JPH0723631U - 自動車用パワーシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パワーシートを、簡単な回路構成によって乗
員が何ら不便なく、シートバックをリクライニングで
き、シートをスライドできるようにする。 【構成】 シートの規制スライド範囲にてシートバック
が規制傾倒範囲に傾倒された時には第１修正回路にてシ
ートバックの傾倒を停止し、シートを規制スライド範囲
外にスライドさせた後、シートバックの傾倒を再開させ
る。また、シートバックの規制傾倒範囲にてシートが規
制スライド範囲にスライドされた時には第２修正回路に
てシートのスライドを停止し、シートバックを規制傾倒
範囲外に傾倒させた後、シートのスライドを再開させ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、自動車用パワーシートに関し、特にアームレスト付きフロントシ ートにおいて何ら不便なく、シートバックをリクライニングでき、又シートをス ライドできるようにしたパワーシートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車においては、着座する乗員の体格等に応じ、リクライニング機構を操作 してシートバックの傾倒角度を設定し、スライダー機構を操作してシートの前後 位置を設定できるようにするのが一般的であるが、最近は駆動モータを設けてリ クライニング機構及びスライダー機構をパワー化することが行われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに、アームレストを備えたフロントシートをパワー化した場合、シート の設定位置によってはシートバックをリクライニングすると、アームレストがセ ンターコンソールと干渉してリクライニングできず、又シートバックの後傾角度 によってはシートを前方にスライドさせると、アームレストがセンターコンソー ルと干渉してスライドできなくなるという問題があった。

【０００４】 なお、実開昭５６−１７１３４５号公報に示されるように、シートバックの傾 斜角を検知し、これが所定の角度を越えると、シートバックを前傾させた後、他 の機構を作動させるようにしたパワーシートが知られているが、かかるパワーシ ートはマイクロコンピュータ等で構成され、構成が複雑になる。

【０００５】 この考案は、かかる問題点に鑑み、簡単な回路構成によって乗員が何ら不便な く、シートバックをリクライニングでき、シートをスライドできるようにした自 動車用パワーシートを提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案に係る自動車用パワーシートは、モータ駆動にてシートバックを 前傾後傾させるリクライニング機構とモータ駆動にてシートの前後位置を設定す るスライダー機構とを備えた自動車用パワーシートにおいて、リクライニング用 モータに通電する第１通電回路と、第１スイッチの操作にて第１通電回路による 通電を制御する第１リレー回路と、スライダー用モータに通電する第２通電回路 と、第２スイッチの操作にて第２通電回路による通電を制御する第２リレー回路 と、シートの規制スライド範囲にてシートバックが規制傾倒範囲に傾倒された時 には第１リレー回路を制御してシートバックの傾倒を停止し第２リレー回路を制 御してシートを規制スライド範囲外にスライドさせた後第１リレー回路を制御し てシートバックの後傾を再開させる第１修正回路とを備えたことを特徴とする。

【０００７】 また、本考案に係る自動車用パワーシートは、第１修正回路に代え、シートバ ックの規制傾倒範囲にてシートが規制スライド範囲にスライドされた時には第２ リレー回路を制御してシートのスライドを停止し第１リレー回路を制御してシー トバックを規制傾倒範囲外に傾倒させた後第２リレー回路を制御してシートのス ライドを再開させる第２修正回路を備えたことを特徴とする。

【０００８】 なお、第１、第２の修正回路は同時に設けるのがよい。

【０００９】

【作用及び考案の効果】

第１スイッチを操作すると、第１リレー回路にて第１通電回路が制御され、リ クライニグ用モータが通電されてシートバックを前傾又は後傾させることができ る。また、第２スイッチを操作すると、第２リレー回路にて第２通電回路が制御 され、スライダー用モータが通電されてシートを前方又は後方にスライドせるこ とができる。

【００１０】 その際、シートが規制スライド範囲にある場合にシートバックが規制傾倒範囲 に傾倒されると、アームレストとセンターコンソールとの干渉が懸念されるが、 第１修正回路が第１、第２リレー回路を制御し、シートバックの傾倒を停止して シートを規制スライド範囲外にスライドさせた後、シートバックの傾倒を再開さ せるので、アームレストとセンターコンソールとが干渉することなく、不便なく シートバックをリクライニングさせることができる。

【００１１】 また、シートバックが規制傾倒範囲にある場合にシートが規制スライド範囲に スライドされると、同様にアームレストとセンターコンソールとの干渉が懸念さ れるが、第２修正回路が第１、第２リレー回路を制御し、シートのスライドを停 止してシートバックを規制傾倒範囲外に傾倒させた後、シートのスライドを再開 させるので、アームレストとセンターコンソールとが干渉することなく、不便な くシートをスライドさせることができる。

【００１２】 従って、本考案によれば、乗員が何ら不便なく、シートバックをリクライニン グでき、シートをスライドでき、しかも装置をハード回路にて構成しているので 、装置が複雑化することもない。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図１ないし図４ は本考案の一実施例による自動車用パワーシートを示す。図１ないし図３におい て、車室フロアＦ上にはシート１が配設され、該シート１はシートクッション１ ０とシートバック１１とから構成され、シートバック１１にはアームレスト１２ 及びヘッドレスト１３が設けられている。

【００１４】 上記シートクッション１０とシートバック１１との間には駆動モータ２０によ って駆動されるリクライニング機構２が設けられてシートバック１１は前後に傾 倒可能に構成され、又シートクッション１０の下側には駆動モータ３０によって 駆動されるスライダー機構３が設けられてシート１は前後位置を設定できるよう になっている。なお、リクライニング機構２及びスライダー機構３は公知の機構 を採用できるので、その詳細な説明は省略する。

【００１５】 また、リクライニング機構２において、シートクッション１０側のロアブラケ ット２１にはリミットスイッチＬＬ１、ＬＬ２が取付けられ、シートバック１１ 側のアッパブラケット２２には操作片２３が固定され、リミットスイッチＬＬ１ 、ＬＬ２は操作片２３によってＯＮ・ＯＦＦされてシートバック１１の傾倒角度 を検知するようになっている。また、図５に示すように、リミットスイッチＬＬ １は規制傾倒範囲ＣではＯＮとなり、規制傾倒範囲外ＤではＯＦＦとなる一方、 リミットスイッチＬＬ２は規制傾倒範囲外Ｄと規制傾倒範囲Ｃの境界で両範囲Ｃ 、ＤにわたりかつリクライニングのオーバーランでＯＮ・ＯＦＦしない角度範囲 でＯＮするように設定されている。なお、リミットスイッチＬＬ１には２回路入 りスイッチが使用されている。

【００１６】 また、スライダー機構３において、シートクシッョン１０のアッパレール３１ にはリミットスイッチＳＬ１、ＳＬ２が取付けられ、ロアレール３２には突起部 ３２０が形成され、リミットスイッチＳＬ１、ＳＬ２は突起部３２０によってＯ Ｎ・ＯＦＦされてシート１の前後位置を検知するようになっている（但し、リミ ットスイッチＳＬ１をＯＮさせる突起部は図示していない）。また、図５に示す ように、リミットスイッチＳＬ１は規制スライド範囲ＡではＯＮとなり、規制ス ライド範囲外ＢではＯＦＦとなる一方、リミットスイッチＳＬ２は規制スライド 範囲外Ｂと規制スライド範囲Ａの境界で両範囲Ａ、Ｂにわたりかつスライドのオ ーバーランでＯＮ・ＯＦＦしないスライド範囲でＯＮするように設定されている 。なお、リミットスイッチＳＬ１には２回路入りスイッチが使用されている。

【００１７】 また、図４は制御回路の構成を示す。図において、２０、３０はリクライニン グ用及びスライダー用のモータ、４はリレー切片Ry1 、Ry2 が接続され、スライ ダー用モータ３０に通電する第２通電回路、５はリレー切片Ry3 、Ry4 が接続さ れ、リクライニング用モータ２０に通電する第１通電回路、６はリレーRy1 、Ry 2 が接続され、マニュアルスイッチ（第２スイッチ）ＳＳＷの操作にて第２通電 回路４による通電を制御する第２リレー回路、７はリレーRy3 、Ry4 が接続され 、マニュアルスイッチ（第１スイッチ）ＬＳＷの操作にて第１通電回路５による 通電を制御する第１リレー回路である。

【００１８】 また、８は２回路リミットスイッチＬＬ１及びリミットスイッチＳＬ２にて構 成され、シート１の規制スライド範囲Ａにてシートバック１１が規制傾倒範囲Ｃ に後傾された時には第１リレー回路７を制御してシートバック１１の後傾を停止 し第２リレー回路６を制御してシート１を規制スライド範囲外Ｂにスライドさせ た後、第１リレー回路７を制御してシートバック１１の後傾を再開させる第１修 正回路である。また、９は２回路リミットスイッチＳＬ１及びリミットスイッチ ＬＬ２にて構成され、シートバック１１の規制傾倒範囲Ｃにてシート１が規制ス ライド範囲Ａにスライドされた時には第２リレー回路６を制御してシート１のス ライドを停止し第１リレー回路７を制御してシートバック１１を規制傾倒範囲外 Ｄに前傾させた後、第２リレー回路６を制御してシート１のスライドを再開させ る第２修正回路である。

【００１９】 次に、動作について説明する。まず、マニュアルスイッチＳＳＷを接点ＳＦ側 にＯＮすると、第２リレー回路６のリレーRy1 が通電されて第２通電回路４のリ レー切片Ry1 がＯＮとなり、このときリレー切片Ry2 はアース側に接続されてい るので、モータ３０が通電されて回転し、シート１は前方にスライドされる。マ ニュアルスイッチＳＳＷを接点ＳＢ側にＯＮすると、モータ３０は逆方向に通電 されて逆回転し、シート１は後方にスライドされる。

【００２０】 また、マニュアルスイッチＬＳＷを接点ＬＦ側にＯＮすると、第１リレー回路 ７のリレーRy3 が通電されて第１通電回路５のリレー切片Ry3 がＯＮとなり、こ のときリレー切片Ry4 はアース側に接続されているので、モータ２０が通電され て回転し、シートバック１１は前方に傾倒される。マニュアルスイッチＬＳＷを 接点ＬＢ側にＯＮすると、モータ２０は逆方向に通電されて逆回転し、シートバ ック１１は後方に傾倒される。

【００２１】 ところで、シート１が前方の規制スライド範囲Ａにある状態において、マニュ アルスイッチＬＳＷを接点ＬＢ側にＯＮし、シートバック１１が後方に傾倒され て規制傾倒範囲Ｃになると、アームレスト１２とセンタコンソールＦ１とが干渉 してリクライニング不能となるが、本例のパワーシートでは上述の状態になると リミットスイッチＳＬ１がＯＮしており、電源、リレーRy4 、リミットスイッチ ＳＬ１の切片及びリミットスイッチＬＬ１の切片で第１リレー回路が構成されて おり、マニュアルスイッチＬＳＷを接点ＬＢ側にＯＮすると、モータ２０が通電 されてシートバック１１が後方への傾倒を開始する。

【００２２】 シートバック１１が後傾してリミットスイッチＬＬ２がＯＮすると、第１リレ ー回路への通電が停止されてシートバック１１の後傾が停止され、今度は電源、 リレーRy2 、リミットスイッチＳＬ１の切片、リミットスイッチＬＬ１の切片及 びマニュアルスイッチＬＳＷの経路が閉成されて第２通電回路４がＯＮされ、モ ータ３０が回転してシート１が後方にスライドされる。

【００２３】 シート１が規制スライド範囲外ＢとなってリミットスイッチＳＬ１がＯＦＦと なると、第２通電回路４がＯＦＦされてシート１の後方へのスライドが停止され 、同時に電源、リレーRy4 、リミットスイッチＳＬ１の切片及びマニュアルスイ ッチＬＳＷの経路が閉成されてシートバック１１は後傾を再開する。

【００２４】 こうしてアームレスト１２とセンタコンソールＦ１とが干渉することなく、所 望の角度にシートバック１１をリクライニングできる。なお、シート１が規制ス ライド範囲Ａと範囲外Ｂとの境界付近にある場合はリミットスイッチＳＬ２がＯ Ｎするが、マニュアルスイッチＳＳＷがＯＦＦされているので、問題はない。

【００２５】 また、シートバック１１が後方の規制傾倒範囲Ｃにある状態において、マニュ アルスイッチＳＳＷを接点ＳＦ側にＯＮし、シート１が前方にスライドされて規 制スライド範囲Ａになると、アームレスト１２とセンタコンソールＦ１とが干渉 してスライド不能となるが、上述の状態ではリミットスイッチＬＬ１がＯＮして おり、電源、リレーRy1 、リミットスイッチＬＬ１の切片及びリミットスイッチ ＳＬ２の切片で第２リレー回路が構成されており、マニュアルスイッチＳＳＷを 接点ＳＦ側にＯＮすると、モータ３０に通電されてシート１が前方スライドを開 始する。

【００２６】 シート１がスライドしてリミットスイッチＳＬ２がＯＮすると、第２リレー回 路への通電が停止されてシート１のスライドが停止され、電源、リレーRy3 、リ ミットスイッチＬＬ１の切片、リミットスイッチＳＬ２の切片及びマニュアルス イッチＳＳＷの経路が閉成されて第１通電回路５がＯＮされ、モータ２０が回転 してシートバック１１が前方に傾倒される。

【００２７】 シートバック１１が規制傾倒範囲外ＤとなってリミットスイッチＬＬ１がＯＦ Ｆとなると、第１通電回路５がＯＦＦされてシートバック１１の前傾が停止され 、同時に電源、リレーRy1 、リミットスイッチＬＬ１の切片及びマニュアルスイ ッチＳＳＷの経路が閉成されてシート１は前方スライドを再開する。

【００２８】 こうしてアームレスト１２とセンタコンソールＦ１とが干渉することなく、シ ート１を所望の位置にスライドさせることができる。なお、シートバック１１が 規制傾倒範囲Ｃと範囲外Ｄとの境界付近にある場合はリミットスイッチＬＬ２が ＯＮするが、マニュアルスイッチＬＳＷがＯＦＦされているので問題はない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例による自動車用パワーシー
トを示す概略図である。

【図２】 上記パワーシートを示す側面構成図である。

【図３】 上記パワーシートを示す正面断面構成図であ
る。

【図４】 上記パワーシートの制御回路を示す回路構成
図である。

【図５】 上記パワーシートの動作タイミングを示す図
である。

【符号の説明】

１…シート １０…シートクッション １１…シートバック ２…リクライニング機構 ２０…駆動モータ ３…スライダー機構 ３０…駆動モータ ４…第２通電回路 ５…第１通電回路 ６…第２リレー回路 ７…第１リレー回路 ８…第２修正回路 ９…第１修正回路

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 モータ駆動にてシートバックを前傾後傾
   させるリクライニング機構と、モータ駆動にてシートの
   前後位置を設定するスライダー機構とを備えた自動車用
   パワーシートにおいて、 リクライニング用モータに通電する第１通電回路と、 第１スイッチの操作にて上記第１通電回路による通電を
   制御する第１リレー回路と、 スライダー用モータに通電する第２通電回路と、 第２スイッチの操作にて上記第２通電回路による通電を
   制御する第２リレー回路と、 シートの規制スライド範囲にてシートバックが規制傾倒
   範囲に傾倒された時には第１リレー回路を制御してシー
   トバックの傾倒を停止し第２リレー回路を制御してシー
   トを規制スライド範囲外にスライドさせた後、第１リレ
   ー回路を制御してシートバックの傾倒を再開させる第１
   修正回路とを備えたことを特徴とする自動車用パワーシ
   ート。
2. 【請求項２】 モータ駆動にてシートバックを前傾後傾
   させるリクライニング機構と、モータ駆動にてシートの
   前後位置を設定するスライダー機構とを備えた自動車用
   パワーシートにおいて、 リクライニング用モータに通電する第１通電回路と、 第１スイッチの操作にて上記第１通電回路による通電を
   制御する第１リレー回路と、 スライダー用モータに通電する第２通電回路と、 第２スイッチの操作にて上記第２通電回路による通電を
   制御する第２リレー回路と、 シートバックの規制傾倒範囲にてシートが規制スライド
   範囲にスライドされた時には第２リレー回路を制御して
   シートのスライドを停止し第１リレー回路を制御してシ
   ートバックを規制傾倒範囲外に傾倒させた後、第２リレ
   ー回路を制御してシートのスライドを再開させる第２修
   正回路とを備えたことを特徴とする自動車用パワーシー
   ト。