JPH0724142U - 棚板固定構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】棚板を確実に仮固定でき、搬送中の外れを防止
しうる。 【構成】ダボ穴Ｈを用いて保持され側板Ａの垂直面Ｓに
沿う基部４に、下方に向かって垂下する垂下部５を設け
た仮止め金具３の前記垂下部５を、棚板２の前面２Ｓに
位置させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、収納家具の搬送に際して棚板を該収納家具内に確実に仮固定でき、 搬送中の棚板の外れを防止しうる棚板固定構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば図１０に示すように、水平な底板ａと、その両側から立上がりしかも向 き合う垂直面にダボ穴ｈ…を上下多段にかつ前後に間隔を隔てて設けた垂直な側 面ｂ、ｂと、この側板ｂ、ｂ上端間に架設される水平な天板ｃと、底板ａ、側板 ｂ、ｂ、天板ｃの後縁を継ぐ垂直な背板ｄとからなる前開放の箱状の基体ｆ１を 具えた収納家具ｆは、従来、前記ダボ穴ｈ…を用いて側板ｂ、ｂ間に架け渡され る複数の棚板ｅ…を前記底板ａ上に載置しかつ側板ｂと棚板ｅとの間にスポンジ 等のパッキンｇを嵌着させることにより該棚板ｅ…を仮固定した状態で搬送、荷 扱い等が行われていた。

【０００３】 なお前記棚板ｅは、収納家具ｆが使用されるときには、図１１に示すように、 側板ｂ、ｂに設けた前記ダボ穴ｈ…に嵌入するダボｓによりその下面両側部が支 持される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら搬送時等に棚板ｅ…をパッキンｇを用いて収納家具ｆの前記基体 ｆ１に仮固定する従来のものにあっては、このパッキンｇによる仮固定が比較的 弱いものであるため、棚板ｅが前方に移動するなど、搬送中の荷扱いによっては 棚板ｅが外れやすく、この棚板ｅと側板ｂ等とが接触して基体ｆ１の内面に傷を 付けることがしばしばあった。

【０００５】 本考案は、ダボ穴を用いて保持される基部に、棚板前面に位置する垂下部を設 けた仮止め金具を用いることを基本として、棚板の前方への移動を阻止でき、棚 板を確実かつ容易に仮固定することが可能となり、搬送中などにおける棚板の外 れを防止しうる棚板固定構造の提供を目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、向き合う垂直面にダボ穴を上下多段にかつ前後に間隔を隔てて設け た側板と、前記ダボ穴を用いて側板間に架け渡される棚板とを有する収納家具の 搬送に際して前記棚板を前記収納家具内で仮固定する棚板固定構造であって、前 記ダボ穴を用いて保持され側板の垂直面に沿う基部に、下方に向かって垂下する 垂下部を設けた仮止め金具の前記垂下部を、棚板の前面に位置させる。

【０００７】

【作用】

ダボ穴を用いて保持される基部に、下方に向かって垂下しかつ棚板の前面に位 置する垂下部を設けた仮止め金具を用いて棚板を収納家具内で仮固定する。従っ て、前記垂下部によって棚板の前方への移動が阻止されるため、棚板の仮固定を 確実化でき、搬送中における棚板の外れを防止しうるとともに、収納家具の内面 に外れた棚板によって傷が付けられることも防ぐことが出来る。

【０００８】 又前記仮止め金具は、例えばダボ穴に嵌入するダボを用いて容易に側板に取付 けうるため、前記仮固定のための作業を能率化しうる。

【０００９】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明する。 図１〜３において本考案の棚板固定構造は、一対の側板Ａ、Ａと、この側板Ａ 、Ａ間に架け渡される棚板２とを有する収納家具Ｆの搬送に際して前記棚板２を 前記収納家具Ｆの基体Ｆ１内で仮止め金具３を用いて仮固定する。

【００１０】 収納家具Ｆの前記基体Ｆ１は、図１に示すように、向き合う垂直面Ｓ、Ｓにダ ボ穴Ｈ…を上下多段にかつ前後に間隔を隔てて設けた矩形の側板Ａ、Ａと、この 側板Ａ、Ａの下端間、上端間を夫々継ぐ水平かつ矩形の底板Ｂ、天板Ｃと、側板 Ａ、Ａ、底板Ｂ、天板Ｃ後端間を継ぐ垂直かつ矩形の背板Ｄとからなる前開放の 箱状をなす。

【００１１】 又棚板２は、その両側面２Ａ、２Ａと前記側板Ａ、Ａの各垂直面Ｓ、Ｓとの間 に小間隙Ｇ、Ｇを隔てて該側板Ａ、Ａ間に水平に架け渡される矩形板体であって 、同高さ位置の４つの前記ダボ穴Ｈ…に嵌入するダボなどを介して該ダボ穴Ｈ… を用いて支持されうる。

【００１２】 前記仮止め金具３は、図２、図３に示すように、前記小間隙Ｇを通る垂直かつ 矩形の基片９と、その上下端から夫々棚板２の上面、下面に沿って内方に突出す る水平かつ矩形の上、下の係止片１０Ａ、１０Ｂと、前記基片９の上端から外面 を揃えて立上がる垂直な立上げ片１１と、基片９の下端から外面を揃えて立下が る垂直な立下げ片１２と、立上げ片１１、立下げ片１２の外面から夫々突出しか つダボ穴Ｈに嵌入しうる円柱状の突片１３、１３とからなる基部４、およびこの 基部４の前記上の係止片１０Ａ外端から下方に向かって垂下しかつ下の係止片１ ０Ｂ外端に接続されるとともに前記基片９の前端から直角に内方に折曲がる板状 の垂下部５を一体に具える。

【００１３】 なお仮止め金具３は、前記基片９の垂直方向中央を通る水平面に対して上下対 称に形成されるとともに、前記上、下の係止片１０Ａ、１０Ｂによって棚板２を 挟着することにより、４つの仮止め金具３…が棚板２の四隅に取付けられる。

【００１４】 又この取付けにより前記垂下部５は、棚板２の前面２Ｓ又は後面に当接すると ともに、四隅に仮止め金具３…を取付けた棚板２は、仮止め金具３の前記突片１ ３、１３を上下に隣り合うダボ穴Ｈ、Ｈに嵌入させることにより収納家具Ｆの前 記基体Ｆ１に仮固定される。

【００１５】 このように仮止め金具３の前記基部４は、ダボ穴Ｈ、Ｈを用いて保持されると ともに、基部４の前記基片９、立上げ片１１、立下げ片１２の各外面は側板Ａの 前記垂直面Ｓに沿う。

【００１６】 又仮止め金具３の前記上、下の係止片１０Ａ、１０Ｂは、棚板２を挟着し、し かも前記垂下部５が棚板２の前面２Ｓに位置するため、該棚板２の前方、及び上 下方向への移動を阻止でき、棚板２の基体Ｆ１からの外れを確実に防止しうると ともに、１種類の仮止め金具３…を共用することにより棚板２の四隅を仮固定す るため、仮止め金具として多種のものを準備する必要がなく、部材管理を容易と し、かつコストの節減を図りうる。

【００１７】 なお前記仮止め金具３は、図３に一点鎖線で示すように、前記立上げ片１１、 立下げ片１２を内方に湾曲させたのち復元させて突片１３、１３をダボ穴Ｈ、Ｈ に嵌入することにより手間を要することなくワンタッチで側板Ａに取付けでき、 取扱い性を高めうる。

【００１８】 又図４に示すように、収納家具Ｆを使用するときには、前記仮止め金具３を側 板Ａ、Ａ間に架け渡される棚板２の支持金具としても活用でき、金具の汎用性を 高めうるとともに、ダボ穴Ｈに嵌入して棚板２を支持するダボを不要とでき、部 材管理の簡略化等を図りうる。

【００１９】 図５〜７に本考案に係る仮止め金具３の他の実施例を示す。 本例において仮止め金具３は、棚板２の側面２Ａと側板Ａの前記垂直面Ｓとの 間の小間隙Ｇを通りかつ下端が棚板２の下面よりも下方に位置する垂直かつ矩形 の基部４と、この基部４の上端から内方にのびかつ前方に湾曲するとともに棚板 ２の上面に接する水平な略Ｌ字状の上の係止片１６と、この上の係止片１６の前 端から棚板２の前面２Ｓに沿って垂下する垂下部５と、この垂下部５の下端から 棚板２の下面に当接して後方にのびる下の係止片１７とからなる。

【００２０】 又前記基部４には、棚板２下面よりも下方にダボ１９挿入用の孔１５が透設さ れるとともに、仮止め金具３は、図６に示すような、略Ｌ字状の鉄板製の基板１ ８を折曲げ加工することにより容易に成形することが出来る。

【００２１】 然して、棚板２の四隅近傍に、前記仮止め金具３、および前記基板１８から折 曲げ加工により仮止め金具３と同様に成形されしかも棚板２の後面に接する垂下 部を有する他の仮止め金具を、前記上、下の係止片１６、１７間で棚板２を挟着 することにより取付けるとともに、前記孔１５、ダボ穴Ｈにダボ１９を嵌入し、 該棚板２を収納家具Ｆの前記基体Ｆ１に仮固定する。

【００２２】 本実施例においても、ダボ穴Ｈを用いて側板Ａの前記垂直面Ｓに沿って基部４ が保持される仮止め金具３は、その上、下の係止片１６、１７間で棚板２を挟着 し、かつ垂下部５を棚板２の前面２Ｓに位置させているため、棚板２の前方、及 び上下方向への移動を阻止でき、確実に棚板２を基体Ｆ１に仮固定しうる結果、 収納家具Ｆの搬送中における棚板２の外れを防止できる。

【００２３】 図８、９に本考案に係る仮止め金具３の他の実施例を示す。 本例において仮止め金具３は、ダボ穴Ｈに嵌入される円柱状の突片２２を外面 から突設した垂直な板状の基部４と、この基部４の下端から内方に水平に張出し かつ前記底板Ｂ上に載置された棚板２の上面に接するとともに基部４の前縁をこ えて前にのびる矩形の張出し片２３と、この張出し片２３の前端から下方に向か って垂下しかつ棚板２の前面２Ｓに位置する垂下部５とを具える。

【００２４】 又前記基部４の下端からは、外面を揃えて下方に向かって断面先細状となる立 下げ片２４が垂下する。

【００２５】 仮止め金具３は、底板Ｂ上に例えば２枚重ねて載置された棚板２、２の各側面 ２Ａと側板Ａがなす前記垂直面Ｓとの間に前記立下げ片２４を嵌入しかつ前記垂 下部５を棚板２の前面に当接させしかも前記張出し片２３を棚板２の上面に載置 させて該棚板２の前端部両側に配されるとともに、前記基部４を図９に一点鎖線 で示すように内方に湾曲させたのち復元させることにより前記突片２２をダボ穴 Ｈに嵌入することによって、該基部４を垂直面Ｓに沿わせつつダボ穴Ｈを用いて 仮止め金具３が保持される。

【００２６】 又該保持によって、棚板２は、前記張出し片２３と底板Ｂとの間で挟着される とともに、前記垂下部５によって前方への移動が阻止された状態で前記基体Ｆ１ に仮固定されるため、棚板２の外れを確実に防止できる。

【００２７】 なお棚板２は、前記底板Ｂに代えて、同高さ位置の４つのダボ穴Ｈ…に嵌入さ れるダボによって支持された状態で、前記仮止め金具３を用いて仮固定してもよ い。

【００２８】

【考案の効果】

叙上の如く本考案の棚板固定構造は、ダボ穴を用いて収納家具の側板に保持さ れる基部に、下方に向かって垂下する垂下部を設けた仮止め金具の前記垂下部を 、棚板の前面に位置させているため、棚板の前方への移動を該垂下部によって阻 止しつつ棚板を容易にかつ確実に収納家具内に仮固定でき、収納家具の搬送に際 しての棚板の外れを防止しうる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】仮止め金具を例示する斜視図である。

【図３】本考案の一実施例を示す一部を破断した部分正
面図である。

【図４】使用時の収納家具を示す正面図である。

【図５】仮止め金具の他の実施例を示す斜視図である。

【図６】その成形前の部材を示す斜視図である。

【図７】その使用状態を示す部分正面図である。

【図８】仮止め金具のさらに他の実施例を示す斜視図で
ある。

【図９】その使用状態を示す断面図である。

【図１０】従来の技術を説明するための斜視図である。

【図１１】ダボを用いた棚板の支持構造を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

２ 棚板 ２Ｓ 棚板の前面 ３ 仮止め金具 ４ 基部 ５ 垂下部 Ａ 側板 Ｆ 収納家具 Ｈ ダボ穴 Ｓ 垂直面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】向き合う垂直面にダボ穴を上下多段にかつ
   前後に間隔を隔てて設けた側板と、前記ダボ穴を用いて
   側板間に架け渡される棚板とを有する収納家具の搬送に
   際して前記棚板を前記収納家具内で仮固定する棚板固定
   構造であって、前記ダボ穴を用いて保持され側板の垂直
   面に沿う基部に、下方に向かって垂下する垂下部を設け
   た仮止め金具の前記垂下部を、棚板の前面に位置させる
   ことを特徴とする棚板固定構造。