JPH0725107U - 床パネル根太止め金物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 床パネルに予め取り付けて運搬上邪魔になら
ず、構造がシンプルで安価に得られ、単純動作によって
床パネル２８を形鋼床梁２９に簡便に固定することの出
来る床パネル根太止め金物を提供する。 【構成】 床パネル根太止め金物２１を、釘孔２０を有
し根太２６の側面２７に釘打固定される垂直舌片１１
と、その垂直舌片１１から垂直に折れ曲がって続く水平
舌片１２と、その水平舌片１２に上下に重なり合う舌片
１５とによって構成し、上下に重なり合う上側の舌片１
２にタッピングネジ２２を螺着する孔１６を開け、その
下側になる他方の舌片１５にはタッピングネジ２２の遊
嵌する大きい孔１７を上側の舌片１２の孔１６に向かい
合わせに穿設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、床パネル２８と形鋼床梁２９に固定する建築金物に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

床パネル２８は、床板３４の裏面に数本の根太２６を平行に並べて取り付けて 構成されており、その根太２６を形鋼床梁２９に接合して施工される。

【０００３】 ところで床パネル２８は、それを構成する根太２６が木材であるから、月日が 経つにつれて乾燥の度合いが進み、施工当初に比べて僅かながら痩せ細ることが 多い。 しかし、その痩せ細る程度が僅かであっても、施工直後密着していた根太２６ と形鋼床梁２９の間に僅かでも隙間が出来ると、その上を歩行した場合にキシミ 音が発生して不快感を与えることになる。

【０００４】 このため根太２６と形鋼床梁２９を接合する場合には、絶えず根太２６を形鋼 床梁２９へと弾性付勢し、根太２６の乾燥の度合いが進んで痩せ衰えても、根太 ２６と形鋼床梁２９との間に隙間が出来ないようにするコイルバネを用いた建築 金物３５が使用されている。

【０００５】 この建築金物３５は、根太２６に嵌め合わされて根太２６の左右側面と底面に それぞれ密着させて取り付けられる左右の舌片３６・３７と、それらの間を結ぶ 連結片３８とによって根太２６に嵌合するコ字状の嵌合溝３９を構成した金物本 体４０と、根太２６を支える形鋼床梁２９を根太２６に向けて押圧するコイルバ ネ４１とによって構成されている。 そのコイルバネ４１は金物本体４０から突き出た舌片４２に載設されている。 舌片４２には、端縁から続く切込溝４３が付けられており、その溝縁４５から はコイルバネ４１の下端を係止する爪４６が突き出ている。 コイルバネ４１の上には皿板４４が載せられている。皿板４４の裏面からは軸 材４７が突き出ている。 その軸材４７は、コイルバネ４１の中心を貫通して切込溝４３から突き出てい る。 切込溝４３から突き出た軸材４７の端末は直角に折れ曲がったハンドル４８に なっており、ハンドル４８を回すとコイルバネ４１の下端が爪４６から外れるよ うになっている。

【０００６】 コイルバネ４１は、その下端が爪４６に引っ掛かった状態において、舌片４２ と皿板４４の間で圧縮され、その下端が爪４６から外れた状態において、舌片４ ２と皿板４４の間における圧縮から解放されて伸長し皿板４４を押し上げるよう になっている。

【０００７】 而して、この建築金物３５は、嵌合溝３９に根太２６を嵌め合わせ、左右の舌 片３６・３７を根太２６の左右側面に釘打して床パネル２８に取り付けられる。 建築金物３５を取り付けた床パネル２８は、建築金物３５の皿板４４と根太２ ６の間の隙間を形鋼床梁２９のフランジ３０に嵌め込んで施工され、ハンドル４ ８を回すとコイルバネ４１の下端が爪４６から外れ、それまで圧縮されていたコ イルバネ４１が解放されて皿板４４を押し上げてフランジ３０の裏面へと押圧し 、そのときコイルバネ４１のフランジ３０から受ける反力によって金物本体４０ が根太２６を形鋼床梁２９へと圧着する。

【０００８】 このため根太２６が乾燥して細くなった場合には、その細くなった分だけコイ ルバネ４１が伸長することになり、根太２６と形鋼床梁２９の間に隙間が出来な くなる。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

従来の建築金物３５は、それを根太２６に取り付けると大きく突き出ることに なるので、床パネルの製造工場で予め根太２６に取り付けておくと床パネルの運 搬上邪魔になり、また、運搬過程で破損してしまう虞があり、従って、その建築 金物３５は床パネル３５を施工する建築現場において根太２６に釘打ちして取り 付けられている。 しかし、その取り付け作業は、形鋼床梁２９の上に敷き込んだ床パネル２８の 下側から上向きとなる不安定な姿勢で行われるので非能率であり安全の面でも好 ましいものではない。

【００１０】

【考案の目的】

そこで本考案は、床パネルの運搬上邪魔にならず、運搬過程で破損する虞もな く、構造がシンプルで安価に得られ、単純動作によって床パネル２８を形鋼床梁 ２９に簡便に固定することの出来る金物を提供しようとするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る根太止め金物２１は、釘孔２０を有し根太２６の側面２７に釘打 固定される垂直舌片１１と、その垂直舌片１１から垂直に折れ曲がって続く水平 舌片１２と、その水平舌片１２に上下に重なり合う舌片１５とによって構成され 、上下に重なり合う上側の舌片１２はタッピングネジ２２を螺着する孔１６を有 し、その下側になる他方の舌片１５にはタッピングネジ２２の遊嵌する大きい孔 １７が上記上側の舌片の孔１６に向かい合わせに穿設されていることを特徴とす るものである。

【００１２】

【作用】

根太止め金物２１は、タッピングネジ２２の遊嵌する大きい孔１７の穿設され た舌片１５を下に向け、その下側の舌片１５が床パネル２８の根太２６を形鋼床 梁２９の上に載せたとき形鋼床梁２９のフランジ３０の下側に位置するように位 置合わせをし、垂直舌片１１をビスや釘３１によって根太２６の側面２７に固定 して取り付けられる。 このように根太止め金物２１を取り付けた床パネル２８を、根太２６をフラン ジ３０の上に載せて形鋼床梁２９へと押し付けると、下側の舌片１５はフランジ ３０の下へと押し込まれ、次いで、タッピングネジ２２を下側の舌片１５の孔１ ７を通して上側の舌片１２の孔１６へと螺着すると、タッピングネジ２２の頭部 ３２によって下側の舌片１５が押し上げられてフランジ３０の下面に圧着するこ とになる。 その結果、フランジ３０は根太２６の底面３３と下側の舌片１５の間に挟まれ て把持されることになり、床パネル２８は根太止め金物２１を介して形鋼床梁２ ９に固定されることになる。

【００１３】

【実施例】

以下、図示する実施例により説明する。図１は、本考案の第１実施例に係る根 太止め金物２１の斜視図である。図２は、その取り付けた床パネル２８の根太２ ６を形鋼床梁２９に載せた状態での側面図である。図３は、その形鋼床梁２９に 固定した状態での側面図である。図４は、図３に対する断面の正面図である。 これらに図示する第１実施例に係る根太止め金物２１は、垂直舌片１１から水 平舌片１２へと直角に折れ曲がって続くＬ形断面の根太止め金物本体１３の当該 水平舌片１２の先端縁１４から垂直舌片１１に対し反対向きとなる裏面へとＵ字 状に折れ曲がって押板舌片１５が突き出て水平舌片１２と二重になっており、そ の二重になった水平舌片１２と押板舌片１５のそれぞれに互いに向き合う孔１６ ・１７が穿設されており、その水平舌片１２の孔１６は押板舌片１５の孔１７よ りも大きく、押板舌片１５の一方の側縁側から片持梁状に水平舌片１２の側縁１ ８を超えて突出舌片１９が突き出ており、突出舌片１９の先端は上向きに折れ曲 がった突起２５となっており、垂直舌片１１に釘孔２０が穿設されている。

【００１４】 図５は、本考案の第２実施例に係る根太止め金物２１の斜視図である。 図６は、その取り付けた床パネル２８の根太２６を形鋼床梁２９に載せた状態 での側面図である。 図７は、その形鋼床梁２９に固定した状態での側面図である。図８は、図７に 対する断面の正面図である。 これらに図示する第２実施例に係る根太止め金物２１は、直角に折れ曲がって 続く垂直舌片１１と水平舌片１２を主要部とする根太止め金物本体１３の当該水 平舌片１２に孔１６が穿設されており、その孔１６よりも大きい孔１７の穿設さ れた押板舌片１５が、その孔１７に遊嵌するタッピングネジ２２を水平舌片１２ の孔１６に螺着して水平舌片１２の裏面に重ね合わされており、押板舌片１５の 一端は水平舌片１２の側縁１８を超えて突き出た突出舌片１９となっており、垂 直舌片１１に釘孔２０が穿設されている。

【００１５】 図９は、本考案の第３実施例に係る根太止め金物２１の斜視図である。 図１０は、その取り付けた床パネル２８の根太２６を形鋼床梁２９に載せた状 態での側面図である。 図１１は、その形鋼床梁２９に固定した状態での側面図である。 図１２は、図１１に対する断面の正面図である。 これらに図示する第２実施例に係る根太止め金物２１は、２つの水平舌片１２ ・１５がＵ字状に折れ曲がって向き合うクリップ２３の一方の水平舌片１５の側 縁から直角に折れ曲がって垂直舌片１１が突き出ており、これら２つの水平舌片 １２・１５には互いに向き合う孔１６・１７が穿設されており、それら２つの孔 の中の垂直舌片１１の上端側２４の水平舌片１２の孔１６が他の水平舌片１５の 孔１７よりも小さくなっており、２つの水平舌片１２・１５の少なくとも何れか 一方の水平舌片１５（１２）の先端から他方の水平舌片１２（１５）に向けて突 起２５が突き出ており、垂直舌片１１に釘孔２０が穿設されている。

【００１６】 これらの実施例に示す根太止め金物２１は、タッピングネジ２２の遊嵌する大 きい孔１７の穿設された舌片１５を下に向け、その下側の舌片１５が床パネル２ ８の根太２６を形鋼床梁２９の上に載せたとき形鋼床梁２９のフランジ３０の下 側に位置するように位置合わせをし、垂直舌片１１をビスや釘３１によって根太 ２６の側面２７に固定して取り付けられる。 このように根太止め金物２１を取り付けた床パネル２８を、根太２６をフラン ジ３０の上に載せて形鋼床梁２９へと押し付けると、下側の舌片１５はフランジ ３０の下へと押し込まれ、次いで、タッピングネジ２２を下側の舌片１５の孔１ ７を通して上側の舌片１２の孔１６へと螺着すると、タッピングネジ２２の頭部 ３２によって下側の舌片１５が押し上げられてフランジ３０の下面に圧着するこ とになる。 その結果、フランジ３０は根太２６の底面３３と下側の舌片１５の間に挟まれ て把持されることになり、床パネル２８は床パネル受け金物２１を介して形鋼床 梁２９に固定されることになる。

【００１７】

【考案の効果】

上記の如く本考案に係る根太止め金物２１は、ただタッピングネジ３２を回す と言う極く単純な１つの動作によってタッピングネジ２２の頭部３２が下側の舌 片１５を押し上げてフランジ３０の下面へと圧着し、フランジ３０が根太２６の 底面３３と下側の舌片１５の間に挟まれて把持され、床パネル２８が目太止め金 物２１を介して形鋼床梁２９に固定され、床パネル２８の形鋼床梁２９への取付 固定の作業効率が向上する。

【００１８】 そして垂直舌片１１を介してビスや釘３１によって床パネル２８に取り付けた 根太止め金物２１は、ただ下側の舌片１５の厚み分だけが根太２６の底面３３か ら突き出る程度であるから、床パネルの運搬上邪魔にならず、従って運搬過程で 破損する虞もなく、床パネルの製造工場において予め取り付けておくことが出来 、それを建築現場で取り付ける手間が省かれるので、その分だけ工程数が減り床 パネル２８の形鋼床梁２９への取付固定の作業効率が向上する。

【００１９】 そして、上下の舌片１２・１５をタッピングネジ３２で閉じる本案根太止め金 物２１の構造は、コイルバネを使用した従来品に比較して極めてシンプルで安価 に得られので、本考案は頗る実用的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る根太止め金物の斜視図である。

【図２】本考案に係る根太止め金物を取り付けた床パネ
ルの形鋼床梁に載せた状態での側面図である。

【図３】本考案に係る根太止め金物を取り付けた床パネ
ルの形鋼床梁に取付固定した状態での側面図である。

【図４】本考案に係る根太止め金物を取り付けた床パネ
ルの形鋼床梁に取付固定した状態での断面図である。

【図５】本考案に係る根太止め金物の斜視図である。

【図６】本考案に係る根太止め金物を取り付けた床パネ
ルの形鋼床梁に載せた状態での側面図である。

【図７】本考案に係る根太止め金物を取り付けた床パネ
ルの形鋼床梁に取付固定した状態での側面図である。

【図８】本考案に係る根太止め金物を取り付けた床パネ
ルの形鋼床梁に取付固定した状態での断面図である。

【図９】本考案に係る根太止め金物の斜視図である。

【図１０】本考案に係る根太止め金物を取り付けた床パ
ネルの形鋼床梁に載せた状態での側面図である。

【図１１】本考案に係る根太止め金物を取り付けた床パ
ネルの形鋼床梁に取付固定した状態での側面図である。

【図１２】本考案に係る根太止め金物を取り付けた床パ
ネルの形鋼床梁に取付固定した状態での断面図である。

【図１３】従来の建築金物の斜視図である。

【図１４】従来の建築金物を取り付けた床パネルの形鋼
床梁に取付固定した状態での斜視図である。

【符号の説明】

１１ 垂直舌片 １２ 水平舌片 １３ 金物本体 １４ 先端縁 １５ 押板舌片 １６ 孔 １７ 孔 １８ 水平舌片の側縁 １９ 突出舌片 ２０ 釘孔 ２１ 根太止め金物 ２２ タッピングネジ ２３ クリップ ２４ 上端側 ２５ 突起 ２６ 根太 ２７ 側面 ２８ 床パネル ２９ 形鋼床梁 ３０ フランジ ３１ 釘 ３２ タッピングネジの頭部 ３３ 底面 ３４ 床板 ３５ 建築金物 ３６ 舌片 ３７ 舌片 ３８ 連結片 ３９ 嵌合溝 ４０ 金物本体 ４１ コイルバネ ４２ 舌片 ４３ 切込溝 ４４ 皿板 ４５ 溝縁 ４６ 爪 ４７ 軸材 ４８ ハンドル

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 釘孔を有し根太の側面に釘打固定される
   垂直舌片と、その垂直舌片から垂直に折れ曲がって続く
   水平舌片と、その水平舌片に上下に重なり合う舌片とに
   よって構成され、上下に重なり合う上側の舌片はタッピ
   ングネジを螺着する孔を有し、その下側になる他方の舌
   片にはタッピングネジの遊嵌する大きい孔が上記上側の
   舌片の孔に向かい合わせに穿設されていることを特徴と
   する根太止め金物。
2. 【請求項２】 垂直舌片から水平舌片へと直角に折れ曲
   がって続くＬ形断面の根太止め金物本体の当該水平舌片
   の先端縁から垂直舌片に対し反対向きとなる裏面へとＵ
   字状に折れ曲がって押板舌片が突き出て水平舌片と二重
   になっており、その二重になった水平舌片と押板舌片の
   それぞれに互いに向き合う孔が穿設されており、その水
   平舌片の孔は押板舌片の孔よりも大きく、押板舌片の一
   方の側縁側から片持梁状に水平舌片の側縁を超えて突出
   舌片が突き出ており、垂直舌片に釘孔が穿設されている
   ことを特徴とする根太止め金物。
3. 【請求項３】 直角に折れ曲がって続く垂直舌片と水平
   舌片を主要部とする根太止め金物本体の当該水平舌片に
   孔が穿設されており、その孔よりも大きい孔の穿設され
   た押板舌片が、その孔に遊嵌するタッピングネジを水平
   舌片の孔に螺着して水平舌片の裏面に重ね合わされてお
   り、押板舌片の一端は水平舌片の側縁を超えて突き出た
   突出舌片となっており、垂直舌片に釘孔が穿設されてい
   ることを特徴とする根太止め金物。
4. 【請求項４】 ２つの水平舌片がＵ字状に折れ曲がって
   向き合うクリップの一方の水平舌片の側縁から直角に折
   れ曲がって垂直舌片が突き出ており、これら２つの水平
   舌片には互いに向き合う孔が穿設されており、それら２
   つの孔の中の垂直舌片の上端側の水平舌片の孔が他の水
   平舌片の孔よりも小さくなっており、２つの水平舌片の
   少なくとも何れか一方の水平舌片の先端から他方の水平
   舌片に向けて突起が突き出ており、垂直舌片に釘孔が穿
   設されていることを特徴とする根太止め金物。