JPH0725952Y2

JPH0725952Y2 - 注射具

Info

Publication number: JPH0725952Y2
Application number: JP1988166828U
Authority: JP
Inventors: 浩一杉田
Original assignee: Top KK
Current assignee: Top KK
Priority date: 1988-12-26
Filing date: 1988-12-26
Publication date: 1995-06-14
Anticipated expiration: 2003-12-26
Also published as: JPH0286556U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、薬液が充填されたカートリッジをホルダに内
挿したカートリッジ式注射具の改良に関する。

（従来の技術）カートリッジ式の注射具は、薬液が充填されたカートリ
ッジと、該カートリッジを内挿して保護すると共に先端
に中空針が装着されたホルダと、該カートリッジに連結
されカートリッジ内の薬液を押圧し該中空針を介して外
部に注出するプランジャーとから構成されている。そし
て、上記カートリッジは、溶出物を生じて充填される薬
液に悪影響を及ぼす危険が少なく薬液の長期間の保存が
可能である医療用のガラス材により成形され、また、上
記ホルダは、該カートリッジを保護するため合成樹脂の
射出成形により成形されている。

従来、この種のカートリッジ式の注射具にあっては、上
記のようにカートリッジはガラス材を用いて成形される
ため同一充填量のものであっても外径寸法に成形誤差が
あり、カートリッジの外径と該カートリッジを内挿する
ホルダの内径との間に径差を生じていた。このため、注
射時においてカートリッジをホルダの中空針に対して押
し込む際又はプランジャーを押し込みカートリッジ内の
薬液を押圧する際に、ホルダに内挿されたカートリッジ
が揺動して安定した状態に保持されないという問題があ
ると共に、輸送時又は保管時においてカートリッジが抜
け出て脱落するという問題があった。

そして、このような問題を解消するための手段として、
例えば特開昭63−99876公報又は実公昭51−3677公報等
にみられるように、ホルダ前方の内周面に数箇所の突起
部を設け、該ホルダにカートリッジを内挿すると共に該
カートリッジの外周面を該突起部に係合させてカートリ
ッジを保持し、輸送時又は保管時においてはカートリッ
ジの軸方向への移動を阻止して該カートリッジのホルダ
からの脱落を防止すると共に注射時においてはカートリ
ッジをホルダに対して安定させた状態で行うという方法
が知られている。

しかしながら、上記構成によっても、カートリッジの外
径とホルダの突起部との接触面の間には多少の誤差を生
ずる場合が多く、しかも、カートリッジは前部において
ホルダの突起部に保持されているものの後部が保持され
ていないため、注射時において、プランジャーを押し込
みカートリッジ内の薬液を押圧する際に、カートリッジ
の後部が不安定になり揺動するという問題があった。

（考案が解決しようとする課題）本考案は、かかる不都合を解消して、薬液を充填したカ
ートリッジをホルダに内挿したカートリッジ式注射具に
おいて、輸送時又は保管時においてはカートリッジが抜
け出て脱落することを防止することが出来、かつ、注射
時においてプランジャーロッドを押し込む際にカートリ
ッジがホルダに対して揺動することがなく安定した状態
で行うことが出来る注射具を提供することを目的として
いる。

（課題を解決するための手段）本考案は、上記目的を達成するために、薬液が充填され
ると共に先端側が密封部材で閉塞され、後端側の内面が
栓で閉塞されたガラス製のカートリッジと、該カートリ
ッジが内挿されると共にカートリッジに設けられた密封
部材を刺通してカートリッジに充填された薬液を外部へ
注出する中空針が先端に備えられた合成樹脂製のホルダ
と、該カートリッジに設けられた栓に連結されるプラン
ジャーロッドとから成るカートリッジ式注射具におい
て、該ホルダに内挿されたカートリッジの後部に装着さ
れてホルダの後部に保持され、ホルダに対してその前後
方向に沿って摺動自在であると共にプランジャーロッド
が貫通してカートリッジ中の栓に連結自在とする挿通孔
を備える合成樹脂製の保持部材を設け、前記カートリッ
ジの後端部の揺動を規制して保持部材の摺動を案内する
案内部を前記ホルダの後部に一体に設け、前記ホルダの
中空針の先端と、該ホルダに内挿されたカートリッジの
前記密封部材とが間隔を存して対向するように、前記保
持部材の摺動を解除自在に規制する規制部を前記案内部
に設けたことを特徴とする。

（作用）本考案は上記手段によれば、カートリッジは、ホルダの
後部に案内部を介して保持された保持部材により揺動が
規制された状態でホルダに内挿される。そして、案内部
に設けられた規制部により保持部材の摺動が規制され
る。これにより、カートリッジは、ホルダ内部の中空針
の先端から間隔を存して密封部材が対向する位置に保持
され、不用意に中空針によって密封部材が刺通されるが
防止されると共に、カートリッジのホルダからの脱落が
防止される。

また、保持部材は、ホルダの後端に設けられた案内部に
沿って摺動自在であるため、ホルダの前方側に向かって
押し込むと規制部による規制が解除されてカートリッジ
と共に移動する。そして、該カートリッジの先端に設け
られた密封部材はホルダの先端に設けられた中空針によ
り刺通される。

また、プランジャーロッドは保持部材に設けられた挿通
孔を貫通してカートリッジの後部の栓に連結され、注射
時において該プランジャーロッドを押し込みカートリッ
ジ内の薬液を押圧すると薬液は中空針を介して外部へ注
出される。

そして、このとき、カートリッジは、その先端の密封部
材がホルダの中空針に刺通されて保持されると共に後部
が保持部材を介してホルダに保持され、該カートリッジ
の前部及び後部が固定されている。

（実施例）本考案の実施例を第１図乃至第２図を参照して説明す
る。

第１図は、本考案の第１の実施例を示し、注射具１は、
薬液２を充填するカートリッジ３と、該カートリッジ３
を保護すると共に先端に中空針４が装着されたホルダ５
と、該カートリッジ３の後部に装着されると共に該ホル
ダ５の後端部に形成された案内部17に摺動自在に保持さ
れる保持部材６と、該カートリッジ３の内部に設けられ
た栓７に連結されるプランジャーロッド８とから構成さ
れている。

カートリッジ３は、溶出物を生ずることが少なく薬液２
の長期間の保存が可能である医療用のガラス材により断
面形状が円形筒状に成形され、その先端がゴム製の密封
部材９により閉塞されると共に後部側の内面にゴム製の
栓７が嵌合されて密封され、密封された該カートリッジ
３の内部には薬液２が充填されている。該栓７には、プ
ランジャーロッド８が螺着されて連結される。

ホルダ５は、カートリッジ３が内挿されて該カートリッ
ジ３を保護するため円筒状体に合成樹脂の射出成形によ
り成形されている。そして、該ホルダ５の先端に、密封
部材９を刺通してカートリッジ３内に充填された薬液２
を外部へ注出する中空針４が設けられる。また、ホルダ
５の後部の案内部17は、カートリッジ３の後部に装着さ
れる保持部材６がホルダ５の前後方向に沿って摺動して
該ホルダ５内に納まるようにホルダ５の内径を拡径して
形成され、その後端部の内側に、後述の規制部18を構成
する突起10を設けた。

保持部材６は、保管時にカートリッジ３の先端の密封部
材９がホルダ５の先端の中空針４により刺通されないよ
うに該ホルダ５の後部において保持される。

そして、該保持部材６は、外径寸法に誤差のあるカート
リッジ３に対応して外嵌し装着できるようにするため、
ポリエチレン樹脂等の軟質の合成樹脂を用いて射出成形
され、断面形状が円形筒状に装着部11が設けられる。

装着部11の後部側には、プランジャーロッド８が貫通し
てカートリッジ３に連結されるように挿通孔12を形成す
ると共に外嵌されたカートリッジ３が保持部材６を貫通
しないように係止する係止部13を内面の周方向に突設し
た。

また、装着部11の前部の外面に、周方向に突設してホル
ダ５の突起10に係合して前記規制部18を構成する平行す
る一対の係合部14,14が設けられ、係合部14,14の間に該
突起10が遊びをもった状態に嵌合させる。そして、保持
部材６をホルダ５側に押し込んだとき、該係合部14,14
は突起10との係合が解除されると共にホルダ５の内面に
摺動自在に嵌合するように形成する。

第１実施例は以上のように構成され、保持部材６は、カ
ートリッジ３の後部を装着してホルダ５の後部に保持さ
れ、該カートリッジ３がホルダ５に内挿されたときカー
トリッジ３の密封部材９がホルダ５の中空針４から離れ
た位置に保持することが出来る。

このため、注射具１の保管時又は輸送時において、カー
トリッジ３はホルダ５及び保持部材６によって保護さ
れ、該保持部材６によりカートリッジ３がホルダ５から
抜け出て脱落することを防止することが出来ると共にカ
ートリッジ３に設けられた密封部材９がホルダ５に設け
た中空針４によって刺通されることを防止することが出
来る。

また、注射時において、保持部材６をホルダ５側に押し
込むと規制部18による規制が解除され、該保持部材６と
共にカートリッジ３が前方に移動して該カートリッジ３
の前部の密封部材９がホルダ５の中空針４により刺通さ
れて固定されると共にカートリッジ３の後部は保持部材
６に保持されているため、プランジャーロッド８を押し
込む際にカートリッジ３は前後部が固定され揺動がなく
安定させた状態で行うことが出来る。

次に、本考案の第２の実施例を第３図を参照して説明す
る。

第２実施例は、保持部材６に設けられる装着部11を内筒
15と外筒16に分けて設け、該内筒15と該外筒16との間に
ホルダ５の後部に形成された案内部17を介挿してカート
リッジ３を保持できるように構成したものである。

そして、保持部材６は、装着部11の内筒15と外筒16との
間にホルダ５の後部が挿入されて摺動するように、内筒
15と外筒16とが同軸の円筒状体に設けられ、該外筒16の
内面にホルダ５の外面に設けられた規制部18を構成する
突起10が係合される係合部14,14を設けて形成したもの
である。

このように形成された保持部材６は、内筒15にカートリ
ッジ３の後部が装着され、該内筒15と外筒16との間に案
内部17が介挿され該ホルダ５の内外両面において係合さ
れるため、カートリッジ３をホルダ５に対して確実に保
持することが出来る。そのため、注射時において、プラ
ンジャーロッド８を押し込む際に、カートリッジ３がホ
ルダ５に対して揺動することがなく更に安定させた状態
で行うことが出来る。

（考案の効果）以上のことから明らかなように、本考案によれば、前記
案内部に沿って摺動自在の保持部材を設けると共に、該
保持部材を介してカートリッジの後部の揺動を規制する
案内部を設けたので、ホルダ内でのカートリッジの揺動
を確実に防止することができる。また、注射時には、カ
ートリッジは、その先端部が密封部材への中空針の刺通
による係合状態で揺動が規制されると同時に、その後部
が保持部材を介して案内部によって揺動が規制されるの
で、ホルダ内でカートリッジが揺動することのない安定
した状態で薬液注射を行うことができる。

更に、ホルダ内のカートリッジを所定位置に保持するた
めに、前記保持部材の摺動を解除自在に規制する規制部
を前記案内部に設けたので、輸送時や保管時にカートリ
ッジがホルダから抜け落ちるのを防止することができ、
同時に密封部材と中空針との間に間隔を存してホルダ内
にカートリッジを保持した状態を確実に維持することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の第１の実施例の注射具の分解状体の
断面図である。第２図は、本考案の第２の実施例の注射具の分解状体の
断面図である。１……注射具２……薬液３……カートリッジ４……中空針５……ホルダ６……保持部材７……栓８……プランジャーロッド９……密封部材 12……挿通孔 17……案内部 18……規制部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】薬液が充填されると共に先端側が密封部材
で閉塞され、後端側の内面が栓で閉塞されたガラス製の
カートリッジと、該カートリッジが内挿されると共にカ
ートリッジに設けられた密封部材を刺通してカートリッ
ジに充填された薬液を外部へ注出する中空針が先端に備
えられた合成樹脂製のホルダと、該カートリッジに設け
られた栓に連結されるプランジャーロッドとから成るカ
ートリッジ式注射具において、該ホルダに内挿されたカートリッジの後部に装着されて
ホルダの後部に保持され、ホルダに対してその前後方向
に沿って摺動自在であると共にプランジャーロッドが貫
通してカートリッジ中の栓に連結自在とする挿通孔を備
える合成樹脂製の保持部材を設け、前記カートリッジの後端部の揺動を規制して保持部材の
摺動を案内する案内部を前記ホルダの後部に一体に設
け、前記ホルダの中空針の先端と、該ホルダに内挿されたカ
ートリッジの前記密封部材とが間隔を存して対向するよ
うに、前記保持部材の摺動を解除自在に規制する規制部
を前記案内部に設けたことを特徴とする注射具。