JPH07245080A - 四重極質量分析装置 - Google Patents

四重極質量分析装置

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JPH07245080A
JPH07245080A JP6035558A JP3555894A JPH07245080A JP H07245080 A JPH07245080 A JP H07245080A JP 6035558 A JP6035558 A JP 6035558A JP 3555894 A JP3555894 A JP 3555894A JP H07245080 A JPH07245080 A JP H07245080A
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JP
Japan
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quadrupole
electrode
ions
mass
potential difference
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JP6035558A
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English (en)
Inventor
清美 ▲吉▼成
Kiyomi Yoshinari
Yoichi Ose
洋一 小瀬
Fumihiko Nakajima
文彦 中島
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】電極電圧制御5の質量走査信号に基づいて、主
電源2は四重極電極1に直流電圧Uと高周波電圧Vcos
ωtの重畳電圧を印加する。入射部電位差制御部6は、
質量走査信号を入力し、予め入力されたイオンの質量数
に対する入射部の最適電位差のテーブルに基づき、入射
部電位差電源7を介してシ−ルドケース9及びレンズ電
極8の電圧を制御する。 【効果】質量分離するイオンの質量数に応じて電極入射
部の電位差を最適な大きさに変えることができるので、
どの質量数のイオンも効率良く端電界を通過でき、広い
質量数範囲のイオンに対し四重極電極入射部の透過率が
最大となる四重極質量分析装置を提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、四重極質量分析装置に
係り、特に、四重極電極内部へのイオンの入射方法を改
良した高透過率の四重極質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】四重極電極の入射部では、内部の理想的
な電界と異なる歪んだ端電界が形成されている。四重極
電極に一定エネルギのイオンを入射すると、質量数の大
きなイオンほど、入射部の通過時間が長くなり、端電界
の影響を受けやすくなる。従って、本来通過するはずの
イオンが入射部で発散して透過率が低減してしまい、最
終的に検出感度が低下する。このような端電界の影響を
低減するための代表的な方法として、次の二つが知られ
ている。第一の方法は、例えば、特開平3− 236149
号公報のように、電極端縁部におおまかな質量分離性能
しか持たない高周波電圧のみを印加した補助電極を設置
する方法である。第二の方法は、イオンが入射部を通過
する時間を短縮するため、高いエネルギで入射させる方
法である(酒井:真空 第17巻 第3 p78)。但し、
四重極電極内部では質量分離に最適なエネルギに調整す
る必要があるため、入射部に進路方向の電位差を設けて
イオンを減速させている。これまで、この入射部の電位
差は、端電界の影響を大きく受ける高質量数イオンに最
適な一定値が設定されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】実際の質量分析では、
低質量数イオンから高質量数イオンまでを質量走査して
測定する。質量走査の間、測定中のイオンの質量数に依
らず、高質量数イオンに最適化した一定の入射部の電位
差を設定していた後者の方法では、逆に、低質量数イオ
ンの透過率が低下してしまう。この原因は、入射部の電
位差の影響が四重極電極内部にまで浸透し、たとえ入射
部を短時間で通過しても、四重極電極内部の歪んだ電界
の影響を受けてしまうためである。
【0004】本発明の目的は、どの質量数のイオンに対
しても、最大の透過率で四重極電極に入射させることが
できる四重極質量分析装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、イオン源電位と四重極電極の平均電位と
の電位差が固定された四重極質量分析装置において、質
量分離するイオンの質量数に応じて、入射部の電位差を
可変できる構成としたことを特徴としている。
【0006】
【作用】四重極電極の入射部におけるイオンの透過率
は、入射部の電位差によって変化し、透過率が最大とな
る最適電位差は質量数によって異なる。高質量数イオン
に対しては、端電界の影響を受けやすいため、四重極電
極の入射部を高エネルギで入射させ、これに対応して四
重極電極入射部の電位差を大きくする必要がある。しか
し、低質量数イオンに対しては、元々、四重極電極の入
射部の通過時間の短いため、低エネルギで入射させて、
これに対応して四重極電極入射部の電位差を小さくした
方が、高エネルギで入射して、入射部において大きい電
位差で減速されるより高い透過率が得られる。したがっ
て、質量分析するイオンの質量数に応じて電極入射部の
電位差を最適な大きさに制御することによって、質量数
に依らず、効率良く端電界を通過でき、電極入射部分の
透過率が最大となる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0008】まず、第一の実施例を図1の全体構成図及
び図2の入射部の構造図を用いて説明する。四重極電極
1には、主電源2によって、直流電圧Uと高周波電圧V
cosωtの重畳電圧が印加されている。四重極電極1を通
過するイオンの質量数の走査は、電極電圧制御部5によ
り、電圧U,Vの走査によって行う。電極入射部の電位
差制御部6では、電極電圧制御部5からの測定イオンの
質量数走査値を受けて、予め入力されている各質量数の
イオンに対する入射部の電位差の最適値データに基づ
き、四重極電極の入射部電位差Vaを設定し、測定イオ
ンの質量数に応じて、入射部に最適電位差Vaがつくら
れるように、入射部電位差電源7が、四重極電極にイオ
ン源側で隣接している電極(例えば、レンズ電極や四重
極電極のシールドケースなど)に印加する電圧を制御す
る。
【0009】図2の入射部の構造図に、イオン源3から
四重極電極1までの中心軸(図中では、一点鎖状線で表
す)上での電位分布の一例も示す。ここでは、イオン源
と四重極電極の間には、レンズ電極8と四重極電極のシ
ールドケース9があるが、四重極電極に最も近く位置す
るシールドケースの電圧を可変にして、測定イオンに応
じて電極入射部の電位差Vaを制御している。このと
き、イオン源電位と四重極電極電位との電位差が一定に
保たれ、電極入射部の電位差Vaが質量数に応じた最適
値であれば、その他の電極の電圧は自由に設定できる。
従って、図2の電位分布図中に矢印で示してあるよう
に、レンズ電極に印加する電圧を調整することによっ
て、最も透過率を向上できる焦点距離に設定することも
できる。このような構成とすることにより、広い質量数
範囲で電極入射部分の透過率を常に最大にすることがで
きる。
【0010】次に、第二の実施例を図3を用いて説明す
る。第二の実施例では、四重極電極入射部の電位差Va
の可変方法として、四重極電極にイオン源側で隣接して
いる電極の電圧は変えずに、イオン源電位と四重極電極
電位との電位差を一定に保ちながら、イオン源と四重極
電極の平均電位を、同方向に同じ大きさだけ変化させ
る。図3に第二の実施例の入射部の説明図を示す。図中
に、イオン源3から四重極電極1までの中心軸(図中で
は、一点鎖状線で表す)上での電位分布の一例も示す。
第一の電位分布図との違いは、シールドケース電圧の代
わりに、イオン源と四重極電極の電圧を、互いの電位差
を固定したまま可変にして、測定イオンの質量数に応じ
た電位差Vaを入射部に設けていることである。その他
の電極の電圧に関しては、第一の実施例で述べたことと
全く変わらない。
【0011】次に、第三の実施例を図4を用いて説明す
る。第三の実施例では、入射部電位差制御部6における
入射部電位差Vaの設定を、どの質量数のイオンに対し
ても、四重極電極の入射部を通過するのに要する時間が
一定になるように行わせる。図4は、この設定過程のフ
ローチャートである。このとき、測定するイオンの質量
数と入射部の距離から、目的とする時間で端電界を通過
できる入射部の電位差を各質量数ごとに概算して、各質
量数のイオンに対する入射部電位差Vaを決定する。こ
こで、入射部の距離とは、四重極電極の端点とそれとイ
オン側に隣接している電極間の距離を表す。図4に概算
方法の一例を示した。Lの長さの電極入射部に入射した
ときの速度をv,電極入射領域でのイオンの加速度を
a,電極入射部の設定された通過時間をtf とした場
合、次の関係式が得られる。
【0012】
【数1】L=atf/2+vtf また、a,vはそれぞれ次の式から与えられる。
【0013】
【数2】a=q・Va/(m・L)
【0014】
【数3】v=[2・q・(V*+Va)/m]1/2 ここで、q,m,V* はそれぞれ、イオンの電荷,質
量,イオン源と四重極電極平均電位との電位差である。
以上の式から入射部電位差Vaを求める次式が得られ、
この式に基づいて、入射電位差制御部6では入射部電位
差Vaを設定する。
【0015】
【数4】Va=2・L2・m・(3+[8+2・q・V*・tf2
/(m・L2)]1/2)/q このように、四重極電極の入射部の通過時間がどの質量
数のイオンも一定になるように設定すれば、必要以上に
高いエネルギで入射し、大きい入射部電位差Vaを設け
ることによる、イオンの透過率の低下を抑制することが
できる。
【0016】次に、第四の実施例を図5を用いて説明す
る。図5は、本発明の第四の実施例の四重極質量分析装
置のブロック図である。第四の実施例では、入射電位差
制御部6において、四重極電極の入射部に電位差Vaを
設ける際に用いる印加電圧を、イオンの質量分離のため
に四重極電極に印加されている直流電流値にあるファク
ター倍したものとする。このときのファクターは、質量
数によって変えることができ、また、予め決めておいた
質量数範囲のイオンで最適な一定の値とすることもでき
る。このような四重極電極の入射部の電位差Vaの設定
法によると、入射電位差用の電源7を省略できる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、質量分離するイオンの
質量数に応じて電極入射部の電位差を最適な大きさに変
えることができるので、イオンの質量数に依らず効率良
く端電界を通過でき、広い質量数範囲のイオンに対し電
極入射部分の透過率が最大となる高感度四重極質量分析
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例による四重極質量分析装
置全体のブロック図。
【図2】本発明の第二の実施例での入射部の説明図。
【図3】本発明の第三の実施例での入射部の説明図。
【図4】第三の実施例での入射部電位差制御部6におけ
る四重極電極の入射部の電位差Vaの設定過程のフロー
チャート。
【図5】本発明の第四の実施例の四重極質量分析装置全
体のブロック図。
【符号の説明】
1…四重極電極、2…主電源、3…イオン源、4…イオ
ン検出部、5…電極電圧制御部、6…四重極電極入射部
における電位差制御部、7…入射部電位差用電源、8…
レンズ電極、9…四重極電極のシ−ルドケース。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに平行配置された4本のロッド状電極
    を有し、主電源によってそれらに直流電圧と高周波電圧
    とを重畳した電圧を印加し、前記直流電圧と前記高周波
    電圧とを走査することにより、イオンの質量分析を行う
    四重極電極を備え、イオン源の電位と四重極電極の平均
    電位との電位差が固定された四重極質量分析装置におい
    て、前記イオン源から出射されたイオンを前記四重極電
    極に入射する入射部に設けられた電位差を、走査中に質
    量分析するイオンの質量数に応じて制御する手段を設け
    たことを特徴とする四重極質量分析装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記四重極電極に前記
    イオン源側で隣接している電極の電圧を変える手段を設
    けた四重極質量分析装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記イオン源と前記四
    重極電極との平均電位差を固定したままで、前記イオン
    源の電位と前記四重極電極の平均電位を同じ方向に同じ
    大きさだけ変える手段を設けた四重極質量分析装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、質量分離するイオンの
    質量数に応じて四重極電極に印加する高周波電圧と直流
    電圧を制御している電極電圧制御部から直接判定する四
    重極質量分析装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、予め入力したイオンの
    質量数と電極入射部の電位差の最適値の関連テーブルに
    基づき、イオンの質量数に応じて四重極電極入射部の電
    位差を変化させる制御部を設置した四重極質量分析装
    置。
  6. 【請求項6】請求項1において、前記四重極電極入射部
    を通過するのに要する時間が、イオンの質量数に依らず
    一定になるように設定する制御部を設置した四重極質量
    分析装置。
  7. 【請求項7】請求項1において、前記四重極電極に印加
    されている前記直流電流値に比例した大きさの電位差と
    なるように設定する制御部を設置した四重極質量分析装
    置。
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