JPH0723429Y2 - 保冷容器 - Google Patents

保冷容器

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JPH0723429Y2
JPH0723429Y2 JP1989006270U JP627089U JPH0723429Y2 JP H0723429 Y2 JPH0723429 Y2 JP H0723429Y2 JP 1989006270 U JP1989006270 U JP 1989006270U JP 627089 U JP627089 U JP 627089U JP H0723429 Y2 JPH0723429 Y2 JP H0723429Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、発泡合成樹脂製の気密断熱容器の適所に通気
口を設けて、内部に果菜類等を収容して閉蓋状態のまま
で予冷を行うことのできるようにした保冷容器に関する
ものである。
〔従来の技術〕
従来、果菜類等を市場等へ出荷するときには、これらを
新鮮な状態に保持するため、これら果菜類等の被保冷物
を冷気に直接接触させたり、圧差を生じさせることによ
って強制的に吸引した冷気と接触させたり、又は減圧下
に晒して被保冷物の表面から水分を蒸発させて潜熱を奪
う等により予め冷却して果菜類等の鮮度保持を図る予冷
操作が行われることが多い。これらの予冷法では、例え
ば発泡合成樹脂製の気密断熱容器の内部に被保冷物を収
容した状態で冷却するが、このとき、予冷室やチャンバ
ー内に容器を気密状態で収納すると被保冷物が予冷でき
ない。そこで、蓋体を取外した容器本体を千鳥状にして
積み上げたり、容器本体の上端縁に内外通気のために凹
凸を形成しておき、蓋体を取外した状態で積み上げて予
冷したのち、容器本体に蓋体を外嵌させるか、あるい
は、容器の適所に開設した通気口に摺動自在な扉片を設
けた気密断熱容器を用い、前記通気口を開放した状態で
積み上げて冷却したのち、扉片を摺動させて通気口を閉
止したりている。特に近年では、出荷時の閉蓋作業の手
間を考慮して、前記のように摺動可能な扉片で開閉する
通気口を設けた容器が多用される傾向にある。
この扉片で開閉する通気口を設けた気密断熱容器にあっ
ては、閉蓋状態のままでも予冷できるから、予冷後の出
荷時等における閉蓋作業を省略できるため便利であると
ともに、予冷した容器内の収容物の温度が閉蓋作業の間
に昇温して予冷効果がなくなってしまうといったことも
ない。しかしながら、扉片を摺動させて通気口を開閉す
る構造のものでは、例えば、容器と扉片との一方に凹条
を設け、他方に前記凹条に摺動自在に嵌合される凸条を
設けた摺動構造や、通気口の開放時における扉片の収容
部を容器の通気口の周辺に設ける必要があり、扉片を設
ける部分が相対的に容器の他の各部と比較して厚肉構造
となりがちで、容器の外形が通気口のない容器と同じ大
きさであるならば容器の内容積が小さくなり、逆に内容
積が同じであれば、容器の外形の大きさは通気口のない
容器に較べて大きくなり、予冷室やチャンバー内への収
納効率や輸送時における車輌等への積載効率が低下す
る。しかも、前記の扉片の摺動、収納に要する構造部分
は扉片の大きさに倍する大きさを必要とするから、これ
らの構造を容器の外面側に設ける場合には、容器内部の
被保冷物の表示をするための表示部を設ける際にも支障
を生じる。また、前記のような扉片の摺動構造や収納構
造を設ける場合には容器の構造が複雑となり、容器成形
用の金型構造も複雑となって、コスト高の原因となるだ
けでなく、成形品の形状が複雑になるのにともなって、
不良品の発生率も高くなるおそれがある。更に、容器の
扉片の間に円滑な摺動動作を達成するため、扉片の摺動
構造部分には必然的に隙間が生じ、その結果、容器の気
密度が低下するおそれもある。又、このように扉片を摺
動して通気口を開閉する構造のものでは、輸送時におけ
る振動等によって扉片が移動し、通気口が開放して冷却
状態を維持しえなくなるおそれもある。
〔考案が解決しようとする課題〕
また、上記のように容器の適所に通気口を設け、予冷後
にこの通気口を閉止する構造の容器として、例えば実開
昭62−17576号公報には、蓋の一辺とその蓋に当接する
箱体の胴部上縁の一辺との両者に切り欠き部を設けて開
口部とし、この開口部を閉蓋する断面L字状の小蓋を設
けた冷却用発泡合成樹脂製箱が記載されており、また、
実開昭60−92978号公報には、蓋に、小蓋が着脱自在な
蓋の辺に至る切欠部を設けてなる発泡プラスチック製容
器が記載されている。これらの容器においては、予冷後
に容器に設けた開口部や切欠部に小蓋を嵌着するもので
あるから、前記摺動する扉片で通気口を開閉する構造の
容器のように、扉片を摺動、あるいは収納するための構
造は必要でなく、したがって、容器の構造が複雑となっ
たり、あるいは、容器の収納効率や積層効率が低下する
といったこともない。しかしながら、これらの容器にお
いては開口部や切欠部が、閉蓋時の容器の辺を含んで設
けられており、該容器の辺部分においてこれらの開口部
や切欠部の周縁部が閉蓋時に外部に開放されており、こ
の開放部分から小蓋をスライドさせるようにして取り付
けるものであることから、小蓋で開口部や切欠部を閉蓋
した後に、輸送時の振動等により小蓋が前記容器の辺部
分にある開口部や切欠部の開放部分から脱落しやすい。
このように、予冷後、容器の適所に設けた通気口に小蓋
を嵌着して閉止する場合に、閉蓋後に小蓋が通気口から
脱落するのを防止するためには、通気口を閉蓋時の容器
の辺を含まない部分に設けて、その周縁部に開放部分が
ない状態とし、該通気口内に扉片などを嵌着して閉止す
るようにすればよい。しかしながら、このように周縁部
に開放部分がない通気口に扉片を嵌着する場合には、上
記のような開放部分から小蓋をスライドさせて取り付け
る場合に較べて扉片の位置決めが大変に困難で、また、
嵌着時に扉片が通気口から容器内に落ち込んでしまうお
それもあり、通気口の閉止作業が面倒で、手間と時間が
かかるだけでなく、扉片と通気口とをあまり強固に嵌合
することはできないので、通気口に較べて扉片は小さい
ものとならざるを得ず、容器の気密性にも問題が残る。
そこで、本考案では、上記のような従来の保冷容器の問
題点に鑑み、容器の適所に通気口を設けて閉蓋状態のま
まで予冷可能とした保冷容器において、予冷後に前記通
気口を簡易な作業でもって閉止可能とするとともに、予
冷室やチャンバー内への収納効率や車輌等への積載効率
を低下させることもなく、かつ、気密性を良好に維持し
うるとともに、構造も簡単で、製造コストの上昇を招く
こともない保冷容器とすることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するための本考案に係る保冷容器は、
発泡合成樹脂製の容器本体と蓋体とよりなる容器におけ
る閉蓋時の辺部分を含まない適所に通気口を開設し、前
記通気口の一口縁に位置決め用凹所を設け、前記通気口
を閉止する扉片の一端面に前記位置決め用凹所に対応す
る位置決め用凸部を突設するとともに、前記通気口の口
縁と扉片の端面との一方には、それらの厚さ方向の中間
部に嵌合用凹部を、他方には嵌合用凸部を設けてなり、
前記扉片の位置決め用突部を通気口の位置決め用凹所内
に挿入するとともに、前記嵌合用凹部と嵌合用凸部とを
嵌合させた状態で、扉片を通気口内に嵌着して通気口を
閉止するようにした。
請求項2では、前記保冷容器において、通気口における
相対向する口縁に設けた嵌合用凹部を容器内部側に向け
て開口幅が拡開するように形成するとともに、前記嵌合
用凹部に対応する扉片の相対向する端面に設けた嵌合用
凸部を容器内部側に向けて扉片の幅が拡開するように形
成した。
更に、請求項3では、前記通気口や扉片に設ける嵌合用
凹部を嵌合用凸部より小さく形成し、前記嵌合用凸部を
弾性圧縮変形させた状態で嵌合用凹部に嵌合させるよう
にした。
又、請求項4では、前記通気口と扉片とは、通気口の口
縁と扉片の端面のいずれか一方に嵌合用凸部を設け、前
記嵌合用凸部を弾性圧縮変形させた状態で、扉片により
通気口を閉止するようにした。
更に、請求項5では、上記のような保冷容器において
は、通気口並びに扉片を正面視略台形状に形成するとと
もに、その平行な二辺のうちの短辺側の口縁及び端面に
位置決め用凹部及び位置決め用凸部を形成した。
〔作用〕 上記のような本考案に係る保冷容器は、以下のようにし
て利用される。
まず、容器本体の内部に果菜類等の被保冷物を収容した
のち、蓋体を閉じ、容器に設けた通気孔は開放したまま
の状態で該通気口により容器内と外部とが連通した状態
で、予冷室やチャンバー内に、例えば積段状態で収容す
る。そして、前記予冷室内において冷気と直接接触させ
たり、又はチャンバー内において容器内外で圧差を生じ
させることによって容器内に強制的に吸引した冷気と接
触させたり、更には、真空チャンバー内で減圧下に晒し
て被保冷物の表面から水分を奪う等して被保冷物を一定
温度まで冷却する。この予冷操作が完了した後、冷却し
た被保冷物を収容した容器を外部へ搬出したうえで、扉
片にて容器の通気口を閉止する。
この扉片により容器の通気口を閉止するに際しては、ま
ず、位置決め用凸部を設けた側の一端面から扉片を通気
口に対して斜めに嵌入し、位置決め用凸部を通気口の口
縁に設けた位置決め用凹所内に挿入して扉片の前記一端
のみを通気口に嵌着したのち、扉片の他端を、前記位置
決め用凸部と通気口の位置決め用凹所との嵌合部分を中
心として通気口方向へ回動して扉片の全体を通気口内に
嵌め込むことで通気口を閉止する。
〔実施例〕
本考案に係る保冷容器を添付図面の実施例にもとづき更
に説明する。第1図〜第3図には本考案に係る保冷容器
の一例を示している。図中1として示される保冷容器
は、図中で符号2として示される容器本体と、同じく符
号3として示される蓋体とよりなる。これらの容器本体
2と蓋体3とは、従来の果菜類等の被保冷物を収容する
ための保冷容器と同様に発泡合成樹脂体で常法通り作成
される。通常、これらの容器本体2と蓋体3は発泡ポリ
スチレン系、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン等
の発泡ポリオレフィン系、発泡ポリウレタン等から形成
される各種のものや、更にはこれらの内面又は内部にア
ルミ蒸着フィルム等を積層又は挿入して断熱性や気密性
を向上させたもの、又はダンボール箱の内面又は内部に
発泡合成樹脂体を積層又は挿入したもの等も種々採用さ
れる。こうした容器本体2と蓋体3とよりなる保冷容器
1における閉蓋時の辺部分を含まない適所、図示したも
のでは容器本体2の相対向した側壁4,4の上部に、上方
に開放した内外通気用の通気口5,5を開設しており、こ
の通気口5,5の開放された上縁は閉蓋時には蓋体3で閉
止される。又、この容器本体2の内部に果菜類等の被保
冷物を収容して冷却したのち、この通気口5,5を外部か
ら閉止するための扉片6,6が、容器1と同種又は異種の
発泡合成樹脂体から別途形成される。そして、この通気
口5の左右の相対面した上下方向の口縁には、側壁4の
内面側に沿った部分をこの通気口5内に向けて突出した
係止段部7として残して扉片6の嵌まり込みを防止した
状態で、容器本体2内部側に向けて開口幅が徐々に拡開
するようにした平面視三角形状の凹部8,8を設けてい
る。一方、扉片6は、前記通気口5の凹部8,8を設けた
上下方向の口縁に当接する左右の両側端面に、扉片6の
幅が徐々に拡開するように凹部8に密に嵌合される同じ
く平面視三角形状の凸部9,9を設けている。更に、本考
案の保冷容器1では、扉片6の下端面における厚さ方向
の略中央に、この扉片6を通気口5に装着する際の位置
決めをするための断面半円形状の位置決め用凸部11を突
出状態で設けている。一方、扉片6の位置決め用凸部11
を設けた下端面と当接する通気口5の下部の口縁には位
置決め凸部11に対応する位置決め用凹所12を設けてい
る。
尚、第1図に示した保冷容器1には、もう一方の通気口
5に装着される扉片があるが、図中では省略している。
また、扉片6の背面に設けた図中符号10は、前記通気口
5の係止段部7に係止する係止部であり、蓋体3下面に
設けた図中符号13は、容器本体2に対して蓋体3を外嵌
したときに、容器本体2の上面開口部の側壁4内面側に
沿って挿入される内装部である。
上記のような本考案に係る保冷容器1は、以下のように
して果菜類等を冷却し、かつ保冷するのに用いられる。
まず、容器本体2の内部に果菜類等の被保冷物を収容し
たのち、蓋体3を閉じるとともに、通気口5は開放した
ままの状態で、該通気口5,5を通じて互いの内部が連通
状態になるように、例えば差圧チャンバー内に敷き並べ
て積段するとともに、両端に位置する容器1…の通気口
5…が閉止されないように最上段からシート掛けをす
る。そして、この差圧チャンバー内に配設したファン等
で容器1…の一端側を吸引させることで、これら敷き並
べて積段した容器1…の両端間に圧差を生じさせ、該チ
ャンバー内に別途設けた冷気の供給手段から供給される
冷気を、容器1の通気口5,5を通じて容器1内部に強制
的に導入して被保冷物を一定温度まで冷却する。これ
は、差圧予冷法といわれる予冷方法である。次いで、こ
の予冷操作が完了したのち、冷却された被保冷物を収容
した容器1を外部に搬出し、容器1の通気口5,5を扉片
6,6で外部から閉止して内部を気密状態とする。この扉
片6による通気口5の閉止は、まず扉片6の下端部を容
器本体2の通気口5に嵌入し、該下端面に設けた位置決
め凸部11を第3図中一点鎖線で示すように通気口5にお
ける下部の口縁に設けた位置決め用凹所12に挿入して位
置決めし、次いで前記位置決め用凸部11と位置決め用凹
所12との嵌合部分を中心として扉片6の上端部分を通気
口5の方向へ回動させることで、扉片6の両側端面に設
けた凸部9,9を容器本体2の通気口5両側の上下方向の
口縁に設けた凹部8,8に押し込み、互いに嵌合させるこ
とで、扉片6の全体を通気口5内に嵌合して通気口5を
扉片6にて閉止する。前記の場合、扉片6の位置決め凸
部11を通気口5の内装凹所12にあてがって位置決めした
のち、扉片6の上端を通気口5方向へ回動させて扉片6
の上部側を通気口5内へ押し込んでゆくときには、まず
第2図(イ)に示すように扉片6の両側端面の凸部9,9
の容器1内面側に位置する鋭角状の先端部下端が通気口
5両側の凹部8,8における容器1外面側に位置する同じ
く鋭角状の角部に押しあてられ、双方又はいずれか一方
がその素材となる発泡合成樹脂体の有する弾性により圧
縮変形し、扉片6の上側を通気口5側に回動するにとも
なって凹部8,8の鋭角状の角部を通過した扉片6の両側
の凸部9,9は徐々に開口幅が拡開する通気口5両側の凹
部8内に嵌合してゆき、扉片6が通気口5を密な状態で
閉止する。そして、扉片6の全体が通気口5内に嵌着さ
れて通気口5を閉止したのちには、第2図(ロ)中に矢
印で示すように扉片6はその両側端面が容器本体2の通
気口5から容器本体2内に向いた押圧力を受け、且つ扉
片6の下端面に設けた位置決め凸部11が通気口5の下部
の口縁に設けた位置決め用凹所12に嵌合していることと
も相俟って、通気口5から脱落することなく、安定的な
閉止状態を維持するのである。
又、上記のように本考案の保冷容器では、容器1におけ
る閉蓋時の辺部分を含まない適所に設けた通気口5を扉
片6にて閉止するに際して、まず、扉片6を、位置決め
用凸部11を設けた下端から通気口5に対して斜めに嵌入
して前記位置決め用凸部11を通気口5の下部の口縁に設
けた位置決め用凹所12内に装入して扉片6の下端のみを
通気口5の下部に嵌着したのち、次いで、扉片6の上端
を、前記位置決め用凸部11と通気口5の位置決め用凹所
12との嵌合部分を中心として通気口5方向へ回動して扉
片6の全体を通気口5内に嵌め込むことで扉片6により
通気口5を閉止するように構成したことから、極めて簡
便にして能率的に通気口5の閉止作業を行うことができ
る。そのうえ、例えば、多数の容器1における通気口5
を順次扉片6で閉止してゆく場合においては、まず、一
人の作業者が扉片6の下端部のみを通気口5に対して斜
めに嵌合した状態に各容器1の通気口5に扉片6を順次
仮り止めしてゆき、そのあとから、他の作業者が前記各
容器1に仮り止めされている扉片6を通気口5内に嵌め
込んでゆく、といった具合に、効率よく多数の容器1に
おける通気口5を扉片6により閉止してゆくことも適宜
実施できる。
尚、第1図〜第3図に示した実施例において、扉片6背
面の係止部10は、扉片6による通気口5の閉止状態をよ
り気密なものとするが、この係止部10は省略してもよ
い。又、この保冷容器1は前記のような差圧予冷法で用
いる以外に、通気口5を通じて容器1の内外が連通状態
になるようにして収納した予冷室に冷気を供給して冷却
する強制予冷法、又は同じく通気口5により容器内外が
連通状態になるようにして収納した真空チャンバー内を
減圧することで被保冷物表面から水分を蒸発させて潜熱
を奪うことで冷却する真空予冷法で用いてもよい。
次に、第4図には本考案に係る保冷容器1の他の実施例
を示している。この保冷容器1も又、第1図〜第3図に
示したものと同様、容器本体2の相対向した側壁4,4の
上部に上方に開放した通気口5,5を開設するのである
が、この例では通気口5を、その下部が上部より幅狭と
なった正面視台形状に形成している。そして、容器本体
2側に設けた通気口5の口縁の厚さ方向略中央には第4
図(ハ)に示すように全体にわたって断面半円形状の凹
部8を周設するとともに、下部の口縁には後述する扉片
6の下端面に設けられた板状の位置決め凸部11に対応す
る位置決め用凹所12を設けている。一方、扉片6は第4
図(イ)に示すように通気口5と同様、下部が上部より
幅狭になった正面視台形状に形成するとともに、外周端
面における厚さ方向略中央には前記通気口5の凹部8に
対応する断面半円形状の凸部9を設けるとともに、下端
面には前記通気口5の位置決め用凹所12に対応する板状
の位置決め用凸部11を設けている。尚、図中の符号14
は、容器1に装着時における扉片6表面側の上部を凹設
して形成した取手用凹所であって、これは容器1内部に
収容された被保冷物の鮮度等を出荷時等に再確認するた
めのものである。又、扉片6背面に設けた符号15は、蓋
体3下面の内装部13に当接する部位に連続的又は間欠的
に設けられた弾圧部であって、扉片6を通気口5内に嵌
着して閉止したときに、この弾圧部15が圧縮変形するこ
とで容器1内部の気密状態が向上する。この扉片6も
又、容器本体2に設けた通気口5に対して前記第1図〜
第3図に示したものと同様にして装着されるのである
が、この実施例においては、扉片6の上端面の凸部9だ
けは第4図(ロ)中に一点鎖線で示すように蓋体3の下
面に向けて強制的に押圧させて圧縮変形させ、もって容
器1内部の気密性を良好に維持させうるような構成にし
ている。
この実施例のように、扉片6を、その下部が上部より幅
狭とした正面視台形状に形成し、しかも幅狭の下端面か
ら突出状に位置決め用凸部11を設けたならば、扉片6の
幅狭とした下部側を通気口5の斜め方向上部側から下部
側に向けて挿入することができ、扉片6の位置決め用凸
部11と通気口5における位置決め用凹所12とによる扉片
6の位置決めが容易となり、扉片6で通気口5を外部か
ら閉止する作業が容易になり、作業効率も向上するので
好ましい態様といえる。
第5図には更に他の実施例を示している。第5図(イ)
に示したのは扉片6の通気口5口縁と当接する端面に断
面半円形状の凸部9を設け、一方、通気口5の口縁には
前記凸部9に対応する凹部を設けることなしに、扉片6
を通気口5に嵌め込んで閉止したときには、前記凸部9
が通気口5の口縁に押圧されて弾性圧縮変形されること
によって通気口5を扉片6で気密状態に閉止するように
したものである。尚、この場合、凸部9を通気口5側に
設けることも勿論可能である。又、第5図(ロ)に示し
たのは、通気口5側に凸部9を、他方扉片6側に凹部8
を設けたものである。
更に、第6図には通気口5における位置決め用凹所12の
他の実施例を示している。この位置決め用凹所12は、通
気口5内に向けて開放すると同時に容器1内部に向けて
も開放しているため、扉片6が大きく傾斜した状態での
位置決めも可能となって、扉片6の通気口5への装着を
より容易になしうるものとなる。
尚、これら図示した実施例にかかわらず、通気口5を容
器本体2の側壁4の上方に開放した状態で設けることな
く、例えば第1図中一点鎖線で示すように側壁4の適所
に、周囲に開放していない状態で設けたり、又は、通気
口5を蓋体3側に設けたり、更には容器本体2と蓋体3
にまたがって通気口5を設けることもでき、通気口5
は、閉蓋時に容器1の辺部分を含まない限り適宜位置に
設けることができる。更に、通気口5の口縁や扉片6の
端面に設けられる凹部8や凸部9は、断面三角形状、断
面半円形状以外の形状に形成することも勿論でき、又、
これら凹部8や凸部9を通気口5や扉片6の相対面した
口縁や端面ばかりでなく、隣接した口縁や端面に設けて
もよい。又、凹部8や凸部9は通気口5や扉片6の各口
縁や各端面の全体にわたって設けることなく、間欠的に
設けてもよく、更には通気口5の各口縁や扉片6の各端
面に凹部8と凸部9を混在させて設けることも可能であ
る。
又、図示した実施例のように蓋体3の下面に容器本体2
の上面開口部に挿入される内装部13を設けている場合に
は、この部分を扉片6の嵌まり込み防止を目的とした部
分として利用して係止段部7を省略することもできる。
又、容器1内部の気密性を更に向上させたいときには、
例えば第5図(ロ)に示す容器本体2における係止段部
7面と凸部9の中心面間長さaと扉片6における容器1
に装着時の内部側に位置する面と凹部8の中心間面長さ
bにa<bの関係を与えたり、又は凸部9が凹部8に強
制的に嵌合されるような形状や大きさの関係を与えたり
して、扉片6を係止段部7、又は場合によっては内装部
13に向けて強制的に押圧させる構造とすることもでき
る。又、凸部9を凹部8に強制的に嵌合させる場合に
は、例えば凹部8を凸部9よりその深さ及び/又は幅に
おいて小さくするような大きさの関係を与えれば素材が
発泡合成樹脂体であるため、凸部9を凹部8に嵌合させ
たときに凸部9が弾性圧縮変形するから、凸部9が凹部
8内面を強く圧迫して気密性がきわめて良好な状態とな
る。
〔考案の効果〕
以上のようになる本考案の保冷容器にあっては、予冷後
に容器の適所に開設した内外通気用の通気口に扉片を外
部から嵌め込むだけで閉止しうるから、その作業は簡易
である。しかも、前記通気口を、容器における閉蓋時の
辺部分を含まず、周囲が囲まれた状態で設け、この通気
口に扉片を嵌め込んでいるため、通気口を閉止する扉片
をスライドして取り付ける場合のように容器の振動等に
より扉片が通気口から脱落するおそれはない。又、前記
通気口を閉止する扉片の一端面に位置決め用凸部を突設
するとともに、通気口の口縁に前記位置決め用凸部に対
応する位置決め用凹所を設け、扉片へ通気口を閉止する
に際しては、前記位置決め用凸部を設けた側の一端面か
ら扉片を通気口に対して斜めに嵌入して前記位置決め用
凸部を通気口の位置決め用凹所内に挿入して扉片の前記
一端のみを通気口に装着したのち、扉片の他端を、前記
位置決め用凸部と通気口の位置決め用凹所との嵌合部分
を中心として通気口方向へ回動して扉片を通気口内に嵌
め込むようにしたので、扉片の位置決め、及び通気口内
への嵌め込み作業は極めて簡単である。そして、例え
ば、多数の容器の通気口を順次扉片で閉止してゆく場
合、まず、一人の作業者が扉片の下端部のみを通気口に
対して斜めに嵌合した状態に各容器の通気口に扉片を順
次仮り止めしてゆき、そのあとから、他の作業者が前記
各容器に仮り止めされている扉片を通気口内に嵌め込ん
でゆくようにすれば、多数の容器における通気口を蓋体
により効率よく短時間で閉止することができ、予冷後に
通気口から外気が進入して予冷効果が失われてしまうと
いったこともない。また、前記扉片は、通気口に対して
嵌め込むだけの構造であるから、扉片の装着部やその周
囲に扉片を摺動させるための構造や、通気口開放時の扉
片の収納空間等の厚肉構造を設ける必要性がないため容
器の形状のコンパクトで、予冷室やチャンバー内への収
納効率や車輌等への積載効率が低下することもない。
又、通気口の口縁と該口縁と当接する扉片の端面のいず
れか一方に設けた凸部を弾性圧縮変形させるか、又はい
ずれか一方に設けた凹部に、他方に設けた凸部を嵌合さ
せるか、又は弾性圧縮変形させて嵌合させるものである
から、容器内部の気密状態を良好に維持しうる。更に、
扉片の摺動、収納構造も不要であるので容器構造が簡単
であり、容器成形用の金型装置構造も簡単で、製造コス
トの低減も期待できるのである。
更に、請求項2の考案では、前記嵌合用凹部を、容器内
部側に向けて開口幅が拡開するように形成するととも
に、嵌合用凸部を容器内部側に向けて扉片の幅が拡開す
るように形成してなるので、扉片を通気口内に嵌着した
後は、通気口からの扉片の脱落が防止され、通気口を確
実に閉止することができる。
又、請求項3の考案では、嵌合用凹部を嵌合用凸部より
小さく形成して、扉片を通気口内に嵌着したときには、
嵌合用凸部が弾性圧縮変形して強く圧迫された状態で嵌
合用凹部に嵌合させてなるので、扉片と通気口との嵌合
強度が大きく、容器の気密性が向上する。
更に、請求項4の考案では、通気口の開口縁と扉片の端
面のいずれか一方に嵌合用凸部を設け、扉片を通気口に
嵌着して閉止したときには、前記嵌合用凸部が、他方の
開口縁又は端面に大して弾性圧縮変形して強く圧迫され
た状態で密嵌することで、容器の気密性が向上するとと
もに、嵌合用凹部を形成する必要がなく、容器の成形が
容易である。
又、請求項5の考案では、上記のような気密容器におけ
る通気口並びに扉片を正面視台形状に形成するととも
に、それらの平行な二辺のうちの短辺側の口縁及び端面
に位置決め用凹所及び位置決め用凸部を形成してなるの
で、扉片で通気口を閉止するに際しては、扉片の短辺側
から通気口へ斜めに挿入することで、扉片の位置決め、
及び通気口への嵌着作業が容易となるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る保冷容器の一例を示す分解斜視
図、第2図は同じく要部を示す拡大横断面図、第3図は
同じく拡大縦断面図、第4図(イ)は他の実施例におけ
る扉片の拡大正面図、(ロ)は同じく要部を示す拡大縦
断面図、(ハ)は同じく拡大横断面図、第5図(イ)
(ロ)はそれぞれ更に他の実施例を示す拡大横断面図、
第6図は位置決め用凹所の他の実施例を示す拡大縦断面
図である。 1:保冷容器、2:容器本体、3:蓋体、4:側壁、5:通気口、
6:扉片、7:係止段部、8:凹部、9:凸部、10:係止部、11:
位置決め凸部、12:位置決め用凹所、13:内装部、14:取
手用凹所、15:弾圧部。

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡合成樹脂製の容器本体と蓋体とよりな
    る容器における閉蓋時の辺部分を含まない適所に通気口
    を開設し、前記通気口の一口縁に位置決め用凹所を設
    け、前記通気口を閉止する扉片の一端面に前記位置決め
    用凹所に対応する位置決め用凸部を突設するとともに、
    前記通気口の口縁と扉片の端面との一方には、容器側壁
    又は扉片の厚さ方向の中間部に嵌合用凹部を、他方には
    嵌合用凸部を設けてなり、前記扉片の位置決め用凸部を
    通気口の位置決め用凹所内に挿入するとともに、前記嵌
    合用凹部と嵌合用凸部とを嵌合させた状態で扉片を通気
    口内に嵌着して通気口を閉止するようにした保冷容器。
  2. 【請求項2】発泡合成樹脂製の容器本体と蓋体とよりな
    る容器における閉蓋時の辺部分を含まない適所に通気口
    を開設し、前記通気口の一口縁に位置決め用凹所を設
    け、前記通気口を閉止する扉片の一端面に前記位置決め
    用凹所に対応する位置決め用凸部を突設し、前記通気口
    の口縁に嵌合用凹部を、扉片の端面に嵌合用凸部を設
    け、通気口における相対向する口縁に設けた嵌合用凹部
    を容器内部側に向けて開口幅が拡開するように形成する
    とともに、前記嵌合用凹部に対応する扉片の相対向する
    端面に設けた嵌合用凸部を容器内部側に向けて扉片の幅
    が拡開するように形成してなり、前記扉片の位置決め用
    凸部を通気口の位置決め用凹所内に挿入するとともに、
    前記嵌合用凹部と嵌合用凸部とを嵌合させた状態で扉片
    を通気口内に嵌着して通気口を閉止するようにした保冷
    容器。
  3. 【請求項3】嵌合用凹部を嵌合用凸部より小さく形成
    し、前記嵌合用凸部を弾性圧縮変形させた状態で嵌合用
    凹部に嵌合させてなる請求項1記載の保冷容器。
  4. 【請求項4】発泡合成樹脂製の容器本体と蓋体とよりな
    る容器における閉蓋時の辺部分を含まない適所に通気口
    を開設し、前記通気口の一口縁に位置決め用凹所を設
    け、前記通気口を閉止する扉片の一端面に前記位置決め
    用凹所に対応する位置決め用凸部を突設するとともに、
    前記通気口の口縁と扉片の端面のいずれか一方に嵌合用
    凸部を設けてなり、前記扉片の位置決め用凸部を通気口
    の位置決め用凹所内に挿入するとともに、前記嵌合用凸
    部を弾性圧縮変形させた状態で扉片を通気口内に嵌着し
    て通気口を閉止するようにした保冷容器。
  5. 【請求項5】通気口並びに扉片を正面視略台形状に形成
    するとともに、それらの平行な二辺のうちの短辺側の口
    縁及び端面に位置決め用凹所及び位置決め用凸部を形成
    してなる請求項1〜請求項4のいずれかに記載の保冷容
    器。
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