JPH07242670A - ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン誘導体及びこれを含有する循環器系疾患治療剤 - Google Patents

ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン誘導体及びこれを含有する循環器系疾患治療剤

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JPH07242670A
JPH07242670A JP6212194A JP6212194A JPH07242670A JP H07242670 A JPH07242670 A JP H07242670A JP 6212194 A JP6212194 A JP 6212194A JP 6212194 A JP6212194 A JP 6212194A JP H07242670 A JPH07242670 A JP H07242670A
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JP6212194A
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English (en)
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Toshimitsu Suzuki
利光 鈴木
Masayuki Yuasa
雅之 湯浅
貴子 ▲高▼▲桑▼
Takako Takakuwa
Kenichi Kishii
兼一 岸井
Hiroshi Matsunaga
浩 松永
Hisashi Shimizu
壽 清水
Soichi Kaneda
宗一 金田
Toshio Kumagai
年夫 熊谷
Hironosuke Nagase
祐之助 長瀬
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Pola Chemical Industries Inc
Pfizer Japan Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
Lederle Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた血管拡張作用、降圧作用、抗高脂血症
作用及び血小板凝集抑制作用を有する新規なピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1、5−a]ピリミジン誘導
体またはその塩、並びにこれを有効成分とする循環器系
疾患治療剤の提供。 【構成】 一般式(I): 【化1】 式中、Rは以下の置換基:COOR1 、CONR1
2 、シアノ基、NR12 、CH23 、ハロゲン原子
(ここでR1 及びR2 は夫々独立に水素原子又は低級ア
ルキル基であり、R3 はベンジルオキシ基、ヒドロキシ
基又はピリジニウム基である)のいずれかである、で示
されるピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピ
リミジン誘導体又はその塩、並びにこれを有効成分とす
る循環器系疾患治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた血管拡張作用、降
圧作用、抗高脂血症作用及び血小板凝集抑制作用を有す
る新規なピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]
ピリミジン誘導体又はその塩、並びにこれを有効成分と
する循環器系疾患治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】我が国の人口の老齢化に伴い、その死因
は循環器系疾患が増加し、悪性腫瘍と共に大きな割合を
占めていることは周知の事実である。循環器系疾患治療
薬として血管拡張により血圧を降下させ且つ血流の改善
作用を行うことは極めて有効な方法であり、また血小板
凝集作用を抑制することは動脈血栓の発生を防止する有
力な手段である。またCa++ブロッカ−作用を有する化
合物は抗不整脈作用を有する場合が多く、これらの疾患
は相互に関連がある。したがって、これらの循環器系疾
患に対し総合的に有効な薬剤の開発が望まれている。
【0003】かかる観点に立脚し、本発明者らは先に下
記一般式(A):
【0004】
【化2】
【0005】で表わされるピロロ[3,2−e]ピラゾ
ロ[1,5−a]ピリミジン誘導体が優れた循環器系疾
患に対する治療作用を有することを見出し、特許出願し
た(特開平2−275882号公報)。しかしながら、
この化合物(A)はインビトロでは優れた効果を示す
が、インビボにおいてはピロリン環部分が容易に酸化的
代謝を受け不活性化が起こってしまい、効果が持続しな
いという欠点を有していた。
【0006】続いて本発明者らは、下記一般式(B):
【0007】
【化3】
【0008】で表される化合物が生体内で不活性化し難
く、薬効の持続が良好であることを見出し、上記式
(A)の化合物の欠点を克服する薬剤となることを期待
して特許出願した(特開平5−255377号公報)。
【0009】ところが、上記式(B)の化合物は、ピロ
リン環部分への酸化的代謝を避けるためにアルキル基等
の置換基を導入しているため種々の立体異性体が存在す
る。このため、式(B)の化合物を医薬品として製品化
する場合にはこれらの立体異性体を分離する必要があ
り、製造コストが高くなってしまうという問題があっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のとおり、循環器
系に対する優れた薬理活性を有する化合物が見出されな
がら、生体内での不活性化や製造コストが問題となり、
未だ、優れた循環器系疾患治療剤として現実に製品化し
得る化合物が得られていないのが実情であった。
【0011】
【課題を解決する為の手段】かかる実情に鑑み鋭意検討
を行った結果、本発明者らは、後記一般式(I)で表わ
される化合物が循環器系に対する優れた薬理活性を有す
ることを見出し、その薬効の持続性が良好であり、かつ
製造工程で立体異性体を生じないため製造コストを低く
押さえることが可能であることを確認して本発明を完成
した。
【0012】すなわち、本発明は次の一般式(I)
【0013】
【化4】
【0014】式中、Rは以下の置換基: (i) COOR1 (ii) CONR12 (iii) シアノ基 (iv) NR12 (v) CH23 (vi) ハロゲン原子 (ここでR1 及びR2 は夫々独立に水素原子又は低級ア
ルキル基であり、R3 はベンジルオキシ基、ヒドロキシ
基又はピリジニウム基である)のいずれかである、で示
されるピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピ
リミジン誘導体又はその塩、およびこれらの化合物を有
効成分とする循環器系疾患治療剤を提供するものであ
る。
【0015】本発明が提供する化合物は、薬効の持続化
及び製造コストの面で前記式(A)並びに(B)で表さ
れる化合物の各問題点を克服し得るものであり、優れた
循環器系疾患治療剤として現実の製品化が期待されるも
のである。以下に本発明の化合物について更に詳細に説
明するが、本明細書中において、「低級」なる語はこの
語が付された基または化合物の炭素原子数が1〜7個、
好ましくは1〜4個であることを意味する。
【0016】また、「ハロゲン原子」とは、塩素、フッ
素、臭素、ヨウ素等であり、好ましくは塩素もしくはフ
ッ素を意味する。
【0017】「低級アルキル基」は直鎖状または分岐鎖
状のいずれでもよく、例えばメチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec
−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペン
チル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、イ
ソヘプチル等が挙げられるが、好ましくはメチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチルである。
【0018】(1)本発明化合物(I)のうち置換基R
が(i) COOR1 である化合物(I−i)は、例えば次
の反応式Aの各工程に従い製造することができる。
【0019】
【化5】
【0020】(式中、R’は低級アルキル基を表す。)
【0021】すなわち、工程(a)はγ−ブチロラクト
ン(II)とシュウ酸のジ低級アルキルエステル(II
I)とを反応させて式(IV)で示される化合物を合成
する工程である。反応は、それ自体不活性な溶媒、例え
ばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、
n−ヘキサン、ジクロルメタン、クロロホルム、N,N
−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルス
ルホキシド、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、tert−ブタノール等の適当な溶媒中で、例え
ば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジ
イソプロピル−N−エチルアミン、ピリジン、ピコリ
ン、ルチジン、N,N−ジメチルピリジン、ナトリウム
メトキシド、ナトリウムエトキシド等の有機塩基、また
はジイソプロピルアミン等のジ(低級)アルキルアミン
とn−ブチルリチウム等のアルキルリチウムとの組み合
わせからなる塩基の存在下に、式(II)の化合物と式
(III)の化合物とを約−78〜約0℃の比較的低温
下で数10分〜数時間攪拌することにより行うことがで
きる。
【0022】上記の反応により式(IV)の化合物が得
られ、反応液はそのまま次の工程で用いることができる
が、必要に応じて、反応液を通常行われる精製手段、例
えばろ過、デカンテーション、抽出、洗浄、溶媒留去、
カラム又は薄層クロマトグラフィー、再結晶、蒸留、昇
華等に付すことにより、式(IV)の化合物を単離精製
することもできる。
【0023】次の工程(b)は上記工程で得られる式
(IV)の化合物に3−アミノ−4−シアノピラゾール
を反応させて、式(V)で示される化合物を得る工程で
ある。反応は、前記した中から適宜選択される溶媒中
で、例えばトリフルオロボラン・メタノールコンプレッ
クス等のルイス酸の存在下に、上記両化合物を約0℃〜
溶媒の沸点程度の温度で約1〜約24時間攪拌すること
により行うことができる。
【0024】上記の反応で得られる式(V)の化合物
は、反応液のまま次の工程に用いることができるが、必
要に応じて、前記した通常の精製手段により単離精製す
ることもできる。
【0025】次の工程(c)は上記工程で得られる式
(V)の化合物を閉環して式(VI)で示される化合物
を得る工程である。反応は、無溶媒又は前記した中から
適宜選択される溶媒中で、前記例示した有機塩基、例え
ばトリエチルアミンの存在下、式(V)の化合物を約0
℃〜溶媒の沸点程度の温度で約1〜約24時間攪拌する
ことにより行うことができる。
【0026】上記の反応で得られる式(VI)の化合物
は、反応液のまま次の工程に用いることができるが、必
要に応じて、前記した通常の精製手段により単離精製す
ることもできる。
【0027】次の工程(d)は上記工程で得られる式
(VI)の化合物をクロル化し、式(VII)で示され
る化合物を得る工程である。反応は、無溶媒又は前記し
た中から適宜選択される溶媒中で、前記例示した有機塩
基、例えばトリエチルアミンの存在下、式(VI)の化
合物と例えば五塩化リン、チオニルクロリド、オキシ塩
化リン等のクロル化剤とを、溶媒の沸点程度の比較的高
温で約30分〜約5時間攪拌することにより行うことが
できる。なお、上記反応は不活性ガス、例えばアルゴン
ガス若しくは窒素ガス気流中で行うのが好ましい。
【0028】上記の反応で得られる式(VII)の化合
物は、反応液のまま次の工程に用いることができるが、
必要に応じて、前記した通常の精製手段により単離精製
することもできる。
【0029】次の工程(e)は上記工程で得られる式
(VII)の化合物にtert−ブチルアミンを反応さ
せて式(I−ia)で示される化合物、すなわち本発明
の式(I)で示される化合物の置換基Rが低級アルキル
基でエステル化されたカルボキシル基である化合物を得
る工程である。反応は、前記した中から適宜選択される
溶媒中で、式(VII)の化合物とtert−ブチルア
ミンとを、約0〜約100℃程度の温度で約30分〜約
5時間攪拌することにより行うことができる。
【0030】上記の反応で得られる式(VII)の化合
物は、反応液のまま次の工程に用いることができるが、
必要に応じて、前記した通常の精製手段により単離精製
することもできる。
【0031】上記の反応で得られる式(I−ia)の化
合物は、必要に応じて次の工程(f)において加水分解
することにより、本発明の式(I)で示される化合物の
置換基Rがカルボキシル基である化合物(I−ib)を
得ることができる。
【0032】本工程(f)における式(I−ia)の化
合物の加水分解反応は、カルボン酸の低級アルキルエス
テルを加水分解するために通常用いられる、例えばアル
カリ性又は酸性等の一般的反応条件下で容易に実施する
ことができる。
【0033】また、上記式(I−ia)の化合物は、他
の方法、すなわち前記工程(a)で得られる式(IV)
の化合物を原料として次の反応式Bの各工程に従い製造
することもできる。
【0034】
【化6】
【0035】(式中、R’は前記定義のとおりであ
る。)
【0036】すなわち、工程(g)は前記反応式Aの工
程(b)と同様に、式(IV)の化合物に3−アミノ−
4−シアノピラゾールを反応させる工程であるが、反応
溶媒中に酢酸を存在させ、かつ攪拌を比較的高温で行う
ことにより、式(VIII)で示される化合物を得るこ
とができる。
【0037】上記工程で得られた化合物(VIII)は
次の工程(h)においてクロル化されて、式(IX)で
示される化合物に変換される。かかるクロル化反応は、
前記反応式Aの工程(d)で述べたのと同様の方法で行
うことができる。
【0038】工程(i)は、上記工程(h)で得られた
化合物(IX)にtert−ブチルアミノ基を導入して
式(X)で示される化合物を得る工程である。反応は前
記反応式Aの工程(e)で述べたのと同様の方法で行う
ことができる。
【0039】工程(j)は、上記工程(i)で得られた
化合物(X)を閉環させて化合物(I−ia)を得る工
程である。反応は、前記した中から適宜選択される溶媒
中で、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等のアル
カリ金属;水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物
のような無機塩基の存在下に、室温〜約80℃程度の温
度で約30分〜約5時間攪拌することにより行うことが
できる。 (2)本発明化合物(I)のうち置換基Rが(ii)CON
12 である化合物(I−ii)、(iii) シアノ基で
ある化合物(I−iii)、および(iv)NR12 であ
る化合物(I−iv)は、例えば次の反応式Cの各工程
に従い製造することができる。
【0040】
【化7】
【0041】(式中、R1 及びR2 は前記定義のとおり
である。)
【0042】すなわち、工程(k)は前記反応式Aの工
程(f)で得られる式(I−ib)で示される化合物の
カルボキシル基を活性化した後アミンを反応させて、本
発明の式(I−ii)で示される化合物を得る工程であ
る。反応は、前記で例示した中から適宜選択される溶媒
中で、好ましくはトリエチルアミン等の有機塩基の存在
化、式(I−ib)の化合物とカルボン酸活性化試薬、
例えばチオニルクロリド、塩化ホスホリル、五塩化リ
ン、オキザリルクロリド等のカルボン酸のクロル化剤;
クロル炭酸エチル、クロル炭酸イソブチル、クロル炭酸
メチル等のハロゲン化炭酸アルキル化合物;ジシクロヘ
キシルカルボジイミドまたは塩酸1−エチル−3−(3
−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等とを約−
78〜約0℃程度の比較的低温で数分〜約2時間攪拌し
て式(I−ib)の化合物のカルボキシル基が活性化さ
れた反応中間体を得、次いでこの中間体にアミン類を加
えて約0〜約60℃程度の温度で攪拌することによって
実施することができる。この反応で用いるアミン類とし
ては、例えばアンモニア、メチルアミン、ジエチルアミ
ン等を例示することができる。
【0043】上記の反応で得られる本発明の式(I−i
i)の化合物の内置換基R1 及びR2 のいずれもが水素
原子である化合物は、さらに次の工程(l)で脱水反応
に付すことによって本発明の式(I−iii)で示され
る化合物に変換することができる。かかる脱水反応は、
無溶媒、または前記で定義した中から適宜選択される溶
媒中で、当該化合物とオキシ塩化リン等の脱水剤とを溶
媒の沸点程度の比較的高温で約30分〜約2時間攪拌す
ることにより行うことができる。
【0044】一方、工程(m)に示すように、式(I−
ib)の化合物は本発明の式(I−iv)で示される化
合物に導くこともできる。この工程は、前記例示した有
機塩基、例えばトリエチルアミン等の存在下、例えばt
ert−ブタノール中で式(I−ib)の化合物とジフ
ェニルリン酸アジドとを、溶媒の沸点程度の比較的高温
で約2時間〜約一日攪拌し、次いで、得られる化合物を
加水分解することによって実施することができる。かか
る反応によって式(I−iv)の置換基R1 及びR2
水素原子である化合物が得られるが、得られる化合物に
更にハロゲン化アルキルを反応させれば容易にモノもし
くはジ−低級アルキル置換した式(I−iv)の化合物
を得ることができる。
【0045】また、上記工程(k)で得られる式(I−
ib)の化合物のカルボキシル基が活性化された反応中
間体を原料として、この化合物にナトリウムアジドを反
応させることによっても、式(I−iv)の置換基R1
及びR2 が水素原子である化合物を得ることができる
(後記実施例15参照)。
【0046】(3)本発明化合物(I)のうち置換基R
が(v) CH23 である化合物(I−v)は、例えば次
の反応式Dの各工程に従い製造することができる。
【0047】
【化8】
【0048】(式中、X- は塩形成性陰イオンを表し、
R’は前記定義のとおりである。)
【0049】すなわち、工程(n)は、γ−ブチロラク
トン(II)とベンジルオキシ酢酸の低級アルキルエス
テル(XI)とを反応させて式(XII)で示される化
合物を合成する工程である。反応は、前記で例示した中
から適宜選択される溶媒中で、前記で例示した有機塩
基、例えばジイソプロピルアミン等のジ(低級)アルキ
ルアミンとn−ブチルリチウム等のアルキルリチウムと
の組み合わせからなる塩基の存在下に、式(II)の化
合物と式(XI)の化合物とを約−78〜約0℃の比較
的低温下で数10分〜数時間攪拌することにより行うこ
とができる。
【0050】上記の反応で得られる式(XII)の化合
物は、反応液のまま次の工程に用いることができるが、
必要に応じて、前記した通常の精製手段により単離精製
することもできる。
【0051】上記の工程で得られる式(XII)の化合
物は、続く工程(o)〜(r)で前記反応式Bの工程
(g)〜(j)において行った方法に準じて反応を行う
ことにより、置換基R3 がベンジルオキシ基である本発
明の式(I−va)で示される化合物に変換することが
できる。
【0052】次いで、工程(s)において当該式(I−
va)の化合物を脱ベンジル化することにより、置換基
3 がヒドロキシ基である本発明の式(I−vb)で示
される化合物を得ることができる。反応は、前記で例示
した中から適宜選択できる溶媒中で、エチルチオール等
のメルカプト化合物存在下、式(I−va)の化合物と
例えばトリフルオロボラン・エーテルコンプレックス等
のルイス酸とを約0〜約60℃程度の温度で約2時間〜
約一週間攪拌することにより行うことができる。
【0053】さらに、上記反応で得られる式(I−v
b)の化合物は、工程(t)においてまずヒドロキシ基
を活性化し、次いでピリジンを反応させることによって
置換基R3 がピリジニウム基である本発明の式(I−v
c)で示される化合物を合成することができる。ヒドロ
キシ基の活性化は、前記で例示した中から適宜選択され
る溶媒中で、トリエチルアミン等の有機塩基の存在下、
当該式(I−vb)の化合物に例えばメタンスルホニル
クロリド、4−トルエンスルホニルクロリドなどの有機
スルホニルハライド等のヒドロキシ基の活性化試薬を、
約−20℃〜室温程度の比較的低温で約2時間〜約2日
間反応させることによって行うことができる。かかる反
応によって得られる化合物は、反応液のまま次の工程に
用いることができるが、必要に応じて、前記した通常の
精製手段により単離精製することもできる。
【0054】続いて、前記で例示した中から適宜選択さ
れる溶媒中で、当該化合物にピリジンを加えて約0〜約
60℃程度の温度で約1日〜約一週間攪拌すれば、本発
明の式(I−vc)の化合物を得ることができる。
【0055】なお、上記の反応で得られる式(I−v
c)のピリジニウム化合物は塩形成性陰イオンとの塩と
して単離することができるが、ここで、塩形成性陰イオ
ンとしては上記ヒドロキシ基の活性化に用いた活性化試
薬からハロゲン原子が脱離した基、例えば有機スルホニ
ル基の陰イオンが該当する。
【0056】(4)本発明化合物(I)のうち置換基R
が(vi)ハロゲン原子である化合物(I−vi)は、例え
ば次の反応式Eの各工程に従い製造することができる。
【0057】
【化9】
【0058】(式中、R0 はヒドロキシ基の保護基を表
し、Halはハロゲン原子を表す。)
【0059】すなわち、工程(u)は、エチルブロモヒ
ドリン(XVI)のヒドロキシ基を保護して式(XVI
I)で示される化合物を得る工程である。ここで、ヒド
ロキシ基の保護基としては、例えばアセチル、ベンゾイ
ル等の脂肪族あるいは芳香族アシル基;ベンジル、トリ
フェニルメチル等のアラルキル基;ベンジルオキシカル
ボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−メ
トキシベンジルオキシカルボニル等の置換若しくは非置
換ベンジルオキシカルボニル基;tert−ブチルジメ
チルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、フェ
ニルイソプロピルジメチルシリル等の置換シリル基;テ
トラヒドロピラニル基等を例示することができるが、好
ましくは、トリフェニルメチル基、tert−ブチルジ
メチルシリル基又はテトラヒドロピラニル基が用いられ
る。
【0060】反応は、前記で例示した中から適宜選択さ
れる溶媒中で、式(XVI)の化合物に、好ましくはイ
ミダゾール等の有機塩基存在下、例えばトリフェニルメ
チルクロリド、tert−ブチルジメチルシリルクロリ
ド等の上記保護基として例示した基がハロゲン化された
化合物を加えて攪拌することにより、またはトシル酸等
の有機酸存在下にジヒドロピランを加えて攪拌すること
により、行うことができる。反応は約0〜約60℃程度
の温度で数分〜約2時間攪拌すれば終了する。
【0061】なお、反応は不活性ガス、例えば窒素ガ
ス、ヘリウムガス気流中で行うことが好ましい。
【0062】工程(v)は、上記工程により得られる式
(XVII)の化合物にマロン酸ジエチルを反応させて
式(XVIII)で示される化合物を得る工程である。
反応は前記した中から適宜選択される溶媒中で、前記で
例示した有機塩基または無機塩基、例えばナトリウム等
の塩基の存在下に、式(XVII)の化合物とマロン酸
ジエチルとを、溶媒の沸点程度の比較的高温下で約2〜
約24時間攪拌することにより行うことができる。
【0063】上記の反応で得られる式(XVIII)の
化合物は、反応液のまま次の工程に用いることができる
が、必要に応じて、前記した通常の精製手段により単離
精製することもできる。
【0064】次の工程(w)は上記工程で得られる式
(XVIII)の化合物に3−アミノ−4−シアノピラ
ゾールを反応させて、式(XIX)で示される化合物を
得る工程である。反応は、前記した中から適宜選択され
る溶媒中で、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキ
シド等の塩基の存在下、両化合物を溶媒の沸点程度の比
較的高温で約2時間〜約一日攪拌することによって行う
ことができる。
【0065】なお、反応は不活性ガス、例えば窒素ガス
又はへリウムガス気流中で行うことが好ましい。
【0066】上記の反応で得られる式(XIX)の化合
物は、反応液のまま次の工程に用いることができるが、
必要に応じて、前記した通常の精製手段により単離精製
することもできる。
【0067】次の工程(x)は、上記工程で得られる式
(XIX)の化合物をハロゲン化し、式(XX)で示さ
れる化合物を得る工程である。反応は、無溶媒又は前記
した中から適宜選択される溶媒中で、好ましくは前記例
示した有機塩基、例えばトリエチルアミンの存在下に、
式(XIX)の化合物と、例えば五塩化リン、チオニル
クロリド、オキシ塩化リン等のハロゲン化剤とを、溶媒
の沸点程度の比較的高温で約30分〜5時間攪拌するこ
とにより行うことができる。
【0068】上記の反応で得られる式(XX)の化合物
は、反応液のまま次の工程に用いることができるが、必
要に応じて、前記した通常の精製手段により単離精製す
ることもできる。
【0069】次の工程(y)は上記工程で得られる式
(XX)の化合物にtert−ブチルアミンを反応させ
て、本発明の式(I−vi)で示される化合物を得る工
程である。反応は、前記した中から適宜選択される溶媒
中で、好ましくは前記例示した有機塩基、例えばトリエ
チルアミンの存在下に、式(XX)の化合物とtert
−ブチルアミンとを、溶媒の沸点程度の比較的高温で約
30分〜5時間攪拌することにより行うことができる。
【0070】なお、反応は不活性ガス、例えば窒素ガス
又はへリウムガス気流中で行うことが好ましい。
【0071】当該工程(y)で原料として用いられる式
(XX)の化合物の置換基Halが塩素原子である場合
には、得られる化合物は式(I−vi)の化合物のハロ
ゲン原子が塩素原子のものとなるが、当該化合物に、前
記で例示した中から適宜選択できる溶媒、あるいは3,
4−ジクロロトルエン中で、塩化テトラフェニルホスホ
ニウム存在下フッ化セシウムを反応させれば、式(I)
の置換基Rがフッ素原子である本発明の化合物を得るこ
とができる。また、同様に適当な溶媒、好ましくはジメ
チルホルムアミド中で、当該化合物に三臭化リンを反応
させれば、式(I)の置換基Rが臭素原子である本発明
の化合物を得ることができる。さらに、この臭素置換体
に例えばヨウ化カリウム・ヨウ化銅(I)、若しくはヨ
ウ化カリウム・ニッケル触媒を反応させることにより、
式(I)の置換基Rがヨウ素原子である本発明の化合物
を得ることもできる。
【0072】得られる化合物は、前記した通常の精製手
段により単離精製することができる。
【0073】以上の方法に従って本発明の化合物を合成
することができるが、式(I)の化合物の置換基Rが(i
v)NR12 である場合、または(v) CH23 の置換
基R3 がピリジニウム基である場合、当該化合物は必要
に応じて有機酸又は無機酸で処理することにより任意の
酸付加塩とすることもできる。ここで用いられる有機酸
としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ト
リフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸等の低級脂肪酸;安息
香酸、p−ニトロ安息香酸等の置換又は未置換の安息香
酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸
等の(ハロ)低級アルキルスルホン酸;ベンゼンスルホ
ン酸、p−ニトロベンゼンスルホン酸、p−ブロモベン
ゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、2,4,6−ト
リイソプロピルベンゼンスルホン酸等の置換又は未置換
のアリールスルホン酸;ジフェニルリン酸等の有機リン
酸を挙げることができ、無機酸としては、例えば塩酸、
硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、ホウフッ化水素酸、
過塩素酸、亜硝酸等が挙げられる。
【0074】以上のとおり、本発明の化合物はその構造
式中に不斉炭素原子を有しないため、製造過程で立体異
性体が生ぜず、低コストで量産が可能である。かかる本
発明の化合物の優れた薬理効果については後述する。
【0075】本発明の循環器系疾患治療剤は種々の剤
型、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、トロ−チ剤、液剤
等の経口投与剤とすることができる。上記製剤化は、そ
れ自体公知の方法によってなし得る。すなわち、本発明
化合物(I)をデンプン、マンニト−ル、乳糖等の賦形
剤;カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、ヒドロキ
シプロピルセルロ−ス等の結合剤;結晶セルロ−ス、カ
ルボキシメチルセルロ−スカルシウム等の崩壊剤;タル
ク、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;軽質無水ケ
イ酸等の流動性向上剤等を適宜組み合せて処方すること
により錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤又はトロ−チ剤
を製造することができる。かかる経口投与剤をヒトに投
与する場合、年齢及び症状等によっても異なるがその有
効量、例えば、通常1日に10〜100mgを1〜3回に
分けて経口投与するのが好ましい。
【0076】また、本発明の循環器系疾患治療剤は注射
剤とすることもできる。この製剤化は、例えば、界面活
性剤や分散剤等により予め生理食塩水等の水性担体に分
散又は可溶化しておいてもよいし、あるいはまた、必要
時にその都度分散又は可溶化し得るよう注射用結晶製剤
又は凍結乾燥製剤としてもよい。上記水性担体には前述
の成分以外にpH調整剤や安定化剤を任意成分として加
えてもよい。かかる注射剤の投与経路は特に限定され
ず、病状や患者の特性に合わせて静脈内投与、動脈内投
与、皮下投与、腹腔内投与などから選択することができ
る。これらの投与は一気に投与してもよいし点滴等によ
り徐々に投与してもよい。
【0077】以下に本発明の化合物の薬理試験及び毒性
試験の結果を説明する。
【0078】[薬理試験]本発明化合物(I)の無麻酔
自然発症高血圧ラット(SHR)における降圧作用を、
tail−cuff法により評価した。被験薬物として
は、後記実施例で製造された化合物(21)、(22)
及び(30)を用いた。また、対照化合物としては前記
化合物(A)[Ra=C(CH33 ;特開平2−27
5882号公報参照]を用いた。被験薬物及び対照化合
物を、5mg/kgをそれぞれ0.5%CMC生理食塩
水に懸濁して1群4匹のラットに経口投与した。降圧作
用は、薬物投与後の血圧の変化を正常時血圧を100%
とした降圧率(%)で表わし、最大反応時の降圧率
(%)を求めて評価した。また、投与後3時間、5時間
及び8時間の降圧率(%)の経時変化をプロットして血
圧降下率曲線を求め、この曲線下の面積(降圧面積)か
ら降圧作用の持続性を評価した。結果を表1に示した。
【0079】
【表1】
【0080】上記の結果から明らかなように、本発明の
化合物である被験薬物のいずれについても降圧作用が認
められ、対照化合物(A)とほぼ同様な降圧率と持続性
を示した。
【0081】また、本発明の化合物についてマグヌス法
による血管拡張作用、ノルエピネフリンによる血管収縮
に対する抑制作用、冠血管拡張作用等について検討した
結果、持続的な効果を有することが判明した。
【0082】[毒性試験]本発明の化合物の急性毒性試
験を下記の方法で行った。ICR系雄性マウスを4週齢
で購入し、約10日間の予備飼育の後実験に供した。被
験薬物は、マウス体重10g当り0.1mlになるように
1%セルメチルセルロ−ス液に懸濁し金属製胃ゾンデを
用いて強制経口投与した。尚、マウスは実験の前日から
16時間絶食とした。投与後の観察期間を14日間と
し、14日後の生存率からリッチフィ−ルド・ウィルコ
クソン法によってLD50値を求めた。その結果、化合物
(21)、(22)及び(30)のLD50値はいずれも
2g/kg以上であった。
【0083】
【実施例】以下に本発明の化合物の実施例及び製剤例を
挙げて本発明を更に詳細に説明するが、かかる記載によ
って本発明が何ら限定されるものでないことはいうまで
もない。
【0084】なお、以下の記載において用いる略号は、
それぞれ下記の意味を有する。 Et :エチル Ph :フェニル t−Bu:tert−ブチル Boc :t−ブトキシカルボニル Ms :メタンスルホニル
【0085】実施例1
【0086】
【化10】
【0087】ジイソプロピルアミン7.6mlのテトラ
ヒドロフラン50ml溶液を−78℃まで冷却し、この
溶液にn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液33.5
mlを滴下し同温度にて10分間攪拌する。この溶液に
γ−ブチロラクトン(1)3.87gのテトラヒドロフ
ラン30ml溶液を−78℃にて35分間かけて滴下
し、その後、同温度にて更に20分間攪拌する。この溶
液にシュウ酸ジエチル6.9gのテトラヒドロフラン1
5ml溶液を加え、−78℃〜−40℃にて2時間攪拌
する。反応終了後、2規定塩酸で反応液のpHを1〜2
に調整し、酢酸エチルで抽出する。得られた有機層を
水、飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで
乾燥する。溶媒を減圧下留去して得られる残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサ
ン−酢酸エチル)に付して、化合物(2)を無色油状物
として8.13g(収率:80%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.39(t、J=
7.3Hz、3H)、3.29(t、J=7.6Hz、
2H)、4.37(q、J=7.3Hz、2H)、4.
50(t、J=7.6Hz、2H)、10.90(s、
1H)
【0088】実施例2
【0089】
【化11】
【0090】3−アミノ−4−シアノピラゾール570
mgのエタノール5ml溶液に、上記実施例1で得られ
た化合物(2)1g及びBF3 ・メタノール0.2ml
を加えて、室温下に18時間攪拌する。溶媒を減圧下留
去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出溶媒:クロロホルム−メタノール)に付し
て、化合物(3)を結晶として890mg(収率:6
0.9%)得た。1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:1.15(t、J
=7.3Hz、3H)、2.84(t、J=7.3H
z、2H)、4.12(q、J=7.3Hz、2H)、
4.30(t、J=7.3Hz、2H)、8.46
(s,1H)、9.23(s,1H)、13.33
(s,1H)
【0091】実施例3
【0092】
【化12】
【0093】上記実施例2で得られた化合物(3)89
0mgに乾燥トリエチルアミン1mlを加えて、室温下
で24時間攪拌する。反応終了後、トリエチルアミンを
減圧下留去して、化合物(4)を890mg(収率:定
量的)得た。1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:1.08(t、J
=7.3Hz、3H)、3.03(t、J=7.6H
z、2H)、4.18(t、J=7.6Hz、2H)、
4.42(t、J=7.3Hz、2H)、8.44
(s,1H)、9.46(s,1H)、13.26
(s,1H)
【0094】実施例4
【0095】
【化13】
【0096】上記実施例3で得られた化合物(4)51
0mgにオキシ塩化リン15mlを加えて、窒素ガス気
流中100℃にて2時間攪拌する。次いで、反応液にト
リエチルアミン0.5mlを加えて、同温度にて30分
間攪拌する。反応液を氷水中に投入しクロロホルムで抽
出する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を
減圧下留去して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム)に付して、化
合物(5)を530mg(収率:91.7%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.50(t、J=
7.6Hz、3H)、3.58(t、J=7.6Hz、
2H)、3.86(t、J=7.6Hz、2H)、4.
52(q、J=7.6Hz、2H)、8.60(s、1
H)
【0097】実施例5
【0098】
【化14】
【0099】上記実施例4で得られた化合物(5)53
9mgのジメチルホルムアミド10ml溶液に、t−ブ
チルアミン2mlを加えて、室温下1時間攪拌する。反
応液を氷水に投入して析出する結晶を濾取し乾燥する。
この結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
溶媒:クロロホルム−メタノール)に付して、本発明の
エチル 8−tert−ブチル−3−シアノ−6,7−
ジヒドロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ−
[1,5−a]ピリミジン−5−カルボキシレート
(6)を520mg(収率:99.0%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.45(t、J=
7.6Hz、3H)、1.74(s、9H)、3.45
(t、J=8.9Hz、2H)、4.12(t、J=
8.9Hz、2H)、4.44(q、J=7.6Hz、
2H)、8.25(s、1H)
【0100】実施例6
【0101】
【化15】
【0102】実施例1で得られた化合物(2)1.16
g及び3−アミノ−4−シアノピラゾール0.5gをト
ルエン−酢酸(1:1)の混合溶液20mlに溶解し、
この溶液にBF3 ・Et2 O57μlを加えて130℃
にて2.5時間攪拌する。反応終了後、溶媒を減圧下留
去して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出溶媒:クロロホルム−メタノール)に付し
て、化合物(7)を褐色固体として446mg(収率3
0%)得た。1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:1.37(t、J
=6.9Hz、3H)、1.96(s、3H)、2.9
8(t、J=6.6Hz、2H)、4.14(t、J=
6.6Hz、2H)、4.43(q、J=6.9Hz、
2H)、8.44(s、1H)
【0103】実施例7
【0104】
【化16】
【0105】実施例6で得られた化合物(7)436m
gのオキシ塩化リン1.5ml溶液に、氷冷下トリエチ
ルアミン0.2mlを加え、120℃にて1.5時間攪
拌する。反応液に氷水及び炭酸カリウムを加え、この溶
液をクロロホルムで抽出して得られた有機層を水洗した
後、硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を減圧下留去し
て得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出溶媒:n−ヘキサン−酢酸エチル)に付して、化
合物(8)を褐色固体として233mg(収率:51
%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.48(t、J=
7.3Hz、3H)、2.02(s、3H)、3.45
(t、J=6.6Hz、2H)、4.37(t、J=
6.6Hz、2H)、4.53(q、J=7.3Hz、
2H)、8.54(s、1H)
【0106】実施例8
【0107】
【化17】
【0108】実施例7で得られた化合物(8)579m
gのジメチルフォルムアミド5.7ml溶液に、t−ブ
チルアミン0.26ml及びトリエチルアミン0.26
mlを加えて90℃にて2時間攪拌する。反応終了後、
溶媒を減圧下留去して得られる残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン−酢酸エ
チル)に付して、化合物(9)を淡褐色固体として52
8mg(収率:82%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.46(t、J=
7.3Hz、3H)、1.63(s、9H)、2.11
(s、3H)、3.05(t、J=7.3Hz、2
H)、4.26(t、J=7.3Hz、2H)、4.4
8(q、J=7.3Hz、2H)、6.21(s、1
H)、8.30(s、1H)
【0109】実施例9
【0110】
【化18】
【0111】実施例8で得られた化合物(9)457m
gのジメチルフォルムアミド10ml溶液に水素化ナト
リウム52mgを加えて、50℃にて2時間攪拌する。
反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチ
ルで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後
硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を減圧下留去して得
られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
出溶媒:n−ヘキサン−酢酸エチル)に付して、本発明
のエチル 8−tert−ブチル−3−シアノ−6,7
−ジヒドロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ−
[1,5−a]ピリミジン−5−カルボキシレート
(6)を淡黄色粉末として294mg(収率:77%)
得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.45(t、J=
7.3Hz、3H)、1.74(s、9H)、3.45
(t、J=8.9Hz、2H)、4.12(t、J=
8.9Hz、2H)、4.44(q、J=7.3Hz、
2H)、8.26(s、1H)
【0112】実施例10
【0113】
【化19】
【0114】実施例9で得られた化合物(6)638m
gをテトラヒドロフラン−エタノール(1:1)の混合
溶液34mlに溶解し、この溶液に0℃にて1規定水酸
化ナトリウム水溶液を加え同温度にて2時間攪拌する。
反応液を2規定塩酸で中和し溶媒を減圧下留去した後さ
らに2規定塩酸を加えて酢酸エチルで抽出する。得られ
た有機層を氷水、飽和食塩水で順次洗浄した後硫酸マグ
ネシウムで乾燥する。得られた溶液の溶媒を減圧下留去
して、本発明の8−tert−ブチル−3−シアノ−
6,7−ジヒドロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾ
ロ−[1,5−a]ピリミジン−5−カルボン酸(1
0)を淡黄色粉末として560mg(収率:96%)得
た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.77(s、9
H)、3.53(t、J=9.2Hz、2H)、4.2
1(t、J=9.2Hz、2H)、8.27(s、1
H)
【0115】実施例11
【0116】
【化20】
【0117】実施例10で得られた化合物(10)66
mgのテトラヒドロフラン1ml溶液にトリエチルアミ
ン39μlを加える。この溶液に、さらにクロル炭酸エ
チル27μlのテトラヒドロフラン0.25mlを−3
0℃で滴下し、同温度にて40分間攪拌する。ついで、
この反応液に28%アンモニア水0.23mlを加えて
室温にて1時間攪拌する。反応液の溶媒を減圧下留去し
た後さらに10%クエン酸を加えて酢酸エチルで抽出す
る。得られる有機層を飽和食塩水で洗浄した後硫酸マグ
ネシウムで乾燥する。溶媒を減圧下留去して得られる残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:
クロロホルム−メタノール)に付して、本発明の8−t
ert−ブチル−3−シアノ−6,7−ジヒドロ−8H
−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ−[1,5−a]ピリ
ミジン−5−カルボキサミド(11)を淡黄色粉末とし
て47mg(収率:71%)得た。1 H−NMR(CDCl3 及びCD3 OD)δ:1.7
5(s、9H)、3.53(t、J=8.9Hz、2
H)、4.14(t、J=8.9Hz、2H)、8.2
7(s、1H)
【0118】実施例12
【0119】
【化21】
【0120】実施例11で得られた化合物(11)10
0mgにオキシ塩リン5mlを加えて、加熱還流下、1
時間攪拌する。反応終了後、反応液を水に投入しクロロ
ホルムで抽出する。得られた有機層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去する。得られる残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n
−ヘキサン−酢酸エチル)に付して、本発明の8−te
rt−ブチル−3,5−ジシアノ−6,7−ジヒドロ−
8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ−[1,5−a]
ピリミジン(12)を70mg(収率:74.5%)得
た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.76(s、9
H)、3.31(t、J=8.9Hz、2H)、4.2
3(t、J=8.9、2H)、8.28(s、1H)
【0121】実施例13
【0122】
【化22】
【0123】実施例10で得られた化合物(10)46
7mgのt−ブタノール9.3ml溶液にトリエチルア
ミン0.25ml及びジフェニルリン酸アジド0.54
gを加えて90℃にて21時間攪拌する。反応液をクロ
ロホルムで抽出して得られる有機層を5%クエン酸水溶
液、飽和重曹水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで
乾燥する。溶媒を減圧下留去して得られる残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサ
ン−酢酸エチル)に付して、化合物(13)を淡黄色固
体として429mg(収率:74%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.42(s、9
H)、1.62(s、9H)、3.08(t、J=9.
2Hz、2H)、3.95(t、J=9.2Hz、2
H)、8.05(s、1H)
【0124】実施例14
【0125】
【化23】
【0126】実施例13で得られた化合物(13)40
9mgのジクロロメタン10ml溶液に、0℃にてトリ
フルオロ酢酸1.8mlて加え、同温度にて21時間攪
拌する。反応液の溶媒を減圧下留去して得られる残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロ
ロホルム−メタノール)に付して、本発明の5−アミノ
−8−tert−ブチル−3−シアノ−6,7−ジヒド
ロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ−[1,5−
a]ピリミジン・トリフルオロ酢酸塩(14)を無色粉
末として182mg(収率:43%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.64(s、9
H)、2.82(t、J=9.2Hz、2H)、3.9
7(t、J=9.2Hz、2H)、5.88(brs、
2H)、7.94(s、1H)
【0127】実施例15
【0128】
【化24】
【0129】上記実施例10で得られた化合物(10)
1.54gのアセトン6ml溶液にトリエチルアミン6
mlを加え、更に、氷冷下この溶液にクロル炭酸エチル
0.7mlのアセトン1.5ml溶液を加えて、0℃に
て30分間攪拌する。反応液にナトリウムアジド720
mgの2ml水溶液を滴下して、更に30分間撹拌す
る。反応液を氷水に投入し、析出する結晶を濾取する。
得られた結晶を乾燥した後、トルエン30mlに溶解し
て得られる溶液を1時間加熱還流する。溶媒を減圧下留
去して得られる結晶をエタノールから再結晶して、本発
明の5−アミノ−8−tert−ブチル−3−シアノ−
6,7−ジヒドロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾ
ロ−[1,5−a]ピリミジン(14)を1.36g
(収率:98.6%)得た。得られた化合物のNMRデ
ータは上記実施例14で得られたものと完全に一致し
た。
【0130】実施例16
【0131】
【化25】
【0132】ジイソプロピルアミン4.1mlのテトラ
ヒドロフラン32ml溶液を−78℃まで冷却し、この
溶液にn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.6
1M)18.2mlを滴下し同温度にて10分間攪拌す
る。この溶液にγ−ブチロラクトン(1)2.09gの
テトラヒドロフラン21ml溶液を−78℃にて40分
間かけて滴下し、その後、同温度にて更に20分間攪拌
する。この溶液にメチル ベンジルオキシアセテート
5.26gのテトラヒドロフラン10.5ml溶液を加
え、−60℃〜−50℃にて2時間攪拌する。反応終了
後0℃まで戻し、6規定塩酸で反応液のpHを1〜2に
調整し、酢酸エチルで抽出する。得られた有機層を飽和
食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒
を減圧下留去して得られる残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン−酢酸エチ
ル)に付して、化合物(15)を無色油状物として5.
57g(収率:97.9%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.19〜2.38
(m、1H)、2.68〜2.82(m、1H)、3.
91(dd、J=7.58、9.56Hz、1H)、
4.30〜4.44(m、2H)、4.30及び4.4
9(ABq、J=17.32Hz、2H)、4.60及
び4.65(ABq、J=11.55Hz、2H)、
7.28〜7.37(m、5H)
【0133】実施例17
【0134】
【化26】
【0135】実施例16で得られた化合物(15)5.
57g及び3−アミノ−4−シアノピラゾール2.83
gを酢酸13.1mlに溶解して、95℃にて20時間
加熱攪拌する。この溶液にBF3 ・エーテル57μlを
加えて130℃にて2.5時間攪拌する。反応終了後、
溶媒を減圧下留去して得られる残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン−酢酸エ
チル、およびクロロホルム−アセトン)に付して、化合
物(16)を褐色のペースト状固体として3.64g
(収率41.8%)得た。1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:1.93(s、3
H)、2.83(t、J=6.6Hz、2H)、4.2
2(t、J=6.6Hz、2H)、4.67(s、2
H)、4.74(s、2H)、7.34〜7.37
(m、5H)、8.00(s、1H)、9.86(b
s、1H)
【0136】実施例18
【0137】
【化27】
【0138】実施例16で得られた化合物(16)1.
0g及びオキシ塩化リン1.27mlをN,N−ジイソ
プロピルエチルアミン4.76mlに溶解し、130℃
で1時間加熱攪拌する。反応終了後反応液を氷水に投入
し、炭酸カリウムを加えてクロロホルムで抽出する。得
られた有機層をショートカラム(シリカゲル10g、溶
出溶媒:クロロホルム)に付した後濃縮して酢酸エチル
を加え、1規定塩酸で洗浄する。この溶液を硫酸ナトリ
ウムで乾燥した後溶媒を減圧下留去して、化合物(1
7)を褐色固体として546.7mg(収率:52%)
得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.01(s、3
H)、3.37(t、J=6.6Hz、2H)、4.3
2(t、J=6.6Hz、2H)、4.67(s、2
H)、4.84(s、2H)、7.29〜7.36
(m、5H)、8.43(s、1H)
【0139】実施例19
【0140】
【化28】
【0141】実施例18で得られた化合物(17)1.
12g、t−ブチルアミン1.6ml及びトリエチルア
ミン0.42mlをジメチルホルムアミド31mlに溶
解して、90℃で2時間加熱攪拌する。反応終了後、溶
媒を減圧下留去して得られる残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン−酢酸エチ
ル)に付して、化合物(18)を淡褐色固体として75
2.1mg(収率:61.0%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.59(s、9
H)、2.09(s、3H)、3.07(t、J=7.
26Hz、2H)、4.18(t、J=7.26Hz、
2H)、4.61(s、2H)、4.69(s、2
H)、5.90(bs、1H)、7.32〜7.37
(m、5H)、8.24(s、1H)
【0142】実施例20
【0143】
【化29】
【0144】実施例19で得られた化合物(18)82
5mgを、メタノール15ml及びテトラヒドロフラン
5mlの混合溶媒に溶解し、炭酸カリウム847mgを
加えて室温にて3時間攪拌する。反応終了後、溶媒を減
圧下留去して得られる残渣を酢酸エチルに溶解して、水
及び飽和食塩水で洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥した
後、溶媒を減圧下留去して化合物(19)を淡白色固体
として0.74g(収率:定量的)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.54(s、9
H)、2.96(t、J=5.28Hz、2H)、3.
96(t、J=5.28Hz、2H)、4.58(s、
2H)、4.67(s、2H)、6.74(bs、1
H)、7.31〜7.35(m、5H)、8.21
(s、1H)
【0145】実施例21
【0146】
【化30】
【0147】実施例20で得られた化合物(19)3
7.5mgのクロロホルム1.0ml溶液に、0℃にて
攪拌しながらメタンスルホニルクロライド0.01ml
を加えた後、トリエチルアミン0.019mlを徐々に
滴下する。滴下終了後、同温度にて更に1時間攪拌す
る。反応終了後、溶媒を濃縮しシリカゲルクロマトグラ
フィー(展開溶媒:n−ヘキサン−酢酸エチル)に付し
て、化合物(20)を淡黄白色固体として38.5mg
(収率:84.6%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.56(s、9
H)、2.85(s、3H)、3.23(t、J=6.
77Hz、2H)、4.36(t、J=6.77Hz、
2H)、4.61(s、2H)、4.71(s、2
H)、5.60(bs、1H)、7.33〜7.37
(m、5H)、8.24(s、1H)
【0148】実施例22
【0149】
【化31】
【0150】実施例21で得られた化合物(20)89
8.3mg及びトリエチルアミン0.28mlのジメチ
ルホルムアミド25ml溶液を90℃にて3時間攪拌す
る。反応液から溶媒を減圧下留去して得られる残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘ
キサン−酢酸エチル)に付して、本発明の5−ベンジル
オキシメチル−8−tert−ブチル−3−シアノ−
6,7−ジヒドロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾ
ロ−[1,5−a]ピリミジン(21)を淡黄白色固体
として564.7mg(収率:79.8%)得た。 IR(cm-1、KBr):2225、1620、158
1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.70(s、9
H)、3.14(t、J=9.24Hz、2H)、4.
02(t、J=9.24Hz、2H)、4.60(s、
2H)、4.61(s、2H)、7.31〜7.38
(m、5H)、8.17(s、1H)
【0151】実施例23
【0152】
【化32】
【0153】実施例22で得られた化合物(21)99
2.0mg、BF3 ・Et2 O27ml及びエチルチオ
ール5.6mlをジクロロメタン16mlに溶解し、室
温にて89時間攪拌する。反応終了後、この溶液に水及
びジクロロメタンを加えて分液し有機層を得る。一方、
分離した水層をアルカリ性に調整して、更にジクロロメ
タンで抽出する。得られた有機層を合わせて飽和食塩水
で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を留去
して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出溶媒:n−ヘキサン−酢酸エチル、およびクロ
ロホルム−アセトン)に付して、本発明の8−tert
−ブチル−3−シアノ−6,7−ジヒドロ−5−ヒドロ
キシメチル−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ−
[1,5−a]ピリミジン(22)を淡黄白色固体とし
て460.6mg(収率:61.8%)得た。 IR(cm-1):3410、2205、1605、15
801 H−NMR(CDCl3 )δ:1.72(s、9
H)、2.99(t、J=9.24Hz、2H)、4.
10(t、J=9.24Hz、2H)、4.59(s、
2H)、8.18(s、1H)
【0154】実施例24
【0155】
【化33】
【0156】実施例23で得られた化合物(22)70
6.3mgのジクロロメタン35ml溶液に、氷冷下、
攪拌しながらメタンスルホニルクロライド026mlを
加えた後、トリエチルアミン0.47mlを徐々に滴下
し、滴下終了後、0℃にて更に25時間攪拌する。反応
液を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥
し、溶媒を減圧下留去して、化合物(23)を淡黄白色
固体の粗製物として得た(収率:定量的)。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.72(s、9
H)、3.19(t、J=8.75Hz、2H)、3.
22(s、3H)、4.11(t、J=8.75Hz、
2H)、5.21(s、2H)、8.20(s、1H)
【0157】実施例25
【0158】
【化34】
【0159】実施例24で得られた化合物(23)15
0mg及びピリジン0.35mlをジクロロメタン中、
室温にて91.5時間攪拌する。反応終了後、析出する
不溶解物を濾取し、ジクロロメタン及びn−ヘキサンで
洗浄して乾燥し、本発明の8−tert−ブチル−3−
シアノ−6,7−ジヒドロ−5−ピリジニウムメチル−
8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ−[1,5−a]
ピリミジン・メシレート(24)を淡黄白色固体として
123.0mg(収率:66.9%)得た。 IR(cm-1、KBr):3060、2210、161
0、15801 H−NMR(CD3 OD)δ:1.75(s、9
H)、2.69(s、3H)、3.25(t、J=9.
24Hz、2H)、4.28(t、J=9.24Hz、
2H)、5.89(s、2H)、8.16〜8.22
(m、2H)、8.32(s、1H)、8.67〜8.
73(m、1H)、9.03〜9.06(m、2H)
【0160】実施例26
【0161】
【化35】
【0162】t−ブチルジメチルシリルクロライド1
5.05g及びイミダゾール17.02gを無水アセト
ニトリル200mlに溶解し、窒素ガス気流中、室温に
て10分間攪拌する。この溶液にエチルブロモヒドリン
(25)13.2gを加えて、窒素ガス気流中、室温に
て18時間攪拌する。反応液から溶媒を減圧下留去して
得られる残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和重曹水、1規
定塩酸及び水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾
燥する。溶媒を減圧下留去して得られる残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサ
ン)に付して、化合物(26)を無色液体として17.
75g(収率:74.2%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:0.08(s、6
H)、0.90(s、9H)、3.39(t、J=6.
6Hz、2H)、3.89(t、J=6.6Hz、2
H)
【0163】実施例27
【0164】
【化36】
【0165】ナトリウム1.59gを、窒素ガス気流中
室温にて無水エタノール150mlに溶解し、この溶液
にマロン酸ジエチル9.6g及び上記実施例26で得ら
れた化合物(26)16.5gを加えて、窒素ガス気流
中16時間加熱還流する。反応終了後、溶媒を減圧下留
去して得られる残渣を酢酸エチルに溶解して水で洗浄し
た後、硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を減圧下留去
して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出溶媒:n−ヘキサン−酢酸エチル)に付して、
化合物(27)を無色液体として15.1g(収率:7
9.1%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:0.03(s、6
H)、0.88(s、9H)、1.26(t、J=7.
0Hz、6H)、2.07〜2.14(m、2H)、
3.58(t、J=7.2Hz、1H)、3.65
(t、J=5.9Hz、2H)、4.13〜4.24
(m、4H)
【0166】実施例28
【0167】
【化37】
【0168】ナトリウム0.92gを、窒素ガス気流中
室温にて無水エタノール100mlに溶解し、この溶液
に上記実施例27で得られた化合物(27)6.36g
及び3−アミノ−4−シアノピラゾール2.16gを加
えて、窒素ガス気流中21時間加熱還流する。反応終了
後、析出物を濾取してエタノールで洗浄し減圧下乾燥す
る。得られる固体を水に溶解し、氷冷下、1規定塩酸で
pHを4に調整した後食塩で塩析する。析出物を濾取し
て水で洗浄し減圧下乾燥して、化合物(28)を淡赤色
固体として3.33g(収率:49.9%)得た。1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:−0.04(s、
6H)、0.84(s、9H)、2.59〜2.71
(m、2H)、3.53(t、J=6.4Hz、2
H)、3.96〜5.00(m、2H)、8.24
(s、1H)
【0169】実施例29
【0170】
【化38】
【0171】実施例28で得られた化合物(28)3.
34gにオキシ塩化リン10.7gを加え、氷冷下、ト
リエチルアミン1.01gを加える。この混合物を12
0℃にて2時間加熱攪拌した後室温に戻し、氷水中に投
入する。この水溶液のpHを炭酸カリウムでアルカリ性
に調整した後クロロホルムで抽出し、得られた有機層を
炭酸カリウムで乾燥する。溶媒を減圧下留去して得られ
る残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶
媒:n−ヘキサン−酢酸エチル−クロロホルム)に付し
て、化合物(29)を白色結晶として1.56g(収
率:56.6%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:3.51(t、J=
6.9Hz、2H)、3.86(t、J=6.9Hz、
2H)、8.45(s、1H)
【0172】実施例30
【0173】
【化39】
【0174】実施例29で得られた化合物(29)0.
74gを無水ジメチルホルムアミドに溶解し、この溶液
にt−ブチルアミン0.197g及びトリエチルアミン
0.545gを加えて、窒素ガス気流中、90℃にて2
時間加熱攪拌する。反応終了後、室温まで冷却して析出
する固体を濾取し、エタノールで洗浄した後減圧下乾燥
すして、本発明の8−tert−ブチル−5−クロロ−
3−シアノ−6,7−ジヒドロ−8H−ピロロ[3,2
−e]ピラゾロ−[1,5−a]ピリミジン(30)を
無色結晶として0.63g(収率:85.1%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.71(s、9
H)、3.10(t、J=9.2Hz、2H)、4.0
9(t、J=9.2Hz、2H)、8.16(s、1
H)
【0175】実施例31
【0176】
【化40】
【0177】実施例30で得られた化合物(30)20
0mgを3,4−ジクロロトルエン3mlに溶解し、こ
の溶液に更にフッ化セシウム219mg及び(C6
54+ Cl- 2.7mgを加えて、窒素ガス気流
中、200℃にて24時間加熱攪拌する。反応終了後、
不溶解物を濾去して得られた溶液から溶媒を減圧下留去
して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出溶媒:n−ヘキサン−酢酸エチル)に付して、
本発明の8−tert−ブチル−3−シアノ−6,7−
ジヒドロ−5−フルオロ−8H−ピロロ[3,2−e]
ピラゾロ−[1,5−a]ピリミジン(31)を白色結
晶として56.5mg得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.71(s、9
H)、3.06(t、J=9.4Hz、2H)、4.1
1(t、J=9.4Hz、2H)、8.15(s、1
H)
【0178】製剤例1(錠剤) 組成:化合物(21) 25g 乳糖 130g 結晶セルロ−ス 20g とうもろこし澱粉 20g 3%ヒドロキシプロピルセルロ−ス水溶液 100ml ステアリン酸マグネシウム 2g 製法:化合物21、乳糖、結晶セルロ−ス及びとうもろ
こし澱粉を、60メッシュふるいで篩過し均一に混合し
たのち練合機にいれ、3%ヒドロキシプロピルセルロ−
ス水溶液を注加して練合した。次いで16メッシュふる
いで篩過造粒し、50℃で送風乾燥した。乾燥後、16
メッシュふるいを通して整粒を行い、ステアリン酸マグ
ネシウムを混合し、打錠機で直径8mm、重量200mgの
錠剤にした。
【0179】製剤例2(カプセル剤) 組成:化合物(22) 25g 乳糖 125g コ−ンスタ−チ 48.5g ステアリン酸マグネシウム 1.5g 製法:上記成分を細かく粉末にし、均一な混合物になる
よう十分攪拌したのち、これを0.2gずつゼラチンカ
プセルに充填し、経口投与用のカプセル剤を得た。
【0180】製剤例3(錠剤) 組成:化合物(10) 25g 乳糖 130g 結晶セルロ−ス 20g とうもろこし澱粉 20g 3%ヒドロコシプロピルセルロ−ス水溶液 100ml ステアリン酸マグネシウム 2g 製法:化合物(10)に乳糖、結晶セルロ−ス及びとう
もろこし澱粉を60メッシュふるいで篩過し、均一に混
合したのち練合機にいれ、3%ヒドロキシプロピルセル
ロ−ス水溶液を注加して練合した。次いで16メッシュ
ふるいで篩過造粒し、50℃で送風乾燥した。乾燥後、
16メッシュふるいを通して整粒を行い、ステアリン酸
マグネシウムを混合し、打錠機で直径8mm、重量200
mgの錠剤にした。
【0181】
【発明の効果】本発明の化合物(I)は、製造工程で立
体異性体を生じることがないので異性体の分離操作によ
る損失がなく、同様の薬効を示す類似化合物より製造コ
ストが低い。そのため、現実の臨床の場で用いられる医
薬品として開発する場合に有利である。また、当該化合
物を含有する本発明の循環器系疾患治療剤は、優れた血
管拡張作用、冠血流量増加作用、抗高脂血症作用、血小
板凝集抑制作用、降圧作用などを有し、効果の持続性及
び安全性も高い。そのため、虚血性心疾患、例えば狭心
症、心筋梗塞など、脳を含む循環不全に伴う疾患、高血
圧症、動脈硬化症、血栓などの予防及び治療剤として有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/505 ADN (72)発明者 ▲高▼▲桑▼ 貴子 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 岸井 兼一 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 松永 浩 埼玉県新座市新座3丁目6−3−307 (72)発明者 清水 壽 徳島県徳島市南庄町4丁目35−8 セジュ ールサトウ202号 (72)発明者 金田 宗一 埼玉県志木市柏町4−3−63 サニーコー ト柏101号 (72)発明者 熊谷 年夫 埼玉県川越市小仙波町3−15−37 (72)発明者 長瀬 祐之助 東京都練馬区西大泉3−2−7

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I) 【化1】 式中、Rは以下の置換基: (i) COOR1 (ii) CONR12 (iii) シアノ基 (iv) NR12 (v) CH23 (vi) ハロゲン原子 (ここでR1 及びR2 は夫々独立に水素原子又は低級ア
    ルキル基であり、R3 はベンジルオキシ基、ヒドロキシ
    基又はピリジニウム基である)のいずれかである、で示
    されるピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピ
    リミジン誘導体又はその塩。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のピロロ[3,2−e]ピ
    ラゾロ[1,5−a]ピリミジン誘導体又はその塩を有
    効成分とする循環器系疾患治療剤。
JP6212194A 1994-03-08 1994-03-08 ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン誘導体及びこれを含有する循環器系疾患治療剤 Pending JPH07242670A (ja)

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