JPH07238252A - 柔軟性基材用コーティング組成物 - Google Patents

柔軟性基材用コーティング組成物

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JPH07238252A
JPH07238252A JP5299094A JP5299094A JPH07238252A JP H07238252 A JPH07238252 A JP H07238252A JP 5299094 A JP5299094 A JP 5299094A JP 5299094 A JP5299094 A JP 5299094A JP H07238252 A JPH07238252 A JP H07238252A
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JP
Japan
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weight
acrylic polymer
resistance
coating composition
vinylidene fluoride
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Application number
JP5299094A
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English (en)
Inventor
Koichi Nishiwaki
孝一 西脇
Nobuyuki Ito
信幸 伊藤
Hiroshi Someya
宏 染谷
Katsuo Kobayashi
勝雄 小林
Hiroshi Tsuchiya
博 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Dainippon Shikizai Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Shikizai Kogyo Co Ltd
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 含フッ素共重合体とアクリル系重合体との相
溶性に優れ、かつ耐候性,耐可塑剤移行性,耐汚染性に
優れ、しかも基材との密着性に優れ、可塑剤を含有する
柔軟性基材のコーティング剤として有用なコーティング
組成物を提供する。 【構成】 柔軟性基材用コーティング組成物は、単量体
成分として、フッ化ビニリデン60〜75重量%、テト
ラフルオロエチレン20〜40重量%およびヘキサフル
オロプロピレン0〜20重量%を含む含フッ素共重合体
を60〜80重量部、単量体成分としてメチルメタクリ
レートを85重量%以上含み、かつイソシアネート基を
有するアクリル系重合体を40〜20重量部、および前
記含フッ素共重合体および前記アクリル系重合体の総量
100重量部に対し、炭素数3〜5のケトン系溶媒を1
00〜500重量部、含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐候性,耐汚染性およ
び密着性などに優れたコーティング組成物に関し、特に
塩化ビニル樹脂などの柔軟性基材に好適に使用されるコ
ーティング組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニルなどの柔軟性基材を用い
た製品においては、基材に含まれる可塑剤が基材表面に
移行することによって表面に粘着性が生じ、そのため汚
れが付着しやすく、また付着した汚れが落ちにくいとい
う問題がある。例えば、机上で使用されるデスクマット
では、コピー紙や新聞紙等をデスクマット上に長時間置
くと、コピー紙のトナーや新聞紙のインク等がデスクマ
ット表面に付着して汚れを生ずる。また、屋外で使用さ
れるテント地や自動車のボディなどは、紫外線や排気ガ
スなどの長時間にわたる暴露によって基材が劣化しやす
く、また汚染も著しい。
【0003】このような柔軟性基材における主として可
塑剤による悪影響を低減するために、柔軟性基材の表面
に耐候性ならびに耐汚染性に優れたフッ素樹脂系のコー
ティング組成物を塗布することが行われている。
【0004】例えば、特公昭62-14574号公報では、フッ
化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンまたはフッ化
ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロ
プロピレンからなる共重合体のようなフッ素ゴムとメチ
ルメタクリレートを主体とするアクリル系重合体とを低
級ケトン類に溶解したコーティング組成物が開示されて
いる。しかしながら、これらのフッ素ゴムとアクリル系
重合体との組合せからなる組成物は、溶媒に対する十分
な可溶性と重合体相互の十分な相溶性とを有していない
ため、耐候性,耐久性が不十分である。
【0005】また同様のコーティング組成物としては、
特開平4-232738号公報に開示されたものがある。この組
成物は、ビニリデンフルオライドを主体とする含フッ素
共重合体25〜60重量%と、メチルメタクリレートを
主体とする樹脂40〜75重量%とを組合わせて構成さ
れている。しかしながら、これらの含フッ素共重合体と
アクリル系樹脂との組合せからなる組成物は、アクリル
系樹脂の含有量が多いため、耐候性、耐汚染性に劣る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、含フッ素共
重合体とアクリル系重合体との相溶性に優れ、かつ耐候
性,耐可塑剤移行性,耐汚染性に優れ、しかも基材との
密着性に優れ、可塑剤を含有する柔軟性基材のコーティ
ング剤として有用なコーティング組成物を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、単量体成分と
して、フッ化ビニリデン60〜75重量%、テトラフル
オロエチレン20〜40重量%およびヘキサフルオロプ
ロピレン0〜20重量%を含む含フッ素共重合体を60
〜80重量部、単量体成分としてメチルメタクリレート
を85重量%以上含み、かつイソシアネート基を有する
アクリル系重合体を40〜20重量部、および、前記含
フッ素共重合体および前記アクリル系重合体の総量10
0重量部に対し、炭素数3〜5のケトン系溶媒を100
〜500重量部、含有することを特徴とする。
【0008】前記含フッ素共重合体としては、単量体成
分がフッ化ビニリデンおよびテトラフルオロエチレンか
らなる2元共重合体と、単量体成分がフッ化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロ
ピレンからなる3元共重合体とを組み合わせて使用する
ことが好ましい。これらの2元共重合体と3元共重合体
とを組み合わせることにより、組成物の耐熱性および耐
ブロッキング性を良好にすることができる。
【0009】前記アクリル系重合体の単量体成分として
は、好ましくは、メチルメタクリレート85〜99.9
重量%、エチレン性不飽和二重結合を含むイソシアネー
ト化合物0.1〜15重量%およびその他の重合可能な
アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステ
ル0〜14.9重量%である。また、前記アクリル系重
合体は、その数平均分子量Mnが10,000〜50,
000であることが好ましい。
【0010】また、前記コーティング組成物中には、耐
候性を向上させるために、組成物全体に対して約0.1
〜10重量%の紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。 (含フッ素共重合体)本発明における含フッ素共重合体
は、フッ化ビニリデン60〜75重量%、テトラフルオ
ロエチレン20〜40重量%およびヘキサフルオロプロ
ピレン0〜20重量%、好ましくは、フッ化ビニリデン
60〜75重量%、テトラフルオロエチレン20〜30
重量%およびヘキサフルオロプロピレン0〜15重量%
の単量体成分を重合して形成される。含フッ素共重合体
は、主として塗膜に耐候性および耐汚染性を付与するも
のである。
【0012】フッ化ビニリデンが60重量%より少ない
と、アクリル系重合体との相溶性が低下して特に耐候性
が悪化する。また、フッ化ビニリデンが75重量%を越
えると、共重合体にフッ化ビニリデンに起因する結晶が
生ずるため、塗膜の光沢ならびに基材への追従性(耐屈
曲性)が低下する。テトラフルオロエチレンは、共重合
体の溶媒への溶解性を向上させるために必要である。た
だし、テトラフルオロエチレン自身も結晶性を有するた
め、その使用範囲は結晶が生じないことを考慮して20
〜40重量%の範囲で選択される。また、ヘキサフルオ
ロプロピレンは、テトラフルオロエチレンと同様に、フ
ッ化ビニリデンの結晶性を低下させて溶媒に対する溶解
性を高めるために用いられる。ただし、ヘキサフルオロ
プロピレンは、そのトリフルオロメチル基が基材との密
着性を阻害するために、20重量%より少ない割合で使
用される。
【0013】含フッ素共重合体は、単独でもよいが、フ
ッ化ビニリデンおよびテトラフルオロエチレンの2元共
重合体と、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン
およびヘキサフルオロプロピレンの3元共重合体とを併
用することが好ましい。
【0014】前記2元共重合体は、耐候性、耐汚染性に
加えて耐熱性、耐ブロッキング性を付与するものであ
る。2元共重体において、フッ化ビニリデンとテトラフ
ルオロエチレンとの組成比は、好ましくはフッ化ビニリ
デンが60〜75重量%、さらに好ましくは65〜75
重量%、特に好ましくは70〜75重量%である。フッ
化ビニリデンの割合が、60重量%未満並びに75重量
%を越える場合には、いずれも溶剤に対する溶解性が著
しく低下する。
【0015】前記3元共重合体は、主として、前記2元
共重合体とアクリル系重合体との相溶性を高め、耐候
性、耐汚染性に加えて透明性、耐屈曲性(塗膜追従性)
を付与するものである。3元共重合体において、フッ化
ビニリデン、テトラフルオロエチレンおよびヘキサフル
オロプロピレンの組成比は、好ましくは、フッ化ビニリ
デンが60〜75重量%、テトラフルオロエチレンが2
0〜40重量%およびヘキサフルオロプロピレンが1〜
20重量%であり、さらに好ましくは、フッ化ビニリデ
ンが60〜70重量%、テトラフルオロエチレンが20
〜30重量%およびヘキサフルオロプロピレンが10〜
20重量%である。フッ化ビニリデンが60重量%未満
の場合には、アクリル系重合体との相溶性が損なわれ、
75重量%を越える場合には、溶剤との溶解性が著しく
損なわれる。テトラフルオロエチレンが20重量%未満
の場合には、前記2元共重合体との相溶性が損なわれ、
40重量%を越える場合には、溶剤との溶解性が著しく
低下する。ヘキサフルオロプロピレンが1重量%未満の
場合には、溶解性が低下し、20重量%を越える場合に
は、透明性、耐屈曲性(塗膜追従性)が低下する。
【0016】前記2元共重合体と3元共重合体との併用
割合は、両者の重量比(3元共重合体/2元共重合体)
で好ましくは95/5〜50/50、より好ましくは9
0/10〜60/40である。このように3元共重合体
と2元共重合体とを併用することにより、組成物の耐熱
性並びに耐ブロッキング性を向上させることができる。
ただし、2元共重合体が上記範囲を超えると、透明性、
耐屈曲性(塗膜追従性)が低下するという問題が生じ、
一方2元共重合体が上記範囲より少ないと、耐熱性、耐
ブロッキング性が低下するという問題が生じる。 (アクリル系重合体)本発明において、アクリル系重合
体に用いられる単量体としては、例えば、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸ラウリルまたは(メタ)アクリル酸ステアリ
ルなどのエステルが挙げられる。これらのうち、メタク
リル酸メチル(メチルメタクリレート)は必須の成分で
あり、アクリル系重合体の単量体成分として85重量%
以上の割合で使用されることが必要である。メチルメタ
クリレートの割合が85重量%より少ない場合には塗膜
の耐候性、耐薬品性、樹脂相互の相溶性および耐薬品性
が不十分となる。
【0017】前記アクリル系重合体の単量体成分として
は、好ましくは、メチルメタクリレート85〜99.9
重量%、エチレン性不飽和二重結合を含むイソシアネー
ト化合物0.1〜15重量%およびその他の重合可能な
アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステ
ル0〜14.9重量%である。
【0018】また、前記アクリル系重合体は、イソシア
ネート基を有する。本発明において、アクリル系重合体
に架橋構造を導入することは、塗膜が脆くなり、耐屈曲
性(塗膜追従性)に劣る結果となる。すなわち、発明者
らの研究によると、実際に用いられるような条件におい
ては、架橋構造を有するアクリル系重合体を用いた組成
物の塗膜は細かなひび割れを生じ、空気中の水や汚染物
質を透過させるため、むしろ耐候性や耐汚染性が低下す
る傾向にあり、ほとんどの場合好ましくない。ただし、
イソシアネート基は例外的で、空気中の水分によって部
分的に加水分解を生じ、架橋構造を構成するが、上述の
ような問題を生じにくい。
【0019】アクリル系重合体にイソシアネート基を導
入するためには、エチレン性不飽和二重結合を有するイ
ソシアネート化合物をアクリル系重合体に対し0.1〜
15重量%の割合で共重合させる。イソシアネート化合
物をこの範囲で使用することにより、耐候性,耐汚染性
および耐屈曲性を損なうことなく、基材に対する密着性
を向上させることができる。イソシアネート化合物が
0.1重量%未満では密着性が悪く、一方15重量%を
越えると耐汚染性が劣る。
【0020】前記イソシアネート化合物としては、イソ
シアネートエチル(メタ)アクリレート、イソシアネー
トプロピル(メタ)アクリレートなどのイソシアネート
基含有アクリレート、これらのイソシアネート基含有ア
クリレートの誘導体、m−イソプロペニル−α,α−ジ
メチルベンゼンイソシアネートなどがあり、特にイソシ
アネートエチルアクリレートが好適である。
【0021】アクリル系重合体の分子量は、好ましくは
数平均分子量Mn(ゲルパーメーションクロマトグラフ
ィによるスチレン換算)で10,000〜50,000
であり、さらに好ましくは10,000〜30,000
である。Mnが10,000より小さいと耐屈曲性が悪
く、50,000を超えると、粘度が高過ぎ、塗装作業
性において好ましくない。
【0022】本発明において、含フッ素共重合体(2元
共重合体+3元共重合体)とアクリル系重合体との割合
は、重量比(含フッ素共重合体/アクリル系重合体)で
60/40〜80/20であり、特に好ましくは65/
35〜75/25である。含フッ素共重合体が、60重
量%より少ない場合には耐候性が著しく低下し、80重
量%より多い場合には密着性が著しく低下する。 (溶媒)本発明において用いられる有機溶媒としては、
炭素数3〜5のケトン系溶媒、例えばアセトン、メチル
エチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケ
トン、メチルイソプロピルケトン、シクロブタノン、シ
クロペンタノンなどを挙げることができ、特にアセト
ン、メチルエチルケトンが好ましい。
【0023】炭素数3〜5のケトン系溶媒を全溶媒量の
50重量%以上の割合で用いると、基材の表面をわずか
に溶解することにより密着性を与付することができる。
【0024】有機溶媒としては、さらに他の有機溶媒、
例えば、メチルイソブチルケトン、メチルn−ブチルケ
トン、エチルn−ブチルケトン、メチルn−アミルケト
ン、ジイソブチルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、
メシチルオキシド、シクロヘキサノン、ジアセトンアル
コール、メチルフェノールケトン、イソホロン等のケト
ン系溶媒;酢酸エチル、n−プロピルアセテート、酢酸
n−ブチル、酢酸イソブチル、2−メトキシエチルアセ
テート、アミルアセテート、アジピン酸ジメチル、グル
タル酸ジメチル、コハク酸ジメチル等のエステル系溶
媒;メチルセルソルブ、2−メトキシ−2−プロパノー
ルセルソルブ、1−エトキシ−2−プロパノールブチル
セロソルブ、1,4−ジオキサン、プロピレングリコー
ルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテ
ルアセテート等のエーテル系溶媒等を併用することがで
きる。 (コーティング組成物)本発明のコーティング組成物に
は、必要に応じて、熱安定化剤、酸化防止剤、滑剤、耐
汚染防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、脱水剤、染料、
消泡剤、分散剤等を配合することができ、特に紫外線吸
収剤および脱水剤を配合することが望ましい。
【0025】前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベン
ゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジフェニルアクリロ
ニトリル誘導体(2,2−ジヒドロキシ4−メトキシベ
ンゾフェノン,エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニ
ルアクリレート,2−ヒドロキシ4−n−オクトキシベ
ンゾフェノン等)が挙げられ、これらの紫外線吸収剤は
コーティング組成物の全体に対して約0.1〜10重量
%の割合で含まれることが好ましい。
【0026】また、前記脱水剤としては、オルソギ酸ト
リメチル、オルソギ酸トリエチル、オルソギ酸トリプロ
ピル、オルソギ酸トリブチルなどのオルソギ酸トリアル
キル類;オルソ酢酸トリメチル、オルソ酢酸トリエチ
ル、オルソ酢酸トリプロピル、オルソ酢酸トリブチルな
どのオルソ酢酸トリアルキル類;および、オルソ珪酸テ
トラメチル、オルソ珪酸テトラエチル、オルソ珪酸テト
ラプロピル、オルソ珪酸テトラブチルなどのオルソ珪酸
テトラアルキル類などが用いられる。この脱水剤はコー
ティング組成物に対して0.5〜5重量%の割合で使用
されることが好ましい。
【0027】本発明のコーティング組成物が適用される
柔軟性基材としては、ポリエチレン、エチレンと他のビ
ニル化合物の共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル
およびその他のポリビニル重合体等を挙げることがで
き、特にポリ塩化ビニルが好ましい。これらの柔軟性基
材は、通常基材の全重量に対して約20重量%以上の可
塑剤が含有される。このような可塑剤としては、例えば
フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリク
レジル、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等を挙
げることができる。
【0028】また、本発明のコーティング組成物は、グ
ラビア塗布、スプレー塗布、ローラー塗布、スクリーン
印刷等の方法によって柔軟性基材にコーティングされ、
その後溶媒を揮散させるために加熱あるいは室温で放置
されることによって、被膜を形成する。この際の加熱処
理は20〜200℃で30分〜30秒ぐらいであること
が好ましい。また、乾燥被膜の厚さは用途によって適正
値が設定されるが、通常1μm〜10μmである。
【0029】本発明の柔軟性基材用コーティング組成物
を塗布した柔軟性基材は、デスクマット、テント地、塩
ビ鋼板などとして使用することができる。
【0030】
【実施例】次に、本発明の実施例および比較例を示し、
本発明をさらに詳細に説明する。本発明はその要旨を超
えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例において割合を示す「部」および「%」は
それぞれ重量部および重量%を意味する。
【0031】実施例1 表1に示すように、3元系の含フッ素共重合体(3元系
共重合体)17部と、2元系の含フッ素共重合体(2元
系共重合体)4部と、アクリル系重合体の溶液22.5
部(固形分濃度40%,数平均分子量Mn20,00
0)と、脱水剤としてオルソ酢酸メチル1部と、紫外線
吸収剤として2−ヒドロキシ4−n−オクトキシベンゾ
フェノン1部とを、メチルイソブチルケトン(MIB
K)20部、メチルエチルケトン30部およびアセトン
6.5部からなる混合溶媒に加え、60℃で2時間加熱
して重合体を溶解させ、溶液状のコーティング組成物を
得た。
【0032】ここで、前記3元系共重合体としては、重
合仕込比(フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン
/ヘキサフルオロプロピレン)が重量比で62/23/
15であるものを用い、前記2元系共重合体としては、
重合仕込比(フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレ
ン)が重量比で73/27のものを用いた。また、前記
アクリル系重合体は、メチルメタクリレート86%、イ
ソシアネートエチルアクリレート4%およびブチルアク
リレート10%からなるモノマー混合物40部をMIB
K60部に溶解させ、アゾビスイソブチロニトリル1.
1部の存在下において温度約90℃で共重合させて得ら
れたものである。
【0033】このようにして得られたコーティング組成
物をポリ塩化ビニルのフィルム(可塑剤としてフタル酸
ジオクチルを35%含有)上に膜厚が約3マイクロメー
トルになるように塗布し、100℃で2分間の加熱乾燥
を行った。そして、得られたサンプルに対して以下の特
性試験を行った。
【0034】(1)密着性 サンプルの塗膜を形成した面に粘着テープを圧着し、こ
の粘着テープを剥したときの塗膜の状況を目視にて観察
した。この試験の評価基準は次の通りである。
【0035】○……塗膜がほとんど剥離しない △……塗膜の一部が剥離した ×……塗膜がほぼ完全に剥離した (2)耐汚染性 サンプルの塗膜上に汚染物として、カーボンと灯油とが
1:2の重量比からなるカーボンペーストを塗布し、2
4時間放置後、中性洗剤で洗浄し、サンプル表面にカー
ボンペーストが残っていないかどうか目視で観察した。
評価基準は次の通りである。
【0036】○……ほぼ完全に汚れが落ちた △……若干汚れが認められる ×……汚れがかなり残り黒ずんで見える (3)耐可塑剤移行性 サンプルを10×10cm角の板状に切断し、塗膜を形
成している面にコピー操作によってトナーが付着したコ
ピー紙を密着させ、この状態で2Kgの荷重をかけ、6
0℃に保持したオーブン中で24時間放置した。その後
オーブンよりサンプルを取り出してコピー紙を剥し、サ
ンプル板表面にコピー紙のトナーが残っているかどうか
を目視にて観察した。評価基準は次の通りである。
【0037】 ○……トナーがほぼ完全にない(可塑剤移行なし) △……若干トナーが付着して黒くなった(わずかに可塑
剤移行あり) ×……一面にトナーが付着してコピー紙が剥がれない
(可塑剤移行あり) (4)耐ブロッキング性(軍手圧着試験) サンプル形成直後(加熱乾燥直後)に軍手でサンプル表
面を押さえ、サンプル表面に痕が残らないかどうか目視
で観察した。評価基準は次の通りである。
【0038】○……痕が残らない △……痕が残る ×……へこみが残る (5)耐屈曲性(塗膜追従性) サンプルを、その塗布面が山折りになるようにして裏面
が重なり合うように180゜の角度で折曲げ、塗膜の折
り目の状態を観察した。評価基準は次の通りである。
【0039】○……塗膜の折り目が白くないもの △……塗膜の折り目が白いもの ×……塗膜にひびが生じる (6)耐候性 サンプルに対してデューサイクルサンシャインウエザオ
メータで200時間の暴露を行い、光沢保持率(%)を
光沢計(村上色彩技術研究所製GMX−202)によっ
て測定し、以下のように評価した。
【0040】○……光沢保持率90%以上 △……光沢保持率60%以上90%未満 ×……光沢保持率60%未満 以上の試験結果を表1に示す。
【0041】実施例2,3、比較例1〜4 単量体、重合体あるいは溶媒の組成を表1に示すように
特定したほかは実施例1と同様にしてコーティング組成
物を調製し、さらに前記各物性(1)〜(6)について
同様の試験を行った。
【0042】表1の結果から明らかなように、本発明の
実施例においては全ての特性試験において良好な結果が
得られた。これに対し、比較例1においては、含フッ素
共重合体の含有割合が小さすぎるため、特に耐可塑剤移
行性が劣っていた。比較例2においては、アクリル系重
合体においてイソシアネート基を含まず、特に密着性と
耐屈曲性に劣っていた。比較例3においては、アクリル
系重合体においてメチルメタクリレートの割合が少さす
ぎるため、特性の全般にわたって劣り、特に耐ブロッキ
ング性と耐屈曲性とが劣っていた。そして、比較例4に
おいては、有機溶媒として炭素数が5より大きいものの
みを用いてるため、密着性および耐ブロッキング性にお
いて劣っていた。比較例5においては、ケトン系溶媒を
使用していないため、密着性に劣っていた。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、耐候性、耐可塑剤移行
性、耐汚染性並びに密着性等にすぐれ、柔軟性基材のコ
ーティング剤として有用なコーティング組成物を提供す
ることができる。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 信幸 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 染谷 宏 東京都千代田区神田神保町3丁目7番地1 大日本色材工業株式会社内 (72)発明者 小林 勝雄 東京都千代田区神田神保町3丁目7番地1 大日本色材工業株式会社内 (72)発明者 土屋 博 東京都千代田区神田神保町3丁目7番地1 大日本色材工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単量体成分として、フッ化ビニリデン6
    0〜75重量%、テトラフルオロエチレン20〜40重
    量%およびヘキサフルオロプロピレン0〜20重量%を
    含む含フッ素共重合体を60〜80重量部、 単量体成分としてメチルメタクリレートを85重量%以
    上含み、かつイソシアネート基を有するアクリル系重合
    体を40〜20重量部、および前記含フッ素共重合体お
    よび前記アクリル系重合体の総量100重量部に対し、
    炭素数3〜5のケトン系溶媒を100〜500重量部、
    含有することを特徴とする柔軟性基材用コーティング組
    成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100400609C (zh) * 2003-07-10 2008-07-09 浙江化工科技集团有限公司 一种水性氟涂料
JP2009522415A (ja) * 2005-12-30 2009-06-11 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 接着性ポリマーを含有するフルオロポリマーコーティング組成物および基材コーティング法
JP2010526886A (ja) * 2007-04-23 2010-08-05 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー フルオロポリマー被膜フィルム、それの形成方法、およびフルオロポリマー液体組成物
WO2021024983A1 (ja) * 2019-08-07 2021-02-11 日東化成株式会社 防汚塗料組成物

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