JPH07258166A - ベンジリデンマロン酸エステル誘導体およびその重合体 - Google Patents

ベンジリデンマロン酸エステル誘導体およびその重合体

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JPH07258166A
JPH07258166A JP5701794A JP5701794A JPH07258166A JP H07258166 A JPH07258166 A JP H07258166A JP 5701794 A JP5701794 A JP 5701794A JP 5701794 A JP5701794 A JP 5701794A JP H07258166 A JPH07258166 A JP H07258166A
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康洋 米田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 日焼け防止効果の持続性に優れ、安全性が高
く、かつ化学的に安定な高分子紫外線吸収剤として有用
なベンジリデンマロン酸エステル誘導体のポリマー及び
その原料単量体の提供。 【構成】 式(I)で表されるベンジリデンマロン酸エ
ステル誘導体、及びその単独重合体、共重合体並びに自
己分散型水性ポリマーエマルジョン。 【化1】 (R1はH 又はメチル基、R2はC1-12 のアルキレン基又は
−(CH2CH2O)n−CH2CH2−(nは1〜5)、R3及びR4はC
1-6のアルキル基、R5はH 又はC1-6のアルキル基あるい
はアルコキシ基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベンジリデンマロン酸
エステルを基礎とした紫外線吸収性を有する新規な重合
性単量体およびその重合体、並びに紫外線吸収剤に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】紫外線
は生物学的作用により長波長紫外線(UV−A)、中波
長紫外線(UV−B)、短波長紫外線(UV−C)に分
けられるが、最もエネルギー的に高く、強力な殺菌作用
を有するUV−Cは、地球をとりまくオゾン層により吸
収され、地表に届く量は少ない。しかし、フロンガスに
よるオゾン層の破壊により、最近ではUV−Cを含め地
表に届く全紫外線量は増加の傾向にある。照射量の多い
UV−AとUV−Bはそれぞれ紅斑を起こさず皮膚の黒
化をもたらす(サンタン)現象、ほてりや水疱を作る
(サンバーン)現象を引き起こす。これら紫外線による
害は、一次的な日焼けにとどまらず、長期的にはシワの
多い皮膚を作り、いわゆる老化を促進したり、皮膚癌の
因子となるほか、光過敏症の誘発等が問題となってい
る。
【0003】これら障害を予防するため、紫外線を吸収
する吸収剤と、紫外線を反射、散乱させる散乱剤が目的
や適用部位の条件に応じてクリーム、乳液、ローショ
ン、オイル、ゲル、粉体等の適当な剤型の化粧料中に配
合されている。これらに用いられる紫外線吸収剤として
はパラアミノ安息香酸エステル誘導体、ベンゾフェノン
誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、桂皮酸エステル誘
導体等があり、散乱剤としては二酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化鉄、カオリン、タルク等がある。前者の紫外線
吸収剤は皮膚上への適用後、汗による流失、衣服への移
行、体内への経皮吸収等により、短時間のうちに消失し
やすい。さらに、そのもの自体が有する刺激性や皮膚透
過性および光を受けたときに生じる一過性の刺激を皮膚
にもたらす等の安全性の潜在的な問題がある。また後者
の散乱剤は安全性は特に問題ないが紫外線だけを反射、
散乱するような微粒子を製造することが難しく、可視光
の反射散乱による白ぼけや着色等の問題がある。このよ
うな理由から上記の吸収剤や散乱剤の使用量が制限さ
れ、紫外線防御効果は必ずしも十分ではないのが現状で
ある。
【0004】また、紫外線吸収剤の安全性および持続性
を向上させる目的から高分子量の紫外線吸収剤の開発が
進んでいる。すなわち、紫外線吸収剤を高分子量化する
ことにより皮膚への透過性を低下させると同時に、汗、
皮脂による移行・流失を抑制できる。そこで、本発明者
らはUV−B領域に強い吸収を有し、化学的および光化
学的にも安定性が高いベンジリデンマロン酸エステル構
造に着目し、ベンジリデンマロン酸エステル構造を有す
る重合性単量体およびその重合体を得るべく検討を行っ
た。
【0005】ベンジリデンマロン酸エステル構造を有す
る高分子としては、すでにいくつかの化合物が知られて
いる。しかしながら、これらはいずれも化粧料用の高分
子紫外線吸収剤としての使用を考えた場合いくつかの欠
点がある。例えば、特開昭49−52841 号公報及び特開昭
49−52854 号公報にはアルケノイルオキシベンジリデン
マロン酸エステルの重合体が開示されているが、本化合
物はベンジリデンマロン酸構造が高分子主鎖とフェノー
ル性のエステル結合を介して結合しているため、耐加水
分解性が十分ではなくアルカリ等により容易に加水分解
するという欠点を有している。また、特開平2−270816
号公報にはベンザルマロネート官能基をもつジオルガノ
ポリシロキサンも開示されているが、本化合物はシリコ
ーン油に対しては高い溶解性を示すが、同時にシリコー
ン油以外の油剤および/または水を配合した化粧料には
紫外線防御に十分な量を配合できないという欠点を有し
ている。さらに、特開平2−59541 号公報にはベンジリ
デンマロネートの不飽和誘導体が開示されているが、本
化合物は不飽和基がアリル性の炭素−炭素二重結合であ
るためラジカル重合性が低く高分子化は困難である。こ
のように、従来のベンジリデンマロン酸エステル構造を
有する高分子紫外線吸収剤はさらに解決すべき問題を残
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記状況のもと、本発明
者らは日焼け防止効果の持続性に優れ、安全性が高く、
かつ化学的に安定な高分子紫外線吸収剤を開発すべく鋭
意検討を行った結果、新規な紫外線吸収性の単量体とし
てベンジリデンマロン酸エステル誘導体を得ることがで
き、その単量体が容易に単独重合し、また他の一般的な
重合性単量体とも容易に共重合し、さらに得られた重合
体は光安定性が高く、pHに対する安定性も良好であり、
共重合させる単量体の種類とその共重合比を選択するこ
とにより、溶解性を自由に制御することが可能であり、
水溶性の重合体から油溶性の重合体、さらには低粘度で
透明性の高い安定な水性エマルジョンを得ることができ
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、下記(1) 〜(5) に示
すベンジリデンマロン酸エステル誘導体及びその製造
法、その単独重合体、共重合体及び自己分散型水性ポリ
マーエマルジョン、並びにこれら重合体あるいは水性ポ
リマーエマルジョンからなる紫外線吸収剤を提供するも
のである。 (1) 下記の一般式(I)で表されるベンジリデンマロン
酸エステル誘導体及びその製造法。
【0008】
【化3】
【0009】(式中、R1は水素原子またはメチル基を示
し、R2は直鎖または分岐鎖の炭素数1〜12のアルキレン
基または式−(CH2CH2O)n−CH2CH2−(式中、nは1〜5
の整数を示す)で表される基を示し、R3及びR4は同一ま
たは異なり、直鎖または分岐鎖の炭素数1〜6のアルキ
ル基を示し、R5は水素原子または直鎖もしくは分岐鎖の
炭素数1〜6のアルキル基あるいは直鎖または分岐鎖の
炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。) (2) 上記一般式(I)で表されるベンジリデンマロン酸
エステル誘導体の単独重合により得られる、紫外線吸収
性を有する重量平均分子量が1,000 〜500,000の単独重
合体。 (3) 上記一般式(I)で表されるベンジリデンマロン酸
エステル誘導体を他の1種類以上の重合性単量体と共重
合して得られる、構成成分としてベンジリデンマロン酸
エステル誘導体成分を少なくとも20重量%以上含有する
ことを特徴とする紫外線吸収性を有する重量平均分子量
が1,000 〜500,000 の共重合体。 (4) 上記一般式(I)で表されるベンジリデンマロン酸
エステル誘導体および塩生成基を有する重合性単量体、
さらに必要に応じて他の1種類以上の重合性単量体を共
重合して得られる、ベンジリデンマロン酸エステル誘導
体成分20〜95重量%および塩生成基を有する重合性単量
体成分5〜80重量%を必須構成成分として含有する共重
合体の有機溶剤溶液に必要に応じて中和剤を加え塩生成
基をイオン化し、続いて水を加えた後、有機溶剤を留去
することにより得られる紫外線吸収性を有する自己分散
型水性ポリマーエマルジョン。
【0010】(5) 上記(2) の単独重合体、上記(3) の共
重合体或いは上記(4) の自己分散型水性ポリマーエマル
ジョンからなる紫外線吸収剤。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。上記一般
式(I)において、R1は水素原子またはメチル基を示す
が、R1が炭素数2以上のアルキル基の場合、重合性が極
端に低下し好ましくない。またR2は直鎖または分岐鎖の
炭素数1〜12のアルキレン基または式−(CH2CH2O)n−CH
2CH2−(式中、nは1〜5の整数を示す)で表される基
を示すが、好ましくは炭素数1〜8のアルキレン基又は
式−(CH2CH2O)n'−CH2CH2−(n'は1〜4の整数を示す)
で表される基であり、より好ましくは炭素数1〜6のア
ルキレン基又は式−(CH2CH2O)n"−CH2CH2−(n"は1〜
2の整数を示す)で表される基である。R2で示されるア
ルキレン基の炭素数が12を超える場合および式−(CH2CH
2O)n−CH2CH2−で表される基のnが5を超える場合、単
位重量あたりの紫外線吸収基の割合が低下し紫外線防御
効果が低下するため好ましくない。
【0012】一般式(I)において、R3及びR4は同一ま
たは異なり、直鎖または分岐鎖の炭素数1〜6のアルキ
ル基を示すが、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基で
ある。アルキル基の炭素数が6を超える場合、単位重量
あたりの紫外線吸収基の割合が低下し紫外線防御効果が
低下するため好ましくない。またR5は水素原子または直
鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜6のアルキル基あるいは
直鎖または分岐鎖の炭素数1〜6のアルコキシ基を示す
が、好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル
基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基である。アルキ
ル基およびアルコキシ基の炭素数が6を超える場合、単
位重量あたりの紫外線吸収基の割合が低下し紫外線防御
効果が低下するため好ましくない。
【0013】本発明による一般式(I)で表されるベン
ジリデンマロン酸エステル誘導体は、以下に示す3段階
の反応により得ることができる。 <第1段階目の反応>下記式(II)で表される(置換)
パラヒドロキシベンズアルデヒドと、式(III) で表され
る炭素数1〜12のジオールのモノハロゲン置換化合物あ
るいはポリエチレングリコールのモノハロゲン置換化合
物とを、水を溶媒に用い水酸化ナトリウムの様な塩基を
触媒とする反応、すなわちWiliamson 反応により反応さ
せて式(IV) で表されるエーテル化合物を得る。反応式
は次のようである。
【0014】
【化4】
【0015】(上記一連の式中、 R2及びR5は式(I)
のため前記に定義された意味を示し、X はハロゲン原子
を示す。) <第2段階目の反応>式(IV)で表されるエーテル化合
物と式(V)で表されるマロン酸ジエステルとを、ベン
ゼン、トルエン等の有機溶媒中で触媒としてピペジリニ
ウムアセテートの存在下、共沸法により生成する水を除
去しながら縮合する反応、すなわちKnoevenagel 反応に
より反応させて、式 (VI) で表される相当するベンジリ
デンマロン酸エステル化合物を得る。反応式は次のよう
である。
【0016】
【化5】
【0017】(上記一連の式中、R2、R3、R4及びR5は式
(I)のため前記に定義された意味を示す。) <第3段階目の反応>式(VI)で表されるベンジリデン
マロン酸エステル化合物を式(VII)で表される酸クロラ
イドでエステル化することにより、目的生成物である式
(I)で表されるベンジリデンマロン酸エステル誘導体
を得ることができる。この反応は公知のエステル化反応
と同様に行うことができ、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、エーテ
ル等の有機溶媒中、ピリジン、トリエチルアミン等のア
ミン共存下で行うことができる。反応式は次のようであ
る。
【0018】
【化6】
【0019】(上記一連の式中、R1、R2、R3、R4及びR5
は式(I)のため前記に定義された意味を示す。) 上記のような方法で得られる本発明の式(I)で表され
るベンジリデンマロン酸エステル誘導体は公知の方法に
より容易に重合し、紫外線吸収性を有する単独重合体お
よび他の1種類以上の重合性単量体との共重合体を与え
ることができる。
【0020】本発明の共重合体の製造において用いられ
る他の重合性単量体としては、エチレン、プロペン、ブ
テン、ペンテン、ヘキセンなどのオレフィン類、塩化ビ
ニル、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化エチ
レン類;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの
ジエン類;スチレン、アルキルスチレン、ハロゲン化ス
チレン、p−クロロメチルスチレン、アルコキシスチレ
ン、ヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸、ニトロスチ
レン、シアノスチレン、アミノスチレン、ビニルベンゼ
ンスルホン酸などのスチレン類;酢酸ビニル、クロロ酢
酸ビニルなどのビニルエステル類;メチルビニルケト
ン、エチルビニルケトン、イソプロピルビニルケトン、
フェニルビニルケトンなどのビニルケトン類;アクリル
酸、クロトン酸、メタクリル酸、メタクロレインなどの
(メタ)アクリル酸類;メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メ
タ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、
N −メチル(メタ)アクリルアミド、N −エチル(メ
タ)アクリルアミド、N −イソプロピルアクリルアミ
ド、N −メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N −ジ
メチルアクリルアミド、N,N −ジエチルアクリルアミ
ド、N −(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N
−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N −
(2−ジエチルアミノエチル)アクリルアミド、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ジアセ
トンアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;
アクリロニトリル、2−メチルアクリロニトリルなどの
アクリロニトリル類;無水マレイン酸、マレイン酸、マ
レイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレアミン酸
などのマレイン酸類;N −メチルマレイミド、N −エチ
ルマレイミドなどのマレイミド類;2−ビニルフラン、
2−ビニルチオフェン、1−ビニル−2−ピロリドン、
1−ビニルインドール、9−ビニルカルバゾール、4−
ビニルピリジンなどの複素環ビニルモノマー類;次式(V
III)
【0021】
【化7】
【0022】で表されるγ−メタクリロキシプロピルジ
メチルシロキサン(チッソ(株)サイラプレーン)など
の含シリコーン重合性単量体など共重合性を有する単量
体の1種または2種以上から選択することができるが、
これらに限定されるものではない。これらの中ではスチ
レン類、(メタ)アクリル酸類、(メタ)アクリル酸エ
ステル類、(メタ)アクリルアミド類及び含シリコーン
重合性単量体からなる群から選ばれる1種又は2種以上
が好ましく、(メタ)アクリル酸エステル類及び(メ
タ)アクリルアミド類からなる群から選ばれる1種又は
2種以上が特に好ましい。
【0023】上記の重合性単量体は、その種類と仕込組
成を選択することにより、得られる共重合体の各種媒体
に対する溶解性を自由に制御することができる。例え
ば、アクリル酸、アクリルアミド、 N,N−ジメチルアク
リルアミド、N −ビニルピロリドン、スチレンスルホン
酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸、メトキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレートなどの水溶性の高い重合性単量体との
共重合により得られる共重合体は水溶性となり、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)
アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの
油溶性の高い重合性単量体との共重合により得られる共
重合体は高級炭化水素、油脂、エステル油などの油性媒
体に溶解性を示し、γ−メタクリロキシプロピルジメチ
ルシロキサン(チッソ(株)サイラプレーン)などの含
シリコーン重合性単量体との共重合により得られる共重
合体はシリコーン油に対し溶解性を示す。
【0024】本発明の単独重合体又は共重合体の製造に
用いることができる重合方法としては、溶液重合、乳化
重合、懸濁重合、沈澱重合、塊重合等の合成法が挙げら
れる。本発明の単独重合体又は共重合体の製造に用いる
ことができる重合開始剤としては公知のラジカル重合開
始剤が用いられる。例えば、過硫酸ナトリウムに代表さ
れる過硫酸化物類、t−ブチルヒドロペルオキシドに代
表されるヒドロ過酸化物類、過酸化ジt−ブチルに代表
される過酸化ジアルキル類、過酸化ラウロイルに代表さ
れる過酸化ジアシル類、過酢酸t−ブチルに代表される
過酸エステル類、メチルエチルケトンペルオキシドに代
表されるケトンペルオキシド類、および2,2'−アゾビス
(イソブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)等に代表されるアゾ系重合開始
剤、レドックス系ラジカル重合開始剤等が挙げられる。
【0025】本発明の単独重合体又は共重合体の重量平
均分子量は、1,000 〜500,000 の範囲が好ましく、より
好ましくは5,000 〜300,000 の範囲である。重量平均分
子量が1,000 未満では日焼け防止効果の持続性や経皮吸
収性等で低分子化合物と同等になる恐れがあり、また50
0,000 を越えると溶媒に対する溶解性が低下すると同時
に溶液が高粘度となり取り扱いが不便になる。
【0026】本発明の共重合体においては、その構成モ
ノマー成分中に式(I)で表されるベンジリデンマロン
酸エステル誘導体成分を少なくとも20重量%以上有する
ことが必須であり、好ましくは40重量%以上である。式
(I)で表されるベンジリデンマロン酸エステル誘導体
成分が20重量%未満では紫外線吸収剤としての効果を十
分に発揮できない。
【0027】本発明に係わる紫外線吸収性を有する自己
分散型水性ポリマーエマルジョンは、上記式(I)で表
されるベンジリデンマロン酸エステル誘導体および塩生
成基を有する重合性単量体、さらに必要に応じて他の1
種類以上の重合性単量体を共重合して得られる、ベンジ
リデンマロン酸エステル誘導体成分20〜95重量%および
塩生成基を有する重合性単量体成分5〜80重量%を必須
構成成分として含有する共重合体の有機溶剤溶液に必要
に応じて中和剤を加え塩生成基をイオン化し、続いて水
を加えた後、有機溶剤を留去することにより得られる。
【0028】ここで用いられる塩生成基を有する重合性
単量体としては、アニオン性単量体、カチオン性単量
体、両性単量体等が挙げられるが、これらの混合物であ
ってもよい。更に詳しくは、アニオン性単量体として
は、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノ
マー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられ、カチオン性
単量体としては、不飽和3級アミン含有モノマー、不飽
和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられ、両性単量
体としては、N −(3−スルホプロピル)−N −メタク
リロイルオキシエチル−N,N −ジメチルアンモニウムベ
タイン、N −(3−スルホプロピル)−N −メタクリロ
イルアミノプロピル−N,N −ジメチルアンモニウムベタ
イン、1−(3−スルホプロピル)−2−ビニルピリジ
ニウムベタイン等が挙げられる。
【0029】具体的に説明すると、アニオン性単量体の
うち不飽和カルボン酸モノマーとしてはアクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フ
マール酸、シトラコン酸等、またはそれらの無水物およ
びそのモノアルキルエステルや、カルボキシエチルビニ
ルエーテル、カルボキシプロピルビニルエーテルのごと
きカルボキシル基を有するビニルエーテル類等がある。
不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸エステル、
ビス(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等お
よびその塩がある。また、その他2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリル酸の硫酸モノエステルおよびその塩が
ある。不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン
酸、ビニルホスフェート、アシッドホスホキシエチル
(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−アシッドホス
ホキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホ
キシプロピル(メタ)アクリレート、ビス(メタアクリ
ロイロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−メ
タクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2
−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2
−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−
2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジオクチル
−2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等
がある。
【0030】カチオン性単量体のうちは、不飽和3級ア
ミン含有モノマーとしては、具体的には、ビニルピリジ
ン、2−メチル−5−ビニルピリジン、2−エチル−5
−ビニルピリジンのごときモノビニルピリジン類;N,N
−ジメチルアミノスチレン、N,N −ジメチルアミノメチ
ルスチレンのごときジアルキルアミノ基を有するスチレ
ン類;N,N −ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,
N −ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N −ジエチ
ルアミノエチルメタクリレート、N,N −ジエチルアミノ
エチルアクリレート、N,N −ジメチルアミノプロピルメ
タクリレート、N,N −ジメチルアミノプロピルアクリレ
ート、N,N −ジエチルアミノプロピルメタクリレート、
N,N −ジエチルアミノプロピルアクリレートのごときア
クリル酸またはメタクリル酸のジアルキルアミノ基を有
するエステル類;2−ジメチルアミノエチルビニルエー
テルのごときジアルキルアミノ基を有するビニルエーテ
ル類;N −(N',N'−ジメチルアミノエチル)メタクリル
アミド、N −(N',N'−ジメチルアミノエチル)アクリル
アミド、N −(N',N'−ジエチルアミノエチル)メタクリ
ルアミド、N −(N',N'−ジエチルアミノエチル)アクリ
ルアミド、N −(N',N'−ジメチルアミノプロピル)メタ
クリルアミド、N −(N',N'−ジメチルアミノプロピル)
アクリルアミド、N −(N',N'−ジエチルアミノプロピ
ル)メタクリルアミド、N −(N',N'−ジエチルアミノプ
ロピル)アクリルアミドのごときジアルキルアミノ基を
有するアクリルアミドあるいはメタクリルアミド類等が
挙げられる。また不飽和アンモニウム塩含有モノマーと
しては、上記不飽和3級アミン含有モノマーをハロゲン
化アルキル(アルキル基の炭素数1ないし18、ハロゲン
として塩素、臭素、ヨウ素等)、ハロゲン化ベンジル、
例えば塩化ベンジルまたは臭化ベンジル、アルキルまた
はアリールスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸またはトルエンスルホン酸のアルキルエ
ステル(アルキル基の炭素数1ないし4)のごとき公知
の4級化剤で4級化したもの等が挙げられる。
【0031】本発明により得られる紫外線吸収性を有す
る自己分散型水性ポリマーは、その共重合体の構成モノ
マー成分中に、式(I)で表されるベンジリデンマロン
酸エステル誘導体成分を20〜95重量%含有することが必
須であり、好ましくは30〜90重量%含有する。式(I)
で表されるベンジリデンマロン酸エステル誘導体成分が
20重量%未満では紫外線吸収能が十分に発揮できず、95
重量%を越えると均一で安定な粒径の小さな自己分散型
水性ポリマーエマルジョンが得られない。さらに同時に
塩生成基を有する重合性単量体成分を5〜80重量%含有
することが必須であり、好ましくは10〜70重量%含有す
る。塩生成基を有する重合性単量体成分が5重量%未満
では安定な自己分散型水性ポリマーエマルジョンが得ら
れず、80重量%を越えると自己分散型水性ポリマーエマ
ルジョンより得られる塗膜の耐水性が十分ではなくな
る。
【0032】本発明により得られる紫外線吸収性を有す
る自己分散型水性ポリマーは、その共重合体組成中に、
式(I)で表されるベンジリデンマロン酸エステル誘導
体成分と塩生成基を有する重合性単量体成分を必須構成
成分として含有するが、更にこれら単量体と重合可能な
他の単量体を共重合し、共重合体組成中に他の単量体成
分を最大75重量%まで含有してもよい。ここで用いられ
る他の単量体としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、ア
クリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、ア
クリル酸デシル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸エ
ステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メ
タクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オク
チル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル等の
メタクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトルエン、
2−メチルスチレン、1−ブチルスチレン、クロルスチ
レン等のスチレン系モノマー;アクリル酸ヒドロキシエ
チル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシ基
含有モノマー;N −メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N −ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどの
N−置換(メタ)アクリルアミド系モノマー;アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどのエポキシ
基含有モノマー;または次の式 CH2=CHCOOC2H4C6F13, CH2=CHCOOC2H4C8F17, CH2=C
HCOOC2H4C10F21 ,CH2=CHCOOC2H4C12F25 ,CH2=C(C
H3)COOC2H4C6F13,CH2=C(CH3)COOC2H4C8F17,CH2=C(CH
3)COOC2H4C10F21 ,CH2=C(CH3)COOC2H4C12F25 ,CH2
CHCOOC2H4−(CF2)6−H , CH2=CHCOOC2H4−(CF2)8−H
,CH2=C(CH3)COOC2H4−(CF2)6−H , CH2=CHCOOC2H
4−(CF2)8−H 等で示されるフッ化アルキル基を結合した(メタ)アク
リル酸エステル、ならびにアクリロニトリルなどの1種
または2種以上から選択することができる。
【0033】本発明において、自己分散型水性ポリマー
エマルジョンの製造に用いられる溶液重合用の溶媒とし
ては親水性有機溶剤が好ましく、具体的にはアルコール
系、ケトン系、あるいはエーテル系等の溶剤が挙げられ
る。アルコール系溶剤としては、例えばメタノール、エ
タノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、第二級ブタノール、第三級ブタノール、イ
ソブタノール、ジアセトンアルコール、2−イミノエタ
ノール等が挙げられ、好ましくはイソプロパノールであ
る。ケトン系溶剤としては、例えばアセトン、メチルエ
チルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチ
ルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙
げられ、好ましくはアセトン、メチルエチルケトンであ
る。エーテル系溶剤としては、例えばテトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等が挙げられ、好ましくはテトラヒドロ
フランである。これら親水性有機溶剤は1種または2種
以上が混合して用いられ、必要によっては高沸点親水性
有機溶剤を併用してもよい。高沸点親水性有機溶剤とし
ては、フェノキシエタノール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、
3−メチル−3−ブトキシブタノール等が挙げられる
が、これらに限られるものではない。
【0034】本発明の自己分散型水性ポリマーエマルジ
ョンを得るには、例えば、攪拌機、還流冷却器、滴下ロ
ート、温度計、窒素ガス導入管を備えた反応器を準備
し、式(I)で表されるベンジリデンマロン酸エステル
誘導体および塩生成基を有する重合性単量体を必須成分
として含有する単量体混合物と、ラジカル重合開始剤を
全重合性単量体に対し0.05〜3.0 重量%、および必要に
よっては公知の連鎖移動剤を用い、アルコール系、ケト
ン系およびエーテル系溶剤の一種または二種以上を全重
合性単量体 100重量部に対し 100〜2000重量部、好まし
くは 200〜1500重量部用い、窒素ガス気流中で50℃〜溶
剤還流下で1〜30時間溶液重合させる。ここで、均質な
共重合体を得る方法としては、可能な限り反応系中の単
量体比率を一定に保つように単量体の滴下速度をコント
ロールすることが好ましい。具体的には、共重合性が乏
しく反応速度の遅い単量体を初期にその全量または一部
を反応器中に仕込み、反応速度の速い単量体等を反応器
中に滴下するか、または反応速度の遅い単量体と反応速
度の速い単量体の一部を反応器中に仕込み、この組成を
可能な限り一定に保ち反応速度の速い単量体の消費速度
にあわせ反応速度の速い単量体を滴下すること等により
均質な共重合体が得られる。
【0035】その後、必要であれば上記のごとき方法に
より得られた共重合体の有機溶剤溶液の精製を行うこと
ができる。精製は、乳化重合等により得られる従来の水
分散系ポリマーと同様、水系への転相後のポリマーの水
分散液の状態で共沸により減圧留去する方法を用いて行
うことも可能であるが、これに加えて、他の水分散系ポ
リマーには無い、本発明の自己分散型水性ポリマーエマ
ルジョンに特徴的な状態、すなわち、数種類の重合性不
飽和単量体混合物から任意の重合方法により得られた共
重合体の疎水性あるいは親水性有機溶剤、および必要に
応じ中和を行った共重合体の親水性有機溶剤、あるいは
親水性有機溶剤/水混合溶液について行うことが可能で
ある。この場合、減圧留去法よりも高度な精製の期待で
きる様々な方法、例えば、限外濾過やポリマーの再沈等
の方法の適用が可能であり、これらの中でも精製の高度
さおよび工程の簡便さを考慮した場合、限外濾過法を用
いることが最も好ましい。
【0036】限外濾過の具体的な条件等については特に
限定されるものではないが、用いる限外濾過膜の材質と
しては、セラミック等に代表される、疎水性および親水
性有機溶剤、中和に用いる酸または塩基、残留モノマ
ー、種々の不純物や分解物等による侵食を受けない材質
のものを用いることが好ましい。限外濾過による精製工
程を経て製造した転相乳化型ポリマーの水性エマルジョ
ン中に含まれる残留モノマー等の不純物の量は、従来の
分散系ポリマーの一般的な精製法である共沸による減圧
留去法のみによる精製を行った場合と比較して、減圧留
去法による除去が可能な低沸点物質についても同等もし
くはそれ以下であり、さらに高沸点物質やイオン性物
質、あるいはポリマー微粒子中に溶解しやすい物質等、
減圧留去法による除去が非常に困難なものについても、
低沸点物質と同様高度の精製が可能である。
【0037】必要に応じて上記のような精製を行った後
の共重合体の有機溶剤溶液を、先ず必要に応じて中和剤
を加えて塩生成基をイオン化し、続いて水を加えた後、
有機溶剤の一部または全部を留去し、水系に転相するこ
とにより本発明の自己分散型水性ポリマーエマルジョン
が得られる。この時、中和剤としては塩生成基の種類に
応じてそれぞれ公知の酸あるいは塩基を用いればよい。
酸としては、例えば塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸、プロ
ピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸等の有機酸が
挙げられる。また、塩基としては、例えばトリメチルア
ミン、トリエチルアミン等の3級アミン類、アンモニ
ア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる
が、上記に限定されるものではない。また水を加えた後
上記のような精製処理を行い、その後有機溶剤の一部ま
たは全部を留去し水系に転相することによっても本発明
の自己分散型水性ポリマーエマルジョンを得ることがで
きる。本発明で得られる均一でかつ機械的および保存安
定性に優れた自己分散型水性ポリマーエマルジョンの分
散微粒子の粒子径は特に限定を受けるものではないが、
好ましくは10〜1000nmの範囲であり、さらに好ましくは
10〜500nm の範囲である。
【0038】本発明により得られた自己分散型水性ポリ
マーエマルジョンは、一般の乳化重合で得られたエマル
ジョンに比べ、その透明性が高いため化粧水等の透明感
が要求される化粧料に配合してもその透明感を損なわ
ず、また皮膜形成能が高くより均一な皮膜を形成しやす
いため有効に紫外線を吸収することができる。上記のご
とき方法で得られた自己分散型水性ポリマーエマルジョ
ンを脱水処理することにより紫外線吸収能を有する上記
粒径の微小ポリマー微粒子が得られる。脱水方法は特に
限定されず、凍結乾燥等の従来公知の方法を用いること
ができる。本発明で得られる自己分散型水性ポリマーエ
マルジョンまたはその微小ポリマー粒子は、クリーム、
乳液、ローション、オイル、ゲル、粉体等の適当な剤型
の化粧料の中に高濃度に配合でき、しかも安全性が高
く、紫外線吸収剤としての効果を十分に発揮できる。
【0039】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、例中の部および%は特記しない限りすべて重量基準
である。
【0040】実施例1(式(IX)で表されるp−メタクリ
ロキシエトキシベンジリデンマロン酸ジエチルの合成)
【0041】
【化8】
【0042】第1段階目の反応 攪拌機、還流冷却器、温度計を備えた反応容器にp−ヒ
ドロキシベンズアルデヒド 244g(2.0mol)、水酸化ナ
トリウム 104g(2.6mol)、エチレンクロロヒドリン 2
09g(2.6mol)を 1.5リットルの水に溶解したものを仕
込み、加熱還流した。24時間反応した後、攪拌を停止す
ると反応液が二相に分離するので暗褐色の下層を取り出
し、減圧加熱により過剰のエチレンクロロヒドリンを留
去し、暗褐色粘調液体のp−ヒドロキシエトキシベンズ
アルデヒド粗生成物 314g(収量95%)を得た。
【0043】第2段階目の反応 攪拌機、脱水管(Dean Stark Trap)、温度計を備えた反
応容器に第1段階生成物であるp−ヒドロキシエトキシ
ベンズアルデヒド50g(0.3mol)、マロン酸ジエチル48
g(0.3mol)、ピペリジン 2.5g(0.03mol)、酢酸1g
(0.02mol)、トルエン150ml を仕込み加熱還流し反応に
より生成する水を脱水しながら6時間反応した。反応溶
媒のトルエンを減圧留去した後、シリカゲルクロマトグ
ラフィー(溶離液:アセトン/n−ヘキサン=20/80)
により精製しp−ヒドロキシエトキシベンジリデンマロ
ン酸ジエチルの黄色粘調液体61g(収率66%)を得た。
【0044】第3段階目の反応 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管
を備えた反応容器中に第2段階生成物であるp−ヒドロ
キシエトキシベンジリデンマロン酸ジエチル31g(0.1m
ol)、トリエチルアミン12.1g(0.12mol)、p−メトキ
シフェノール0.1 gを150ml のクロロホルムに溶解した
ものを仕込み、氷冷下、反応溶液の温度が10℃を超えな
いようにメタクリロイルクロライド12.5g(0.12mol)を
ゆっくり滴下した。滴下終了後さらに40℃で24時間反応
した。反応終了後生成した沈澱を濾過により取り除き、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水により有機相を洗浄
した後、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後クロロ
ホルムを減圧留去して褐色粘調液体を得た。
【0045】得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグ
ラフィー(溶離液:クロロホルム)により精製し黄色粘
調液体であるp−メタクリロキシエトキシベンジリデン
マロン酸ジエチル31g(収率82%)を得た。これは次の
特性を有していた。 ・UV吸収スペクトル(THF):λmax =310nm εmax =23700 ・1H−NMR (CDCl3):スペクトルは期待された構造に一
致していた。、結果を図1に示す。 ・赤外線吸収スペクトル(液膜法):スペクトルを図2
に示す。
【0046】実施例2(式(I)において、R1が-H、R2
が-CH2CH2-、R3とR4が-CH2CH2CH2CH3、R5が-Hであるp
−アクリロキシエトキシベンジリデンマロン酸ジn−ブ
チルの合成) 実施例1の第1段階目の反応により得られたp−ヒドロ
キシエトキシベンズアルデヒド50g(0.3mol)、マロン
酸ジn−ブチル65g(0.3mol)、ピペリジン2.5g(0.0
3mol)、酢酸1g(0.02mol)、トルエン150ml を、攪拌
機、脱水管(DeanStark Trap)、温度計を備えた反応容
器に仕込み、加熱還流し反応により生成する水を脱水し
ながら8時間反応した。反応溶媒のトルエンを減圧留去
した後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:アセ
トン/n−ヘキサン=20/80)により精製しp−ヒドロ
キシエトキシベンジリデンマロン酸ジn−ブチルの黄色
粘調液体58g(収率54%)を得た。続いて、このp−ヒ
ドロキシエトキシベンジリデンマロン酸ジn−ブチル35
g(0.1mol)、トリエチルアミン12g(0.12mol)及びp
−メトキシフェノール0.1gを150ml のクロロホルムに
溶解したものを攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度
計、窒素導入管を備えた反応容器中に仕込み、氷冷下、
反応溶液の温度が10℃を超えないようにアクリロイルク
ロライド11g(0.12mol)をゆっくり滴下した。滴下終了
後さらに40℃で24時間反応した。反応終了後、生成した
沈澱を濾過により取り除き、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液、水により有機相を洗浄した後、有機相を無水硫酸
マグネシウムで乾燥し、クロロホルムを減圧留去して褐
色粘調液体を得た。得られた粗生成物を水洗浄、乾燥の
後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:クロロホ
ルム)により精製し黄色粘調液体であるp−アクリロキ
シエトキシベンジリデンマロン酸ジn−ブチル30g(収
率75%)を得た。これは次の特性を有していた。
【0047】・UV吸収スペクトル(THF):λmax =30
8nm εmax =21000 実施例3(式(I)において、R1が-CH3、R2が-CH2CH2C
H2CH2-、R3とR4が-CH2CH2CH3、R5が-Hであるp−メタク
リロキシブトキシベンジリデンマロン酸ジn−プロピル
の合成) 攪拌機、還流冷却器、温度計を備えた反応容器にp−ヒ
ドロキシベンズアルデヒド61g(0.5mol)、水酸化ナト
リウム28g(0.7mol)、4−クロロ−1−ブタノール7
6.0g(0.7mol)を500 mlの水に溶解したものを仕込
み、加熱還流した。24時間反応した後、攪拌を停止する
と反応液が二相に分離するので暗褐色の下層を取り出
し、減圧蒸留により過剰の4−クロロ−1−ブタノール
を留去し、暗褐色粘調液体のp−ヒドロキシブトキシベ
ンズアルデヒド粗生成物88.4g(収量91%)を得た。次
に、実施例1の第2段階目の反応と同様に、触媒量のピ
ペリジン及び酢酸の存在下、当量のマロン酸ジn−プロ
ピルと反応した。反応終了後、シリカゲルクロマトグラ
フィーで精製し、p−ヒドロキシブトキシベンジリデン
マロン酸ジn−プロピルの黄色粘調液体(収率55%)を
得た。続いて、実施例1の第3段階目の反応と同様に、
1.2 倍当量のメタクリロイルクロライドと反応した。得
られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離
液:クロロホルム)により精製し黄色粘調液体であるp
−メタクリロキシブトキシベンジリデンマロン酸ジn−
プロピル(収率77%)を得た。これは次の特性を有して
いた。
【0048】・UV吸収スペクトル(THF):λmax =31
0nm εmax =21800 実施例4(式(I)において、R1が-H、R2が-CH2CH2-O-
CH2CH2-、R3とR4が-C2H5、R5が-Hであるp−{2−(2
−アクリロキシエトキシ)エトキシ}ベンジリデンマロ
ン酸ジエチルの合成) p−ヒドロキシベンズアルデヒド61g(0.5mol)、水酸
化ナトリウム20g(0.5mol)、2−(2−クロロエトキ
シ)エタノール63g(0.5mol)を500 mlの水に溶解し、
実施例1の第1段階目と同様に反応し、暗褐色粘調液体
のp−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}ベ
ンズアルデヒド粗生成物89g(収量85%)を得た。次
に、実施例1の第2段階目の反応と同様に、触媒量のピ
ペリジン及び酢酸の存在下、当量のマロン酸ジエチルと
反応した。反応終了後、シリカゲルクロマトグラフィー
で精製し、p−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エト
キシ}ベンジリデンマロン酸ジエチルの黄色粘調液体
(収率61%)を得た。続いて、実施例1の第3段階目の
反応と同様に、1.2 倍当量のアクリロイルクロライドと
反応した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラ
フィー(溶離液:クロロホルム)により精製し黄色粘調
液体であるp−{2−(2−アクリロキシエトキシ)エ
トキシ}ベンジリデンマロン酸ジエチル(収率72%)を
得た。これは次の特性を有していた。
【0049】・UV吸収スペクトル(THF):λmax =31
0nm εmax =21000 実施例5(式(I)において、R1が-CH3、R2が-CH2CH
2-、R3とR4が-C2H5 、R5が3位の-CH3である4−メタク
リロキシエトキシ−3−メチルベンジリデンマロン酸ジ
エチルの合成) 4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド40g(0.
3mol)、水酸化ナトリウム16g(0.4mol)、エチレンク
ロロヒドリン32g(0.4mol)を200 mlの水に溶解し、実
施例1の第1段階目と同様に反応して、暗褐色粘調液体
の4−ヒドロキシエトキシ−3−メチルベンズアルデヒ
ド粗生成物44g(収量82%)を得た。次に、実施例1の
第2段階目の反応と同様に、触媒量のピペリジン及び酢
酸の存在下、当量のマロン酸ジエチルと反応した。反応
終了後、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、4−
ヒドロキシエトキシ−3−メチルベンジリデンマロン酸
ジエチルの黄色粘調液体(収率66%)を得た。続いて、
実施例1の第3段階目の反応と同様に、1.2 倍当量のメ
タクリロイルクロライドと反応した。得られた粗生成物
をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:クロロホル
ム)により精製し黄色粘調液体である4−メタクリロキ
シエトキシ−3−メチルベンジリデンマロン酸ジエチル
(収率60%)を得た。これは次の特性を有していた。
【0050】・UV吸収スペクトル(THF):λmax =31
2nm εmax =22500 実施例6(式(I)において、R1が-CH3、R2が-CH2CH
2-、R3とR4が-CH3、R5が3位の-OCH3 である4−メタク
リロキシエトキシ−3−メトキシベンジリデンマロン酸
ジメチルの合成) 4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド46g
(0.3mol)、水酸化ナトリウム16g(0.4mol)、エチレ
ンクロロヒドリン32g(0.4mol)を200 mlの水に溶解
し、実施例1の第1段階目と同様に反応して、暗褐色粘
調液体の4−ヒドロキシエトキシ−3−メトキシベンズ
アルデヒド粗生成物47g(収量80%)を得た。次に、実
施例1の第2段階目の反応と同様に、触媒量のピペリジ
ン及び酢酸の存在下、当量のマロン酸ジメチルと反応し
た。反応終了後、シリカゲルクロマトグラフィーで精製
し、4−ヒドロキシエトキシ−3−メトキシベンジリデ
ンマロン酸ジメチルの黄色粘調液体(収率56%)を得
た。続いて、実施例1の第3段階目の反応と同様に、1.
2 倍当量のメタクリロイルクロライドと反応した。得ら
れた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離
液:クロロホルム)により精製し黄色粘調液体である4
−メタクリロキシエトキシ−3−メトキシベンジリデン
マロン酸ジメチル(収率52%)を得た。これは次の特性
を有していた。
【0051】・UV吸収スペクトル(THF):λmax =31
4nm εmax =23400 実施例7 攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管を備えた反応
容器に実施例1により得られたp−メタクリロキシエト
キシベンジリデンマロン酸ジエチル 100部、2,2'−アゾ
ビス(2−メチルブチロニトリル) 0.5部、メチルエチ
ルケトン 400部を仕込んだ。窒素置換を行った後、60℃
で10時間重合した。重合終了後、多量のエタノール中に
重合溶液をそそぎ込み、沈澱を生成させた。生成した沈
澱を減圧乾燥し、淡黄色粉末状のポリマーを得た。得ら
れたポリマーはアセトン、メチルエチルケトン、クロロ
ホルム、THF 、DMF 、DMSOなどの有機溶媒に可溶であ
り、UV−B領域に強い吸収を有していた。本ポリマー
は次の特性を有していた。
【0052】・分子量:Mw=101,000 (GPC 測定、ポリ
スチレン換算) ・UV吸収スペクトル(THF):λmax =310nm εmax =24600 実施例8 攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管を備えた反応
容器に実施例2により得られたp−アクリロキシエトキ
シベンジリデンマロン酸ジn−ブチル50部、ステアリル
メタクリレート 100部、ビス−(4−t−ブチルシクロ
ヘキシル)ペルオキシカルボナート 2.0部、トルエン 3
50部を仕込んだ。窒素置換を行った後、60℃で9時間重
合した。重合終了後、多量のアセトン/エタノール(1
/2容量比)混合溶媒中に重合溶液をそそぎ込み、沈澱
を生成させた。生成した沈澱を減圧乾燥し、白色粉末状
のポリマーを得た。得られたポリマーはジカプリン酸ネ
オペンチルグリコール等のエステル油、スクワラン等の
炭化水素系油剤をはじめn−ヘキサン、クロロホルム、
THF などの有機溶媒に可溶であり、次の特性を有してい
た。
【0053】・分子量:Mw=130,000 (GPC 測定、ポリ
スチレン換算) ・UV吸収スペクトル(THF):λmax =308nm 実施例9 実施例1により得られたp−メタクリロキシエトキシベ
ンジリデンマロン酸ジエチル55部、メタクリル酸30部、
2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5 部
をアセトン 600部に溶解し、窒素置換を行った後、この
混合溶液の1/4倍量を攪拌機、還流冷却器、滴下ロー
ト、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、残
りの混合溶液(3/4倍量)を滴下ロートに仕込んだ。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら55
℃まで昇温し、1時間還流攪拌した後、滴下ロート中の
混合溶液を5時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後さ
らに2時間熟成を行い、さらに2,2'−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)0.5 部を追加し4時間熟成を行
った。重合終了後、多量のエーテル中に重合溶液をそそ
ぎ込み、沈澱を生成させた。生成した沈澱を減圧乾燥
し、淡黄色粉末状のポリマーを得た。得られたポリマー
はエタノールに可溶であり、また適当な濃度の水酸化ナ
トリウム水溶液を用い、中和することにより水溶性にも
なる。本ポリマーは次の特性を有していた。
【0054】・分子量:Mw=11,000 (GPC 測定、ポリ
スチレン換算) ・UV吸収スペクトル(THF):λmax =310nm εmax =22300 実施例10 実施例1により得られたp−メタクリロキシエトキシベ
ンジリデンマロン酸ジエチル68部、メタクリル酸36部、
ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシカ
ルボナート 2.4部、アセトン 200部を混合溶解し、窒素
置換を行った後、この混合溶液の1/5倍量を攪拌機、
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管を備えた
反応容器に仕込み、残りの混合溶液(4/5倍量)を滴
下ロートに仕込んだ。窒素雰囲気下、反応容器内の混合
溶液を攪拌しながら55℃まで昇温し、滴下ロート中の混
合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後さら
に4時間熟成を行い、共重合体を得た。共重合体溶液を
室温まで冷却し、アセトン 300部を加え希釈したものに
ついて、東芝セラミック社製のセラミック濾過装置を用
いて限外濾過法による精製を行った。精製後の共重合体
溶液に攪拌下、1規定濃度の水酸化ナトリウム95重量部
を加えて共重合体中の塩生成基を一部中和し、イオン交
換水 500重量部を加えた後、減圧下50℃でアセトンを完
全に除去し、更に一部の水を留去することにより濃縮
し、ポリマー固形分濃度が20重量%の自己分散型水性ポ
リマーエマルジョンを得た。本ポリマーエマルジョン
は、UV−B領域に強い吸収を有していた。
【0055】実施例11 実施例3により得られたp−メタクリロキシブトキシベ
ンジリデンマロン酸ジn−プロピル90部、アクリル酸25
部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 2.1部、アセト
ン 500部を用い、その他の方法は全て実施例10に示し
た処方に従うことによって共重合体を得た。得られた共
重合体について、更に実施例10と全く同様に限外濾過
法による精製を行った。精製後の共重合体溶液に攪拌
下、1規定濃度の水酸化ナトリウム 110重量部を加えて
共重合体中の塩生成基を一部中和した後、実施例10の
処方に従って水系への転相、濃縮を行うことにより、ポ
リマー固形分濃度が15重量%の自己分散型水性ポリマー
エマルジョンを得た。本ポリマーエマルジョンは、UV
−B領域に強い吸収を有していた。
【0056】実施例12 実施例1により得られたp−メタクリロキシエトキシベ
ンジリデンマロン酸ジエチル90部、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート55部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)0.76部、アセトン 500部を用い、その
他の方法は全て実施例10に示した処方に従うことによ
って共重合体を得た。得られた共重合体について、更に
実施例10と全く同様に限外濾過法による精製を行っ
た。精製後の共重合体溶液に攪拌下、1規定濃度の塩酸
5重量部を加えて共重合体中の塩生成基を一部中和した
後、実施例10の処方に従って水系への転相、濃縮を行
うことにより、ポリマー固形分濃度が15重量%の自己分
散型水性ポリマーエマルジョンを得た。本ポリマーエマ
ルジョンは、UV−B領域に強い吸収を有していた。
【0057】実施例13 実施例5により得られた4−メタクリロキシエトキシ−
3−メチルベンジリデンマロン酸ジエチル50部、メタク
リル酸20部、メチルメタクリレート30部、2,2'−アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル)0.8 部、メチルエチル
ケトン250 部を混合溶解し、窒素置換を行った後、この
混合溶液の1/5倍量を攪拌機、還流冷却器、滴下ロー
ト、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、残
りの混合溶液(4/5倍量)を滴下ロートに仕込んだ。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら80
℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて
徐々に滴下した。滴下終了後さらに4時間熟成を行い、
共重合体を得た。得られた共重合体について、更に実施
例10と全く同様に限外濾過法による精製を行った。精
製後の共重合体溶液に攪拌下、1規定濃度の水酸化ナト
リウム160 重量部を加えて共重合体中の塩生成基を一部
中和した後、実施例10の処方に従って水系への転相、
濃縮を行うことにより、ポリマー固形分濃度が15重量%
の自己分散型水性ポリマーエマルジョンを得た。本ポリ
マーエマルジョンは、UV−B領域に強い吸収を有して
いた。
【0058】比較例1(式(X)で表される4−メタク
リロキシベンジリデンマロン酸ジエチルの合成)
【0059】
【化9】
【0060】第1段階目の反応 攪拌機、脱水管(Dean Stark Trap)、温度計を備えた反
応容器にp−ヒドロキシベンズアルデヒド35g(0.3mo
l)、マロン酸ジエチル48g(0.3mol)、ピペリジン 2.
5g(0.03mol)、酢酸1g(0.02mol)、トルエン150ml
を仕込み加熱還流し反応により生成する水を脱水しなが
ら6時間反応した。反応溶媒のトルエンを減圧留去した
後、エタノールから再結晶し、p−ヒドロキシベンジリ
デンマロン酸ジエチルの淡黄色結晶を得た。
【0061】第2段階目の反応 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管
を備えた反応容器中に第1段階生成物であるp−ヒドロ
キシベンジリデンマロン酸ジエチル27.2g(0.1mol)、
トリエチルアミン12.1g(0.12mol)、p−メトキシフェ
ノール0.1 gを150ml のクロロホルムに溶解したものを
仕込み、反応溶液の温度が上がりすぎないようにメタク
リロイルクロライド12.5g(0.12mol)をゆっくりと滴下
した。滴下終了後さらに40℃で24時間反応した。反応終
了後生成した沈澱を濾過により取り除き、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、水により有機相を洗浄した後、有機
相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後クロロホルムを減圧
留去した。得られた粗生成物をエタノールから再結晶
し、淡黄色結晶であるp−メタクリロキシベンジリデン
マロン酸ジエチルを得た(融点:38〜40℃)。
【0062】比較例2(式(XI)で表されるp−ピバロイ
ロキシエトキシベンジリデンマロン酸ジエチルの合成)
【0063】
【化10】
【0064】攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度
計、窒素導入管を備えた反応容器中に実施例1の第2段
階目の反応より得られたp−ヒドロキシエトキシベンジ
リデンマロン酸ジエチル42.4g(0.14mol) 、トリエチル
アミン17.2g(0.17mol) を100mlのクロロホルムに溶解
したものを仕込み、反応溶液の温度が上がりすぎないよ
うにピバロイルクロライド20.5g(0.17mol)をゆっくり
と滴下した。滴下終了後さらに40℃で24時間反応した。
反応終了後生成した沈澱を濾過により取り除き、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、水により有機相を洗浄した
後、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後クロロホル
ムを減圧留去して褐色粘調液体を得た。得られた粗生成
物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:クロロホ
ルム)により精製し、黄色粘調液体であるp−ピバロイ
ロキシエトキシベンジリデンマロン酸ジエチル24.0g
(収率43.7%)を得た。
【0065】試験例1 耐加水分解性 実施例1または比較例1により得られた単量体 0.4部を
50部のエタノールに溶解し、1N水酸化ナトリウムを10
部加えて25℃で一定時間攪拌した後、溶液の一部を水と
クロロホルムの等量混合液に加え、十分攪拌した後、静
置し分層させた。水層、クロロホルム層それぞれの紫外
線吸収スペクトルを測定したところ実施例1の単量体は
クロロホルム層にのみ吸収を示したのに対し、比較例1
の単量体では水層に吸収が現れ、実施例1の単量体は耐
加水分解性が良好であることが示された。
【0066】試験例2 持続性(耐水性) 実施例7〜9で得られたポリマー、実施例10〜13で
得られた水性ポリマーエマルジョンおよび比較例2の化
合物をそれぞれ適当な溶媒に溶解または分散し、正確に
濃度を調製したサンプルを保護テープにより一定面積に
区切った腕部に塗布し、流水により水洗後、表1に示す
抽出溶媒で抽出し、紫外線吸収スペクトルの310nm での
吸光度より紫外線吸収剤量を定量し、次式により流水処
理後の紫外線吸収剤の残存率を算出した。結果を表1に
示す。
【0067】
【数1】
【0068】
【表1】
【0069】試験例3 持続性(耐皮脂性) 実施例7〜9で得られたポリマー、実施例10〜13で
得られた水性ポリマーエマルジョンまたは比較例2の化
合物をそれぞれ適当な溶媒に溶解または分散し、正確に
濃度調製したサンプルを保護テープにより一定面積に区
切った洗顔後の額に塗布し、塗布直後及び皮脂で額が一
面覆われた後の紫外線吸収剤を表2に示す抽出溶媒で抽
出し、紫外線吸収スペクトルの310nm での吸光度より定
量し、次式により皮脂で覆われた後の紫外線吸収剤の残
存率を算出した。結果を表2に示す。
【0070】
【数2】
【0071】
【表2】
【0072】試験例4 光に対する安定性 実施例7〜9で得られたポリマーのTHF 希薄溶液あるい
は実施例10〜13で得られた自己分散型水性ポリマー
エマルジョンを1cm角の石英ガラスセルに仕込み、ソー
ラーシミュレーター(Heraens SUNTEST CPS)により、一
定時間光照射を行い、最大吸収波長である310nm の吸光
度の減少率を追跡し、光安定性の加速試験を行った。結
果を表3に示したが、いずれも光安定性は良好であっ
た。
【0073】
【表3】
【0074】試験例5 自己分散型水性ポリマーエマル
ジョンの安定性 実施例10〜13で得られた自己分散型水性ポリマーエ
マルジョンの性状、希釈安定性、高温放置安定性及び機
械的安定性の評価結果、並びに平均粒径の測定結果を表
4に示す。 (1) 性状 自己分散型水性ポリマーエマルジョンを肉眼で観察した
性状を記述した。 (2) 希釈安定性 自己分散型水性ポリマーエマルジョンをポリマー分1%
になるように蒸留水で希釈し、これを内径7mm、長さ30
cmのガラス管に入れて密栓し、24時間後の状態を観察
し、○、△、×の三段階で評価した。 ○:分離、沈降認められず均一 △:分離、沈降認められるが、実用レベル内 ×:分離、沈降物多く実用レベル外 (3) 高温放置安定性 自己分散型水性ポリマーエマルジョンを温度40±2℃に
保った恒温器に1ケ月間放置した後、外観の状態を観察
し、○、△、×の三段階で評価した。 ○:まったく不変 △:40℃下で1週間以上安定で、40℃下で1ケ月以内に
増粘もしくは沈澱物発生 ×:40℃下で1週間以内に分離ないしは多量の沈澱物発
生 (4) 機械的安定性(マーロン試験器) マーロン試験器受器に自己分散型水性ポリマーエマルジ
ョン 100gを入れ、荷重10kgで5分間攪拌後、自己分散
型水性ポリマーエマルジョンを 100メッシュの金網で濾
過し、凝集物を105 ℃で3時間乾燥し重量を求め、下記
式にて機械的安定性を求めた。
【0075】
【数3】
【0076】(5) 平均粒径 COULTER ELECTRONICS INC 製のCOULTER MODEL N4で測定
した。
【0077】
【表4】
【0078】表4から明らかなように、いずれの自己分
散型水性ポリマーエマルジョンも安定性は良好であっ
た。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明の式(I)で
表されるベンジリデンマロン酸エステル誘導体はUV−
B領域に強い吸収を有し、化学的および光化学的にも安
定であり、さらに相手モノマーの選択により、得られる
共重合体の溶解性の制御が容易であり種々の剤、特に化
粧料に配合可能である。また、塩生成基を有する単量体
との共重合体は中和後、溶剤系から水系への転相により
自己分散型水性ポリマーエマルジョンとなる。この自己
分散型水性ポリマーエマルジョンは透明性が高く、安定
性も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたp−メタクリロキシエト
キシベンジリデンマロン酸ジエチルの1H−NMR スペクト
ルである。
【図2】 実施例1で得られたp−メタクリロキシエト
キシベンジリデンマロン酸ジエチルの赤外線吸収スペク
トルである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/00 104 Z

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I)で表されるベンジリ
    デンマロン酸エステル誘導体。 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は直鎖
    または分岐鎖の炭素数1〜12のアルキレン基または式−
    (CH2CH2O)n−CH2CH2−(式中、nは1〜5の整数を示
    す)で表される基を示し、R3及びR4は同一または異な
    り、直鎖または分岐鎖の炭素数1〜6のアルキル基を示
    し、R5は水素原子または直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1
    〜6のアルキル基あるいは直鎖または分岐鎖の炭素数1
    〜6のアルコキシ基を示す。)
  2. 【請求項2】 式(II)で表される(置換)パラヒドロ
    キシベンズアルデヒドと、式(III) で表されるモノハロ
    ゲン置換化合物とを反応させて式 (IV) で表されるエー
    テル化合物を得、得られた式(IV)で表されるエーテル
    化合物と式(V)で表されるマロン酸ジエステルとを反
    応させて、式 (VI) で表されるベンジリデンマロン酸エ
    ステル化合物を得、得られた式(VI)で表されるベンジ
    リデンマロン酸エステル化合物を式(VII)で表される酸
    クロライドでエステル化することを特徴とする請求項1
    記載のベンジリデンマロン酸エステル誘導体の製造方
    法。 【化2】 (上記一連の式中、R1、R2、R3、R4及びR5は前記の意味
    を示し、X はハロゲン原子を示す。)
  3. 【請求項3】 請求項1記載のベンジリデンマロン酸エ
    ステル誘導体の単独重合により得られる、紫外線吸収性
    を有する重量平均分子量が1,000 〜500,000の単独重合
    体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のベンジリデンマロン酸エ
    ステル誘導体を他の1種類以上の重合性単量体と共重合
    して得られる、構成成分としてベンジリデンマロン酸エ
    ステル誘導体成分を少なくとも20重量%以上含有するこ
    とを特徴とする紫外線吸収性を有する重量平均分子量が
    1,000 〜500,000 の共重合体。
  5. 【請求項5】 他の重合性単量体が、オレフィン類、ハ
    ロゲン化エチレン類、ジエン類、スチレン類、ビニルエ
    ステル類、ビニルケトン類、(メタ)アクリル酸類、
    (メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミ
    ド類、アクリロニトリル類、マレイン酸類、マレイミド
    類、複素環ビニルモノマー類及び含シリコーン重合性単
    量体からなる群から選ばれる1種又は2種以上である請
    求項4記載の共重合体。
  6. 【請求項6】 他の重合性単量体が、スチレン類、(メ
    タ)アクリル酸類、(メタ)アクリル酸エステル類、
    (メタ)アクリルアミド類及び含シリコーン重合性単量
    体からなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求
    項4記載の共重合体。
  7. 【請求項7】 他の重合性単量体が、(メタ)アクリル
    酸エステル類及び(メタ)アクリルアミド類からなる群
    から選ばれる1種又は2種以上である請求項4記載の共
    重合体。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のベンジリデンマロン酸エ
    ステル誘導体および塩生成基を有する重合性単量体、さ
    らに必要に応じて他の1種類以上の重合性単量体を共重
    合して得られる、ベンジリデンマロン酸エステル誘導体
    成分20〜95重量%および塩生成基を有する重合性単量体
    成分5〜80重量%を必須構成成分として含有する共重合
    体の有機溶剤溶液に必要に応じて中和剤を加え塩生成基
    をイオン化し、続いて水を加えた後、有機溶剤を留去す
    ることにより得られる紫外線吸収性を有する自己分散型
    水性ポリマーエマルジョン。
  9. 【請求項9】 請求項3記載の単独重合体からなる紫外
    線吸収剤。
  10. 【請求項10】 請求項4記載の共重合体からなる紫外
    線吸収剤。
  11. 【請求項11】 請求項8記載の自己分散型水性ポリマ
    ーエマルジョンからなる紫外線吸収剤。
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