JPH07249402A - 電 池 - Google Patents

電 池

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JPH07249402A
JPH07249402A JP6079150A JP7915094A JPH07249402A JP H07249402 A JPH07249402 A JP H07249402A JP 6079150 A JP6079150 A JP 6079150A JP 7915094 A JP7915094 A JP 7915094A JP H07249402 A JPH07249402 A JP H07249402A
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JP
Japan
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battery
negative electrode
electrode
current collector
positive
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JP6079150A
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English (en)
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Toru Nagaura
亨 永浦
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HAIBARU KK
Original Assignee
HAIBARU KK
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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  • Secondary Cells (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、非水電解液電池の安全性の改善
に関するものである。 【構成】 素電池単位において、電池素子を構成する電
極の正極および負極の少なくとも何れかは、その電極集
電体が一端電気的導通において分割されており、その分
割された集電体は適切な抵抗値(a)を有する抵抗体を
介して再び電気的に接続される。これによって電池の内
部抵抗をrだけ高くすることが出来る。従って電解液
抵抗でもたらされる温度依存性のある電池本来の内部抵
抗成分(r)に温度依存性の無い内部抵抗成分
(r)を加えて、電池の内部抵抗を増加することが出
来るので、内部ショートの場合の安全性も確保され、−
20℃等の低温時の特性にも実用上支障を来たすことが
ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、非水電解液電池の安
全性の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化、軽量化が進められる
中、その電源として高エネルギー密度電池の要望がさら
に強まっている。その要望は、軽い電池として特徴があ
る非水電解液電池の実用化に拍車をかけている。非水電
解液電池の弱点であった低温特性は、極めて薄い電極を
使用し、渦巻状の巻回電極構造(ジェリーロール構造)
等の積層電極構造とすることで、低温でも充分に大きな
電流で放電出来るようになり、一次電池としては負極に
金属リチウムを使用した、いわゆるリチウム電池がすで
に実用化されカメラ等に使われている。さらに二次電池
としては、カーボンへのリチウムイオンの出入りを利用
するカーボン電極を負極とする非水電解液二次電池が開
発された。この電池は本発明者等によって、リチウムイ
オン二次電池と名付けて1990年に初めて世の中に紹
介したもので(雑誌Progress In Batt
eries & Solar Cells,Vol.
9,1990,p209 参照)、現在では電池業界、
学会においても“次世代のリチウムイオン二次電池”と
呼ばれるほどに認識され、その開発は益々盛んになって
いる。代表的には正極材料にリチウム含有複合酸化物を
用い、負極にはコークスやグラファイト等の炭素質材料
が用いられる。容量が1Ah程度の小型の電池としては
ビデオカメラなどの駆動用電源として実用され始めた。
非水電解液電池の弱点であった低温特性は、極めて薄い
電極を使用して多層に電極を積層した電極構造を採用す
ることで解決されたが、逆に常温では、電池が外部回路
経由で短絡した場合(外部ショート)や電池容器内で短
絡した場合(内部ショート)では、巻回電極構造等の電
池ではショート電流が流れ過ぎ、電池内で発熱し、電池
内の構成物質間の直接的な化学反応を誘発して熱暴走す
る危険性がある。そこで巻回電極構造等の重負荷使用対
応の非水電解液電池では、外部ショートに対しては正負
何れかの電極と外部端子の接続途中にPTC素子(ある
程度以上の大きい電流では、その電流による発熱によっ
て温度上昇し急激に抵抗値が増し、過剰電流を遮断する
機構を有する)を装着することによってショート電流を
遮断し、電池の安全性を確保することがすでに実用に供
されている。しかしPTC素子装着電池でも、内部ショ
ートの場合はショート電流はPTC素子を経由しないの
で、ショート電流を遮断することは出来ず、内部ショー
トに対する安全性確保には全く用を足さない。つまり従
来の電池では内部ショートに対する有効な対策は無く、
唯一、電解液の伝導度をトルエンなどを添加して下げ、
多少低温での特性を犠牲にしても、内部ショートに対す
る安全性の確保を重視して実用化せざるを得なかった。
そのため例えばビデオカメラ等が寒冷地ではうまく作動
しない等の不都合が起こっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は重負荷使用対
応の電極構造(巻回電極構造等)を採用した非水電解液
電池をその低温特性も良好に維持し、且つ内部ショート
事故に対する安全性を高めようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の手段は、電解液
抵抗でもたらされる温度依存性の高い電池本来内部抵抗
成分(r)に温度依存性の無い内部抵抗成分(r
を加えて電池の内部抵抗を増加する。その具体的手段は
下記方法で達成される。本発明による電池は、正極と負
極をその間にセパレータを挟んで多層に積層した電極構
造の電池素子を非水系電解液を含浸して容器内に収納密
閉して成るものであって、前記正極および負極の少なく
とも何れかは、金属集電体上に活物質層が形成された電
極を使用し、その電極の金属集電体は2つ以上に電気的
に分割(ここでは電子伝導に基づく電気的導通を断つこ
とを意味する)しておき、分割された金属集電体は改め
てある程度の抵抗値(a)を持つ抵抗体を介して電気的
に接続しておくことによって電池の内部抵抗を高める。
【0005】
【作用】図2に従来の密閉型非水電解液電池の構造原理
図を示した。従来の電池(容量cnAh)では、電池容
器(4)内に単位容量c(Ah)の正極(2)がn個と
単位容量c(Ah)の負極(1)のn個が電解液を含ん
だセパレーター(3)を挟んで対向し、収納密閉されて
いる。電池内では全ての正極(2)は正極リード(7)
が密閉容器(4)内で一つにまとめられるか、もしくは
全ての正極の集電体自身がつながっていて電子伝導に基
づく電気的接続が取れていて、結局全正極は密閉容器外
に露出する一個正極外部端子(8)に接続されている。
また電池内の全ての負極(1)も同様に負極リード
(5)が密閉容器内で一つにまとめらるか、もしくは全
ての負極の集電体自身がつながっていて電子伝導に基づ
く電気的接続が取れていて、結局全負極は密閉容器外に
露出する一個の負極外部端子(6)に接続されている。
さらに、外部ショートに対する安全性の確保を重視した
電池では一個のPTC素子(16)が正負何れかの外部
端子の前に接続される。このような従来の電池では、負
極(1)と正極(2)が図2に示したA点で内部シ
ョートをした場合、負極(1)と正極(2)で発電
される電流(i)だけでなく、負極(1)〜負極(1
n)と正極(2)〜正極(2n)によって発電される
電流も流れ込み、結局全ての電極で発電される電流(I
=ni)がA点に集中する。このような内部ショートの
場合はショート電流はPTC素子(16)を経由しない
ので、PTC素子には何の役割も果たせない。電池電圧
をV、電池の内部抵抗がr/nのとき、A点でのショー
ト抵抗(R)とショート電流(I)の関係は(1)式で
ある。 I=V/(R+r/n)・・・・(1) A点での発熱は(2)式となり、 IR=RV/(R+r/n) ・・・(2) R=r/nのとき発熱は最大値(nV/4r)とな
る。したがって、nの大きい電池、つまり容量の大きい
電池で、rの小さい電池、つまり内部抵抗の小さい電池
では、電池の内部抵抗に近い値で内部ショートするとA
点での発熱が非常に大きく、A点での温度は瞬時に極端
に高い温度になり、電池の熱暴走を誘発する。当然、容
量の大きい電池でも内部抵抗を大きくすれば電池の熱暴
走は免れるはずであるが、非水電解液電池の内部抵抗は
一般に使用する電解液の抵抗と電極面積で決まる。つま
り内部抵抗の大きい電池とするためには電解液の伝導度
を下げて使用するか、厚い電極を使用して電極面積を少
なくすることで達成できる。しかし、そのような電池で
は電解液の伝導度は非常に温度依存性が高いので、−2
0℃等の低温では電池特性は非常に悪くなる。つまり、
極めて薄い電極を使用し、渦巻状の巻回電極構造(ジェ
リーロール構造)等とすることで、非水電解液電池の弱
点であった低温特性を克服したことと逆行する。したが
って低温での適切な電池の作動を確保するためには、常
温では内部抵抗が必要以上に低い電池とせざるを得ない
わけで、安全性が保たれない。本発明はこの矛盾を見事
解決した。つまり、電解液抵抗でもたらされる温度依存
性の高い内部抵抗成分(r)に温度依存性の無い内部
抵抗成分(r)を付け加えて電池の内部抵抗(r)を
大きくするものであって、非水電解液電池の安全性を高
めることに成功したものである。付加した内部抵抗成分
(r)は温度依存性がないので、 内部抵抗成分(r
)は低温放電性能には常温放電特性への影響以上に影
響することはなく、本発明による非水電解液電池は低温
でもうまく作動する。その具体的手段は下記方法で達成
される。図1に本発明による密閉型電池の構造原理図を
示したが、本発明では電極の正極および負極の少なくと
も何れかは、電子伝導に基づく電気的つながりのない二
つ以上(n)に分割し、分割した各電極は図1(a)お
よび(b)の何れかの接続方法により再び抵抗体(1
0)を介して接続している。この抵抗体は本来の電池の
内部抵抗に対して直列に加わるため、電池の内部抵抗は
増加するが、増加分の抵抗は温度依存性が殆ど無いの
で、低温特性への影響は極めて少ない。
【0006】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。
【0007】実施例1 図3および図4を参照しながら本発明の実施例を説明す
る。図3本実施例で作成する円筒型電池の電池素子の断
面図であり、図4は本実施例で作成する円筒型電池の電
池構造を示す模式的断面図である。まず発電要素である
電池素子を次のようにして作成する。
【0008】負極活物質とする2800℃で熱処理を施
したメソカーボンマイクロビーズ(d002=3.37
Å)の86重量部に4重量部のカーボンブラックと結着
剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量部
を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンと湿式混合し
てスラリー(ペ−スト状)にする。次に、このスラリー
を負極集電体となる厚さ0.01mmの銅箔の両面に均
一に塗布し、乾燥後ローラープレス機で加圧成型して厚
さ0.15mmのシート状の負極(1)を作成する。
【0009】正極は次のようにして用意する。市販の炭
酸リチウム(LiCO)と炭酸コバルト(CoCO
)をLiとCoの原子比が1.03:1の組成比にな
るように混合し、空気中で900℃約10時間焼成して
LiCoOを得る。焼成後のLiCoOは非常に固
い塊として得られるので、これを粉砕機にかけて平均粒
径0.01mmの粉末状とする。この粉末状LiCoO
を91重量部、導電剤としてグラファイトを6重量
部、結合剤としてポリフッ化ビニリデン3重量部を溶剤
であるN−メチル−2−ピロリドンと湿式混合してスラ
リー(ペースト状)にする。次に、このスラリーを正極
集電体となる厚さ0.02mmのアルミニウム箔の両面
に均一に塗布し、乾燥後ローラープレス機で加圧成型し
て厚さ0.13mmのシート状の正極(2)を作成す
る。
【0010】以上のようにして作成した正極と負極は、
それぞれ幅、および電極長を下記のように整え、正極の
端には集電体の露出部分を設けておき、そこへアルミニ
ウムのリード(7)を超音波溶接をする。負極は集電体
の露出部はなく、ここでは負極リードは電極には取り付
けない。 幅と長さを整えた上記負極の2枚(1および1)を
同じく幅、長さを整えた上記正極(2)の1枚と組合
せ、多孔質ポリプロピレン製セパレータ(3)を間に挟
んで渦巻状に巻き上げて、図3に示す構造の巻回体とし
て、電池素子を作成するが、この巻回工程で半分まで巻
回した時点で一枚目の負極(1)は巻回終了する。そ
の時点で図3で示すように、幅5mmで厚さ0.1mm
のニッケル板を負極リード(5)として間に挟み、一枚
目負極(1)の電極終端と二枚目の負極(1)の端
を重ね合わせ、再び巻介して平均外径15.7mmの電
池素子を作成するこの電池素子からは1個の負極リード
(5)が巻回途中から突き出し、1個の正極リード
(7)が巻回体中心から負極リードとは反対側へ突き出
ている。負極リード(5)は負極(1)および
(1)とはそれらの集電体(銅箔)とは直接接触導通
はしておらず、活物質層(カーボンをバインダーで固め
た層)を挟んで電気的導通が確保され、この負極リード
(5)と負極(1)および(1)の各集電体との間
では、間に介在する活物質層が抵抗体となり約80ミリ
オームの抵抗値を持っている。したがって同極性の電極
である負極(1)と(1)とはそれらの集電体は直
接導通はしておらず、160ミリオームの抵抗体を介し
て電気的導通が取られているわけで、図1(a)でのn
=2でa=80ミリオームの場合に等価である。
【0011】次に図4に示すように、外径16.5m
m、長さ68mmのニッケルメッキを施した鉄製の電池
缶(4)の底部に絶縁板(14)を設置し、上記電池素
子を収納する。電池素子より突き出した負極リード
(5)は上記電池缶の底に溶接し、その後、電池素子の
上部にも絶縁板(14)を設置し、ガスケット(15)
を嵌め、電池素子の正極から取り出した正極リード
(7)は正極外部端子へ接続する防爆弁を兼ねたアルミ
ニウム製のディスク(28)に接続する。その後、電池
缶の中に電解液として1モル/リットルのLiPF
溶解したプロピレンカーボネイト(PC)とエチレンカ
ーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)
の混合溶液を注入し、正極リードを接続したアルミニウ
ムディスク(28)をガスケットの内側に設置し、正極
外部端子となる電池蓋体(29)をリング状のPTC素
子(16)を介して重ね、電池缶の縁をかしめて、図4
に示す電池構造で外径16.5mm、高さ65mmの電
池(A)を組み立てる。実際、電池構造としては従来
の電池と大きく変わるものではなく、図4(b)は従来
電池の負極リードの缶底への溶接状態を示したものであ
るが、本発明では負極リード(5)が巻回体途中から突
き出しているので、その点で若干異なるだけである。
【0012】実施例2 本発明の他の実施例を説明する。図5は本実施例で使用
する正極の構造を示す集電体の断面図および平面図なら
びに電極の断面図である。図6は本実施例で作成する円
筒型電池の電池素子の断面図であり、殆ど従来の電池の
電池素子と同じである。まず発電要素である電池素子を
次のようにして作成する。
【0013】微粉末のグラファイト100重量部に結合
剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を10〜4
0重量部加えてN−メチル−2−ピロリドンと湿式混合
してグラファイトとバインダーの混合比の異なる数種類
のペースト状の導電性塗料を用意する。
【0014】次に正極集電体(40)とする厚さ0.0
20mmで幅150mmのアルミニウム箔を長さ170
mmと250mmに切断したものを用意し、170mm
長さのアルミニウム箔の両端に長さ250mm長さのア
ルミニウム箔を図5(a)のように、用意した導電性塗
料をアルミ箔の端約8mmに塗り、重ね合わせて乾燥し
て接着する。その後接着部はローラープレスで加圧す
る。こうして図5(a)に示す正極集電体が用意される
が、この集電体は3枚のアルミニウム箔(40、40
、40)が粉末の伝導剤(グラファイト)と結合剤
(PVDF)で構成される抵抗体(10)を挟んで接合
さている。接着部(10)の電気抵抗を測定し、接着部
の電気抵抗が40〜50オームのものを使用して、実施
例1で用意した正極スラリー(LiCoO91重量
部、グラファイト6重量部、結合剤3重量部および溶
剤)をこのアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、乾燥
後ローラープレス機で加圧成型して厚さ0.13mmの
シート状の正極を作成する。このシート状正極はその断
面を図5(b)に示すように、アルミニウム箔の集電体
は3つに分割されており、それらは導電性接着体(1
0)によって接合されており、その上に正極活物質層
(41)が形成されたものである。
【0015】以上のようにして作成した正極と実施例1
で作成した電極寸法調整前の負極は、それぞれ幅、およ
び電極長を下記のように整える。正極の寸法調整では1
70mmのアルミニウム集電体(40)を中心にして
両側に均等な長さで電極長を整える。正極の一方の端に
は集電体の露出部分を設けておき、そこへアルミニウム
のリード(7)を超音波溶接をする。こうして調整した
正極では集電体(40)に溶接した正極リード(7)
は電極中央の集電体(40)とは約120ミリオー
ム、その先の集電体(40)とは約240ミリオーム
の抵抗値でそれぞれ導通している。負極も電極端には集
電体の露出部分を設けておき、そこへニッケルのリード
(5)を超音波溶接をする。 幅と長さを整えた上記負極(1)と上記正極(2)は多
孔質ポリプロピレン製セパレータ(3)を間に挟んで渦
巻状に巻介すれば、図6に示す構造の巻回体として平均
外径15.7mmの電池素子が出来上がる。
【0016】この電池素子からは1個の負極リード
(5)が巻回体外周から突き出し、1個の正極リード
(7)が巻回体中心から負極リードとは反対側へ突き出
ている。そして正極リード(7)は正極(2)の集電
体には直接溶接されているが、正極(2)および(2
)の集電体とは途中に導電性接着体を抵抗体として挟
んで電気的に導通しているため、約120ミリオームお
よび240ミリオームの抵抗値をそれぞれ示す。従って
本実施例での電極素子は図1(b)でのn=3でa=1
20ミリオームの場合に等価である。
【0017】この電池素子は実施例1と同様な手順で電
池缶に収納し、後も全く同様にしてほぼ実施例1の電池
と同じ構造つまり、図4に示す電池構造で外径16.5
mm、高さ65mmの電池(A)を組み立てる。ここ
では負極リード(5)は巻回体外周から突き出している
ため、図4(b)の状態で従来電池と同様に缶底に溶接
される。
【0018】比較例1 従来の方法で、実施例1と同じ寸法で電池(B)を作成
し、電池性能および安全性能の比較を行う。まず実施例
1で作成した電極寸法調整前の正極負極を、従来法で電
池を作成するための適切な電極寸法にそれぞれ幅、およ
び電極長を下記のように整え、それぞれの電極端には集
電体の露出部分を設けておき、そこへ負極はニッケルの
リード(5)を、正極にはアルミニウムのリード(7)
をそれぞれの超音波溶接をする。 幅、長さを整えた上記負極の1枚(1)と上記正極の1
枚(2)は、実施例2の場合と全く同じように巻回すれ
ば、ほぼ実施例1および実施例2と同じ外径寸法の巻回
体となる。この巻回体の電極素子からは1個の負極リー
ド(5)が巻回体の最外周から突き出し、1個の正極リ
ード(7)が巻回体中心から負極リードとは反対側へ突
き出している。
【0019】出来上がった電極素子は実施例と同じ要領
で、実施例で使用したと同じニッケルメッキを施した鉄
製の電池缶(4)に収納し、後も全く実施例1と同じに
して、図4に示す電池構造および図4(b)の負極リー
ドの溶接状態で、外径16.5mm、高さ65mmの電
池(B)を組み立てる。
【0020】さらにこれまでに使用した電解液にトルエ
ンを添加し電解液の伝導度を下げた電解液を用意し、全
く上記電池(B)と同様にして、電解液だけを表1にし
たがって代え、それぞれ電池(C)(D)(E)も組み
立てる。
【0021】性能テスト 以上のように実施例1および2で作成した電池(A
および(A)、比較例で作成した電池(B)〜(E)
は、いずれも電池内部の安定化を目的に常温で12時間
のエージング期間を経過させる。
【0022】各電池の充電方法 何れの電池も従来どおりの充電方法で充電する。つまり
充電電流は400mAに設定し、充電上限電圧は4.1
Vに設定した充電器のプラス端子を電池の正極外部端子
である蓋体(29)に、充電器のマイナス端子を電池の
負極外部端子である電池缶(4)にそれぞれ接続し、常
温で5時間の充電をする。
【0023】各電池の放電 充電完了の電池を、21℃(常温)および−20℃で8
00mAの定電流で終止電圧2.5Vまで放電した場
合、各電池の放電容量は表2のとおりである。また表2
には各電池の常温における交流法における内部抵抗の測
定値も示している。本発明による電池(A)は内部抵抗
値が従来の方法で作成した電池(B)の倍近い値である
が、電池(B)とほぼ同等の放電容量が得られる。電池
(A)の電解液は電池(B)と同じ電解液であり、本発
明による内部抵抗の増加分は電解液の抵抗増加によるも
のではないので活物質の電極反応には影響せず、電池
(B)と同等の放電容量が得られる。電池(A)の内部
抵抗の増加は約30mV程放電電圧を電池(B)より低
くしているが、30mVは平均放電電圧3.6Vに対し
僅か0.9%であり、実際上の問題は全く無い。また電
池(A)および(A)は−20℃における放電でも
電池(B)より約30mVの放電電圧の低下は生じる
が、放電容量には殆ど差を生じない。一方従来の方法で
作成した電池(C)〜(E)は、電解液にトルエンを加
えて電解液の伝導度を下げているため、電池(B)に比
べ内部抵抗が高く、活物質の利用率は低下し常温におけ
る放電容量が若干低い。しかし電池(E)の場合ですら
エネルギー密度にすれば249wh/lであり、既存の
高性能ニッケルカドミウム二次電池(約150wh/
l)の1.6倍以上であり、常温における特性では全く
問題ではない。しかし低温−20℃では電池(C)〜
(E)は電池(B)との電解液抵抗差はより大きくな
り、−20℃での放電容量差は著しいものとなり、電池
(D)では常温での放電容量の67%に低下し、電池
(E)に至っては全く低温(−20℃)では機能しな
い。
【0024】各電池の安全試験 前述の充電方法にて完全充電をした後の電池(A)およ
び(B)〜(E)は図7に示す装置で、本来の電池径の
1/4の厚さになるまで押しつぶして“電池の圧壊テス
ト”を行う。図7は圧壊装置の原理を示すもので、直径
16mmの丸棒(22)が油圧プレス機で下降して、電
池(30)を押しつぶすものである。各電池の圧壊テス
ト結果は表3の通りである。 本発明による実施例1および2の電池は共に上記圧壊テ
ストでは全く発火発煙等の使用上の安全性に不安な事態
は全く起こらない。以上の圧壊結果から電池内部抵抗は
電池の発火発煙に密接に関係することがわかる。
【0025】以上のような電池の圧壊では電池内部で確
実に内部ショートが生じ、全ての電極で発電される電流
がショート個所に集中する。このような内部ショートの
場合はショート電流はPTC素子を経由しないので、P
TC素子には何の役割も果たせない。電池電圧をV、電
池の内部抵抗がr/nのとき、ショート個所でのショー
ト抵抗(R)とショート電流(I)の関係は I=V/(R+r/n) ショート個所での発熱は IR=RV/(R+r/n) であり、R=r/nのとき発熱は最大値(V/4r/
n)となる。したがって、r/nの小さい電池、つまり
内部抵抗の小さい電池では、電池の内部抵抗に近い値で
内部ショートするとショート個所での発熱が非常に大き
く、ショート個所の温度は瞬時に極端に高い温度にな
り、電池の発火、発煙を誘発するものと理解される。従
って従来の電池(B)では常温では必要以上に内部抵抗
が小さく、全ての電池が発火もしくは発煙するのに対
し、本発明の方法で電池の内部抵抗を高めた電池(A)
では発火発煙に至る電池は無かった。一方電解液の伝導
度を下げて電池の内部抵抗を高めた場合、内部ショート
の場合の安全性は確保されるが、前述の放電結果から明
らかなように−20℃等の低温時の特性が悪くなり実用
上支障を来たす。
【0026】本実施例では抵抗体(10)の抵抗値とし
てa=80ミリオーム(実施例1)とa=120ミリオ
ーム(実施例2)を選択して電池内部抵抗を増加させた
が、抵抗体(10)の抵抗値は電池の大きさや集電体の
分割枚数等によって適切に選択する必要があり、当然電
池内部抵抗を有効なまでに増加するに充分な抵抗値
(a)が必要であることは言うまでもなく、実際上aの
値は従来電池の内部抵抗値(30〜100ミリオーム)
以上で実質的効果は出てくる。しかし抵抗体(10)が
PTC効果を有する抵抗体であれば常温におけるその抵
抗値(a)はその限りではない。以上の実施例では負極
に炭素材料を使用し、正極にリチウムコバルト酸化物を
使用したリチウムイオン二次電池について本発明を示し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、重負荷
放電が要求される電池には全て適用可能であってその安
全性を大きく高めるものである。実施例と同じく負極に
炭素材料を使用し、正極活物質としてはスピネル型リチ
ウムマンガン複合酸化物(LiMn)を用いるリ
チウムイオン二次電池の場合でも、上記実施例と同じ電
極構造、同じ電池構造によって、全く同様な結果が得ら
れている。活性な負極材料として代表的なリチウム金属
の箔を使用するリチウム一次電池にも、その正極に本発
明を適用して有効な効果が得られる。また実施例では正
極の分割枚数を2枚と3枚で実施して電池容量約1Ah
の電池の場合で示したが、さらに電極の分割枚数を増や
せば、さらに大きい容量の電池でも、安全性の高い電池
とすることが出来る。
【0027】
【発明の効果】本発明では正負極何れかの電極は電気的
導通において分割した集電体を適切な抵抗値(a)を有
する抵抗体を介して再び電気的に接続しておくことによ
って、電池の内部抵抗をrだけ高めるもので、電解液
抵抗でもたらされる温度依存性のある電池本来の内部抵
抗成分(r)に温度依存性の無い内部抵抗成分
(r)を加えて電池の内部抵抗を増加することにな
り、内部ショートの場合の安全性も確保され、−20℃
等の低温時の特性にも実用上支障を来たすことがない。
この結果非水電解液電池の内部ショート時の安全性が確
保され、広範囲な用途で使用できる安全性の高い高容量
電池が提供できるようになり、その工業的価値は大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明電池の構造原理図。
【図2】従来電池の構造原理図。
【図3】実施例1における電池素子の断面図。
【図4】円筒型電池の電池構造を示す模式的断面図。
【図5】3枚分割集電体の電極断面図。
【図6】実施例2における電池素子の断面図
【図7】電池の圧壊テスト装置
【符号の説明】
1は負極、2は正極、3はセパレータ、4は電池缶、5
は負極リード、6は負極外部端子、7は正極リード、8
は正極外部端子、10は抵抗体、14は絶縁板、15は
プラスチックシール、16はPTC素子、22は金属丸
棒、28は防爆ディスク、29は蓋体、30は電池であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極と負極をその間にセパレータを挟んで
    積層して構成した電池素子が非水系電解液を含浸して容
    器内に収納密閉されて成る電池において、前記正極およ
    び負極の少なくとも何れかは、以下の条件を満足する電
    極であることを特徴とする非水電解液電池。 1.金属集電体上に活物質層が形成された電極であり、 2.同一容器内に収納された同極性の電極において、前
    記金属集電体の電子伝導に基づく電気的導通が一端は2
    つ以上に分割されており、 3.前記分割された集電体は分割された他の集電体とは
    抵抗体を介して再び電子伝導に基づく電気的導通が確保
    されている。
  2. 【請求項2】少なくとも正負何れかの電極は2つ以上に
    分割されていて、分割された電極の集電体は、粉末状炭
    素を固めて構成される抵抗体を介して他の分割された電
    極の集電体と再び電子伝導に基づく電気的導通が確保さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の非水電解液電
    池。
  3. 【請求項3】少なくとも正負何れかの電極の集電体は、
    2つ以上に分割された金属箔が粉末の伝導剤と結合剤で
    構成される抵抗体を挟んで接合さていることを特徴とす
    る請求項1記載の非水電解液電池。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0851525A1 (en) * 1996-12-28 1998-07-01 Japan Storage Battery Company Limited Organic electrolyte battery
WO2013157445A1 (ja) * 2012-04-16 2013-10-24 シャープ株式会社 非水系二次電池

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