JPH0725741U - 長さ表示付農業用フィルム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルムまたはシートの長さ方向に単位長さ
を示す数字および標線を表示した農業用のフィルムまた
はシートを提供する。 【構成】 フィルムまたはシートの長さ方向に沿って、
その幅方向の両端、または片端または／および中央に単
位長さを示す数字および標線を印刷した農業用のムまた
はシート。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は農業用の、更に詳しくは施設園芸用の被覆資材として用いる農業用の フィルムまたはシートで長さ方向に一定の間隔で単位長さの表示がなされている ものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

農業用のいわゆるハウス、トンネルあるいはマルチングなどの施設園芸の被覆 資材としては、主として合成樹脂フィルム、例えばポリオレフィン、ポリエチレ ン、ポリ塩化ビニールなどのフィルムやシートが用いられるが、これらは一般に 一定幅の長尺のものがロール巻の形で製造、供給されている。このロール状に巻 き取られたフィルムまたは、シートを所定の仕様や寸法に加工したり、あるいは ロール巻のまま畑に持ち込んで展張し、カットして使用することが一般に行われ ている。これらの場合、必要な長さを知るためには、フィルムやシートを加工す る場合には測長器や巻尺、物差し等で測るか、あるいは畑では実地の畝やハウス に合せてカットしてきた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

これまでの農業用フィルムまたはシートの規格、寸法としては、厚さ，幅，長 さが規定されていて、その使用目的や畑またはハウスの大きさなどに応じて選択 使用されてきた。ロール巻フィルムまたはシートの長さは、特注品を除いて一般 に１００メートル単位で供給されており、寸法のうちで厚みと幅については適宜 選択すればよいが、長さについては加工時または展張時にカットしたり、継いだ りする必要がある。このようなロール巻フィルムまたはシートについては、現在 まで幅方向の中央にそのフィルムまたはシートの商品名や販売会社名などが長さ 方向に列状に繰返し印刷されているのみで、この印刷はフィルムまたはシートを 使用する時に、幅方向の中央のマークとして利用することができる。しかし長さ 方向については目印がなく加工機に設置されている測長器や巻尺などによって測 る以外に方法はなかった。

【０００４】 本考案者らはロール巻フィルムまたはシートの長さ方向について、適当な間隔 で単位長さを示す数字および標線を印刷しておけば、加工する時、切り売りする 時あるいは畑で使用する時など測長器や巻尺で測定する手間が省ける上、残りの 長さも簡単に知ることができ大変便利であると考えた。また畑で作物を定植や播 種したり、そのための孔をフィルム上に一定間隔であけたりする時や、支柱を一 定間隔で立てたりする場合の目印となり大いに役に立つ。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

農業用の合成樹脂フィルムやシートは一般に粒状や粉体の原料樹脂の配合物か ら、押出成形法やカレンダー加工法などによりフィルム状またはシート状に成膜 され巻取機でロール状に巻取られて製造される。このロール状フィルムまたはシ ートの製造工程において、成膜されてからロール状に巻取られるまでの間におい て、連続的に流れるフィルムまたはシートに一定間隔で、フィルムまたはシート の先端または末端からの長さを示す数字および標線を印刷すればよい。

【０００６】 印刷する装置としては非接触式の一定間隔毎に、その長さに応じて数字が逐次 変換していく装置を備えた速乾性のインクを連続的に流れるフィルムまたはシー ト上に噴射するジェット印字装置や、接触式のロール印刷の数字を逐次変換する 装置、いわゆるナンバリング捺印装置などを用いることができる。印刷する位置 はロール巻の幅方向の何れの位置でもよいが、中央部か両端部または片端部が望 ましいが、使用目的に応じ、またはフィルムの幅に応じて、所要の間隔で任意に 印刷することができる。印刷する数字は、ロール巻フィルムまたはシートの長さ に応じて、メートルごとにフィルムまたはシートの先端または末端からの距離を 表すゼロから二桁ないし四桁のアラビア数字を印刷する。さらに使用者の便宜を はかるため、１メートル以内については必要に応じて１０センチメートルごと、 ２０センチメートルごとまたは５０センチメートルごとに標線または／および数 字を印刷する。

【０００７】 数字および標線の大きさは実際に使用あるいは加工する際に容易に見える大き さにすればよいが、具体的には数字および標線の大きさが長さおよび幅とも５ミ リメートルないし５０ミリメートルの範囲にあることが望ましい。また数字にメ ートル、センチメートル、ｍ、およびｃｍなどの単位を印字することもできる。 印刷の色は、フィルムやシートの色によって最も見やすい色が選ばれる。例えば 透明や白のフィルムやシートの場合には、印字や標線の色は黒，青，紫，緑およ び赤などを用い、黒や緑のフィルムには白，黄色，黄緑，および橙などを用いる ことが好ましい。フィルムの長さ方向に対し印刷する数字を丁度適合させるには 工夫を要する。すなわち印刷機からフィルムまたはシートを巻取るまでの距離を 考慮し、その距離を補正して巻き始めが丁度ゼロまたはそのフィルムまたはシー トの長さに相当するメートル単位の数字、例えば１００メートルの長さのフィル ムまたはシートの場合は、１００になるように印字することにより行われる。な おインクジェットの信号は、フィルムの巻取機に設置されているフィルムの測長 センサーより電気信号として自動的に取出し印字装置にインプットする。ロール 印刷の場合には、製造するフィルムの長さおよび印刷仕様に合せて印刷ロールを 選びナンバリング機構とセットし、製品となる最初のフィルムの先端が印刷機を 通過する時点から印刷機をスタートさせる。製造するフィルムまたはシートの長 さなどの仕様が変る都度、ジェット式あるいは、ロール式とも必要な変更を行う 農業用のフィルムまたはシートでは経時的な収縮を考慮して規定の長さの１ない し５％に相当する長さをいわゆる余尺としてつけるが、この部分は無印でもよい し余尺の長さに合せて印刷するようにセットすることもできる。

【０００８】 印字する数字や文字の向きは、インクジェット法の場合には、フィルムの流れ る方向と数字の向きが平行で横書きの場合は印刷ヘッドを固定し、フィルムの流 れの速さに対応してインクジェットを調整すればよい。また数字の向きが、フィ ルムの流れ方向と平行で縦書きの場合は数字の桁数だけの多段印字ヘッドを用い るか、複数の１段印字ヘッドを縦方向に並べてジェット印刷すればよい。数字の 向きがフィルムの流れ方向と直角方向に印刷する場合は、印字する瞬間にフィル ムの流れを静止させ、印字ヘッドをフィルムの流れと直角方向に移動させる装置 を用いて印字することによって行う。フィルムの流れを印刷する位置で静止させ ている間は、印刷装置の前後にフィルムのアキュムレータを設け、連続的に流れ るフィルムの流れをここで調整する。ロール印刷の場合にも数字を変換するナン バリング印字装置の印字の向きをフィルムの流れ方向に平行および垂直のいずれ を選ぶことにより、数字の向きを選択することができる。数字および標線を同時 に印刷する時は、二段印字のヘッドを用いるか、二個のヘッドを用いて印刷を行 う。

【０００９】

【実施例】

【実施例１】 厚さ０．１ｍｍ，幅８ｍ，長さ１００ｍの無色透明な農業用ポリオレフィンフ ィルムをインフレーション成膜装置を用いて製造する際に、フィルムを成膜して から最終的にロール状に巻取るまでの間で、商品名などを印刷する印刷機の近く で、同じ面に対し、送られていくフィルム面に向かって、一定の信号を受けてイ ンクを噴射する型のジェット印刷機を備え、フィルムの両端から１ｃｍの位置に １メートルごとに標線と数字を黒インクで印刷し５０センチメートルごとに標線 を印刷した。数字は巻き始めが１００で始まり００で終るようにフィルムの流れ と平行に横書きで印刷した。概略を図１に示す。

【００１０】

【実施例２】 厚さ０．０７５ｍｍ，幅１０ｍ，長さ４００ｍの無色透明な農業用ポリオレフ ィンフィルムをインフレーション装置で成膜し実施例１と同じ方法で数字および 標線を印刷した。数字は４００に始まり０００で終るように数字の向きはフィル ムの流れと平行に縦書きで印刷した。概略を図２に示す。

【００１１】

【実施例３】 厚さ０．０２ｍｍ，幅１３５ｃｍ，長さ２００ｍの農業用黒色ポリエチレンフ ィルムをインフレーション装置で成膜し、実施例１と同じ方法で数字を１メート ルごとに２００から０００まで、フィルムの流れと平行に横書きで、標線を２０ センチメートルごとに印刷した。

【００１２】

【実施例４】 厚さ０．０２ｍｍ，幅１５０ｃｍ，長さ２００ｍの農業用透明ポリエチレンフ ィルムを接触式のロール印刷法のナンバリング装置を用いて実施例１と同様な方 法で数字を１メートルごとに２００から０００まで、フィルムの流れと直角の向 きに標線を２０センチメートルごとに印刷した。概略を図３に示す。

【００１３】

【実施例５〜１１】 下記のポリオレフィン系および塩化ビニール系フィルムを成膜してから、巻取 るまでの間で、それぞれに最適の印刷インクを用い、用途に合せた仕様で印刷し た。詳細を表１に示す。

【００１４】

【表１】

【００１５】

【考案の効果】

本考案はハウス、トンネルあるいはマルチングなどの施設園芸の被覆資材に用 いる農業用のフィルムまたはシートで、長さ方向に単位長さを示す数字および標 線を印刷したものを提供することによって、これらのフィルムまたは、シートを 実際に加工したり、使用する際に長さを容易に知ることができ、かつ任意の長さ の一定間隔で播種や定植および資材の設置を可能とするなどの便宜性を与えるも のである。

【図面の簡単な説明】

以下に本考案に係る農業用フィルムの単位長さを示す数
字および標線の印刷した代表的な例を示す。

【図１】実施例１で製造したフィルムの概略図である。

【図２】イルムまたはシート実施例２で製造したフィル
ムの概略図である。

【図３】実施例４で製造したフィルムの概略図である。

【図４】実施例７で製造したフィルムの概略図である。

【符号の鋭明】１．農業用フィルムまたはシート ２．単位長さを示す数字 ３．単位長さを示す標線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長さ方向に一定間隔で単位長さが表示さ
   れている農業用フィルムまたはシート。