JPH07258974A - 医療用繊維製品 - Google Patents

医療用繊維製品

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JPH07258974A
JPH07258974A JP6044100A JP4410094A JPH07258974A JP H07258974 A JPH07258974 A JP H07258974A JP 6044100 A JP6044100 A JP 6044100A JP 4410094 A JP4410094 A JP 4410094A JP H07258974 A JPH07258974 A JP H07258974A
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JP
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group
monomer
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water
polymer
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JP6044100A
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Takashige Maekawa
隆茂 前川
Takashi Kamata
俊 鎌田
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高温のスチームによる殺菌工程、あるいは高温
水による滅菌あるいは洗濯工程の後でも、高い撥水性、
撥液性を示す医療用繊維製品を得る。 【構成】ポリフルオロアルキル基に由来する微結晶融点
が80℃以上である共重合体を有効成分とする撥水撥油
剤で処理された医療用繊維製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水性、撥油性、防汚
性、およびそれらの耐久性に優れた医療用繊維製品に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の布帛、不織布等の繊維
製品を保護することを目的として、ポリフルオロアルキ
ル基を含有する重合体あるいはポリフルオロアルキル基
を含有する化合物で、繊維製品を被覆あるいは処理し、
撥水性、撥油性、防汚性を付与する技術が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリフルオロアルキル
基を含有する重合体あるいは化合物で処理した繊維製品
は、加工剤を処理した後、一般的な衣料として使用する
場合が大部分である。
【0004】一方、手術着、看護婦白衣、衛生用品等の
医療用繊維製品は、衛生上の観点から血液、体液、薬剤
等の液体をはじく機能が求められる。さらに医療用繊維
製品は殺菌あるいは滅菌を目的とした高温水、高温スチ
ーム等での処理過程を経て使用する場合が大部分であ
る。また、一度使用した繊維製品を再使用する場合に
も、高温水で洗濯したり、高温スチームで殺菌する過程
が必要となる。
【0005】これらの医療用繊維製品において、撥水加
工は、通常の場合、殺菌あるいは滅菌工程の前段階まで
に行われる。ところが、殺菌あるいは滅菌工程におい
て、高温スチーム処理、あるいは高温水による殺菌や洗
濯を実施すると、撥水性、撥油性、防汚性等の性能が処
理前のレベルよりも低下してしまうことが問題となって
いた。しかし、現在までに、優れた撥水性、撥油性、防
汚性、および血液、体液、薬剤等に対する撥液性を示
し、かつ、前記の殺菌あるいは滅菌工程を経ても性能の
低下が少ない医療用繊維製品は知られていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、特定の物性
を持つポリフルオロアルキル基を含有する重合体を含む
撥水撥油剤を医療用の繊維製品に処理することにより、
殺菌あるいは滅菌工程を経た後でも、初期の撥水、撥
油、防汚性能を維持できることを見いだした。
【0007】すなわち、本発明は、ポリフルオロアルキ
ル基に由来する微結晶融点が80℃以上である重合体を
含む撥水撥油剤で処理された医療用繊維製品を提供す
る。
【0008】ポリフルオロアルキル基に由来する微結晶
融点は、示差熱量測定(JIS−K−7122−198
7記載のDSC測定法)により測定される物理量であ
る。本発明における微結晶融点は、ポリマー本体の溶融
点を意味するものではなく、ポリフルオロアルキル基を
含有するモノマーを重合させた重合体において、重合体
中に存在するポリフルオロアルキル基の分子レベルでの
凝集体構造(微結晶)の融解を意味する温度である。し
たがって通常の低分子化合物における融点とは、意味が
異なっている。
【0009】本発明においては、重合体中のポリフルオ
ロアルキル基に由来する微結晶融点を特定の温度領域以
上、すなわち80℃以上の領域に制御した重合体を含む
撥水撥油剤を用いることにより、高温スチーム処理、高
温水洗濯等の殺菌工程を必要とする医療用繊維製品に処
理して、従来は実現困難であった撥水性、血液、体液等
に対する撥液性、およびそれらの耐久性が優れた医療用
繊維製品が得られることを見いだした。
【0010】すなわち、本発明は、ポリフルオロアルキ
ル基に由来する微結晶融点が80℃以上である重合体を
含む撥水撥油剤で処理された医療用繊維製品を提供す
る。なお、以下において、ホモポリマーのポリフルオロ
アルキル基に由来する微結晶融点が100℃以上である
ポリフルオロアルキル基を含有するモノマーを「含フッ
素高融点性モノマー」、それ以外のポリフルオロアルキ
ル基を含有するモノマーを「含フッ素モノマー」とし、
これらの2つのモノマー全体を「ポリフルオロアルキル
基含有モノマー」という。また、ポリフルオロアルキル
基含有モノマーと共重合性であり、かつ、ポリフルオロ
アルキル基含有モノマー以外のモノマーを「共重合性モ
ノマー」という。
【0011】本発明において、ポリフルオロアルキル基
(以下、ポリフルオロアルキル基をRf 基と記す)に由
来する微結晶融点が80℃以上の重合体としては、Rf
基含有モノマーの1種あるいは2種以上を重合させた重
合体、あるいはRf 基含有モノマーの1種あるいは2種
以上と共重合性モノマーの1種あるいは2種以上とを重
合させた共重合体が挙げられる。
【0012】該Rf 基含有モノマーとしては、飽和アル
キル基の水素原子の一部または全部がフッ素に置換され
たRf 基と、重合性の不飽和基を含有する化合物をい
う。
【0013】Rf 基中のフッ素原子の数は、Rf 基に対
応する同一炭素数のアルキル基中の全水素原子の数に対
して、Rf 基中のフッ素原子の数が少なくとも80%以
上である場合が好ましく、さらに、Rf 基中の残りの水
素原子の一部あるいは全部が、塩素原子に置換されてい
てもよい。また、Rf 基の炭素数は、4〜20個が好ま
しい。
【0014】Rf 基の構造は、直鎖あるいは分岐のいず
れの構造であってもよいが、分岐の構造である場合に
は、分岐部分がRf 基の末端や末端に近い部分に存在
し、かつ短鎖である場合が好ましい。
【0015】さらに、本発明のRf 基含有モノマーの構
造としては、Rf 基部分が、Ck2k+1−[ただし、k
は4〜20整数]で示される直鎖状パーフルオロアルキ
ル基、またはCj2j+1−(CX12 CX34i
−[ただし、X1 、X2 、X3 、X4 は、それぞれ、独
立に水素、フッ素、および塩素から選択される原子を示
し、かつ、その1つはフッ素原子であり、j、iは、そ
れぞれ、1以上の整数であり、かつ、20≧(j+2×
i)≧4]である場合が好ましい。
【0016】上記のRf 基と重合性の不飽和基は直接結
合していてもよいが、通常は、多価の結合基を介して結
合しているのが好ましく、特に2価の結合基が好まし
い。この場合の多価の結合基としては、アルキレン基、
エステル基、アミド基、アミノ基、ウレタン基、エーテ
ル基等を有する多価の結合基が好ましい。
【0017】上記のRf 基含有モノマーは、Rf 基含有
アルコール、Rf 基含有カルボン酸、あるいはRf 基含
有スルホン酸等から容易に誘導することができる。
【0018】本発明のRf 基含有モノマーとしては、上
記のRf 基を含有する公知ないしは周知のモノマーを採
用することができるが、上記のRf 基を含有する(メ
タ)アクリレートが好ましい。なお、(メタ)アクリレ
ートとはアクリレートとメタクリレートの両者を意味
し、以下においても同様とする。
【0019】上記のRf 基含有モノマーを含む重合性モ
ノマーの重合単位を含み、Rf 基に由来する微結晶融点
が80℃以上である重合体とせしめるには、Rf 基含有
モノマーとして、ホモポリマーのRf 基に由来する微結
晶融点が100℃以上である含フッ素高融点性モノマー
を含ませるのが好ましい。該含フッ素高融点性モノマー
は、1種あるいは2種以上の混合物のいずれであっても
よい。
【0020】含フッ素高融点性モノマーとしては、重合
性不飽和基と、Cm2m+1−(ただし、mは10〜20
の整数である。)で示される直鎖状のペルフルオロアル
キル基を必須構造として含有するのが好ましい。mのよ
り好ましい範囲は10〜16の整数、さらに好ましい範
囲は10〜14の整数であり、最も好ましいのは、mが
10、12、あるいは14である場合の直鎖状ペルフル
オロアルキル基である。末端が分岐したRf 基や、酸素
原子を含有するポリエーテル型のRf 基の場合は、本発
明の機能発現に必要なRf 基の微結晶を形成し難く、微
結晶を発現するために多量のフッ素を必要とするため本
発明では好ましくない。
【0021】直鎖状のペルフルオロアルキル基を有する
含フッ素高融点性モノマーは、通常の場合、ペルフルオ
ロアルキル基の炭素数の異なる混合物として得られる。
この場合の、ペルフルオロアルキル基の炭素数は、6〜
25程度の範囲であるが、その平均炭素数は、10〜2
0である場合が好ましく、さらに10〜16が好まし
く、特に10〜14が好ましい。ペルフルオロアルキル
基の平均炭素数が9以下である場合には、直鎖状の基で
あったとしても微結晶融点が存在しないか、あるいは、
本発明における好ましい微結晶融点の範囲には入らない
ため、目的の機能を発現しない場合が多く、本発明にお
ける含フッ素高融点性モノマーからは除外される。ま
た、含フッ素高融点性モノマーがペルフルオロアルキル
基の炭素の異なる化合物の混合物である場合、炭素数が
9以下のペルフルオロアルキル基を有する化合物の割合
は、含フッ素高融点性モノマー中に45重量%以下程度
が好ましく、さらに40重量%以下が好ましく、特に3
5重量%以下が好ましい。
【0022】本発明における含フッ素高融点性モノマー
として、さらに好ましいものは、化1で表される構造を
有する場合である。
【0023】
【化1】Rf −R1 −X
【0024】ただし、化1において、Rf は上記のRf
基と同様の意味を示し、R1 は、−(CH2n −Q−
(CH2p −(ただし、Qは単結合、−C(O)ON
H−、−C(O)NH−、−SO2 NH−、または−N
HC(O)NH−であり、n+pは2〜22の整数であ
る)で表される2価の有機基を示す。また、Xはエチレ
ン性の重合性不飽和基を含む1価の有機基を示す。
【0025】化1のRf としては、上記のCm2m+1
(ただし、mは10〜20の整数)で示される直鎖状の
ペルフルオロアルキル基が好ましい。R1 は、−(CH
2n −Q−(CH2p −で表される2価の有機基で
あるが、Qが単結合、−C(O)NH−、または−SO
2 NH−であり、n+pが2〜6の整数(ただし、pは
2以上の整数である)である場合が好ましく、特に、Q
が単結合であり、n+pが2〜6の整数である場合、す
なわちジメチレン基〜ヘキサメチレン基である場合が好
ましい。
【0026】Xとしては、エチレン性の重合性不飽和基
を含む1価の有機基であり、−CR2 =CH2 等のオレ
フィン類の残基、−C(O)OCR3 =CH2 等のビニ
ルエステル類の残基、−OCH2 −φ−CR4 =CH
2 、−OCR5 =CH2 、−OCH=CH2 等のビニル
エーテル類の残基、または、−OC(O)CR6 =CH
2 等の(メタ)アクリレート類の残基等が挙げられる。
これらのうち、−CR2=CH2 、−C(O)OCR3
=CH2 、−OCR5 =CH2 、または、−OC(O)
CR6 =CH2 が好ましく、特に−OC(O)CR6
CH2 、すなわちアクリロキシ基、あるいはメタアクリ
ロキシ基が好ましい(ただし、R2 〜R6は、それぞ
れ、水素原子、メチル基、あるいはハロゲン原子であ
り、φはフェニレン基である。)。
【0027】本発明において含フッ素高融点性モノマー
としては、他のモノマーとの重合性、形成皮膜の柔軟
性、基材に対する接着性、溶媒に対する溶解性、乳化重
合の容易性等の観点から、(メタ)アクリレート類が特
に好ましい。
【0028】本発明における含フッ素高融点性モノマー
の具体例としては、化2および化3が挙げられるが、こ
れらに限定されない。
【0029】
【化2】CF3 (CF29 (CH22 OC(O)C
H=CH2 CF3 (CF29 (CH24 OC(O)CH=CH
2 CF3 (CF211(CH23 OC(O)CH=CH
2 CF3 (CF211(CH26 OC(O)CH=CH
2 CF3 (CF29 C(O)NH(CH25 OC
(O)CH=CH2 CF3 (CF211(CH22 OC(O)CH=CH
2 CF3 (CF213(CH22 OC(O)CH=CH
2 CF3 (CF29 CH2 C(O)OCH=CH2 CF3 (CF29 (CH22 C(O)OCH=CH
2 CF3 (CF29 (CH23 OC(O)CH=CH
2
【0030】
【化3】CF3 (CF211(CH22 OCH=CH
2 CF3 (CF211CH2 CF2 CH2 CH2 OC
(O)CH=CH2 CF3 (CF211(CH24 OC(O)CH=CH2 CF3 (CF211C(O)NH(CH23 CH=C
2 CF3 (CF213C(O)NH(CH22 CH=C
2 CF3 (CF213SO2 NH(CH22 CH=CH
2 CF3 (CF213(CH26 OC(O)C(CH
3 )=CH2 HCF2 (CF29 CH=CH2 HCF2 (CF211(CH23 OCH2 −φ−CH
=CH2
【0031】本発明において、Rf 基含有モノマーとし
ては、上記含フッ素高融点性モノマーの1種あるいは2
種以上を含ませるのが好ましく、さらに含フッ素モノマ
ーを含んでいてもよい。いずれの場合においても、Rf
基含有モノマー中の含フッ素高融点性モノマーの割合
は、55重量%以上である場合が好ましく、特に70重
量%以上がよい。
【0032】本発明の重合体としては、上記のRf 基含
有モノマーの1種あるいは2種以上の重合単位を含む重
合体、あるいはRf 基含有モノマーの1種あるいは2種
以上とRf 基含有モノマー以外の共重合性モノマーの1
種あるいは2種以上の重合単位を含む共重合体のいずれ
であってもよい。
【0033】本発明における重合体が、Rf 基含有モノ
マーと共重合性モノマーの重合単位を含む重合体である
場合、一般に、Rf 基の微結晶融点が、そのホモポリマ
ーに比較して低下する傾向がある。しかし、モノマーの
組成を調整して微結晶融点を80℃以上に保つことは可
能であり、本発明においては微結晶融点が、80℃以上
であることが必要である。
【0034】共重合性モノマーとしては、上記Rf 基含
有モノマーと重合可能な不飽和基を含有する化合物であ
る。共重合性モノマーは、1種あるいは2種以上のいず
れでもよく、上記の微結晶融点を満足する割合で任意に
使用できる。しかし素材に満足な撥水性を付与し、維持
させるためには、上記含フッ素高融点性モノマーと共重
合させるのが好ましく、特に、含フッ素高融点性モノマ
ーを全モノマーに対して20モル%以上含むモノマー混
合物として共重合させることが好ましい。
【0035】共重合性モノマーとしては、特に限定され
ないが、共重合性モノマーの種類によっては、含フッ素
高融点性モノマーを使用した場合においても、Rf 基由
来の微結晶が著しい融点降下を示す場合がある。したが
って、本発明の重合体を得るためには、共重合性モノマ
ーとしてRf 基に由来する微結晶を破壊しないモノマー
を用いることが好ましい。
【0036】好ましい共重合性モノマーとしては、側鎖
として長鎖の炭化水素基を有する、(メタ)アクリレー
ト類、ビニルエーテル類、あるいはビニルエステル類が
挙げられる。さらに塩化ビニル、エチレン、塩化ビニリ
デン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、クロロトリフ
ルオロエチレン等の通常側鎖と見なされる基を持たない
重合可能なエチレン系モノマーも好ましい。
【0037】側鎖に長鎖の炭化水素基を有する共重合性
モノマーとしては、特に炭素数が14個以上である直鎖
状炭化水素基、特に炭素数が14〜24個の直鎖状飽和
アルキル基を有する共重合性モノマーが好ましい。炭素
数が13個以下の分岐状アルキル基や不飽和アルキル基
からなる側鎖を有しているモノマー類は、Rf 基の微結
晶融点を低下させるので、高い割合で採用することは好
ましくない。特に好ましい共重合性モノマーとしては、
側鎖に炭素数が15個以上の直鎖炭化水素基を有する
(メタ)アクリレート類が挙げられる。またアクリレー
ト類以外の共重合性モノマーの場合には、Rf 基含有モ
ノマーと共重合性モノマーとの共重合性比の積が小さい
組み合わせが好ましい。
【0038】上記の重合体の合成法は、有機溶媒を用い
た溶液重合法、水を分散媒とする分散重合法、乳化重合
法等、通常の重合方法が採用可能であり、特に限定はさ
れない。得られた重合体の溶液、分散液、乳化液は、そ
のままあるいは希釈して水分散液、有機溶媒分散液、溶
液等の形態で本発明の撥水撥油剤とせしめる。また、重
合体や共重合体を分離した後溶媒、分散媒、乳化媒に溶
解、分散、乳化して撥水撥油剤とせしめてもよい。さら
に、該撥水撥油剤は、必要により、種々の添加剤を含ん
でいてもよい。該添加剤としては、耐電帯防止剤、防縮
剤、防皺剤、殺菌剤、紫外線吸収剤等、繊維加工に用い
られる種々の剤が挙げられる。
【0039】撥水撥油剤中の上記重合体量としては、固
形分濃度で、0.2〜5重量%程度、好ましくは0.5
〜2重量%がよい。本発明の撥水撥油剤の有効成分とし
ては、上記の重合体の1種あるいは2種以上のブレンド
物のいずれでもよく、他の重合体を含んでいてもよい
が、本発明における特定の重合体の条件を満たさない他
の重合体や共重合体を多量に含有するブレンド物では、
本発明の効果は得られない。
【0040】上記の撥水撥油剤は、布帛または不織布に
処理することにより本発明の医療用繊維製品とせしめ
る。
【0041】本発明の医療用繊維製品の素材としては、
特に限定されず、通常の合成繊維、天然繊維、金属繊維
等が挙げられる。合成繊維としては、ポリエステル、ポ
リエチレン、ナイロン、ポリアミド、ポリイミド、ポリ
プロピレンおよびポリアクリロニトリル等が挙げられ、
天然繊維としては、綿、麻、ウール、および絹等が挙げ
られる。これらのうち、医療用繊維製品の素材として
は、上記の繊維の1種あるいは、2種以上の混紡繊維が
好ましい。
【0042】医療用繊維製品の素材の形状としては、上
記の素材の1種以上を用いた織布、編布、または上記素
材の短繊維にバインダーを含んだ不織布等が挙げられ
る。
【0043】上記撥水撥油剤の処理方法としては特に限
定されず、パディング法、吸尽法、スプレー法等の公知
ないしは周知の処理方法が採用され得る。該処理は、繊
維素材に、繊維製品の原反に、あるいは、縫製した布帛
に処理する場合のいずれであってもよいが、通常は繊維
製品の原反に処理されるのが好ましい。撥水撥油剤の処
理量としては、多過ぎると経済的でなく、少な過ぎると
効果を発現しない恐れがあることから、本発明における
上記重合体の量が、布帛の重量に対して、0.01〜3
重量%程度が好ましく、特に、0.1〜0.5重量%程
度が好ましい
【0044】本発明においては、繊維素材に、繊維製品
の原反に、あるいは、縫製した布帛等に撥水撥油剤を処
理した後に、熱処理を行うのが好ましい。熱処理は、1
00℃以上、好ましくは120℃以上が好ましい。熱処
理は、繊維、繊維製品の原反、あるいは、布帛を製品に
縫製後のいずれであってもよい。さらに、殺菌あるいは
滅菌工程を実施する場合には、原反を製品に縫製、また
は加工した後の最終工程で行うのが好ましい。
【0045】本発明の医療用繊維製品としては、特に限
定されない。例えば、手術着、看護服、看護作業着、無
菌室内着、患者衣服、下着類、白衣、衛生用品、おむ
つ、おむつカバー、紙おむつ、シーツ、寝具類、バイオ
実験用繊維製品等が挙げられる。本発明の医療用繊維製
品は優れた、撥水性および撥液性を示すだけでなく、無
菌性を付与するための処理を実施した場合にも、該撥水
性および撥液性が維持され得る。また、再使用のために
再び処理を実施した場合にも、優れた撥水性および撥液
性を示す。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を挙げて
具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定
されるものではない。
【0047】[参考例1]100ccの重合用アンプル
に、CF3 (CF29 (CH22 OC(O)CH=
CH2 (以下[F1]と記す)の10.0g、1,1,
2−トリクロロトリフルオロエタンの20.0g、アゾ
ビスイソブチロニトリルの0.08gを加えて窒素置換
の後、65℃で12時間重合した。得られたポリマーを
エタノールで再沈、精製したところ白色微粉末ポリマー
の9.7gが得られた。該ポリマーのDSC測定を行っ
たところ130℃に側鎖Rf 基に由来する微結晶融解に
伴うピークが確認された。
【0048】[参考例2〜6]また、[F1]にかえて
表1に示すモノマーを用い、参考例1と同様の方法でポ
リマーを合成し微結晶融点を測定した。結果を表1にま
とめて示す。
【0049】なお表1中における略号は、以下の意味を
示す。
【0050】
【化4】[F2]:CF3 (CF27 (CH22
C(O)CH=CH [F3]:CF3 (CF211(CH22 OC(O)
CH=CH2 [F4]:CF3 (CF26 (CH22 OC(O)
CH=CH2 [F12]:[F1]/[F2]混合物(重量比60/
40) [F21]:[F1]/[F2]混合物(重量比25/
75) [F13]:[F1]/[F3]混合物(重量比75/
25)
【0051】
【表1】
【0052】[撥水性の評価方法]撥水性は、JIS−
L−1092のスプレー法による撥水性ナンバーで表し
た。評価基準を表2に示す。シャワー水温は27℃とし
た。なお、撥水性ナンバーに+印を付して表した評価結
果は、それぞれの評価が各ナンバーで表したものよりも
わずかに良好なものを示し、−はわずかに低いことを示
す。
【0053】
【表2】
【0054】[実施例1]参考例1で得た[F1]のホ
モポリマーをヘキサフルオロベンゼンに40℃で溶解し
た。このポリマー溶液(ポリマー濃度は、1重量%)に
外科手術着用ポリエステルサテン布帛を浸漬し、布を処
理した後、150℃で1分間キュアリングした。撥水性
を測定したところ、100であった。処理した布帛を高
温蒸気滅菌機内部に吊るし、130℃の蒸気で、10分
間滅菌処理を行った後、風乾し、撥水性を測定したとこ
ろ、90を維持していた。また、処理した布帛を85℃
の熱湯500cc中に5分間浸漬した後、風乾し、撥水
性を測定したところ、撥水性は90であった。
【0055】[実施例2〜5]ポリマーとして、表3の
ポリマーを用いること以外は、実施例1と同様に処理
し、評価を行った。結果を表3にまとめて示す。
【0056】[比較例1〜5]ポリマーとして表4のポ
リマーを用いること以外は、実施例1と同様に処理し、
評価を行った。結果を表4にまとめて示す。
【0057】なお表3および表4において、ポリマーは
モノマーの種類で表示し、モノマーが1種のみの場合は
そのホモポリマーを、モノマーが2種以上の場合はそれ
らのコポリマーを表す。コポリマーの場合は共重合組成
をモノマーのモル比で表した。なお、前記以外のモノマ
ーの略称は以下の通りである。
【0058】[EHA]:2−エチルヘキシルアクリレ
ート [StA]:ステアリルアクリレート [VCL]:塩化ビニル
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【発明の効果】本発明の医療用繊維製品は、表面にRf
基の強固な配向を有しているために、高温のスチームに
よる殺菌工程、あるいは高温水による滅菌あるいは洗濯
工程の後でも高い撥水性、撥液性を示す優れた繊維製品
である。したがって、殺菌や滅菌工程を必須とする医療
用の種々の繊維製品として好適である。また、医療用繊
維製品を再使用する場合にも、該撥水性、撥液性は、優
れた耐久性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/18 102

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフルオロアルキル基に由来する微結晶
    融点が80℃以上である重合体を含む撥水撥油剤で処理
    された医療用繊維製品。
  2. 【請求項2】ポリフルオロアルキル基に由来する微結晶
    融点が80℃以上である重合体であり、かつ、ホモポリ
    マーのポリフルオロアルキル基に由来する微結晶融点が
    100℃以上である含フッ素高融点性モノマーを主成分
    とするポリフルオロアルキル基含有モノマーの重合単位
    を含む重合体を含む撥水撥油剤で処理された医療用繊維
    製品。
  3. 【請求項3】ポリフルオロアルキル基含有モノマー中の
    含フッ素高融点性モノマーの割合が55〜100重量%
    である請求項2の医療用繊維製品。
  4. 【請求項4】含フッ素高融点性モノマーが、ポリフルオ
    ロアルキル基として直鎖状Cm2m+1−(ただし、mは
    10〜20の整数を示す。)を有するモノマーである請
    求項2または3の医療用繊維製品。
JP6044100A 1994-03-15 1994-03-15 医療用繊維製品 Pending JPH07258974A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006200059A (ja) * 2005-01-19 2006-08-03 Kuraray Co Ltd 蒸気滅菌処理したのち再使用される繊維製品
JP2007509732A (ja) * 2003-05-15 2007-04-19 デグサ ゲーエムベーハー フルオロシランで疎水化した粒子の、疎脂質性、疎油性、疎ミルク性及び疎水性の特性を有する自浄性表面の製造のための使用

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