JPH07251620A - 車両用サスペンション - Google Patents

車両用サスペンション

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Publication number
JPH07251620A
JPH07251620A JP4430994A JP4430994A JPH07251620A JP H07251620 A JPH07251620 A JP H07251620A JP 4430994 A JP4430994 A JP 4430994A JP 4430994 A JP4430994 A JP 4430994A JP H07251620 A JPH07251620 A JP H07251620A
Authority
JP
Japan
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vehicle body
suspension
vibration
side member
vehicle
Prior art date
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Pending
Application number
JP4430994A
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English (en)
Inventor
Masaharu Sato
正晴 佐藤
Takuya Murakami
拓也 村上
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH07251620A publication Critical patent/JPH07251620A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来の能動型サスペンションと比較して、路面
振動入力の高周波領域における制振効果が高い車両用サ
スペンションを提供する。 【構成】サスペンションメンバ1Rの左右端部にアッパ
ーメンバ14RL,14RRを設け、このアッパーメン
バ14RL,14RRとロアアーム(15L)との間に
ショックアブソーバ22とコイルスプリング21を介装
した。また、サスペンションメンバ1Rの左右前後端部
と図示されない車体との間に、油圧シリンダ23RLF
〜23RRRを設置した。各油圧シリンダ23RLF〜
23RRRは、車体の各車輪上部に設置された上下方向
加速度センサによる加速度検出値に応じて、車体に入力
される振動を抑制するように動作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用サスペンション
に関するものであり、特に、高周波数帯域の路面からの
振動入力に対しても車体の制振性に優れたものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用サスペンションとしては、
例えば、図14に示すようなマルチリンク式リヤサスペ
ンションがある。このサスペンションにおいては、サス
ペンションメンバ1Rが、四隅に設けられたインシュレ
ータ39RLF〜39RRRを介して図示されない車体
側部材に連結され、このサスペンションメンバ1Rの左
右端部とナックルスピンドル2のナックル部との間が
(例えば右側についてはアッパーアーム13RL,13
FLとロアアーム15Lとで)揺動可能に連結され、シ
ョックアブソーバ22の下端部は、車輪側部材すなわち
ナックルスピンドル2のナックル部と図示されない位置
で連結され、上端部はコイルスプリングバネ21の上端
部とともに、インシュレータ38を介して図示されない
車体側部材に連結されている。
【0003】このような従来の車両用サスペンションで
は、車輪を介して路面から入力されたサスペンションメ
ンバに対する上下方向の振動を、インシュレータにより
吸収して車体に伝達しないようにしているが、インシュ
レータによる車体の制振作用は全ての路面振動入力周波
数帯域で十分なものではないため、車体の振動の抑制効
果が一部の領域で低く、高級仕様車等にあっては乗り心
地のさらなる向上が望まれていた。
【0004】これに対し、高い制振効果を得ることので
きるサスペンションとして、例えば特開昭62−289
420号公報に記載されているように、車体と車輪側部
材との間に、ショックアブソーバおよびバネの代わりに
流体圧シリンダ等のアクチュエータを各輪別に介装し
て、車体に入力された振動を抑制する制御力を各アクチ
ュエータに与えることにより、車体の振動を抑える能動
型サスペンションも採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような能動型サスペンションで、車体と車輪側部材との
間にアクチュエータとして流体圧シリンダが介装されて
いる場合には、車輪の上下動に伴って当該流体圧シリン
ダのピストンが上下動するが、当該流体圧シリンダは高
圧シールされているためフリクションが生じやすく、特
に、路面からの振動入力のうち高周波帯域においては、
このフリクションの影響で当該流体圧シリンダが必要な
制御力を発揮できずに、十分な制振効果が得られないと
いう問題点がある。
【0006】すなわち、従来の能動型サスペンションで
は、図15に示すように、質量(m 2 +m3 )のばね上
部材と質量m1 のばね下部材との間に、フリクションの
パラメータfが介在するため、フリクションが大きくて
アクチュエータAが作動しない場合には、図16に示す
ように、質量(m2 +m3 )のばね上部材と質量m1
ばね下部材とが一体に動作し、これらがすべてタイヤの
堅いばねBT (縦ばね定数が小さい)で支えられること
になるため、路面から入力された振動の大部分がばね上
すなわち車体側に伝達される。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点に
着目してなされたものであり、従来の能動型サスペンシ
ョンと比較して高周波帯域での制振効果がより高い車両
用サスペンションを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、車輪を回転自在に支持する車輪側部材
と、車体に対し相対変位可能に支持される車体側部材
と、前記車輪側部材と前記車体側部材とを揺動可能に連
結する連結部材と、上端部が前記車体側部材に支持さ
れ、下端部が前記車輪側部材または前記連結部材のいず
れかに支持された緩衝手段およびばね手段と、前記車体
側部材と車体との間に介装されたアクチュエータと、車
輪を介して路面から車体へ入力される振動を検出する振
動入力検出手段と、前記振動入力検出手段からの振動入
力検出値に基づいて、車体に入力される振動を抑制する
制御力を発生させるための制御指令値を前記アクチュエ
ータに出力する制御指令値出力手段とを備えたことを特
徴とする車両用サスペンションを提供する。
【0009】
【作用】本発明の車両用サスペンションによれば、車輪
に入力された路面からの振動は、緩衝手段およびばね手
段により吸収される。そして、この緩衝手段およびばね
手段により吸収しきれない振動が車体側部材を介して車
体に伝達されるが、車体側部材と車体との間に介装され
たアクチュエータにより、後述のようにして、車体に伝
達され得る振動を吸収する。
【0010】すなわち、上下加速度センサ等の振動入力
検出手段により、車輪を介して路面から車体へ入力され
る振動が検出され、制御指令値出力手段で、前記振動入
力検出手段からの上下加速度検出値等の振動入力検出値
に基づいて、車体に入力される振動を抑制するための制
御指令値がアクチュエータに出力され、当該アクチュエ
ータが前記制御指令値に応じた制御力を発生し、車体側
部材が車体に対して相対的に移動する。このとき、緩衝
手段とばね手段とが車体に直接支持されていないため、
車体に振動が伝達されることなくアクチュエータにより
相殺される。
【0011】また、本発明の車両用サスペンションで
は、車体側部材と車体との間にアクチュエータを介装し
ているため、フリクションを考慮した振動モデルは例え
ば図1のように示される。すなわち、ばね上質量が車体
側部材分m2 と車体分m3 とに分けられ、質量m2 の車
体側部材MS と質量m3 の車体Tとの間にアクチュエー
タAのフリクションのパラメータfが介在し、質量m2
の車体側部材と質量m1のばね下部材との間に、ばね手
段BS と緩衝手段Dとからなる通常のサスペンションが
設けられ、ばね下部材と路面との間にはタイヤ縦ばねB
T が存在する。そして、路面の上下方向変位x0 により
車輪から入力された振動が、ばね下の上下方向変位
1 、車体側部材の上下方向変位x2 、車体の上下方向
変位x3 をもたらす。なお、図1において、Kは振動入
力検出手段を示し、Cは制御指令値出力手段を示す。
【0012】したがって、フリクションが大きくてアク
チュエータが作動しない場合には、図2に示すように、
質量m2 の車体側部材と質量m3 の車体とが一体に動作
し、車体側部材とばね下部材との間に設けられた、ばね
手段BS と緩衝手段Dとからなる通常のサスペンション
により路面から入力された振動が吸収される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明
する。先ず、この実施例における車両用サスペンション
の構成を、図3〜図9により説明する。図3はリヤサス
ペンションを示す斜視図であり、図4は全体の概略構成
を示す平面模式図である。
【0014】図3から分かるように、このリヤサスペン
ションのサスペンションメンバ(車体側部材)1Rは、
図示されない車体の幅方向に延び、前後方向に所定間隔
を開けて対向して配置されたクロスメンバ11,12
と、前側のクロスメンバ11の左右両側部に一体に設け
られて車体前方に延びるサイドメンバ11FR,11F
Lと、前側のクロスメンバ11の左右両側部に一体に設
けられて車体後方に延び、フロントアッパーアーム13
FL,13FR(図3には示されない)の一端が連結さ
れるサイドメンバ11RR,11RLと、後側のクロス
メンバ12の左右両側部に一体に設けられて左右方向に
延び、リヤアッパーアーム13RL,13RRの一端が
連結されるサイドメンバ12R,12Lと、サイドメン
バ11RLと12Lとの間を連結し、フロントアッパー
アーム13FLとリヤアッパーアーム13RLとの間に
外向きに舌状に延設された左側のアッパーメンバ14R
Lと、サイドメンバ11RRと12Rとの間を連結し、
フロントアッパーアーム13FRとリヤアッパーアーム
13RRとの間に外向きに舌状に延設された右側のアッ
パーメンバ14RRとで構成される。
【0015】このサスペンションメンバ1Rのサイドメ
ンバ11RL,12L,11RR,12Rの先端と、ス
ピンドル部で車輪を回転自在に支持しているナックルス
ピンドル(車輪側部材)2のナックル上部とが、それぞ
れアッパーアーム13FL,13RL,13FR(図3
には示されない),13RRにより連結されている。ま
た、左側のサスペンションメンバについては、サイドメ
ンバ11FLおよびサイドメンバ12Lの下端部とナッ
クル下部とがAアームからなるロアアーム(連結部材)
15Lで連結され、右側のサスペンションメンバの下部
も、同様にしてナックル下部とロアアームで連結されて
いる。
【0016】そして、左側のアッパーメンバ14RLと
ロアアーム15Lの面とは対向して配置され、両者間
に、通常のサスペンションに使用されるものと同等また
はほぼ同等のコイルスプリング(ばね手段)21および
ショックアブソーバ(緩衝手段)22が介装されてい
る。すなわち、コイルスプリング21およびショックア
ブソーバ22の上端がアッパーメンバ14RLに固定さ
れ、下端がロアアーム15Lの面に固定されている。右
側のアッパーメンバ14RRと図示されないロアアーム
との間にも同様にして、コイルスプリングおよびショッ
クアブソーバが介装されている。
【0017】また、前側の前方に延びるサイドメンバ1
1FL,11FRの先端上部と、後側のクロスメンバ1
2の両端上部には、アクチュエータとして、油圧シリン
ダ23RLF,23RRF,23RLR,23RRRが
それぞれ配設してある。さらに、図4から分かるよう
に、フロントサスペンションもこのようなリヤサスペン
ションと同様に構成され、前述のサスペンションメンバ
1Rと同様のサスペンションメンバ1Fが配置され、同
様の位置に各油圧シリンダ23FLF〜23FRRが配
設してある。そして、これらの各油圧シリンダ23RL
F〜23RRR,23FLF〜23FRRの上部に図示
されない車体が固定されている。
【0018】これらの各油圧シリンダ23FLF〜23
RRRは、図5に示すように、車体3との取り付け用フ
ランジ32を上側に一体に形成したシリンダチューブ2
3aを有し、内部をピストン23bにより隔離された上
側に圧力室23cが形成され、ピストンロッド23dの
下端にシリンダチューブ23aと同じ直径の円板状部材
25が固定され、サスペンションメンバ1F,1R側の
取り付け部材である取り付け軸26が、前記円板状部材
25の下面にピストンロッド23dと軸線を合わせて固
定されている。この取り付け軸26が、インシュレータ
27を介してサスペンションメンバ1F,1Rに固定さ
れている。
【0019】また、前記圧力室23cは、油圧配管29
を介して対応する圧力制御弁20FL〜20RRの出力
ポートに接続されている。さらに、シリンダチューブ2
3a内のピストンロッド23d側には、ピストン23b
とシリンダチューブ23aの下面との間に、車体の静荷
重を支持するための比較的低いばね定数のコイルスプリ
ング33が配設されている。
【0020】ここで、図4から分かるように、前左輪側
に配設された油圧シリンダ13FLF,23FLRは前
左輪用の圧力制御弁20FLに接続され、両油圧シリン
ダ13FLF,23FLRは圧力制御弁20FLにより
同等の油圧が供給されるように制御される。前右輪側に
配設された油圧シリンダ13FRF,23FRRは前右
輪用の圧力制御弁20FRに接続され、両油圧シリンダ
13FRF,23FRRは圧力制御弁20FRにより同
等の油圧が供給されるように制御される。後左輪側に配
設された油圧シリンダ13RLF,23RLRは後右輪
用の圧力制御弁20RLに接続され、両油圧シリンダ1
3RLF,23RLRは圧力制御弁20RLにより同等
の油圧が供給されるように制御される。後右輪側に配設
された油圧シリンダ13RRF,23RRRは後右輪用
の圧力制御弁20RRに接続され、両油圧シリンダ13
RRF,23RRRは圧力制御弁20RRにより同等の
油圧が供給されるように制御される。
【0021】この車体内にはまた、図4から分かるよう
に、図示されないエンジン等により駆動し、前記各圧力
制御弁20FL〜20RRに所定圧力の作動油を供給側
配管34Sを介して供給するとともに、各圧力制御弁2
0FL〜20RRからの戻り油を戻り配管34Rを通じ
て回収する油圧源35が備えてあり、この油圧源35お
よび各圧力制御弁20FL〜20RR間の供給側配管3
4Sには、図示されない蓄圧用のアキュムレータが介装
されている。
【0022】前記各圧力制御弁20FL〜20RRは、
スプールを摺動自在に内装した円筒状の弁ハウジングと
これに一体に設けられた比例ソレノイドとを有する、従
来周知の3ポート比例電磁減圧弁(例えば特開昭64−
74111号参照)で構成されている。そして、比例ソ
レノイドの励磁コイルに供給する指令電流i(指令値)
を調整することにより、弁ハウジング内に収容されたポ
ペットの移動距離、すなわちスプールの位置を制御し、
供給ポートおよび出力ポートまたは出力ポートおよび戻
りポートを介して、油圧源35と油圧シリンダ23FL
F〜23RRRとの間で流動する作動油を制御できるよ
うになっている。
【0023】ここで、励磁コイルに加えられる指令電流
i(:iFL〜iRR)と圧力制御弁20FL〜20RRの
出力ポートから出力される制御圧Pとの関係は、図6に
示すように、ノイズを考慮した最小電流値iMIN のとき
には最低制御圧PMIN となり、この状態から電流値iを
増加させると電流値iに比例して直線的に制御圧Pが増
加し、最大電流値iMAX のときには油圧源35の設定ラ
イン圧に相当する最高制御圧PMAX となる。この図6
で、iN は中立指令電流、PN は中立制御圧である。
【0024】この車体にはさらに、図4から分かるよう
に、各車輪10FL〜10RRの配設位置付近に、各対
応する位置での車体の上下方向加速度を個別に検出する
上下方向加速度センサ(振動入力検出手段)28FL〜
28RRが配設されている。これらの上下方向加速度セ
ンサ28FL〜28RRは、図7に示すように、上下方
向加速度GFL〜GRRが“0”であるときに“0”の電
圧、上方向の加速度G FL〜GRRを検出したときにはその
加速度値に応じた正のアナログ電圧、下方向の加速度G
FL〜GRRを検出したときにはその加速度値に応じた負の
アナログ電圧でなる車体の上下方向加速度検出値ZGFR
〜ZGRR を出力するように構成されている。ここでは、
上下方向加速度GFL〜GRRに対して上下方向加速度検出
値ZGFR〜ZGRR は何らの係数も介さない(すなわち、
係数が“1”である)リニアな関数であるとして、この
上下方向加速度検出値ZGFR 〜ZGRR を上下方向加速度
FL〜GRRと同等のものとして採用するものとする。
【0025】そして、前記各上下方向加速度センサ28
FL〜28RRからの上下方向加速度検出値ZGFR 〜Z
GRR に基づいて、対応する前記各圧力制御弁20FL〜
20RRへの出力を個別に制御するコントローラ(制御
指令値出力手段)30が車体に設置されている。このコ
ントローラ30は、図8に示すように、上下方向加速度
センサ28FL〜28RRから出力される上下方向加速
度検出値ZGFR 〜ZGRR が入力されるマイクロコンピュ
ータ44と、このマイクロコンピュータ44からD/A
変換されて出力される圧力指令値UFL〜URRが供給され
て、これらを各圧力制御弁20FL〜20RRに対する
駆動電流iFL〜iRRに変換する、例えばフローティング
形定電圧回路で構成される駆動回路46FL〜46RR
とを備えている。
【0026】ここで、マイクロコンピュータ44は、少
なくともA/D変換機能を備えた入力側インターフェー
ス回路44a、D/A変換機能を備えた出力側インター
フェース回路44b、演算処理装置44c、および記憶
装置44dを有するものである。そして、入力側インタ
ーフェース回路44aには、各上下方向加速度センサ2
8FL〜28RRから各上下方向加速度検出値ZGFR
GRR が入力され、出力側インターフェース回路44b
からは各圧力制御弁20FL〜20RRに対する制御指
令値UFL〜URRが出力される。
【0027】また、図9は前記マイクロコンピュータ4
4に構築されたブロック図であり、具体的には、既知の
ようにマイクロコンピュータ44内に組み込まれた前記
記憶装置44dに、所定の演算処理を実行可能なプログ
ラミングを予め記憶し、このプログラミングを前記演算
処置装置44cが読み込んで演算処置を実行することに
よで成立する。
【0028】このブロック図は、上下方向加速度センサ
28FL〜28RRで検出された上下方向加速度検出値
Z(:ZGFR 〜ZGRR )を積分して上下方向速度V(:
FR〜VRRを算出出力する積分器5と、この積分器5か
ら出力された上下方向速度V(:VFR〜VRR)に所定の
制御ゲインGC を乗じて制御力GC Vを算出出力するア
ンプ6と、このアンプ6から出力された制御力GC
を、車高を目標車高に維持するために必要な制御指令値
N から減じて、各駆動回路46FL〜46RRへ制御
指令値U(:UFL〜URR)を出力する加減算器7とを備
えている。ここでは、伝達関数H(S)が、一次遅れ系
であることを示す下記(1)式で表されるローパスフィ
ルタを前記積分器5として用いており、 H(S)=1/(1+T・S) ……(1) (但し、Tは時定数、Sはラプラス演算子である。) この積分器5のゲインは1/Sと考えられる。
【0029】次に、この実施例における車両用サスペン
ションの基本原理について、図10に示す一輪の振動モ
デルにより説明する。この図に示す振動モデルでは、ば
ね下および各インシュレータの影響は小さいため無視
し、車体3の質量の一輪分をm3 、フロントおよびリヤ
の各サスペンションメンバ1F,1Rの質量の半分をm
2 、油圧シリンダ23FLF〜23RRR内のコイルス
プリング33のばね定数をk1 、ショックアブソーバ2
2の減衰定数をc、サスペンションメンバ1F,1Rと
ロアアームとの間に介装されたコイルスプリング21の
ばね定数をk2 、路面の上下方向の変位をx0 、サスペ
ンションメンバの上下方向の変位をx2 、車体の上下方
向の変位をx3 としている。
【0030】これにより、この系に路面から入力された
振動がサスペンションメンバに対して作用する力F1
下記の(2)式で表されるため、 F1 =m2 x"2+k1(x2 −x1)+c1(x'2−x'1) +k2(x2 −x3) ……(2) この力F1 が車体に伝達されないように、力F1 を打ち
消すような力F(=−F 1 )をアクチュエータ(対応す
る各油圧シリンダ)に与える。そして、ここでは、この
力Fを、下記の(3)式に示すように、減衰系の制御ゲ
インGC と車体に生じる上下方向速度x'3とから算出す
る。
【0031】F=GC x'3 ……(3) この力Fがアクチュエータに加わることにより、車体に
対してはその反力F2(=−F1 =F)が生じ、この力
2 は車体に対して、下記の(4)式で示されるように
作用する。 F2 =m3 x"3+k2(x3 −x2 ) ……(4) したがって、路面からの振動入力に対する車体の上下方
向加速度の伝達特性は、前記(2)〜(4)式によりラ
プラス変換して得られる下記の(5)式に示す伝達関数
(x3 /x0 )により求めることができる。
【0032】
【数1】
【0033】次に、以上の基本原理に基づいて、サスペ
ンションメンバと車体との間に介装された油圧シリンダ
に所定の制御力を与えるために前記演算処理装置44c
内で行われる処理を図9のブロック図に従って説明す
る。すなわち、積分器5において、上下方向加速度セン
サ28FL〜28RRで検出された上下方向加速度検出
値Z(:ZGFR 〜ZGRR )を積分して上下方向速度
V(:VFR〜VRR)を算出出力し、アンプ6において、
前記積分器5から出力された上下方向速度V(:VFR
RR)に所定の制御ゲインGC を乗じて制御力G
C V(:GC FR〜GC RR)を算出出力し、加減算器
7において、前記アンプ6から出力された制御力GC
(:GC FR〜GC RR)を、車高を目標車高に維持す
るために必要な制御指令値UN から減じて、各駆動回路
46FL〜46RRへ制御指令値U(:UFL〜URR)を
出力する。
【0034】次に、この実施例の車両用サスペンション
による作用を説明する。車輪10FL〜10RR入力さ
れた路面からの振動は、先ず、サスペンションメンバ1
F,1Rのアッパーメンバとロアアームとの間に介装さ
れたショックアブソーバ21およびコイルスプリング2
2により吸収される。そして、このショックアブソーバ
21およびコイルスプリング22により吸収されない分
がサスペンションメンバ1F,1Rに伝達され、このサ
スペンションメンバ1F,1Rに伝達された振動が車体
3に伝達されるが、車体3に伝達された振動を各上下方
向加速度センサ28FL〜28RRにおいて検出し、後
述のようにして、サスペンションメンバ1F,1Rと車
体3との間に介装された油圧シリンダ23FLF〜23
RRRを作動させることにより、サスペンションメンバ
1F,1Rに伝達される振動を吸収する。
【0035】すなわち、各上下方向加速度センサ28F
L〜28RRにおいて検出された上下方向加速度検出値
GFR 〜ZGRR がコントローラ30内の積分器5に入力
され、この積分器5において、入力された各上下方向加
速度検出値ZGFR 〜ZGRR が積分されて上下方向速度V
FR〜VRRが算出され、算出された上下方向速度VFR〜V
RRがアンプ6に出力され、アンプ6において、前記各上
下方向速度VFR〜VRRに所定の制御ゲインGC が乗じら
れて各制御力GC FR〜GC RRが算出され、算出され
た各制御力GC FR〜GC RRが加減算器7に出力さ
れ、加減算器7において、前記各制御力GC FR〜GC
RRが、車高を目標車高に維持するために必要な制御指
令値UN から減じられて、各駆動回路46FL〜46R
Rへ各制御指令値UFL〜URRが出力される。
【0036】これに伴って、駆動回路46FL〜46R
Rで、制御指令値UFL〜URRはこれらに対応した指令電
流iFL〜iRRに変換されて、各圧力制御弁20FL〜2
0RRに供給される。この結果、圧力制御弁20FLか
ら指令電流iFLに応じた制御圧PFLが左前輪側の油圧シ
リンダ23FLF,23FLRに出力され、圧力制御弁
20FRから指令電流iFRに応じた制御圧PFRが左前輪
側の油圧シリンダ23FRF,23FRRに出力され、
圧力制御弁20RLから指令電流iRLに応じた制御圧P
RLが左前輪側の油圧シリンダ23RLF,23RLRに
出力され、圧力制御弁20RRから指令電流iRRに応じ
た制御圧PRRが左前輪側の油圧シリンダ23RRF,2
3RRRに出力される。
【0037】すなわち、前左輪側の油圧シリンダ23F
LF,23FLRには、前左輪側の上下方向速度V
FL(=x'3)に応じた前記(3)式で表される制御力
が、前右輪側の油圧シリンダ23FRF,23FRRに
は、前右輪側の上下方向速度VFR(=x'3)に応じた前
記(3)式で表される制御力が、油圧シリンダ23RL
F,23RLRには、後左輪側の上下方向速度VRL(=
x'3)に応じた前記(3)式で表される制御力が、油圧
シリンダ23RRF,23RRRには、後右輪側の上下
方向速度VRR(=x'3)に応じた前記(3)式で表され
る制御力が、振動入力の向きと反対向きに与えられる。
これにより、車体に入力される振動を抑制するように、
サスペンションメンバが車体に対して相対的に移動す
る。
【0038】ここで、前輪または後輪の左右輪のうち一
方だけが上下動した場合には、他方の油圧シリンダには
前記(3)式で表される制御力が与えられないことにな
るが、この実施例ではサスペンションメンバが左右一体
に形成されているため、一方の油圧シリンダの動作に伴
うサスペンションメンバの左右方向の傾きを許容する動
作を他方の油圧シリンダが行うように、左右の制御ゲイ
ンを相関させておく必要がある。
【0039】図11のグラフは、本発明のサスペンショ
ン、従来の能動型サスペンション、従来の通常サスペン
ション(受動型サスペンション)について、路面振動入
力の周波数変化による路面から車体への振動伝達関数
(x3 /x0 )の変化を比較したものであり、LH は本
発明のサスペンションの伝達特性曲線、LA は従来の能
動型サスペンションの伝達特性曲線、LP は従来の受動
型サスペンションの伝達特性曲線を示す。この図から分
かるように、従来の能動型サスペンションによっても、
受動型サスペンションに比べてばね上共振点のピーク値
を低くすることができるが、高周波数領域においては、
前述のようなフリクションの影響によって、受動型サス
ペンションよりも振動吸収性が悪くなる。これに比べて
本発明のサスペンションでは、高周波数領域においても
振動吸収性は悪化しない。
【0040】また、前記(5)式で表される伝達関数に
従って算出された、この実施例における、振動入力の周
波数に対する振動伝達ゲインの特性を示すゲイン線図を
図12に、振動入力の周波数に対する振動伝達位相の特
性を示す位相線図を図13にそれぞれ示す。図12から
分かるように、高周波数領域において、従来の能動型サ
スペンションに前述のようなフリクションの影響によっ
て見られる振動吸収性の低下が見られない。また、制御
ゲインGC が大きくなるほど、振動伝達ゲイン|x3
0 |のピーク値が小さくなって制振効果が高くなる。
また、図13から分かるように、制御ゲインGC が大き
くなるほど、周波数の変化による位相の変化が小さく、
全体としてゆったりとした乗り心地が得られることにな
る。したがって、この実施例における車両用サスペンシ
ョンは、高周波数領域での制振効果が高いとともに、制
御ゲインGC を適切な値に設定することにより、低周波
数領域においてもより高い制振効果を得ることができ
る。
【0041】なお、上記実施例では、アクチュエータと
して油圧シリンダを用いているが、本発明のアクチュエ
ータはこれに限定されるものでなく、空気圧シリンダや
電気的に制御される比例ソレノイドを用いてもよい。ま
た、上記実施例では車体とサスペンションメンバとの間
の四か所にアクチュエータとしての油圧シリンダを設け
ているが、アクチュエータの設置数はこれに限定され
ず、左右一か所ずつでもよいし、四か所より多く設けて
もよい。
【0042】また、本発明の振動入力検出手段として
は、上下方向加速度センサ28FL〜28RRの代わり
に、車体に生じた上下方向速度を直接検出する上下方向
速度センサや、車体に生じた上下方向変位を検出するス
トロークセンサを用いてもよい。さらに、各演算処理装
置をマイクロコンピュータのプログラミングによって構
成する代わりに、図9に示すブロック図と同等の演算処
理装置を論理回路等のハードウェアによって構成しても
よい。
【0043】さらに、上記実施例では、緩衝手段である
ショックアブソーバとばね手段であるコイルスプリング
とを並列に配置しているが、本発明における緩衝手段お
よびばね手段の配置方法はこれに限定されず、両者を同
軸上に配置してもよい。また、上記実施例では、緩衝手
段であるショックアブソーバ22とばね手段であるコイ
ルスプリング21の下端部を、本発明の連結部材に相当
するロアアーム15に連結しているが、前記下端部が支
持される部材はこれに限定されず、例えばナックルスピ
ンドル2に連結してもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の車両
用サスペンションによれば、車輪に入力された路面から
の振動のうち、緩衝手段およびばね手段により吸収しき
れない分が車体側部材を介して車体に伝達されるが、前
記吸収しきれない分の振動が車体側部材と車体との間に
介装されたアクチュエータにより吸収されるため、従来
の能動型サスペンションと同様の高い制振効果が得られ
るとともに、フリクションが大きくアクチュエータが作
動しない場合にも、車体側部材と車輪側部材または連結
部材との間に介装された緩衝手段およびばね手段により
振動を吸収することができるため、従来の能動型サスペ
ンションに見られるような、路面振動入力の高周波帯域
における振動吸収性の悪化が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を説明するための、フリクション
を考慮した振動モデルを示す模式図である。
【図2】本発明の作用を説明するための振動モデル(フ
リクションが大きい場合)を示す模式図である。
【図3】本発明の車両用サスペンションの一実施例にお
けるリヤサスペンションを示す斜視図である。
【図4】本発明の車両用サスペンションの一実施例にお
ける概略構成を示す平面模式図である。
【図5】この実施例において使用された油圧シリンダの
構成を示す側断面図である。
【図6】この実施例において使用された圧力制御弁の、
指令電流に対する制御圧の関係を示す特性線図である。
【図7】この実施例において使用された上下方向加速度
センサの出力特性を示す特性線図である。
【図8】この実施例におけるコントローラの一例を示す
ブロック図である。
【図9】この実施例においてマイクロコンピュータに構
築された、制御指令値を算出するためのブロック図であ
る。
【図10】この実施例における車両用サスペンションの
基本原理を説明するための振動モデルを示す模式図であ
る。
【図11】本発明のサスペンション、従来の能動型サス
ペンション、および従来の通常サスペンション(受動型
サスペンション)について、路面振動入力の周波数変化
による路面から車体への振動伝達関数(x3 /x0 )の
変化を比較したグラフであり、LH は本発明のサスペン
ションの伝達特性曲線、LA は従来の能動型サスペンシ
ョンの伝達特性曲線、LP は従来の受動型サスペンショ
ンの伝達特性曲線を示す。
【図12】この実施例における伝達関数に従って算出さ
れた、振動入力の周波数に対する振動伝達ゲインの特性
を示すゲイン線図である。
【図13】この実施例における伝達関数に従って算出さ
れた、振動入力の周波数に対する振動伝達位相の特性を
示す位相線図である。
【図14】従来の車両用サスペンションの一例を示す斜
視図である。
【図15】従来の能動型サスペンションについて、フリ
クションを考慮した振動モデルを示す模式図である。
【図16】従来の能動型サスペンションについて、フリ
クションが大きい場合の振動モデルを示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1F,1R サスペンションメンバ(車体側部材) 2 ナックルスピンドル(車輪側部材) 3 車体 5 積分器 6 アンプ 7 加減算器 10FL〜10RR 車輪 11,12 クロスメンバ 11FL〜11RR サイドメンバ 13FL,13FR フロントアッパーアーム 12R,12L サイドメンバ 13RL,13RR リヤアッパーアーム 14RR,14RL アッパーメンバ 15L ロアアーム(連結部材) 20FL〜20RR 圧力制御弁 21 コイルスプリング(ばね手段) 22 ショックアブソーバ(緩衝手段) 23FLF〜23RRR 油圧シリンダ 28FL〜28RR 上下方向加速度センサ 30 コントローラ(制御指令値出力手段) 35 油圧源 46FL〜46RR 駆動回路 A アクチュエータ BS ばね手段 BT タイヤ縦ばね C 制御指令値出力手段 D 緩衝手段 K 振動入力検出手段 MS 車体側部材 T 車体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪を回転自在に支持する車輪側部材
    と、車体に対し相対変位可能に支持される車体側部材
    と、前記車輪側部材と前記車体側部材とを揺動可能に連
    結する連結部材と、上端部が前記車体側部材に支持さ
    れ、下端部が前記車輪側部材または前記連結部材のいず
    れかに支持された緩衝手段およびばね手段と、前記車体
    側部材と車体との間に介装されたアクチュエータと、車
    輪を介して路面から車体へ入力される振動を検出する振
    動入力検出手段と、前記振動入力検出手段からの振動入
    力検出値に基づいて、車体に入力される振動を抑制する
    制御力を発生させるための制御指令値を前記アクチュエ
    ータに出力する制御指令値出力手段とを備えたことを特
    徴とする車両用サスペンション。
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