JPH07252539A - 金属ストリップの誘導加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属ストリップを搬送する過程で、その金属
ストリップを急速加熱して良品質化するようにし、その
加熱のとき金属ストリップは常時浮揚状態になってい
て、誘導加熱装置等の他物に当らず、疵が付かないし、
またこれに無用のテンションが加わらないようにする。 【構成】 横方向に向けて形成された金属ストリップ３
の搬送軌跡１に沿って、金属ストリップを加熱する為の
誘導加熱装置４と、噴流流体によって上記金属ストリッ
プを浮揚させる為の浮揚ノズル５を配設した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、横方向に向けて形成さ
れた金属ストリップの搬送軌跡に沿って、金属ストリッ
プを搬送する過程で、その金属ストリップを急速に加熱
するようにした金属ストリップの誘導加熱装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】横方向に向けて形成された金属ストリッ
プの搬送軌跡に沿って、金属ストリップを加熱する為の
誘導加熱装置を配設して、金属ストリップを搬送する過
程で、その金属ストリップを急速に加熱するようにした
金属ストリップの誘導加熱装置は知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この従来の横型の金属
ストリップの誘導加熱装置にあっては、金属ストリップ
を横方向に向けて搬送する過程で金属ストリップに中弛
みが生じ、搬送中誘導加熱装置に接触して金属ストリッ
プに疵が付く恐れがある。これを防止する為に金属スト
リップ支持用のローラを各所に配置することが考えられ
るが、金属ストリップを焼鈍の為に高温化させてあった
り、表面にコーテングしてあったりすると、金属ストリ
ップ表面に微細な支持ローラとの接触疵が付される問題
点があった。また金属ストリップが支持ローラに接触す
ることによって金属ストリップに無用の張力が加わり、
品質低下をもたらす問題点もあった。

【０００４】本願発明の金属ストリップの誘導加熱装置
は上記従来技術の問題点（技術的課題）を解決する為に
提供するものである。

【０００５】第１の目的は、横方向に向けて形成された
金属ストリップの搬送軌跡に沿って、金属ストリップを
加熱する為の誘導加熱装置を配設することによって、金
属ストリップを搬送する過程で、その金属ストリップを
急速加熱して良品質化するようにした金属ストリップの
誘導加熱装置を提供することであり、第２の目的は、そ
の加熱の為に搬送されている金属ストリップは常時浮揚
状態になっていて、誘導加熱装置等の他物に当らず、疵
が付かないようになることであり、第３の目的は、加熱
の為に搬送する過程で、金属ストリップを無接触の浮揚
状態にすることにより、これに無用のテンションが加わ
らないようにすることである。

【０００６】他の目的及び利点は図面及びそれに関連し
た以下の説明により容易に明らかになるであろう。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本願発明における金属ストリップの誘導加熱装置
は、横方向に向けて形成された金属ストリップの搬送軌
跡に沿って、金属ストリップを加熱する為の誘導加熱装
置を配設すると共に、噴流流体によって上記金属ストリ
ップを浮揚させる為の浮揚ノズルを配設したものであ
る。

【０００８】

【作用】横方向に向けて形成された金属ストリップの搬
送軌跡に沿って、金属ストリップを加熱する為の誘導加
熱装置を配設し、噴流流体によって上記金属ストリップ
を浮揚させる為の浮揚ノズルを配設し、噴流流体によっ
て上記金属ストリップを浮揚させると、金属ストリップ
は無疵でもって、テンション少なく、極めて軽快に搬送
される。

【０００９】

【実施例】以下本願の実施例を示す図面について説明す
る。図１および図２において、１は横方向に向けて形成
された金属ストリップの搬送軌跡を示し、これに沿って
矢印２方向に向けて金属ストリップ３を移動させる。金
属ストリップ３としては一般に0.1〜4.0mm厚、250〜200
0mm幅で、鉄、アルミ、ステンレス等の種々な材質のも
のが対象とされる。

【００１０】４は周知の誘導加熱装置で、２つ以上の周
知の誘導加熱器で構成される。また図示の如く、4a〜4c
の３つ乃至は任意の数（例えば２〜８台）の誘導加熱器
でもって誘導加熱装置は構成してもよい。これらの各矢
印２方向の長さは0.5〜3.0ｍ位、幅は周知のように金属
ストリップ３の幅に対応して定められる。これらの加熱
能力と台数は炉長と、金属ストリップの昇温予定温度に
よって決められる。

【００１１】５（5a、5b、5c）は周知の静圧式の浮揚ノ
ズルを示し、誘導加熱器相互間に配し、夫々吹出口６よ
り気体例えば大気を吹出す。吹出し圧力は、金属ストリ
ップ３の単位重量に対応させ、その下部７に静圧を形成
して、その静圧で金属ストリップ３の下面を浮揚状態に
支持できる圧力にしてある。静圧用の浮揚ノズルとして
は特開昭５５−３１１７８号公報でも知られている。吹
出温度は前段の誘導加熱器で加熱された金属ストリップ
の温度を維持する程度に定める。金属ストリップの温度
よりも高温にして実質的に加熱作用を有するガス温にす
ると、誘導加熱装置特有の金属ストリップのグレンサイ
ズの成長を低くする作用に悪影響をもたらすし、また表
面にコーティング材がある場合はそのコーティング材温
度が内部の金属ストリップ素材の温度よりも上昇して乾
燥が表面から生じ、内部に悪い現象をもたらすので吹出
ガス温は、実質的に加熱作用がなく、金属ストリップの
温度と略同程度か、やや高いのが好ましい。なおこれら
の浮揚ノズル５には周知のようにダクト９を通じて夫々
適温の圧力気体が送られる。ここの流動気体5dはコーテ
ィング材から出る水分を搬出する作用を有する。また誘
導加熱器４と浮揚ノズル５は図示外の任意のケースで囲
まれる。浮揚ノズル５の矢印２方向の長さは0.3〜0.6ｍ
位である。８は低温状態にある入口側の金属ストリップ
を支持する為の周知の支持ローラを示す。

【００１２】上記構成のものにあっては、周知のように
表面に任意の塗材が薄膜状に付されているコーティング
済の金属ストリップ３を矢印２方向に向けて、搬送軌跡
１に沿って搬送させ、また夫々の誘導加熱器４に電力を
供給し、各浮揚ノズル５からは夫々適温の気体を吹出さ
せることにより金属ストリップの熱処理（例えばコーテ
ィング材の乾燥、焼付又は焼鈍）が行われる。この場
合、常温で入った金属ストリップ３が最終段階では適温
（例えば３００℃、金属ストリップの焼鈍用として用い
る場合は例えば８００℃）になるように各誘導加熱器４
の加熱と、浮揚ノズル５の吹出温度は順に高温化するよ
うに設定される。

【００１３】次に第３図は、上記金属ストリップ３を対
象として表面のコーティング材の乾燥、焼付又は焼鈍を
行う場合、無酸化の状態で行う場合の例を示す。28は加
熱帯28aにおける誘導加熱装置4e、浮揚ノズル5eを囲む
為のハウジングを示し、29は雰囲気ガス（例えば窒素ガ
ス、窒素と水素の混合ガス等）の補給分の供給源30に連
なるダクト、10は排出ダクト、11は途中にヒータ12を介
設している循環ダクト、13は送風機で、浮揚ノズル5eに
対して分配ダクト14を通して加圧ガスを送る為のもの、
15と、16は夫々ガス温を必要とする温度にする為のヒー
タを示す。また17は冷却帯17aを囲む為のハウジング
で、内部は周知のよう吹出ダクト18、19からの夫々吹出
ガス18a、19aによって金属ストリップ3eは浮揚状態で矢
印2e方向に向う過程で順次冷却される。20と21はガス冷
却用クーラと、加圧用送風機を示す。22と23は夫々ガス
シール作用を有する周知の金属ストリップ支持用ローラ
を示す。24はガスの流れ方向を示す。

【００１４】上記構成によれば第１図と同じ処理を無酸
化ガスの雰囲気中で可能にする。なお、機能上前図のも
のと同一又は均等の構成で説明が重複すると考えられる
部分には、前図と同一の符号にアルファベットのｅを付
して重複する説明を省略した。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本願発明の構成によって前
記の目的を達成して、金属ストリップを疵の心配も、無
用のテンションの心配もなく、誘導加熱装置の特長を生
じさせる状態でもって効率よく加熱できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】金属ストリップと、誘導加熱装置と、浮揚ノズ
ルとの関係を示す説明図。

【図２】金属ストリップの浮揚状態を示す略示断面図。

【図３】図１とは異る例を示す説明図。

【符号の説明】

１ 搬送軌跡 ３ 金属ストリップ ４ 誘導加熱装置 ５ 浮揚ノズル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 横方向に向けて形成された金属ストリッ
   プの搬送軌跡に沿って、金属ストリップを加熱する為の
   誘導加熱装置を配設すると共に、噴流流体によって上記
   金属ストリップを浮揚させる為の浮揚ノズルを配設した
   ことを特徴とする金属ストリップの誘導加熱装置。