JPH07235095A - 光磁気再生ピックアップ - Google Patents

光磁気再生ピックアップ

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JPH07235095A
JPH07235095A JP6267507A JP26750794A JPH07235095A JP H07235095 A JPH07235095 A JP H07235095A JP 6267507 A JP6267507 A JP 6267507A JP 26750794 A JP26750794 A JP 26750794A JP H07235095 A JPH07235095 A JP H07235095A
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JP
Japan
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optical
magneto
light
mode
optical waveguide
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Application number
JP6267507A
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English (en)
Inventor
Satoshi Nakano
聡 中野
Sadaichi Miyauchi
貞一 宮内
Takeshi Yamazaki
剛 山崎
Satoshi Sasaki
智 佐々木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導波路の製造ばらつきや温度変化による光学
パラメータの変動又は出射光の波長変動等があっても、
2つの固有モード間の位相差を容易に補償(πの整数
倍)でき、楕円偏光による再生信号の劣化を防止する。 【構成】 発光手段5から出射されたレーザ光のTEモ
ード成分を光磁気記録媒体側に案内し、光磁気記録媒体
からの反射光を差動光検出部9側に案内する光導波路4
を具備し、この光導波路4に、反射光に含まれるTEモ
ードとTMモードの各光成分の位相差を補償する位相補
償手段を設けて構成する。この場合、位相補償手段を、
電気光学結晶からなる基板上に、この基板よりも光屈折
率の高い薄膜を形成して構成された光導波路4と、この
光導波路4に対し、TMモードに沿う方向に電界を印加
する位相制御電極(21a及び21b)及びフィードバ
ック回路11とで構成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば光磁気ディスク
等に記録されている情報信号の再生に用いられる光磁気
再生ピックアップに関し、特に光導波路を用いた光磁気
再生ピックアップに用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来の個別部品を使用した光磁気再生ピ
ックアップは、図15にその一例を示すように、例えば
レーザダイオードによるレーザ光源と偏光板とを具備す
る光源部101から出射された所定の偏光面を有する直
線偏光(以下、これをTE波と記す)を、パーシャルビ
ームスプリッタ(以下、単にパーシャルBSと記す)1
02を通じて、記録媒体、即ち光磁気記録媒体103に
照射するようになされ、この光磁気記録媒体103から
の反射光を、上記パーシャルBS102によって反射さ
せ、更にアナライザ(45度検光)によって、一対の光
検出素子105a及び105bに入射させてそれぞれ電
気信号(検出出力)として、後段の差動増幅器106に
入力させる構成を採用している。なお、上記一対の光検
出素子105a及び105b並びに差動増幅器106に
て差動検出回路107が構成される。この場合、パーシ
ャルBS102は、例えばTE波を20%反射し、これ
と直交する偏波面のTM波をほぼ100%反射する特性
とされる。
【0003】このようにして、光源部101からのTE
波は、その大部分(80%)が光磁気記録媒体103に
照射される。そして、この光磁気記録媒体103の記録
信号磁化に応じて光−磁気相互作用(カー効果)によっ
て偏光面が回転した反射光が再びパーシャルBS102
に入るが、ここで上記カー効果による回転(カー回転)
によって生じたTM波成分はほとんど反射される。
【0004】上記パーシャルBS102で反射されたT
M波成分は、次のアナライザ104によって45度検光
分岐されて一対の光検出素子105a及び105bに入
射される。この場合、光磁気記録媒体103の記録情報
に応じて、即ち上記カー回転の大小によって、例えば一
方の光検出素子105aへの入射光量が小となることか
ら、両者の検出出力を差動検出回路107によって差動
的に検出することにより、再生信号を取り出すことがで
きる。
【0005】一方、光磁気再生ピックアップとして、そ
の小型化、軽量化、量産性の向上を図ったものとして、
光導波路によるいわゆる光集積技術を用いた光磁気再生
ピックアップ、即ち光導波路からの出射光を直接光磁気
記録媒体に照射し、その透過光又は反射光の偏光面の回
転を検出する光磁気再生ピックアップが提案されている
(例えば、特開昭60−224139号公報,特開平1
−279432号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、図16に示す
ように、光導波路111を伝搬する光Lは、直交する偏
波方向に対応するモード間の伝搬定数が異なるため、導
波路を出射する光は、一般に楕円偏光となる。
【0007】磁気光学材料表面に入射する光の偏光が楕
円になると、検出される偏波面の回転の情報は小さくな
る。光導波路に入射する偏光の方向を一つの固有モード
に一致させれば、往路については、偏光状態を保ったま
まで、導波路を通過させることはできる。しかし、磁気
光学材料表面での反射光を再び導波路に入射させようと
する場合、復路においては、磁気光学材料による偏波面
の回転により、もう一方の固有モード成分も生じ、これ
ら2つのモード間の位相差によって出射光は結局楕円偏
光になる。
【0008】以下、入射光の偏光方向に対してそれぞれ
±45゜に検光方向を傾けた検光子を使って差動検出を
行なう場合について、図17及び図18を参照しながら
説明する。ここで、図17及び図18で示す線図は、縦
軸にTEモード偏波方向をとり、横軸にTMモード偏波
方向をとって、2つの反射光、即ち上向き磁化での反射
光121と下向き磁化での反射光122の各偏光方向
(ベクトル)を描いたものである。
【0009】これら図17及び図18において、横軸に
対して±45゜方向に延びる線m及びnは、入射光12
3の偏光方向に対して+45゜及び−45゜にそれぞれ
検光方向を傾けた2つの検光子の検光方向を示す。な
お、この例では、TMモードの光を光磁気記録媒体に入
射させた場合を想定している。
【0010】即ち、光磁気記録媒体の磁化の向きを反転
させた場合、2つの反射光121及び122の各偏光方
向は、そのカー効果によって、横軸TMに対して+θ又
は−θほど回転する。このとき、差動検出器の出力は、
ピーク・トゥー・ピークで(線分AA’−線分aa’)
−(線分BB’−線分bb’)となる。
【0011】これら反射光121及び122が光導波路
を伝搬することにより、図18に示すように、それぞれ
楕円偏光124及び125になった場合、各楕円から線
m,nに投影した線分AA’と線分aa’の差(=線分
AA’−線分aa’)並びに線分BB’と線分bb’の
差(=線分BB’−線分bb’)は、それぞれ図17に
おける線分AA’と線分aa’の差(=線分AA’−線
分aa’)並びに線分BB’と線分bb’の差(=線分
BB’−線分bb’)に比べて小さくなってしまい、そ
れに応じて検出信号は低下する。
【0012】磁気光学材料での偏波面の回転角をθ、光
導波路に光を片道導波したときに生じる2つの固有モー
ド間の位相差をψとし、入射偏波方向からそれぞれ±4
5゜傾いた方向の偏波面について差動検出すると、検出
信号は、cosψsin2θに比例する。
【0013】これにより、位相差ψをπの整数倍にすれ
ば、信号の劣化はないことになる。この場合、位相差ψ
は導波路長に比例するので、導波路の長さによりこれを
調整するという方法もあるが、波長オーダーの作製精度
を要求されるため、現実的ではない。更に、温度変化に
よる導波路の光学パラメータの変化や光源の波長変動に
起因する出射光の偏光状態の変化に対応できないという
問題もある。
【0014】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、導波路の製造ばらつき
や温度変化による光学パラメータの変動又は出射光の波
長変動等があっても、2つの固有モード間の位相差を容
易に補償(πの整数倍)することができ、楕円偏光によ
る再生信号の劣化を防止することができる光磁気再生ピ
ックアップを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光磁気再生
ピックアップは、図1に示すように、発光手段5から出
射された光の第1のモードの光成分を記録媒体側に案内
し、該記録媒体にて反射した光を光検出器9側に案内す
る光導波路4を具備させ、この光導波路4に、反射光に
含まれる第1と第2のモードの各光成分の位相差を補償
する位相補償手段を設けて構成する。
【0016】この場合、上記第1のモードを垂直偏波モ
ード又は水平偏波モードとすることができ、上記第2の
モードは上記第1のモードが垂直偏波モードのとき、水
平偏波モードとし、上記第1のモードが水平偏波モード
のとき、垂直偏波モードとすることができる。
【0017】そして、上記位相補償手段を、図2に示す
ように、電気光学結晶からなる基板1上に、該基板1よ
りも光屈折率の高い薄膜2を形成して構成された上記光
導波路4と、この光導波路4に対し、電界を印加する電
界印加手段(位相制御電極21及びフィードバック回路
11)とで構成することができる。
【0018】また、上記位相補償手段を、図6に示すよ
うに、基板41上に、電気光学結晶からなり、かつ基板
41よりも光屈折率の高い薄膜43を形成して構成され
た上記光導波路4と、この光導波路4に対し、電界を印
加する電界印加手段(位相制御電極21及びフィードバ
ック回路11)とで構成することができる。
【0019】なお、上記上記電界印加手段によって印加
する電界の方向は、上記第1又は第2のモードに沿う方
向としてもよく、上記光導波路4の膜厚方向としてもよ
い。
【0020】また、位相補償手段としては、図7に示す
ように、上記光導波路4上に形成された温度制御素子5
4を設けて構成してもよいし、図11に示すように、発
光手段64から出射される光の波長を可変にする波長制
御手段(波長可変半導体レーザ64,駆動電流源66及
びフィードバック回路65)を設けて構成するようにし
てもよい。
【0021】
【作用】本発明に係る光磁気再生ピックアップにおいて
は、発光手段5から出射された光の第1のモードの光成
分が光導波路4によって記録媒体側に案内され、該記録
媒体にて反射した光(反射光)が同じく光導波路4によ
って光検出器9側に案内されて、この光検出器9から再
生信号が取り出されることになる。
【0022】このとき、上記反射光は、第1のモード
(例えばTEモード)の光成分と第2のモード(例えば
TMモード)の光成分が混在し、各モード間の位相差に
よって楕円偏光となる。その結果、通常はこの楕円偏光
によって再生信号の劣化を引き起こすことになる。
【0023】しかし、上記2つのモード間の位相差をπ
の整数倍とすることにより、再生信号の劣化は回避でき
る。
【0024】本発明に係る光磁気再生ピックアップにお
いては、上記2つのモード間の位相差を補償する位相補
償手段を具備しているため、この位相補償手段によっ
て、例えば上記2つのモード間の位相差をπの整数倍に
補償することが可能となり、その結果、上記楕円偏光に
よる再生信号の劣化を防止することができる。
【0025】特に、上記位相補償手段を、電気光学結晶
からなる基板1上に、該基板1よりも光屈折率の高い薄
膜2を形成して構成された上記光導波路4と、この光導
波路4に対し、電界を印加する電界印加手段とで構成し
た場合においては、この電界印加手段によって電界を印
加すると、いわゆるポッケルス効果により、電気光学結
晶からなる基板1の光屈折率の屈折率成分が変化する。
【0026】具体的には、上記電界印加手段によって、
例えば第2のモードに沿う方向に電界を印加すると、上
記ポッケルス効果により、電気光学結晶からなる基板1
の光屈折率中、第2のモードに沿う方向の屈折率成分が
変化する。また、上記電界印加手段によって、例えば光
導波路の膜厚方向に電界を印加すると、ポッケルス効果
により、電気光学結晶からなる基板1の光屈折率中、膜
厚方向の屈折率成分が変化する。
【0027】これによって、電界の印加方向に電界成分
を持つモード(光成分のモード)の伝搬定数が変化し、
2つのモード間の位相差が変化することなる。具体的に
は、例えば電界印加手段にて膜厚方向に電界を印加した
場合は、膜厚方向に電界成分を持つTMモードの伝搬定
数が変化し、2つのモード間の位相差が変化することな
る。従って、上記電界印加手段から発生する電界の強度
を適宜選定することにより、上記2つのモードの位相差
を制御できることになり、該位相差をπの整数倍に調整
することが可能となる。
【0028】また、上記位相補償手段を、基板41上
に、電気光学結晶からなり、かつ上記基板41よりも光
屈折率の高い薄膜43を形成して構成された上記光導波
路4と、この光導波路4に対し、電界を印加する電界印
加手段とで構成した場合においても、上記電界印加手段
から発生する電界の強度を適宜選定することにより、上
記2つのモードの位相差を制御できることになり、該位
相差をπの整数倍に調整することが可能となる。
【0029】また、位相補償手段を、上記光導波路4上
に形成された温度制御素子54を設けて構成した場合に
おいては、温度制御素子54によって光導波路4の一部
の温度を制御できることとなる。従って、この温度制御
素子54による上記一部の温度を適宜変化させることに
より、上記2つのモードの位相差を制御できることにな
り、該位相差をπの整数倍に調整することが可能とな
る。
【0030】また、発光手段64から出射される光の波
長を可変にする波長制御手段を設けて構成した場合にお
いては、波長制御手段によって発光手段64の波長を制
御できることとなる。従って、この波長制御手段によっ
て発光手段64の波長を適宜変化させることにより、上
記2つのモードの位相差を制御できることになり、該位
相差をπの整数倍に調整することが可能となる。
【0031】
【実施例】以下、本発明に係る光磁気再生ピックアップ
のいくつかの実施例を図1〜図14を参照しながら説明
する。
【0032】まず、第1実施例に係る光磁気再生ピック
アップは、図1及び図2に示すように、電気光学結晶、
例えばKTP(zカット板)からなる高さ約0.5mm
の基板1上に、高光屈折率の誘電体膜である例えばTi
2 薄膜を成膜して膜厚約170nmの導波層2とし、
更にこの導波層2に対してイオンミリングにより選択的
に20nmほどエッチングを行なうことにより、所定の
導波路に沿って延び、かつ導波路部分が断面凸状となさ
れた凸状ライン(厚み約170nm)3を有するいわゆ
るリブ型3次元光導波路の形状に形成された光導波路4
を有して構成されている。
【0033】この光導波路4における光磁気記録媒体と
対向する面(以下、単に対向面と記す)aの反対側の端
面bには、光源、例えば半導体レーザ(レーザダイオー
ド)5が設置されている。この半導体レーザ5は、その
活性層が光導波路4の往路6と接続されて、該光導波路
4と光学的に結合されている。また、光導波路4の往路
6の途上には、所定の偏光面を有する直線偏光(TE
波)を得るための偏光子としてのモードフィルタ7が配
置されている。
【0034】ここで、光導波路4を構成する凸状ライン
3は、半導体レーザ5から出射されたレーザ光及び光磁
気記録媒体で反射した光(総称して、導波光と記す)を
効果的に閉じ込めて、光導波路4に沿って効率よく伝達
させるためのものである。そして、本実施例において
は、上記導波光の膜厚方向のビーム幅が最小になり、か
つシングルモード条件を満たすように、導波層2の膜
厚,凸状ライン3の幅及び高さが選ばれる。例えば、半
導体レーザ5から出射されるレーザ光の波長λが63
2.8nmである場合、TM0次モードについて、凸状
ライン3の高さ及び幅をそれぞれ170nm及び2μm
にすることにより、膜厚方向のビーム幅として210n
mが実現できる。
【0035】また、この光導波路4は往路6の途中でほ
ぼY状に分岐されている。この往路6から分岐した部分
は、光磁気記録媒体で反射した光が通過する部分であっ
て、この光導波路4の復路8を構成している。従って、
以下の説明では、この分岐した部分を復路8と記す。
【0036】この復路8の途中からその終端にかけて差
動光検出部9が配されている。この差動光検出部9は、
図3に示すように、復路8から分岐する2本の分岐路8
a及び8bと、これら分岐路8a及び8bの先端にそれ
ぞれ光学的に結合され、上記分岐路8a及び8bからの
反射光を光電変換する例えばフォトダイオードからなる
第1及び第2の光検出素子9a及び9bとを有して構成
されている。これら光検出素子9a及び9bの出力端子
は、外部に設置された差動増幅器10に接続されてい
る。この差動増幅器10は、上記第1及び第2の光検出
素子9a及び9bからの各検出信号を差動増幅する回路
であり、この差動増幅器10の出力端子から光磁気記録
媒体に記録されている情報信号が取り出されることにな
る。この実施例においては、後述するフィードバック回
路11を通してその出力端子から再生出力Sを得るよう
にしている。なお、上記第1及び第2の光検出素子9a
及び9b並びに上記差動増幅器10にて差動増幅回路1
2が構成されることになる。
【0037】また、上記差動光検出部9における各分岐
路8a及び8bには、第1及び第2の信号検出用モード
フィルタ13a及び13bが設けられる。これら第1及
び第2の信号検出用モードフィルタ13a及び13b
は、理想的には例えばTEモードに対して+45゜及び
−45゜をなす偏光面を透過するように設けられる。
【0038】上記第1及び第2の信号検出用モードフィ
ルタ13a及び13bは、例えば互いに所要の角度をな
す両側面を有する溝14を設け、これら側面14a及び
14bにそれぞれ分岐路8a及び8bが通ずるように
し、更にこれら各分岐路8a及び8bが通ずる部分に、
例えばクラッド型モードフィルタを形成することによっ
て構成することができる。このような所要角度の側面を
有する溝14の形成は、基板1の結晶面の選定と、基板
1に対する結晶学的異方性エッチングによって形成で
き、エッチング後の基板1上にリブ型光導波路を構成す
るTiO2 膜2を形成することにより、上記溝14の形
成に伴う該溝14の側面14a及び14b上に凸状ライ
ン3、即ち分岐路8a及び8bが通ずるように構成する
ことが可能となる。
【0039】そして、上記半導体レーザ5から出射され
たレーザ光は、光導波路4の往路6における凸状ライン
3に導入され、この凸状ライン3によって対向面a側に
導かれる。このとき、レーザ光は、途中に形成されたモ
ードフィルタ7によって所定の偏光面の直線偏光(TE
波)とされて対向面a側に導かれる。対向面a側に導か
れたレーザ光は、直接図示しない光磁気記録媒体に照射
され、その光磁気記録媒体に記録されている磁化情報に
応じて光−磁気相互作用によってその偏光面が回転さ
れ、反射光として再び光導波路4の凸状ライン3に導入
される。
【0040】この反射光は、上記光磁気記録媒体の磁化
に応じた光−磁気相互作用によってその偏光面が回転さ
れていることから、TEモードの光成分とTMモードの
光成分とが混在した光となる。
【0041】反射光は、復路8に設けられた差動光検出
部9の各信号検出用モードフィルタ13a及び13bに
て、それぞれ+45゜の偏光成分と−45゜の偏光成分
が透過されて、対応する光検出素子9a及び9bに入射
される。
【0042】ここで、光磁気記録媒体に記録されている
磁化情報が例えば上向き磁化であって、反射光の偏光面
がTEモードに対して+θほど回転したものである場
合、第1の信号検出用モードフィルタ13aを透過した
光成分が、第2の信号検出用モードフィルタ13bを透
過した光成分よりも光量的に多くなり、それに応じて、
第1の光検出素子9aから出力される検出信号の信号レ
ベルが第2の検出素子9bから出力される検出信号の信
号レベルよりも高くなり、差動増幅器10からは例えば
正の振幅を有する出力信号が出力されることになる。
【0043】一方、光磁気記録媒体に記録されている磁
化情報が下向き磁化であって、反射光の偏光面がTEモ
ードに対して−θほど回転したものである場合、第1の
信号検出用モードフィルタ13aを透過した光成分が、
第2の信号検出用モードフィルタ13bを透過した光成
分よりも光量的に少なくなり、それに応じて、第1の光
検出素子9aから出力される検出信号の信号レベルが第
2の検出素子9bから出力される検出信号の信号レベル
よりも低くなり、差動増幅器10からは例えば負の振幅
を有する出力信号が出力されることになる。
【0044】上記差動増幅器10から出力される出力信
号の極性に対応させて、正のとき論理的に「0」、負の
とき論理的に「1」というように、光磁気記録媒体に記
録されている磁化情報を論理情報に変換することができ
る。
【0045】そして、この第1実施例に係る光磁気再生
ピックアップは、図1及び図2に示すように、リブ型光
導波路4を構成する凸状ライン3を含む導波層2上に例
えばSiO2 からなる平坦化膜15を形成し、この平坦
化膜15上にプラス電極21aを構成する1枚の例えば
Al電極膜(以下、プラス電極膜と記す)と、マイナス
電極21bを構成する2枚のAl電極膜(以下、それぞ
れマイナス電極膜と記す)を形成して構成されている。
【0046】プラス電極21aは、光導波路4の往路6
中、Y分岐点と対向面aの間における凸状ライン3の直
上部分に形成され、2つのマイナス電極21bは、上記
プラス電極21aの両脇部分に該プラス電極21aから
所定距離ほど離間させて形成されている。本実施例にお
いては、プラス電極21aの側端からマイナス電極21
bの側端までの距離を数μmに設定してある。これらプ
ラス電極21a及びマイナス電極21bにて位相制御用
電極21が構成される。
【0047】そして、この第1実施例においては、上記
位相制御用電極21と上記差動増幅器10間にフィード
バック回路11を挿入接続することにより、光導波路4
の凸状ライン3に対して膜厚方向(z方向)の電界が印
加されるように構成されている。このフィードバック回
路11の構成は後述する。なお、このz方向は、反射光
に含まれるTMモードと同じ方向である。
【0048】上記のように、z方向に電界を印加する
と、ポッケルス効果によって、電気光学結晶(KTP)
にて形成された基板1における光屈折率のz方向成分が
変化し、それに応じて、TMモードの伝搬定数が変化す
るため、上記フィードバック回路11からの制御信号S
cに基づいて反射光に含まれるTEモードの光成分及び
TMモードの光成分の位相差を制御することが可能とな
る。
【0049】ここで、具体的に数値を示して、この第1
実施例に係る光磁気再生ピックアップの構成について説
明する。
【0050】この第1実施例に係る光磁気再生ピックア
ップは、基板1として、ポッケルス定数γ33が36.
3pm/VのKTPからなり、かつ水平方向、即ちx方
向の光屈折率(n4TE)が1.7627、z方向の光
屈折率(n4TM)が1.8656の基板を用い、この
基板1上に光屈折率n1=2.5のTiO2 薄膜2を形
成した後、選択的にイオンミリングを行なって、高さ1
70nmの凸状ライン3を形成して光導波路4とし、こ
のTiO2 薄膜2上に光屈折率n2=1.45のSiO
2 膜15を形成し、更にSiO2 膜15の所要位置にA
l電極膜からなるプラス電極21a及びマイナス電極2
1bを形成することにより、この第1実施例に係る光磁
気再生ピックアップを形成した。このとき、プラス電極
21a及びマイナス電極21bの長手方向の長さは、共
に10mmとしてある。
【0051】そして、プラス電極21a及びマイナス電
極21bからなる位相制御用電極21への印加電圧を変
えて、基板1のz方向の光屈折率を変化させたときの各
光検出素子9a及び9bにて出力される検出信号の相対
値の変化をみると、図4に示すように、相対値が最大と
なるz方向の光屈折率の周期Dは、約10-4程度とな
る。図示の例では、z方向の光屈折率の変化分ΔNsZ
が約−0.00003付近と約+0.00008におい
て、上記相対値が最大となっている。なお、図4におい
て、n3は空気の光屈折率を示し、波長λはレーザ光源
から出射されるレーザ光の波長を示す。
【0052】この第1実施例においては、フィードバッ
ク回路11から制御信号Scを供給して光導波路4に対
し、z方向に最大0.85V/μmの電界を与えること
によって、z方向の光屈折率の変化分ΔNsZを10-4
の範囲で変化させ、最大の相対値を得るようにしてい
る。
【0053】ここで、フィードバック回路11の構成に
ついて図5を参照しながら説明する。このフィードバッ
ク回路11は、上記相対値が極大となるような位相制御
用電極21への印加電圧からのずれを示す誤差信号Se
を用いて位相補償が行なわれる。
【0054】即ち、このフィードバック回路11は、差
動増幅器10からの出力を、光磁気記録媒体から読み取
る搬送波信号の周波数fcより十分に高い周波数fmで
同期検波して、誤差信号Seを取り出し、この誤差信号
Seを位相制御用電極21にフィードバックするもので
ある。
【0055】具体的には、図5に示すように、周波数f
mの変調信号を出力する発振器31と、差動増幅器10
の出力から周波数fmの変調信号成分を除去して再生信
号として出力する第1のローパスフィルタ(以下、第1
のLPFと記す)32と、差動増幅器10の出力から周
波数fmの高調波成分を除去する中心周波数fmのバン
ドパスフィルタ(以下、BPFと記す)33と、上記発
振器31からの変調信号とBPF33からの出力信号と
を乗算する乗算器34と、この乗算器34からの乗算信
号から誤差信号Seを取り出す第2のローパスフィルタ
(以下、第2のLPFと記す)35と、この第2のLP
F35からの誤差信号Seと発振器31からの変調信号
とを加算して制御信号Scを生成する加算器36とを有
して構成されている。
【0056】次に、このフィードバック回路11の信号
処理について説明すると、まず、発振器31より位相制
御用電極21に周波数fmの変調信号を与え、差動増幅
器10の出力が周波数fmで変調されるようにする。そ
して、差動増幅器10の出力をBPF33に通して周波
数fmの高調波成分を除去した後、乗算器34で発振器
31からの変調信号と乗算し、更に第2のLPF35を
通して誤差信号Seを得る。
【0057】この誤差信号Seは、後段の加算器36で
発振器31からの変調信号と加算されて制御信号Scと
して位相制御用電極21に供給される。一方、差動増幅
器10からの出力は、第1のLPF32により周波数f
mの変調信号成分が除去されて再生信号として取り出さ
れる。
【0058】このように、上記第1実施例に係る光磁気
再生ピックアップにおいては、電気光学結晶KTPから
なる基板1上に、該基板1よりも光屈折率の高いTiO
2 薄膜2を形成して構成された光導波路4上に、SiO
2 からなる平坦化膜15を介してプラス電極21a及び
マイナス電極21bからなる位相制御用電極21を形成
し、更に位相制御用電極21に制御信号Scを供給し
て、光導波路4に対し、上記TMモードに沿う方向(z
方向)に電界を与えるようにしたので、この電界の印加
によって、いわゆるポッケルス効果により、基板1のz
方向の光屈折率が変化する。
【0059】これによって、TMモードの伝搬定数が変
化し、TEモード及びTMモード間の位相差が変化する
ことなる。従って、フィードバック回路11から供給さ
れる制御信号Scに基づいて、上記TEモード及びTM
モードの位相差を制御できることになり、該位相差をπ
の整数倍に調整することが可能となる。その結果、各光
検出素子9a及び9bから出力される検出信号の相対値
を最大にすることができ、楕円偏光による再生信号の劣
化を防止することができる。
【0060】次に、上記第1実施例の変形例を図6に基
づいて説明する。この変形例に係る光磁気再生ピックア
ップは、基本的には、上記第1実施例に係る光磁気再生
ピックアップとほぼ同じ構成を有するが、図示するよう
に、基板として、上記電気光学結晶による基板ではな
く、例えばシリコン基板41を用い、このシリコン基板
41上に酸化膜42を介して、電気光学結晶例えばLN
膜(LiNbO3 )43をライン状(正確には、Y分岐
を有するライン状)に例えばスパッタ法にて形成して光
導波路4を構成している点で異なる。なお、上記酸化膜
42は、シリコン基板41を熱酸化することにより形成
することができる。
【0061】そして、プラス電極21a及びマイナス電
極21bは、LN膜43上に形成されたSiO2 等から
なる平坦化膜15を介して、上記第1実施例において形
成した位置関係のところに形成される。
【0062】この変形例に係る光磁気再生ピックアップ
においても、上記第1実施例と同様に、プラス電極21
a及びマイナス電極21bからなる位相制御用電極21
にフィードバック回路11からの制御信号Scを供給し
て、光導波路4に対し、上記TMモードに沿う方向(z
方向)に電界を印加するすることにより、いわゆるポッ
ケルス効果により、光導波路のz方向の光屈折率が変化
することになる。
【0063】これによって、TMモードの伝搬定数が変
化し、TEモード及びTMモード間の位相差が変化する
ことなる。従って、フィードバック回路11からの制御
信号Scに基づいて、上記TEモード及びTMモードの
位相差を制御できることになり、該位相差をπの整数倍
に調整することが可能となる。その結果、各光検出素子
9a及び9bから出力される検出信号の相対値を最大に
することができ、楕円偏光による再生信号の劣化を防止
することができる。
【0064】次に、第2実施例に係る光磁気再生ピック
アップについて図7〜図10を参照しながら説明する。
なお、図1及び図2と対応するものについては同符号を
記し、その重複説明を省略する。
【0065】この第2実施例に係る光磁気再生ピックア
ップは、図7〜図9に示すように、上記第1実施例に係
る光磁気再生ピックアップとほぼ同じ構成を有するが、
以下の点でその構成が異なる。
【0066】即ち、基板が高さ0.5mmで光屈折率=
1.45のガラス基板51、導波層及び凸状ライン3を
構成する薄膜が光屈折率=2.05のTa2 5 薄膜5
2、平坦化膜が光屈折率=1.46のSiO2 膜53で
あることと、光導波路4の往路6中、Y分岐点と対向面
の間における凸状ライン3の直上部分に温度制御素子と
してのペルチェ素子54が形成されている点である。
【0067】このペルチェ素子54の形成によって、該
ペルチェ素子54下の光導波路4の温度が制御されるこ
とになる。実験の結果、ペルチェ素子54の長手方向の
長さを10mmとした場合に、10℃から30℃までの
変化により、TEモードとTMモードの位相差をπ変化
させることができた。
【0068】そして、この第2実施例に係るペルチェ素
子54には、図7及び図9に示すように、配線を通じて
電流源55が接続され、この電流源55と差動増幅器1
0との間には、この電流源55からペルチェ素子54に
注入される電流Iの値を一定の値、即ち第1及び第2の
光検出素子9a及び9bからの各検出信号の相対値が極
大となるようにフィードバック制御するフィードバック
回路56が挿入接続されている。
【0069】このフィードバック回路56は、電流源5
5からの上記相対値が極大となるような電流値Iからの
ずれを示す誤差信号Seを用いて位相補償する回路で、
その基本構成は、図10に示すように、差動増幅器10
からの出力を光磁気記録媒体から読み取る搬送波信号の
周波数fcより十分に低い周波数fmで同期検波して、
誤差信号Seを取り出し、この誤差信号Seを電流源に
フィードバックするものである。
【0070】即ち、発振器31より電流源55に周波数
fmの変調信号を与え、差動増幅器10の出力が周波数
fmで変調されるようにする。そして、差動増幅器10
の出力を第2のBPF72に通して周波数fmの高調波
成分を除去した後、乗算器34で発振器31からの変調
信号と乗算し、更にLPF73を通して誤差信号Seを
得る。
【0071】この誤差信号Seは、後段の加算器36で
発振器31からの変調信号と加算されて制御信号Scと
して電流源55に供給される。一方、差動増幅器10か
らの出力は、第1のBPF71により周波数fmの変調
信号成分が除去されて再生信号として取り出される。
【0072】このように、上記第2実施例に係る光磁気
再生ピックアップにおいては、ガラス基板51上に、該
基板51よりも光屈折率の高いTa2 5 薄膜52を形
成して構成された光導波路4上に、SiO2 からなる平
坦化膜53を介してペルチェ素子54を形成し、更にこ
のペルチェ素子54に電流Iを供給するための電流源5
5に制御信号Scを供給して、光導波路4の一部の温度
を制御するようにしたので、TEモード及びTMモード
間の位相差が変化することなる。
【0073】従って、フィードバック回路56から供給
される制御信号Scに基づいて、上記TEモード及びT
Mモードの位相差を制御できることになり、該位相差を
πの整数倍に調整することが可能となる。その結果、各
光検出素子9a及び9bから出力される検出信号の相対
値を最大にすることができ、楕円偏光による再生信号の
劣化を防止することができる。
【0074】上記ペルチェ素子54による温度の変化幅
は、この光導波路4の導波路長及びペルチェ素子54の
長手方向の長さを適宜選定することにより変えることが
できる。この場合、光導波路4の導波路長を変えること
によって粗調整が行なわれ、ペルチェ素子54の長手方
向の長さを変えることによって微調整が行なわれる。こ
のことから、光導波路4の導波路長を変える場合、光導
波路4を波長オーダーの精度で作製する必要がなくなり
実用的である。
【0075】次に、第3実施例に係る光磁気再生ピック
アップについて図11〜図14を参照しながら説明す
る。なお、図1と対応するものについては同符号を記
し、その重複説明を省略する。
【0076】この第3実施例に係る光磁気再生ピックア
ップは、図11及び図12に示すように、上記第1実施
例に係る光磁気再生ピックアップとほぼ同じ構成を有す
るが、以下の点でその構成が異なる。
【0077】即ち、基板が高さ0.5mmで光屈折率n
2=1.45のガラス基板61、導波層及び凸状ライン
3を構成する薄膜が光屈折率n1=2.5のTiO2
膜62、平坦化膜が光屈折率n4=1.46のSiO2
膜63であることと、光導波路4上に第1実施例で示す
位相制御用電極21は形成されていないこと、そして、
レーザ光源として波長可変半導体レーザ64を用いてい
る点である。
【0078】この波長可変半導体レーザ64の波長を可
変にする方法としては、現在、温度、駆動電流による制
御のほか、外部に設置されたグレーティングTE−TM
モード変換器などを用いたものが提案されている。この
実施例においては、後述するフィードバック回路65に
て駆動電流源66からの駆動電流Iを制御することによ
り、波長を可変にするようにしている。
【0079】ここで、導波路長を2mmとした場合にお
いて、波長可変半導体レーザ64の波長λを変えたとき
の各光検出素子9a及び9bにて出力される検出信号の
相対値の変化をみると、図13に示すように、位相差を
π変化させるのに5nmの波長変化が必要で、更に上記
相対値を最大値の90%以上に維持するために1nm以
下の精度の制御が必要となる。
【0080】これらの条件は、後述するフィードバック
回路65による波長可変技術により実現可能であり、ま
た、導波路長により上記条件をずらすことも可能であ
る。
【0081】ここで、上記フィードバック回路65の構
成について図14に基づいて説明する。なお、図5と対
応するものについては同符号を記す。このフィードバッ
ク回路65は、差動増幅器10と波長可変半導体レーザ
64に駆動電流Iを供給するための駆動電流源66間に
挿入接続され、この駆動電流源66からの上記相対値が
極大となるような電流値Iからのずれを示す誤差信号S
eを用いて位相補償する回路で、その基本構成は、上記
第1実施例に係るフィードバック回路とほぼ同じ構成を
有する。
【0082】即ち、差動増幅器10からの出力を、光磁
気記録媒体から読み取る搬送波信号の周波数fcより十
分に高い周波数fmで同期検波して、誤差信号Seを取
り出し、この誤差信号Seを駆動電流源66にフィード
バックするものである。
【0083】つまり、発振器31より駆動電流源66に
周波数fmの変調信号を与え、差動増幅器10の出力が
周波数fmで変調されるようにする。そして、差動増幅
器10の出力をBPF33に通して周波数fmの高調波
成分を除去した後、乗算器34で発振器31からの変調
信号と乗算し、更に第2のLPF35を通して誤差信号
Seを得る。
【0084】この誤差信号Seは、後段の加算器36で
発振器31からの変調信号と加算されて制御信号Scと
して駆動電流源66に供給される。一方、差動増幅器1
0からの出力は、第1のLPF32により周波数fmの
変調信号成分が除去されて再生信号として取り出され
る。
【0085】このように、上記第3実施例に係る光磁気
再生ピックアップにおいては、ガラス基板61上に、該
基板61よりも光屈折率の高いTiO2 薄膜62を形成
して構成された光導波路4のレーザ光源として波長可変
半導体レーザ64を用い、この波長可変半導体レーザ6
4に駆動電流Iを供給するための駆動電流源66に制御
信号Scを供給して、波長可変半導体レーザ64から出
射されるレーザ光の波長を可変制御するようにしたの
で、TEモード及びTMモード間の位相差が変化するこ
となる。
【0086】従って、フィードバック回路65から供給
される制御信号Scに基づいて、上記TEモード及びT
Mモードの位相差を制御できることになり、該位相差を
πの整数倍に調整することが可能となる。その結果、各
光検出素子9a及び9bから出力される検出信号の相対
値を最大にすることができ、楕円偏光による再生信号の
劣化を防止することができる。
【0087】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る光磁気再生
ピックアップによれば、発光手段から出射された光の第
1のモードの光成分を記録媒体側に案内し、該記録媒体
にて反射した光を光検出器側に案内する光導波路を具備
し、上記光導波路に、上記反射光に含まれる上記第1と
第2のモードの各光成分の位相差を補償する位相補償手
段を設けるようにしたので、導波路の製造ばらつきや温
度変化による光学パラメータの変動又は出射光の波長変
動等があっても、2つの固有モード間の位相差を容易に
補償(πの整数倍)することができ、楕円偏光による再
生信号の劣化を防止することができる。
【0088】また、本発明は、上記構成において、上記
位相補償手段を、電気光学結晶からなる基板上に、該基
板よりも光屈折率の高い薄膜を形成して構成された上記
光導波路と、上記光導波路に対し、電界を印加する電界
印加手段とで構成するようにしたので、電界印加手段か
ら発生する電界の強度を適宜選定することにより、上記
2つのモードの位相差を制御できることになり、該位相
差をπの整数倍に調整することが可能となる。その結
果、上記楕円偏光による再生信号の劣化を防止すること
ができる。
【0089】また、本発明は、上記構成において、上記
位相補償手段を、電気光学結晶からなる基板上に、該基
板よりも光屈折率の高い薄膜を形成して構成された上記
光導波路と、上記光導波路に対し、電界を印加する電界
印加手段とで構成するようにしたので、電界印加手段か
ら発生する電界の強度を適宜選定することにより、上記
2つのモードの位相差を制御できることになり、該位相
差をπの整数倍に調整することが可能となる。その結
果、上記楕円偏光による再生信号の劣化を防止すること
ができる。
【0090】また、本発明は、上記構成において、上記
位相補償手段を、上記光導波路上に形成された温度制御
素子を設けて構成するようにしたので、温度制御素子に
よって導波路の一部の温度を制御できることとなり、上
記2つのモードの位相差を制御できることとなる。その
結果、上記位相差をπの整数倍に調整することが可能と
なり、上記楕円偏光による再生信号の劣化を防止するこ
とができる。
【0091】また、本発明は、上記構成において、上記
位相補償手段を、上記発光手段から出射される光の波長
を可変にする波長制御手段を設けて構成するようにした
ので、波長制御手段によって発光手段の波長を制御でき
ることとなり、上記2つのモードの位相差を制御できる
こととなる。その結果、上記位相差をπの整数倍に調整
することが可能となり、上記楕円偏光による再生信号の
劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る光磁気再生ピックアップを示
す構成図である。
【図2】第1実施例に係る光磁気再生ピックアップの要
部の断面図である。
【図3】差動光検出部を示す構成図である。
【図4】2つの光検出素子からの光検出信号の相対値に
おける基板(z方向)の屈折率変化依存性を示す特性図
である。
【図5】第1実施例に係る光磁気再生ピックアップに接
続されるフィードバック回路の構成を示すブロック図で
ある。
【図6】第1実施例の変形例に係る光磁気再生ピックア
ップの要部の断面図である。
【図7】第2実施例に係る光磁気再生ピックアップを示
す構成図である。
【図8】第2実施例に係る光磁気再生ピックアップの要
部の断面図である。
【図9】第2実施例に係る光磁気再生ピックアップの要
部の斜視図である。
【図10】第2実施例に係る光磁気再生ピックアップに
接続されるフィードバック回路の構成を示すブロック図
である。
【図11】第3実施例に係る光磁気再生ピックアップを
示す構成図である。
【図12】第3実施例に係る光磁気再生ピックアップの
要部の断面図である。
【図13】2つの光検出素子からの光検出信号の相対値
におけるレーザ光波長依存性を示す特性図である。
【図14】第3実施例に係る光磁気再生ピックアップに
接続されるフィードバック回路の構成を示すブロック図
である。
【図15】従来例に係る光磁気再生ピックアップを示す
構成図である。
【図16】光導波路から出射される光の楕円偏光を示す
説明図である。
【図17】光磁気記録媒体からの上向き磁化での反射光
と下向き磁化での反射光の各偏光方向を示すベクトル線
図である。
【図18】2つの反射光の楕円偏光による信号劣化を示
すベクトル線図である。
【符号の説明】
1 基板(KTP) 2 導波層(TiO2 ) 3 凸状ライン 4 光導波路 5 半導体レーザ 6 往路 7 モードフィルタ 8 復路 8a及び8b 分岐路 9 差動光検出部 9a及び9b 第1及び第2の光検出素子 10 差動増幅器 11 フィードバック回路 12 差動検出回路 13a及び13b 信号検出用モードフィルタ 14 溝 14a及び14b 側面 15 平坦化膜(SiO2 ) 21 位相制御用電極 21a プラス電極 21b マイナス電極 31 発振器 32 第1のLPF 33 BPF 34 乗算器 35 第2のLPF 36 加算器 41 シリコン基板 42 酸化膜(熱酸化膜:SiO2 ) 43 LN膜(LiNbO3 ) 51 ガラス基板 52 導波層(Ta2 5 ) 53 平坦化膜(SiO2 ) 54 ペルチェ素子 55 電流源 56 フィードバック回路 61 ガラス基板 62 導波層(TiO2 ) 63 平坦化膜(SiO2 ) 64 波長可変半導体レーザ 65 フィードバック回路 66 駆動電流源 71及び72 第1及び第2のBPF 73 LPF
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 智 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光手段から出射された光の第1のモー
    ドの光成分を記録媒体側に案内し、該記録媒体にて反射
    した光を光検出器側に案内する光導波路を具備し、 上記光導波路に、上記反射光に含まれる上記第1のモー
    ドと第2のモードの各光成分の位相差を補償する位相補
    償手段を有することを特徴とする光磁気再生ピックアッ
    プ。
  2. 【請求項2】 上記第1のモードは、垂直偏波モード又
    は水平偏波モードであり、上記第2のモードは上記第1
    のモードが垂直偏波モードのとき、水平偏波モードであ
    り、上記第1のモードが水平偏波モードのとき、垂直偏
    波モードであることを特徴とする請求項1記載の光磁気
    再生ピックアップ。
  3. 【請求項3】 上記位相補償手段は、電気光学結晶から
    なる基板上に、該基板よりも光屈折率の高い薄膜を形成
    して構成された上記光導波路と、 上記光導波路に対し、電界を印加する電界印加手段とで
    構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の
    光磁気再生ピックアップ。
  4. 【請求項4】 上記位相補償手段は、基板上に、電気光
    学結晶からなり、かつ上記基板よりも光屈折率の高い薄
    膜を形成して構成された上記光導波路と、 上記光導波路に対し、電界を印加する電界印加手段とで
    構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の
    光磁気再生ピックアップ。
  5. 【請求項5】 上記電界印加手段によって印加する電界
    の方向が、上記第1又は第2のモードに沿う方向である
    ことを特徴とする請求項3又は4記載の光磁気再生ピッ
    クアップ。
  6. 【請求項6】 上記電界印加手段によって印加する電界
    の方向が、上記光導波路の膜厚方向であることを特徴と
    する請求項3又は4記載の光磁気再生ピックアップ。
  7. 【請求項7】上記位相補償手段は、上記光導波路上に形
    成された温度制御素子を有することを特徴とする請求項
    1記載の光磁気再生ピックアップ。
  8. 【請求項8】上記位相補償手段は、上記発光手段から出
    射される光の波長を可変にする波長制御手段を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の光磁気再生ピックアッ
    プ。
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