JPH07253029A - ガスタービン吸気用高性能フィルタ及びそれを用いたガスタービン吸気用フィルタユニット - Google Patents

ガスタービン吸気用高性能フィルタ及びそれを用いたガスタービン吸気用フィルタユニット

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JPH07253029A
JPH07253029A JP6069083A JP6908394A JPH07253029A JP H07253029 A JPH07253029 A JP H07253029A JP 6069083 A JP6069083 A JP 6069083A JP 6908394 A JP6908394 A JP 6908394A JP H07253029 A JPH07253029 A JP H07253029A
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JP
Japan
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filter
gas turbine
filter medium
type
efficiency
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JP6069083A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Niinuma
仁 新沼
Fumio Nakajima
文男 中島
Katsuhiro Ono
克博 大野
Jun Iizuka
純 飯塚
Toru Baba
透 馬場
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Nippon Muki Co Ltd
Original Assignee
Nippon Muki Co Ltd
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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 防塵用フィルタを複数段設けて成るガスター
ビン吸気用フィルタユニットにおいて、気流方向の上流
側より、パネル型デミスター、巻取帯状型あるいは吹流
し型プレフィルタ、更に、気流方向の上流側より低効率
濾材と高効率濾材を密接して重ね、これら各濾材の濾材
面積が25〜35m2 /台である濾材構成にした高性能
フィルタの3段から成る防塵用フィルタを用いる。 【効果】 例えば法令による年1回の定期点検時のみの
フィルタ交換ですむため、フィルタ交換及び圧縮機の洗
浄等のメンテナンス作業が軽減される。また、HEPA
フィルタ等の高性能フィルタを使用するため、大気塵の
付着によるガスタービンの出力低下をおさえられる。ま
た、吸気用フィルタユニットがコンパクトとなり省スペ
ース化が図れ、更に、フィルタが4段式のものに比べ
て、3段と1段少なくてすむため、使用済みフィルタ等
の廃棄物の容積を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービンプラント
の空気圧縮機等に対する大気塵の付着を軽減することに
より、発電出力の低下を防止し、長時間に亘り空気圧縮
機等の洗浄、フィルタの交換を不要とするガスタービン
吸気用フィルタユニットに関し、更に詳しくは、フィル
タユニットの設置スペースをコンパクト化できるガスタ
ービン吸気用高性能フィルタとこれを用いたガスタービ
ン吸気用フィルタユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】図8に示す通り、ガスタービンaは運転
時に外気bを吸入する。この外気bには微粉塵や雨水、
ミスト、排気ガス中のカーボン微粒子、塩分粒子等の大
気塵が浮遊しているので、このような大気塵がガスター
ビン内部の腐食、汚染の原因となると共に、特に空気圧
縮機cに付着して空気圧縮機cの性能低下を生じさせ、
発電出力を低下させるという問題がある。そこで大気塵
の吸い込みを未然に防止するために、ガスタービンaの
空気吸込口dには、空気から大気塵を機械的に分離除去
して清浄化するための集塵装置(フィルタユニット)e
が設置されている。このフィルタユニットeは、特開平
5−106464号公報にも開示されるように、巻取式
帯状ガラス繊維の濾材から成る粗フィルタfと、イオン
交換繊維フィルタを折込型とした中性能フィルタgの2
段式に構成されている。尚、図中hはガスタービンaの
タービン部、iはガスタービンaによって駆動される発
電機を示す。前記従来のガスタービン吸気用フィルタユ
ニットは、充分に大気塵を除去できないためガスタービ
ンの発電出力の低下を生じさせ、また、粉塵保持容量が
小さいため年2〜3回の頻度でフィルタ交換が必要とな
る。このため、発電出力を低下させない高効率な吸気用
フィルタユニットで年1回義務づけられているガスター
ビンの定期点検時にフィルタ交換ができる長寿命のガス
タービン吸気用フィルタユニットの提案が望まれてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は前記要望
に応えるべく、パネル型デミスター、巻取帯状型あるい
は吹流し型プレフィルタ、箱型中性能フィルタ、及び箱
型高性能フィルタの4段式としたものを提案したが、吸
気用フィルタユニットが大きくなり設置スペースと設備
費が大となる問題があり、その対策が望まれている。そ
こで、低圧損、高効率、長寿命の観点から中性能フィル
タと高性能フィルタを複合化すればよいという結論に到
り、複合化に関する先行技術を参照したが各々に問題が
あった。まず、設置スペースを小さくする目的で、実開
昭62ー132715号公報に、ケーシング内を流れる
ガスの下流側に所定の能力を有する濾紙を、その上流側
に前記濾紙よりも捕集能力の低い濾紙を多段に設けるこ
とが開示されているが、フィルタが小さくならず設置ス
ペースを小さくする目的が達成できないという問題があ
る。また、塩分粒子を除去する目的で、実公平3ー35
373号公報に、撥水性を有する2枚の濾材の間に空隙
部を有する間隔保持体を挟み込むことが開示されている
が、これは塩分粒子が水滴となっても上流側の濾材裏面
に沿って液滴を落下させるためであり、濾材の厚みが大
きくなり、8000時間以上の寿命をもたせるために濾
材面積を大きくとることができず、また、圧力損失も大
きくなるという問題がある。また、濾過効率(0.1μ
mDOP)が99.99%以上(いわゆるULPA)の
高効率を得る目的で、特開昭54ー94176号公報
に、濾材を2層で構成し、気流方向に対して下流側の層
には粒径0.3μmの粒子に対して99.97%以上の
濾過効率を有する濾材を配し、上流側の層には粒径0.
3μmの粒子に対して99.97%未満75%以上の濾
過効率を有する濾材を配し、これら2層の濾材を密接に
重ね合わせた状態でジグザグ状に折り畳むことが開示さ
れているが、これは2段にするものに比べて寸法上の制
約および作り易さの観点から濾材を2層にするとしてい
るが、高効率が目的であり、寿命は考慮されておらずガ
スタービン用として使用した場合は、濾材の目詰まりが
早くフィルタ交換を年2〜3回以上実施する必要がある
という問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のガスタービン吸
気用高性能フィルタは、以上の課題を解決するために、
気流方向の上流側より低効率濾材と高効率濾材を密接し
て重ね、これら各濾材の濾材面積が25〜35m2 /台
である濾材構成にしたことを特徴とする。尚、前記濾材
は、気流方向に対して上流側の層には、粒径0.3μm
の粒子に対して10〜70%の濾過効率の濾材を配し、
下流側の層には粒径0.3μmの粒子に対して90〜9
9.99%の濾過効率の濾材を配することが好ましい。
また、前記濾材は、気流方向に対して凹凸となるように
ジグザグ状に折り畳まれ、その折り曲げ間隔部にシート
を波形に屈折したセパレータを挿入し、該セパレータの
屈折の波高さを挿入方向後端側の高さを挿入方向先端側
の高さより大きくしてテーパー状にしたものが好まし
い。また、本発明のガスタービン吸気用吸気用フィルタ
ユニットは、防塵用フィルタを複数段設けて成るガスタ
ービン吸気用フィルタユニットにおいて、前記防塵用フ
ィルタが気流方向の上流側より、パネル型デミスター、
巻取帯状型あるいは吹流し型プレフィルタ、前記本発明
ガスタービン吸気用高性能フィルタの3段から成ること
を特徴とする。尚、前記プレフィルタは吹流し型で濾材
面積が2〜8m2 /台であることが好ましい。
【0005】本発明のガスタービン吸気用フィルタユニ
ットを構成する前記パネル型デミスターは、雨水の浸入
を防止するためのものであり、従来種々公知のものがあ
るが、例えば、動植物性繊維および合成繊維をスプリン
グ状にカール加工して多くの小さな弾性体をつくり、こ
れを結合剤で被覆結合したものを板状にして金枠内に封
入したものが知られている。このデミスターは、一般に
は、厚みが10〜50mm、風速2m/sの時の濾過効
率(JIS8種,比色法)が15〜60%、圧力損失が
1〜10mmAqである。前記デミスターは圧力損失が
小さく、即ち、通気抵抗が小さく、水滴に対して濾過効
率が高いことが特徴で、また、汚れた場合に枠から外し
て洗浄することで再使用できる。もちろん、前記パネル
型デミスターとして雨水の浸入を屈折路で防ぐようにし
た屈折型の羽根式エリミネータ等も使用できる。
【0006】また、本発明のガスタービン吸気用フィル
タユニットを構成する前記プレフィルタとしては巻取帯
状型かあるいは吹流し型を用いるわけであるが、巻取帯
状型は図2に示す通り、ガラス繊維製濾材から成る帯状
濾材10が吸気空気路11を遮るように張設されてお
り、濾材10が巻き取られている送出用ロール12が上
部に設置される一方、その送出用ロール12から取り出
された濾材10を巻き取る巻取用ロール13が下部に設
置されている。この巻取帯状型プレフィルタは、一般に
は、濾材材質がガラス繊維及びポリエステル繊維等を用
いた不織布であり、濾材厚みが20〜70mm、平均繊
維径が15〜60μmで、風速2.5m/sの時の圧力
損失が4〜8mmAq、濾過効率(JIS15種,重量
法)が60〜90%、粉塵保持容量が500〜1300
g/m2 である。ただし、巻取帯状型は濾材の巻取り用
駆動装置の保守メンテナンスが必要となるため完全なメ
ンテナンスフリーとするには、濾材面積を広くした下記
吹流し型が好ましい。吹流し型は、図3乃至図5に示す
通り、濾材20を多数の袋体21を連続させた形状と
し、この濾材20をその開口部22に合わせて複数本の
桟23を備えたヘッド部24を介して枠体25に螺子2
6で取り付けるものである。ただし形態はこれに限定さ
れるものではなく濾材面積を所望のものにできる袋状の
ものであればよい。この吹流し型プレフィルタは、一般
には、濾材は厚みが10〜25mm、材質がポリエステ
ル、アクリル等の有機繊維の乾式不織布、平均繊維径が
20〜60μm、目付が300〜600g/m2 、風速
2.5m/sの時の圧力損失が2〜8mmAq、効率
(JIS15種,重量法)が60〜90%で、この濾材
を用いて濾材面積が2〜8m2 /台、外形寸法がタテ5
92mm×ヨコ592mm×奥行き500mmの吹流し
型プレフィルタとした。濾材面積が2m2 /台未満の場
合は所望のフィルタユニットの寿命が得られず、濾材面
積が8m2 /台を越える場合は、圧力損失が高くなり好
ましくない。従って濾材面積は2〜8m2 /台が好まし
い。尚、このフィルタの性能は風量50m3 /分の時の
圧力損失が2〜8mmAq、効率(JIS15種,重量
法)が60〜90%、粉塵保持容量が1000〜400
0g/台である。
【0007】本発明のガスタービン吸気用高性能フィル
タは、高効率濾材と低効率濾材との組み合わせで得られ
るものであるが、高効率濾材としては、粒径0.3μm
の粒子に対して90〜99.99%の濾過効率のものを
用いるのが好ましい。これは、90%未満では、ガスタ
ービンの圧縮機の塵埃付着が防止できず、99.99%
を越える場合は、塵埃付着防止には有効であるが圧力損
失が増大し、寿命が短くなる問題を生ずるからである。
また、低効率濾材としては、粒径0.3μmの粒子に対
して10〜70%の濾過効率のもを用いるのが好まし
い。これは、10%未満では下流側の高効率濾材の負担
が大きくなり、70%を越える場合は濾材の目詰まりが
早くなる問題が生ずるからである。これら高効率濾材3
0aと低効率濾材30bは、密接して重ね合わせられ、
濾材面積を増加させるために吸気空気の流れ方向に対し
て凹凸となるようジグザグ状に折り畳んでおり、それを
箱型の枠体31にシール材32を介して組み込み、その
折り曲げ間隔部にシートを波形に屈折したセパレータ3
3が挿入されている。尚、図示の様に、セパレータ33
の屈折の波高さを挿入方向後端側の高さH1を挿入方向
先端側H2の高さより大きくしてテーパー状に形成した
いわゆる傾斜型セパレータを用いることにより、通常の
セパレータの様に屈折の波高さを全長に亘り均等にした
ものに比べてフィルタを多風量で高性能にすることがで
きる。この高性能フィルタは、一般には、各濾材の厚み
が0.4〜2.0mm、目付が100〜200g/
2 、風速5.3cm/sの時の圧力損失が5〜45m
mAq、効率(0.3μmDOP)が90〜99.9%
で、セパレータは材質がアルミニウム、ステンレス等の
金属箔、クラフト、合繊等の紙、ポリアリレート、ポリ
エチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムで、該濾
材をジグザグに折り畳みセパレータを間挿して、濾材面
積が25〜35m2 /台、外形寸法がタテ610mm×
ヨコ610mm×奥行き290mmの高性能フィルタと
した。濾材面積が25m2 /台未満では、圧力損失が高
くなって寿命が短くなり、35m2 /台を越えると濾材
と濾材の間隔保持ができないという問題がある。従っ
て、濾材面積は25〜35m2 /台が好ましい。尚、こ
のフィルタの性能は風量50m3 /分の時の圧力損失が
15〜45mmAq、効率(0.3μmDOP)が90
〜99.99%、粉塵保持容量が1000〜3000g
/台である。
【0008】
【作用】上流側の低効率濾材に下流側の高効率濾材の負
荷を軽減するような濾材面積25〜35m2 /台と通常
(21m2 /台)に比べて大きいものを選択すると共
に、例えば、粒径0.3μmの粒子に対して10〜70
%の濾過効率の濾材を選択し、下流側の高効率濾材に上
流側の低効率濾材からの通過粉塵により圧力損失が増大
しないように濾材面積25〜30m2 /台と大きいもの
でかつ空気圧縮機の汚れを防止できる、例えば、粒径
0.3μmの粒子に対して90〜99.99%の濾過効
率の高効率濾材を選択して配するようにした。これら低
効率濾材と高効率濾材同士を密接して重ね合わせること
により、厚みを増大させることなく、濾材面積をフィル
タ枠内に多く折り込むことができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に付き説明す
る。図1は、本発明ガスタービン吸気用フィルタユニッ
トの実施例を示すもので、図略のガスタービンの吸気用
ダクトに連設したケーシング1内にガスタービンの連続
運転にとって有害な塵埃等の有害物質を吸気空気中から
除去するために、パネル型デミスター2、巻取帯状型あ
るいは吹流し型プレフィルタ3、更に本発明の高性能フ
ィルタ4から成る3段式のフィルタユニット5を設ける
ようにした。
【0010】デミスターは、サラン繊維(サランロッ
ク,登録商標)を金枠内に封入固定したもので、定格風
速が2.5m/s、圧力損失が3mmAq、濾過効率
(JIS8種,重量法)が28%で、寸法がタテ610
mm×ヨコ610mm×厚さ35mmのものを前記ケー
シング1内に16個(4列4段)設置するようにした。
【0011】プレフィルタとして巻取帯状型は、濾材は
厚みが50mm、材質がガラス繊維、平均繊維径が流入
側30μmで流出側が20μmの密度勾配、効率(JI
S15種,重量法)が80%で、この濾材を用いたフィ
ルタの性能は風速2.5m/sの時の圧力損失が6mm
Aq、粉塵保持容量が1000g/m2 の自動巻取式
で、外形寸法が1200mmのものを前記ケーシング1
内に2台設置するようにした。また、吹流し型について
は、濾材は平均繊維径が35μmのポリエステル繊維を
塩ビ系樹脂で結合して厚さ15mm、目付を300g/
2 とし、風速2.5m/sの時の圧力損失が5mmA
q、効率(JIS15種,重量法)が80%の濾材を6
山折り畳み金枠で固定して、濾材面積が4m2 /台、外
形寸法がタテ592mm×ヨコ592mm×奥行き50
0mmのフィルタとした。このフィルタの性能は風量5
0m3 /分の時の圧力損失が5mmAq、効率(JIS
15種,重量法)が80%、粉塵保持容量が2800g
/台で、前記ケーシング1内に16個(4列4段)設置
するようにした。
【0012】高性能フィルタは、低効率濾材(厚み0.
3mm、目付60g/m2 、濾過効率(0.3μmDO
P)15%、圧力損失0.9mmAqの平均繊維径2.
0μmのガラス繊維と有機繊維の混抄した湿式不織布)
と高効率濾材(厚み0.4mm、目付70g/m2 、濾
過効率(0.3μmDOP)99.97%、圧力損失2
8mmAqの平均繊維径0.8μmのガラス繊維の湿式
不織布)を密接して重ね合わせて折り込み、アルミニウ
ム箔の傾斜型セパレータを挿入して、ジグザグ状折込型
(箱型)としたもので、フィルタとして圧力損失33m
mAq、粉塵保持容量2000g/台、濾過効率(0.
3μmDOP)99.97%のものが得られる。この様
にして得られた外径寸法がタテ610mm×ヨコ610
mm×奥行き290mmのものを前記ケーシング1内に
16個(4列4段)設置するようにした。尚、従来のご
とく、高効率濾材と低効率濾材を別々に610mm×6
10mm×290mmのフィルタとして2段に設置した
場合には圧力損失が38mmAqと高くなるが、本発明
のごとく高効率濾材と低効率濾材を密接して重ね合わせ
ることにより構造上の抵抗が下がりフィルタユニットの
圧力損失の低減にも寄与できる。
【0013】前記プレフィルタとして巻取帯状型を用い
たものを実施例1、吹流し型を用いたものを実施例2と
し、更に、前記デミスターを用いずに前記巻取帯状型プ
レフィルタと前記高性能フィルタの高効率濾材を取り除
いて低効率濾材のみとした箱型中性能フィルタの2段式
としたものを従来例1、実施例1の高性能フィルタを、
低効率濾材と高効率濾材をそれぞれ単層にして箱型中性
能フィルタと箱型高性能フィルタとして4段式としたも
のを比較例1として、それぞれガスタービン吸気用フィ
ルタユニットとして構成し、これらガスタービン吸気用
フィルタユニットに外気を連続的に流し続け、その期間
中のガスタービンの出力低下を試験すると共に設置スペ
ースの省スペース化について評価した。前記各吸気用フ
ィルタユニットの構成を下記表1に、また試験結果を下
記表2に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】前記表から明らかなように、特開平5−1
06464号公報に記載される様に、従来の巻取帯状型
プレフィルタと箱型中性能フィルタの2段式では、長時
間の使用においてはガスタービンの出力が10%程度低
下する。また、フィルタが目詰まりして寿命がくること
により年2〜3回フィルタ交換及び圧縮機の洗浄作業が
必要となる。また、比較例1は、ガスタービンの出力低
下については効率99.97%と高効率であるため圧縮
機の塵埃付着を防止でき、フィルタ寿命の長期化も図
れ、フィルタ交換も年1回ですむが、デミスター、プレ
フィルタ、中性能フィルタ、高性能フィルタと4段式と
なりフィルタの設置スペースが膨大となり、設備費もか
さむことになる。これに対し、本発明の実施例1は、中
性能フィルタと高性能フィルタの複合化が図れ、従来4
段式では3300mm長さのフィルタユニットが本発明
では2300mmで約1000mmの省スペースが図れ
ると共に濾過効率も比較例1同様に優れるため圧縮機の
塵埃付着防止ができて、しかも比較例1よりも粉塵保持
容量が低圧損化のため大きくなり結果としてフィルタの
長寿命化が更にはかれる。但し、プレフィルタが巻取帯
状型で自動であるため駆動装置の関係から駆動部の保守
点検が必要となる。また、本発明の実施例2は、実施例
1のプレフィルタを吹流し型とすることにより、ガスタ
ービンの出力低下を防止でき、省スペース化が図れると
共に8000時間以上のメンテナンスフリーを達成でき
る。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガスター
ビン吸気用フィルタユニットによれば、例えば法令によ
る年1回の定期点検時のみのフィルタ交換ですむため、
フィルタ交換及び圧縮機の洗浄等のメンテナンス作業が
軽減される。また、HEPAフィルタ等の高性能フィル
タを使用するため、大気塵の付着によるガスタービンの
出力低下をおさえられる。また、吸気用フィルタユニッ
トがコンパクトとなり省スペース化が図れ、更に、フィ
ルタが4段式のものに比べて、3段と1段少なくてすむ
ため、使用済みフィルタ等の廃棄物の容積を低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ガスタービン吸気用フィルタユニットの
構成図
【図2】巻取帯状型プレフィルタの部分切断正面図
【図3】吹流し型プレフィルタの濾材の側面図
【図4】前記濾材のヘッド部の正面図
【図5】前記吹流し型プレフィルタの平面図
【図6】高性能フィルタの斜視図
【図7】前記高性能フィルタの部分切断平面図
【図8】従来のガスタービン吸気用フィルタユニットの
構成図
【符号の説明】
1 ケーシング 2 パネル型デミスター 3 巻取帯状型あるいは吹流し型プレフィルタ 4 高性能フィルタ 5 ガスタービン吸気用フィルタユニット 30a 高効率濾材 30b 低効率濾材 31 枠体 32 シール材 33 セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯塚 純 茨城県結城市作の谷415番地 日本無機株 式会社結城工場内 (72)発明者 馬場 透 茨城県結城市作の谷415番地 日本無機株 式会社結城工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気流方向の上流側より低効率濾材と高効
    率濾材を密接して重ね、これら各濾材の濾材面積が25
    〜35m2 /台である濾材構成にしたことを特徴とする
    ガスタービン吸気用高性能フィルタ。
  2. 【請求項2】 気流方向に対して上流側の層には、粒径
    0.3μmの粒子に対して10〜70%の濾過効率の濾
    材を配し、下流側の層には粒径0.3μmの粒子に対し
    て90〜99.99%の濾過効率の濾材を配したことを
    特徴とする請求項1記載のガスタービン吸気用高性能フ
    ィルタ。
  3. 【請求項3】 前記濾材は気流方向に対して凹凸となる
    ようにジグザグ状に折り畳まれ、その折り曲げ間隔部に
    シートを波形に屈折したセパレータを挿入し、該セパレ
    ータの屈折の波高さを挿入方向後端側の高さを挿入方向
    先端側の高さより大きくしてテーパー状にしたことを特
    徴とする請求項1記載のガスタービン吸気用高性能フィ
    ルタ。
  4. 【請求項4】 防塵用フィルタを複数段設けて成るガス
    タービン吸気用フィルタユニットにおいて、前記防塵用
    フィルタが気流方向の上流側より、パネル型デミスタ
    ー、巻取帯状型あるいは吹流し型プレフィルタ、請求項
    1記載のガスタービン吸気用高性能フィルタの3段から
    成ることを特徴とするガスタービン吸気用フィルタユニ
    ット。
  5. 【請求項5】 前記プレフィルタが吹流し型で濾材面積
    が2〜8m2 /台であることを特徴とする請求項4記載
    のガスタービン吸気用フィルタユニット。
JP6069083A 1994-03-14 1994-03-14 ガスタービン吸気用高性能フィルタ及びそれを用いたガスタービン吸気用フィルタユニット Pending JPH07253029A (ja)

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