定システム
KR101280505B1 (ko) * 2008-03-03 2013-07-05 엘지디스플레이 주식회사 표준 셀을 이용한 우네리 측정 장비 및 그 측정 방법
US8830462B2 (en) * 2011-02-28 2014-09-09 National University Corporation Kagawa University Optical characteristic measurement device and optical characteristic measurement method

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005242234A (ja) 2005-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5382792B2 (ja) 光2次非線形薄膜における1次及び2次光感受率異方性同時測定方法、当該方法を実行する装置及び当該方法をコンピュータに実行させるプログラム
JP3910352B2 (ja) プレチルト角検出方法及び検出装置
JPH04307312A (ja) 液晶セルのギャップ厚測定方法
TW201520531A (zh) 用以測量光學異向性的屬性之方法與裝置
US20130021609A1 (en) Modulated ellipsometer for the determination of the properties of optical materials
JP3023443B2 (ja) 液晶セルパラメータ検出方法
JPH11160198A (ja) 液晶初期配向角測定方法及び液晶初期配向角測定装置
Rodriguez et al. Calibration of the second-order nonlinear optical susceptibility of surface and bulk of glass
JP3855080B2 (ja) 液晶素子の光学特性測定方法及び液晶素子の光学特性測定システム
Andrushchak et al. Automated interferometric technique for express analysis of the refractive indices in isotropic and anisotropic optical materials
JP2010107758A (ja) 液晶セルのチルト角測定方法及び装置
JP3936712B2 (ja) 検出対象のパラメータ検出方法及び検出装置
JPH0763670A (ja) 分子配向特性測定装置
JP4760442B2 (ja) 光学異方性膜の試験方法
JP2778935B2 (ja) ネマチック液晶素子の方位角方向のアンカリングエネルギ−測定方法
Cattaneo et al. Application of second-harmonic generation to retardation measurements
JP2009085887A (ja) 測定装置及び方法
JP3792315B2 (ja) セル厚測定方法、セル厚測定装置、及び液晶表示装置の製造方法
JPH063269A (ja) 位相差測定方法
JP2597463B2 (ja) ネマティック液晶素子の微小面積界面アンカリングエネルギ−測定方法
Lin et al. Optical strain sensor based on diffraction grating and surface plasmon resonance heterodyne interferometer
Hwang et al. Heterodyne method for determining the surface tilt angle of nematic liquid‐crystal displays
Yeh et al. A high-precision optical metrology system for determining the thickness of birefringent wave plates
JP4364233B2 (ja) 検出対象のパラメータ検出方法及び検出装置
JP2004101430A (ja) ギャップ厚測定装置、ギャップ厚測定方法および液晶装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060224

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20060622

TRDD Decision of grant or rejection written
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20060719

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060727

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060823

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090922

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090922

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100922

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110922

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees