JPH07259948A - トロイダル型無段変速装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速装置

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JPH07259948A
JPH07259948A JP5590694A JP5590694A JPH07259948A JP H07259948 A JPH07259948 A JP H07259948A JP 5590694 A JP5590694 A JP 5590694A JP 5590694 A JP5590694 A JP 5590694A JP H07259948 A JPH07259948 A JP H07259948A
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JP
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input
power roller
pressing force
speed
torque
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JP5590694A
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Inventor
Itsuro Muramoto
逸朗 村本
Nobutaka Takahashi
伸孝 高橋
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速比が一定の定常状態の下での、摩擦損失
等に起因する伝達効率の低下を防止し、併せて、変速時
における、過大なスリップに起因する伝動効率の低下を
防止する。 【構成】 入力ディスク12から出力ディスク13への
動力伝達を、それらの両ディスク12,13の対向面に
押し付けたパワーローラ23を介して行い、そのパワー
ローラ23の、入出力ディスク12,13への押付力を
入力トルクに応じて変化させるトロイダル型無段変速装
置である。変速速度演算手段45aと、この変速速度演
算手段45aにより求めた変速速度に基づいてパワーロ
ーラ押付力を補正して、変速速度が速くなるほど、パワ
ーローラ押付力を高める加圧制御信号補正手段45bと
を具える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車等に用いられ
るトロイダル型無段変速装置、とくにそのパワーローラ
の押付力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トロイダル型無段変速装置は、入出力デ
ィスクとパワーローラとを大きな力で押し付けて、それ
らの間の油膜の剪断抵抗によって動力伝達を行う装置で
あり、かかる動力伝達に当たっては、入出力ディスクお
よびパワーローラは、それらの間にわずかなスリップを
生じつつ回転運動を行う。
【0003】このように、トロイダル型無段変速装置に
よる、動力伝達に際してはスリップの発生は不可避であ
るも、それが大きくなり過ぎると伝動効率が低下するこ
とになり、この一方で、スリップを小さくして伝動効率
を高めるべく、両ディスクとパワーローラとの押付力を
大きくした場合において、その押付力が過剰になると、
装置各部の摩擦力が大きくなって、摩擦損失の増大によ
る伝達効率の低下が余儀なくされる他、押付反力の支持
部分の強度増加に伴う重量およびコストの増加が不可欠
となるという不都合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これがため、特開平1
−255758号公報、特開昭62−258254号公
報などに、入出力ディスクに対するパワーローラの押付
力の変更を可能ならしめる無段変速装置が提案されてい
るが、これらのいずれの従来技術にあっても、スリップ
の増大に起因する伝動効率の低下を回避する目的の下
で、とくには、パワーローラが、その回転軸線と直交す
る軸線の周りで回動運動(以下「傾転」という)を行う
変速時においてもなお、過大なスリップが発生しないよ
うな大きなパワーローラ押付力を付与していることか
ら、変速を行わない定常時の伝達効率が悪化し、また、
押付反力支持部分の強度増加によって、装置の重量およ
びコストが増加するという問題は依然として解決されて
いなかった。
【0005】この発明は、従来技術の有するかかる問題
点を解決することを課題として検討した結果なされたも
のであり、この発明の目的は、とくには、変速時のパワ
ーローラ押付力を変速速度に応じて制御することによっ
て、変速を行わない定常時の伝達効率を低下させること
なしに、変速時におけるパワーローラ押付力を、過大な
スリップを生じない適切なものとして、伝動効率を十分
に高めることができるトロイダル型無段変速装置を提供
するにある。
【0006】なおここで、急変速時のスリップを防止す
る従来技術としては、特開昭58−191361号公報
に開示された無段変速装置があり、これは、可変プーリ
をストロークさせて、Vベルトの、プーリに対する接触
位置を半径方向に変化させるベルト式の無段変速装置に
おいて、急変速時における可変プーリの急激なストロー
クに伴いプーリの押付け油圧が低下するのを防止するも
のであるに対し、この発明に係るトロイダル型無段変速
装置は、入出力ディスクの相対位置を、変速比のいかん
にかかわらず、常に一定位置に維持するものであるの
で、両者は技術的課題の解決理念を全く異にするもので
ある。
【0007】これをいいかえれば、この発明は、装置の
変速作動に際して、パワーローラが「傾転」することに
よって生じるそのパワーローラのスリップに着目してな
されたものであるに対し、前記ベルト式無段変速装置は
可変プーリのストローク速度によって発生するVベルト
のスリップに着目してなされたものであり、これらは着
目点が全く別異である。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、入力軸への
入力トルクと、パワーローラの傾転速度と対応する変速
速度とに応じて、パワーローラの、入出力ディスクへの
押付力を制御して、その押付力を常に適正ならしめるも
のであり、これがため、入力ディスクから、多くはそれ
と同軸に配置した出力ディスクへの動力伝達を、それら
の両ディスクの対向面に押し付けたパワーローラを介し
て行い、そのパワーローラの、入出力ディスクへの押付
力を前記入力トルクに応じて変化させるトロイダル型無
段変速装置において、変速速度の演算手段を設けるとと
もに、この変速速度演算手段にて求めた変速速度に基づ
いてパワーローラ押付力を補正して、変速速度が速くな
るほどパワーローラ押付力を高める加圧制御信号補正手
段を設けたものである。
【0009】この発明の他のトロイダル型無段変速装置
は、とくに、変速速度演算手段および、エンジン発生ト
ルク演算手段を設けるとともに、これらのそれぞれの手
段によって求めた変速速度およびトルク信号のそれぞれ
に基づいてエンジンの発生トルクを補正して、変速速度
が速くなるほどエンジン発生トルクを高めるエンジン発
生トルク補正手段を設けたものである。
【0010】
【作用】トロイダル型無段変速装置の入力ディスクに伝
達された動力は、入出力ディスクとパワーローラとの摩
擦掛合に基づき、パワーローラの回転を経て出力ディス
クに伝達される。そして、動力のこのような伝達中、パ
ワーローラを傾転させると、パワーローラと両ディスク
との接触点が連続的に変化して無段階の変速が実現され
る。なお、このような動力伝達に際しては、パワーロー
ラの回転に伴うスリップおよび、変速時における、パワ
ーローラの傾転に伴うスリップのそれぞれが発生するこ
とになる。従って、同じ動力を伝達する場合には、変速
比が一定のときに比して、変速時の方がトータルスリッ
プ量が大きくなる。
【0011】このような、パワーローラを介して動力伝
達を行う場合には、パワーローラの傾転のための所定量
のスリップを許容することが必須不可欠となるが、パワ
ーローラの傾転に伴うそのスリップと、それの回転に伴
うスリップとの和からなるトータルスリップ量が臨界値
を越えると、入出力ディスクとパワーローラとの間の摩
擦係数が急激に低下し、これによってトータルスリップ
量が一層増加して、伝動効率もまた大きく低下すること
になる。
【0012】この発明は、伝達効率の低下のおそれな
し、とくには、パワーローラの傾転に伴うスリップを有
効に阻止して、上述したような伝動効率の低下を十分に
防止するものである。
【0013】ここで、変速速度演算手段と、加圧制御信
号補正手段とを具える前者の装置では、変速速度演算手
段により、スロットル開度信号と車速信号とに基づいて
変速速度を演算し、そして、加圧制御信号補正手段によ
って、変速速度が大きいほど、入出力ディスクとパワー
ローラとの押付力が大きくなるようにその押付力を決定
することにより、変速速度のいかんにかかわらず、過大
なスリップが生じない範囲で押付力を十分小さくするこ
とが可能となり、これがため、押付力が過大であること
に起因する、伝達効率の低下ならびに、装置の重量およ
びコストの増加を防止してなお、スリップが過大である
ことに起因する伝動効率の低下を有効に防止することが
できる。
【0014】そしてこれらのことは、変速速度演算手段
と、エンジン発生トルク演算手段と、発生トルク補正手
段とを具える後者の装置においてもまた同様であり、こ
こではとくに、アクセル操作量とエンジン回転数とから
エンジンの発生トルクを求め、そしてこのエンジン発生
トルクとその時の変速比とから求めた入力軸への入力ト
ルクに対応する定常的な押付力と、更に変速速度をも考
慮して得られる過渡的な必要押付力との差からパワーロ
ーラの押付力不足分、ひいては、該押付力不足分をロー
ディングカムで発生させるためのエンジンの発生トルク
の不足分を求め、その不足分に相当するだけアクセル開
度を調整してエンジン発生トルクを高めることにより、
変速速度が大きい場合のスリップの増加を有効に防止す
ることができる。
【0015】
【実施例】以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1はこの発明の実施例を示す図であり、ここ
では便宜上、図の右上のI−I線に沿う断面を、図の左
側に示した。図中、10は変速機ケースを、11は、そ
の変速機ケース10に軸受けした入力軸をそれぞれ示
す。ここでは、入力軸上に、入力ディスク12を一体的
に取付け、この入力ディスク12と同軸に出力ディスク
13を設ける。ここでこの出力ディスク13は、入力軸
上に回転自在に支持した中空の出力軸14と一体をな
す。尚、入力軸11は図示を省略したエンジンに結合
し、該エンジンから動力が伝達される。
【0016】また、中空出力軸上には更に、出力ギヤ1
5を軸線方向に移動不能に駆動連結するとともに、スラ
ストベアリング16のインナーレース16aを、これも
また軸線方向に移動不能に取付け、そして、そのスラス
トベアリング16のアウターレース16bを、変速機ケ
ース10に取着したシリンダ17に嵌め込み固定する。
【0017】ここで、シリンダ17の内周には油圧ピス
トン18を摺動自在に嵌め合わせてそれらの両者間に油
圧室19を区画する一方、その油圧室19の外側では、
油圧ピストン18に、それと同軸に当接させたスラスト
ベアリング20のアウターレース20aを、変速機ケー
ス10に取着した仕切壁21に、それの軸線方向に摺動
可能に嵌め込む。なお、スラストベアリング20のイン
ナーレース20bは、リング22を介して入力軸11に
結合する。
【0018】さらに、入力ディスク12と出力ディスク
13との相互の対向面12a,13aには、それらの両
ディスク12,13の直径方向に対抗して位置する二個
一対のパワーローラ23を摩擦掛合させて配置し、入力
軸11を隔てて位置するこれらのそれぞれのパワーロー
ラ23を、それぞれの傾転軸24をもって、入力軸11
の中心軸線と直交する共通の軸線23aの周りに回転可
能に支持する。ここにおいて、各傾転軸24は、パワー
ローラ23の回転軸線23aと直交する傾転軸線23b
の周りでのそれの回動運動を許容すべく、図ではその上
下両端部分に位置するそれぞれのラジアルベアリング2
5,26により支持する。そして、それぞれの傾転軸2
4の上端部分に位置するベアリング25の相互および、
下端部分に位置するベアリング26の相互は、それぞれ
のタイロッド27,28によって連結する。なお、これ
らの各タイロッド27,28は、その中央部において、
ジョイント29,30を介して変速機ケース10に連節
する。
【0019】また、それぞれの傾転軸24の上下端には
ピストン31,32をそれぞれ設け、これらのそれぞれ
のピストン31,32を、変速機ケース10に嵌合させ
ることによって油圧室33,34を画成する。かかる構
成の下では、油圧室33,34のいずれか一方に油圧を
供給して、一の傾転軸24を上昇もしくは下降変位させ
た場合には、他方の傾転軸24は、タイロッド27,2
8およびジョイント29,30の作用下で、前記一の傾
転軸24とは逆方向に変位することになる。従って、そ
れぞれの油圧室33,34への油圧の給排は、それぞれ
の傾転軸24において相互に逆にすることが必要にな
る。加えて、いずれか一方の傾転軸24の上端に、傾転
軸線23bと同軸に延在するロッド24aを突設し、こ
のロッド24aにカム35を固定する。
【0020】以上のような機械的構成部分に所要の油圧
を供給すべく、ここでは、油圧ポンプ40を、傾転軸油
圧室33,34のための油圧制御バルブ41および、押
付力制御用油圧室19のための油圧制御バルブ42のそ
れぞれに接続し、そしてまた、これらのそれぞれの油圧
制御バルブ41,42を、それらのそれぞれに制御信号
43,44を供給するコントロールユニット45に信号
接続する。なお、このコントロールユニット45には、
スロットルセンサからのスロットル開度信号46およ
び、車速センサからの車速信号47のそれぞれを入力す
る。
【0021】このように構成してなる装置の作用は以下
の通りとなる。入力軸11から入力ディスク12に達し
た動力は、パワーローラ23の回転を介して出力ディス
ク13に伝達され、その後、出力軸14から出力ギヤ1
5に伝達されて出力される。
【0022】このような動力伝達中に、ドライバーがア
クセルを操作すると、それがスロットル開度信号46と
してコントロールユニット45に入力され、このコント
ロールユニット45は、そのスロットル開度信号46
と、車速信号47と、予め定められた制御ロジックとに
基づき、油圧制御バルブ41に、変速比を変えるよう制
御信号43を出力する。これにより、油圧制御バルブ4
1は、油圧室33,34の油圧制御を行い、傾転軸24
を、図示の中空位置から上昇もしくは下降変位させる。
この結果として、パワーローラ23は、入出力ディスク
12,13から傾転分力を受け、傾転軸線23bの周り
で、いずれかの方向へ傾転運動する。
【0023】パワーローラ23のこのような傾転運動
は、そのパワーローラ23と、入出力ディスク12,1
3のそれぞれとの摩擦掛合位置の変化をもたらし、これ
によって連続的な変速が行われる。このような変速によ
って、変速比が所定の値になったときには、油圧制御バ
ルブ41の作動下で、油圧室33,34の油圧制御を行
って、傾転軸24を図示の中立位置に戻すことにより、
パワーローラ23に作用する傾転分力を取り除き、その
パワーローラ23を、所定の変速比をもたらす、変更さ
れた傾転姿勢に維持する。
【0024】なおここで、傾転軸24に取り付けたカム
35は、その傾転軸24の傾転角度と、傾転軸24、ひ
いては、パワーローラ23の昇降量とを検出し、それら
の検出信号を油圧制御バルブ41にフィードバックす
る。
【0025】ところで、以上のような変速作動は、コン
トロールユニット45からの制御信号44に基づいて作
動する油圧制御バルブ42により、油圧室19の油圧を
制御して、パワーローラ23を入出力ディスク間に挟圧
することを前提として行なわれるものであり、この場
合、油圧室19の油圧Paは、シリンダ17および油圧
ピストン18を、力Faで、相互に離反する方向に押圧
し、油圧ピストン18に作用する押圧力は、スラストベ
アリング20およびリング22を介して、入力軸11か
ら入力ディスク12に及ぶので、パワーローラ23は、
入出力ディスク間に、所期した通りの力で挟圧されるこ
とになる。
【0026】ここにおいて、コントロールユニット45
による油圧制御は、図2に示すフローチャートに従っ
て、以下のようにして行なわれる。まず、ステップ10
0および110のそれぞれにおいて、コントロールユニ
ット45への、スロットル開度信号46および車速信号
47の読み込みを行い、次いで、コントロールユニット
内の変速比演算手段45e及び変速速度演算手段45a
の作用下で、以下のステップ120および130を行
う。
【0027】ここで、ステップ120では、スロットル
開度信号46および車速信号47の変化をもとに、予め
定められた変速制御マップあるいは制御ロジックによっ
て目標変速比を演算し、また、ステップ130では、現
実の変速比と目標変速比とから変速速度を演算する。
【0028】そしてステップ140では、前記目標変速
比と、前記変速速度とから変速制御信号を生成する。こ
の生成信号は、制御信号43として油圧制御バルブ41
に入力されて、傾転軸24の変位量および変位速度の制
御に寄与する。ここで、傾転軸24の変位量は、パワー
ローラ23の傾転量、ひいては、変速比を決定し、傾転
軸24の変位速度は、パワーローラ23の傾転速度ひい
ては、変速速度を決定する。
【0029】また、ステップ150では、スロットル開
度信号46から入力軸11への入力トルク値を推定し、
ステップ160では、その入力トルク値に応じた定常的
な押付力を演算する。しかる後は、コントロールユニッ
ト内の加圧制御信号補正手段45bによって、ステップ
170で、前記変速速度と前記入力トルク値とから押付
力の補正分を演算し、さらに、以下のステップ180お
よび190を行う。ところで、押付力の前記補正分は、
変速速度が大きいほど、また、前記入力トルクが小さい
ほど大きくなる。尚、ここで、押付力の補正は、変速速
度のみに応じて行なっても良い。
【0030】ステップ180では、ステップ160で求
めた押付力と、ステップ170で求めた、押付力の補正
分との加算を行い、ステップ190では、ステップ18
0での演算結果に基づき、押付力制御信号が生成され
る。ここでの生成信号は、制御信号44として油圧制御
バルブ42に入力されて、入出力ディスク12,13に
対するパワーローラ23の押付力を、変速変速および伝
達トルクの両者に応じた適正値とすべく機能する。
【0031】かくして、この装置によれば、油圧制御バ
ルブ42の作用に基づいて発生するパワーローラ押付力
を、入力軸への入力トルクのみならず、変速速度をも考
慮に入れて制御することから、その押付力を常に適正な
ものとすることができ、従って押付力が過大となること
に起因する、伝達効率の低下ならびに、装置の重量およ
びコストの増加をを十分に防止してなお、押付力が不足
することによる、とくには変速時における伝動効率の低
下のおそれを除去することができる。
【0032】図3はこの発明の他の実施例を示す図であ
り、これは、入力軸11の軸端部分にカムディスク36
を配設するとともに、このカムディスク36と入力ディ
スク12との対抗面をともにカム面とし、そして、それ
らの両カム面間に配設した従節ローラ37により、入力
ディスクに、トルクに応じたパワーローラ押付力を生じ
させるローディングカム50を設けたものである。尚、
ローディングカム50の詳細は、特開平1−25575
8号公報等で一般によく知られている構造であるため、
ここではその詳細説明を省略する。
【0033】なおここでの押付力の制御は、アクセル操
作量からエンジントルク発生量を推定し、その推定値か
ら不足トルクを計算するとともに、スロットルバイワイ
ヤによってスロットル開度を制御して、不足トルク相当
分だけ発生トルクを高めることにより行う。
【0034】これがためここでは、オイルポンプ40
を、油圧制御バルブ41を介してそれぞれの油圧室3
3,34に接続するとともに、その油圧制御バルブ41
に、車速信号47およびアクセル操作量信号48のそれ
ぞれを入力されるコントロールユニット45を信号接続
する。ここで、このコントロールユニット45は、変速
速度演算手段45aと、エンジンの発生トルクの推定を
行う入力トルク演算手段45cと、スロットル開度指令
信号を、図示を省略したスロットル開度制御用コントロ
ーラに対して出力する発生トルク補正手段45dとを具
える。
【0035】このように構成してなる装置の作用を、図
4に示すフローチャートに従って以下に説明する。はじ
めに、ステップ200および210で、コントロールユ
ニット45に、アクセル操作量信号48および車速信号
47のそれぞれを読み込み、次いで、コントロールユニ
ット内の変速比演算手段45e及び変速速度演算手段4
5aで、ステップ220および230を行う。
【0036】すなわち、ステップ220では、アクセル
操作量信号48および車速信号47の変化に基づいて、
予め定めた変速制御マップあるいは制御ロジックにより
目標変速比を演算し、ステップ230では、現在の変速
比と、前記目標変速比とから変速速度を演算する。
【0037】そしてステップ240では、目標変速比と
変速速度とから変速制御信号を生成し、これを制御信号
43として、油圧制御バルブ41に出力する。その後
は、エンジン発生トルク演算手段45cにより、ステッ
プ250で、アクセル操作量と、エンジン回転数とから
エンジン発生トルクを推定する。
【0038】さらに、発生トルク補正手段45dでは、
以下のステップ260,270および280を行う。ス
テップ260では、変速速度の演算値とエンジンの発生
トルクの推定値とから押付力の不足分を計算し、ステッ
プ270では、その計算結果からトルクの不足分を計算
し、そしてステップ280では、ステップ270でのト
ルクの不足分と、アクセル操作量信号48と、車速信号
47とからスロットル開度指令値を求め、スロットル開
度指令信号49として図示を省略したスロットル開度制
御用コントローラへ出力する。ここで、このスロットル
開度指令値は、アクセル操作量が一定であっても、変速
速度が速いほど、また、エンジン発生トルクが小さいほ
ど大きい値となる。
【0039】たとえば、加速中にアクセルを緩めると、
エンジン発生トルクが小さくなって入力軸11への入力
トルクも小さくなる。それに伴いローディングカム50
によって発生するパワーローラ23の押付力が小さくな
る。一方、変速機は変速比をハイ側に変化されるので、
スリップは大きくなる。
【0040】ここで、変速比を変化させない定常状態の
下での伝達効率の向上を目的として、押付力を小さめに
設定した場合には、変速時に過大なスリップが発生して
伝動効率が悪化し、逆に、伝動効率の悪化を防止すべ
く、押付力を大きめに設定した場合には、定常状態で
の、伝達効率の低下が余儀なくされることになり、この
ように、伝動効率と伝達効率とは相互に二律背反の関係
にある。
【0041】しかしながら、この発明の装置では、変速
速度に応じてスロットル開度を補正する構成としてお
り、とくに、変速時における入出力ディスク間の伝達ト
ルクの急激な減少を防止して、トルクの滑らかな減少を
もたらし、これによって、適切な押付力の発生を担保す
ることにより、過大なスリップの発生なしに、すぐれた
伝動および伝達効率の下で動力伝達を行うことができ
る。
【0042】図5および図6はこのことを示すグラフで
あり、図5(a),(a)および(c)は、従来技術に
ついての入出力ディスク間の伝達トルク、傾転角度およ
びスリップ率を、また、図6(a),(b)および
(c)は、この発明装置の伝達トルク、傾転角度および
スリップ率をそれぞれ示す。
【0043】これらのグラフによれば、従来技術では、
10秒付近でのシフトアップによって伝達トルクが急激
に低下することにより、その部分でのスリップ率が急激
に大きくなり、また、図に破線で示すパワーローラ23
の実際の傾転角度が、図に実線で示す指令値に対して大
きく遅れることになるに対し、発明装置では、シフトア
ップによる入出力ディスク間の伝達トルクの低下が緩や
かになることから、従来技術に比してスリップの発生量
が大きく低減させることができ、また、パワーローラ2
3の傾転角度の、指令値に対する遅れを有効に除去でき
ることが解る。
【0044】以上の発明を図示例に基づいて説明した
が、伝達トルクを制御するためにスロットルを制御する
ことに代えて、補助空気量や点火時期、空燃比等を制御
することもできる。
【0045】
【発明の効果】かくして、この発明によれば、変速比が
一定の定常走行時および変速時のいずれにあっても、入
出力ディスクに対するパワーローラの押付力を常に適正
なものとすることができ、これにより、すぐれた伝動効
率および伝達効率を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すシステム図である。
【図2】図1に示す装置の制御フローチャートである。
【図3】この発明の他の実施例を示すシステム図であ
る。
【図4】図3に示す装置の制御フローチャートである。
【図5】従来装置の、伝達トルクと、傾転角度と、スリ
ップ率との関係を示すグラフである。
【図6】発明装置についての、図5と同様のグラフであ
る。
【符号の説明】
10 変速機ケース 11 入力軸 12 入力ディスク 13 出力ディスク 14 中空出力軸 15 出力ギヤ 16,20 スラストベアリング 17 シリンダ 18 油圧ピストン 19,33,34 油圧室 23 パワーローラ 24 傾転軸 27,28 タイロッド 29,30 ジョイント 31,32 油圧ピストン 35 カム 36 カムディスク 37 従節ローラ 40 オイルポンプ 41,42 油圧制御バルブ 43,44 制御信号 45 コントロールユニット 45a 変速速度演算手段 45b 加圧制御信号補正手段 45c 入力トルク演算手段 45d 発生トルク補正手段 45e 変速比演算手段 46 スロットル開度信号 47 車速信号 48 アクセル操作量信号 49 スロットル開度指令信号 50 ローディングカム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ディスクから出力ディスクへの動力
    伝達を、それらの両ディスクの対向面に押し付けたパワ
    ーローラを介して行い、そのパワーローラの、入出力デ
    ィスクへの押付力を前記入力ディスクと結合する入力軸
    への入力トルクに応じて変化させるトロイダル型無段変
    速装置であって、 変速速度演算手段と、この変速速度演算手段により求め
    た変速速度に基づいてパワーローラ押付力を補正して、
    変速速度が速くなるほど、パワーローラ押付力を高める
    加圧制御信号補正手段とを具えてなるトロイダル型無段
    変速装置。
  2. 【請求項2】 入力ディスクから出力ディスクへの動力
    伝達を、それらの両ディスクの対向面に押し付けたパワ
    ーローラを介して行い、そのパワーローラの、入出力デ
    ィスクへの押付力を、前記入力ディスクと結合する入力
    軸とエンジンとの間に介在し、前記入力軸への入力トル
    クに応じて作動するローディングカムによって変化させ
    るトロイダル型無段変速装置であって、 変速速度演算手段と、エンジンの発生トルク演算手段
    と、これらのそれぞれの手段により求めた変速速度およ
    びトルク信号のそれぞれに基づいてエンジン発生トルク
    を補正して、変速速度が速くなるほどエンジン発生トル
    クを高める発生トルト補正手段とを具えてなるトロイダ
    ル型無段変速装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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WO2004063601A1 (de) * 2003-01-10 2004-07-29 Daimlerchrysler Ag Toroidregelvorrichtung

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