JPH07258585A - 水性塗料組成物及び色彩可変塗膜 - Google Patents

水性塗料組成物及び色彩可変塗膜

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JPH07258585A
JPH07258585A JP6049346A JP4934694A JPH07258585A JP H07258585 A JPH07258585 A JP H07258585A JP 6049346 A JP6049346 A JP 6049346A JP 4934694 A JP4934694 A JP 4934694A JP H07258585 A JPH07258585 A JP H07258585A
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JP
Japan
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coating film
color
water
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coating composition
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JP6049346A
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Hideaki Ogawa
英明 小川
Kunihiko Takeuchi
邦彦 武内
Koichi Kuwano
浩一 桑野
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フォトクロミック物質及び光輝性顔料を含有
し、分散安定性に優れ、かつ新規な意匠性を与えること
のできる水性塗料組成物を得る。 【構成】 フォトクロミック物質を包合した水分散性の
マイクロカプセル粒子と、鱗片状マイカ粉等の光輝性顔
料とを水性塗料中に分散して含有することを特徴として
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォトクロミック物質
を分散安定性よく含有し、かつ新規な意匠性を与えるこ
とのできる水性塗料組成物及びそれを用いた色彩可変塗
膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水性塗料は、水を希釈剤として用いる塗
料であり、近年有機溶剤の排出規制が厳しくなるにつれ
て、さまざまな分野において水性塗料の使用が増加しつ
つある。また、近年の塗装外観意匠の多様化、外観品質
の高度化に伴い、さまざまな新しい塗装材料及び塗装系
が開発され検討されている。このような新たな塗装外観
を付与し得る材料の1つとして、フォトクロミック物質
の利用が検討されている。フォトクロミック物質は、光
(紫外線または短波長の可視光線)を受けて色が変化
し、暗所で再び元の色に戻るフォトクロミック現象を示
す物質である。
【0003】特開昭63−296871号公報では、有
機溶剤系のアクリル樹脂にフォトクロミック化合物を混
合し、塗料として用いる技術が開示されている。また特
開平3−250064号公報においても、有機溶剤系の
塗料にフォトクロミック化合物を混合して形成した塗膜
が開示されている。有機溶剤系の塗料にフォトクロミッ
ク化合物が添加されているので、これらのフォトクロミ
ック化合物は有機溶剤に分散もしくは溶解した状態で塗
料中に配合されており、これらの塗料系においては分散
安定性や貯蔵安定性の問題を生じることなくフォトクロ
ミック化合物が配合されている。
【0004】しかしながら、水性塗料にこのようなフォ
トクロミック化合物を配合する場合、水を希釈剤として
用いるので、フォトクロミック化合物を安定に分散させ
ることができず問題となる。特開平2−20575号公
報では、フォトクロミック化合物を含有した水分散性塗
料組成物が開示されており、ここでは重合性不飽和官能
基を有したフォトクロミック化合物を他のビニルモノマ
ーと共重合させることによって得られたフォトクロミッ
ク性ポリマー微粒子を、ポリビニルアルコールやドデシ
ルベンゼン硫酸ソーダ等の分散安定剤により水中に分散
させ、水分散性塗料としている。しかしながら、このよ
うな方法で得られるフォトクロミック性ポリマー微粒子
は、ポリマー側鎖にフォトクロミック成分が共有結合さ
れたものであるので、フォトクロミック性が十分に発揮
されないという問題があった。また、分散安定剤を用い
て水中に分散させているが、塗料として要求される十分
な分散安定性や貯蔵安定性を有していないという問題も
あった。
【0005】一方、上述のように、近年においては塗装
外観の意匠の多様化及び外観品質の高度化が要求されて
おり、例えば自動車用塗膜においては従来のメタリック
カラーやパールカラーとは異なる新規な意匠性を有する
塗膜が要望されている。
【0006】本発明の目的は、このような従来の要望を
満足させ、分散安定性や貯蔵安定性に優れ、かつ新規な
意匠性を与えることのできる水性塗料及びそれを用いた
色彩可変塗膜を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の水性塗料組成物
は、フォトクロミック物質を包合した水分散性のマイク
ロカプセル粒子と、光輝性顔料とを水性塗料中に分散し
て含有することを特徴としている。
【0008】以下、本発明の水性塗料組成物の各構成成
分について説明する。マイクロカプセル粒子 本発明において用いられるマイクロカプセル粒子は、コ
アセルベーション法、界面重合法、in situ重合
法、液中硬化法、液中乾燥法等の方法により形成するこ
とができる。
【0009】本発明で用いられるマイクロカプセル粒子
は、水分散性を有するものであり、マイクロカプセル粒
子にこのような水分散性を付与するためには、マイクロ
カプセル粒子の壁材として親水性ポリマーを用いること
が好ましい。このような親水性ポリマーの壁材をコアセ
ルベーション法により形成する場合には、水溶性ポリマ
ーの水溶液からポリマーの濃厚溶液相をコアセルベート
させ、この水溶性ポリマーを硬化剤によって架橋するこ
とにより形成することができる。
【0010】マイクロカプセル粒子の壁材を構成する水
溶性ポリマーとしては、硬化剤によって水不溶化させる
ことのできる水溶性ポリマーであれば特に限定されるも
のではないが、特にゼラチン系ポリマーが好ましく、例
えば、ゼラチン−アラビアゴム系ポリマーや、ゼラチン
−カルボキシメチルセルロース系ポリマー等を用いるこ
とができる。これらのポリマーは、グルタルアルデヒド
等のアルデヒド類、ジケトン類、エポキシド類、酸無水
物、酸塩化物類、カルボジイミド類、無機塩類等により
水不溶化させることができる。
【0011】本発明に用いるマイクロカプセル粒子に
は、フォトクロミック物質が包合される。フォトクロミ
ック物質としては、アゾベンゼン類、スピロピラン類、
スピロオキサジン類、フェノチアジン類、フェノジン
類、ピアントロン類、アニル類、金属シチゾネート類、
ビオローゲン、インジゴ、フルギド、テトラベンゾペン
タンセン、スチルベン等を挙げることができる。これら
の中でも、発色及び消色の速度ならびに繰り返し耐久性
等からは、スピロオキサジン類のフォトクロミック物質
が好ましい。
【0012】また、本発明においてフォトクロミック物
質は、溶液状態でマイクロカプセル中に包合されてもよ
い。この場合、溶液中に紫外線吸収剤、酸化防止剤、ヒ
ンダードアミン系安定剤等を溶解して含有させることが
できる。
【0013】コアセルベーシン法によりマイクロカプセ
ル粒子を製造する場合、例えば、まずフォトクロミック
物質の溶液を水溶性ポリマーの水溶液に混合して乳化
し、pHの調整やあるいは水希釈、または塩やアルコー
ル等の添加によりコアセルベーションを起こさせ、次い
で水溶性ポリマーの硬化剤を添加してマイクロカプセル
粒子の壁材を架橋させて製造することができる。
【0014】本発明に用いるマイクロカプセル粒子の平
均粒子径は、後述するような本発明に特有の多重な色彩
の発色をより効果的に得るためには、1μm〜50μm
が好ましく、より好ましくは1μm〜10μmである。
平均粒子径があまりにも小さすぎる場合には、後述する
ような光輝性顔料との相互作用による多重な色彩の発色
が得られにくい場合がある。また平均粒子径が大きすぎ
る場合にも、光輝性顔料との相互作用が生じにくくな
り、多重な色彩の発色が得られにくくなる場合があると
ともに、塗膜の厚みよりも厚くなり塗料中に配合する材
料として好ましくないものとなる。
【0015】光輝性顔料 本発明において用いる光輝性顔料としては、メタリック
塗料等に用いられているようなアルミニウム顔料や、鱗
片状マイカ粉等を用いることができる。鱗片状マイカ粉
としては、真珠光沢を発揮するように表面に酸化チタン
がコートされた、いわゆるホワイトマイカや干渉性マイ
カ、並びに酸化チタンと酸化鉄等がコートされたよう
な、いわゆる着色マイカ等を用いることができる。鱗片
状マイカ粉の真珠光沢は、コートされた酸化チタン層に
おいて光の一部を透過しかつ反射させ、また干渉光を生
じるため発生すると言われている。従って、本発明にお
いて光輝性顔料として鱗片状マイカ粉を用いる場合、こ
のような鱗片状マイカ粉近傍での入射光及び反射光とホ
トクロミック性を有するマイクロカプセル粒子との光の
多様な相互作用によって、より一層高度に多重な色彩の
発色が可能となる。
【0016】水性塗料のバインダー 本発明の水性塗料組成物に用いるバインダーは、特に限
定されるものではなく、例えば、アクリル樹脂、アミド
基含有単量体を共重合したアミド基含有アクリル樹脂、
アクリル/セルロースアセテートブチレート混合樹脂、
エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ニトロセルロース、ポリ
ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ変性アルキド
樹脂等を用いることができる。これらの樹脂は、単独
で、あるいはメラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート
化合物、ブロック化イソシアネート化合物等の硬化剤と
組み合わせて用いることができる。これらのバインダー
樹脂の中でも、特にアミド基含有アクリル樹脂を用いた
場合、光輝剤の良好な配向が得られるので、より意匠性
に優れた塗膜が得られる。なお、バインダー樹脂は、常
温乾燥や焼き付けのいずれのタイプの樹脂であってもよ
い。
【0017】水性塗料組成物の配合量 本発明の水性塗料組成物においてマイクロカプセル粒子
の含有量は、塗料固形分中1〜95重量%が好ましく、
さらに好ましくは20〜70重量%である。また光輝性
顔料の含有量は、光輝性顔料としてアルミニウム顔料を
用いる場合、塗料固形分中0.1〜40重量%が好まし
く、さらに好ましくは0.1〜15重量%である。また
光輝性顔料として鱗片状マイカ粉を用いる場合には、
0.1〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは0.
1〜15重量%である。
【0018】色彩可変塗膜 本発明の色彩可変塗膜は、上記水性塗料組成物を被塗物
の全面上または部分的に塗布することにより形成され
る。
【0019】被塗物の全面上に形成する色彩可変塗膜を
有する積層塗膜の一実施態様においては、被塗物上に形
成した着色顔料を含むカラーベース塗膜と、上記水性塗
料組成物をカラーベース塗膜上に塗布することにより形
成した色彩可変塗膜と、色彩可変塗膜上に形成したクリ
ヤ塗膜とを備えている。
【0020】被塗物上に部分的に塗布して形成する色彩
可変塗膜を有する積層塗膜の一実施態様においては、被
塗物上に形成した着色顔料を含むカラーベース塗膜と、
カラーベース塗膜上に形成した光輝性顔料を含む光輝性
顔料含有塗膜と、光輝性顔料含有塗膜上に形成した第1
のクリヤ塗膜と、上記水性塗料組成物を第1のクリヤ塗
膜上に部分的に塗布することにより形成した色彩可変塗
膜と、色彩可変塗膜及び第1のクリヤ塗膜上を覆うよう
に形成した第2のクリヤ塗膜とを備えている。
【0021】
【発明の作用効果】本発明の水性塗料組成物では、水分
散性のマイクロカプセル粒子中にフォトクロミック物質
を包合させている。このため、本発明の水性塗料組成物
ではフォトクロミック物質が安定して分散されており、
光輝性顔料とともに良好な分散状態で含有される。
【0022】本発明の水性塗料組成物では、このように
フォトクロミック物質を包合した水分散性のマイクロカ
プセル粒子と、光輝性顔料とが水性塗料中に良好な分散
状態で含有されている。図2は、このような水性塗料組
成物を塗膜とした場合の塗膜中における光輝性顔料とマ
イクロカプセル粒子の状態を模式的に示す図である。図
2に示されるように、鱗片状マイカ粉等の光輝性顔料1
の近傍にはマイクロカプセル粒子2が存在する状態とな
っている。このため、塗膜中から反射する光3には、マ
イクロカプセル粒子2を透過して光輝性顔料1によって
反射されるものや、光輝性顔料1に反射された後にマイ
クロカプセル粒子2を透過するもの等、さまざまな状態
で反射された光が含まれる。このため、光輝性顔料1と
マイクロカプセル粒子2の3次元的な相対的位置関係に
よりさまざまな状態の光が反射され、光輝性顔料による
キラキラ感の変化や、フォトクロミック物質による色彩
の変化のみならず、これらの変化が複合化され、多重化
された色彩が発色される。このため、本発明に従えば、
従来にはない新規な意匠性を有する塗膜が形成される。
【0023】また、上述のように鱗片状マイカ粉を用い
た場合には、鱗片状マイカ粉の表面で反射する光のみな
らず鱗片状マイカ粉を透過する光も存在する。このた
め、鱗片状マイカ粉近傍におけるマイクロカプセル粒子
との相互作用がさらに高まり、より多重な色彩の発色が
可能となる。
【0024】特に、このようなフォトクロミック物質と
光輝性顔料との相互作用は、フォトクロミック物質がマ
イクロカプセル粒子中に包合されており、塗膜において
局所的にすなわちミクロ的に不均一に存在していること
が、このような多重な色彩の発色を可能としている。
【0025】
【実施例】実施例1 〔塗料バインダー(水溶性アミド基含有アクリル樹脂)
の調製〕攪拌機、温度調節機、冷却管を備えた1リット
ルの反応容器にエチレングリコールモノブチルエーテル
76重量部を仕込み、さらにスチレン15重量部、メチ
ルメタクリレート63重量部、2−ヒドロキシジエチル
メタクリレート48重量部、n−ブチルアクリレート1
17重量部、メタクリル酸27重量部、アクリルアミド
30重量部及びアゾビスイソブチロニトリル3重量部か
らなるモノマー溶液61重量部を添加して攪拌し、温度
120℃にした。上記モノマー溶液245重量部を3時
間かけて添加した後、1時間攪拌を継続した。さらにジ
メチルエタノールアミン28重量部と、イオン交換水2
00重量部を添加して揮発分50重量%、数平均分子量
12000のアクリル樹脂ワニスを得た。得られた樹脂
のOH価は70であり、酸価は58であった。
【0026】〔塗料組成物の調製〕上記アクリル塗料バ
インダー溶液と市販のメラミン樹脂C−703(三井サ
イアナミッド社製)とを樹脂固形分でそれぞれ70重量
%及び30重量%となるように混合し、これにスピロナ
フトオキサジン系フォトクロミック化合物含有マイクロ
カプセル粒子の水分散液(商品名PC−7、三菱化成社
製)をスピロナフトオキサジン系フォトクロミック化合
物として2重量%となるように加え、さらに鱗片状マイ
カ粉(ホワイトマイカ、商品名「イリオジン103WI
I」、メルク社製)を3重量%となるように配合し、デ
ィスパー攪拌して塗料組成物を調製した。さらに、イオ
ン交換水を添加して、20℃での♯4FC粘度が30秒
となるように調製した。
【0027】比較例1 上記アクリル塗料バインダー溶液と市販のメラミン樹脂
C−703とを樹脂固形分でそれぞれ70重量%及び3
0重量%となるように混合し、これにスピロナフトオキ
サジン系フォトクロミック化合物を2重量%となるよう
に直接加える以外は、上記実施例1と同様にして塗料組
成物を調製した。
【0028】分散安定性の評価 実施例1及び比較例1で得られた塗料組成物を40℃の
温度で10日間静置して分散安定性を評価した。その結
果、実施例1の塗料組成物においては全く変化がなく、
塗料性状も問題のないものであった。これに対し、比較
例1の塗料組成物ではフォトクロミック化合物が沈降し
分離した。
【0029】実施例2 実施例1で得られた塗料組成物を用いて、図1に示すよ
うな積層塗膜を形成した。図1において、11は被塗物
を示している。被塗物11は、金属板の上に電着塗膜を
形成し、この電着塗膜の上に中塗り塗料(商品名「オル
ガP−2ライトグレー」、日本ペイント社製)を膜厚3
5μmで塗装し、140℃で20分間焼き付けたもので
ある。この被塗物11の中塗り塗膜の上に、カラーベー
ス塗料(商品名「オルガP−2ホワイト」、日本ペイン
ト社製)を膜厚35μmとなるように塗装し、140℃
で20分間焼き付けてカラーベース塗膜12を形成し
た。このカラーベース塗膜12の上に、マイクロカプセ
ル粒子と鱗片状マイカ粉とを含有した実施例1の水性塗
料組成物を膜厚12μmとなるように塗装し、60℃で
5分間予備乾燥し、色彩可変塗膜13を形成した。この
色彩可変塗膜13の上に、クリヤ塗料(商品名「スーパ
ーラックO−150クリヤ」、日本ペイント社製)を膜
厚35μmとなるように塗装し、140℃で20分間焼
き付けてクリヤ塗膜14を形成した。
【0030】比較例2 実施例1の上記アクリル塗料バインダー溶液及び市販の
メラミン樹脂をそれぞれ樹脂固形分で70重量%及び3
0重量%となるように混合し、これにスピロナフトオキ
サジン系フォトクロミック系化合物が2重量%となるよ
うに添加し、マイクロカプセル粒子含有塗料を調製し
た。また、同様の、メラミン樹脂とアクリル塗料バイン
ダーとの混合液に、実施例1と同様のマイカを3重量%
となるように混合し、マイカ含有塗料を調製した。
【0031】これらの塗料を用いて、図5に示すような
積層塗膜を形成した。図5において、被塗物31及びカ
ラーベース塗膜32は、上記実施例1の被塗物11及び
カラーベース塗膜12と同様にして形成した。カラーベ
ース塗膜32の上にマイカ含有塗料を膜厚12μmとな
るように塗装し、60℃で5分間乾燥してマイカ含有塗
膜33を形成した後、この上に上記マイクロカプセル粒
子含有塗料を膜厚12μmとなるように塗装し、塗装後
60℃で5分間乾燥してマイクロカプセル含有塗膜34
を形成した。この上に、上記実施例1のクリヤ塗膜14
と同様にして、クリヤ塗料を膜厚35μmとなるように
塗装し、140℃で20分間焼き付けてクリヤ塗膜35
を形成した。
【0032】比較例3 図6で示すような積層塗膜を形成した。塗膜形成方法
は、マイクロカプセル含有塗膜34の上にマイカ含有塗
膜33を形成させて積層の順序を逆にする以外は、上記
比較例2と同様にして形成した。
【0033】意匠性の評価 実施例2及び比較例2〜4の積層塗膜について、その意
匠性を評価した。意匠性の評価は塗膜に晴天日の太陽光
線をあてて発色させて評価した。比較例3の積層塗膜
は、他の積層塗膜に比べ色彩の変化がやや鈍く感じられ
た。実施例2の積層塗膜は、比較例2及び比較例4の積
層塗膜と比べると、より多くの色彩の変化が認められ、
異なる意匠性を与えた。
【0034】実施例3 図3に示すように、被塗物21の上にカラーベース塗膜
22及び鱗片状マイカ粉含有塗膜23を形成し、この上
に第1のクリヤ層24を形成した。被塗物21及びカラ
ーベース塗膜22は、実施例2の被塗物11及びカラー
ベース塗膜12と同様にして形成した。また鱗片状マイ
カ粉含有塗膜23は比較例2の鱗片状マイカ粉含有塗膜
33と同様にして形成した。第1のクリヤ塗膜24は、
実施例2のクリヤ塗膜14と同様にして形成した。この
第1のクリヤ塗膜24の上にマイクロカプセル粒子及び
鱗片状マイカ粉を含有した実施例1の水性塗料組成物を
部分的に塗布し、色彩可変塗膜25を形成した。この色
彩可変塗膜25は、図4に示すようにABCの文字とな
るように第1のクリヤ塗膜24の所定領域の上に形成し
た。次に、第1のクリヤ塗膜24及び色彩可変塗膜25
を覆うように、第2のクリヤ塗膜26を膜厚35μmと
なるように形成した。この第2のクリヤ塗膜26は、第
1のクリヤ塗膜24と同様の塗料を用いて形成した。
【0035】以上のようにして形成した積層塗膜に晴天
日の太陽光線を照射すると、色彩可変塗膜25が塗布さ
れている部分のみ色彩が変化し、暗所では視認できなか
ったABCの文字が浮き出て、さらに光輝感が得られる
とともに多重化された色彩をABCの文字が発色した。
【0036】以上のように、本発明に従う水性塗料組成
物を部分的に塗布することにより、ロゴマーク等の文字
や模様等に、色彩可変性を付与することができるととも
に、文字や模様等を日光照射によって浮き出させる、い
わゆる「あぶり出し」のような効果をも付与することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う一実施例の積層塗膜を示す断面
図。
【図2】本発明に従う水性塗料組成物により形成される
塗膜における色彩変化のメカニズムを説明するための概
略図。
【図3】本発明に従う他の実施例の積層塗膜を示す断面
図。
【図4】図3に示す積層塗膜の平面図。
【図5】比較の積層塗膜の一例を示す断面図。
【図6】比較の積層塗膜の他の例を示す断面図。
【符号の説明】
11,21…被塗物 12,22…カラーベース塗膜 13,25…色彩可変塗膜 14,24,26…クリヤ塗膜

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトクロミック物質を包合した水分散
    性のマイクロカプセル粒子と、光輝性顔料とを水性塗料
    中に分散して含有することを特徴とする水性塗料組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記フォトクロミック物質がスピロオキ
    サジン系化合物である請求項1に記載の水性塗料組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記フォトクロミック物質が溶液として
    包合されている請求項1に記載の水性塗料組成物。
  4. 【請求項4】 前記溶液に紫外線吸収剤が含有されてい
    る請求項3に記載の水性塗料組成物。
  5. 【請求項5】 マイクロカプセル粒子の平均粒子径が1
    μm〜50μmである請求項1に記載の水性塗料組成
    物。
  6. 【請求項6】 前記光輝性顔料が鱗片状マイカ粉である
    請求項1に記載の水性塗料組成物。
  7. 【請求項7】 前記鱗片状マイカ粉が干渉性マイカ顔料
    である請求項6に記載の水性塗料組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の水性塗料組成物を被塗
    物の全面上に塗布して形成したことを特徴とする色彩可
    変塗膜。
  9. 【請求項9】 被塗物上に形成された着色顔料を含むカ
    ラーベース塗膜と、 請求項1に記載の水性塗料組成物を前記カラーベース塗
    膜上に塗布することにより形成した色彩可変塗膜と、 前記色彩可変塗膜上に形成したクリヤ塗膜とを備える色
    彩可変積層塗膜。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の水性塗料組成物を被
    塗物上に部分的に塗布することにより形成したことを特
    徴とする色彩可変塗膜。
  11. 【請求項11】 被塗物上に形成した着色顔料を含むカ
    ラーベース塗膜と、 前記カラーベース塗膜上に形成した光輝性顔料を含む光
    輝性顔料含有塗膜と、 前記光輝性顔料含有塗膜上に形成した第1のクリヤ塗膜
    と、 請求項1に記載の水性塗料組成物を前記第1のクリヤ塗
    膜上に部分的に塗布することにより形成した色彩可変塗
    膜と、 前記色彩可変塗膜及び前記第1のクリヤ塗膜上を覆うよ
    うに形成した第2のクリヤ塗膜とを備える色彩可変積層
    塗膜。
  12. 【請求項12】 被塗物上に形成した着色顔料を含むカ
    ラーベース塗膜と、 前記カラーベース塗膜上に形成した光輝性顔料を含む光
    輝性顔料含有塗膜と、 請求項1に記載の水性塗料組成物を前記光輝性顔料含有
    塗膜上に部分的に塗布することにより形成した色彩可変
    塗膜と、 前記色彩可変塗膜及び前記光輝性顔料含有塗膜上を覆う
    ように形成したクリヤ塗膜とを備える色彩可変積層塗
    膜。
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JP (1) JPH07258585A (ja)

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