JPH07260489A - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JPH07260489A
JPH07260489A JP6049047A JP4904794A JPH07260489A JP H07260489 A JPH07260489 A JP H07260489A JP 6049047 A JP6049047 A JP 6049047A JP 4904794 A JP4904794 A JP 4904794A JP H07260489 A JPH07260489 A JP H07260489A
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Tomio Yoshida
登美男 吉田
Nobuhisa Atoji
信久 跡地
Toshihiko Ichise
俊彦 市瀬
Jiro Terada
二郎 寺田
Atsushi Otomo
惇 大友
Haruyoshi Ota
治良 太田
Koichiro Ota
紘一郎 太田
Minoru Ishihara
実 石原
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Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広い温度範囲で温度オフセット出力変化が小
さく、かつ安価な角速度センサを提供する。 【構成】 方形断面の対称な振動腕24,25;29,
30を支持部23,28で平行一体に連結した形状をそ
れぞれ有する略U字音叉形水晶ブランクの振動腕24,
25;29,30の周面に電極22,27をそれぞれ配
設してなる第1および第2の音叉形水晶振動子21,2
6を互いに平行に面対向した状態に結合子31を介し支
持部23,28において固着する。第1の音叉形水晶振
動子21を駆動側音叉とし、第2の音叉形水晶振動子2
6を検知側音叉とし、駆動側音叉のコリオリ力による振
動を検知側音叉に伝達させる。検知側音叉は、伝達され
た振動による電気的信号を電極27を介して検出し、そ
のレベルから角速度を検出する。第1の音叉形水晶振動
子21は結晶軸XYZのXY面内で切り出し、第2の音
叉形水晶振動子26はYZ面内で切り出している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車・航空機・船舶
・車両等の移動体の姿勢制御やナビゲーションシステム
に用いる角速度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の角速度センサとしては、特公昭4
ー1853号に、「板状圧電体の駆動部と、板状圧電体
の検知部とを直交して容量結合を遮断するように結合配
置するとともに、交流駆動電圧の印加により駆動部を振
動させたときにその振動方向と直交する方向の検知部の
屈曲状態を検出して角速度を得る」構成が開示されてい
る。
【0003】以下に、この従来の角速度センサを図を用
いて説明する。図13は、従来の角速度センサの斜視図
である。図13において、1,1′は2枚の圧電体を接
着剤等で張り合わせた駆動用圧電バイモルフ(駆動部)
で、2,2′は駆動用圧電バイモルフ1,1′と同様に
2枚の圧電体を張り合わせた検知用圧電バイモルフ(検
知部)で、駆動用圧電バイモルフ1,1′と検知用圧電
バイモルフ2,2′とは互いに直交するように金属継手
3,3′によりそれぞれ一体固定されている。7,7′
は駆動用圧電バイモルフ1,1′と金属継手3,3′と
の間にそれぞれ介在する絶縁体、8,8′は検知用圧電
バイモルフ2,2′と金属継手3,3′との間にそれぞ
れ介在する絶縁体である。9,9′は駆動用圧電バイモ
ルフ1,1′の一面の圧電体と金属継手3,3′とをそ
れぞれ接続するリード線、10,10′は検知用圧電バ
イモルフ2,2′と金属継手3,3′とをそれぞれ接続
するリード線、11,11′は駆動用圧電バイモルフ
1,1′の他面の圧電体にそれぞれ接続するリード線、
12,12′は検知用圧電バイモルフ2,2′の他面の
圧電体にそれぞれ接続するリード線である。
【0004】また、駆動用圧電バイモルフ1,1′の内
側の一面の圧電体は金属端子4に、溶接、半田等で固定
され、この金属継手3,3′は金属端子4を介して接地
されている。そして、駆動用圧電バイモルフ1,1′に
は、リード線11,11′を介して交流駆動電圧を印加
するようにしている。また、検知用圧電バイモルフ2,
2′の屈曲による検知信号はリード線12,12′から
取り出されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例の構成では、駆動用圧電バイモルフ1,1′、検知
用圧電バイモルフ2,2′は、2枚の圧電体を接着剤等
で張り合わせて構成しているため、外界の温度変化や接
着剤等の熱膨張や折り曲げた金属板の直交角度が変化す
るので、入力角速度が0のとき、温度変化により出力値
が変動する温度ドリフトの変動が大きいという問題を有
していた。
【0006】また、駆動用圧電バイモルフ1,1′、検
知用圧電バイモルフ2,2′に張り合わせる圧電体の寸
法、厚み、張り合わせ等のばらつき、および、駆動用圧
電バイモルフ1、1′、検知用圧電バイモルフ2、2′
との直交ばらつきが発生し、高精度に角速度を検出する
ことができないという問題を有していた。本発明は、上
記従来の課題を解決するために、広い温度範囲で温度特
性に優れかつ各種ばらつきの少ない角速度センサを提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の角速度センサ
は、所望の結晶軸とその面内で切り出された水晶ブラン
クに機械的あるいは電気的加工法で加工し、水晶ブラン
クだけで振動腕が面対称的に配置された一対の略U字音
叉形水晶振動子を形成し、それらの一方を駆動側音叉と
し他方を検知側音叉とし、両略U字音叉形水晶振動子の
作用を駆動用と検知用とに分離した一体構成、つまり2
つの略U字音叉形水晶振動子を互いに平行に面対向する
ように、2つの振動腕の基部である支持部において結合
子を介して一体構成したものである。
【0008】結合子の支持部に対する結合部位は、略U
字音叉形水晶振動子の機械的Q値の低下が少なく、かつ
有効に振動を伝達することができる箇所が望ましい。例
えば、支持部において、振動節(意味については後述す
る)を含むある面積をもった領域どうしを結合子を介し
一体構成すればよい。このように、駆動側音叉と検知側
音叉は、支持部に発生する振動節を部分的に含むある面
積をもった領域同士をブロック状の結合子を介して固着
すると、「エネルギー閉じ込め理論」により、音叉振動
の機械的Q値と駆動側音叉から検知側音叉への機械伝達
効率を最大にすることができる。したがって、従来の音
叉結合部の基板における機械的伝達ロスが飛躍的に改善
でき、コリオリの力による角速度検出の感度を格段に向
上させることができる。
【0009】なお、支持部の底面など、支持部の他の部
分同士を連結しても、駆動側から検知側へ振動を伝達で
きるので、結合の部位は、上記した振動節に限らないも
のである。上記のように、本発明は、一方の駆動側音叉
が駆動振動を持続するようにし、他方の検知側音叉はコ
リオリの力を検出するため、駆動側音叉の2つの振動腕
を結ぶ方向(X軸方向)、すなわち屈曲振動方向に対
し、直角方向の振動成分の電気的信号を検知側音叉で取
り出すための電極を備え、角速度を検出することによ
り、温度ドリフトが非常に少なく、かつ高精度で安価な
角速度センサを得ることができるものである。
【0010】また、振動腕と支持部が一体に連結する略
U字音叉形水晶振動子を用いているので、従来例にみる
圧電素子貼り付け工程などの種々の製造工程がなく、温
度的にばらつきのない安定した角速度センサを得るもの
である。以下、各請求項に対応して説明する。請求項1
記載の角速度センサは、結晶軸X,Y,ZのX軸周りに
回転した新たな結晶軸X,Y′,Z′のY′軸方向を長
手方向にしてX,Y′面内で切り出し、方形断面の一方
および他方の対称な振動腕を支持部で平行一体に連結し
た形状を有する略U字音叉形水晶ブランクの前記一方お
よび他方の振動腕の周面に電極を配設してなる第1の音
叉形水晶振動子と、結晶軸X,Y,ZのX軸周りに回転
した新たな結晶軸X,Y′,Z′のY′軸方向を長手方
向にしてY′,Z′面内で切り出し、方形断面の一方お
よび他方の対称な振動腕を支持部で平行一体に連結した
形状を有する略U字音叉形水晶ブランクの前記一方およ
び他方の振動腕の周面に電極を配設してなる第2の音叉
形水晶振動子とを、互いに平行に面対向した状態に結合
子を介し前記支持部において固着したものであって、前
記第1の音叉形水晶振動子を、電極を介して交流電圧を
印加することにより、一方および他方の振動腕のX軸方
向に変位する互いに逆相の屈曲振動を発生させる駆動側
音叉とし、前記第2の音叉形水晶振動子を、前記結合子
を経由して前記第1の音叉形水晶振動子から伝播した
Z′軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動とY′軸周
りの回転角速度に基づくコリオリの力によって発生する
一方および他方の振動腕のX軸方向の互いに逆相の屈曲
振動により生じる交流電圧を電極を介して検出する角速
度検出用の検知側音叉としたことを特徴とする。
【0011】請求項2記載の角速度センサは、請求項1
記載の角速度センサにおいて、駆動側音叉のX軸方向に
変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数と検知側音
叉のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動の共振周波数とが
ほぼ等しく、かつ前記駆動側音叉のX軸方向に変位する
互いに逆相の屈曲振動の共振周波数と前記検知側音叉の
一方および他方の振動腕のZ′軸方向に変位する互いに
逆相の屈曲振動の共振周波数とが異なるように、前記駆
動側音叉の振動腕と前記検知側音叉の振動腕とを異なる
形状寸法に設定したことを特徴とする。
【0012】請求項3記載の角速度センサは、請求項1
記載の角速度センサにおいて、駆動側音叉のX軸方向に
変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数と検知側音
叉のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動の共振周波数と前
記検知側音叉の一方および他方の振動腕のZ′軸方向に
変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数とが互いに
隔離して異なるように、前記駆動側音叉の振動腕と前記
検知側音叉の振動腕とを異なる形状寸法に設定したこと
を特徴とする。
【0013】請求項4記載の角速度センサは、請求項1
記載の角速度センサにおいて、駆動側音叉の一方および
他方の振動腕の周面に配設する電極は、Z′軸方向に見
て前記一方および他方の振動腕の表裏および両側の4周
面にそれぞれ4つの稜線部分で周方向に4分割された状
態にそれぞれ設けてあり、前記一方の振動腕の表裏面電
極と前記他方の振動腕の両側面電極とを共通接続し、前
記他方の振動腕の表裏面電極と前記一方の振動腕の両側
面電極とを共通接続し、かつ検知側音叉の一方および他
方の振動腕の周面に配設する電極は、X軸方向に見て前
記一方および他方の振動腕の表裏および両側の4周面に
それぞれ4つの稜線部分で周方向に4分割された状態に
それぞれ設けてあり、前記一方の振動腕の表裏面電極と
前記他方の振動腕の両側面電極とを共通接続し、前記他
方の振動腕の表裏面電極と前記一方の振動腕の両側面電
極とを共通接続したことを特徴とする。
【0014】請求項5記載の角速度センサは、請求項1
記載の角速度センサにおいて、結合子は、両端面がある
面積を有する柱状であって、両端面が駆動側音叉および
検知側音叉の支持部に生成される振動節を部分的に含む
表面に接着されていることを特徴とする。請求項6記載
の角速度センサは、請求項1記載の角速度センサにおい
て、駆動側音叉および検知側音叉は、支持部に生成され
る振動節を部分的に含むある面積をもった貫通孔をそれ
ぞれ有し、結合子は、柱状であって、両端部が前記貫通
孔に貫挿した状態に前記駆動側音叉および検知側音叉の
支持部に接着されていることを特徴とする。
【0015】
【作用】請求項1記載の構成によれば、駆動側音叉であ
る第1の音叉形水晶振動子に電極を介して交流電圧を印
加することにより、駆動側音叉に一方および他方の振動
腕のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動が発生す
る。このX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動は、
Y′軸周りの回転角速度が加えられる(当然第2の音叉
形水晶振動子も同じ回転角速度が与えられる)と、第1
の音叉形水晶振動子のY′軸周りの回転角速度に基づく
コリオリの力によって第1の音叉形水晶振動子の一方お
よび他方の振動腕のZ′軸方向の互いに逆相の屈曲振動
が発生する。この結合子を介して伝播の第2の音叉形水
晶振動子の一方および他方の振動腕のX軸方向の互いに
逆相の屈曲振動により生じる交流電圧を電極を介して検
出する。この交流電圧はY′軸周りの回転角速度に比例
した値をとるので、上記の交流電圧からY′軸周りの回
転角速度が検出できる。
【0016】請求項2記載の構成によれば、駆動側音叉
のZ′軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周
波数と検知側音叉のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動の
共振周波数とがほぼ等しく、かつ駆動側音叉のX軸方向
に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数と検知側
音叉の一方および他方の振動腕のZ′軸方向に変位する
互いに逆相の屈曲振動の共振周波数とが異なることによ
り、駆動側音叉を共振駆動した場合において、検知側音
叉では、Z′軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動と
Y′軸周りの回転角速度に基づくコリオリの力によって
検知側音叉の一方および他方の振動腕に発生するZ′軸
方向の互いに逆相の屈曲振動が効率よく検出できるとと
もに、Z′軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の影
響が小さくなる。この結果、Z′軸方向に変位する互い
に逆相の屈曲振動により生じる交流電圧の影響を抑えつ
つ、X軸方向の互いに逆相の屈曲振動により生じる交流
電圧を有効に検出できることになり、精度よくY′軸周
りの回転角速度を検出することが可能となる。
【0017】請求項3記載の構成によれば、駆動側音叉
のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波
数と検知側音叉のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動の共
振周波数と検知側音叉の一方および他方の振動腕のZ′
軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数と
が互いに隔離して異なることにより、駆動側音叉を共振
駆動した場合において、X軸方向に変位する互いに逆相
の屈曲振動とY′軸周りの回転角速度に基づくコリオリ
の力によって駆動側音叉の一方および他方の振動腕に発
生するZ′軸方向の互いに逆相の屈曲振動に対して、検
知側音叉では、Z′軸方向に変位する互いに逆相の屈曲
振動が影響することがなくなる。この結果、Z′軸方向
に変位する互いに逆相の屈曲振動により生じる交流電圧
の影響を抑えつつ、X軸方向の互いに逆相の屈曲振動に
より生じる交流電圧を有効に検出できることになり、精
度よくY′軸周りの回転角速度を検出することが可能と
なる。
【0018】請求項4記載の構成によれば、駆動側音叉
の共通接続した2組の電極間に交流電圧を加えてX軸方
向に変位する互いに逆相の屈曲振動を起こさせる。この
際、交流電圧の周波数は、一方および他方の振動腕のX
軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数に
近いものとし、駆動側音叉を共振駆動する。一方、検知
側音叉の共通接続した2組の電極間には、一方および他
方の振動腕に発生するX軸方向の互いに逆相の屈曲振動
に伴う交流電圧が生じることになる。
【0019】請求項5記載の構成によれば、駆動側音叉
のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動が、駆動側
音叉の機械的Q値が低下することなく、効率よく検知側
音叉にZ′軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動とし
て伝達されることになる。請求項6記載の構成によれ
ば、駆動側音叉のZ′軸方向に変位する互いに逆相の屈
曲振動が、駆動側音叉の機械的Q値が低下することな
く、効率よく検知側音叉にX軸方向に変位する互いに逆
相の屈曲振動として伝達されることになる。
【0020】ここで、2つの略U字音叉形水晶振動子を
結合子を介して連結して一体化している理由について説
明する。音叉形水晶振動子において、今、仮にY軸を通
りYZ面対称に各一方および他方の振動腕がX軸方向に
+v,−vの速度で共振屈曲振動(Xモードの振動)を
しているものとする。この音叉形水晶振動子のY軸を回
転する方向に角速度ωの回転が加わったとすると、各振
動腕にはコリオリの力がY軸線対称の方向(Z軸方向の
振動;Zモードの振動)に発生する。このとき、発生す
るY軸線対称の振動は、共振駆動の屈曲振動と直交する
Z軸方向に振動することになる。
【0021】しかしながら、単一の音叉形水晶振動子に
おいては、共振駆動のXモードの共振周波数と、これに
同期して新たに発生するZモードの非共振周波数は、同
一周波数であるので分離することは一般に困難である。
これは、仮に分離電極配置等の工夫によりこの2モード
をうまく分離し検出することができたとしても、共振駆
動の強いレベルに対して、検出レベルは極めて低いレベ
ルであることから、誘導等により検出レベルがマスクさ
れ、あるいは影響を受けて、もとより正確な検出ができ
ないことに起因している。かくして、周波数の差異によ
って、駆動と検出を分離する何らかの解決手段が望まれ
ていた。
【0022】そこで、本発明は、2個の略U字音叉形水
晶振動子を結合子を介して接合することにより、駆動側
と検知側に分離し、この困難性を解決したものである。
本発明においては、水晶振動子そのものが一対の振動腕
を面対称的に配置したものであり、音叉形状を有する略
U字音叉形水晶振動子の2つのうち一方を駆動側音叉と
し、他方を検知側音叉とし、結合子で一体化したもので
ある。
【0023】そして、これらの音叉の素材として、水晶
を用いることにより、角速度検知感度が高く、熱的膨張
係数が小さく、電極配置によりXモードの屈曲振動をさ
せることにより温度変化に対する水晶の周波数依存性が
より小さくなり、結果的には角速度センサの温度ドリフ
ト低減につながり、小さくなるのである。また、駆動側
の駆動信号成分の検知側へ不要信号成分としての混入が
小さく、駆動時の共振周波数変動が小さく、同期検波時
の位相ずれ変化が小さいという作用効果を得る。そして
結果的には、広い温度範囲で温度特性に優れた角速度セ
ンサを得ることができるのである。
【0024】ここで、本発明の作用についてもう少し説
明する。これは大きく振動している特定の駆動モード
(この場合はXモード)で共振振動している音叉に、コ
リオリの力による新しい振動モード(この場合はZモー
ド)が(絶対に共振ではなく)発生するので、この発生
した新しい振動モード(この場合はZモード、但し、周
波数は駆動モードと同期しているので駆動モードと同一
である)をモード共振により選択的(一種のメカニカル
なフィルタリングです)に検出するものである。
【0025】つまり、検知側音叉に駆動側振動モードが
混在すると、誤検出となる恐れがありますので(レベル
が100dBと隔絶しているので)、駆動の振動モード
に対し検出の振動モードを選択できるよう、検出側音叉
の電極構造を駆動側音叉と異なるものとし、また共振周
波数に対し共振選択特性を付与すべく振動腕の形状寸法
を異ならしめているのである。検知側音叉においては、
駆動モードを可能な限り抑制して、検出モードのみを可
能な限り効率よく検出するのである。
【0026】この発明では、複数の振動モードを取り扱
うので、それらに対する対策が重要なポイントとなって
いる。すなわち、このX軸方向に変位する互いに逆相の
屈曲振動は、駆動側音叉の第1の音叉形水晶振動子の支
持部から結合子を介して検知側音叉である第2の音叉形
水晶振動子の支持部に一部伝播するが、第2の音叉のX
軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動と共振周波数が
一致せず共振しないように設定されてあるから、大部分
は駆動側音叉に閉じ込められる。このときに、第1の音
叉形水晶振動子にY′軸周りの回転角速度が与えられる
(当然第2の音叉形水晶振動子も同じ回転角速度が与え
られる)と、コリオリの力とによって、第1の音叉形水
晶振動子の一方及び他方の振動腕のZ′軸方向の互いに
逆相の屈曲振動が新たに発生する。このZ′軸方向の互
いに逆相の屈曲振動は結合子を介して第2の音叉形水晶
振動子に伝播するが、Z′軸方向の互いに逆相の屈曲振
動の共振周波数とほぼ等しく設定してあると、効率よく
検出することができる。
【0027】共振現象を利用した検出は高感度、高能率
であるから、小型化・高精度に好適であるが、他の信号
妨害を受け易い欠点も持っている。また、X軸方向の互
いに逆相の屈曲振動、あるいはZ′軸方向の互いに逆相
の屈曲振動などの、多数の異なる振動を利用しようとす
る場合、不要振動による干渉を排除しと抑制することに
特に留意しなければならない。比較的容易な対策は、多
少感度を犠牲にしても互いの共振周波数を隔離しあるい
は近接を避けるよう設定することである。
【0028】幸いにして、これら各種振動は互いに直交
していて境界条件が独立な関係にあるから、相互干渉も
なく制御しやすい利点がある。例えば、Z′軸方向に変
位する屈曲振動とX軸方向に変位する屈曲振動は、振動
腕の長さを周波数決定の共通境界条件としているが、他
方、厚みと幅を他の境界条件としているので、圧電定数
の差異と併せ、厚みと幅を異ならしめることによりきわ
めて容易にそれら共振周波数を隔離し異なるよう設定す
ることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図1は本発明の第1の実施例の角速度センサ
の斜視図を示している。同図(a)は組み立て状態の斜
視図、同図(b)は分解状態の斜視図である。図1にお
いて、21は方形断面の一方および他方の対称な振動腕
24,25を支持部23で平行一体に連結した形状をそ
れぞれ有する略U字音叉形水晶ブランクからなる第1の
音叉形水晶振動子(以下、駆動側音叉という)で、電気
的加工または機械的加工によって切り出され、一方およ
び他方の振動腕24,25の周面に駆動用電極22を配
設している。26は同じく方形断面の一方および他方の
対称な振動腕29,30を支持部28で平行一体に連結
した形状をそれぞれ有する略U字音叉形水晶ブランクか
らなる第2の音叉形水晶振動子(以下、検知側音叉とい
う)で、一方および他方の振動腕29,30の周面に検
知用電極27を配設している。
【0030】31は水晶からなる結合子で、両端面を駆
動側音叉21および検知側音叉26のそれぞれの駆動側
支持部23および検知側支持部28の略中央部表面に位
置する駆動側振動節を部分的に含む接合部32と検知側
振動節を部分的に含む接合部33とを接着により結合し
て角速度センサを構成している。この場合、駆動側音叉
21と検知側音叉26とは、互いに平行に面対向した状
態になっている。この結合子31は、駆動側音叉21の
振動を検知側音叉26に伝達させる機能を有している
が、それは、結合子31が駆動側音叉21および検知側
音叉26とともに音叉を構成しているからであると考え
られる。
【0031】以下に、要部である駆動側音叉21および
検知側音叉26に用いる略U字音叉形水晶ブランクにつ
いて説明する。図2は駆動側音叉21に用いる略U字音
叉形水晶ブランクの斜視図であり、図3は検知側音叉2
6に用いる略U字音叉形水晶ブランクの斜視図である。
図2において、34は駆動側音叉21に用いる略凹形状
を有する略U字音叉形水晶ブランクである。この水晶ブ
ランク34は結晶軸X,Y,Zに対して、X軸周りで角
度θ(=1〜3°)回転した新たな結晶軸X,Y′,
Z′のY′軸方向を長手方向にしてX,Y′面内で切り
出したものであり、平行な2つの振動腕35A,35B
を支持部35Cで結合した構造である。
【0032】図3において、34′は検知側音叉26に
用いる略凹形状を有する略U字音叉形水晶ブランクであ
る。この水晶ブランク34′は結晶軸X,Y,Zに対し
て、X軸周りで角度θ(=1〜5°)回転した新たな結
晶軸X,Y′,Z′のY′軸方向を長手方向にして
Y′,Z面内で切り出したものであり、平行な2つの振
動腕35A′,35B′を支持部35C′で結合した構
造である。
【0033】ここで、略U字音叉形水晶振動子を構成す
る水晶ブランクの寸法の一例について説明する。例え
ば、駆動側音叉の振動腕は、水晶をU字形状に長さ
(L)10mm×厚み(t)2.5mm×幅(W)3.5mm
の寸法で図2に示したカット方向にて成型加工される。
駆動側音叉および検知側音叉の寸法は、上記の例に限ら
ず、両音叉の寸法は同じである必要はなく、Xモード、
Zモードの共振周波数に応じて適宜設定される。また、
検知側音叉の振動腕は、水晶をU字形状に長さ(L)1
0mm×厚み(t)3.5mm×幅(W)2.5mmの寸法で
図3に示したカット方向にて成型加工される。駆動側音
叉および検知側音叉の寸法は、上記の例に限らず、両音
叉の寸法は同じである必要はなく、Xモード、Zモード
の共振周波数に応じて適宜設定される。
【0034】この略U字音叉形水晶ブランク34,3
4′を図1に示した角速度センサの駆動側音叉21およ
び検知側音叉26に用いる場合、駆動側音叉21のX軸
方向に変位する屈曲振動(以下、「Xモード」と記
す。)の共振周波数と検知側音叉26の一対の振動腕が
X軸方向の互いに逆相の屈曲振動との共振周波数が等し
く、かつ、駆動側音叉21のXモードの共振周波数と検
知側音叉26の一対の振動腕がZ′軸方向の互いに逆相
の屈曲振動(以下、「Zモード」と記す。)の共振周波
数が異なるような形状寸法で切り出して用いている。
【0035】上記の駆動側音叉21は、駆動用電極22
を介して交流電圧を印加することにより、一方および他
方の振動腕24,25のX軸方向に変位する互いに逆相
の屈曲振動を発生させる。この場合、交流電圧の周波数
は、X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周
波数にほぼ一致した周波数として、共振駆動を行う。ま
た、検知側音叉26は、結合子31を経由して駆動側音
叉21のZ′軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動と
Y′軸周りの回転角速度に基づくコリオリの力によって
発生する一方および他方の振動腕29,30のX軸方向
の互いに逆相の屈曲振動により生じる交流電圧を電極を
介して検出する。
【0036】以下に、要部である駆動用電極22の具体
構成について説明する。図4(a)は、要部である駆動
側音叉21の一方および他方の振動腕の周面に形成され
た駆動用電極22の結線図である。図4(a)におい
て、36a,36cは一方の振動腕24のZ′軸方向か
ら見て表面および裏面にそれぞれ形成された駆動用電
極、36b,36dは一方の振動腕24のZ′軸方向か
ら見て両側面にそれぞれ形成された駆動用電極である。
37a,37cは他方の振動腕25のZ′軸方向から見
て表面および裏面にそれぞれ形成された駆動用電極、3
7b,37dは他方の振動腕25のZ′軸方向から見て
両側面にそれぞれ形成された駆動用電極であり、図1に
示した通り、Z′軸方向に見て一方および他方の振動腕
の表裏および両側の4周面にそれぞれ4つの稜線部分で
周方向に4分割された状態にそれぞれ設けてある。
【0037】そして、一方の振動腕24の表裏面の駆動
用電極36a,36cと他方の振動腕25の両側面の駆
動用電極37b,37dとを共通接続し、他方の振動腕
25の表裏面の駆動用電極37a,37cと一方の振動
腕24の両側面の駆動用電極36b,36dとを共通接
続している。駆動用電極36a,36c,37b,37
dの共通接続、ならびに駆動用電極36b,36d,3
7a,37cの共通接続は、振動腕24,25の周面上
で電極パターンを延長形成することにより行っている。
【0038】38は共通接続した駆動用電極36a,3
6c,37b,37dに接続された共通線路、39は共
通接続した駆動用電極36b,36d,37a,37c
に接続された共通線路である。以上のように構成された
駆動用音叉21の動作について説明すると、共通線路3
8,39間に駆動信号(交流電圧)を印加して共振駆動
を行えば、一方および他方の振動腕24,25のX軸方
向の互いに逆相の屈曲振動が発生し、駆動音叉21の一
方の振動腕24、他方の振動腕25が開いたり、閉じた
りする。具体的に説明すると、例えば、共通線路38を
正極とし、共通線路39を負極として駆動用電極22に
電圧を印加すると、電界は、図4(a)において矢印の
方向に加わり、駆動側音叉のX軸方向に対し、振動腕2
4,25の内側が強まり、外側が弱まる。したがって、
強まった所が伸び、弱まったところが縮むので、振動腕
24,25は互いに外側に屈曲し、いわゆる逆相の屈曲
振動を行う。加わる電圧の極性が逆になると、振動腕2
4,25は互いに内側に屈曲することになる。
【0039】以下に、要部である検知用電極27につい
て説明する。図4(b)は、要部である検知側音叉26
の一方および他方の振動腕の周面に形成された検知用電
極27の結線図である。図4(b)において、40a,
40cは一方の振動腕29のX軸方向から見て表面およ
び裏面にそれぞれ形成された検知用電極、40b,40
dは一方の振動腕29のX軸方向から見て両側面にそれ
ぞれ形成された検知用電極である。41a,41cは他
方の振動腕30のX軸方向から見て表面および裏面にそ
れぞれ形成された検知用電極、41b,41dは他方の
振動腕30のX軸方向から見て両側面にそれぞれ形成さ
れた検知用電極であり、図1に示した通り、X軸方向に
見て一方および他方の振動腕の表裏および両側の4周面
にそれぞれ4つの稜線部分で周方向に4分割された状態
にそれぞれ設けてある。
【0040】そして、一方の振動腕29の表裏面の検知
用電極40a,40cと他方の振動腕30の両側面の検
知用電極41b,41dとを共通接続し、他方の振動腕
30の表裏面の検知用電極41a,41cと一方の振動
腕29の両側面の検知用電極40b,40dとを共通接
続している。検知用電極40a,40c,41b,41
dの共通接続、ならびに検知用電極40b,40d,4
1a,41cの共通接続は、振動腕29,30の周面上
で電極パターンを延長形成することにより行っている。
【0041】42は共通接続した検知用電極40a,4
0c,41b,41dに接続された共通線路、43は共
通接続した検知用電極40b,40d,41a,41c
に接続された共通線路である。この検知側音叉26の動
作について説明すると、駆動側音叉21と同様の電極配
置を行っているので、伝播したXモードで振動腕29,
30が互いに逆相の伸縮が起こり、表裏面の検知用電極
41a〜41dに図示したような+、−の電荷が発生
し、共通線路42,43間に角速度に比例した出力電圧
が現れる。なお、振動腕29,30は逆相の伸縮である
から、逆電荷が発生し、両振動腕29,30で2倍の出
力となる。
【0042】以下に、図1において駆動側振動節32お
よび検知側振動節33として示した振動節について詳し
く説明する。図5は、略U字音叉形水晶ブランク34の
側面図で、振動節の検出のための構成を示している。図
6(a)は振動節の位置を示す略U字音叉形水晶ブラン
ク34の斜視図、図6(b)は同じく正面図、図6
(c)は同じく側面図である。
【0043】図5において、略U字音叉形水晶ブランク
34の支持部35Cを挟み込むように対称なピンポイン
ト支持具43で略U字音叉形水晶ブランク34を保持
し、この略U字音叉形水晶ブランク34に電気信号を与
えて、図6(a),(b)の矢印方向(X軸方向)に示
すように、振動腕35A,35Bが開閉する方向、つま
り、Xモードの屈曲振動を与えて、屈曲振動(共振)の
機械的先鋭度(以下、「機械的Q値」と記す。)を測定
し、機械的Q値の減少が少ない点を測定する。図6
(a),(b),(c)に示す曲線AMB,BNCより
下側の斜線部は、機械的Q値の減少が数%以内に留まる
部分を示している。
【0044】上記曲線AMB,BNCを便宜上、振動節
と定義している。つまり、略U字音叉形水晶ブランク3
4が振動している部分と振動していない部分の境界線に
近いラインをイメージしている。つまり、それを含むよ
うにある面積の結合子で2つの略U字音叉形水晶ブラン
クを結合したときに、一方の略U字音叉形水晶ブランク
の屈曲振動がよく行われ、かつ一方の略U字音叉形水晶
ブランクの屈曲振動が他方の略U字音叉形水晶ブランク
に伝わりやすい部分が振動節である。
【0045】図6(b),(c)にはXモードの振動状
態を点線で示しているが、略U字音叉形水晶ブランクの
側面は表裏面に比べて下の方まで振動していることを示
している。振動腕と支持部の寸法にもよるが、支持部が
十分大きいなら、M点はおよそ中点にある。また、N点
は支持部の80%〜90%のところにある。M点を通る
音叉の対称軸上で斜線内で結合すれば、駆動側音叉とな
る略U字音叉形水晶ブランクの共振Q値の減少は少ない
が、検知側音叉となる略U字音叉形水晶ブランクへの振
動エネルギーの伝達が非常に悪い。
【0046】したがって、その曲線AMBからなる振動
節を含むある面積をもった結合子で結合すれば、有効な
振動の授受が可能となる。例えば、M点を中心とした矩
形PQRS(図6(b)参照)を接着面積とする柱状の
結合子で結合すればよい。その矩形PQRSの面積の大
きさは支持部の大きさと考え合わせ、設計上の事項であ
る。
【0047】図7および図8はピンポイント支持位置
(x)に対する機械的Q値の減少の度合いを示す一つの
実験例を示すものである。実験に使用した略U字音叉形
水晶ブランクのサンプルの寸法とカット軸を図7
(a),(b)に示す。図7(a),(b)において、
寸法z1 は95mm、z2 は25mm、z3 は70mm、z4
は5mm、z5 は15mmである。図7(a),(b)の略
U字音叉形水晶ブランクについて、Xモードの振動を起
こさせ、ピンポイント支持位置を、h線上、g線上、
h′線上、i線上をそれぞれ移動させて、機械的Q値の
減少の度合いを測定した。その実験結果を図8に示す。
図8の実験結果の縦軸は略U字音叉形水晶ブランクの底
(x=0)は支持できないので、x=2mmのデータで基
準化した。図8において、実線はg線上の特性を示し、
破線はh線上およびh′線上の特性を示し、一点鎖線は
i線上の特性を示している。この図より、略U字音叉形
水晶ブランクの振動腕および支持部の側面は表裏面より
かなり下の方までピンポイント支持の影響が現れている
ことがわかる。
【0048】また、h,h′上では、支持点をかなり振
動腕に近づけても機械的Q値に影響を与えないことがわ
かる。以上のように構成された角速度センサの動作原理
について、以下に説明する。図9(a)は、本発明の角
速度センサの原理を示す図である。図9(a)におい
て、YZ軸面に対して面対称な±X軸方向に速度ベクト
ルvで2質点m,mが屈曲振動している状態で、Y軸周
りに角速度ベクトルωの回転が印加されたとすると、こ
れらの質点m,mには2mω×vの外積で表現されるコ
リオリの力Fが発生する。
【0049】このコリオリの力Fは、ベクトルω,vの
なす平面に右座標垂直方向であるから、この発生したコ
リオリの力Fを検出することにより、印加した角速度ベ
クトルωを直接検出できる。このコリオリの力Fの大き
さは、質点mの変位を d=AsinΩt とすると、速度|v|は、 |V|=dd/dt=AΩcosΩt であるから、その力|F|は、 |F|=2mAΩ|ω| として求められる。
【0050】ここで、角速度センサの出力信号、つまり
検知側音叉からの出力信号をAとすると、出力信号Aは
つぎのように表すことができる。 A=B×C×|F| ただし、Bは圧電材料常数、Cは形状サイズに関係する
常数である。したがって、入力角速度ωを与えると、検
知側音叉から得られる出力信号Aは、 A=2×B×C×m×v×|ω| で表されることになり、 2×B×C×m×v=D とおくと、 A=D×|ω| となり、検知側音叉から得られる出力信号Aは入力角速
度|ω|に比例することになり、出力信号Aの値から入
力角速度|ω|がわかることになる。
【0051】ここで、図9(b)は、本発明の要部であ
る水晶ブランク34の動作原理を示す図であり、同図
(a)の原理図に対応するものである。図9(b)にお
いて、Y軸を通りYZ対称面に振動腕35A,35Bが
X軸方向に+v、−vの速度で共振屈曲振動をするもの
すると、水晶ブランク34のY軸が回転する方向に角速
度ωが加わったときに、それぞれの振動腕35A,35
Bにコリオリの力Fが発生する。
【0052】以下に、本発明の第1の実施例の角速度セ
ンサの動作について説明する。図10は、動作を説明す
るための角速度センサをY′軸方向から見た状態の平面
図である。この角速度センサは、主として以下のような
動作をする。駆動側音叉21にX軸方向の駆動振動を持
続させるように振動駆動手段(図示せず)を用いて振動
腕24,25の駆動用電極36a〜36d,37a〜3
7dに上記した通りに交流電圧を加えて振動腕24,2
5を屈曲振動させると、コリオリの力によりZ軸方向の
振動が生じ、それが検知側音叉26に伝播する。検知側
音叉26に結合子31を通じて伝播した振動成分により
検知側音叉26がX軸方向に振動する。一方、検知側音
叉26のXモードの振動成分の電気的信号、すなわち、
コリオリの力を検知側音叉26の振動腕29,30の表
面に設けた検知用電極40a〜40d,41a〜41d
から上記した通りに交流信号を信号検知手段(図示せ
ず)により取り出すことにより、駆動側音叉21,検知
側音叉26の回転角速度に対応した角速度信号が得られ
る。なお、一部、以下のような動作もする。駆動側音叉
21にX軸方向の駆動振動を持続させるように振動駆動
手段(図示せず)を用いて振動腕24,25の駆動用電
極36a〜36d,37a〜37dに上記した通りに交
流電圧を加えて振動腕24,25を屈曲振動させると、
検知側音叉26に結合子31を通じて伝播した振動成分
により検知側音叉26がX軸方向に振動する。一方、検
知側音叉26の振動方向(Z′軸方向)に対して、直角
方向のXモードの振動成分の電気的信号、すなわち、コ
リオリの力を検知側音叉26の振動腕29,30の表面
に設けた検知用電極40a〜40d,41a〜41dか
ら上記した通りに交流信号を信号検知手段(図示せず)
により取り出すことにより、駆動側音叉21,検知側音
叉26の回転角速度に対応した角速度信号が得られる。
【0053】この実施例の角速度センサによれば、駆動
側音叉21および検知側音叉26としてそれぞれ従来例
のような貼り合わせタイプではない振動腕24,25;
29,30と支持部25;28とがそれぞれ一体となっ
た略U字音叉形水晶ブランクを用いているので、広い温
度範囲で温度特性に優れかつ各種ばらつきが少なく高精
度に角速度を検出することができる。
【0054】また、駆動側音叉21の一方および他方の
振動腕24,25のX軸方向に変位する互いに逆相の屈
曲振動の共振周波数と検知側音叉26のX軸方向の互い
に逆相の屈曲振動の共振周波数とをほぼ等しく、かつ駆
動側音叉21のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振
動の共振周波数と検知側音叉26の一方および他方の振
動腕29,30のZ′軸方向に変位する互いに逆相の屈
曲振動の共振周波数とを異ならせているので、駆動側音
叉21を共振駆動した場合において、検知側音叉26で
は、X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動とY′軸
周りの回転角速度に基づくコリオリの力によって検知側
音叉26の一方および他方の振動腕29,30に発生し
伝播するX軸方向の互いに逆相の屈曲振動を大きくでき
るとともに、Z′軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振
動を小さくできる。この結果、Z′軸方向に変位する互
いに逆相の屈曲振動により生じる交流電圧の影響を抑え
つつ、X軸方向の互いに逆相の屈曲振動により生じる交
流電圧を有効に検出できることになり、精度よくY′軸
周りの回転角速度を検出することが可能となる。
【0055】また、結合子31の両端面を駆動側音叉2
1および検知側音叉26の支持部23,28に生成され
る振動節を部分的に含む表面に接着しているので、駆動
側音叉21のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動
を、駆動側音叉21の機械的Q値を低下させることな
く、最大の機械伝達効率で検知側音叉26に伝達するこ
とができるとともに、駆動側音叉21と検知側音叉26
とを結合子31で簡単に一体化することができ、製造が
容易である。
【0056】ここで、上記実施例をもとに、従来例と比
較し、その特性効果について説明する。前記に説明の本
発明の実施例によると、略U字音叉形水晶振動子からな
る駆動側音叉21と検知側音叉26を平行に面対向する
ように結合子31で一体化することにより、機械的な共
振先鋭度(機械的Q値)が高く、角速度検出感度が高
く、熱膨張係数が小さく、駆動周波数が安定し、その結
果、前記に説明したセンサの信号処理における同期整流
の位相ずれ変化が小さく、さらに駆動側の駆動信号成分
の一部が検知部へ不要信号成分として混入することがな
く、結果的には、ドリフト安定度は従来の1/10と優
れた特性を得ることができた。
【0057】図11は本発明の第2の実施例の角速度セ
ンサの斜視図を示している。同図(a)は組み立て状態
の斜視図、同図(b)は分解状態の斜視図である。この
角速度センサは、水晶で形成した角柱状ブロックの結合
子31Aを駆動側音叉21と検知側音叉26の両支持部
の振動節を含めて図11に示すように、支持部23,2
8のほぼ中点Mを中心に、ある矩形面積PQRSに接着
により固着させる。検知側音叉26の裏面の固着部分は
図11では見えないが、駆動側音叉21と同じ位置に固
着される。
【0058】この実施例の角速度センサは、図1の円柱
状の結合子に代えて、角柱状の結合子31Aを用いたも
ので、その他の構成は図1のものと同様である。この実
施例の効果は前記第1の実施例と同様である。図12は
本発明の第3の実施例の角速度センサの斜視図を示して
いる。同図(a)は組み立て状態の斜視図、同図(b)
は分解状態の斜視図である。
【0059】この実施例の角速度センサは、駆動側音叉
21および検知側音叉26の支持部23,28に例えば
エッチングにより振動節を含むある面積の方形(円形で
もよい)の貫通孔23a,28aを設け、方形(または
円形)の結合子31を貫通孔23a,28aに貫挿した
状態で接着したものである。その他の構成は図1の実施
例の同様である。
【0060】この場合の結合は駆動側音叉21および検
知側音叉26の各支持部23,28の振動節を含む面
で、音叉の表裏方向(厚み方向)にエッチング等によっ
て矩形の貫通孔23a(PQRS),28a(P′Q′
R′S′)を設け、角柱状ブロックの結合子31Aを貫
挿して接着している。この実施例では、結合子31の両
端を駆動側音叉21および検知側音叉26の支持部2
3,28に生成される振動節を部分的に含む貫通孔23
a,28aに貫挿した状態で接着しているので、駆動側
音叉21のZ′軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動
を、駆動側音叉21の機械的Q値を低下させることな
く、最大の機械伝達効率で検知側音叉26に伝達するこ
とができるとともに、駆動側音叉21と結合側音叉26
とを結合子31で強固に一体化で、耐振性に優れてい
る。その他の効果は第1の実施例と同様である。
【0061】なお、前記各実施例では、駆動側音叉のX
軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数と
検知側音叉のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動の共振周
波数とがほぼ等しく、かつ駆動側音叉のX軸方向に変位
する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数と検知側音叉の
一方および他方の振動腕のZ′軸方向に変位する互いに
逆相の屈曲振動の共振周波数とが異なるように、駆動側
音叉の振動腕と検知側音叉の振動腕とを異なる形状寸法
に設定していたが、これに代えて、駆動側音叉のX軸方
向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数と検知
側音叉のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動の共振周波数
と検知側音叉の一方および他方の振動腕のZ′軸方向に
変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数とが互いに
隔離して異なるように、駆動側音叉の振動腕と検知側音
叉の振動腕とを異なる形状寸法に設定してもよい。この
場合の検知側音叉の振動腕の寸法の一例としては、長さ
(L)10mm×厚み(t)3mm×幅(W)2.5mmとし
た。なお、駆動側音叉の振動腕の寸法は先に示したもの
と同じである。
【0062】このように構成すると、駆動側音叉21の
X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数
と検知側音叉26のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動の
共振周波数と検知側音叉26の一方および他方の振動腕
のZ′軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周
波数とを互いに隔離して異ならせているので、駆動側音
叉を共振駆動した場合において、検知側音叉26では、
X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動とY′軸周り
の回転角速度に基づくコリオリの力によって駆動側音叉
21の一方および他方の振動腕24,25に発生するX
軸方向の互いに逆相の屈曲振動に対して、Z′軸方向に
変位する互いに逆相の屈曲振動を効率良く抽出できる。
この結果、Z′軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動
により生じる交流電圧の影響を抑えつつ、X軸方向の互
いに逆相の屈曲振動により生じる交流電圧を有効に検出
できることになり、精度よくY′軸周りの回転角速度を
検出することが可能となる。その他の点については、前
記各実施例と同様である。
【0063】上記の図11の実施例は、駆動側音叉のX
軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数と
検知側音叉のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動の共振周
波数とがほぼ等しく、かつ駆動側音叉のX軸方向に変位
する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数と検知側音叉の
一方および他方の振動腕のZ′軸方向に変位する互いに
逆相の屈曲振動の共振周波数とが異なるように、駆動側
音叉の振動腕と検知側音叉の振動腕とを異なる形状寸法
に設定した状態の実施例を示す。また、図12の実施例
は、駆動側音叉のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲
振動の共振周波数と検知側音叉のX軸方向の互いに逆相
の屈曲振動の共振周波数と検知側音叉の一方および他方
の振動腕のZ′軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動
の共振周波数とが互いに隔離して異なるように、駆動側
音叉の振動腕と検知側音叉の振動腕とを異なる形状寸法
に設定した状態の実施例を示す。
【0064】なお、駆動側音叉および検知側音叉の支持
部における振動節ではなく、支持部の例えば下底部同士
を結合子を介して結合しても、駆動側音叉から検知側音
叉へ振動を有効に伝達することができ、このような構成
も実施例として含まれる。つまり、音叉振動の機械的振
動先鋭度が低下せずに、振動エネルギーの一部を伝達さ
せる部位なら支持部のどこを結合してもよい。また、結
合は1箇所で行っているが、2個以上の結合子を用いる
ことにより、2箇所以上で行ってもよいのは当然であ
る。
【0065】また、駆動側音叉21,検知側音叉26の
電極構造は、上記各実施例に示したものに限らず、種々
変更可能であり、要は屈曲振動とコリオリの信号成分を
検出することができればよいものである。例えば検知用
電極としては、振動腕の4つの稜線にそれぞれ跨がって
形成した4個の電極でもよいし、振動腕の両側面にそれ
ぞれ周方向に2分割した電極でもよい。
【0066】また、上述した2種類の共振周波数条件を
維持し、水晶の結晶軸の違いによるヤング率の違いを活
用することで、駆動側音叉21の振動腕24,25と検
知側音叉26の振動腕29,30とを同じ寸法でかつ断
面正方形にすることが可能である。このように、駆動側
音叉21と検知側音叉26とを全く同じ形状にすると、
両電極22,27の形状も同じであることから、製造、
組立が簡単であり、低コスト化を達成できる。
【0067】また、上記実施例では、結晶軸X,Y,Z
のX軸周りに1〜3度程度回転した新たな結晶軸X,
Y′,Z′のY′軸方向を長手方向にしてX,Y′面内
で切り出した水晶ブランクを使用したが、結晶軸X,
Y,ZのY軸方向を長手方向にして切り出した水晶ブラ
ンクを使用することもできる。したがって、特許請求の
範囲における「結晶軸X,Y,ZのX軸周りに回転した
新たな結晶軸X,Y′,Z′」の表現には、回転角度が
0度の場合、つまり、結晶軸X,Y,Zと結晶軸X,
Y′,Z′とが重なっている場合も含まれる。また、上
記の結晶軸の回転角度1〜3度以外でもよい。
【0068】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、不要信号成分が低減され、広い温度範囲でかつ、急
激な温度変化に対し、特性変化のきわめて少ない安定し
た角速度センサを得ることができる。また、駆動側音叉
と検知側音叉を、支持部に発生する振動節を部分的に含
むある面積をもったブロック結合子を介して固着すれ
ば、、音叉振動の機械的Q値と駆動側音叉から検知側音
叉への機械的伝達効率を最も向上させることができる。
【0069】したがって、両音叉を結合する際の機械的
伝達ロスが飛躍的に改善でき、コリオリ力による角速度
検出の感度を向上させることができる。そして、構成が
簡単な構造であるため、低コスト化を図ることができ、
工業的価値が大である。以下、各請求項毎の効果につい
て説明する。請求項1記載の角速度センサによれば、駆
動側音叉および検知側音叉としてそれぞれ従来例のよう
な貼り合わせタイプではない振動腕と支持部とが一体と
なった略U字音叉形水晶ブランクを用いているので、広
い温度範囲で温度特性に優れかつ各種ばらつきが少なく
高精度に角速度を検出することができる。
【0070】請求項2記載の角速度センサによれば、駆
動側音叉のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の
共振周波数と検知側音叉のX軸方向の互いに逆相の屈曲
振動の共振周波数とをほぼ等しく、かつ駆動側音叉のX
軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数と
検知側音叉の一方および他方の振動腕のZ′軸方向に変
位する互いに逆相の屈曲振動の共振周波数とを異ならせ
ているので、駆動側音叉を共振駆動した場合において、
検知側音叉では、Z′軸方向に変位する互いに逆相の屈
曲振動とY′軸周りの回転角速度に基づくコリオリの力
によって駆動側音叉の一方および他方の振動腕に発生す
るZ′軸方向の互いに逆相の屈曲振動を効率良く抽出で
きるとともに、X軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振
動を小さくできる。この結果、X軸方向に変位する互い
に逆相の屈曲振動により生じる交流電圧の影響を抑えつ
つ、Z′軸方向の互いに逆相の屈曲振動により生じる交
流電圧を有効に検出できることになり、精度よくY′軸
周りの回転角速度を検出することが可能となる。
【0071】請求項3記載の角速度センサによれば、駆
動側音叉のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の
共振周波数と検知側音叉のX軸方向の互いに逆相の屈曲
振動の共振周波数と検知側音叉の一方および他方の振動
腕のZ′軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動の共振
周波数とを互いに隔離して異ならせているので、駆動側
音叉を共振駆動した場合において、検知側音叉では、
Z′軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動とY′軸周
りの回転角速度に基づくコリオリの力によって検知側音
叉の一方および他方の振動腕に発生するX軸方向の互い
に逆相の屈曲振動に対して、Z′軸方向に変位する互い
に逆相の屈曲振動を極端に大きくならないようにでき
る。この結果、Z′軸方向に変位する互いに逆相の屈曲
振動により生じる交流電圧の影響を抑えつつ、X軸方向
の互いに逆相の屈曲振動により生じる交流電圧を有効に
検出できることになり、精度よくY′軸周りの回転角速
度を検出することが可能となる。
【0072】請求項4記載の角速度センサによれば、検
知側音叉の電極が一対の振動腕の表裏面に形成している
だけであるので、電極の形成が容易であり、製造が容易
である。請求項5記載の角速度センサによれば、駆動側
音叉のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動を、駆
動側音叉の機械的Q値を低下させることなく、最大の機
械伝達効率で検知側音叉に伝達することができるととも
に、駆動側音叉と結合側音叉とを結合子で簡単に一体化
することができ、製造が容易である。
【0073】請求項5記載の角速度センサによれば、駆
動側音叉のX軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動
を、駆動側音叉の機械的Q値を低下させることなく、最
大の機械伝達効率で検知側音叉に伝達することができる
とともに、駆動側音叉と結合側音叉とを結合子で強固に
一体化で、耐振性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の角速度センサの斜視図
である。
【図2】略U字音叉形水晶ブランクの切り出し方向を示
す概略図である。
【図3】略U字音叉形水晶ブランクの切り出し方向を示
す概略図である。
【図4】駆動側音叉に設けた駆動用電極および検知側音
叉に設けた検知用電極の様子を示す概略図である。
【図5】略U字音叉形水晶ブランクのピンポイント支持
位置を示す概略図である。
【図6】振動節を説明するための略U字音叉形水晶ブラ
ンクの概略図である。
【図7】略U字音叉形水晶ブランクのサンプルの寸法と
カット軸を示す概略図である。
【図8】本発明の角速度センサのピンポイント支持位置
の違いによる機械的Q値の違いを示す特性図である。
【図9】本発明の第1の実施例の角速度センサにおいて
角速度検出の原理を示す概略図である。
【図10】本発明の第1の実施例の角速度センサにおい
て角速度検出の動作を示す概略図である。
【図11】本発明の第2の実施例の角速度センサを示す
斜視図である。
【図12】本発明の第3の実施例の角速度センサを示す
斜視図である。
【図13】従来の角速度センサの一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
21 駆動側音叉 22 電極 23 支持部 24 一方の振動腕 25 他方の振動腕 26 検知側音叉 27 電極 28 支持部 29 一方の振動腕 30 他方の振動腕 31 結合子 32 振動節を含む接合部 33 振動節を含む接合部 36a〜36d 駆動用電極 37a〜37d 駆動用電極 38,39 共通線路 40a〜40d 検知用電極 41a〜41d 検知用電極 42,43 共通線路 31A 結合子 23a,28a 貫通孔 23b,28b 貫通孔 50a〜50d 検知用電極 51a〜51d 検知用電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市瀬 俊彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 寺田 二郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大友 惇 埼玉県狭山市上広瀬1275−2 日本電波工 業株式会社狭山事業所内 (72)発明者 太田 治良 埼玉県狭山市上広瀬1275−2 日本電波工 業株式会社狭山事業所内 (72)発明者 太田 紘一郎 埼玉県狭山市上広瀬1275−2 日本電波工 業株式会社狭山事業所内 (72)発明者 石原 実 埼玉県狭山市上広瀬1275−2 日本電波工 業株式会社狭山事業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶軸X,Y,ZのX軸周りに回転した
    新たな結晶軸X,Y′,Z′のY′軸方向を長手方向に
    してX,Y′面内で切り出し、方形断面の一方および他
    方の対称な振動腕を支持部で平行一体に連結した形状を
    有する略U字音叉形水晶ブランクの前記一方および他方
    の振動腕の周面に電極を配設してなる第1の音叉形水晶
    振動子と、 結晶軸X,Y,ZのX軸周りに回転した新たな結晶軸
    X,Y′,Z′のY′軸方向を長手方向にしてY′,
    Z′面内で切り出し、方形断面の一方および他方の対称
    な振動腕を支持部で平行一体に連結した形状を有する略
    U字音叉形水晶ブランクの前記一方および他方の振動腕
    の周面に電極を配設してなる第2の音叉形水晶振動子と
    を、互いに平行に面対向した状態に結合子を介し前記支
    持部において固着した角速度センサであって、 前記第1の音叉形水晶振動子を、電極を介して交流電圧
    を印加することにより、一方および他方の振動腕のX軸
    方向に変位する互いに逆相の屈曲振動を発生させる駆動
    側音叉とし、 前記第2の音叉形水晶振動子を、前記結合子を経由して
    前記第1の音叉形水晶振動子から伝播したZ′軸方向に
    変位する互いに逆相の屈曲振動とY′軸周りの回転角速
    度に基づくコリオリの力によって発生する一方および他
    方の振動腕のX軸方向の互いに逆相の屈曲振動により生
    じる交流電圧を電極を介して検出する角速度検出用の検
    知側音叉としたことを特徴とする角速度センサ。
  2. 【請求項2】 駆動側音叉のX軸方向に変位する互いに
    逆相の屈曲振動の共振周波数と検知側音叉のX軸方向の
    互いに逆相の屈曲振動の共振周波数とがほぼ等しく、か
    つ前記駆動側音叉のX軸方向に変位する互いに逆相の屈
    曲振動の共振周波数と前記検知側音叉の一方および他方
    の振動腕のZ′軸方向に変位する互いに逆相の屈曲振動
    の共振周波数とが異なるように、前記駆動側音叉の振動
    腕と前記検知側音叉の振動腕とを異なる形状寸法に設定
    したことを特徴とする請求項1記載の角速度センサ。
  3. 【請求項3】 駆動側音叉のX軸方向に変位する互いに
    逆相の屈曲振動の共振周波数と検知側音叉のX軸方向の
    互いに逆相の屈曲振動の共振周波数と前記検知側音叉の
    一方および他方の振動腕のZ′軸方向に変位する互いに
    逆相の屈曲振動の共振周波数とが互いに隔離して異なる
    ように、前記駆動側音叉の振動腕と前記検知側音叉の振
    動腕とを異なる形状寸法に設定したことを特徴とする請
    求項1記載の角速度センサ。
  4. 【請求項4】 駆動側音叉の一方および他方の振動腕の
    周面に配設する電極は、Z′軸方向に見て前記一方およ
    び他方の振動腕の表裏および両側の4周面にそれぞれ4
    つの稜線部分で周方向に4分割された状態にそれぞれ設
    けてあり、前記一方の振動腕の表裏面電極と前記他方の
    振動腕の両側面電極とを共通接続し、前記他方の振動腕
    の表裏面電極と前記一方の振動腕の両側面電極とを共通
    接続し、 かつ検知側音叉の一方および他方の振動腕の周面に配設
    する電極は、X軸方向に見て前記一方および他方の振動
    腕の表裏および両側の4周面にそれぞれ4つの稜線部分
    で周方向に4分割された状態にそれぞれ設けてあり、前
    記一方の振動腕の表裏面電極と前記他方の振動腕の両側
    面電極とを共通接続し、前記他方の振動腕の表裏面電極
    と前記一方の振動腕の両側面電極とを共通接続したこと
    を特徴とする請求項1記載の角速度センサ。
  5. 【請求項5】 結合子は、両端面がある面積を有する柱
    状であって、両端面が駆動側音叉および検知側音叉の支
    持部に生成される振動節を部分的に含む表面に接着され
    ていることを特徴とする請求項1記載の角速度センサ。
  6. 【請求項6】 駆動側音叉および検知側音叉は、支持部
    に生成される振動節を部分的に含むある面積をもった貫
    通孔をそれぞれ有し、結合子は、柱状であって、両端部
    が前記貫通孔に貫挿した状態に前記駆動側音叉および検
    知側音叉の支持部に接着されていることを特徴とする請
    求項1記載の角速度センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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