JPH0725857B2 - 耐衝撃性スチレン系樹脂の連続塊状重合法 - Google Patents

耐衝撃性スチレン系樹脂の連続塊状重合法

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JPH0725857B2
JPH0725857B2 JP61180763A JP18076386A JPH0725857B2 JP H0725857 B2 JPH0725857 B2 JP H0725857B2 JP 61180763 A JP61180763 A JP 61180763A JP 18076386 A JP18076386 A JP 18076386A JP H0725857 B2 JPH0725857 B2 JP H0725857B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐衝撃性スチレン系樹脂の連続塊状重合法に
関し、さらに詳しくは樹脂中のグラフト化されたゴム質
重合体の粒子径が均一であり、かつ強度、光沢の優れた
耐衝撃性スチレン系樹脂の連続塊状重合法に関するもの
である。
〔従来の技術〕
ゴム質重合体の存在下でスチレン系単量体をグラフト重
合させ、耐衝撃性スチレン系樹脂を製造するにああり、
グラフト重合中、ゴム質重合体の分散による微粒子化と
マトリックス樹脂中でのゴム微粒子の安定化をいかにコ
ントロールするかが、得られる樹脂の品質を決定する上
で特に重要であり、最終の樹脂のゴム粒子径、その分布
及びグラフト比率等が、衝撃強度と光沢に、大きく影響
を与える。
従来、耐衝撃性ポリスチレンの工業的な製造方法に関し
ては、回分式の塊状−懸濁重合法及び連続式塊状重合法
が、一般に採用されているが、その生産性と経済性から
連続法の優位性が認められ、連続式塊状重合法が主流に
なってきている。
通常、連続塊状重合法においては、特開昭60−28407号
公報で提案されている様に、数個の攪拌式槽型反応器を
連ねて原料溶液を連続的に供給せしめて重合を進めてい
く製造方法が一般的である。
さらに詳細には、初期重合段階でグラフト化ゴム質重合
体を分散微粒子化するにあたり、攪拌式槽型反応器内で
所定の剪断作用を施すことにより達成し、その後複数個
の攪拌式槽型反応器へ連続移送せしめ、重合を進行させ
ていく製造法が提案されている。
しかしながら、上記の槽型反応器を用いた連続塊状重合
法の場合には、攪拌機による動的混合に付随した欠点が
指摘されている。すなわち、重合が進につれて槽内重合
液の粘度が上昇し、攪拌を持続するに要する動力の増加
及び攪拌翼の強度設計上から槽内でのスチレン系単量体
の重合転化一端部の上昇が制限されること、又、過分な
攪拌混合を行なう為に一旦分散微粒子化されたグラフト
化ゴム質重合体に過分な剪断力が加わり、その為分散ゴ
ム微粒子の破壊が起り、ゴム粒子径の分布が広くなった
りして、結果的には、製品強度の低下を来すことが多
い。又、攪拌式槽型反応器を使用する限り構造上過分な
容積を有するため、例えばゴム微粒子径の異なる製品を
作り分けるにあたて、異製品銘柄への切替えに要する時
間的な劣性も、見逃すことの出来ない欠点でもある。そ
のために、攪拌式槽型反応器に関して攪拌羽根の構造に
よる影響、予備重合の実施、管状反応器あるいは塔型反
応器との組み合せ等の幾つかの改良が為されてきている
が、まだ十分ではない。
〔本発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、かかる現状を鑑み攪拌式槽型反応器をい
っさい使用しないで、内部に重合液混合用の静的混合用
構造部、例えばスタティックミキサーを備えた、管状反
応器での耐衝撃性スチレン系樹脂の連続的製法について
検討した。
従来、連続重合法でかかる管状反応器の利用について、
例えば、特開昭55−38893号公報では攪拌手段を備えた
初期重合槽と主重合を行なうための管状反応器からなる
プロセスが提案されているが、この場合にも槽内攪拌機
による動的混合に付随した欠点は解消されず、協力な攪
拌混合に起因する過分な剪断が加わってゴム粒子径の分
布が広くなり、しかもグラフト比率も向上せず、やはり
満足できるものではない。
そこで、管状反応器を用いて重合を行ないゴム質重合体
を分散微粒子化させる方法に関して発明者らが検討した
結果、以下のような事とが明らかとなった。即ち、ゴム
質重合体の分散を起こすためには、重合の初期において
適度な剪断が必要であり、その為に混合を付与するため
のミキサーの存在が不可欠である。ところが、管状反応
器内の静的混合用構造部、例えば、スタティックミキサ
ーによる混合の度合は、反応器内での重合液の線速度に
よって決まり、それは流量と管径に依存するため、十分
な混合を行うには流速を著しく高める必要がある。しか
しながら管状反応器で流速を著しく高めることは、重合
が進むにつれ著しく粘性が増大し、管内の圧力損失が大
きくなるため技術的に限界があり、十分な剪断が得られ
ない。そこで通常の管状反応器の場合、その弱い剪断の
ため、例えば、ゴム質重合体の分散微粒子化は可能なも
のの、望ましい粒子径が得られなかったり、初期重合時
に析出したグラフト化されたゴム質重合体が反応器内の
壁に付着したりすることが多い。特に付着したグラフト
化されたゴム質重合体が成長して樹脂中に混入すると、
フィッシュアイとして製品の外観上でのトラブルの原因
となり問題である。
こうした問題点を解決すべく、ゴム質重合体の分散微粒
子化を行なわしめる初期重合の段階において、初期重合
液の一部乃至大部分を還流させ、供給原料溶液と連続的
に合流させ、次いで管状反応器により初期重合と同時に
混合させる方法につき検討したところ、還流比を高くし
て長時間かけて循環混合させればゴム粒子径およびその
分布を改善することはある程度可能であるが、ゴム含有
量が多くなるほどゴム粒子の微細化、均一化が困難とな
り、強度、光沢に優れる耐衝撃性スチレン系樹脂が得に
くくなるという欠点があった。
〔問題点を解決するための手段〕
この様な状況に鑑み、本発明者らは、鋭意検討した結
果、スタティックミキサー等の如き、静的混合用構造器
を内部に有する管状反応器を用いて連続的に塊状重合を
行いその初期重合液の一部乃至大部分を還流させて供給
原料と連続的に合流させ、次いで管状反応器により初期
重合させると同時に混合させると共に、初期重合ライン
と還流ラインとからなる循環ラインの任意の位置、好ま
しくは合流後の初期重合ライン内に動的インラインミキ
サーを組み込み、これにより更に混合させると、該供給
原料溶液および初期重合液中のグラフト化されたゴム質
重合体が容易に微粒子化して均一に分散すると共にグラ
フト比率が向上し、グラフト化されたゴム質重合体の粒
子径が均一で強度、光沢の優れた耐衝撃性スチレン系樹
脂が容易に得られることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
すなわち、本発明は、内部に静的混合用構造部を有する
管状反応器を組み込んでなる、初期重合ラインと、これ
から続き内部に静的混合用構造部を有する管状反応器を
組み込んでなる主重合ラインと、初期重合ラインと主重
合ラインとの間から分枝して初期重合ライン入り口に戻
る還流ラインとを有する重合ラインを用い、ゴム質重合
体の存在下にスチン系単量体をグラフト重合させる連続
塊状重合法であって、かつ初期重合時において初期重合
液の一部乃至大部分を、還流ラインを通して還流させて
供給原料と連続的に合流させ、次いで管状反応器により
初期重合と同時に混合させると共に、初期重合ラインと
還流ラインとからなる循環ライン内に動的インラインミ
キサーを組み込み、これにより更に混合させることを特
徴とする耐衝撃性スチレン系樹脂の連続塊状重合法を提
供するものである。
本発明で用いるゴム質重合体として代表的なものを例示
すれば、ポリブタジエン・ゴム、スチレン・ブタジエン
共重合ゴム、スチレン・ブタジエン・スチエンブロック
共重合ゴム、エチレン・プロピレンターポリマー系ゴ
ム、ブタジエン・アクリロニトリル共重合ゴム、ブチル
ゴム、アクリル系ゴム、スチレン・イソブチレン・ブタ
ジエン共重合ゴム、またはイソプレン・アクリル酸エス
テル系共重合ゴムをはじめとするイソプレンもしくはク
ロロプレンの如き共役1,3−ジエン系単量体を用いて得
られるゴムなどがあるが、これらは1種あるいは2種以
上の組合せで用いられる。
本発明で用いるスチレン系単量体とは、スチレン、α−
メチルスチレン、およびベンゼン核の水素原子がハロゲ
ン原子はC1〜C4なるアルキル基で置換されたスチレン誘
導体などを総称するものであり、かかるスチレン系単量
体として代表的なものを例示すれば、スチレン、o−ク
ロルスチレン、p−クロルスチレン、p−メチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレンまたはt−ブチルスチレン
などである。
また、本発明においてスチレン系単量体と共重合可能な
他の単量体(以下、「他の単量体」と略す)をスチレン
系単量体と併用しても良いが、このような単量体として
例えば、アクリロニトリル、アクリル酸及びメタクリル
酸とそれらのアルキルエステル、無水マレイン酸、各種
マレイミド等がある。
本発明は塊状重合を採用しているが、重合液の粘性の調
整等のために適量の溶剤の使用も可能であり、その溶剤
としてはトルエン、エチルベンゼン、キシレン等であ
る。溶剤の使用量は、ゴム質重合体とスチレン系単量体
と他の単量体からなる樹脂成分100重量部に対して通常2
0重量部を越えない範囲である。
本発明で供給原料として用いる重合液には、必要ならば
重合開始剤として分解した際にフリーラジカルを放出す
る公知の有機過酸化物、例えばベンゾイルパーオキサイ
ド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキ
サイド等を使用するともできる。さらに必要に応じて、
可塑性、酸化防止剤、連鎖移動剤などの公知の添加剤を
併用しても良い。
本発明で用いる管状反応器としては、内部に静的混合用
構造部を有する公知の管状反応器がいずれも使用できる
が、なかでも多数のミキシングエレメント等からなる静
的混合構造部を有する管状反応器、例えばズルツァー式
スタティックミキサー、ケニックス式スタティックミキ
サー、東レ式スタティックミキサー等が好ましい。
本発明で用いる管状反応器の数として、例えば上記の如
きスタティックミキサーの場合、スタティックミキサー
の長さ、ミキシングエレメントの数等により異なり、特
に限定されないが、ミキシングエレメントを通常5個以
上、好ましくは10〜40個有するスタティックミキサーを
通常4〜15個、好ましくは6〜10個組み合せて用いる。
本発明で用いる動的インラインミキサーとしては、管錠
のハウジング部と該ハウジング部内で強制するための動
的混合用構造部、例えばプロペラ式、タービン式、アン
カー式等の攪拌翼とこれを支えるためのシャフト部とか
らなる公知の動的インラインミキサーがいずれも使用で
きる。尚、ハウジング内壁と攪拌翼とのクリアランスは
通常0.1〜2mmの範囲であるが、なかでも0.2〜1mmの範囲
のものが好ましい。
本発明で用いる動的インラインミキサーの具体的例とし
ては、佐竹化学工業社式特殊アンカー型ミキサー、ケミ
ニャー(Chemineer)社式アングル型ミキサー、グリー
コ(Greerco)社式パイプラインミキサー、栗本鉄工所
社式ニーダー型ミキサー等が好ましい。
本発明で用いる重合装置は、原料供給部と、該原料供給
部から続き内部に静的混合用構造部を有する管錠反応器
を組み込んでなる初期重合ラインと、初期重合ラインか
ら続き内部に静的混合用構造部を有する管状反応器を組
み込んでなる主重合ラインと、初期重合ラインと主重合
ラインとの間から分岐して初期重合ライン入り口に戻る
環流ラインとを有するものであり、しかも初期重合ライ
ンと還流ラインとを組み合せてなる循環ライン内の任意
の位置、好ましくは原料溶液と合流後の初期重合ライン
内に動的インラインミキサーを組み込んでなるもの等が
挙げられる。
尚、原料供給部と初期重合ラインとの間には移送ポンプ
を有することが好ましい。
ここで原料供給部から循環ライン中に供給される原料溶
液は、前記ゴム質重合体とスチレン系単量体と、更に必
要に応じて加えられる他の単量体、溶剤、重合開始剤、
その他の公知の添加剤等とを含有してなる。
ここで用いるゴム質重合体の使用割合としては、ゴム質
重合体とスチレン系単量体と他の単量体とからなる樹脂
成分100重量%中のゴム質重合体の含有率(a重量%)
が3〜15重量%の範囲となる割合が、循環ライン内での
重合液の粘度上昇が少なく、粒子径のコントロールが容
易で、耐衝撃性に優れるゴム変性スチレン系樹脂が得ら
れる点で好ましい。
原料供給部から供給された原料溶液は、循環ライン内を
循環してくる初期重合液と連続的に合流して混合され、
動的インラインミキサーで適度な剪断を受けつつ循環し
ながら、管状反応器内で通常110〜140℃の反応温度で初
期重合されると共に、更に混合、分散される。
この時、該循環ラインに設置した管状反応器は、適切な
剪断力を受けながら循環する重合体溶液と新たに供給さ
れる原料溶液を混合する上で極めて有効である。また動
的インラインミキサーは、巨大粒子を発生させることな
くゴム質重合体を均一分散させる上で極めて有効であ
り、その粒子径を短時間で制御することができる。
即ち、前記管状反応器内で適度な剪断下のもとで、循環
するゴム質重合体溶液と新たに供給される原料溶液を混
合せしめると共に、動的インラインミキサーにて巨大粒
子を発生させることなく瞬時的に微細なゴム粒子を形成
せしめる方法であり、管状反応器と動的インラインイキ
サーとを組合せることにより、本発明の効果が有益に達
成される。又、ゴム粒子径をコントロールする場合の該
動的インラインミキサーの回転数制御は極めて有力な効
果をもたらす。
循環ラインでの重合液の還流比(R)、循環ラインに還
流される初期重合液の流量をF1l/時間とし、循環ライ
ンに供給される原料溶液の流量をF2l/時間とした場
合、通常R=F1/F2=1〜20の範囲であり、なかでも還
流が安定に行えて、壁ポリの発生がなく、しかも均一な
粒径のゴム重合体の微粒子が得られる点でR=1.5〜10
の範囲が好ましい。
また、循環ラインでの初期重合の程度としては、循環ラ
イン出口、すなわち主重合ライン入口でのスチレン系単
量体と必要により加えられる他の単量体とからなる単量
体成分の重合転化率(b重量%)が、前記ゴム室重合体
の含有率(a重量%)との関係において、通常、b=0.
9a〜5a、なかでもb=1.5a〜3aとなる範囲が好ましく、
これらの範囲ではゴム質重合相の微粒子化、均一分散化
が容易であるため、平均粒子径0.3〜6.0μm、好ましく
は0.6〜3.0μmのゴム質重合体が均一に分散したゴム変
性スチレン系樹脂が得られる。
この様にして得られた初期重合液は、その一部乃至大部
分を還流させて再度原料溶液に合流させるが、残余は主
重合ラインに供給され、通常130〜170℃の反応温度でス
チレン系単量体と必要に応じて加えられる他の単量体と
からなる単量体成分の重合転化率が通常70〜90重量%と
なるまで重合され、次いで例えば脱揮槽にて減圧下に未
反応単量体および溶剤を除去した後、ペレット化して耐
衝撃性スチン系樹脂とする。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、特定の条件下で、静的混合用構
造部を有する管錠反応器と動的インラインミキサーを組
合せてなる管状式連続塊状重合により、グラフト化され
たゴム質重合体が容易に短時間で微粒子化すると共にグ
ラフト比率も向上し、ゴム粒子径の均一な強度、光沢の
優れた耐衝撃性スチレン系樹脂を製造することが出来
る。
本発明は、攪拌式槽型反応器を用いた連続塊状重合プロ
セスに比べて短時間で任意の平均粒子径、ゴム含量及び
/またはゴムの種類の異なる製品へ切替えることがで
き、低コスト生産の要求に答えるべく工業的利用価値を
多大に供給する連続塊状重合方法である。
〔実施例〕
以下に実施例および比較例を示して本発明を更に具体的
に説明する。尚、例中の部および%はすべて重量基準で
あり、例中の各種物性の測定は以下の様に行った。
(1)ゴム質重合体含有率 赤外分光光度計により赤外吸収を求め、その吸収の強さ
をあらかじめ作成しておいた検量線と比較して求める。
(2)アイゾット衝撃値 JIS K−6871に準拠した。
(3)表面光沢 JIS Z−8741に準拠した。
(4)グラフト比率 1gの樹脂をメチルエチルケトン/アセトン=1/1(重量
比)の混合溶媒50mlに加えて1時間激しく震盪し、溶解
させ膨潤させる。次に遠心分離機にて不溶分を沈降させ
た後、デカンテーションで上澄液を捨てる。このように
して得られたメチルエチルケトン/アセトン不溶分を減
圧下、50℃で乾燥させ、デシケーター中で冷却後、秤量
し、次式によりグラフト比率を算出する。
(5)樹脂中のゴム質重合体の平均粒子径およびその分
布 ジメチルホルムアミドとチオシアン酸アンモニウムから
なる電解液を使用し、コールターカウンター(コールタ
ー社製TA−II型)にり、重量平均と数平均の50%メジア
ン径を求め、これらをそれぞれ重量平均粒子径と数平均
粒子径とし、その比を粒子の分布とした。その比の値が
小さい程、粒子径の分布は狭いことを示す。
実施例1 本実施例では、内径2インチ、長さ1mの管錠反応器(ノ
リタケ社製ケニックス式スタティックミキサー N10
型、ミキシングエレメントを12個内蔵する)を4基直列
に連結し、その間に動的インラインミキサー(米国グリ
ーコ社製、6枚タービン、クリアランス0.5mm)を設置
した初期重合ラインとこれから続く主重合ラインとから
なる重合領域、および初期重合液の一部乃至大部分を還
流させるための還流ラインを有する連続重合装置を用い
た。
初期重合ラインは、ギヤポンプによって送られてきた原
料溶液を循環ラインに供給するための原料供給部と、こ
れに続く直列に4基連結した管錠反応器(I)〜(IV)
〔ただし、原料供給部に近い方から順に(I),(I
I),(III),(IV)とする〕と、管錠反応器(II)と
(III)の間に直列に組み込まれた動的インラインミキ
サーとからなる。
還流ラインは管錠反応器(IV)の出口部と管状反応器
(I)の入口部を結ぶラインからなり、ライン中には還
流用ギヤポンプが備えてある。(尚、初期重合ラインと
還流ラインとを合わせて循環ラインと言う) 主重合ラインは、上記循環ライン中の管状反応器(IV)
の出口に続く直列に4基連結した管状反応器(V)〜
(VIII)〔ただし、管状反応器(IV)に近い方から順に
(V),(VI),(VII),(VIII)とする〕からなっ
ており、管状反応器(VIII)の出口は、更に熱交換器、
脱揮槽、押出機等からなる後処理領域に続いている。
ポリブタジエン〔旭化成工業(株)製ジエンNF35A〕6
部およびスチレン94部からなるポリブタジエン含有率a
=6%の原料溶液を調整し、以下の条件で連続的に塊状
重合せしめた。
循環ラインに還流される流量(F1) :25l/時間 (還流ラインの流量) 循環ラインに供給される原料溶液の流量(F2):5l/時間
還流比(R=F1/F2) :5 循環ラインでの反応温度 :130℃ 管状反応器(IV)の出口における :24% 単量体成分の重合転化率(b) 主重合ラインでの反応温度 :155℃ 動的インラインミキサーの回転数 :700rpm 得られた重合液を熱交換器で230℃まえ加熱し、50mmHg
の感圧下で揮発性成分を除去した後、押出機により溶融
し、混練し、ペレット化して本発明の耐衝撃性スチレン
系樹脂を得、次いで各種物性の測定を行った。測定結果
を表−1に示す。
実施例2 循環ラインでの還流比(R)を7に、動的インラインミ
キサーの回転数を1500Rrpmに、それぞれ変更した以外は
実施例1と同様にして、本発明の耐衝撃性スチレン系樹
脂を得、次いで同様に各種物性の測定を行った。結果を
表−1に示す。
実施例3 ポリブタジエン12部、スチレン88部およびエチルベンゼ
ン5部からなる原料溶液を用い、循環ラインでの還流比
(R)を8に、動的インラインミキサーの回転数を1800
rpmに、それぞえ変更した以外は実施例1と同様にし
て、本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂を得、次いで同様
にして各種物性を測定した。結果を表−1に示す。
実施例4 循環ラインでの還流比(R)を8に、単量体成分の重合
転化率(b)を18%となるように反応温度を127℃に、
それぞれ変更した以外は実施例3と同様にして本発明を
耐衝撃性スチレン系樹脂を得、次いで同様に各種物性の
測定を行った。結果を表−1に示す。
比較例1 ヘリカル型の攪拌翼を備えた完全混合式で20lの槽型反
応器2基、熱交換器、脱揮槽から成る連続反応装置を用
いて重合反応を行なった。第1の槽型反応器に実施例1
と同じ組成の原料溶液を攪拌下に連続的に5l/時間で供
給して130℃で初期重合させると共に、該反応器の底部
から初期重合液を連続的に5l/時間で抜き出し、第2の
槽型反応器に供給し、引き続き第2の槽型反応器にて15
5℃で重合を行った以外は実施例1と同様にして比較対
照用の耐衝撃性スチレン系樹脂を得、次いで、同様にし
て各種物性の測定を行った。結果を表−1に示す。
比較例2 循環ラインの代わりに比較例1で使用した第1の槽型反
応器を用いて初期重合を行った以外は実施例1と同様に
して比較対照用の耐衝撃性スチレン系樹脂を得、次いで
同様にして各種物性の測定を行った。結果を表−1に示
す。
比較例3 動的インラインミキサーを停止させた以外は実施例4と
同様にして比較対照用の耐衝撃性スチレン系樹脂を得、
次いで同様にして各種物性の測定を行った。結果を表−
1に示す。
比較例4 静的混合用構造部が内蔵されていない管状反応器を使用
した以外は実施例1と同様にして、比較対照用の耐衝撃
性スチレン系樹脂を得、次いで同様に各種物性の測定を
行った。結果を表−1に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料供給部と、該原料供給部から続き内部
    に静的混合用構造部を有する管状反応器を組み込んでな
    る初期重合ラインと、初期重合ラインから続き内部に静
    的混合用構造部を有する管状反応器を組み込んでなる主
    重合ラインと、初期重合ラインと主重合ラインとの間か
    ら分技して初期重合ライン入り口に戻る還流ラインとを
    有する重合装置を用い、ゴム質重合体の存在下にスチレ
    ン系単量体をグラフト重合させる連続塊状重合法であっ
    て、かつ初期重合時において初期重合液の一部乃至大部
    分を、還流ラインを通して還流させて供給原料と連続的
    に合流させ、次いで管状反応器により初期重合と同時に
    混合させると共に、初期重合ラインと還流ラインとから
    なる循環ライン内に動的インラインミキサーを組み込
    み、これにより更に混合させることを特徴とする耐衝撃
    性スチレン系樹脂の連続塊状重合法。
JP61180763A 1986-07-25 1986-07-31 耐衝撃性スチレン系樹脂の連続塊状重合法 Expired - Fee Related JPH0725857B2 (ja)

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