JPH07246144A - 耐アレルゲン性寝具カバー - Google Patents

耐アレルゲン性寝具カバー

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JPH07246144A
JPH07246144A JP6037430A JP3743094A JPH07246144A JP H07246144 A JPH07246144 A JP H07246144A JP 6037430 A JP6037430 A JP 6037430A JP 3743094 A JP3743094 A JP 3743094A JP H07246144 A JPH07246144 A JP H07246144A
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JP
Japan
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fabric layer
nonwoven fabric
allergen
fiber nonwoven
ultrafine
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JP6037430A
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English (en)
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Yoshihiko Mineta
喜彦 峰田
Shinji Yuasa
伸二 湯浅
So Yamaguchi
創 山口
Yuji Marutani
裕二 丸谷
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PITSUPU FUJIMOTO KK
Unitika Ltd
Original Assignee
PITSUPU FUJIMOTO KK
Unitika Ltd
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Publication date
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A47FURNITURE; DOMESTIC ARTICLES OR APPLIANCES; COFFEE MILLS; SPICE MILLS; SUCTION CLEANERS IN GENERAL
    • A47GHOUSEHOLD OR TABLE EQUIPMENT
    • A47G9/00Bed-covers; Counterpanes; Travelling rugs; Sleeping rugs; Sleeping bags; Pillows
    • A47G2009/001Anti-allergen; Anti-mite

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Bedding Items (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】布団、枕中のアレルゲンの暴露量を減らし、ダ
ニの繁殖を防ぎ、耐剥離性および柔軟性に優れ、通気性
を有する耐アレルゲン性布団カバーを提供する。 【構成】ポリプロピレン系重合体からなる極細繊維不織
布層Aの両面にポリプロピレン系重合体からなる長繊維
不織布層Bが積層一体化されてなり、極細繊維不織布層
Aの平均単繊維繊径dを0.1〜5μmとし、目付けを
8〜40g/m2とし、長繊維不織布層Bの単繊維繊度
Dを1.5〜10デニールとし、目付けを10〜50g
/m2 とした耐アレルゲン性寝具カバー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、喘息、アトピー性皮膚
炎、アレルギー鼻炎などのアレルギー疾患の原因となる
アレルゲンの暴露量を減らし、耐剥離性および柔軟性に
優れ、しかも良好な通気性を備え、布団カバーや枕カバ
ーなどに好適な耐アレルゲン性寝具カバーに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、喘息、アレルギー鼻炎、アトピー
性皮膚炎などのアレルギー疾患が増加の傾向にある。原
因となるアレルゲンには種々あるが、特にダニはその重
要性が指摘されている。アレルギー疾患の発症予防や治
療には、家庭内のダニ駆除すなわちダニ抗原の除去が大
切である。特に、布団などの寝具には、ダニなどのアレ
ルゲンが多く含まれ、布団の上げ下ろしのときや睡眠中
にもアレルゲンが空中に浮遊することが明らかである。
【0003】従来、布団、枕などからアレルゲンを駆除
する方法としては、天日乾燥させる方法があるが、ダニ
は布団綿の内層に逃れてしまい充分な効果が期待できな
い。また、機械式布団丸洗いによる駆除は、水洗により
アレルゲンが一旦は除去されるが、機械に残存するアレ
ルゲンが布団に再付着する危険性もあり、場合によって
はアレルゲンが充分除去できないこともあり、その後の
管理が悪いと数カ月でダニが増殖してしまう。殺虫剤に
よりダニを駆除する方法もあるが、殺虫剤には人体に有
害な薬物が多く含まれ、安全性に問題がある。さらに、
布団をフィルムでカバーして使用する方法もあるが、通
気性が悪く、汗を全く吸わないという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような課
題を解決するものであり、布団、枕中のアレルゲンの暴
露量を減らし、ダニの繁殖を防ぎ、耐剥離性および柔軟
性に優れ、通気性を有する耐アレルゲン性布団カバーを
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、ポリプロピレン系重合体からなる極細繊維
不織布層Aの両面にポリプロピレン系重合体からなる長
繊維不織布層Bが積層一体化されてなる耐アレルゲン性
寝具カバーを要旨とするものである。
【0006】本発明におけるポリプロピレン系重合体と
は、通常の繊維形成性を有する結晶性ポリプロピレンの
他に、プロピレンに対してエチレンまたは類似の高級α
−オレフィンが10重量%以下共重合されたものであっ
ても良いが、前記これらの共重合物の共重合率が前記重
量%を超えると共重合体の融点が低下し、これら共重合
体の繊維からなる不織布を用いて得たカバーを夏場に屋
外で干したとき、熱劣化によって機械的特性が低下する
ので好ましくない。
【0007】本発明における極細繊維不織布層Aは、前
記重合体からなり、かつ平均単繊維繊径dが0.1〜5
μmの繊維から構成されるメルトブローン不織布であ
る。メルトブローン不織布は、前記重合体をいわゆるメ
ルトブローン法で溶融紡出し、すなわち紡糸口金に配設
された紡糸孔から吐出し、吐出された溶融重合体流を溶
融温度より高い温度でスリット状ノズルから噴出される
高圧気体流により牽引・細化し、冷却した後、移動する
捕集面上に捕集・堆積させることによって、平均単繊維
繊径dが前記の繊維から構成される不織布を容易に得る
ことができる。
【0008】本発明における極細繊維不織布層Aは、前
述したように平均単繊維繊径dが0.1〜5μmの繊維
から構成されるものである。平均単繊維繊径dが0.1
μm未満であると、耐久性に劣り、特に低目付け時(8
g/m2 未満)に繊維間隔が開いてアレルゲン通過を阻
止できず、また人体から発生した汗などの水分が寝具カ
バーを経て布団綿に浸透するという問題があり、一方高
目付け時(40g/m 2を超える)に繊維同士が緻密に
重なるため、通気性が低下し、柔軟性に劣り、また人体
から発生した汗などの水分が寝具カバー中に保水され、
かびが発生しやすくなって衛生上悪く、さらに布団の収
納時に折畳みにくいという問題がある。また、平均単繊
維繊径dが5μmを超えると、低目付け時(8g/m2
未満)に繊維間隔が開いてアレルゲン通過を阻止できな
いなどの問題があり、一方高目付け時(40g/m2
超える)には柔軟性に劣り、かつ安眠性に劣るなどの問
題がある。
【0009】従って、極細繊維不織布層Aの平均単繊維
繊径dを0.1〜5μmとし、目付けを8〜40g/m
2 としている。
【0010】次に、本発明における長繊維不織布層Bに
関してであるが、この不織布層Bは、前記重合体からな
り、かつ単繊維繊度Dが1.5〜10デニールの長繊維
から構成されるスパンボンド不織布である。スパンボン
ド不織布は前記重合体をいわゆるスパンボンド法で溶融
紡出し、すなわち紡糸口金から溶融紡出・冷却し、エア
ーサッカーなどの引き取り手段を用いて高速で牽引・細
化した後、開繊器を用いて開繊し、移動する捕集面上に
捕集・堆積させることによって、単繊維繊度Dが前記の
繊維から構成される不織布を容易に得ることができる。
【0011】本発明における長繊維不織布層Bは、前述
したように単繊維繊度Dが1.5〜10デニールの長繊
維から構成されるものである。単繊維繊度Dが1.5デ
ニール未満であると、低目付け時(10g/m2 未満)
に耐曲げおよび耐引っ張りなどの機械的特性に劣るた
め、使用時に極細繊維不織布層Aに曲げや引っ張りなど
の外的力が加わると、極細繊維不織布層Aの繊維間隔が
開きやすく、アレルゲン通過を阻止できないという問題
があり、一方高目付け時(50g/m2 を超える)には
厚みが増し、繊維間隔が大きくなり、アレルゲンを保持
することになり、安眠ができず、皮膚障害をも引き起こ
すなどの問題がある。また、単繊維繊度Dが10デニー
ルを超えると、低目付け時(10g/m2 未満)に上記
と同様の機械的特性が低下し、繊維間隔が大きくなり、
使用時に極細繊維不織布層Aに曲げや引っ張りなどの外
的力が加わると、極細繊維不織布層Aの繊維間隔が開き
やすく、アレルゲン通過を阻止できないという問題があ
り、一方高目付け時(50g/m2 を超える)には厚み
が増し、風合いが硬くなり、寝心地が悪く、擦れる音が
するので安眠ができないという問題がある。
【0012】従って、長繊維不織布層Bの単繊維繊度D
を1.5〜10デニールとし、目付けを10〜50g/
2 としている。
【0013】本発明の寝具カバーは、極細繊維不織布層
Aと長繊維不織布層Bとが両構成繊維間の部分熱圧着に
て全体として一体化されてなるものである。この部分熱
圧着とは、加熱条件下にある、表面に彫刻模様が刻印さ
れたロールすなわちエンボスロールと表面が平滑な金属
ロール間に前記極細繊維不織布層Aの両面に長繊維不織
布層Bが配されてなる三層積層物を通すことにより前記
彫刻模様に該当する部分の構成繊維同士を熱的に圧着さ
せることである。さらに詳しくは、この部分的な熱圧着
とは、三層積層物の全表面積に対して特定の領域を有
し、すなわち、個々の熱圧着領域は必ずしも円形の形状
である必要はないが、0.1〜1.0mm 2 の面積を有
し、その密度すなわち圧着点密度が2〜80点/cm
2 、好ましくは4〜60点/cm2 のものであるのが良
い。この圧着点密度が2点/cm2 未満であると熱圧着
後の三層積層物の上記機械的特性や耐剥離性、さらに形
態保持性が向上せず、一方、圧着点密度が80点/cm
2 を超えると柔軟性が低下して好ましくない。
【0014】また、三層積層物の全表面積に対する全熱
圧着領域の面積の比すなわち圧着面積率が2〜40%好
ましくは4〜20%のものである。この圧着面積率が2
%未満であると熱圧着後の三層積層物の剥離強力と形態
保持性が向上せず、好ましくない。一方、この圧着面積
率が40%を超えると柔軟性が低下して好ましくない。
【0015】本発明の寝具カバーは、極細繊維不織布層
Aと長繊維不織布層Bとが前記極細繊維不織布層Aの極
細繊維と前記長繊維不織布層Bの長繊維とが点状融解部
を形成した状態で固定され、かつ前記極細繊維不織布層
Aと前記長繊維不織布層Bの少なくとも境界面に位置す
る長繊維が前記極細繊維の融解部に埋設された状態で固
定されることにより全体として一体化されてなるもので
ある。なお、極細繊維不織布層Aの極細繊維素材として
通常の結晶性ポリプロピレンを選択する場合、長繊維不
織布層Bの長繊維素材として共重合ポリプロピレンを選
択すると、不織布層A,B間の境界面において長繊維が
優先的に融解し、極細繊維がその融解部に取り込まれて
熱変質し、この結果耐剥離性が低下するので好ましくな
い。
【0016】前記点状融解部とは、周波数が約20KH
zの通常ホーンと呼称される超音波発振器と、円周上に
点状または帯状に凸状突起部を具備するパターンロール
とからなる超音波融着装置を用いて形成され、前記凸状
突起部に該当する部分に当接する繊維同士を融着させた
ものである。さらに詳しくは、この点状融解部は、三層
積層物の全表面積に対して特定の領域と特定の配置とを
有し、個々の点状融解部は必ずしも円形の形状である必
要はないが、三層積層物の全表面積に対する全点状融解
部の面積の比が2〜40%、好ましくは4〜25%およ
び同部密度が7〜80点/cm2 、好ましくは8〜80
点/cm2 であるのが良い。三層積層物の全表面積に対
する全点状融解部の面積の比が2%未満であると、前記
極細繊維不織布層Aと長繊維不織布層Bとの積層後に超
音波融着装置を用いて点状融解部を形成することにより
一体化して得られる三層積層物においてその剥離強力が
十分に向上せず、一方前記面積の比が40%を超える
と、得られる三層積層物の柔軟性が低下して好ましくな
い。また、同部密度が7点/cm2 未満であると、得ら
れる三層積層物の接着力、すなわち剥離強力に斑が生じ
るのみならず、アレルゲンの通過阻止性が低下し、一方
同部密度が80点/cm2 を超えると、得られる三層積
層物の柔軟性が低下して好ましくない。
【0017】なお、本発明において用い得る超音波融着
装置とは、公知の装置、すなわち周波数が約20KHz
の通常ホーンと呼称される超音波発振器と、円周上に点
状または帯状に凸状突起部を具備するパターンロールと
からなる装置が好適である。
【0018】本発明の寝具カバーではその表面に必要に
応じてポリウレタンやポリアクリル酸エステルなどの樹
脂をコーティングすることもできる。このコーティング
により、耐摩耗性を向上させ、毛羽立ちを防止すること
ができる。
【0019】
【作用】上記のように、本発明の耐アレルゲン性寝具カ
バーは、ポリプロピレン系重合体からなる極細繊維不織
布層Aと、この極細繊維不織布層Aの両面に積層一体化
されたポリプロピレン系重合体からなる長繊維不織布層
Bとからなるものであって、前記極細繊維不織布層Aに
よりアレルゲンの暴露量を減少させることができる。ま
た、極細繊維不織布層Aに積層された長繊維不織布層B
により、引っ張り強力、曲げ強力などの機械的特性を向
上させることができる。また、前述のような熱接着によ
り、極細繊維不織布層Aと、この極細繊維不織布層Aの
両面の長繊維不織布層Bとが積層一体化されているの
で、層間の剥離強力が優れる。特に、超音波融着により
極細繊維不織布層Aと、この極細繊維不織布層Aの両面
の長繊維不織布層Bとが積層一体化されているもので
は、柔軟性を損なうことなく、剥離強力が著しく高いも
のとなる。しかも、極細繊維不織布層Aと長繊維不織布
層Bとが前述した特定の繊径、繊度、目付けを有するの
で、上記の機械的特性、アレルゲン阻止性を維持しなが
ら、通気性と柔軟性を満足することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定され
るものではない。
【0021】なお、実施例において、各特性値の測定を
次の方法により実施した。 メルトフローレート値(g/10分);ASTM−D1
238(L)に記載の方法に準じて測定した。 相対粘度;フェノールと四塩化エタンの等重量混合溶液
を溶媒とし、試料濃度0.5g/100cc、温度20
℃の条件で測定した。 融点(℃);パーキンエルマー社製示差走査型熱量計D
SC−2型を用い、試料重量を5mg、昇温速度を20
℃/分として測定して得た融解吸熱曲線の最大極値を与
える温度を融点(℃)とした。 目付け(g/m2 );標準状態の試料から縦10cm×
横10cmの試料片計10点を作成し、平衡水分に到ら
しめた後、各試料片の重量(g)を秤量し、得られた値
の平均値を単位面積(m2 )当りに換算し、目付け(g
/m2 )とした。 通気度(cc/cm2 /秒);JIS−L−1096に
記載のフラジール法に準じて測定した。 捕集効率(%);標準状態の試料から縦15cm×横1
5cmの試料片計3点を作成し、自動フィルター試験機
(日本カノマックス(株)製Model−8110)を
用いて、食塩粒子濃度150mg/m3 、個数平均粒子
径0.5μm、風量50リットル/分とし、得られた捕
集効率(%)の平均値よりアレルゲンがシートから通過
するかを判定した。 ○:アレルゲンの通過が15%以下。 ×:アレルゲンの通過が15%を超える。 圧縮剛軟度(g);試料長が10cm、試料幅が5cm
の試験片計5点を作成し、各試料片毎に横方向に曲げて
円筒状物とし、各々その端部を接合したものを剛軟度測
定試料とした。次いで、各試料毎にその横方向につい
て、定速伸長型引張り試験機(東洋ボールドウイン
(株)製テンシロンUTM−4−1−100)を用いて
圧縮速度5cm/分で圧縮し、得られた最大加重値
(g)の平均値を剛軟度(g)とした。 毛羽立ち性(級);JIS−L−1096に記載のテー
バ形法に準じて測定した。 層間剥離強力(g/5cm幅);試料長が10cm、試
料幅が5cmの試験片計10点を作成し、各試料片毎に
不織布の経方向について、定速伸長型引張り試験機(東
洋ボールドウイン(株)製テンシロンUTM−4−1−
100)を用いて引張速度10cm/分でポリプロピレ
ン長繊維不織布層がポリプロピレン極細繊維不織布層か
ら積層構造体の端部から計って5cmの位置まで強制的
に剥離させ、得られた荷重値(g/5cm幅)の平均値
を層間剥離強力(g/5cm幅)とし、層間剥離の強さ
を判定した。 ◎:200g/5cm幅以上でかなり強力に接着してい
る。 ○:150g/5cm幅〜200g/5cm幅未満で強
力に接着している。 △:50g/5cm幅〜150g/5cm幅未満で部分
的に接着していないところがある。 ×:50g/5cm幅未満から全く接着していない。
【0022】また、ダニの通過試験を次の方法により実
施した。 試験方法;サンプル瓶法で通過個体を確認した。内径3
5mm、深さ65mmの密栓透明プラスチック製サンプ
ル瓶を使用した。蓋に直径5mmの孔を開け濾紙で塞ぎ
通気孔とした。サンプル瓶と蓋との間に、試験に共する
布地などを挟み、蓋と試験用布地の間に共試ダニ倍地5
0mg(生存ダニ推定個体数1250個体)も同時に挟
み込んだ後に密栓した。このサンプル瓶を25℃,75
%RHの遮光した恒温室に保管した。 効果判定;通過個体は、3日間経過後に試験用布地のサ
ンプル瓶側とサンプル内部へ移動した個体を確認し、通
過個体とした。 検査方法;通過個体の観察は、試験用布地のサンプル瓶
側は実態顕微鏡下で直接計数した。サンプル内部は洗い
出し法により、洗浄水中のダニを計数した。これらの通
過個体は「成虫」「若虫」「幼虫」の成長段階別に分け
て計数した。
【0023】実施例1 まず、融点が155℃、メルトフローレート値が600
g/10分のポリプロピレンチップを用い、ポリプロピ
レン極細繊維からなるメルトブローン不織布を作成し
た。すなわち、前記重合体チップをエクストルーダ型溶
融押出し機を用いて溶融し、これを孔径0.15mmの
紡糸孔を200孔有する紡糸口金を通して紡糸温度を2
80℃かつ吐出量を30g/分として溶融吐出し、吐出
された溶融重合体流を溶融温度より30℃高い温度の高
圧空気流を速度170m/秒で紡糸線方向に対して25
度の角度をなす方向に噴出して牽引・細化し、冷却した
後、紡糸口金の下方10cmの位置に配設されたサクシ
ョンドラム上に捕集・堆積させ、平均単繊維繊径が2μ
mで、目付けが15g/m2 のポリプロピレン極細繊維
メルトブローン不織布層Aを得た。
【0024】別途、融点が156℃、メルトフローレー
ト値が56g/10分のポリプロピレンチップを用い、
ポリプロピレン長繊維からなるスパンボンド不織布を作
成した。すなわち、前記重合体チップをエクストルーダ
型溶融押出し機を用いて溶融し、これを紡糸口金を通し
て紡糸温度を250℃として溶融紡出・冷却し、エアー
サッカーを用い引取り速度を4000m/分として牽引
・細化した後、開繊器を用いて開繊し、移動する捕集面
上に捕集・堆積させてウェブとし、得られたウェブに円
形換算して直径0.6mmの突起状彫刻模様部が圧着面
積率13.2%、配設密度20点/cm2 で配設された
熱エンボスロールと表面平滑な金属ロールとを用い、処
理温度を130℃、かつ線圧を50Kg/cmとして加
工速度15m/分で熱圧着処理を施し、単繊維繊度が3
デニールで、目付けが15g/m 2 のポリプロピレン長
繊維スパンボンド不織布層Bを得た。
【0025】次いで、このようにして得られたポリプロ
ピレン極細繊維メルトブローン不織布層Aの両面にポリ
プロピレン長繊維スパンボンド不織布層Bを積層した
後、突起状彫刻模様部が圧着面積率12%の熱エンボス
ロールと表面平滑な金属ロールとを用い、処理温度を1
40℃、かつ線圧を100Kg/cmとして加工速度1
0m/分で熱圧着処理を施し、三層積層物を得た。そし
て、得られた三層積層物を裁断・縫製して耐アレルゲン
性寝具カバーを得た。得られた耐アレルゲン性寝具カバ
ーの特性を表1、2に示す。
【0026】実施例2、3 ポリプロピレン極細繊維メルトブローン不織布層Aの平
均単繊維繊径を0.3μm(実施例2)、5.0μm
(実施例3)とした以外は実施例1と同様にして、耐ア
レルゲン性寝具カバーを得た。得られた耐アレルゲン性
寝具カバーの特性を表1に示す。
【0027】実施例4、5 ポリプロピレン長繊維スパンボンド不織布層Bの単繊維
繊度を1.5デニール(実施例4)、7デニール(実施
例5)とした以外は実施例1と同様にして、耐アレルゲ
ン性寝具カバーを得た。得られた耐アレルゲン性寝具カ
バーの特性を表1に示す。
【0028】実施例6 実施例1で得られたカバーの片面に、ポリウレタン樹脂
を6g/m2 の坪量でグラビアコーティング法により付
着させた。得られた耐アレルゲン性寝具カバーの特性を
表1、2に示す。
【0029】実施例7 実施例1におけるポリプロピレン極細繊維メルトブロー
ン不織布層Aの両面にポリプロピレン長繊維スパンボン
ド不織布層Bを積層した後での部分熱圧着処理の代わり
に、周波数が20KHzの超音波発振器と円周上に点状
に凸状突起部が面積比(ロール全表面積に対する全凸状
突起部の面積の比)11%かつ密度18点/cm2 で配
設されたパターンロールとからなる超音波融着装置を用
い、加工速度を30m/分、線圧を2.5kg/cmと
して超音波融着処理を施した以外は実施例1と同様にし
て、アレルゲン性寝具カバーを得た。得られた耐アレル
ゲン性寝具カバーの特性を表1、2に示す。
【0030】実施例8 ポリプロピレン極細繊維メルトブローン不織布層Aの目
付けを13g/m2 、一方のポリプロピレン長繊維スパ
ンボンド不織布層Bの目付けを10g/m2 、他方のポ
リプロピレン長繊維スパンボンド不織布層Bの目付けを
15g/m2 とした以外は実施例6と同様にして、アレ
ルゲン性寝具カバーを得た。得られた耐アレルゲン性寝
具カバーの特性を表1、2に示す。
【0031】比較例1 ポリプロピレン極細繊維メルトブローン不織布層Aの代
わりにポリプロピレン長繊維スパンボンド不織布層を用
い、三層のポリプロピレン長繊維スパンボンド不織布層
からなる寝具カバーを構成する以外は実施例1と同様に
して寝具カバーを得た。得られた寝具カバーの特性を表
1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】比較例2 経、緯共に40番の綿紡績糸を用い、織り密度(経×
緯)130本/inch×70本/inchの平織物か
らなる寝具カバーの特性を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】実施例1〜実施例8で得られた耐アレルゲ
ン性寝具カバーは、表1〜表3から明らかなように耐剥
離性および柔軟性に優れ、良好なアレルゲンの通過阻止
性を有するものであった。特に実施例6で得られた耐ア
レルゲン性寝具カバーは、実施例1のシートの片面にコ
ーティングを施したものであり、実施例1に比べると若
干柔軟性に劣るものの毛羽立ち難く、良好なアレルゲン
の通過阻止性を有するものであった。実施例7で得られ
た耐アレルゲン性寝具カバーは、実施例1の部分熱圧着
処理に代わり超音波融着処理を施したものであり、実施
例1に比べると柔軟性がさらに優れ、良好なアレルゲン
の通過阻止性を有するものであった。実施例8で得られ
た耐アレルゲン性寝具カバーは、実施例1のポリプロピ
レン極細繊維メルトブローン不織布層とポリプロピレン
長繊維スパンボンド不織布層の一方を目付けを小さくし
たものであり、実施例1に比べると、アレルゲンの通過
阻止性に若干劣るものの柔軟性に優れたものであった。
【0037】これに対し、比較例1で得られた耐アレル
ゲン性寝具カバーは、ポリプロピレン極細繊維メルトブ
ローン不織布層を有していないため、表1および表2か
ら明らかなように、通気度が高く、捕集効率が低く、ア
レルゲンの通過阻止性を有さないものであり、柔軟性に
も劣る。比較例2の寝具カバーは、表3から明らかなよ
うに、アレルゲンの通過阻止性を有さないものであっ
た。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ポリプロ
ピレン系重合体の極細繊維不織布層Aの両面にポリプロ
ピレン系重合体の長繊維不織布層Bが積層されているの
で、アレルゲンの暴露量が減少し、耐剥離性と柔軟性に
優れ、しかも通気性にも優れたものとなり、従来の布団
カバーや枕カバーなどに比べアレルゲンの暴露を防止
し、ダニの増加の抑制を行なえる耐アレルゲン寝具カバ
ーを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸谷 裕二 兵庫県川西市鼓ヶ滝1丁目13−26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系重合体からなる極細繊
    維不織布層Aの両面にポリプロピレン系重合体からなる
    長繊維不織布層Bが積層一体化されてなる耐アレルゲン
    性寝具カバー。
  2. 【請求項2】 極細繊維不織布層Aの平均単繊維繊径d
    と長繊維不織布層Bの単繊維繊度Dが下記式(1),
    (2)を満足する請求項1記載の耐アレルゲン性寝具カ
    バー。 0.1≦d(μm)≦5 ……(1) 1.5≦D(デニール)≦10 ……(2)
  3. 【請求項3】 極細繊維不織布層Aの目付けmと長繊維
    不織布層Bの目付けMが下記式(3),(4)を満足す
    る請求項1記載の耐アレルゲン性寝具カバー。 8≦m(g/m2 )≦40 ……(3) 10≦M(g/m2 )≦50 ……(4)
  4. 【請求項4】 極細繊維不織布層Aと長繊維不織布層B
    とが両構成繊維間の部分熱圧着にて全体として一体化さ
    れてなる請求項1または2または3記載の耐アレルゲン
    性寝具カバー。
  5. 【請求項5】 極細繊維不織布層Aと長繊維不織布層B
    とが前記極細繊維不織布層Aの極細繊維と前記長繊維不
    織布層Bの長繊維とが点状融解部を形成した状態で固定
    され、かつ前記極細繊維不織布層Aと前記長繊維不織布
    層Bの少なくとも境界面に位置する長繊維が前記極細繊
    維の融解部に埋設された状態で固定されることにより全
    体として一体化されてなる請求項1または2または3記
    載の耐アレルゲン性寝具カバー。
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