JPH07250460A - 極磁場配向用ダイスおよび可撓性マグネットの製造方法 - Google Patents

極磁場配向用ダイスおよび可撓性マグネットの製造方法

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JPH07250460A
JPH07250460A JP6653294A JP6653294A JPH07250460A JP H07250460 A JPH07250460 A JP H07250460A JP 6653294 A JP6653294 A JP 6653294A JP 6653294 A JP6653294 A JP 6653294A JP H07250460 A JPH07250460 A JP H07250460A
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JP
Japan
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magnet
magnetic field
flexible
magnetic
flexible magnet
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Application number
JP6653294A
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English (en)
Inventor
Hiroomi Takinozawa
洋臣 滝野沢
Masakazu Kobayashi
眞和 小林
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CI Kasei Co Ltd
Original Assignee
CI Kasei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】 極磁場を発生する永久磁石の磁界を有効に
利用すると共に、極磁場配向用ダイスを用いて成形され
た可撓性マグネットを得る。 【構 成】 極磁場配向用ダイスは、可撓性樹脂と、た
とえば板状の結晶からなる異方性磁性粉体とを混合して
シート状の可撓性マグネットを成形する型であり、その
流通路を非磁性体から構成されている。上記磁性粉体
は、可撓性マグネットの流通する方向を直角に横切る断
面に形成された極磁場によって、その直角方向に回動
し、易磁化軸の方向が揃えられる。上記流通路の下部に
設けられている磁石組立体は、前記可撓性マグネットの
流通する方向と磁石組立体の長さ方向と一致すると共
に、所望数の極磁場形成面と可撓性マグネットの流通方
向を直角に横切る断面とが一致する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可撓性樹脂と板状の結
晶からなる異方性磁性粉体とを混合して可撓性マグネッ
トを構成するための極磁場配向用ダイス、および可撓性
マグネットの製造方法に関するものである。特に、上記
可撓性マグネットは、小型モータ、リニアモータ、エン
コーダ、アクチュエータ等に適用した際に優れた効果を
奏するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、永久磁石は、多くの電子機器等に
使用され、軽薄短小で最大エネルギー積の高いものが要
望されている。この要望に対し、体積当たりにおける最
大エネルギー積の高い永久磁石として、焼結型磁石があ
る。しかし、焼結型磁石は、機械的強度が弱く、複雑な
形状のものを精密に作ることは困難であった。これに対
して、可撓性マグネットは、機械的強度と加工性に富
み、複雑な形状の磁石を精密に作ることが可能である。
従来からこの利点を生かし、押出機を使用して可撓性マ
グネットを作製したものがある。
【0003】図8は従来例における可撓性マグネットを
製造する押出機を説明するための図である。図8におい
て、押出機81は、シリンダー82と、アダプター83
と、ダイス取付治具84とから構成される。そして、シ
リンダー82は、その内部空間にスクリュウ85を備
え、内部空間に挿入された磁性粉体とプラスチック粉体
の混合体をスクリュウ85の回転によって前方に押し出
させるものである。アダプター83は、シリンダー82
とダイス取付治具84とを取り付けるための機構部品で
ある。また、ダイス取付治具84は、その内部にシート
状の可撓性マグネットを流通させる流通路87を備えた
ダイス86が取り付けられている。磁性粉体とプラスチ
ック粉体は、バインダーと共に混合された後、シリンダ
ー82の内部に挿入される。磁性粉体とプラスチック粉
体との混合体は、所定の温度の基に、スクリュウ85の
回転によって押し出され、流通路87からシート状をし
た可撓性マグネットが送出される。
【0004】図9は従来例における可撓性マグネットを
製造する際に異方性磁性粉体の磁極の向きを整列する押
出機を説明するための図である。図9において、押出機
91は、シリンダー92と、搬送車93とから構成され
ている。シリンダー92は、その内部に設けられたスク
リュウ94と、先端に所望の断面形状で成形するノズル
96とから構成される。また、搬送車93の周囲には、
非磁性体97が巻回されている。さらに、上記非磁性体
97の周囲には、搬送車93の中心方向に向かってN
極、S極を配置した永久磁石からなる整列磁石98がス
ペーサを交互に介すると共に、極の向きも交互に変えて
並べられている。磁性粉体とプラスチック粉体は、バイ
ンダーと共に混合された後、シリンダー92の内部に挿
入される。磁性粉体とプラスチック粉体との混合体は、
所定の温度の基に、スクリュウ94の回転によって押し
出され、ノズル96からシート状の可撓性マグネットが
送出される。シート状の可撓性マグネットは、搬送車9
3の回転による助けを得て搬送される。また、可撓性マ
グネット内における磁性粉体は、搬送車93に設けられ
ている整列磁石98の磁力線の向きに磁性粉体が配向さ
せられる。
【0005】図10は従来例における可撓性マグネット
を製造する際に異方性磁性粉体の磁極の向きを整列する
射出成形機を説明するための図である。図10におい
て、射出成形機101は、下型102と、上型103
と、両者の間に形成されている開口部104とから形成
されている。また、開口部104の下部には、可撓性マ
グネットを成形する空間を除いて、強磁性体105と、
その上に永久磁石106、106′と、スペーサ107
とが交互に配置された磁石組立体が設けられている。さ
らに、上記永久磁石106と106′とは、その極性が
交互に変えられている。一方、上型103の上部には、
磁性粉体、プラスチック粉体、およびバインダー等を挿
入するノズル109が設けられている。可撓性マグネッ
トがシート状に成形される際、磁力線は、たとえば、永
久磁石106のN極、磁性粉体、永久磁石106′のS
極、永久磁石106′のN極、強磁性体105、元の永
久磁石106のS極に戻る。そして、磁性粉体は、開口
部104に設けられた永久磁石106および106′か
ら出る磁力線に沿って集中し、磁力線の向きに配向され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】最大エネルギー積の高
い磁石を得るためには、磁性粉体の密度および配向度
(磁性粉体の磁化容易軸方向がある一定方向にどれだけ
揃っているかを示す度合い、以下、本明細書では単に配
向度と記載する。)を上げることである。そして、磁性
粉体の密度を上げるためには、押出成形時の加工性が悪
くなるが、磁性粉体の体積分率を高くすること、および
磁性粉体どうしを接着するバインダーの量を極力減少さ
せることである。また、配向度を向上させるためには、
磁性粉体の体積分率を下げることにより、押出成形時の
材料の粘度を下げること、および配向磁場を強くするこ
とである。磁性粉体の量を減らし、材料粘度を下げる
と、配向は良くなるが、材料の固定化(形状を保持する
力)が困難となり、ダイス出口で配向が乱れてしまう。
以上のように、最大エネルギー積の高い磁石を得るため
に、磁性粉体の密度と配向度とを共に上げることは困難
である。
【0007】図9に示すように、搬送車93に設けられ
た整列磁石98から発生する磁界は弱く、高粘度材料を
十分配向できるだけの強さはない。また、異方性の磁性
粉体からリング状マグネットを得るためには、成形が困
難であり、価格が高価であった。さらに、既成の異方化
した可撓性マグネットシートは、上下に磁場配向されて
いるため、極磁場配向より効率が悪く、モータ等に最適
とはいえない。
【0008】さらに、図10で示す永久磁石106、1
06′から発生する磁界は、永久磁石と非磁性体とが交
互に並べられているために弱く、高粘度材料を十分配向
できるだけの強さがない。以上のような問題を解決する
ために、本発明は、極磁場を発生する永久磁石の磁界を
有効に利用できる極磁場配向用ダイスを提供することを
目的とする。また、上記極磁場配向用ダイスを用いて成
形されたモータ用可撓性マグネットの製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(第1発明)前記目的を達成するために、本発明の極磁
場配向用ダイス(図1の11)は、可撓性樹脂と異方性
磁性粉体とを混合して極磁場を有する可撓性マグネット
を成形するもので、前記可撓性マグネットが押し出され
て流通する非磁性体(図1および図2の13)から構成
される流通路(図1および図2の19)と、前記可撓性
マグネットに対して、磁場が最大限通過するように、非
磁性体上に配列した所望数の磁極からなる磁石組立体
(図1および図2の17)とから構成され、前記磁石組
立体(17)と流通路(19)との配置関係は、可撓性
マグネットの流通する方向と磁石組立体(17)の長さ
方向とが一致すると共に、所望数の極磁場形成面と可撓
性マグネットの流通方向を直角に横切る断面とが一致す
ることを特徴とする。
【0010】(第2発明)本発明の極磁場配向用ダイス
(11)における磁石組立体(17)は、前記可撓性マ
グネットの流通する方向に長く、しかも上記流通路(1
9)の流通方向に沿った垂直な面方向にS極とN極とが
形成されている永久磁石(図2の171、172)と、
当該永久磁石(171、172)を同じ極性で向かい合
わせて配置すると共に、永久磁石(171、172)の
間に配置された所望数の極磁場を形成する強磁性体とか
ら構成されている。
【0011】(第3発明)本発明の極磁場配向用ダイス
(11)における磁石組立体(17)の上部で、可撓性
マグネットの流通する部分には、非磁性体薄膜(図1お
よび図2の18)が形成されていることを特徴とする。
【0012】(第4発明)本発明における可撓性マグネ
ットの製造方法は、可撓性マグネットの流通する方向に
長く、しかも上記流通路の流通方向に沿った垂直な面方
向に所望数の極磁場が形成できる極磁場配向用ダイス
(11)によって極磁場配向された可撓性マグネットシ
ート(図4の41)を成形する第1工程と、上記可撓性
マグネットシート(41)を流通方向と直角に切断する
第2工程と、切断された可撓性マグネット部材(図5の
51)の磁極が内側になるように丸め、このリング状マ
グネット(図6の61)をハウジングに挿入する第3工
程と、上記丸められたリング状マグネット(61)の内
側で、磁極を合わせるようにして着磁装置(図7の7
1)を挿入した後、リング状マグネット(61)を着磁
する第4工程とから構成される。
【0013】
【作 用】
(第1発明)極磁場配向用ダイスは、可撓性樹脂と、た
とえば板状の結晶からなる異方性磁性粉体とを混合して
シート状の可撓性マグネットを成形する型である。そし
て、極磁場配向用ダイスにおけるノズルとなる流通路
は、非磁性体から構成される。また、上記流通路は、可
撓性マグネットシートが成形されて押し出される際に、
極磁場を受ける。すなわち、上記板状の結晶からなる異
方性磁性粉体は、可撓性マグネットの流通方向に対して
直角な断面に形成された極磁場によって、その直角方向
に回動し、易磁化軸の方向が揃えられる。そして、上記
流通路の下部に設けられている磁石組立体は、前記可撓
性マグネットの流通する方向と磁石組立体の長さ方向と
が一致すると共に、所望数の極磁場形成面と可撓性マグ
ネットの流通方向を直角に横切る断面とが一致するよう
に配置されている。可撓性マグネットの流通路と磁石組
立体とが上記のように配置されているため、可撓性マグ
ネットの進行方向に対して、直角方向に所望数の極磁場
が発生し、磁界に対して直角に板状の結晶からなる異方
性磁性粉体が並べられる。以上のような可撓性マグネッ
トシートは、成形時の進行方向に対して直角な断面に所
望数の磁極が形成されるため、単に直角に切断するだけ
で使用できる。
【0014】(第2発明)磁石組立体は、可撓性マグネ
ットの流通する方向に長く、しかも上記流通路の流通方
向に沿った垂直な面方向にS極とN極とが形成されてい
る永久磁石と、当該永久磁石を同じ極性で向かい合わせ
て配置すると共に、永久磁石の間に配置された所望数の
極磁場を形成する強磁性体とが交互に設けられている。
また、磁石組立体は、非磁性体部材によって周囲が囲ま
れている。一つの永久磁石に注目した場合、前記磁石組
立体から発生する磁界は、永久磁石のN極、一つの強磁
性体、流通路内の磁性粉体、他の強磁性体、前記永久磁
石のS極を通り、前記永久磁石のN極に戻る。以上のよ
うな磁石組立体は、下方に強磁性体がないため、永久磁
石および強磁性体の上部に磁界がより多く発生し、無駄
な磁界が少ない。
【0015】(第3発明)磁石組立体の上部には、非磁
性体の薄膜が形成あるいは設けられて流通路の一部を形
成しているため、流通路を通過する可撓性マグネットシ
ートの滑りを良好にすると共に、永久磁石あるいは強磁
性体の磨耗を防止する。また、上記非磁性体薄膜は、薄
く形成されているため、配向磁場を形成するための損失
を少なくすることができる。
【0016】(第4発明)第1工程において、押出機か
ら押し出されて成形されたシート状可撓性マグネット
は、その流通する方向に長く、しかも上記流通路の流通
方向に沿った垂直な面方向に所望数の極磁場が形成でき
る極磁場配向用ダイスを通過することによって極磁場が
配向される。第2工程は、上記可撓性マグネットシート
を進行方向に対して直角で所定の寸法に切断する。第3
工程は、切断された可撓性マグネットシートを丸めて、
たとえば、モータハウジングに挿入する。第4工程は、
上記丸められたマグネットの内側で、磁極を合わせるよ
うに着磁装置を挿入してマグネットを着磁する。以上の
ような工程によって作製されたリング状マグネットの内
側には、所望数の極磁場が強力に着磁される。
【0017】
【実 施 例】図1は本発明の一実施例で、6極の極磁
場配向用ダイスの概略を説明するための外観図である。
図2は図1における極磁場配向用ダイスの一部拡大図で
ある。図1および図2において、極磁場配向用ダイス1
1は、上部非磁性体12と下部非磁性体13と、右側部
非磁性体14と、左側部非磁性体15とによって囲まれ
た開口部16が形成されている。上記開口部16には、
磁石組立体17と、その上に載置された非磁性体薄膜1
8とが設けられることによって、当該非磁性体薄膜18
の上に可撓性マグネット流通路19が形成される。非磁
性体薄膜18は、たとえば、50μmの厚さのリン青
銅、セラミックを採用することができる。
【0018】磁石組立体17は、可撓性マグネットが上
記流通路19を流通する方向(図1および図2におい
て、紙背から紙表に向かう方向)に対して直角な面(図
1および図2において、紙面と同じ面)で、N極および
S極を形成している永久磁石171、172が同じ極性
で向かい合わせに配置されている。また、上記永久磁石
171と172との間には、強磁性体173、174、
たとえば、鉄製の部材が永久磁石171、172と交互
に配置されている。このように配置された磁石組立体1
7は、永久磁石171および172から、たとえば図2
に示すように、磁界が発生し、この磁界に沿って異方性
磁性粉体を配向する。また、図1および図2に示す磁石
組立体17の断面形状は、縦方向2に対して幅方向が
1、ないし縦方向10に対して幅方向1の範囲にするこ
とができた。
【0019】また、流通路19の下面に設けられている
非磁性体薄膜18は、可撓性マグネットが押し出される
際に、流通路19における壁面での滑り性を防止すると
共に、磁石組立体17における永久磁石171、17
2、または強磁性体173、174の磨耗を防止する。
また、この非磁性体薄膜18は、強度および配向磁場の
損失を考慮すると、その厚さが10μmないし1000
μmの範囲が使用できた。なお、上記永久磁石171お
よび172は、商品名「CORMAX−2700H」
(温度140度Cにおける残留磁束密度10.5Kガウ
ス、保磁力9.5Kエルステッド)を、また、非磁性体
薄膜18は、50μmの厚さのリン青銅を、さらに、強
磁性体173、174は、純鉄を使用した。その他の部
分は、非磁性金属合金材「YHD」(商標名)を使用し
た。また、永久磁石171、172は、140度C程度
の耐熱性を有するネオジウム・鉄・ボロン系の焼結磁石
を使用することもできる。
【0020】上記構成の磁石組立体17において、交互
に配置された永久磁石171および172の一つ(17
1)から発生した磁界は、図2に示すごとく、強磁性体
174、非磁性体薄膜18、流通路19内を流通する、
たとえば、板状の結晶(図2において、模式的に示され
ている)からなる異方性磁性粉体22、非磁性体薄膜1
8、強磁性体174を通過して、元の永久磁石171に
戻る。また、磁界は、極磁場配向用ダイス11の上下に
配置されている上部非磁性体12および下部非磁性体1
3によって効率の良い極磁場を形成する。流通路19内
の板状の結晶からなる異方性磁性粉体22は、磁石組立
体17によって形成される極磁場によって、図2に示す
ごとく、磁界に対して直角となるように配向される。な
お、強磁性体173および174の数は、所望する磁極
の数と一致する。さらに、永久磁石171、172は、
図2において、強磁性体173、174と比較して短く
描かれており、永久磁石171、172の短い部分に非
磁性体20が埋め込まれているが、上記両者を同じ長さ
にしてもよい。
【0021】次に、上記極磁場配向用ダイスによって、
モータ用可撓性マグネットの製造方法を説明する。図3
は本発明の一実施例に用いた可撓性マグネットをシート
状に押し出す押出機を説明するための図である。図4は
図3の押出機によって成形された可撓性マグネットシー
トを説明するための図である。図5は図4に示す可撓性
マグネットシートを切断した状態を説明するためのもの
である。図3において、押出機31は、内部にスクリュ
ウ35を備えた、たとえば直径40mmのシリンダー3
2と、アダプター33と、極磁場配向用ダイス11が設
けられている極磁場配向用ダイス取付治具34とから構
成されている。
【0022】一方、たとえば、アクリルゴム100重量
部に対して、ストロンチウムフェライト(磁場配向型)
1000重量部、および滑剤1重量部、酸化防止剤2重
量部を混練し、ペレット化したものを、可撓性マグネッ
トシートの原材料とする。上記ペレット化した原材料
は、図3に示すシリンダー32内に挿入されると共に、
たとえば、140度Cに保持された状態で、スクリュウ
35によって押し出される。押し出された上記原材料
は、極磁場配向用ダイス11の流通路19を通過する際
に、たとえば、断面が2mm×60mmの板状に成形さ
れると共に、たとえば、極数が6極に極磁場配向され
る。その後、可撓性マグネットシート41は、脱磁され
る。また、図4に示すような形状に成形された可撓性マ
グネットシート41は、図5に示すように進行方向に対
して、直角に切断され、2mm×20mm×60mmの
可撓性マグネット部材51となる。
【0023】図6は図5によって切断された可撓性マグ
ネット部材をリング状にしてモータ用マグネットとした
状態を説明するための図である。図7はモータ用マグネ
ットを着磁する着磁装置を説明するための図である。図
5に示すように切断された可撓性マグネット部材51
は、磁極が内側になるようにして、丸められてリング状
マグネット61となる。そして、このリング状マグネッ
ト61は、たとえば、長さ25mm、外径23mm、内
径21mmの鉄製からなるモータの外筒に装着される。
その後、上記リング状マグネット61は、その中に後述
する着磁装置71を挿入することによって、極磁場の極
に合わせて着磁される。
【0024】図7において、着磁装置71は、着磁ヨー
ク72と着磁コイル73とから構成される。そして、着
磁ヨーク72の極数は、前記配向磁場の極数と一致させ
る。また、着磁コイル73のターン数は、大きいパルス
電流を流すために2ターンとし、隣どうしを反対方向に
巻回した。着磁を行なうパルス電流は、たとえば、10
00Vを500μFのコンデンサに蓄えた電荷を一気に
放電させる。次に、上記本実施例によって得られたもの
と、成形時に極磁場配向を行なわないもので、その他の
条件を本実施例と同じにした比較例とを比較した。そし
て、表面磁束密度の測定場所は、丸められたリング状マ
グネット61の内周で、高さ方向の中央部を測定し、1
極当たりの平均磁束密度を算出した。 本実施例 1極当たりにおける磁束密度の平均値 15
80ガウス 比較例 1極当たりにおける磁束密度の平均値 10
30ガウス となり、本実施例のものは、比較例より約5割程度向上
した。
【0025】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、
特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することがな
ければ、種々の設計変更を行うことが可能である。たと
えば、押出機あるいは着磁装置は、本実施例において説
明した以外の公知あるいは周知のものを採用することが
できる。また、可撓性マグネットの原材料は、アクリル
ゴムとストロンチウムフェライトとの割合を変えるこ
と、または公知あるいは周知の他の可撓性部材(塩素化
ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等)と磁
性粉体とを採用することができる。さらに、極磁場配向
用ダイスに使用した永久磁石、非磁性体、あるいは強磁
性体は、本実施例のもの以外に周知または公知の部材を
採用することができる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、極磁場配向用ダイスに
よって、所望数の極磁場を有した状態で、可撓性マグネ
ットシートの流通方向を直角に横切る断面に配向されて
成形されるため、押出成形品を流通方向に直角に切断し
た後、極磁場を内側にして丸めるだけで、リング状極異
方性マグネットができる。本発明によれば、可撓性マグ
ネットシートの流通する方向に長く、しかも上記流通路
の流通方向に沿った垂直な面方向にS極とN極とが形成
された永久磁石と、同じ極性で向かい合わせに配置され
た永久磁石の間に配置された強磁性体とからなる磁石組
立体によって、磁界が磁石組立体の上部で多く発生し、
有効に使用されている。本発明によれば、極磁場配向用
ダイスの流通路を通過する可撓性マグネットの下面に非
磁性体薄膜を設けているため、高価な永久磁石や強磁性
体が磨耗することなく、可撓性マグネットの滑り性を向
上させている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で、6極の極磁場配向用ダイ
スの概略を説明するための外観図である。
【図2】図1における極磁場配向用ダイスの一部拡大図
である。
【図3】本発明の一実施例に用いた可撓性マグネットを
シート状に押し出す押出機を説明するための図である。
【図4】図3の押出機によって成形された可撓性マグネ
ットシートを説明するための図である。
【図5】図4に示す可撓性マグネットシートを切断した
状態を説明するためのものである。
【図6】図5によって切断された可撓性マグネット部材
をリング状にしてモータ用マグネットとした状態を説明
するための図である。
【図7】モータ用マグネットを着磁する着磁装置を説明
するための図である。
【図8】従来例における可撓性マグネットを製造する押
出機を説明するための図である。
【図9】従来例における可撓性マグネットを製造する際
に異方性磁性粉体の磁極の向きを整列する押出機を説明
するための図である。
【図10】従来例における可撓性マグネットを製造する
際に異方性磁性粉体の磁極の向きを整列する射出成形機
を説明するための図である。
【符号の説明】
11・・・極磁場配向用ダイス 171、172・・
・永久磁石 12・・・上部非磁性体 173、174・・
・強磁性体 13・・・下部非磁性体 31・・・押出機 14・・・右側部非磁性体 32・・・シリンダ
ー 15・・・左側部非磁性体 33・・・アダプタ
ー 16・・・開口部 34・・・極磁場配
向用ダイス取付治具 17・・・磁石組立体 35・・・スクリュ
ウ 18・・・非磁性体薄膜 19・・・流通路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性樹脂と異方性磁性粉体とを混合し
    て極磁場を有する可撓性マグネットを成形する極磁場配
    向用ダイスにおいて、 前記可撓性マグネットが押し出されて流通する非磁性体
    から構成される流通路と、前記可撓性マグネットに対し
    て、磁場が最大限通過するように、非磁性体上に配列し
    た所望数の磁極からなる磁石組立体とから構成され、 前記磁石組立体と流通路との配置関係は、可撓性マグネ
    ットの流通する方向と磁石組立体の長さ方向とが一致す
    ると共に、所望数の極磁場形成面と可撓性マグネットの
    流通方向を直角に横切る断面とが一致することを特徴と
    する極磁場配向用ダイス。
  2. 【請求項2】 上記磁石組立体は、 前記可撓性マグネットの流通する方向に長く、しかも上
    記流通路の流通方向に沿った垂直な面方向にS極とN極
    とが形成されている永久磁石と、 当該永久磁石を同じ極性で向かい合わせて配置すると共
    に、永久磁石の間に配置された所望数の極磁場を形成す
    る強磁性体と、 から構成されていることを特徴とする請求項1記載の極
    磁場配向用ダイス。
  3. 【請求項3】 上記磁石組立体の上部で、可撓性マグネ
    ットの流通する部分には、非磁性体薄膜が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の極磁
    場配向用ダイス。
  4. 【請求項4】 可撓性マグネットの流通する方向に長
    く、しかも上記流通路の流通方向に沿った垂直な面方向
    に所望数の極磁場が形成できる極磁場配向用ダイスによ
    って極磁場配向された可撓性マグネットシートを成形す
    る第1工程と、 上記可撓性マグネットシートを流通方向と直角に切断す
    る第2工程と、 切断された可撓性マグネット部材の磁極が内側になるよ
    うに丸め、このリング状マグネットをハウジングに挿入
    する第3工程と、 上記丸められたリング状マグネットの内側で、磁極を合
    わせるようにして着磁装置を挿入した後、リング状マグ
    ネットを着磁する第4工程と、 から構成されることを特徴とする可撓性マグネットの製
    造方法。
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