JPH07255801A - マッサージ機の押圧装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンパクトで、かつ安価なマッサージ機の押
圧装置を提供すること。 【構成】 ベースフレーム７に、その軸線方向に摺動
可能で、軸線の周囲に回転不能な直線運動部材２が支持
され、また、直線運動部材２の一端には、人体を押圧す
るための押圧部６が設けられており、他端には、ピン３
が固定されている。直線運動部材２とベースフレーム７
との間には、圧縮コイルバネ４が設けられている。さら
に、直線運動部材２のピン３側には、直線運動部材２の
周囲に回転可能に支持され、ピン３と接触し、直線運動
部材２を軸線方向に摺動させるためのカム面１ｂを有す
るカム体１が設けられている。カム面１ｂは、押圧部６
が最も後退する位置で停止させるための平面部分Ｃ１、
押圧部６を除々に人体側に突出させる傾斜部分Ｃ２、及
び最後退位置まで押圧部６を戻すための急傾斜部分Ｃ３
とから成る。そして、カム体１は、電動機５によって回
転駆動される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、人体に対して、押圧運
動等を行なうマッサージ機の押圧装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、人体に対して押圧等を行なうマッ
サージ機の押圧装置としては、例えば、図５に示すよう
なものがある。

【０００３】摺動運動を行なう直線運動部材６１の一端
には、人体７０を押圧するための押圧部６１ａが設けら
れ、他端には、ピン６４が設けられている。そして、直
線運動部材６１の軸中心とは別の軸中心を持ち、モータ
ー（図示せず）によって回転するカム体６５のカム面６
５ａを、前記ピン６４の先端部に係合させる。そのカム
体６５の回転によって前記ピン６４が上下方向に移動
し、直線運動部材６１が矢印Ｘ方向の往復運動を繰り返
し、直線運動部材６１とベースフレーム６２の間に設け
られた圧縮コイルバネ６３の反発力により人体７０の肩
や背中等が、押圧部６１ａにより押圧される。この装置
が、左右に所定の距離をおいて一対配設されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
のマッサージ機の押圧装置を、例えば椅子型マッサージ
機の背もたれ部分に用いる場合、装置はできるだけコン
パクトな方が都合が良く、従来の押圧装置では、図５に
示すように直線運動部材６１の軸線とカム体６５の軸線
とが、別々になるように構成されているので、装置自体
が大型化してしまい、コンパクト化の要請に沿うもので
はなかった。また、部品点数が多くなり、高価なものと
なっていた。

【０００５】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、コンパクトで、かつ安価なマッ
サージ機の押圧装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のマッサージ機は、マッサージ機の押圧装置の
基台となるベースフレームと、前記ベースフレームにお
いて摺動可能かつ摺動方向の軸線の周りに回転不能に支
持され、その一端に人体を押圧するための押圧部を備え
た直線運動部材と、前記直線運動部材の周囲に回転可能
に配置され、かつその回転によって前記直線運動部材を
摺動させるカム面を有するカム体と、前記カム体を回転
させるための駆動手段とを備えている。

【０００７】また、前記直線運動部材と前記ベースフレ
ームとの間に設けられ、常には前記直線運動部材を、前
記カム体のカム面に圧接させる弾性部材を備えていても
良い。 さらに、前記弾性部材を、圧縮コイルバネによ
り構成することが望ましい。

【０００８】

【作用】上記の構成を有する本発明のマッサージ機の押
圧装置によれば、駆動手段が、直線運動部材の周囲に回
転可能に配置されたカム体を回転させると、ベースフレ
ームにおいて摺動可能かつ摺動方向の軸線の周りに回転
不能に支持され、その一端に人体を押圧するための押圧
部を備えた直線運動部材が、直線運動部材の軸線方向に
摺動し、前記押圧部が人体を押圧する。

【０００９】

【実施例】以下、本発明のマッサージ機の押圧装置を具
体化した一実施例を図面を参照して説明する。

【００１０】図１に、本実施例のマッサージ機の押圧装
置の要部概略側面図を示す。

【００１１】円筒形のベースフレーム７の中心部分に、
その軸線方向（図中の矢印Ｘ方向）に摺動可能な直線運
動部材２が支持されており、その直線運動部材２のベー
スフレーム７と接する部分には、軸線方向に延びる溝部
２ａが、一箇所設けられている。そして、ベースフレー
ム７を貫通し、溝部２ａまで延びる回り止めネジ７ａに
より、直線運動部材２は、ベースフレーム７に対して、
摺動可能かつ軸線の周囲に回転不能に支持されている。

【００１２】また、直線運動部材２の一端には、ゴムか
らなり、人体を押圧するための押圧部６が設けられてお
り、他端には、軸線方向と直交する方向に突出するピン
３が固定されている。直線運動部材２とベースフレーム
７との間には、本発明の弾性部材を構成する圧縮コイル
バネ４が設けられており、これにより、押圧部６が突出
する方向への押圧力を与えるように構成されている。

【００１３】さらに、直線運動部材２のピン３側には、
直線運動部材２の周囲に回転可能に支持され、ピン３と
接触し、直線運動部材２を図中の矢印Ｘ方向に摺動させ
るためのカム面１ｂを有するカム体１が、ベースフレー
ム７に隣接して設けられている。そして、カム体１に
は、その周囲に駆動歯車１ａが設けられており、電動機
５の軸５ａの先に設けられたウォーム歯車５ｂと前記駆
動歯車１ａとが噛み合うことにより、電動機５の回転が
カム体１に伝えられ、カム体１が回転するようになって
いる。尚、電動機５の軸に圧入等によって固定されたプ
ーリーと、カム体１とに渡ってかけられるベルトを介し
て、電動機５の回転がカム体１に伝えられるように構成
しても良い。そして、この電動機５が、本発明の駆動手
段を構成している。

【００１４】ピン３が接触するカム体１のカム面１ｂ
は、カム体１が回転することによって、直線運動部材２
が図２のグラフに示すような位置関係となるように形成
されている。つまり、カム面１は、直線運動部材２が最
も後退する位置（最後退位置）で、しばらくの間、直線
運動部材２を停止させるための平面部分Ｃ１、回転角に
比例して直線運動部材２を除々に矢印Ｙ方向に突出さ
せ、直線運動部材２が最もＹ方向に突出する位置（最押
込位置）Ｔに至るまでの傾斜部分Ｃ２、急速に最後退位
置まで直線運動部材２を戻すための急傾斜部分Ｃ３を有
している。そして、図２より、平面部分Ｃ１の回転範囲
は０゜〜２０゜、傾斜部分Ｃ２の回転範囲は、２０゜〜
２４０゜、急傾斜部分Ｃ３の回転範囲は２４０゜〜３６
０゜（０゜〜−１２０゜）である。

【００１５】次に、本実施例のマッサージ機の押圧装置
の動作について説明する。

【００１６】カム体１と一体的に形成されている駆動歯
車１ａが、電動機５によって回転駆動されることによ
り、カム体１が回転する。これによって、直線運動部材
２に設けられているピン３が、圧縮コイルバネ４の作用
をうけて、カム体１のカム面１ｂ側に圧力をかけられな
がらカム面１ｂ上を摺動し、直線運動部材２が矢印Ｘ方
向の往復運動を繰り返す。

【００１７】まず、カム体１の回転角度０゜〜２０゜の
位置で、ピン３は、図２中のカム面１ｂの平面部分Ｃ１
の部分に接しており、この時の直線運動部材２の状態を
図３に示す。図３に示すように、回転角度０゜〜２０゜
の範囲では、圧縮コイルバネ４が縮んだ状態で、直線運
動部材２は、最も後退した状態にある。従って、押圧部
６は、人体から離れている。

【００１８】次いで、カム体１が回転し、カム面１ｂの
傾斜部分Ｃ２がピン３に接すると、除々に直線運動部材
２が矢印Ｙ方向に突出し、押圧部６が人体を押圧し始め
る。そして、傾斜部分Ｃ２と急傾斜部分Ｃ３との境界線
付近Ｔ、即ちカム体１の回転角度２４０゜（−１２０
゜）の位置にピン３が達すると、直線運動部材２が、最
も突出した状態となる。この時の直線運動部材２の状態
を図４に示す。図４に示すように、圧縮コイルバネ４が
伸びた状態となり、直線運動部材２の先端に設けられた
押圧部６が、最も深く人体を押圧することになる。

【００１９】さらに、カム体１が回転し、カム面１ｂの
急傾斜部Ｃ３（回転角度２４０゜〜３６０゜（０゜〜−
１２０゜））がピン３に接すると、急速に直線運動部材
２が矢印Ｚ方向に移動し、押圧部６が人体から離れる。

【００２０】以上の動作を繰り返すことにより、押圧部
６が、人体の肩や背中等の所定の箇所を複数回押圧す
る。

【００２１】尚、人体に対する押圧方法は、電動機５の
回転速度等の制御方法を変化させることにより、様々に
変化させることができ、例えば、最も押圧部６が人体側
に突出した状態、あるいは任意の位置まで突出した状態
で、一定時間電動機５を停止させることにより、その押
圧状態を保持させることができる。また、電動機５の回
転方向を逆転させ、カム体１の回転を逆にすると、押圧
部６が、急速に最押込位置に達し、徐々に最後退位置ま
で後退するようになる。

【００２２】このように本実施例のマッサージ機の押圧
装置によれば、図１に示すように、直線運動部材２の軸
線とカム１の軸線とが一致するように構成されているの
で、マッサージ機の押圧装置を配置するのに必要なスペ
ースは、駆動部を除けばカム体１の外形寸法と等しくな
り、従来に比べてコンパクトになる。また、少ない部品
点数で構成することができるので、安価となる。

【００２３】また、本実施例においては、直線運動部材
２とベースフレーム７との間に弾性部材を設けているの
で、確実にピン３をカム体１のカム面１ｂに接触させる
ことができると共に、人体側から何等かの原因により、
押圧部６に対して大きな圧力がかかった場合、圧縮コイ
ルバネ４が縮み、直線運動部材２を後退させるように作
用するので、安全性の高い装置となる。

【００２４】尚、本実施例においては、弾性部材とし
て、圧縮コイルバネを用いたが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、例えば、板バネ、ゴム部材及び内部
に空気等の気体が入ったドーナツ形状の風船のようなも
のを用いても良い。

【００２５】また、カム体の内周面に３６０°にわたっ
てカム溝を設け、直線運動部材に前記カム溝と係合する
凸部を設け、その凸部が回転するカム体のカム溝内を摺
動することにより、直線運動部材が往復運動するように
構成しても良い。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のマッサージ機の押圧装置によれば、直線運動部材
の軸線とカム体の軸線とが一致するように構成されてい
るので、従来に比べて、装置のコンパクト化を図ること
ができ、また、少ない部品点数で装置を構成することが
できるので、装置コストの低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例のマッサージ機の押圧装置の概略側面
図である。

【図２】カム体の角変位と押圧部の変位の関係を表わす
グラフである。

【図３】押圧部が最後退位置にある時の概略側面図であ
る。

【図４】押圧部が最押込位置にある時の概略側面図であ
る。

【図５】従来のマッサージ機の押圧機構の概略側面図で
ある。

【符号の説明】 １ カム体 １ｂ カム面 ２ 直線運動部材 ３ ピン ４ 圧縮コイルバネ ５ 電動機 ６ 押圧部 ７ ベースフレーム

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 マッサージ機の押圧装置の基台となるベ
   ースフレームと、 前記ベースフレームにおいて摺動可能かつ摺動方向の軸
   線の周りに回転不能に支持され、その一端に人体を押圧
   するための押圧部を備えた直線運動部材と、 前記直線運動部材の周囲に回転可能に配置され、かつそ
   の回転によって前記直線運動部材を摺動させるカムを有
   するカム体と、 前記カム体を回転させるための駆動手段と、 を備えたことを特徴とするマッサージ機の押圧装置。
2. 【請求項２】 前記直線運動部材と前記ベースフレーム
   との間に設けられ、常には前記直線運動部材を、前記カ
   ム体のカム面に圧接させる弾性部材を備えたことを特徴
   とする請求項１に記載のマッサージ機の押圧装置。
3. 【請求項３】 前記弾性部材を、圧縮コイルバネにより
   構成したことを特徴とする請求項２に記載のマッサージ
   機の押圧装置。