JPH07244879A - 光ヘッド - Google Patents

光ヘッド

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Publication number
JPH07244879A
JPH07244879A JP6037068A JP3706894A JPH07244879A JP H07244879 A JPH07244879 A JP H07244879A JP 6037068 A JP6037068 A JP 6037068A JP 3706894 A JP3706894 A JP 3706894A JP H07244879 A JPH07244879 A JP H07244879A
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JP
Japan
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light
magneto
recording medium
polarizing film
ordinary
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Pending
Application number
JP6037068A
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English (en)
Inventor
Shiyouhei Kobayashi
章兵 小林
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特別なビームスプリッタを要せず、光磁気記
録媒体からの戻り光を複屈折結晶を用いて互いに直交す
る偏光方向の2つの光束に確実に分離できると共に、こ
れらの光束を収束する特別のレンズや、光検出器の厳し
い調整を不要にして、低コストで小型にできる光ヘッド
を提供する。 【構成】 半導体レーザ1からの出射光を、一軸性複屈
折結晶6の一面に設けた偏光膜7で反射させた後、対物
レンズ8を経て光磁気記録媒体9に照射し、この光磁気
記録媒体9で反射され、対物レンズ8を経て偏光膜7を
透過する戻り光を一軸性複屈折結晶6により常光と異常
光とに分離して光検出器10で受光するようにした光ヘ
ッドにおいて、偏光膜7を光磁気記録媒体9からの戻り
光の収束光路中に配置すると共に、戻り光のうち偏光膜
7で反射される戻り光に基づいて、少なくともフォーカ
スエラー信号を検出するサーボ信号検出手段12を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光磁気記録媒体に対
して情報の記録再生を行う光ヘッドに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、光磁気記録媒体に記録された情
報を再生する光ヘッドにおいては、半導体レーザからの
読み取り光を対物レンズ経て光磁気記録媒体にスポット
状に照射し、この光磁気記録媒体で反射される戻り光
を、偏光方向が互いに直交する二つの光束に分離して、
それらの光束の強度変化から情報の再生信号を検出する
必要があると共に、その再生信号を正確に検出するため
に、光磁気記録媒体からの戻り光に基づいて、対物レン
ズの光磁気記録媒体に対する相対的位置ずれを表すフォ
ーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を検出
する必要がある。
【0003】かかる光ヘッドの従来例として、光磁気記
録媒体からの戻り光を、複屈折結晶を用いて、偏光方向
が互いに直交する二つの光束に分離し、これらの光束の
受光出力に基づいて情報の再生信号を得るようにしたも
のが提案されている。
【0004】例えば、特開平2−37536号公報に
は、図12に示すように、平板状の複屈折板を用いる光
ヘッドが開示されている。この光ヘッドにおいては、光
源31からの光を回折格子32で、1本のメインビーム
と、2本のサブビームとに分離し、これらの3本のビー
ムをハーフミラー33および平板状の複屈折板34より
なるビームスプリッタ35で反射させたのち、コリメー
タレンズ36および対物レンズ37を経て情報記録媒体
38に照射している。また、情報記録媒体38で反射れ
る3本のビームのそれぞれの戻り光は、対物レンズ37
およびコリメータレンズ36を経てビームスプリッタ3
5に入射させて、それぞれ第1および第2の光束に分離
し、これら第1および第2の光束を、光検出器39およ
び40にそれぞれ入射させるようにしている。
【0005】すなわち、この光ヘッドにおいては、平板
状の複屈折板34を用い、情報記録媒体38からの3ビ
ームの戻り光を複屈折板34により非点収差を与えてそ
れぞれ第1、第2の光束に分離し、3ビームの各第1の
光束を光検出器39でそれぞれ分離して受光すると共
に、メインビームの第2の光束を光検出器40で受光し
て、これらの光検出器39,40の出力に基づいて焦点
ずれ補正信号とトラックずれ補正信号を検出するように
している。なお、この従来例には、情報の再生信号をど
のようにして得るのかは説明されていないが、同公報の
「第6図」の説明から、メインビームの第1の光束を受
光する光検出器39の4分割受光領域の出力の和と、メ
インビームの第2の光束を受光する光検出器40の出力
との差から取り出すものと推察される。
【0006】また、特開昭64−27055号公報に
は、図13に示すように、異方性結晶からなり、入射面
および出射面が平行でないくさび形プリズムを用いる光
ヘッドが開示されている。この光ヘッドにおいては、半
導体レーザ41からの光をコリメータレンズ42で平行
光としたのち、ビームスプリッタ43およびビームスプ
リッタ44を透過させて集光レンズ45により記録媒体
46に照射している。また、記録媒体46で反射される
戻り光は、集光レンズ45を経てビームスプリッタ44
に入射させ、このビームスプリッタ44で反射される戻
り光を、収束レンズ47を経てくさび形プリズム48に
入射させることにより、P偏光成分とS偏光成分とに分
離して2分割型光検出器49に入射させ、ビームスプリ
ッタ44を透過し、さらにビームスプリッタ43で反射
される戻り光を、エラー検出光学系50に入射させてい
る。
【0007】すなわち、この光ヘッドにおいては、異方
性結晶からなり、入射面および出射面が平行でないくさ
び形プリズム48を用い、記録媒体46からの戻り光を
収束レンズ47を経てくさび形プリズムに入射させるこ
とにより非点収差を与えて二つのビームに分け、これら
のビームを、屈折方向のビーム径が最小となる位置の近
傍に配置した2分割型光検出器49で受光して(図13
では、説明の都合上、2分割型光検出器49を位置Aよ
りも後方に配置しているが、実際は、2分割型光検出器
49は位置Aに配置される)、それらのビームの受光出
力の差により情報の再生信号を得るようにしている。
【0008】さらに、特開昭63−161541号公報
には、図14に示すように、複合プリズム素子を用いる
光ヘッドが開示されている。この光ヘッドにおいては、
半導体レーザ51からの光をコリメータレンズ52を経
て複合プリズム素子53に入射させ、この複合プリズム
素子52で反射される光を対物レンズ54により光磁気
ディスク55に照射している。また、光磁気ディスク5
5で反射される戻り光は、対物レンズ54を経て複合プ
リズム素子53に入射させ、この複合プリズム素子53
により偏光方向が互いに直交するP偏光成分である第1
のビームと、S偏光成分である第2のビームとに分離し
て、これらを共通の集光レンズ56を経て光検出ユニッ
ト57のそれぞれの光検出素子群で受光し、それらの出
力に基づいて信号処理部58により情報読み取り信号S
i、フォーカスエラー信号Sfおよびトラッキングエラ
ー信号Stを検出するようにしている。ここで、複合プ
リズム素子53は、ガラスプリズム59と水晶プリズム
60とを、それらの間に誘電体多層膜61を介在させた
状態で、水晶プリズム60の面に設けた接着剤層62に
より貼り合わせて形成され、全体が6面体をなしてい
る。
【0009】一方、フォーカスエラー信号およびトラッ
キングエラー信号を検出するものとして、第54回応用
物理学会学術講演会、講演予稿集、No.3、28a−
SF−19および28a−SF−20には、「CD光ピ
ックアップ用ホログラムレーザユニット」が開示されて
いる。
【0010】上記の28a−SF−19に開示されてい
るホログラムレーザユニットにおいては、フォトディテ
クタ(PD)を形成したシリコン基板上に四角錐台状の
エッチング領域を形成し、その底面に半導体レーザチッ
プ(LD)を配置して、これらLD・PD集積素子をパ
ッケージに収納し、その上方に、下面にグレーティング
パターンを、上面にホログラムパターンを有するホログ
ラム素子(HOE)を配置して、LDからの出射光をグ
レーティングパターンで3ビームに分割して光ディスク
に照射し、その戻り光をホログラムパターンにより回折
・波面変換してPDで受光して、サーボ信号・RF信号
を検出するようにしている。
【0011】また、上記の28a−SF−20には、同
様のホログラムレーザユニットにおいて、PDの出力か
らフォーカスエラー信号をビームサイズ法で、トラッキ
ングエラー信号を3ビーム法で検出することが開示され
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、図12に
示した構成において、複屈折板34を、厚さ1.5mm
のLiNbO3 の結晶とし、情報記録媒体38からの戻
り光を、開口数0.15の収束光として、複屈折板34
で分離される各ビームのうちのメインビームについての
第1,第2の光束のそれぞれの光検出器39,40上に
おけるスポットダイアグラムを計算したところ、図15
に示す結果を得た。この図15から明らかなように、各
光検出器上での第1および第2の光束のそれぞれのスポ
ット65a,65bは、互いに重なり合い、分離されて
いないことがわかる。これは、複屈折板34において、
第1,第2の光束のそれぞれの光軸が、互いに平行に分
離され、その分離幅が小さいためである。
【0013】この分離幅を広げる方法としては、複屈折
板34の厚さを厚くすることが考えられるが、厚くする
と、それに応じて非点収差およびコマ収差が増加してス
ポット65a,65bが大きくなるため、やはり重なり
合わずに分離することが困難になる。
【0014】これに対して、図13に示した構成におい
ては、異方性結晶からなるくさび形プリズム48を用い
ているので、戻り光中の直交する2方向の偏光成分の出
射の屈折角を異ならせることができる。例えば、同公報
には、くさび形プリズムの材料としてルチルを用い、そ
の入射面を、戻り光に対して垂直面とし、出射面を10
°の傾きとすると共に、結晶軸方向をP偏光またはS偏
光と平行にすれば(同公報の第4図(a)のもの)、P
偏光とS偏光との出射角の差を、約3°とすることがで
きる旨が記載されている。
【0015】このように、角度を付けて分離する方法
は、図12におけるように、平行に分離する場合に比べ
て有利である。ちなみに、図13に示した構成におい
て、くさび形プリズム48として、ルチルからなり、光
軸部分の厚さが1.5mm、入射面が垂直面で、出射面
が10°の傾きを有すると共に、結晶軸方向がP偏光お
よびS偏光に対して45°のもの(同公報の第4図
(b)のもの)を用い、その直前に配置する収束レンズ
47として、焦点距離が20mm、開口数が0.15の
薄肉レンズを用いて計算した場合のスポットダイアグラ
ムを図16(a)および(b)に示す。なお、図16
(b)は、くさび形プリズム48での分離光のビーム径
がほぼ円形になる位置(図13において位置B)でのス
ポットダイアグラムを示し、図16(a)は、屈折方向
のビーム径が最小となる位置(図13において位置A)
の近傍でのスポットダイアグラムを示す。
【0016】図13に示した構成において、同公報に
は、くさび形プリズム48で分離される戻り光の2つの
成分を独立して受光するためには、屈折方向のビーム径
が最小となる位置の近傍に、2分割型光検出器49を配
置する必要がある旨、記載されているが、図16を見る
かぎり、このような位置に2分割型光検出器49を配置
する必然性はない。その理由は、コマ収差のため、屈折
方向のビーム径が最小となる位置で十分に焦線状に集光
せず、またP偏光とS偏光との出射角の差が約3°もあ
れば、それだけで十分に2つの成分を独立して受光する
ことができるからである。
【0017】この図13の構成における問題は、記録媒
体46からの戻り光を、くさび形プリズム48を有する
偏光回転検出用の光学系に導くためのビームスプリッタ
44と、エラー検出光学系50に導くためのビームスプ
リッタ43との2つのビームスプリッタを必要とするた
め、コスト高になると共に、装置が大型化するという点
にある。
【0018】これに対して、図14に示した構成におい
ては、複合プリズム素子53を用いることで、それぞれ
独立した光学部品であるビームスプリッタおよび検光子
を不要にしているので、部品点数の点では、図13に示
した構成と比較して有利である。また、図14に示した
構成においては、光磁気ディスク55からの戻り光を対
物レンズ54を経て複合プリズム素子53に入射させる
ことにより、複合プリズム素子53を構成するガラスプ
リズム59と水晶プリズム60との境界面部における法
線に対して、戻り光のP偏光面内において角度θe を成
す光軸方向を有するP偏光成分である第1のビームと、
戻り光のP偏光面内において角度θo (θo >θe )を
成す光軸方向を有するS偏光成分である第2のビームと
に分離している。
【0019】ここで、往路において、対物レンズ54に
入射する光束は、コリメータレンズ52により平行化さ
れているので、復路において複合プリズム素子53に入
射する戻り光も平行化している。したがって、複合プリ
ズム素子53から得られるP偏光成分である第1のビー
ムおよびS偏光成分である第2のビームには、収差が発
生しないので、共通の集光レンズ56を経て光検出ユニ
ット57にそれぞれ入射する光ビームは、十分小さなス
ポットに集光され、十分な間隔をもって光検出素子群で
検出されることになる。
【0020】しかしながら、図14に示した構成におい
ては、複合プリズム素子53で分離した第1および第2
のビームを、共通の集光レンズ56を経て光検出ユニッ
ト57に入射させるようにしているため、集光レンズ5
6の焦点距離に相当するスペースが必要となり、これが
ため装置が大型化するという問題がある。また、光検出
ユニット57において、第1のビームを受光する光検出
素子群の中心を第1のビームの光軸に一致させると共
に、第2のビームを受光する光検出素子群の中心を第2
のビームの光軸に一致させる必要があるため、精度の厳
しい調整が必要となってコスト高になるという問題があ
る。
【0021】さらに、図14に示す構成において、同公
報には、第1および第2のビームを検出する光検出素子
群上でのスポット形状が検出され、その検出結果に基づ
く、光磁気ディスクに入射せしめられたレーザ光ビーム
の記録トラック上における集束状態をあらわすフォーカ
スエラー信号が形成される、と記載されているが、どの
ようにスポット形状が変化するかについては何ら言及さ
れていない。
【0022】しかし、かかる構成においては、半導体レ
ーザ51からの光をコリメータレンズ52により平行化
して、対物レンズ54により光磁気ディスク55に照射
するようにしているため、対物レンズ54が光磁気ディ
スク55に対してデフォーカス状態になると、複合プリ
ズム素子53に入射する戻り光は、もはや平行光束でな
くなる。このため、戻り光が複合プリズム素子53を透
過すると、収差が発生することになる。この収差は、複
合プリズム素子53を構成するガラスプリズム59と水
晶プリズム60との屈折率差が大きいと、わずかなデフ
ォーカスでも大きく発生し、これがため複合プリズム素
子53で分離された第1および第2のビームが、十分小
さなスポットに集光されず、光検出素子群で検出できな
くなるという問題がある。
【0023】また、上記の第54回応用物理学会学術講
演会、講演予稿集、No.3、28a−SF−19およ
び28a−SF−20に開示されている「CD光ピック
アップ用ホログラムレーザユニット」は、記録媒体から
の戻り光を、偏光方向が互いに直交する2つの光束に分
離して、それらの強度変化を検出する機能を有していな
いため、光磁気記録媒体に対しては適用できない。
【0024】この発明は、上述した従来の種々の問題点
に着目してなされたもので、特別なビームスプリッタを
用いることなく、光磁気記録媒体からの戻り光を複屈折
結晶を用いて偏光方向が互いに直交する2つの光束に確
実に分離でき、しかもその分離された2つの光束を集光
するための特別のレンズや、それらの光束を受光する光
検出器の厳しい調整を不要にでき、したがって低コスト
で小型にできるよう適切に構成した光ヘッドを提供する
ことを目的とするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、半導体レーザからの出射光を、一軸性
複屈折結晶の一面に設けた偏光膜で反射させた後、対物
レンズを経て光磁気記録媒体に照射し、この光磁気記録
媒体で反射され、前記対物レンズを経て前記偏光膜に入
射する戻り光のうち、該偏光膜を透過する戻り光を前記
一軸性複屈折結晶により常光と異常光とに分離して光検
出器で受光するようにした光ヘッドにおいて、前記偏光
膜を前記光磁気記録媒体からの戻り光の収束光路中に配
置すると共に、前記戻り光のうち前記偏光膜で反射され
る戻り光に基づいて、少なくとも前記対物レンズの前記
光磁気記録媒体に対するフォーカスエラー信号を検出す
るサーボ信号検出手段を設けたことを特徴とするもので
ある。
【0026】この発明の好適実施例においては、前記一
軸性複屈折結晶による前記常光および異常光の屈折率を
ともに1.8未満とし、かつ前記一軸性複屈折結晶の一
面に、前記偏光膜を挟んで、前記常光および異常光の屈
折率の中間の屈折率を有するガラスを貼り合わせて設け
ることにより、通常の屈折率のガラス材質の適切な選択
で、前記一軸性複屈折結晶での前記常光および異常光の
収差の発生を小さくして、これらを確実に分離するよう
にする。この発明の他の好適実施例においては、前記一
軸性複屈折結晶による前記常光および異常光の屈折率を
ともに1.8以上とし、かつ前記一軸性複屈折結晶の一
面に、前記偏光膜を挟んで、屈折率が1.6以上のガラ
スを貼り合わせて設けることにより、高屈折率のガラス
材質の適切な選択で、前記一軸性複屈折結晶での前記常
光および異常光の収差の発生を小さくして、これらを確
実に分離するようにする。この発明のさらに他の好適実
施例においては、前記一軸性複屈折結晶を、前記常光お
よび異常光に非点収差を与えるよう構成し、かつこれら
常光および異常光の焦線位置近傍に、前記光検出器を配
置することにより、前記常光および異常光を確実に分離
して受光するようにする。
【0027】
【作用】この発明において、光磁気記録媒体からの戻り
光は、収束状態で偏光膜に入射し、その透過光が一軸性
複屈折結晶により常光および異常光に分離されて、収束
状態で光検出器に入射することになる。したがって、一
軸性複屈折結晶で分離される常光と異常光とを集光する
ための特別のレンズは不要となる。また、光磁気記録媒
体からの戻り光のうち、偏光膜で反射される戻り光は、
サーボ信号検出手段に入射して、少なくともフォーカス
エラー信号が検出されるので、一軸性複屈折結晶により
分離される常光および異常光に基づいてサーボ信号を検
出する場合に比較して、光検出器の厳しい調整が不要と
なる。したがって、全体として、低コストで小型にする
ことが可能となる。
【0028】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
図1〜図6は、この発明の第1実施例を示すものであ
る。図1に全体構成図を示すように、この実施例の光ヘ
ッドは、ホログラムレーザユニット12、ガラスプリズ
ム5、偏光膜7、一軸性複屈折結晶である水晶プリズム
6、対物レンズ8および光検出器10,11とを有す
る。
【0029】ホログラムレーザユニット12は、上記の
第54回応用物理学会学術講演会、講演予稿集、No.
3、28a−SF−19および28a−SF−20に開
示された「CD光ピックアップ用ホログラムレーザユニ
ット」と同様に構成する。すなわち、このホログラムレ
ーザユニット12には、図2に示すように、シリコン半
導体基板2を設け、このシリコン半導体基板2上に、1
0個の受光領域2a〜2jを形成する。また、シリコン
半導体基板2には、図3に断面図をも示すように、エッ
チングにより凹部2kを形成し、この凹部2kに半導体
レーザ1をマウントする。なお、半導体レーザ1として
は、「CD光ピックアップ用ホログラムレーザユニッ
ト」に用いられる半導体レーザとは異なり、30mW以
上の出力が可能な高出力半導体レーザを用いる。凹部2
kの1つの斜面2lは、半導体レーザ1からの出射光を
反射させるミラー面とし、このミラー面2lには、その
反射率を高めるために金をコーティングする。
【0030】また、シリコン基板2の上方には、スペー
サ3を介してホログラム素子4を設ける。このホログラ
ム素子4には、図4および図5に示すように、シリコン
基板2側の面4aに直線状のグレーティング4cを形成
し、反対側の面4bにわずかな曲率をもったホログラム
パターン4dを形成する。
【0031】このようにして、半導体レーザ1からの出
射光を、斜面2lで、シリコン基板2のほぼ垂直方向に
反射させ、そのビームをホログラム素子4に形成した直
線状グレーティング4cで1つのメインビームと二つの
サブビームとに回折分離し、その合計3本のビームを、
ホログラム素子4に形成したホログラムパターン4dを
0次光で透過させる。
【0032】ホログラムレーザユニット12から出射さ
れる3本のビームは、ガラスプリズム5を透過させて、
偏光膜7に発散光のS偏光で入射させる。ここで、ガラ
スプリズム5、偏光膜7および一軸性複屈折結晶である
水晶プリズム6は、偏光膜7を介してガラスプリズム5
と水晶プリズム6とを貼り合わせることにより、一体的
に形成する。また、偏光膜7は、S偏光成分の反射率が
50%以上、P偏光成分の反射率が20%以下の特性を
有するように形成する。これにより、偏光膜7に発散光
のS偏光で入射するホログラムレーザユニット12から
の3本のビームを、偏光膜7でその50%以上を反射さ
せ、残りを透過させて水晶プリズム6を経て光検出器1
1で受光する。この光検出器11の出力は、半導体レー
ザ1の出射光量を制御するオートパワーコントロール回
路(図示せず)に供給する。
【0033】偏光膜で50%以上が反射される3本のビ
ームは、ガラスプリズム5を透過させた後、対物レンズ
8により集光して光磁気記録媒体9の同一記録トラック
に対して所定の角度をもってそれぞれスポット状に照射
する。
【0034】光磁気記録媒体9に照射された3本のビー
ムのそれぞれの反射光(戻り光)は、対物レンズ8で集
光し、収束光としてガラスプリズム5を透過させて、偏
光膜7に入射させ、この偏光膜7を透過する戻り光を水
晶プリズム6に入射させ、偏光膜7で反射される戻り光
をガラスプリズム5を透過させてホログラムレーザユニ
ット12に入射させる。ここで、水晶プリズム6は、そ
の光学軸6aが、光磁気記録媒体9からの3本の戻り光
の内のメインビームの光軸に対して垂直な面内で、かつ
S偏光成分の方向に対して45°傾いた方向となるよう
に形成する。したがって、偏光膜7を透過して水晶プリ
ズム6に入射する戻り光は、常光と異常光とに分離され
て水晶プリズム6を透過する。
【0035】この水晶プリズム6からのメインビームの
戻り光の常光および異常光は、光検出器10でそれぞれ
独立して受光する。このため、光検出器10は、図6に
示すように、常光を受光する受光領域10bと、異常光
を受光する受光領域10aとの2つの受光領域をもって
構成する。このように、光磁気記録媒体9からの戻り光
を、ガラスプリズム5を経て水晶プリズム6で常光およ
び異常光に分離して光検出器10に入射させると、これ
ら常光および異常光は、それぞれ収差をもったスポット
14および13として受光領域10bおよび10aに入
射することになる。
【0036】ここで、光磁気記録媒体9には、情報が磁
化の方向として記録されているので、光磁気記録媒体9
で反射されるメインビームの戻り光の偏光方向は、カー
効果により磁化の方向に応じて反対方向にわずかに回転
したものとなる。この偏光方向の変化は、水晶プリズム
6の光学軸6aに対する角度変化となるので、水晶プリ
ズム6で分離される常光および異常光の強度が変化する
ことになる。したがって、受光領域10a、10bの出
力の差を検出することにより、光磁気記録媒体9に記録
された情報の再生信号を得ることができる。
【0037】なお、受光領域10a,10bに入射する
スポット13,14には、ガラスプリズム5と水晶プリ
ズム6との屈折率差による非点収差と、コマ収差とが発
生する。この収差は、あまり大きいとスポット13、1
4が広がって、これらを分離して受光することが困難と
なる。したがって、ガラスプリズム5と水晶プリズム6
との屈折率差はできるだけ小さいことが望ましい。この
実施例では、一軸性複屈折結晶として水晶プリズム6を
用いており、これによる常光と異常光との屈折率は、そ
れぞれ約1.539および1.548なので、ガラスプ
リズム5としては、その屈折率が1.539以上で、か
つ1.548以下の材質を選択することにより、非点収
差およびコマ収差の発生を小さく抑えることができる。
この条件を満たす材質としては、例えば、株式会社オハ
ラ製の光学ガラスBAL21、BAL23を用いること
ができる。
【0038】一方、光磁気記録媒体9からの戻り光のう
ち、偏光膜7で反射される3本のビームのそれぞれの戻
り光は、ホログラムレーザユニット12のホログラム素
子4に入射させ、そのホログラムパターン4dにより、
光軸方向に互いに逆方向の像点移動をもった±1次光に
回折して、シリコン半導体基板2上の10個の受光領域
2a〜2jに入射させる。すなわち、メインビームの戻
り光の+1次光を3分割受光領域2b,2c,2dに、
一方のサブビームの戻り光の+1次光を受光領域2a
に、他方のサブビームの戻り光の+1次光を受光領域2
eにそれぞれ入射させ、メインビームの戻り光の−1次
光を3分割受光領域2g,2h,2iに、一方のサブビ
ームの戻り光の−1次光を受光領域2fに、他方のサブ
ビームの戻り光の−1次光を受光領域2jにそれぞれ入
射させる。
【0039】したがって、フォーカスエラー信号FES
は、光磁気記録媒体9からの3本の戻り光のうちのメイ
ンビームから検出することができる。すなわち、10個
の受光領域2a〜2jの出力を、それぞれIa〜Ijと
すると、上記の第54回応用物理学会学術講演会、講演
予稿集、No.3、28a−SF−20に開示されてい
るように、ビームサイズ法によって、 FES=(Ib+Id+Ih)−(Ic+Ig+Ii) から得ることができる。また、トラッキングエラー信号
TESは、光磁気記録媒体9からの3本の戻り光のうち
の2本のサブビームを用いる、3ビーム法によって、 TES=(Ia+If)−(Ie+Ij) から得ることができる。
【0040】この実施例によれば、光磁気記録媒体9で
反射される戻り光を、対物レンズ8で集光して、収束状
態で偏光膜7に入射させているので、図14に示した光
ヘッドでは必要であった、戻り光を集光するための特別
の集光レンズが不要となる。したがって、その分低コス
トにできると共に、集光レンズの焦点距離に相当するス
ペースも不要となるので、小型にできる。また、6図か
らも明らかなように、水晶プリズム6で分離される常光
および異常光は、十分な間隔をもって分離されるので、
図14に示した光ヘッドでは必要であった厳しい位置調
整、すなわち受光領域10a、10bとスポット13、
14との厳しい位置調整が不要となり、さらに低コスト
化が可能となる。
【0041】なお、上記の図12および図14に示した
光ヘッドの基本思想は、光磁気記録媒体に記録された情
報の再生信号と、フォーカスエラー信号とを、同一の受
光領域で検出することで、光ヘッドの小型化を狙ってい
るが、上述した第1実施例の説明からも理解されるよう
に、光磁気記録媒体9で反射される戻り光を、偏光膜7
で再び反射させ、ホログラムレーザユニット12を用い
てフォーカスエラー信号を検出するようにしても、光ヘ
ッドが大型化することはない。それよりも、ホログラム
レーザユニット12を用いることで、フォーカスエラー
信号検出用の受光領域の位置調整が不要となっている効
果は大である。
【0042】上述した第1実施例においては、種々の変
形が可能である。例えば、水晶プリズム6に代えて、他
の一軸性複屈折結晶、例えば、ニオブ酸リチウムやルチ
ル、方解石、KDP(KH2 PO4 )、ADP(NH4
2 PO4 )、MgF2 等を用いることができる。これ
らの中で、ニオブ酸リチウムおよびルチルは、常光およ
び異常光の屈折率が大きい特長がある。ここで、通常使
われている高屈折率光学ガラスの屈折率は、せいぜい
1.8程度である。したがって、常光と異常光の屈折率
が1.8を越えるような場合は、偏光膜7を介して貼り
合わされるガラスプリズム5として、屈折率が1.6以
上の高屈折率ガラスを使うことが収差の点から望まし
い。
【0043】また、ホログラムレーザユニット12は、
ガラスプリズム5に固定することもできる。同様に、光
検出器10,11のいずれか一方または双方を、一軸性
複屈折結晶に固定することもできる。これらの固定に際
しては、密着して固定する方法とスペーサを挟んで固定
する方法とがあるが、密着して固定するには、紫外線硬
化型の透明または半透明な接着剤を用いることができ
る。また、光検出器10,11のいずれか一方または双
方を、スペーサを挟んで一軸性複屈折結晶に固定する場
合には、スペーサを、光検出器を封止している樹脂モー
ルドで兼用することもできる。
【0044】図7および図8は、この発明の第2実施例
を示すものである。この実施例において、第1実施例と
重複する部分には、同一符号を付し、その詳細な説明を
省略する。この実施例では、一軸性複屈折結晶としてニ
オブ酸リチウム平板15を用い、このニオブ酸リチウム
平板15上に第1実施例におけると同様の偏光透過特性
を有する偏光膜16を設け、この偏光膜16にホログラ
ムレーザユニット12からの3本のビームを発散光のS
偏光で入射させ、偏光膜16で反射される3本のビーム
を、対物レンズ8により集光して光磁気記録媒体9の同
一記録トラックに対して所定の角度をもってそれぞれス
ポット状に照射し、偏光膜16を透過する3本のビーム
を、ニオブ酸リチウム平板15を経て光検出器11で受
光して、その出力に基づいてホログラムレーザユニット
12内の半導体レーザ1の出射光量を制御するようにす
る。
【0045】また、光磁気記録媒体9で反射される3本
のビームのそれぞれの戻り光は、対物レンズ8で集光し
て、収束光として偏光膜16に入射させ、この偏光膜1
6を透過する戻り光を、ニオブ酸リチウム平板15に入
射させ、偏光膜16で反射される戻り光を、ホログラム
レーザユニット12に入射させて、これにより第1実施
例と同様にしてフォーカスエラー信号およびトラッキン
グエラー信号を検出するようにする。
【0046】ニオブ酸リチウム平板15は、その光学軸
15aが、偏光膜16の面に平行で、かつS偏光成分の
方向に対して45°傾いた方向となるように形成する。
したがって、偏光膜16を透過してニオブ酸リチウム平
板15に入射する戻り光は、常光と異常光とに分離され
てニオブ酸リチウム平板15を透過する。このニオブ酸
リチウム平板15からの常光および異常光を、樹脂モー
ルド18に封止された光検出器17でそれぞれ独立して
受光する。このため、光検出器17は、図8に示すよう
に、常光を受光する受光領域17aと、異常光を受光す
る受光領域17bとの2つの受光領域をもって構成す
る。
【0047】ここで、ニオブ酸リチウム平板15で分離
される常光および異常光は、その分離幅が狭く、しかも
光検出器17の受光領域17a,17bに入射するスポ
ット19,20は、戻り光がニオブ酸リチウム平板15
を収束光で透過する際に生じる非点収差およびコマ収差
を有するので、光検出器17は、常光および異常光が、
その非点収差により線状に結像する焦線位置の近傍に配
置すると共に、コマ収差を補正するために、メインビー
ムの戻り光の光軸に対して30°、ニオブ酸リチウム平
板15とは反対側に傾けて配置する。なお、コマ収差を
より有効に補正するために、ニオブ酸リチウム平板15
と光検出器17との間に、ニオブ酸リチウム平板15と
は反対側に傾けてガラス平板を配置することもできる。
【0048】この実施例においても、光磁気記録媒体9
で反射される戻り光のカー効果による偏光方向の変化
は、ニオブ酸リチウム平板15の光学軸15aに対する
角度変化となるので、ニオブ酸リチウム平板15で分離
される常光および異常光の強度が変化することになる。
したがって、受光領域17a、17bの出力の差を検出
することにより、第1実施例と同様に、光磁気記録媒体
9に記録された情報の再生信号を得ることができる。
【0049】この実施例では、光検出器17を、ニオブ
酸リチウム平板15で分離される常光および異常光が、
非点収差により線状に結像する焦線位置近傍に配置した
ので、ニオブ酸リチウム平板15による常光および異常
光の分離幅が狭くても、図12に示した光ヘッドとは異
なり、常光と異常光とを確実に分離して受光することが
できる。なお、第1実施例の場合には、常光と異常光と
がある程度の角度をもって分離されるので、光検出器1
0を焦線位置近傍に配置する必然性はない。
【0050】図9および図10は、この発明の第3実施
例を示すものである。この実施例において、第1実施例
と重複する部分には、同一符号を付し、その詳細な説明
を省略する。この実施例では、一軸性複屈折結晶として
ニオブ酸リチウムプリズム21を用い、このニオブ酸リ
チウムプリズム21の一面に第1実施例におけると同様
の偏光透過特性を有する偏光膜22を設け、他の面に光
検出器11を設ける。また、ホログラムレーザユニット
12およびニオブ酸リチウムプリズム21は、屈折率が
1.82のガラス平板23の一方の面上に支持し、この
ガラス平板23の他方の面上に、図10に示すように、
二つの受光領域24a,24bを有する光検出器24を
設ける。
【0051】この実施例では、ホログラムレーザユニッ
ト12からの3本のビームを発散光のS偏光で偏光膜2
2に入射させ、この偏光膜22で反射される3本のビー
ムを、対物レンズ8により集光して光磁気記録媒体9の
同一記録トラックに対して所定の角度をもってそれぞれ
スポット状に照射し、偏光膜22を透過する3本のビー
ムを、ニオブ酸リチウムプリズム21を経て光検出器1
1で受光する。
【0052】また、光磁気記録媒体9で反射される3本
のビームのそれぞれの戻り光は、対物レンズ8で集光し
て、収束光として偏光膜22に入射させ、この偏光膜2
2を透過する戻り光を、ニオブ酸リチウムプリズム21
に入射させ、偏光膜22で反射される戻り光を、ホログ
ラムレーザユニット12に入射させて、上述した実施例
と同様にしてフォーカスエラー信号およびトラッキング
エラー信号を検出するようにする。
【0053】ニオブ酸リチウムプリズム21は、その光
学軸21aが、戻り光のメインビームの光軸に垂直な面
内で、かつS偏光成分の方向に対して45°傾いた方向
となるように形成する。したがって、偏光膜22を透過
してニオブ酸リチウムプリズム21に入射する戻り光
は、常光と異常光とに分離されてニオブ酸リチウムプリ
ズム21を透過する。このニオブ酸リチウムプリズム2
1からの常光および異常光を、ガラス平板23を透過さ
せて光検出器24の受光領域24aおよび24bでそれ
ぞれ独立して受光する。
【0054】ここで、光検出器24の受光領域24aに
入射する常光のスポット25および受光領域24bに入
射する異常光のスポット26は、非点収差およびコマ収
差を有するので、光検出器17は、常光および異常光
が、その非点収差により線状に結像する焦線位置の近傍
に位置するように、ガラス平板23に取り付ける。
【0055】この実施例においても、光磁気記録媒体9
で反射される戻り光のカー効果による偏光方向の変化
は、ニオブ酸リチウムプリズム21の光学軸21aに対
する角度変化となるので、ニオブ酸リチウムプリズム2
1で分離される常光および異常光の強度が変化すること
になる。したがって、受光領域24a、24bの出力の
差を検出することにより、上述した実施例と同様に、光
磁気記録媒体9に記録された情報の再生信号を得ること
ができる。
【0056】なお、この実施例の場合、ニオブ酸リチウ
ムプリズム21で発生する非点収差およびコマ収差は大
きいが、光検出器24を、常光および異常光が非点収差
によりほぼ線状に結像する焦線位置近傍に配置すること
で、常光および異常光を確実に分離して受光することが
できる。
【0057】この実施例によれば、第1実施例に比べ
て、ガラスプリズム5が不要となるので、その分低コス
ト化が可能となる。
【0058】なお、この実施例では、ニオブ酸リチウム
プリズム21からの常光および異常光を、ガラス平板2
3を介して光検出器24に入射させているが、光検出器
24を、直接、ニオブ酸リチウムプリズム21に密着し
て固定することもできる。しかし、いずれの場合におい
ても、ニオブ酸リチウムプリズム21での常光および異
常光の屈折率が高いので、ニオブ酸リチウムプリズム2
1と光検出器24との間に空気層が介在するのは好まし
くない。その理由は、ニオブ酸リチウムプリズム21で
分離される常光および異常光の一部が、光検出器24側
の出射面で全反射してしまうからである。ただし、ニオ
ブ酸リチウムプリズム21の代わりに、全反射しないだ
けの十分低屈折率の一軸性複屈折結晶プリズムを用いる
場合は、この限りでない。
【0059】以上の各実施例においては、トラッキング
エラー信号をホログラムレーザユニット12において検
出するようにしたが、情報の再生信号を得る光検出器、
第1実施例では光検出器10、第2実施例では光検出器
17、第3実施例では光検出器24で検出するよう構成
することもできる。この場合には、光検出器10,1
7,24に、サブビームの常光および異常光のいずれか
一方または双方を受光する受光領域を追加して設け、そ
の追加された受光領域から得られる2つのサブビームの
強度差から、3ビーム法によるトラッキングエラー信号
を検出する。
【0060】また、トラッキングエラー信号は、ホログ
ラムレーザユニット12において、プッシュプル法によ
り検出するよう構成することもできる。この場合には、
ホログラム素子4に形成された直線状のグレーティング
4cを廃止すると共に、シリコン半導体基板2上の受光
領域2a〜2jのうち受光領域2a,2e,2fおよび
2jを廃止して、受光領域2b〜2d、2g〜2iを分
割している分割線方向に、光磁気記録媒体9の記録トラ
ックの方向が一致するように、光ヘッドを配置する。こ
のようにして、 TES=(1b+Ii)−(Id+Ig) を演算することにより、プッシュプル法によるトラッキ
ングエラー信号TESを得ることができる。
【0061】さらに、ホログラムレーザユニット12の
ホログラム素子4に形成された直線状のグレーティング
4cを廃止し、シリコン半導体基板2上の受光領域2a
〜2jのうち受光領域2a,2jを廃止し、ホログラム
素子4に形成されたホログラムパターン4dを、図11
に示すように、2つの領域4e,4fに分割して、領域
4eのホログラムパターンにより、戻り光を光軸方向に
互いに逆方向の像点移動をもった±1次光に回折して、
それぞれを受光領域2b〜2dおよび受光領域2g〜2
iに入射させる。また、領域4fのホログラムパターン
は、単なる直線状のグレーティングとして、これにより
回折される戻り光の±1次光を受光領域2e,2fに入
射させる。
【0062】このようにして、フォーカスエラー信号F
ESを、領域4eで回折されたビームのみ用いたビーム
サイズ法で、 FES=(Ib+Id+Ih)−(Ic+Ig+Ii) から得、またトラッキングエラー信号TESを、領域4
eで回折されたビームと領域4fで回折されたビームと
の強度差を検出するプッシュプル法で、 TES=(Ib+Ic+Id+Ig+Ih+Ii)−
(Ie+If) から得ることもできる。
【0063】また、少なくともフォーカスエラー信号を
検出するサーボ信号検出手段は、上述したホログラムレ
ーザユニット12に限定されるものではない。例えば、
小型化に適した他の例として、光メモリシンポジウ
ム、’86論文集、第94頁「Fig.1」に記載され
ているように、半導体レーザ(LD)、4分割型フォト
ディテクタ(PD)および2つの領域からなるホログラ
ムを有するものを用いることもできる。この場合、フォ
ーカスエラー信号SF.E.は、上記論文集の第94頁に記
載された式、 SF.E.=(S1+S4)−(S2+S3) より得ることができる。
【0064】さらに、小型化に適したサーボ信号検出手
段の他の例として、光メモリシンポジウム、’90論文
集、第3頁「Fig.1(g)」に記載されているよう
に、ホログラム素子(HOE)、レーザダイオード(L
D)および光検出器(PD)を一体化したものを用いる
こともできる。この場合、フォーカスエラー信号はフー
コー法により得ることができる。
【0065】さらにまた、小型化に適したサーボ信号検
出手段の他の例として、光メモリシンポジウム、’92
論文集、第113頁「Fig.2」および「Fig.
3」に記載されているように、ホログラム光学素子(H
OE)、レーザダイオード(LD)およびフォトダイオ
ード(PD)を集積化した光学モジュールを用いること
もできる。この場合、フォーカスエラー信号は、2分割
受光器D3,D4の出力からダブルナイフエッジ法によ
り得ることができる。
【0066】また、特開昭63−160018号公報に
開示されている光学ヘッドを用いることもよい。この場
合、同公報の「第5図」に示されるようなフォーカスエ
ラー信号の検出が可能である。
【0067】さらに、上述した第1〜第3実施例におい
ては、往路において、偏光膜で反射されるビームの光軸
が、光磁気記録媒体の記録面に対して垂直であったが、
対物レンズ8の光磁気記録媒体9とは反対側にミラーを
配置して、光軸を90°曲げることにより、ミラーを挟
んで対物レンズと反対側にある光軸を、光磁気記録媒体
の記録面に対して平行として、光ヘッドを薄型化するこ
ともできる。また、かかる構成において、さらに、偏光
膜とミラーとの間にコリメータレンズを配置し、このコ
リメータレンズで半導体レーザから出射される発散光を
平行光に変換してミラーに入射させることもできる。こ
の場合には、ミラーとコリメータレンズとの間の距離を
自由にかえることができるので、対物レンズおよびミラ
ーのみを光磁気記録媒体の記録トラックを横切る方向に
移動させることができ、これにより任意のトラックにア
クセスすることができる。このように構成すれば、光ヘ
ッド全体を光磁気記録媒体の記録トラックの任意のトラ
ックにアクセスする場合に比べて、高速アクセスできる
利点がある。
【0068】また、第1〜第3実施例において、偏光膜
と対物レンズとの間にコリメータレンズを配置すること
もできる。
【0069】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、光磁
気記録媒体で反射される戻り光を、収束状態で偏光膜に
入射させるようにしたので、図14に示した構成では必
要であった集光レンズが不要となり、全体を低コストで
小型にできる。また、光磁気記録媒体からの戻り光を偏
光膜で再び反射させ、この反射光を用いてサーボ信号検
出手段により少なくともフォーカスエラー信号を検出す
るようにしたので、図14に示した構成では必要であっ
た、光検出器の厳しい調整が不要となり、この点でも低
コスト化を図ることができる。
【0070】さらに、一軸性複屈折結晶により非点収差
を含んで分離される常光と異常光の焦線位置の近傍に光
検出器を配置するようにしたので、これらを確実に分離
して受光することができ、したがって情報の再生信号を
高精度で検出することができる。
【0071】また、一軸性複屈折結晶に貼り合わせるガ
ラスの屈折率を適切に選ぶことで、収差の発生を小さく
することができ、これにより偏光方向が互いに直交する
2つの光束に確実に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す図である。
【図2】図1に示すホログラムレーザユニットのシリコ
ン半導体基板の詳細を示す図である。
【図3】同じく、シリコン半導体基板の部分詳細を示す
図である。
【図4】図1に示すホログラムレーザユニットのホログ
ラム素子の詳細を示す図である。
【図5】同じく、ホログラム素子の部分詳細図である。
【図6】図1に示す光検出器の構成を示す図である。
【図7】この発明の第2実施例を示す図である。
【図8】図7に示す光検出器の構成を示す図である。
【図9】この発明の第3実施例を示す図である。
【図10】図9に示す光検出器の構成を示す図である。
【図11】この発明の変形例を示す図である。
【図12】従来の技術を説明するための図である。
【図13】同じく、従来の技術を説明するための図であ
る。
【図14】同じく、従来の技術を説明するための図であ
る。
【図15】図12の構成において、複屈折板で分離され
る光をそれぞれ受光する光検出器上におけるスポットダ
イアグラムの計算例を示す図である。
【図16】図13の構成において、くさび形プリズムで
分離される光のスポットダイアグラムの計算例を示す図
である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ 2 シリコン半導体基板 2a〜2j 受光領域 2k 凹部 2l 斜面 3 スペーサ 4 ホログラム素子 4c グレーティング 4d ホログラムパターン 5 ガラスプリズム 7 偏光膜 6 水晶プリズム 6a 光学軸 8 対物レンズ 10,11 光検出器 10a,10b 受光領域 12 ホログラムレーザユニット 13,14 スポット 15 ニオブ酸リチウム平板 15a 光学軸 16 偏光膜 17 光検出器 17a,17b 受光領域 18 樹脂モールド 19,20 スポット 21 ニオブ酸リチウムプリズム 21a 光学軸 22 偏光膜 23 ガラス平板 24 光検出器 24a.24b 受光領域 25,26 スポット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザからの出射光を、一軸性複
    屈折結晶の一面に設けた偏光膜で反射させた後、対物レ
    ンズを経て光磁気記録媒体に照射し、この光磁気記録媒
    体で反射され、前記対物レンズを経て前記偏光膜に入射
    する戻り光のうち、該偏光膜を透過する戻り光を前記一
    軸性複屈折結晶により常光と異常光とに分離して光検出
    器で受光するようにした光ヘッドにおいて、 前記偏光膜を前記光磁気記録媒体からの戻り光の収束光
    路中に配置すると共に、前記戻り光のうち前記偏光膜で
    反射される戻り光に基づいて、少なくとも前記対物レン
    ズの前記光磁気記録媒体に対するフォーカスエラー信号
    を検出するサーボ信号検出手段を設けたことを特徴とす
    る光ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記一軸性複屈折結晶による前記常光お
    よび異常光の屈折率をともに1.8未満とし、かつ前記
    一軸性複屈折結晶の一面に、前記偏光膜を挟んで、前記
    常光および異常光の屈折率の中間の屈折率を有するガラ
    スを貼り合わせて設けたことを特徴とする請求項1記載
    の光ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記一軸性複屈折結晶による前記常光お
    よび異常光の屈折率をともに1.8以上とし、かつ前記
    一軸性複屈折結晶の一面に、前記偏光膜を挟んで、屈折
    率が1.6以上のガラスを貼り合わせて設けたことを特
    徴とする請求項1記載の光ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記一軸性複屈折結晶を、前記常光およ
    び異常光に非点収差を与えるよう構成し、かつこれら常
    光および異常光の焦線位置近傍に、前記光検出器を配置
    したことを特徴とする請求項1記載の光ヘッド。
JP6037068A 1994-02-12 1994-03-08 光ヘッド Pending JPH07244879A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005112015A1 (ja) * 2004-05-14 2005-11-24 Sharp Kabushiki Kaisha 光集積ユニットおよび光ピックアップ装置

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WO2005112015A1 (ja) * 2004-05-14 2005-11-24 Sharp Kabushiki Kaisha 光集積ユニットおよび光ピックアップ装置

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