JPH0725829A - 反強誘電性液晶化合物 - Google Patents
反強誘電性液晶化合物Info
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- JPH0725829A JPH0725829A JP19542193A JP19542193A JPH0725829A JP H0725829 A JPH0725829 A JP H0725829A JP 19542193 A JP19542193 A JP 19542193A JP 19542193 A JP19542193 A JP 19542193A JP H0725829 A JPH0725829 A JP H0725829A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 室温を含む低温領域で三安定状態を示す反強
誘電性S*(3)相を安定的に示し、かつ高速応答が期待
でき、さらに反強誘電性混合液晶を構成する成分液晶と
して非常に有効な化合物の提供。 【構成】 一般式 【化1】 (式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基よりな
る群から独立して選ばれた基であり、Rfは−CF3ま
たは−C2F5であり、XはCOOまたはCOを表わし、 【化2】 は、いずれも置換または非置換のフェニル環であり、そ
の置換基は1つ以上のフッ素および/または塩素であ
り、*は光学活性炭素を示す)で表わされる反強誘電性
液晶化合物。
誘電性S*(3)相を安定的に示し、かつ高速応答が期待
でき、さらに反強誘電性混合液晶を構成する成分液晶と
して非常に有効な化合物の提供。 【構成】 一般式 【化1】 (式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基よりな
る群から独立して選ばれた基であり、Rfは−CF3ま
たは−C2F5であり、XはCOOまたはCOを表わし、 【化2】 は、いずれも置換または非置換のフェニル環であり、そ
の置換基は1つ以上のフッ素および/または塩素であ
り、*は光学活性炭素を示す)で表わされる反強誘電性
液晶化合物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な反強誘電性液晶
化合物に関する。
化合物に関する。
【0002】
【従来技術】液晶表示素子は、1)低電圧作動性、2)
低消費電力性、3)薄形表示、4)受光型などの優れた
特徴を有するため、現在まで、TN方式、STN方式、
ゲスト−ホスト(Guest−Host)方式などが開
発され実用化されている。しかし、現在広く利用されて
いるネマチック液晶を用いたものは、応答速度が数ms
ec〜数十msecと遅い欠点があり、応用上種々の制
約を受けている。これらの問題を解決するため、STN
方式や薄層トランジスタなどを用いたアクティブマトリ
ックス方式などが開発されたが、STN型表示素子は、
表示コントラストや視野角などの表示品位は優れたもの
となったが、セルギャップやチルト角の制御に高い精度
を必要とすることや応答がやや遅いことなどが問題とな
っている。このため、応答性のすぐれた新しい液晶表示
方式の開発が要望されており、光学応答時間がμsec
オーダーと極めて短かい超高速デバイスが可能になる強
誘電性液晶の開発が試みられていた。強誘電性液晶は、
1975年、Meyer等によりDOBAMBC(p−
デシルオキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブ
チルシンナメート)が初めて合成された(Le Jou
rnal de Physique,36巻1975,
L−69)。さらに、1980年、ClarkとLag
awallによりDOBAMBCのサブマイクロ秒の高
速応答、メモリー特性など表示デバイス上の特性が報告
されて以来、強誘電性液晶が大きな注目を集めるように
なった〔N.A.Clark,etal.,Appl.
Phys.Lett.36.899(1980)〕。し
かし、彼らの方式には、実用化に向けて多くの技術的課
題があり、特に室温で強誘電性液晶を示す材料は無く、
表示ディスプレーに不可欠な液晶分子の配列制御に有効
かつ実用的な方法も確立されていなかった。この報告以
来、液晶材料/デバイス両面からの様々な試みがなさ
れ、ツイスト二状態間のスイッチングを利用した表示デ
バイスが試作され、それを用いた高速電気光学装置も例
えば特開昭56−107216号などで提案されている
が、高いコントラストや適正なしきい値特性は得られて
いない。このような視点から他のスイッチング方式につ
いても探索され、過渡的な散乱方式が提案された。その
後、1988年に本発明者らによる三安定状態を有する
液晶の三状態スイッチング方式が報告された〔A.D.
L.Chandani,T.Hagiwara,Y.S
uzuki etal.,Japan.J.ofApp
l.Phys.,27,(5),L729−L732
(1988)〕。前記「三状態を有する」とは、第一の
電極基板と所定の間隙を隔てて配置されている第二の電
極基板の間に強誘電性液晶が挟まれ前記第一及び第二の
電極基板に電界形成用の電圧が印加されるよう構成され
てなる液晶電気光学装置において、図1Aで示される三
角波電圧を印加したとき、無電界時に分子配向と透過率
が第一の安定状態〔図3の(a)および図1Dの2〕を
有し、かつ、電界印加時に一方の電界方向に対し分子配
向と透過率が前記第一の安定状態とは異なる第二の安定
状態〔図3の(b)および図1Dの1〕を有し、さらに
他方の電界方向に対し前記第一及び第二の安定状態とは
異なる第三の分子配向と透過率の安定状態〔図3の
(c)および図1Dの3〕を有することを意味する。な
お、この三安定状態を利用する液晶電気光学装置につい
ては、本出願人は特願昭63−70212号として出願
し、特開平2−153322号として公開されている。
三安定状態を示す反強誘電性液晶の特徴をさらに詳しく
説明する。クラーク/ラガウェル(Clark−Lag
awall)により提案された表面安定化強誘電性液晶
素子では、S*C相において強誘電性液晶分子が図2
(a),(b)のように一方向に均一配向した2つの安
定状態を示し、印加電界の方向により、どちらか一方の
状態に安定化され、電界を切ってもその状態が保持され
る。しかしながら実際には、強誘電性液晶分子の配向状
態は、液晶分子のダイレクターが捩れたツイスト二状態
を示したり、層が「く」の字に折れ曲ったシエブロン構
造を示す。シエブロン層構造では、スイッチング角が小
さくなり低コントラストの原因になるなど、実用化段階
へ向けて大きな障害になっている。一方、“反”強誘電
性液晶は三安定状態を示すS*(3)相では、上記液晶電
気光学装置において、無電界時には、図3(a)に示す
ごとく隣り合う層毎に分子は逆方向に傾いて配列し、液
晶分子の双極子はお互に打ち消し合っている。したがっ
て、液晶層全体として自発分極は打ち消されている。こ
の分子配列を示す液晶相の透過率は、図1Dの2に対応
している。さらに、(+)又は(−)のしきい値より充
分大きい電圧を印加すると、図3(b)および(c)に
示すように液晶分子が同一方向に傾き、平行に配列す
る。この状態では、分子の双極子も同一方向に揃うため
自発分極が発生し、強誘電相となる。すなわち、“反”
強誘電性液晶のS*(3)相においては、無電界時の
“反”強誘電相と印加電界の極性による2つの強誘電相
が安定になり、“反”強誘電相と2つの強誘電相間を直
流的しきい値を持って三安定状態間スイッチングを行う
ものである。このスイッチングに伴う液晶分子配列の変
化により印加電圧に応じて図4に示すダブル・ヒステリ
シスを描いて光透過率が変化する。このダブル・ヒステ
リシスに、図4の(A)に示すようにバイアス電圧を印
加して、さらにパルス電圧を重畳することによりメモリ
ー効果を実現できる特徴を有する。さらに、電界印加に
より強誘電相は層がストレッチされ、ブックシエルフ構
造となる。一方、無電解時の安定状態の“反”強誘電相
では類似ブックシエルフ構造となる。この電界印加によ
る層構造スイッチングが液晶層に動的シエアーを与える
ため駆動中に配向欠陥が改善され、良好な分子配向が実
現できる。そして、“反”強誘電性液晶では、プラス側
とマイナス側の両方のヒステリシスを交互に使い画像表
示を行なうため、自発分極に基づく内部電界の蓄積によ
る画像の残像現象を防止することができる。これらの結
果、“反”強誘電性液晶は、1)高速応答が可能で、
2)高いコントラストと広い視野角および3)良好な配
向特性とメモリー効果が実現できる、非常に有用な液晶
化合物と言える。“反”強誘電性液晶の三安定状態を示
す液晶相については、1)A.D.L.Chandan
i etal.,Japan J.Appl.Phy
s.,28,L−1265(1989)、2)H.Or
ihara etal.,JapanJ.Appl.P
hys.,29,L−333(1990)に報告されて
おり、“反”強誘電的性質にちなみS*CA相(Anti
ferroelectricSmectic C*相)
と命名している。本発明者らは、この液晶相が三安定状
態間のスイッチングを行なうためS*(3)相と命名し
た。三安定状態を示す“反”強誘電相S*(3)を相系列
に有する液晶化合物は、本出願人の出願した特開平1−
316367号、特開平1−316372号、特開平1
−316339号、特開平2−28128号及び市橋等
の特開平1−213390号公報があり、また三安定状
態を利用した液晶電気光学装置としては本出願人は特開
平2−40625号、特開平2−173724号におい
て新しい提案を行っている。“反”強誘電性液晶を液晶
ディスプレイへ応用する場合、1)動作温度範囲、2)
応答速度、3)自発分極、4)ヒステリシス特性等を単
一液晶で全て満足させることは困難であり、通常十数種
類の混合液晶として調製して用いられる。特に、1)の
動作温度範囲では、室温を含む低温度域で安定したディ
スプレイ動作特性を示す“反”強誘電性液晶の開発が望
まれている。しかしながら、室温を含む低温領域で
“反”強誘電性S*(3)相を安定して発現し、かつ高速
応答を示す“反”強誘電性液晶は未だ見い出されていな
い。なお、特開平5−32973号公報には3つの環が
連結した光学活性化合物を含む液晶組成物が開示されて
いるが、実施例のいずれもが、前記3つの環のうち1つ
が複素環よりなるものであって、本発明の化合物とは異
っている。
低消費電力性、3)薄形表示、4)受光型などの優れた
特徴を有するため、現在まで、TN方式、STN方式、
ゲスト−ホスト(Guest−Host)方式などが開
発され実用化されている。しかし、現在広く利用されて
いるネマチック液晶を用いたものは、応答速度が数ms
ec〜数十msecと遅い欠点があり、応用上種々の制
約を受けている。これらの問題を解決するため、STN
方式や薄層トランジスタなどを用いたアクティブマトリ
ックス方式などが開発されたが、STN型表示素子は、
表示コントラストや視野角などの表示品位は優れたもの
となったが、セルギャップやチルト角の制御に高い精度
を必要とすることや応答がやや遅いことなどが問題とな
っている。このため、応答性のすぐれた新しい液晶表示
方式の開発が要望されており、光学応答時間がμsec
オーダーと極めて短かい超高速デバイスが可能になる強
誘電性液晶の開発が試みられていた。強誘電性液晶は、
1975年、Meyer等によりDOBAMBC(p−
デシルオキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブ
チルシンナメート)が初めて合成された(Le Jou
rnal de Physique,36巻1975,
L−69)。さらに、1980年、ClarkとLag
awallによりDOBAMBCのサブマイクロ秒の高
速応答、メモリー特性など表示デバイス上の特性が報告
されて以来、強誘電性液晶が大きな注目を集めるように
なった〔N.A.Clark,etal.,Appl.
Phys.Lett.36.899(1980)〕。し
かし、彼らの方式には、実用化に向けて多くの技術的課
題があり、特に室温で強誘電性液晶を示す材料は無く、
表示ディスプレーに不可欠な液晶分子の配列制御に有効
かつ実用的な方法も確立されていなかった。この報告以
来、液晶材料/デバイス両面からの様々な試みがなさ
れ、ツイスト二状態間のスイッチングを利用した表示デ
バイスが試作され、それを用いた高速電気光学装置も例
えば特開昭56−107216号などで提案されている
が、高いコントラストや適正なしきい値特性は得られて
いない。このような視点から他のスイッチング方式につ
いても探索され、過渡的な散乱方式が提案された。その
後、1988年に本発明者らによる三安定状態を有する
液晶の三状態スイッチング方式が報告された〔A.D.
L.Chandani,T.Hagiwara,Y.S
uzuki etal.,Japan.J.ofApp
l.Phys.,27,(5),L729−L732
(1988)〕。前記「三状態を有する」とは、第一の
電極基板と所定の間隙を隔てて配置されている第二の電
極基板の間に強誘電性液晶が挟まれ前記第一及び第二の
電極基板に電界形成用の電圧が印加されるよう構成され
てなる液晶電気光学装置において、図1Aで示される三
角波電圧を印加したとき、無電界時に分子配向と透過率
が第一の安定状態〔図3の(a)および図1Dの2〕を
有し、かつ、電界印加時に一方の電界方向に対し分子配
向と透過率が前記第一の安定状態とは異なる第二の安定
状態〔図3の(b)および図1Dの1〕を有し、さらに
他方の電界方向に対し前記第一及び第二の安定状態とは
異なる第三の分子配向と透過率の安定状態〔図3の
(c)および図1Dの3〕を有することを意味する。な
お、この三安定状態を利用する液晶電気光学装置につい
ては、本出願人は特願昭63−70212号として出願
し、特開平2−153322号として公開されている。
三安定状態を示す反強誘電性液晶の特徴をさらに詳しく
説明する。クラーク/ラガウェル(Clark−Lag
awall)により提案された表面安定化強誘電性液晶
素子では、S*C相において強誘電性液晶分子が図2
(a),(b)のように一方向に均一配向した2つの安
定状態を示し、印加電界の方向により、どちらか一方の
状態に安定化され、電界を切ってもその状態が保持され
る。しかしながら実際には、強誘電性液晶分子の配向状
態は、液晶分子のダイレクターが捩れたツイスト二状態
を示したり、層が「く」の字に折れ曲ったシエブロン構
造を示す。シエブロン層構造では、スイッチング角が小
さくなり低コントラストの原因になるなど、実用化段階
へ向けて大きな障害になっている。一方、“反”強誘電
性液晶は三安定状態を示すS*(3)相では、上記液晶電
気光学装置において、無電界時には、図3(a)に示す
ごとく隣り合う層毎に分子は逆方向に傾いて配列し、液
晶分子の双極子はお互に打ち消し合っている。したがっ
て、液晶層全体として自発分極は打ち消されている。こ
の分子配列を示す液晶相の透過率は、図1Dの2に対応
している。さらに、(+)又は(−)のしきい値より充
分大きい電圧を印加すると、図3(b)および(c)に
示すように液晶分子が同一方向に傾き、平行に配列す
る。この状態では、分子の双極子も同一方向に揃うため
自発分極が発生し、強誘電相となる。すなわち、“反”
強誘電性液晶のS*(3)相においては、無電界時の
“反”強誘電相と印加電界の極性による2つの強誘電相
が安定になり、“反”強誘電相と2つの強誘電相間を直
流的しきい値を持って三安定状態間スイッチングを行う
ものである。このスイッチングに伴う液晶分子配列の変
化により印加電圧に応じて図4に示すダブル・ヒステリ
シスを描いて光透過率が変化する。このダブル・ヒステ
リシスに、図4の(A)に示すようにバイアス電圧を印
加して、さらにパルス電圧を重畳することによりメモリ
ー効果を実現できる特徴を有する。さらに、電界印加に
より強誘電相は層がストレッチされ、ブックシエルフ構
造となる。一方、無電解時の安定状態の“反”強誘電相
では類似ブックシエルフ構造となる。この電界印加によ
る層構造スイッチングが液晶層に動的シエアーを与える
ため駆動中に配向欠陥が改善され、良好な分子配向が実
現できる。そして、“反”強誘電性液晶では、プラス側
とマイナス側の両方のヒステリシスを交互に使い画像表
示を行なうため、自発分極に基づく内部電界の蓄積によ
る画像の残像現象を防止することができる。これらの結
果、“反”強誘電性液晶は、1)高速応答が可能で、
2)高いコントラストと広い視野角および3)良好な配
向特性とメモリー効果が実現できる、非常に有用な液晶
化合物と言える。“反”強誘電性液晶の三安定状態を示
す液晶相については、1)A.D.L.Chandan
i etal.,Japan J.Appl.Phy
s.,28,L−1265(1989)、2)H.Or
ihara etal.,JapanJ.Appl.P
hys.,29,L−333(1990)に報告されて
おり、“反”強誘電的性質にちなみS*CA相(Anti
ferroelectricSmectic C*相)
と命名している。本発明者らは、この液晶相が三安定状
態間のスイッチングを行なうためS*(3)相と命名し
た。三安定状態を示す“反”強誘電相S*(3)を相系列
に有する液晶化合物は、本出願人の出願した特開平1−
316367号、特開平1−316372号、特開平1
−316339号、特開平2−28128号及び市橋等
の特開平1−213390号公報があり、また三安定状
態を利用した液晶電気光学装置としては本出願人は特開
平2−40625号、特開平2−173724号におい
て新しい提案を行っている。“反”強誘電性液晶を液晶
ディスプレイへ応用する場合、1)動作温度範囲、2)
応答速度、3)自発分極、4)ヒステリシス特性等を単
一液晶で全て満足させることは困難であり、通常十数種
類の混合液晶として調製して用いられる。特に、1)の
動作温度範囲では、室温を含む低温度域で安定したディ
スプレイ動作特性を示す“反”強誘電性液晶の開発が望
まれている。しかしながら、室温を含む低温領域で
“反”強誘電性S*(3)相を安定して発現し、かつ高速
応答を示す“反”強誘電性液晶は未だ見い出されていな
い。なお、特開平5−32973号公報には3つの環が
連結した光学活性化合物を含む液晶組成物が開示されて
いるが、実施例のいずれもが、前記3つの環のうち1つ
が複素環よりなるものであって、本発明の化合物とは異
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、室温
を含む低温領域で三安定状態を示す反強誘電性S*(3)
相を安定的に示し、かつ高速応答が期待でき、さらに反
強誘電性混合液晶を構成する成分液晶として非常に有効
な化合物を提供する点にある。
を含む低温領域で三安定状態を示す反強誘電性S*(3)
相を安定的に示し、かつ高速応答が期待でき、さらに反
強誘電性混合液晶を構成する成分液晶として非常に有効
な化合物を提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、一般式
【化5】 (式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基よりな
る群から独立して選ばれた基であり、Rfは−CF3ま
たは−C2F5であり、XはCOOまたはCOを表わし、
る群から独立して選ばれた基であり、Rfは−CF3ま
たは−C2F5であり、XはCOOまたはCOを表わし、
【化6】 は、いずれも置換または非置換のフェニル環であり、そ
の置換基は1つ以上のフッ素および/または塩素であ
り、*は光学活性炭素を示す)で表わされる反強誘電性
液晶化合物に関する。
の置換基は1つ以上のフッ素および/または塩素であ
り、*は光学活性炭素を示す)で表わされる反強誘電性
液晶化合物に関する。
【0005】本発明の第二は、一般式
【化7】 (式中、R1,R2,Rf,Xおよび*はいずれも前記と
同一である)で表わされる反強誘電性液晶化合物に関す
る。
同一である)で表わされる反強誘電性液晶化合物に関す
る。
【0006】本発明の第三は、一般式
【化8】 (式中、R1,R2および*はいずれも前記と同一であ
る)で表わされる反強誘電性液晶化合物に関する。
る)で表わされる反強誘電性液晶化合物に関する。
【0007】つぎに、本発明の製造例を示す。 (製造例1)反応式は、化10、化11に示す。ターフ
ェニルに無水塩化アルミニウムと塩化アセチルを作用さ
せてフリーデルクラフト反応を行うことにより−1を
製造する。なお、ここで用いるフリーデルクラフト試薬
としては、無水塩化アルミニウム(AlCl3)の他に
AlBr3、FeCl3、SnCl4、SbCl5等を用い
ることができる。次いで、次亜臭素酸ナトリウム(Na
OBr)や次亜塩素酸ナトリウム(NaClO4)など
の次亜ハロゲン酸によりハロホルム反応でアセチル基
(CH3CO基)を酸化してカルボキシル基(COOH
基)に変換して−2を製造する。このものを、通常の
方法によりエチルエステル誘導体−3にする。更に、
前記したフリーデルクラフト反応、その後にバイヤー−
ビリガー酸化を行ない化合物−5を製造する。次に、
KOH、NaOH等の塩基を用いて加水分解を行い、
−6を得る。−6のOH基、COOH基を各々メトキ
シメチル基およびエチルエステル基に変換して−8を
製造する。次いでエチルエステル基をKOH等の塩基を
用いて前述した方法によりCOOH基に戻し、光学活性
1,1,1−トリフルオロ−2−アルカノールと脱水縮合
剤を用いてエステル化を行ない、−10を製造する。
ここで脱水縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド−アミノピリジン系、2−クロロ−1,3,5−ト
リニトロベンゼンとピリジン系、さらにN−N′−カル
ボニルジイミダゾール等が用いられる。次いで、−1
0のメトキシメチル基をHCl等の酸を用いて室温にて
OH基に変換したのち、アルカノイルクロリド、
ェニルに無水塩化アルミニウムと塩化アセチルを作用さ
せてフリーデルクラフト反応を行うことにより−1を
製造する。なお、ここで用いるフリーデルクラフト試薬
としては、無水塩化アルミニウム(AlCl3)の他に
AlBr3、FeCl3、SnCl4、SbCl5等を用い
ることができる。次いで、次亜臭素酸ナトリウム(Na
OBr)や次亜塩素酸ナトリウム(NaClO4)など
の次亜ハロゲン酸によりハロホルム反応でアセチル基
(CH3CO基)を酸化してカルボキシル基(COOH
基)に変換して−2を製造する。このものを、通常の
方法によりエチルエステル誘導体−3にする。更に、
前記したフリーデルクラフト反応、その後にバイヤー−
ビリガー酸化を行ない化合物−5を製造する。次に、
KOH、NaOH等の塩基を用いて加水分解を行い、
−6を得る。−6のOH基、COOH基を各々メトキ
シメチル基およびエチルエステル基に変換して−8を
製造する。次いでエチルエステル基をKOH等の塩基を
用いて前述した方法によりCOOH基に戻し、光学活性
1,1,1−トリフルオロ−2−アルカノールと脱水縮合
剤を用いてエステル化を行ない、−10を製造する。
ここで脱水縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド−アミノピリジン系、2−クロロ−1,3,5−ト
リニトロベンゼンとピリジン系、さらにN−N′−カル
ボニルジイミダゾール等が用いられる。次いで、−1
0のメトキシメチル基をHCl等の酸を用いて室温にて
OH基に変換したのち、アルカノイルクロリド、
【化9】 と反応させて目的化合物−12を製造することができ
る。 (以下余白)
る。 (以下余白)
【0008】
【化10】
【0009】
【化11】 注(1):DCCは、ジシクロヘキシルカルボジイミドの
略称である。
略称である。
【0010】(製造例2)反応式は、化12に示す。4
−ブロモアニソールにトリイソプロピルボレートを−5
0℃以下の低温で作用させ、化合物−1を製造し、次
いで、4−ブロモ−4′−シアノビフェニルとカップリ
ング反応させて化合物−2を製造する。これをKOH
等の塩基存在下、水−エタノール溶液中にてニトリル基
をカルボキシル基に変換し、さらに、HBrおよびアル
カノイルクロライドを順次作用させて化合物−5を製
造する。さらに酸クロリド−6に誘導し、さらに1,
1,1−トリフルオロ−2−アルカノール等の光学活性
アルコールとエステル反応を行ない目的化合物−7を
製造することができる。 (以下余白)
−ブロモアニソールにトリイソプロピルボレートを−5
0℃以下の低温で作用させ、化合物−1を製造し、次
いで、4−ブロモ−4′−シアノビフェニルとカップリ
ング反応させて化合物−2を製造する。これをKOH
等の塩基存在下、水−エタノール溶液中にてニトリル基
をカルボキシル基に変換し、さらに、HBrおよびアル
カノイルクロライドを順次作用させて化合物−5を製
造する。さらに酸クロリド−6に誘導し、さらに1,
1,1−トリフルオロ−2−アルカノール等の光学活性
アルコールとエステル反応を行ない目的化合物−7を
製造することができる。 (以下余白)
【0011】
【化12】
【0012】
【実施例】 実施例1
【化13】 4−n−オクチルカルボニルオキシ−4″−(1,1,1
−トリフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)−p
−ターフェニルの合成 反応式はつぎのとおりである。
−トリフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)−p
−ターフェニルの合成 反応式はつぎのとおりである。
【化14】
【化15】
【0013】化合物(2)の合成 化合物(1)172g、ベンゼン860ml及びアセチ
ルクロリド353gを−5℃に冷却し、無水塩化アルミ
ニウム200gを分散投入した。同温度で1時間、10
℃でさらに1時間反応させた。固形物を濾取し、メタノ
ール4lで分散洗浄した後、クロロホルムから再結晶し
て121gの化合物(2)を得た。収率59%
ルクロリド353gを−5℃に冷却し、無水塩化アルミ
ニウム200gを分散投入した。同温度で1時間、10
℃でさらに1時間反応させた。固形物を濾取し、メタノ
ール4lで分散洗浄した後、クロロホルムから再結晶し
て121gの化合物(2)を得た。収率59%
【0014】化合物(3)の合成 化合物(2)50gをジオキサン2lに溶解し、次亜臭
素酸ナトリウム水溶液(Br2151gと20%NaO
H水溶液780gから調整)を加えて60℃で2時間反
応した。室温まで冷却した後、塩酸を加えて酸性にし、
結晶を濾取し、水洗した。結晶をテトラヒドロフラン
(THF)3lに加熱溶解し、不溶解物を濾別した後、
濾液を500mlまで濃縮し、析出した結晶を濾取して
44gの化合物(3)を得た。
収率88%
素酸ナトリウム水溶液(Br2151gと20%NaO
H水溶液780gから調整)を加えて60℃で2時間反
応した。室温まで冷却した後、塩酸を加えて酸性にし、
結晶を濾取し、水洗した。結晶をテトラヒドロフラン
(THF)3lに加熱溶解し、不溶解物を濾別した後、
濾液を500mlまで濃縮し、析出した結晶を濾取して
44gの化合物(3)を得た。
収率88%
【0015】化合物(4)の合成 化合物(3)44gをクロロホルム450ml及び塩化
チオニル450mlとともに4時間加熱還流した後、溶
媒及び塩化チオニルを減圧留去した。残渣に3%トリエ
チルアミンエタノール溶液3lを加えて12時間加熱撹
拌した。溶媒を減圧留去した後、テトラヒドロフラン2
lを加えて、不溶物を濾過し、濾液を減圧留去して得ら
れた結晶をベンゼンで洗浄して化合物(4)35gを得
た。収率71%
チオニル450mlとともに4時間加熱還流した後、溶
媒及び塩化チオニルを減圧留去した。残渣に3%トリエ
チルアミンエタノール溶液3lを加えて12時間加熱撹
拌した。溶媒を減圧留去した後、テトラヒドロフラン2
lを加えて、不溶物を濾過し、濾液を減圧留去して得ら
れた結晶をベンゼンで洗浄して化合物(4)35gを得
た。収率71%
【0016】化合物(5)の合成 化合物(4)29.2gをメチレンクロリド290ml
に溶解し、無水塩化アルミニウム30.9gを加えた
後、アセチルクロリド18.3gを滴下した。加熱還流
下で4時間反応した。氷水に反応液を分散し、クロロホ
ルムで抽出し、水洗、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残
渣をクロロホルム、メタノールの混合液で再結晶して2
4.1gの化合物(5)を得た。 収率
72%
に溶解し、無水塩化アルミニウム30.9gを加えた
後、アセチルクロリド18.3gを滴下した。加熱還流
下で4時間反応した。氷水に反応液を分散し、クロロホ
ルムで抽出し、水洗、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残
渣をクロロホルム、メタノールの混合液で再結晶して2
4.1gの化合物(5)を得た。 収率
72%
【0017】化合物(6)の合成 化合物(5)27.0gをメチレンクロリド540ml
に溶解し、ギ酸121g、無水酢酸46g、濃硫酸15
gを加えた後、氷冷下で35%過酸化水素水を滴下し
た。8時間加熱還流した後、氷水に分散し、クロロホル
ムで抽出し、水洗、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣
をクロロホルム、メタノールの混合液で再結晶して1
6.5gの化合物(6)を得た。
収率58%
に溶解し、ギ酸121g、無水酢酸46g、濃硫酸15
gを加えた後、氷冷下で35%過酸化水素水を滴下し
た。8時間加熱還流した後、氷水に分散し、クロロホル
ムで抽出し、水洗、乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣
をクロロホルム、メタノールの混合液で再結晶して1
6.5gの化合物(6)を得た。
収率58%
【0018】化合物(7)の合成 化合物(6)16.5gをエタノール500mlに溶解
し、50%水酸化カリウム水溶液34gを加えて5時間
還流した。塩酸を加えてpH1とした後、さらに1時間
還流した。室温まで冷却して析出している結晶を濾取
し、水洗、乾燥して12.5gの化合物(7)を得た。
収率94%
し、50%水酸化カリウム水溶液34gを加えて5時間
還流した。塩酸を加えてpH1とした後、さらに1時間
還流した。室温まで冷却して析出している結晶を濾取
し、水洗、乾燥して12.5gの化合物(7)を得た。
収率94%
【0019】化合物(8)の合成 化合物(7)25.0g、エタノール1l、テトラヒド
ロフラン1l及び濃硫酸100gの混合物を3時間加熱
撹拌し、不溶解物を熱濾過した後、放冷し析出した結晶
を濾取した。結晶を水で洗浄した後、乾燥して23.1
gの化合物(8)を得た。
収率85%
ロフラン1l及び濃硫酸100gの混合物を3時間加熱
撹拌し、不溶解物を熱濾過した後、放冷し析出した結晶
を濾取した。結晶を水で洗浄した後、乾燥して23.1
gの化合物(8)を得た。
収率85%
【0020】化合物(9)の合成 化合物(8)13.7g、クロロメチルメチルエーテル
13.0g、無水炭酸カリウム22.2gをジメチルホ
ルムアミド(DMF)70ml中で24時間100℃で
加熱撹拌した。冷却後、水500mlを加えて析出した
固形物を濾取した。これをテトラヒドロフラン600m
lに溶解し、不溶解物を濾別した後、溶媒を減圧留去し
た。残渣にメタノールを加えて、析出する結晶を濾取
し、乾燥して10.1gの化合物(9)を得た。
収率64%
13.0g、無水炭酸カリウム22.2gをジメチルホ
ルムアミド(DMF)70ml中で24時間100℃で
加熱撹拌した。冷却後、水500mlを加えて析出した
固形物を濾取した。これをテトラヒドロフラン600m
lに溶解し、不溶解物を濾別した後、溶媒を減圧留去し
た。残渣にメタノールを加えて、析出する結晶を濾取
し、乾燥して10.1gの化合物(9)を得た。
収率64%
【0021】化合物(10)の合成 化合物(9)22.8g、エタノール950ml及び5
0%水酸化カリウム水溶液64gを4時間加熱還流し
た。反応混合物に希塩酸を加えてpHを3〜4に調整し
た後、結晶を濾取し、水洗、乾燥して21.0gの化合
物(10)を得た。
収率100%
0%水酸化カリウム水溶液64gを4時間加熱還流し
た。反応混合物に希塩酸を加えてpHを3〜4に調整し
た後、結晶を濾取し、水洗、乾燥して21.0gの化合
物(10)を得た。
収率100%
【0022】化合物(11)の合成 化合物(10)11.1gをメチレンクロリド200m
lに溶解し、(R)−(+)−1,1,1−トリフロロ−2
−オクタノール7.0g、ジメチルアミノピリジン50
mg及びEDC−HCl〔EDC−HClは、1−エチ
ル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイ
ミド・塩酸塩のことである。〕7.0gを加えて室温で
24時間撹拌した。反応液を水洗した後、乾燥し、溶媒
を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製し、さらにメタノールから再結晶すること
により8.0gの化合物(11)を得た。収率48%
lに溶解し、(R)−(+)−1,1,1−トリフロロ−2
−オクタノール7.0g、ジメチルアミノピリジン50
mg及びEDC−HCl〔EDC−HClは、1−エチ
ル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイ
ミド・塩酸塩のことである。〕7.0gを加えて室温で
24時間撹拌した。反応液を水洗した後、乾燥し、溶媒
を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製し、さらにメタノールから再結晶すること
により8.0gの化合物(11)を得た。収率48%
【0023】化合物(12)の合成 化合物(11)8.0gをアセトン170mlに溶解
し、濃塩酸17mlを加えて室温で2時間撹拌した。反
応液に水300mlを加えて氷冷し析出する結晶を濾取
した。結晶を10%含水アセトンで洗浄した後、乾燥し
て6.5gの化合物(12)を得た。
収率89%
し、濃塩酸17mlを加えて室温で2時間撹拌した。反
応液に水300mlを加えて氷冷し析出する結晶を濾取
した。結晶を10%含水アセトンで洗浄した後、乾燥し
て6.5gの化合物(12)を得た。
収率89%
【0024】化合物(13)の合成 化合物(12)2.0gをメチレンクロリド20mlに
溶解し、トリエチルアミン0.54gを加えた後、ノナ
ノイルクロリド1.0gを滴下した。室温で12時間撹
拌した後、希塩酸、飽和食塩水、飽和重ソウ水、食塩水
で順次洗浄した後、乾燥し溶媒を減圧留去した。得られ
た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、次
にODSフラッシュクロマトグラフィー及びエタノール
再結晶によって精製することによって化合物(13)
1.2gを得た。収率46%
溶解し、トリエチルアミン0.54gを加えた後、ノナ
ノイルクロリド1.0gを滴下した。室温で12時間撹
拌した後、希塩酸、飽和食塩水、飽和重ソウ水、食塩水
で順次洗浄した後、乾燥し溶媒を減圧留去した。得られ
た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、次
にODSフラッシュクロマトグラフィー及びエタノール
再結晶によって精製することによって化合物(13)
1.2gを得た。収率46%
【0025】相転移点の測定には該化合物を無水エタノ
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
【表1】
【0026】実施例2
【化16】 4−n−ノニルカルボニルオキシ−4″−(1,1,1−
トリフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)−p−
ターフェニルの合成 実施例1の化合物(12)2gを原料としてノナノイル
クロリド1.0gの代りにデカノイルクロリド1.0g
を用いて実施例1と全く同様な方法によって製造し、目
的化合物1.1gを得た。
トリフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)−p−
ターフェニルの合成 実施例1の化合物(12)2gを原料としてノナノイル
クロリド1.0gの代りにデカノイルクロリド1.0g
を用いて実施例1と全く同様な方法によって製造し、目
的化合物1.1gを得た。
【0027】相転移点の測定には該化合物を無水エタノ
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
【表2】 Sxは高次のスメクチック液晶相である。
【0028】実施例3
【化17】 4−n−デシルカルボニルオキシ−4″−(1,1,1−
トリフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)−p−
ターフェニルの合成 実施例1の化合物(12)2gを原料としてノナノイル
クロリド1gの代りにウンデカノイル1.1gを用いて
実施例1と全く同様な方法によって、目的化合物1.2
gを得た。
トリフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)−p−
ターフェニルの合成 実施例1の化合物(12)2gを原料としてノナノイル
クロリド1gの代りにウンデカノイル1.1gを用いて
実施例1と全く同様な方法によって、目的化合物1.2
gを得た。
【0029】相転移点の測定には該化合物を無水エタノ
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
【表3】
【0030】実施例4
【化18】 4−n−オクチルカルボニルオキシ−4″−(1,1,1
−トリフルオロ−2−デシルオキシカルボニル)−p−
ターフェニルの合成 実施例1の化合物(11)の合成に用いる(R)−(+)−
1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノールに代えて、
(R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−2−デカノール
を用いて全く同様の方法で目的化合物1.1gを得た。
−トリフルオロ−2−デシルオキシカルボニル)−p−
ターフェニルの合成 実施例1の化合物(11)の合成に用いる(R)−(+)−
1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノールに代えて、
(R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−2−デカノール
を用いて全く同様の方法で目的化合物1.1gを得た。
【0031】相転移点の測定には該化合物を無水エタノ
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
【表4】
【0032】実施例5
【化19】 4−n−ノニルカルボニルオキシ−4″−(1,1,1−
トリフルオロ−2−デシルオキシカルボニル)−p−タ
ーフェニルの合成 実施例1の化合物(11)の合成に用いた(R)−(+)−
1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノールに代えて、
(R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−2−デカノール
を用い、さらに実施例1の化合物(13)の合成に用い
たノナノイルクロリド1.0gの代りにデカノイルクロ
リド1.0gを用いた以外は実施例1と全く同様の方法
で、目的化合物1.1gを得た。
トリフルオロ−2−デシルオキシカルボニル)−p−タ
ーフェニルの合成 実施例1の化合物(11)の合成に用いた(R)−(+)−
1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノールに代えて、
(R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−2−デカノール
を用い、さらに実施例1の化合物(13)の合成に用い
たノナノイルクロリド1.0gの代りにデカノイルクロ
リド1.0gを用いた以外は実施例1と全く同様の方法
で、目的化合物1.1gを得た。
【0033】相転移点の測定には該化合物を無水エタノ
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
【表5】
【0034】実施例6
【化20】 4−n−デシルカルボニルオキシ−4″−(1,1,1−
トリフルオロ−2−デシルオキシカルボニル)−p−タ
ーフェニルの合成 実施例1の化合物(11)の合成に用いた(R)−(+)−
1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノールの代りに
(R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−2−デカノール
を用い、さらに実施例1の化合物(13)の合成に用い
たノナノイルクロリド1.0gの代りにウンデカノイル
クロリド1.2gを用いた以外は実施例1と全く同様の
方法で、目的化合物1.2gを得た。
トリフルオロ−2−デシルオキシカルボニル)−p−タ
ーフェニルの合成 実施例1の化合物(11)の合成に用いた(R)−(+)−
1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノールの代りに
(R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−2−デカノール
を用い、さらに実施例1の化合物(13)の合成に用い
たノナノイルクロリド1.0gの代りにウンデカノイル
クロリド1.2gを用いた以外は実施例1と全く同様の
方法で、目的化合物1.2gを得た。
【0035】相転移点の測定には該化合物を無水エタノ
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
ールにて再結晶して更に精製して用いた。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による目的化合物の相転移温度
(℃)は次の通りである。
【表6】
【0036】実施例7 ラビング処理したポリイミド配向膜をITO電極基板上
に有するセル厚1.9μmの液晶セルに、実施例1と4
で得られた液晶化合物をそれぞれIsotropic相
において充填し、それぞれの液晶薄膜セルを作成した。
作成した液晶セルを2枚の偏光板を直交させたフォトマ
ルチプライヤー付き偏光顕微鏡に、電圧0Vの状態で暗
視野となるように配置した。この液晶セルを0.1〜
1.0℃/1分間の温度勾配にてS*(3)相が現われる
温度TcA℃まで徐冷する。さらに徐冷して、TcAから
(A)に示す−5℃、−10℃、−20℃、−30℃の
各温度において図5(A)に示す±40Vのパルス電圧
を印加する。図5(B)に示す透過率の変化から求めた
応答速度をτr、τd、τとし、実施例1と後述の比較
例1の化合物のデータを図6に、実施例4と従来の比較
例2の化合物のデータを図7にそれぞれ示した。実施例
のものに較べて、比較例のものの応答速度が遅いことは
図6、7より明らかである。
に有するセル厚1.9μmの液晶セルに、実施例1と4
で得られた液晶化合物をそれぞれIsotropic相
において充填し、それぞれの液晶薄膜セルを作成した。
作成した液晶セルを2枚の偏光板を直交させたフォトマ
ルチプライヤー付き偏光顕微鏡に、電圧0Vの状態で暗
視野となるように配置した。この液晶セルを0.1〜
1.0℃/1分間の温度勾配にてS*(3)相が現われる
温度TcA℃まで徐冷する。さらに徐冷して、TcAから
(A)に示す−5℃、−10℃、−20℃、−30℃の
各温度において図5(A)に示す±40Vのパルス電圧
を印加する。図5(B)に示す透過率の変化から求めた
応答速度をτr、τd、τとし、実施例1と後述の比較
例1の化合物のデータを図6に、実施例4と従来の比較
例2の化合物のデータを図7にそれぞれ示した。実施例
のものに較べて、比較例のものの応答速度が遅いことは
図6、7より明らかである。
【0037】比較例1
【化21】 4−n−オクチルオキシ−4″−(1,1,1−トリフ
ルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)−p−ターフ
ェニルの合成 4″−n−オクチルオキシターフェニル−4−カルボン
酸1.6gを過剰の塩化チオニルと共に還流下に6時間
加熱した後、未反応の塩化チオニルを留去して4″−n
−オクチルオキシターフェニル−4−カルボン酸塩化物
を得た。前記酸塩化物を塩化メチレン50mlに溶解し
た溶液に、1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノー
ル0.7g、トリエチルアミン0.4gおよびジメチル
アミノピリジン0.1gを塩化メチレン50mlに溶解
したものを氷冷下徐々に加え室温にて一昼夜反応させ
た。次いで、反応液を氷水に投入し、塩化メチレンにて
抽出し、塩化メチレン相を希塩酸、水、炭酸ナトリウム
水溶液、そして水の順に洗浄して、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した後、溶媒を留去して、粗生成物を得た。これ
をシリカゲルクロマトグラフ法により精製して、光学活
性な目的化合物1.1gを得た。相転移点の測定には該
化合物を無水エタノールにて再結晶して更に精製して用
いた。ホットステージ付偏光顕微鏡観察による目的化合
物の相転移温度(℃)は次の通りである。
ルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)−p−ターフ
ェニルの合成 4″−n−オクチルオキシターフェニル−4−カルボン
酸1.6gを過剰の塩化チオニルと共に還流下に6時間
加熱した後、未反応の塩化チオニルを留去して4″−n
−オクチルオキシターフェニル−4−カルボン酸塩化物
を得た。前記酸塩化物を塩化メチレン50mlに溶解し
た溶液に、1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノー
ル0.7g、トリエチルアミン0.4gおよびジメチル
アミノピリジン0.1gを塩化メチレン50mlに溶解
したものを氷冷下徐々に加え室温にて一昼夜反応させ
た。次いで、反応液を氷水に投入し、塩化メチレンにて
抽出し、塩化メチレン相を希塩酸、水、炭酸ナトリウム
水溶液、そして水の順に洗浄して、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した後、溶媒を留去して、粗生成物を得た。これ
をシリカゲルクロマトグラフ法により精製して、光学活
性な目的化合物1.1gを得た。相転移点の測定には該
化合物を無水エタノールにて再結晶して更に精製して用
いた。ホットステージ付偏光顕微鏡観察による目的化合
物の相転移温度(℃)は次の通りである。
【表7】
【0038】比較例2 4−(1,1,1−トリフルオロ−2−デシルオキシカ
ルボニル)−4″−オクチルオキシターフェニルの合成
ルボニル)−4″−オクチルオキシターフェニルの合成
【化22】 実施例1の化合物(11)の合成における1,1,1−
トリフルオロ−2−オクタノールに代えて1,1,1−
トリフルオロ−2−デカノールを用いて合成を行い、目
的物を得た。ホットステージの偏光顕微鏡観察により次
の相転移温度(℃)を得た。
トリフルオロ−2−オクタノールに代えて1,1,1−
トリフルオロ−2−デカノールを用いて合成を行い、目
的物を得た。ホットステージの偏光顕微鏡観察により次
の相転移温度(℃)を得た。
【表8】 但し、S*(3)は光学的三安定状態液晶相を示す。
【0039】
【効果】本発明のアルキルカルボニルオキシ側鎖やアル
キルカルボニル側鎖を有するターフェニル骨格から成る
反強誘電性液晶化合物は、アルキル側鎖や比較例に示す
アルキルオキシ側鎖を有するターフェニル骨格型のもの
に比較して、反強誘電相S*(3)相の温度範囲が、15
〜25℃程度低温領域に拡張し、更に、交番電場に対す
る応答時間τ、τr、τdともに著しく高速の応答時間
を示すことが明らかとなった。従って、本発明の反強誘
電性化合物は、実用温度領域において三安定状態を示す
反強誘電性S*(3)相を安定的に示し、かつ高速応答が
期待でき、さらに反強誘電性液晶組成物を構成する成分
液晶として、実用温度範囲と高速応答を付与するのに有
効な反強誘電性液晶を提供するものである。
キルカルボニル側鎖を有するターフェニル骨格から成る
反強誘電性液晶化合物は、アルキル側鎖や比較例に示す
アルキルオキシ側鎖を有するターフェニル骨格型のもの
に比較して、反強誘電相S*(3)相の温度範囲が、15
〜25℃程度低温領域に拡張し、更に、交番電場に対す
る応答時間τ、τr、τdともに著しく高速の応答時間
を示すことが明らかとなった。従って、本発明の反強誘
電性化合物は、実用温度領域において三安定状態を示す
反強誘電性S*(3)相を安定的に示し、かつ高速応答が
期待でき、さらに反強誘電性液晶組成物を構成する成分
液晶として、実用温度範囲と高速応答を付与するのに有
効な反強誘電性液晶を提供するものである。
【図1】Aは印加される三角波を、Bは市販のネマチッ
ク液晶の、Cは二安定状態液晶の、Dは三安定状態液晶
の、それぞれの光学応答特性を示す。
ク液晶の、Cは二安定状態液晶の、Dは三安定状態液晶
の、それぞれの光学応答特性を示す。
【図2】クラーク/ラガウェルにより提案された強誘電
性液晶分子の二つの安定した配向状態を示す。
性液晶分子の二つの安定した配向状態を示す。
【図3】本発明の“反”強誘電性液晶分子の三つの安定
した配向状態を示す。
した配向状態を示す。
【図4】“反”強誘電性液晶分子が印加電圧に対応して
ダブルヒステリシスを描いて光透過率が変化することを
示す印加電圧−光透過率特性図である。
ダブルヒステリシスを描いて光透過率が変化することを
示す印加電圧−光透過率特性図である。
【図5】Aは印加電圧と時間の関係を示し、Bはその印
加電圧がかかったときの液晶分子の応答状態を示すグラ
フである。
加電圧がかかったときの液晶分子の応答状態を示すグラ
フである。
【図6】実施例1と比較例1の化合物の相転移温度と応
答速度の比較データを示すグラフである。
答速度の比較データを示すグラフである。
【図7】実施例4と比較例2の化合物の相転移温度と応
答速度の比較データを示すグラフである。
答速度の比較データを示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、R1とR2は炭素数4〜18のアルキル基よりな
る群から独立して選ばれた基であり、Rfは−CF3ま
たは−C2F5であり、XはCOOまたはCOを表わし、 【化2】 は、いずれも置換または非置換のフェニル環であり、そ
の置換基は1つ以上のフッ素および/または塩素であ
り、*は光学活性炭素を示す)で表わされる反強誘電性
液晶化合物。 - 【請求項2】 一般式 【化3】 (式中、R1,R2,Rf,Xおよび*はいずれも前記と
同一である)で表わされる反強誘電性液晶化合物。 - 【請求項3】 一般式 【化4】 (式中、R1,R2および*はいずれも前記と同一であ
る)で表わされる反強誘電性液晶化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19542193A JPH0725829A (ja) | 1993-07-13 | 1993-07-13 | 反強誘電性液晶化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19542193A JPH0725829A (ja) | 1993-07-13 | 1993-07-13 | 反強誘電性液晶化合物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0725829A true JPH0725829A (ja) | 1995-01-27 |
Family
ID=16340802
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19542193A Pending JPH0725829A (ja) | 1993-07-13 | 1993-07-13 | 反強誘電性液晶化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0725829A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008214270A (ja) * | 2007-03-05 | 2008-09-18 | Fujifilm Corp | トリアジン誘導体、液晶組成物、異方性材料、及びそれを用いた液晶表示装置 |
-
1993
- 1993-07-13 JP JP19542193A patent/JPH0725829A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008214270A (ja) * | 2007-03-05 | 2008-09-18 | Fujifilm Corp | トリアジン誘導体、液晶組成物、異方性材料、及びそれを用いた液晶表示装置 |
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